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発明の名称 着色樹脂エマルジョン、その製造方法、着色樹脂エマルジョンインク、及び、カラーフィルターの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−139607(P2001−139607A)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
出願番号 特願平11−324371
出願日 平成11年11月15日(1999.11.15)
代理人
発明者 七里 徳重
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 色剤を内包する樹脂微粒子の表面にOH基を有するビニル系単量体の重合体が形成された分散質が水中に分散されてなることを特徴とする着色樹脂エマルジョン。
【請求項2】 色剤を内包する樹脂微粒子が、一般式(1)で表される単量体の重合体又は、前記単量体を全単量体の70重量%以上含有する重合性組成物の重合体からなることを特徴とする請求項1記載の着色樹脂エマルジョン。
【化1】

(式中、R1 は、水素原子又はメチル基を表し、R2 は、炭素数3〜6のアルキル基を表す。)
【請求項3】 OH基を有するビニル系単量体が、一般式(2)で表されるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の着色樹脂エマルジョン。
【化2】

(式中、R3 は、水素原子又はメチル基、R4 は、炭素数1〜3のアルキレン基、R5 は水素原子又はメチル基を表す。)
【請求項4】 色剤を内包する樹脂微粒子のエマルジョンに、OH基を有するビニル系単量体を添加し、油溶性重合開始剤を用いて重合することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の着色樹脂エマルジョンの製造方法。
【請求項5】 請求項1〜3いずれか1項記載の着色樹脂エマルジョンを含有することを特徴とする着色樹脂エマルジョンインク。
【請求項6】 請求項5記載の着色樹脂エマルジョンインクを基板上にインクジェット印刷することを特徴とする液晶表示素子用カラーフィルターの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶表示素子用基板、特にガラス基板への密着性が高められた着色樹脂エマルジョン、その製造方法、着色樹脂エマルジョンより得られる着色樹脂エマルジョンインク、及び、その着色樹脂エマルジョンインクを用いたカラーフィルターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】着色微粒子が分散したエマルジョンは、種々の筆記具用インク、印刷用インク、インクジェット記録用インク、塗料、カラーフィルター等の用途に用いられており、耐熱性、耐光性、耐溶剤性、耐水性、耐剥離性等の、耐久性の高いものが必要とされている。
【0003】従来から知られている着色微粒子等の製造方法の一例として、例えば、塩化ビニルを、必要により塩化ビニルと共重合可能な単量体と共に、乳化重合法、又は、懸濁重合法により重合して重合体微粒子を製造し、これに染料及び染色助剤を用いて染色を行う方法が挙げられる。しかし、この方法では、重合体への染料の溶解性が低いため、充分な色濃度が得られなかった。
【0004】また、特公昭52−29336号公報には、ブトキシメチルアクリルアミド等を含む不飽和単量体の1種又は2種以上と、塩化ビニル、スチレン等を含む不飽和単量体の1種又は2種以上との共重合を行う際に、上記不飽和単量体に染料を溶解又は分散させた後、上記不飽和単量体の共重合を行い、その内部が染料で着色された着色微粒子を製造する方法が開示されている。
【0005】一方、近年需要が増大している液晶表示素子に用いるカラーフィルターは、例えば、ガラス基板に着色剤を用いて所定のパターンで印刷して得られるが、上記公報記載の着色微粒子は、着色剤としてカラーフィルターに適用するためのガラス密着性は配慮されていないものであった。
