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発明の名称 樹脂組成物の製造方法及び樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−139778(P2001−139778A)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
出願番号 特願平11−319808
出願日 平成11年11月10日(1999.11.10)
代理人
発明者 森田 健晴 / 柴山 晃一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 熱可塑性樹脂とノルボルネン系重合体とからなる樹脂組成物の製造方法であって、前記熱可塑性樹脂100重量部に対してノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマー1〜300重量部を配合し、前記熱可塑性樹脂中に分散させた後、メタセシス重合触媒を用いて前記ノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマーを重合させてなることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
【請求項2】 熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】 ノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマーは、架橋性を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】 熱可塑性樹脂は、メタセシス重合触媒を用いてノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系のオリゴマーを重合する際に溶融状態であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の樹脂組成物の製造方法により製造されてなることを特徴とする樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性、耐熱性に優れた樹脂組成物の製造方法及びその製造方法により製造される樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ジシクロペンタジエン(以下、DCPDという)に代表されるノルボルネン系モノマーを反応射出成形法等により金型内で開環重合することによって、機械的強度、耐熱性、寸法安定性に優れたノルボルネン系重合体からなる成形品を得ることができる。ところが、上記ノルボルネン系重合体は、熱硬化性である等の理由で、成形方法に制約があったり、リサイクルできない等の問題点があった。
【0003】米国特許5,254,629号明細書には、DCPD架橋体に熱可塑性樹脂を配合し、得られる樹脂の物性を改善する方法が開示されている。この方法では、DCPD架橋時に熱可塑性樹脂成分を10wt%以下の少量分散させるため、DCPD架橋体の耐衝撃性を向上させる効果はあるものの、熱可塑性を示す樹脂を得ることはできなかった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は上記に鑑み、ポリノルボルネン系成形体の優れた耐衝撃性、機械強度を活かしつつ、耐熱性及び成形性に優れた樹脂組成物の製造方法及びその製造方法により製造される樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂とノルボルネン系重合体とからなる樹脂組成物の製造方法であって、前記熱可塑性樹脂100重量部に対してノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマー1〜300重量部を配合し、前記熱可塑性樹脂中に分散させた後、メタセシス重合触媒を用いて前記ノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマーを重合させてなる樹脂組成物の製造方法である。以下に、本発明を詳述する。
【0006】本発明の樹脂組成物の製造方法により得られる樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とノルボルネン系重合体とからなる。上記熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、上記ノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマーとの相容性が高いオレフィン系樹脂が好ましい。上記オレフィン系樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのランダム共重合体及びブロック共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、ポリブチレン、ポリイソプレン、ブタジエン等のジエン類の単独重合体及び共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレン等の汎用オレフィン樹脂がコスト的には好ましい。また、本発明の樹脂に印刷性、親水性、接着性等を付与する目的で極性成分を有するオレフィン樹脂を配合することもできる。
