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発明の名称 高周波融着性樹脂、高周波融着性フィルム及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−139636(P2001−139636A)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
出願番号 特願平11−327188
出願日 平成11年11月17日(1999.11.17)
代理人
発明者 戸川 勝也 / 黒田 健夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 3級炭素構造及び不飽和二重結合を有する重合性単量体(a)と、少なくとも1種の他のラジカル重合性単量体(b)とが共重合されてなる共重合体(c)からなることを特徴とする高周波融着性樹脂。
【請求項2】 共重合体(c)が、3級炭素構造及び不飽和二重結合を有する重合性単量体(a)と、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、ニトリル基、エポキシ基、シアノ基及びイソシアネート基の内の少なくとも1種の官能基を有する少なくとも1種の他のラジカル重合性単量体(b)とが共重合されてなることを特徴とする請求項1記載の高周波融着性樹脂。
【請求項3】 共重合体(c)に、さらにラジカル重合性の不飽和二重結合で末端が修飾されたオレフィン系単独重合体又は共重合体(d)が共重合されてなる共重合体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波融着性樹脂。
【請求項4】 請求項3記載の高周波融着性樹脂からなることを特徴とする高周波融着性フィルム。
【請求項5】 請求項3記載の高周波融着性樹脂からなるフィルムとオレフィン系樹脂からなるフィルムとが積層一体化されてなることを特徴とする複合高周波融着性フィルム。
【請求項6】 請求項1〜3いずれか1項記載の高周波融着性樹脂とオレフィン系樹脂とを、フィルム状に共押し出しすることによって積層一体化することを特徴とする複合高周波融着性フィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波によって発熱し、ポリオレフィン材料にも融着し得る高周波融着性樹脂、及び、これを用いた高周波融着性フィルム成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する意識の高まりの中で、非ポリ塩化ビニル材料としてポリオレフィンが着目され、特に食品包装用、農業用、医療用、産業資材用、文具用、雑貨用等あらゆる分野で使用されている。しかしながら、ポリオレフィン材料はポリ塩化ビニルと異なり、その分子中に極性基を有しないため、高周波やマイクロ波を利用した融着が困難であった。そこで、例えば、特開平6−182876号公報には、ポリオレフィン材料にフェライトなどの電波吸収体を配合及び/又は塗布することにより、ポリオレフィン材料に高周波融着性を持たせる方法が開示されているが、この方法では、フェライト等によって成形体が着色する場合があり、実用面で重要な問題があった。
【0003】また、特開平9−263657号公報には、熱可塑性樹脂に水酸基を有する化合物を配合した高周波融着可能な熱可塑性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、この公報に開示された、水酸基を有する化合物を用いた組成物は、高周波により発熱はするものの、特に無極性のポリオレフィンに対しては、高周波融着性が未だ不充分であった。
【0004】一方、ポリエチレン/EVA/ポリエチレンからなる3層構造を有するポリオレフィン系高周波融着用フィルムが用いられているが、このフィルムは、EVA自身は発熱するが、ポリエチレンを溶かして全層を融着させるには、フィルム全体を予熱して高周波加工を行うか、又は高周波加工装置の出力を上げる必要があり、これまでに普及している高周波ウェルダー加工機での対応が困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の高周波融着用組成物の問題点に鑑み、高周波により十分に発熱する特性を有し、対象となる基材表面に層を形成することにより種々の部材又は材料を高周波融着することができる高周波融着性樹脂を提供することを目的とする。また、本発明は、ポリオレフィン系基材への高周波融着性の良好な高周波融着性フィルム成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、3級炭素構造及び不飽和二重結合を有する重合性単量体(a)と、少なくとも1種の他のラジカル重合性単量体(b)とが共重合されてなる共重合体(c)からなる高周波融着性樹脂を提供する。