【0006】一般に樹脂とガラスの密着性を高めるには、シランカップリング剤でガラス面を処理する等の方法が知られているるが、工程が多くなる等の問題があり、着色樹脂エマルジョンにシランカップリング剤を添加する方法もあるが、エマルジョンの保存安定性の面で好ましくないものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の着色微粒子に関する技術の問題点に鑑み、ガラス板と密着性が高い、着色樹脂エマルジョン、その製造方法、着色樹脂エマルジョンより得られる着色樹脂エマルジョンインク、及び、その着色樹脂エマルジョンインクを用いて印刷するカラーフィルターの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、色剤を内包する樹脂微粒子の表面にOH基を有するビニル系単量体の重合体が形成された分散質が水中に分散されてなる着色樹脂エマルジョンを提供する。
【0009】又、請求項2記載の本発明は、色剤を内包する樹脂微粒子が、一般式(1)で表される単量体の重合体又は、前記単量体を全単量体の70重量%以上含有する重合性組成物の重合体からなる請求項1記載の着色樹脂エマルジョンを提供する。
【化3】

(式中、R1 は、水素原子又はメチル基を表し、R2 は、炭素数3〜6のアルキル基を表す。)
【0010】又、請求項3記載の本発明は、OH基を有するビニル系単量体が、一般式(2)で表されるものである請求項1又は2記載の着色樹脂エマルジョンを提供する。
【化4】

(式中、R3 は、水素原子又はメチル基、R4 は、炭素数1〜3のアルキレン基、R5 は水素原子又はメチル基を表す。)
【0011】又、請求項4記載の本発明は、色剤を内包する樹脂微粒子のエマルジョンに、OH基を有するビニル系単量体を添加し、油溶性重合開始剤を用いて重合する請求項1〜3いずれか1項記載の着色樹脂エマルジョンの製造方法を提供する。又、請求項5記載の本発明は、請求項1〜3いずれか1項記載の着色樹脂エマルジョンを含有する着色樹脂エマルジョンインクを提供する。
【0012】又、請求項6記載の本発明は、請求項5記載の着色樹脂エマルジョンインクを基板上にインクジェット印刷する液晶表示素子用カラーフィルターの製造方法を提供する。以下に、本発明を更に詳述する。
【0013】<色剤を内包する樹脂微粒子>本発明の着色樹脂エマルジョンは、分散質が、色剤を内包する樹脂微粒子の表面にOH基を有するビニル系単量体の重合体が形成されたものであり、分散媒が水であるエマルジョンである。上記色剤を内包する樹脂微粒子は、例えば、付加重合によるビニル系樹脂等や重付加によるウレタン樹脂、重縮合によるポリエステル樹脂等の樹脂微粒子に色剤が内包されたものである。
【0014】色剤としては、有機顔料、無機顔料等の顔料、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、直接染料、分散染料等の有機染料等が使用できる。
【0015】樹脂微粒子の製造方法としては、ビニル系単量体の乳化重合、懸濁重合、ソープフリー重合、分散重合、転相乳化等、一般のエマルジョンの調製方法が特に限定されず適用できるが、粒径制御の容易さや生産効率の面から、乳化重合が好ましく採用される。色剤の存在下でビニル系単量体の上記各種重合を行うことにより、色剤を内包する樹脂微粒子が得られる。ビニル系単量体を乳化重合する際の色剤としては、有機染料、特に油溶性染料が好適に使用される。
【0016】上記ビニル系単量体としては、油溶性染料を溶解させることができるものあれば特に限定されず、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の1分子中に1個の重合性不飽和結合を有する重合性単量体が挙げられる。
【0017】また、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリットテトラアクリレート、アリルメタクリレート、ビニルメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート等の1分子中に2個以上の重合性不飽和結合を有するビニル系単量体を併用し架橋しても良い。
【0018】また、ビニル系単量体としては、請求項2記載の如く、上記一般式(1)で表される単量体(以下、重合性単量体(1)ともいう)、又は、重合性単量体(1)を少なくとも70重量%含有する単量体組成物等も好適に使用される。上記重合性単量体(1)において、R1 は、水素原子又はメチル基を表す。すなわち、上記重合性単量体(1)は、アクリル酸アミド誘導体もしくはメタクリル酸アミド誘導体である。R2 は、炭素数3〜7のアルキル基を表す。R2 としては、例えば、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