【0007】本発明の樹脂組成物の製造方法により得られる樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対してノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマー1〜300重量部を配合し、上記熱可塑性樹脂中に分散させた後、メタセシス重合触媒を用いて上記ノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマーを重合させてなる。上記ノルボルネン系モノマーとしては、二環体又は三環体以上の多環ノルボルネン系モノマーが好ましい。なかでも、三環体以上の多環ノルボルネン系モノマーがより好ましい。三環体以上の多環体を用いることにより、熱変形温度の高いノルボルネン系重合体が得られ、複合材として要求される耐熱性が向上する。
【0008】上記二環体のノルボルネン系モノマーとしては特に限定されず、例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−フェニルノルボルネン等が挙げられる。
【0009】上記三環体以上の多環ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン等の三環体、テトラシクロドデセン等の四環体、トリシクロペンタジエン等の五環体、テトラシクロペンタジエン等の七環体及びこれらの多環体のアルキル置換体、アルキリデン置換体、アリール置換体等が挙げられる。上記多環体のアルキル置換体としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル置換体等が挙げられる。上記多環体のアルキリデン置換体としては、例えば、エチリデン置換体等が挙げられる。上記多環体のアリール置換体としては、例えば、フェニル、トリル、ナフチル置換体等が挙げられる。なかでも、入手の容易さ、反応性、耐熱性等の見地から、三環体又は五環体のノルボルネン系モノマーが好ましい。また、上記三環体以上の多環ノルボルネン系モノマーは、ジシクロペンタジエンを熱処理することによっても得られる。上記ノルボルネン系モノマーは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0010】更に、本発明において、得られるノルボルネン系重合体を熱硬化型とするためには上記ノルボルネン系モノマーが、架橋性を有している架橋性モノマーを含むことが好ましい。なお、本明細書において、上記架橋性モノマーとは、反応性の2重結合を2個以上有する多環ノルボルネン系モノマーである。
【0011】上記架橋性モノマーとしては特に限定されず、例えば、上述のジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン等が挙げられる。本発明においては、上記ノルボルネン系モノマーと上記架橋性モノマーが同一化合物である場合には他の架橋性モノマーを用いる必要はない。上記架橋性モノマーは、全モノマー中少なくとも10重量%以上であることが好ましい。より好ましくは、30重量%以上である。
【0012】上記ノルボルネン系オリゴマーは、上記ノルボルネン系モノマーを重合して得られる。上記重合方法としては、例えば、メタセシス重合、その他の重合方法等が挙げられる。上記ノルボルネン系オリゴマーを重合する場合、上記ノルボルネン系モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記ノルボルネン系重合体を重合する際に、上記ノルボルネン系オリゴマーと上記ノルボルネン系モノマーを共存させることにより、重合速度を上げることができる。
【0013】本発明の樹脂組成物の製造方法により製造される樹脂組成物の熱可塑性を保つためには、配合するノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマーの添加量は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜300重量部である。1重量部未満であると、ノルボルネン成分による効果がみられない。300重量部を超えると、得られる樹脂が架橋体となり、熱可塑成形が不可能となる。好ましくは3〜80重量部であり、より好ましくは5〜10重量部である。
【0014】本発明においては、上記熱可塑性樹脂は溶融状態であることが好ましい。上記熱可塑性樹脂が溶融状態で流動性を示すことにより、上記ノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系のオリゴマーは、上記熱可塑性樹脂中に良好に分散する。また、メタセシス重合触媒を用いて上記ノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマーを重合する際、生成したノルボルネン系重合体が、上記溶融状態の熱可塑性樹脂中に微分散することにより、得られた樹脂にノルボルネン系重合体の優れた耐衝撃性、耐熱性を付与することができる。
【0015】上記熱可塑性樹脂中に上記ノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマーを分散させる方法としては、例えば、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー、一軸又は二軸の押出機等により上記熱可塑性樹脂と上記ノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマーとを溶融混練する方法が挙げられる。
【0016】上記メタセシス重合触媒としては、プロセス上、空気中又は酸素中で安定な触媒であることが好ましく、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル、ルテニウム等のハロゲン化物、オキシハロゲン化物、酸化物、有機アンモニウム塩等が挙げられる。なかでも、空気中でより安定である、下記一般式(1)で表されるルテニウムカルベン触媒や下記一般式(2)で表されるルテニウムビニリデン触媒等が好ましい。上記メタセシス重合触媒として、空気中で安定な触媒を用いることにより、大量の熱可塑性樹脂を配合し、より効率よくノルボルネン系成分を重合させることができる。
【0017】
【化1】