【0007】また、請求項2記載の本発明は、共重合体(c)が、3級炭素構造及び不飽和二重結合を有する重合性単量体(a)と、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、ニトリル基、エポキシ基、シアノ基及びイソシアネート基の内の少なくとも1種の官能基を有する少なくとも1種の他のラジカル重合性単量体(b)とが共重合されてなる請求項1記載の高周波融着性樹脂を提供する。
【0008】また、請求項3記載の本発明は、共重合体(c)に、さらにラジカル重合性の不飽和二重結合で末端が修飾されたオレフィン系単独重合体又は共重合体(d)が共重合されてなる共重合体からなる請求項1又は2記載の高周波融着性樹脂を提供する。
【0009】また、請求項4記載の本発明は、請求項3記載の高周波融着性樹脂からなることを特徴とする高周波融着性フィルム成形体を提供する。また、請求項5記載の本発明は、請求項3記載の高周波融着性樹脂とオレフィン系樹脂とを、フィルム状に共押し出しすることによって積層一体化する高周波融着性フィルム成形体の製造方法を提供する。
【0010】以下、本発明を更に詳細に説明する。上記3級炭素構造及び不飽和二重結合を有する重合性単量体(a)としては、特に限定されず、t-ブチルアクリレート、t-ブチルメタクリレート、t-ブチルフェニルアクリレート、N-t-ブチルアクリルアミド、N-t-ブチルメタクリルアミド、t-ブチルアミノエチルメタクリレートなどが挙げられる。3級炭素構造を有するものは動的分極が大きいので、高周波加熱に効果がある。
【0011】また、上記の他のラジカル重合性の不飽和結合を有する単量体(b)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、nープロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。なお、本発明において上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルを総称するものとする。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0012】本発明の高周波融着性樹脂は、上記重合性単量体(a)と、上記他のラジカル重合性単量体(b)とが共重合されてなる共重合体(c)からなることを特徴とするものであり、ラジカル重合性単量体(b)は、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、ニトリル基、エポキシ基、シアノ基及びイソシアネート基の内の少なくとも1種の官能基を有するものであることが、高周波加熱の面で静的分極を大きくできて発熱量を大きくすることができる点で好ましい。
【0013】上記重合性単量体(b)であって、カルボキシル基を有するものとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、カルボキシエチルアクリレート等が挙げられる。上記重合性単量体(b)であって、水酸基を有するものとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】上記重合性単量体(b)であって、アミド基を有するものとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。上記重合性単量体(b)であって、アミノ基を有するものとしては、例えば、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記重合性単量体(b)であって、ニトリル基を有するものとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
【0015】また、上記ラジカル重合性の不飽和二重結合で末端を修飾されたオレフィン系単独重合体又は共重合体(d)において、その末端に存在するラジカル重合性の不飽和二重結合を有する基としては特に限定されるものではなく、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基などが挙げられる。なお、本発明において上記(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基、メタクリロイル基を総称するものとする。