【0019】上記重合性単量体(1)を含有する組成物の場合は、含有量が70重量%未満では、染料を高濃度で溶解することが困難になることがあるため、上記範囲が好ましい。上記単量体組成物における、他の重合性単量体としては、上記重合性単量体(1)と共重合可能なもので、かつ、油溶性染料を溶解させることができるものであれば特に限定されない。
【0020】例えば、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン、メタクリルアミド等の1分子中に1個の重合性不飽和結合を有する重合性単量体;エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリットテトラアクリレート、アリルメタクリレート、ビニルメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、アジピン酸ジビニル等の1分子中に2個以上の重合性不飽和結合を有する重合性単量体等が挙げられる。上記他の重合性単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】上記他の重合性単量体の添加量は、全単量体組成物の30重量%以下が好ましいが、上記他の重合性単量体が1分子中に1個の重合性不飽和結合を有する重合性単量体の場合には、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下が更に好ましい。
【0022】また、上記他の重合性単量体が1分子中に2個以上の重合性不飽和結合を有する重合性単量体の場合には、0.1〜10重量%がより好ましく、0.5〜5重量%が更に好ましい。上記1分子中に2個以上の重合性不飽和結合を有する重合性単量体が、0.1重量%未満では、架橋度が低く、エマルジョン粒子内の染料を固定する効果があまり期待できず、10重量%を超えると染料の溶解度を低下させるだけでなく、エマルジョン粒子の凝集、染料の析出等が起こり易くなるため、上記範囲がより好ましい。
【0023】上記油溶性染料は、20℃の有機溶媒に対する溶解度が1重量%以上であるものが好ましい。上記有機溶媒としては特に限定されず、例えば、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ケトン、エステル、アルコール、アミド等が挙げられる。さらに好ましくは、上記油溶性染料が上記有機溶媒に対する溶解性を有するとともに、20℃の水に対する溶解度が1重量%以下で、かつ、100℃の水に対する溶解度が10重量%以下のものである。
【0024】20℃の有機溶媒に対する溶解度が1重量%以上であり、かつ、20℃の水に対する溶解度が1重量%以下で、100℃の水に対する溶解度が10重量%以下の範囲にある油溶性染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、トリフェニルメタン系染料等;アゾ金属錯体染料等が挙げられる。なお、カラーインデックス番号では、solvent blue44、45、59、104;solvent red24、68、89、124;solvent yellow13、14、33、79、93;vat blue1、6;vat yellow6等が挙げられる。
【0025】上記染料組成物を用い、重合開始剤及び乳化剤の存在下に分散させたのち、乳化重合を行うことにより、上記色剤を内包する樹脂微粒子のエマルジョンを得ることができる。上記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、油溶性又は水溶性の有機アゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、有機過酸化物、上記無機過酸化物と亜硫酸塩等の還元剤を組み合わせたレドックス組成物等が挙げられる。これらのなかでは、有機アゾ化合物が好ましく、半減期10時間で分解温度が40〜80℃の有機アゾ化合物がより好ましい。
