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発明の名称 アクリル系粘着剤組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−139912(P2001−139912A)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
出願番号 特願平11−319811
出願日 平成11年11月10日(1999.11.10)
代理人
発明者 船引 耕太郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル80重量%以上を含有してなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能で官能基を有する不飽和単量体1〜20重量%とを共重合してなるアクリル系共重合体に対し、該アクリル系共重合体中の前記官能基1当量に対して、この官能基と反応し得る官能基を有すると共に炭素数12〜30のアルキル基を有する単官能長鎖アルキル化合物が、その官能基当量が0.1〜1となるように配合されて反応された反応物100重量部と、溶解性パラメータ(SP値)が8.6以下の粘着付与樹脂3〜30重量部とを含むことを特徴とするアクリル系粘着剤組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低エネルギー表面の被着体に対する接着力が高エネルギー表面の被着体に対する接着力に比べて高く、高エネルギー表面に対して再剥離性を有することが要求される用途に適したアクリル系粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】工業あるいは包装用途では、金属や樹脂塗装鋼板などに、ポリオレフィンシート等の低エネルギー表面を有する保護材を粘着テープにて固定して保護することが多い。従来、このようなシートを貼り付けるための粘着剤として、アクリル系粘着剤が幅広く用いられている。
【0003】もっとも、アクリル系粘着剤は、極性が高いため、ポリオレフィンなどの低エネルギー表面の被着体に対する接着力は低い。そこで、アクリル系共重合体及び/またはその溶媒に相溶可能な極性の高い粘着付与樹脂を多量に配合してなるアクリル系粘着剤が提案されている(例えば特開平4−110376号公報、特開平7−26227号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような極性の高い粘着付与樹脂を多量に配合する方法では、ポリオレフィンシートなどの低エネルギー表面の被着体に対する接着力は高められるものの、同時に、高エネルギー表面の被着体に対する接着力も高くなる。従って、上記のように、金属や樹脂塗装鋼板などをポリオレフィンシート等の低エネルギー表面を有する保護材を粘着テープにて固定し保護するような用途に用いた場合、テープを金属や樹脂塗装鋼板から剥離しようとした場合、粘着剤がテープから剥がれ、保護対象部材である金属や樹脂塗装鋼板に残存することがあった。
【0005】すなわち、上述した極性の高い粘着付与樹脂を多量に配合する方法では、低エネルギー表面の被着体に対する接着力のみを選択的に高めることはできなかった。
【0006】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、低エネルギー表面の被着体に対する接着力が高められるだけでなく、高エネルギー表面の被着体に対する接着力を抑制することができ、高エネルギー表面の被着体に対する再剥離性に優れたアクリル系粘着剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアクリル系粘着剤組成物は、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル80重量%以上を含有してなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能である官能基を有する不飽和単量体1〜20重量%とを共重合してなるアクリル系共重合体に対し、該アクリル系共重合体中の前記官能基1当量に対して、この官能基と反応し得る官能基を有すると共に炭素数12〜30のアルキル基を有する単官能長鎖アルキル化合物が、その官能基当量が0.1〜1となるように配合されて反応された反応物100重量部と、溶解性パラメータ(SP値)が8.6以下の粘着付与樹脂3〜30重量部とを含むことを特徴とする。
【0008】本願発明者は、上記課題を解決すべく、アクリル系粘着剤におけるアクリル系共重合体の低極性化及び低極性の粘着付与樹脂を配合する方法を鋭意検討した結果、反応性の低極性成分をアクリル系共重合体に反応させて付加することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】本発明において、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、特に限定されるわけではないが、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどを例示することができる。
【0010】上記官能基含有不飽和単量体としては、特に限定されるわけではないが、水酸基を有する不飽和単量体、カルボキシル基を有する不飽和単量体、エポキシ基を有する不飽和単量体、アミノ基を有する不飽和単量体などが挙げられる。
【0011】水酸基を有する不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが例示される。
【0012】カルボキシル基を有する不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などのα,β−不飽和カルボン酸:マレイン酸ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル:マレイン酸:フマル酸:イタコン酸などが例示される。無水マレイン酸もマレイン酸と同様の(共)重合成分を与える。