【0016】上記ラジカル重合性の不飽和二重結合で末端を修飾されたオレフィン系単独重合体又は共重合体(d)に供されるオレフィン系単独重合体又は共重合体は特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/ブチレン共重合体などが挙げられる。上記オレフィン系単独重合体又は共重合体(d)の具体例としては、例えばエチレン/ブチレン共重合体の末端がメタクリル酸メチルで修飾されたShell Chemical Company製の「KRATON LIQUID Polymer L−1253」や、特開平7−2928号公報に開示されているポリプロピレン又はエチレン/プロピレンランダム共重合体の末端がメタクリル酸メチルエステル等の(メタ)アクリレートで修飾された化合物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
【0017】上記オレフィン系単独重合体又は共重合体(d)の重量平均分子量は1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜50,000であることがより好ましい。1,000未満であると樹脂の強度が弱くなることがあり、100,000を越えると製造時の粘度が高くなり好ましくない。
【0018】本発明において、高周波融着性樹脂中における、上記オレフィン系単独重合体又は共重合体(d)の共重合比率は、2重量%以上とするのが好ましい。この共重合比率が2重量%未満になると、ポリオレフィン材料との接着性が低下する。従って、請求項4記載の高周波融着性フィルムの場合は、ポリオレフィン材料に高周波加熱融着した際にポリオレフィン材料との界面が弱くなるか、場合によっては高周波加熱融着が困難となる。また、請求項5記載の複合高周波融着性フィルムの場合は、ポリオレフィン材料と高周波融着性樹脂からなるフィルムとの界面が弱くなる場合が多い。また、本発明の複合高周波融着性フィルムの製造方法の場合は、共押出したときのポリオレフィン材料との界面が弱くなる場合が多い。
【0019】本発明においては、高周波融着性樹脂のガラス転移温度、極性、融着性(接着性)等の物性を調整するために、更に他のビニル系単量体を共重合することもできる。このような共重合可能なビニル系単量体としては、例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、スチレン等の芳香族系単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン等のアミノ基、アミド基、ニトリル基以外の窒素含有ビニル単量体、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0020】本発明の高周波加熱性組成物は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等公知の方法を用いて製造することができるが、通常、トルエン、酢酸エチル等の溶媒中で溶液重合することにより容易に製造することができる。
【0021】本発明の高周波融着性樹脂には、発明の目的を阻害しない範囲内で、必要に応じて公知の各種添加剤、例えば、粘着付与樹脂、相溶化剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、顔料等を添加して高周波融着用組成物として用いてもよい。
【0022】請求項4記載の高周波融着性フィルムを得る方法は、生産性の点から押し出し成形によるのが好ましいが、これに限定されものではない。本発明の高周波融着性フィルム成形体の製造方法は、上記共重合体(c)に、さらにラジカル重合性の不飽和二重結合で末端が修飾されたオレフィン系単独重合体又は共重合体(d)が共重合されてなる共重合体からなる高周波融着性樹脂と、オレフィン系樹脂とを、フィルム状に共押し出しすることによって積層一体化するものである。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などが挙げられる。
【0023】上記共押し出しにおいては、従来公知の共押し出し成形方法を採用することができる。例えば、複数の押出機で各々溶融した本発明の高周波融着性樹脂と、オレフィン系樹脂とを、1個の共通ダイに送り込んでフィルム状に吐出することにより、両者が十分に積層一体化した多層フィルムを得るのである。押出機温度は、オレフィン系樹脂としてポリエチレンを用いる場合は150〜180℃、ポリプロピレンを用いる場合は180〜230℃、EVAの場合は140〜180℃が好ましい。また、高周波融着性樹脂は組成により異なるが、一般に130〜220℃である。
【0024】共押し出し法にによって積層される高周波融着性樹脂層の厚みは、基材となるオレフィン系樹脂層の厚みに対し1%以上の厚みであることが好ましい。1%未満であると、十分な高周波融着性を発揮することが出来ないからである。好ましくは基材となるオレフィン系樹脂層の厚みに対し1.5%以上の厚みである。尚、本発明における「フィルム」は、特に厚みは限定されず、通常、シートと称されるものも包含するものである。