【0026】上記水溶性の有機アゾ化合物としては、カチオン性のものと、アニオン性のものとがある。これらのなかで、どの有機アゾ化合物を用いるかは特に限定されず、後述する乳化剤に対応させて、最適なものを用いればよい。
【0027】上記乳化剤としては特に限定されず、例えば、アニオン性、カチオン性及び非イオン性の界面活性剤を用いることができる。これらのなかでは、カチオン性界面活性剤は分散性が強くなく、非イオン性界面活性剤は得られるエマルジョンの粒子径が大きくなる傾向があるので、アニオン性界面活性剤が好ましい。上記乳化剤としてアニオン性界面活性剤を用いる場合には、上記重合開始剤としては、上記乳化剤との相互作用が少ないことからアニオン性有機アゾ化合物を用いるのが好ましい。
【0028】上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸アンモニウム等のアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。これらのなかでは、重合性不飽和結合を有するリン酸エステルが、エマルジョン粒子に固定されるため、塗膜の物性に悪影響を与えないという利点を有することから好ましく、アルキルスルホン酸塩がより好ましい。
【0029】上記乳化重合により色剤を内包する樹脂微粒子エマルジョンを製造する方法としては特に限定されず、その反応条件は、使用する染料含有組成物、重合開始剤、及び、乳化剤の種類に応じて設定すればよい。例えば、重合性単量体(1)を含有する単量体組成物、乳化剤、及び、脱イオン水をフラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、温度を反応温度まで昇温し、次に重合開始剤の溶液をフラスコ内に注入し、油溶性染料を含む染料溶液を1〜2時間かけて滴下し、更に、同温度で3〜4時間攪拌した後、室温まで冷却する方法等を用いて乳化重合を行うことにより、着色樹脂エマルジョンを製造することができる。
【0030】上記重合開始剤の配合量は、単量体組成物100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。より好ましくは、0.2〜5重量部である。 上記乳化剤の濃度は特に限定されないが、0.5〜10重量%が好ましい。また、上記乳化剤の配合量は特に限定されないが、上記乳化剤水溶液に対する上記染料組成物の重量比で1/5〜1/1が好ましい。上記反応温度は特に限定されないが、通常、10〜100℃が好ましい。より好ましくは、40〜80℃である。
【0031】得られる色剤を内包する樹脂微粒子エマルジョンは、高濃度に染料を含有する微粒子が分散した光学特性及び耐久性の高いものとなる。
<着色樹脂エマルジョン>【0032】本発明の着色樹脂エマルジョンの製造方法は、上述の色剤を内包する樹脂微粒子のエマルジョンに、OH基を有するビニル系単量体を添加し、油溶性重合開始剤を用いて重合するものである。OH基を有するビニル系単量体をこの様な系で重合することにより、上記樹脂微粒子表面にOH基を有するビニル系単量体の重合体が形成された分散質が水中に分散されてなる本発明の着色樹脂エマルジョンが得られるのである。
【0033】上記OH基を有するビニル系単量体としては、請求項3記載の如く、一般式(2)で表される単量体が好適に使用される。
【化5】

(式中、R3 は、水素原子又はメチル基、R4 は、炭素数1〜3のアルキレン基、R5 は水素原子又はメチル基を表す。)
【0034】一般式(2)で表されるOH基を有するビニル系単量体の例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。この他、OH基を有するビニル系単量体の例としては、アルキロール(メタ)アクリルアミド等がある。OH基を有するビニル系単量体の添加量は、上記色剤を内包する樹脂微粒子100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。より好ましくは、1〜5重量部である。
【0035】上記油溶性重合開始剤の例としては、過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ-t- ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,3−ジメチルバレロニトリル)等の有機アゾ化合物が挙げられる。油溶性重合開始剤の添加量は、上記OH基を有するビニル系単量体100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。より好ましくは、0.2〜5重量部である。