【0018】
【化2】

【0019】式中、R1 及びR2 は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキル基、アリール基、炭素数2〜20のカルボキシル基、炭素数2〜20のアルコキシル基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルチオ基、フェロセン誘導体を意味し、これらは、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基によって置換されたフェニル基によって必要に応じて置換されていてよく、X1 及びX2 は、同じであっても異なっていてもよく、アニオン性配位子を意味し、L1及び、L2 は、同じであっても異なっていてもよく、中性電子供与体を意味し、そしてX1 、X2 、L1 及びL2 の2個又は3個は、一緒に多座キレート化配位子を形成してよい。
【0020】なかでも、より好ましいメタセシス重合触媒の構造としては、上記一般式(1)及び上記一般式(2)の式中、R1 及びR2 は、同じであっても異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、フェロセニル基、又は、メチル基、エチル基、フェニル基若しくはフェロセニル基によって必要に応じて置換されたビニル基を意味し、X1 及びX2 は、同じであっても異なっていてもよく、塩素原子、臭素原子を意味し、L1 及びL2 は、同じであっても異なっていてもよく、トリメチルフォスフィン、トリエチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン又はトリシクロヘキシルフォスフィンを意味する、ルテニウムカルベン錯体及びルテニウムビニリデン錯体である。
【0021】上記一般式(2)で表されるメタセシス重合触媒は、上記一般式(1)で表されるメタセシス重合触媒と比較して重合活性は低いが分子量の制御性は優れている。ゆえに反応性の高い環状不飽和モノマーを重合する場合には上記一般式(2)で表される触媒の使用が好ましい。
【0022】上記メタセシス重合触媒の添加量は上記ノルボルネン系モノマーに対して1/5〜1/3万当量であることが好ましい。1/5当量を超えると、得られる重合体の分子量が上がらず、1/3万当量未満であると、重合速度が低下する。より好ましくは1/30〜1/2万当量である。
【0023】上記メタセシス重合触媒を用いてノルボルネン系モノマー及び/又はノルボルネン系オリゴマーの重合するときの温度は、30〜200℃が好ましい。30℃未満であると、配合する上記熱可塑性樹脂の流動性が低く、効率よく混練できない。200℃を超えると、上記メタセシス重合触媒が失活する。より好ましくは、60〜180℃である。
【0024】上記メタセシス重合触媒を用いたノルボルネン系重合体の重合は、不活性気体雰囲気下にて行うことが好ましいが、上記ルテニウムカルベン錯体等の安定な触媒を用いる場合には空気中で重合することができる。
【0025】本発明の樹脂組成物の製造方法により製造される樹脂組成物及びその樹脂組成物を用いた成形体は、酸化防止剤、充填材、補強材、発泡剤、顔料、着色剤、エラストマー、ジシクロペンタジエン系熱重合樹脂等種々の添加剤を配合することにより、その特性を改質することができる。
【0026】上記充填材としては特に限定されず、例えば、ガラス、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、雲母、モンモリロナイト等のクレイ等の無機質充填材等が挙げられる。上記補強材としては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維等の繊維状充填材等が挙げられる。
【0027】上記エラストマーとしては特に限定されず、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、EPDM、エチレン酢酸ビニル共重合体及びこれらの水素化物等が挙げられる。
【0028】本発明の樹脂組成物の製造方法は、上記のような構成からなるため、接着性、耐熱性、耐薬品性等に優れた樹脂組成物を製造できる。本発明2は本発明1の樹脂組成物の製造方法により製造されてなる樹脂組成物である。
【0029】本発明2の樹脂組成物からなる成形体は、接着性、耐熱性、耐薬品性等が要求される電気電子部品、浴槽、合併浄化槽他、各種用途に使用できる。本発明2の樹脂組成物からなる成形体もまた、本発明の1つである。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0031】実施例1ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム社製、ノバテックEA9)100重量部及びジシクロペンタジエン30重量部を配合し、ブラベンダープラストグラフ(東洋製機社製)にて90rpm、150℃で5分間混練した。次に下記構造式(3)で表されるルテニウムアルキリデン触媒0.019重量部(ジシクロペンタジエンの1/1万当量)をトルエン1mLに溶解させたものを加えて15分間混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のアイゾット衝撃強度の測定を、JIS K 6758に準じて行った。結果を表1に示した。
【0032】
【化3】

【0033】実施例2ポリプロピレン樹脂(日本ポリケム社製、ノバテックEA9)100重量部及びジシクロペンタジエン10重量部を配合し、ブラベンダープラストグラフにて90rpm、150℃で5分間混練した。次に下記構造式(4)で表されるルテニウムビニリデン触媒0.030重量部(ジシクロペンタジエンの1/2500当量)をトルエン1mLに溶解させたものを加えて15分間混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性評価を実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
【0034】
【化4】

【0035】比較例1ジシクロペンタジエン及びルテニウムアルキリデン触媒を配合しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行って樹脂を得た。得られた樹脂の物性評価を実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
【0036】
【表1】

【0037】実施例3ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、ノバテックLC560)100重量部及びジシクロペンタジエン10重量部を配合し、ブラベンダープラストグラフにて90rpm、100℃で5分間混練した。次に上記構造式(3)で表されるルテニウムアルキリデン触媒0.013重量部(ジシクロペンタジエンの1/5000当量)をトルエン1mLに溶解させたものを加えて15分間混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のビカット軟化点の測定を、JIS K 7206に準じて行った。結果を表2に示した。
【0038】実施例4ポリエチレン樹脂(日本ポリケム社製、ノバテックLC560)100重量部及びジシクロペンタジエン20重量部を配合し、ブラベンダープラストグラフにて90rpm、110℃で5分間混練した。次に上記構造式(3)で表されるルテニウムビニリデン触媒0.060重量部(ジシクロペンタジエンの1/1250当量)をトルエン1mLに溶解させたものを加えて15分間混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の物性評価を実施例3と同様に行った。結果を表2に示した。
【0039】比較例2ジシクロペンタジエン及びルテニウムビニリデン触媒を配合しなかったこと以外は実施例4と同様の操作を行って樹脂を得た。得られた樹脂の物性評価を実施例3と同様に行った。結果を表2に示した。
【0040】
【表2】

【0041】
【発明の効果】本発明は上述のような構成からなるため、ポリノルボルネン系成形体の優れた耐衝撃性、機械強度を活かしつつ、耐熱性及び成形性に優れた樹脂組成物の製造方法及びその製造方法により製造される樹脂組成物を提供することができる。




 

 


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