【0025】本発明の高周波融着性樹脂は、上述したように共押出し方法によって、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などのオレフィン系樹脂基材の融着させようとする部分に当該樹脂層を形成することにより、優れた高周波融着効果を示す。従って、上記高周波融着性樹脂は、自動車等の車両部品、食品用、医療用等の包装材料、文具、雑貨、家電等の電気部品、各種産業用資材等の幅広い分野で有用である。
【0026】本発明の高周波融着性樹脂は、例えば、基材表面に層を形成させることによって高周波融着が可能となる。基材の表面に上記高周波融着用組成物の層を形成する方法は、特に限定されず、例えば、上記高周波融着用組成物を含む溶剤系もしくは水系の溶液を調製した後、この溶液をスプレーにより、またはロールコーター等を用いて塗布する方法、基材作製時に共押出しにより基材と一体化した表面層を形成する方法(本発明の複合高周波融着性フィルムの製造方法)、基材上に高周波融着用組成物を熱板により押圧する熱ラミネート方法、基材上に押し出して積層する押し出しラミネート方法、基材上に請求項4記載の高周波融着性フィルムを載置し必要により加熱する方法等が挙げられる。高周波融着性樹脂を発熱、融着させるには通常、数MHz〜100MHzの高周波が用いられる。
【0027】(作用)本発明の高周波融着性樹脂は、高周波加熱、より詳しくは誘電加熱により被着体に融着し得る特性を備えたものである。本発明の高周波融着性樹脂において、特に、請求項3記載の如く、3級炭素構造及び不飽和二重結合を有する重合性単量体(a)と、少なくとも1種の他のラジカル重合性単量体(b)とが共重合されてなる共重合体(c)に、さらに、ラジカル重合性の不飽和二重結合で末端を修飾されたオレフィン系単独重合体又は共重合体(d)が共重合された共重合体からなる場合は、オレフィン系重合体(d)によって、ポリオレフィンに対し、従来の高周波融着性樹脂よりも遙に融着性が高いものとなされている。
【0028】また、本発明の複合高周波融着性フィルムの製造方法は、本発明の高周波融着性樹脂とオレフィン系樹脂とを、フィルム状に共押し出しすることによって積層一体化するので、本発明によれば、オレフィン系樹脂への強固なアンカー効果により高周波融着性樹脂が十分に積層一体化した複合高周波融着性フィルムを、高い生産性をもって製造することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記の実施例及び比較例において、単に「部」とあるのは、重量部を意味する。
【0030】(実施例1)
〔共重合体(c)の調製〕攪拌器、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えたセパラブルフラスコに、下記の表1に示す割合の、モノマー(a)及び(b)、並びにオレフィン系重合体(d)(エチレン/ブチレン共重合体の末端がメタクリル酸メチルで修飾されたShell Chemical Company製の KRATON LIQUID Polymer L−1253)(合計100重量部)と、トルエン70部と酢酸エチル30部とからなる重合溶剤とを配合し、モノマー混合溶液を調製した。尚、重合の部数は、共重合体のガラス転移温度がほぼ一定になるように調整しておいた。
【0031】次に、このモノマー混合溶液を20分間窒素ガスを用いてバブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換して昇温させた。冷却管に還流液が確認された時点で重合開始剤としての1、1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3、3、5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂社製、商品名:パーヘキサTMH)0.01部を投入することにより沸点重合を開始した。重合を開始してから1時間後に再度パーヘキサTMH0.02部を投入した。
【0032】また重合を開始してから2時間後、3時間後及び4時間後に、ジ−(3、5、5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド(日本油脂社製、商品名:パーロイル355)0.02部、0.1部及び0.3部をそれぞれ投入した。7時間後沸点重合を行うことにより共重合体溶液を得た後、揮発分を80℃で減圧乾燥し、アクリル系共重合体(c)を得た。
【0033】〔オレフィン系樹脂との複合フィルムの成形〕多層押し出し機のホッパーに、基材となるポリエチレン、ポリプロピレン又はEVAを、もう一方のホッパーに上記アクリル系共重合体(c)からなる高周波融着性樹脂を投入し、共押し出しを行った。ポリエチレン(三菱化学社製、商品名ミラソン12)と高周波融着性樹脂との積層フィルム、ポリプロピレン(チッソ社製、商品名F8577)と高周波融着性樹脂との積層フィルム、EVA(住友化学社製、商品名K2010)と高周波融着性樹脂との積層フィルムの、樹脂の組み合わせで3種のフィルム成形体を得た。