【0036】これらの油溶性重合開始剤は、上記OH基を有するビニル系単量体に溶解して上記色剤を内包する樹脂微粒子エマルジョンに添加しても良いし、別途溶剤に溶解して添加しても良い。OH基を有するビニル系単量体は、重合開始剤に応じた温度にて重合する。通常は2℃〜100℃の範囲で、好ましくは50℃〜90℃の範囲で重合する。OH基を有するビニル系単量体を添加し重合する工程は、上述の樹脂微粒子のエマルジョンを製造する工程と連続で行っても良いし、樹脂微粒子のエマルジョンを製造する工程が完了した後、別工程として行っても良い。前者の(連続して行う)場合は、重合開始剤を新たに添加する必要はない。
【0037】<着色樹脂エマルジョンインク>本発明の着色樹脂エマルジョンインクは、得られた上記着色樹脂エマルジョンにグリセリンやエチレングリコール等の保湿剤、界面活性剤を添加することによって得ることが出来、特に、インクジェット印刷用着色樹脂エマルジョンインクとして好適に用いられる。
【0038】<カラーフィルターの製造方法>本発明の液晶表示素子用カラーフィルターの製造方法は、本発明の着色樹脂エマルジョンインクを基板上にインクジェット印刷することを特徴とするものである。具体的な製造方法としては、通常、赤、緑、青の3原色またはシアン、マゼンダ、イエローの3色の着色樹脂エマルジョンインクを調製し、例えば、液晶表示素子用基板としてのガラス基板や液晶駆動素子が形成された基板上に、所定のパターンで印刷して乾燥する方法が挙げられる。
【0039】印刷するカラーフィルターの膜厚は、0.5〜2μmが好ましい。得られたカラーフィルターは、本発明の着色樹脂エマルジョンが、色剤を内包する樹脂微粒子の表面にOH基を有するビニル系単量体の重合体が形成された分散質が水中に分散されてなるものであるので、上記基板上に、着色樹脂エマルジョンインクが強固に密着してなるものである。
【0040】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0041】(実施例1)
〔色剤を内包する樹脂微粒子エマルジョンの調製〕ドデシル硫酸ナトリウム2重量部、反応性界面活性剤(第一工業製薬社製、ニューフロンティアS510)4重量部、脱イオン水194重量部、及び、n−ブトキシメチルアクリルアミド10重量部をフラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、液温を50℃に上げた。次に、油溶性アゾ系重合開始剤(和光純薬社製、V−70)0.5重量部を含むエタノール溶液10重量部をフラスコ内に注入し、すぐに、色剤として下記組成の染料溶液を2時間かけて滴下した。
【0042】
<染料溶液の組成> n−ブトキシメチルアクリルアミド 89重量部 エチレングリコールジメタクリレート 1重量部 オラゾールレッドG(チバガイギー社製、赤色アゾ染料の金属錯体)
20重量部その後、同温度で3時間攪拌した後、室温に冷却し、色剤を内包する樹脂微粒子エマルジョンAを得た。
【0043】〔着色樹脂エマルジョンの調製〕イオン交換水30重量部に、エタノール1重量部に溶解した油溶性アゾ系重合開始剤(和光純薬社製、V−70)0.1重量部を加えた溶液を上記エマルジョンA100部に加え、25℃200rpmにて1時間撹拌することにより、重合開始剤をエマルジョンA中の樹脂微粒子に吸着させた。
【0044】さらにヒドロキシエチルメタクリレート5重量部をエマルジョンAに加えて撹拌した後、この分散液を50℃に昇温し、窒素気流下で撹拌しながら8時間反応させ、ヒドロキシエチルメタクリレート重合体が表面に形成された着色樹脂エマルジョンaを得た。得られた着色樹脂エマルジョンaを孔径1μmのフィルターでろ過して、レーザ光散乱式粒径分布測定器(装置名:マイクロトラック(日機装(株)製))を用いて着色樹脂の粒子径を測定したところ、平均粒子径は89nmであった。
【0045】〔エマルジョンインクの調製〕着色樹脂エマルジョンaに、グリセリンとイオン交換水を下記の割合で加えてインクジェット用の着色樹脂エマルジョンインクを調製した。