【0013】エポキシ基を有する不飽和単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレートなどが例示される。アミノ基を有する不飽和単量体としては、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなどのアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミドなどのN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどが例示される。アミノ基を有するモノマーとしては、ジメチルアミノエチルアクリレートなどが例示される。
【0014】上記単官能長鎖アルキル化合物において、長鎖アルキル基は直鎖、分岐いずれの構造であってもかまわない。また、分子内の官能基位置は、1級、2級、3級いずれの位置でもかまわない。官能基の種類としてはカルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、アジリジニル基などが例示される。
【0015】本発明においては、上記アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体のうち、アルキル基の炭素数が8〜12のものが80重量%以上の範囲で使用されるが、好ましくは、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は90重量%以上の割合で使用される。
【0016】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体のうち、アルキル基炭素数が8未満のものが20重量%以上使用されれば、アクリル系共重合体の極性が高くなると共に、粘着付与樹脂との相溶性が低下し、目標とする性能が得られない。また、アルキル基炭素数が高いほど、溶解性パラメータの低い粘着付与樹脂との相溶性は向上し、目標性能は得られ易いが、アルキル基の炭素数が13以上になると共重合性が悪化するため生産性が低下し、現実的でない。
【0017】また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体のうち、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが80重量%以上の割合で用いられるとは、20重量%未満の割合で他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられてもよいことを意味し、このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルについては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどを挙げることができる。
【0018】本発明では、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に、これと共重合可能な官能基含有不飽和単量体が1〜20重量%の割合で共重合されるが、好ましくは3〜15重量%の割合で重合される。
【0019】官能基含有不飽和単量体は、架橋剤による架橋及び反応性単官能長鎖アルキル化合物を反応付加させるために必要であるが、20重量%を超えて使用されると、アクリル系共重合体の凝集力が非常に高くなり、感圧接着剤としての機能を果たさなくなる。
【0020】炭素数12〜30の長鎖アルキル基を有する単官能長鎖アルキル化合物は、官能基含有不飽和単量体の官能基1モル当量に対し、0.1〜1モル当量で使用される。
【0021】上記単官能長鎖アルキル化合物は、アルキル基の炭素数が11以下であるとアクリル系共重合体の改質に大きな効果が得られない。アルキル基の炭素数が31以上であると、未反応物が残存したり、凝集力が高くなり過ぎるという問題がある。
【0022】また、上記単官能長鎖アルキル化合物を配合する際には、より反応性を高めるために触媒等の反応助剤を使用してもかまわない。本発明に係るアクリル系粘着剤組成物では、上述したように、溶解性パラメータ(SP値)が8.6以下の粘着付与樹脂が上記特定の割合で配合される。このような粘着付与樹脂としては、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5系/C9系共重合石油樹脂等の一部または全部が例示され、粘着付与樹脂は不飽和部の水素添加がなされていてもよく、また、2種以上の粘着付与樹脂を使用してもよい。
【0023】上記粘着付与樹脂は、上記アクリル系共重合体100重量部に対し3〜30重量部の範囲で配合されるが、好ましくは、溶解性パラメータ(SP値)が8.6以下のものが5〜25重量部使用される。
【0024】上記粘着付与樹脂は、溶解性パラメータ(SP値)が8.6を超えると高エネルギー表面被着体への接着力に対する低エネルギー表面被着体への接着力の割合が低くなり、目標性能が得られない。
【0025】また、上記粘着付与樹脂の配合量が3重量部未満の場合には、系の極性低下効果及び粘着付与効果が発揮できず、目標性能は得られない。30重量部を超えると、高エネルギー表面に対する良好な再剥離性が得られない。
【0026】本発明に係るアクリル系粘着剤組成物では、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル80重量%以上を含有してなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を用いることにより、アクリル系共重合体の極性が低められると共に、アクリル系共重合体と粘着付与樹脂との相溶性が高められている。また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に、官能基含有不飽和単量体1〜20重量%が共重合されてアクリル系共重合体が構成されているので、炭素数12〜30のアルキル基を有する単官能長鎖アルキル化合物がアクリル系共重合体と十分に反応され、かつアクリル系共重合体の凝集力が粘着性を示す程度に維持される。
【0027】さらに、上記単官能長鎖アルキル化合物が上記特定の割合でアクリル系共重合体に付加されているので、極性が低下される。そのため、アクリル系共重合体に対する相溶限界量が非常に低い溶解性パラメータ(SP値)が8.6以下の低極性の粘着付与樹脂の相溶限界量が高められ、かつ低エネルギー表面の被着体に対する濡れ性及び接着力が高められ、さらに高エネルギー表面の被着体に対する接着力が抑制され、良好な再剥離性が与えられる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明することにより、本発明をより詳細に説明する。