【0034】成形温度は、ポリエチレンについては、押出機、アダプター、金型の全てを170℃、ポリプロピレンについては、押出機、アダプター、金型の全てを190℃、EVAについては、押出機、アダプター、金型の全てを170℃とし、また、高周波融着性樹脂については、すべての場合に押出機を170℃としたが、アダプター及び金型は各々の基材樹脂と同じ温度とした。厚み調整は押し出し速度及び巻き取り速度を調整することによって行い、表2に記載の如く、ポリエチレンについては、300μm及び250μmの2種の厚みの積層フィルムを得た(従って、厚みも考慮すると全体で4種の複合フィルムを用意した)。
【0035】(実施例2)アクリル系共重合体(c)の原料配合を表1記載の如くした他は、実施例1と同様にしてアクリル系共重合体(c)を得て、実施例1と同様の成形条件で、共押し出しにより、ポリエチレンとの積層フィルムを得た。
(実施例3)アクリル系共重合体(c)の原料配合を表1記載の如くした他は、実施例1と同様にしてアクリル系共重合体(c)を得た。
【0036】(比較例1)共重合体の原料配合を表1記載の如くした(モノマー(a)は用いなかった)他は、実施例1と同様にして共重合体を得て、実施例1と同様の成形条件で、共押し出しにより、ポリエチレンとの積層フィルムを得た。
(比較例2)共重合体の原料配合を表1記載の如くした(モノマー(a)は用いなかった)他は、実施例1と同様にして共重合体を得た。
【0037】〔評価方法〕
(1)高周波融着性実施例1〜3及び比較例1〜2の共重合体を、加熱プレス機で約0.3mmのフィルムに調整した。2枚のフィルムを当接した状態で、高周波ウェルダー(40.68MHz、精電舎電子製KV3000TR )を用いて高周波融着に要する時間の測定を行った。その結果を表2に示した。尚、実施例1〜2及び比較例1で製造した積層フィルムについては、高周波融着性樹脂の面同士を熱融着させて高周波融着に要する時間の測定も行った。その結果を表3に示した。
【0038】(2)融着強度作製した2枚の積層フィルムの高周波融着性樹脂の面同士を熱融着させ、剥離したときの界面の剥離状態を確認した。その結果を表3に示した。
○:材料破壊した。 ×:基材/高周波融着性樹脂間で剥離した。
【0039】*以上の結果より、オレフィン系樹脂を基材としたフィルムに本発明の高周波融着性樹脂を共押し出しした2層フィルムは、界面で十分なアンカー性を発現し、また、高周波ウェルダー加工性についても明らかに向上していた。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
【表3】

【0043】
【発明の効果】本発明の高周波融着性樹脂は、上記重合性単量体(a)と、少なくとも1種の他のラジカル重合性単量体(b)とが共重合されてなる共重合体(c)からなるので、高周波により発熱する特性を有し、種々の部材又は材料を高周波融着することができる。
【0044】ラジカル重合性単量体(b)が、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、ニトリル基、エポキシ基、シアノ基及びイソシアネート基の内の少なくとも1種の官能基を有するものである場合は、高周波加熱の面で静的分極を大きくできて発熱量を大きくすることができる点で好ましい。
【0045】共重合体(c)に、さらにラジカル重合性の不飽和二重結合で末端が修飾されたオレフィン系単独重合体又は共重合体(d)が共重合されてなる共重合体からなる場合は、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVAやEMMAなどのポリオレフィン材料に対し、従来の高周波融着性樹脂よりも遙に融着性が高いものである。
【0046】又、本発明の高周波融着性フィルムは、高周波加熱融着する際に基材上に高周波融着用組成物の層を形成する作業時間の短縮を図ることができる。又、本発明の複合高周波融着性フィルムの製造方法は、本発明の高周波融着性樹脂とオレフィン系樹脂とを、フィルム状に共押し出しすることによって積層一体化するので、本発明によれば、オレフィン系樹脂への強固なアンカー効果により高周波融着性樹脂が十分に積層一体化した複合高周波融着性フィルムを、高い生産性をもって製造することができる。得られた複合フィルムは、2枚のフィルムの高周波融着性樹脂同士を当接した状態で、又は1枚のフィルムの高周波融着性樹脂に対し、高周波を作用させることにより、強固な融着性を発現する。




 

 


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