<インクジェット用インクの組成>着色樹脂エマルジョン 25部グリセリン 25部イオン交換水 50部【0046】(実施例2)ドデシル硫酸ナトリウム2重量部、反応性界面活性剤(第一工業製薬社製、ニューフロンティアS510)4重量部、脱イオン水194重量部、及び、n−ブトキシメチルアクリルアミド10重量部をフラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、液温を50℃に上げた。次に、油溶性アゾ系重合開始剤(和光純薬社製、V−70)1重量部を含むエタノール溶液10重量部をフラスコ内に注入し、すぐに、下記組成の染料溶液を2時間かけて滴下して色剤を内包する樹脂微粒子エマルジョンBとした。
【0047】
<染料溶液の組成> n−ブトキシメチルアクリルアミド 89重量部 エチレングリコールジメタクリレート 1重量部 オラゾールレッドG(チバガイギー社製、赤色アゾ染料の金属錯体)
20重量部【0048】その後、さらにヒドロキシエチルメタクリレート5重量部を上記エマルジョンBに滴下した後、窒素気流下で撹拌しながら5時間反応させ、ヒドロキシエチルメタクリレート重合体が表面に形成された着色樹脂エマルジョンbを得た。同温度で3時間攪拌した後、室温に冷却した。実施例1と同様にして、得られた着色樹脂の粒子径を測定したところ、平均粒子径は95nmであった。
【0049】〔エマルジョンインクの調製〕着色樹脂エマルジョンbに、グリセリンとイオン交換水を実施例1と同様の割合で加えてインクジェット用の着色樹脂エマルジョンインクを調製した。
【0050】(比較例1)実施例1で得たエマルジョンAを孔径1μmのフィルターでろ過して、着色樹脂の粒子径を測定したところ、平均粒子径は81nmであった。エマルジョンAに、グリセリンとイオン交換水を実施例1と同様の割合で加えてインクジェット用のエマルジョンインクを調製した。
【0051】〔評価〕
<印刷性>実施例1、2及び比較例1で得られた各エマルジョンインクを用いて、ピエゾ式インクジェットプリンター(商品名PM−750C;セイコーエプソン(社)製)にてA4サイズの紙に印刷テストを行ったところ、目詰まり無く印刷できた。
【0052】<密着性>上記インクジェット用インクをガラス板に2μmの厚みで流延し、100℃で1時間乾燥させた後、インク膜に2mm角のクロスカットを施した。この試験片を更に230℃で1時間加熱試験した後、粘着テープにて剥離試験を行い、クロスカット部の剥離状況を目視で確認した。その結果を表1に示した。尚、表中の数字は、剥離していないカット片/全体のカット片数を表す。
【0053】
【表1】

【0054】
【発明の効果】本発明の着色樹脂エマルジョンは、上述の構成よりなり、色剤を内包する樹脂微粒子の表面に、OH基を有するビニル系単量体の重合体が形成されたものを分散質としているため、着色樹脂エマルジョンを塗布して得られる塗膜は、特にガラスに対する密着力に優れている。また、色剤を内包する樹脂微粒子が、上記一般式(1)で表される単量体の重合体又は、前記単量体を全単量体の70重量%以上含有する重合性組成物の重合体からなる場合は、樹脂微粒子による色剤の内包が確実なものとなされており、上記塗膜による着色性に優れている。
【0055】また、OH基を有するビニル系単量体が、上記一般式(2)で表されるものである場合は、上記塗膜のガラスに対する密着力がより優れたものとなる。
【0056】本発明の着色樹脂エマルジョンの製造方法は、上述の構成よりなり、色剤を内包する樹脂微粒子のエマルジョンに、OH基を有するビニル系単量体を添加し、油溶性重合開始剤を用いて重合することにより、油溶性重合開始剤が色剤を内包する樹脂微粒子表面に吸着するかもしくは系内に良好に分散した状態でビニル系単量体の重合が行われるので、本発明の着色樹脂エマルジョンを確実容易に製造することができる。
【0057】本発明の着色樹脂エマルジョンインクは、本発明の着色樹脂エマルジョンを含有するので、塗布して得られるインク膜は、特にガラスに対する密着力に優れている。本発明の液晶表示素子用カラーフィルターの製造方法は、上述の構成よりなり、本発明の着色樹脂エマルジョンインクを基板上にインクジェット印刷するので、インクによる画素が基板上に強固に密着形成され、耐久性の高いカラーフィルターを提供することができる。




 

 


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