【0029】(実施例1)2−エチルヘキシルアクリレート97重量部、アクリル酸3重量部、溶媒としてトルエン100重量部を、70℃攪拌下、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルをアクリル単量体100重量部に対し0.5重量部添加し、70℃を維持しながら10時間反応させアクリル系共重合体のトルエン溶液を得た。
【0030】得られたアクリル系共重合体のトルエン溶液の固形分100重量部に対し、反応性単官能長鎖アルキル化合物としてN−アジリジニル−N′−ステアリルウレア(日本触媒社製)を9重量部、粘着付与樹脂としてテルペン樹脂YSレジンD105(ヤスハラケミカル社製)を13重量部、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(略称HDU:相互薬工社製)を0.12重量部配合し、PETフィルム(厚み:50μm)に乾燥後の糊厚が30μmとなるように均一に塗布し、オーブンにて100℃×5分間の条件で乾燥後、40℃×7日間の養生を経て、粘着テープを得た。
【0031】(実施例2)2−エチルヘキシルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、溶媒としてトルエン100重量部を、70℃攪拌下、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルをアクリル単量体100重量部に対し0.5重量部添加し、70℃を維持しながら10時間反応させアクリル系共重合体のトルエン溶液を得た。
【0032】得られたアクリル系共重合体のトルエン溶液の固形分100重量部に対し、反応性単官能長鎖アルキル化合物としてN−アジリジニル−N′−ステアリルウレア(日本触媒社製)を15重量部、粘着付与樹脂として芳香族変性テルペン樹脂のクリアロンM105(ヤスハラケミカル社製)を24重量部、架橋剤としてN,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)(略称HDU:相互薬工社製)を0.08重量部配合し、PETフィルム(厚み:50μm)に乾燥後の糊厚が30μmとなるように均一に塗布し、オーブンにて100℃×5分間の条件で乾燥後、40℃×7日間の養生を経て、粘着テープを得た。
【0033】(比較例1)実施例1において、表1に示すように架橋剤の配合量を変更し、単官能長鎖アルキル化合物のN−アジリジニル−N′−ステアリルウレアを配合しないこと以外は同様にして粘着テープを得た。
【0034】(比較例2)実施例2において、表1に示すように架橋剤の配合量を変更し、単官能長鎖アルキル化合物のN−アジリジニル−N′−ステアリルウレアを配合しないこと以外は同様にして粘着テープを得た。
【0035】(比較例3)実施例1において、表1に示すように粘着付与樹脂の種類と配合量を変更したこと以外は同様にして粘着テープを得た。
【0036】(比較例4)実施例2において、表1に示すように粘着付与樹脂の配合量を変更したこと以外は同様にして粘着テープを得た。
【0037】(比較例5)実施例1において、表1に示すように架橋剤及び単官能長鎖アルキル化合物のN−アジリジニル−N′−ステアリルウレアの配合量を変更したこと以外は同様にして粘着テープを得た。
【0038】なお、単官能長鎖アルキル化合物18重量部は、アクリル酸のカルボキシル基1当量に対し、カルボキシル基と反応する官能基の当量1.28に相当する。
【0039】
【表1】

【0040】(評価方法)
1)SP粘着力JIS−Z 0237に準じて、SUS304板に対する180°引き剥がし粘着力を測定した。
【0041】2)PE粘着力SP粘着力評価において、SUS板の代わりにポリエチレン(PE)板を用いたこと以外は全て同様の方法にて行った。
【0042】3)SUS板再剥離性SUS304板に粘着テープを貼付し、70℃×5日間の加熱後、JIS−Z0237の標準状態に2時間放置後、90°方向に剥離速度1m/分にて剥離し、剥離後の糊残り有無を評価した。
【0043】4)アクリル樹脂板再剥離性SUS板再剥離性評価において、被着体をアクリル樹脂板としたこと以外は全て同様の方法にて行った。
【0044】(結果)実施例1,2では、PE粘着力に優れ、かつ再剥離性にも優れた粘着テープが得られた。
【0045】比較例1,2では、単官能長鎖アルキル化合物を配合していないため、配合した低極性粘着付与樹脂が相分離し再剥離性が得られなかった。比較例3では、配合した粘着付与樹脂の極性が高いため、PE粘着力のみを選択的に向上させることができず、また、再剥離性も得られなかった。
【0046】比較例4では、低極性粘着付与樹脂が相分離し再剥離性が得られなかった。比較例5では、単官能長鎖アルキル化合物を多量に配合したため、未反応物が遊離しSUS及びPEに対する粘着性能は低く、また、再剥離性も得られなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル80重量%以上を含有してなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と共重合可能な官能基含有不飽和単量体1〜20重量%を共重合してなるアクリル系共重合体に対し、この共重合体の官能基と反応し得る官能基を有すると共に、炭素数12〜30のアルキル基を有する単官能長鎖アルキル化合物が、共重合体中の官能基1当量に対して、反応する官能基当量で0.1〜1となるように反応付加されているので、アクリル系共重合体の極性が低下し、元来、アクリル系共重合体に対し相溶限界量が非常に低かった溶解性パラメータ(SP値)が8.6以下の低極性粘着付与樹脂の相溶限界量が高められる。従って、低エネルギー表面の被着体への濡れ性が高められ、かつ接着力が高められ、さらに、高エネルギー表面の被着体への接着力が抑制されることにより良好な再剥離性が得られる。




 

 


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