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発明の名称 硬化型粘接着剤組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−131519(P2001−131519A)
公開日 平成13年5月15日(2001.5.15)
出願番号 特願平11−311243
出願日 平成11年11月1日(1999.11.1)
代理人
発明者 三浦 誠 / 石澤 英亮
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ポリエステル樹脂100重量部に対し、軟化点が40℃以上のノボラック型エポキシ樹脂を10〜50重量%含有するカチオン重合性化合物12〜220重量部及び光カチオン重合開始剤が添加されて成ることを特徴とする硬化型粘接着剤組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化型粘接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】硬化型粘接着シート(硬化型粘接着テープを包含する)は、通常の粘着テープのように常温で貼り合わせができて、接着後に何らかの方法で硬化(後硬化)させることにより接着剤化し、優れた接着性能を発現する接着材料である。この硬化型粘接着シートは、通常の液状接着剤のように接着前に被着体に塗布する必要がなく、また、貼り直しができるので位置決めが容易である等の利点を有しており、作業性や使い勝手に優れる。
【0003】このような硬化型粘接着シート用の硬化型粘接着剤組成物として、例えば、特開平9−279103号公報では、「ポリエステル系ポリマーのような高分子量ポリマー、エポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤から成る光硬化型の硬化型粘接着シート」が開示されている。この硬化型粘接着シートの場合、光を照射すると、光カチオン重合開始剤が分解してエポキシ樹脂のカチオン重合を誘発し、エポキシ樹脂を硬化させることにより粘接着シートが接着剤化する。
【0004】しかし、ポリエステル系ポリマーを主成分とする硬化型粘接着剤組成物の場合、ポリエステル系ポリマーは極性が高いので、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS)等の高極性のプラスチック材料に対する接着性に優れるという利点を有するものの、反面、高温高湿下ではエステル結合が加水分解され易いため、接着力の耐久性や信頼性が不十分であるという問題点がある。
【0005】また、一般的に、光カチオン重合反応を利用する硬化型粘接着剤組成物に光を照射した後に被着体を貼り合わせ暗反応で硬化させる、いわゆる後硬化接着方法の場合、被着体が不透明な材料であっても加熱を要することなく接着できるという利点を有するものの、反面、光を照射された後の組成物は粘着性(タック)の保持時間に限度があるため、接着可能時間が制約されるという作業性面の問題点もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、光を照射された後でも十分な接着可能時間を有するので作業性に優れ、且つ、硬化後は高温高湿下においても加水分解を受け難く、従って耐久性や信頼性に優れる接着力を発現する硬化型粘接着剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明による硬化型粘接着剤組成物は、ポリエステル樹脂100重量部に対し、軟化点が40℃以上のノボラック型エポキシ樹脂を10〜50重量%含有するカチオン重合性化合物12〜220重量部及び光カチオン重合開始剤が添加されて成ることを特徴とする。
【0008】以下、本明細書中において「硬化型粘接着剤組成物」、「硬化型粘接着シート」をそれぞれ単に「粘接着剤組成物」、「粘接着シート」と略記する。
【0009】本発明で用いられるポリエステル樹脂とは、一般的にジオールとジカルボン酸との縮合重合によって生成する重合体の総称であり、ジオールとジカルボン酸の種類や組合せを変えることにより種々の特性を有する重合体が得られる。
【0010】上記ポリエステル樹脂の具体例としては、例えば、東洋紡績社製の商品名「バイロン」シリーズや「バイロナール」シリーズ、ユニチカ社製の商品名「エリーテル」シリーズ、大日本インキ化学工業社製の商品名「スピノドール」シリーズ、武田薬品工業社製の商品名「タケラック」シリーズ、クラレ社製の商品名「クラボール」シリーズ等が挙げられる。これらのポリエステル樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0011】ポリエステル樹脂は、分子中にエステル基を有し分子末端に水酸基やカルボキシル基を有するので極性が高く、例えばPETやPVC、ABS、PEN、ポリカーボネート、金属等の高極性材料に対する接着性に優れる。また、結晶性を有し凝集力が高いので、硬化前の粘接着剤組成物に適度な凝集力を付与する。
【0012】上記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、接着温度によっても選択の幅があり、特に限定されるものではないが、一般的には100℃以下が好ましく、より好ましくは50℃以下である。ポリエステル樹脂のTgが100℃を超えると、ポリエステル樹脂の凝集力が高くなり過ぎて、粘接着剤組成物の粘着性や初期粘着力が低下したり、高温で接着する必要が生じて作業性が低下することがあるが、後述するカチオン重合性化合物により凝集力を調整することが可能なので、一義的には定められない。
【0013】また、上記ポリエステル樹脂の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、一般的には3000〜10万が好ましい。ポリエステル樹脂の数平均分子量が3000未満であると、凝集力が不十分となることがあり、逆に10万を超えると、後述するカチオン重合性化合物との相溶性が低下することがあるが、これもカチオン重合性化合物により調整することが可能なので、一義的には定められない。
【0014】本発明で用いられるカチオン重合性化合物とは、カチオン重合により高分子量化して粘接着剤組成物を硬化させ、硬化後に前記ポリエステル樹脂といわゆるIPN構造を形成して高度な凝集力や接着力を付与し得る化合物であり、例えば、分子中にエポキシ基、脂環式エポキシ基、ビニルエーテル基、水酸基、エチレンイミン基、エピスルフィド基等のカチオン重合性官能基を有する化合物が挙げられる。これらのカチオン重合性化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0015】上記カチオン重合性化合物中のカチオン重合性官能基のモル当量は1000g・resin/mol以下であることが好ましい。上記カチオン重合性官能基のモル当量が1000g・resin/molを超えると、架橋密度が低下して、十分な接着力や耐熱性を得られないことがある。
【0016】また、上記カチオン重合性化合物は、特に限定されるものではないが、常温で液状の数平均分子量が5000以下のものが好ましく、より好ましくは3000以下である。カチオン重合性化合物の数平均分子量が5000を超えると、前記ポリエステル樹脂との相溶性が低下して相分離を起こしたり、被着体表面への濡れ性が低下して十分に密着せず、接着力が不十分となることがある。
【0017】上記カチオン重合性化合物のうち、カチオン重合性に優れるエポキシ基や脂環式エポキシ基を有するエポキシ系化合物あるいはビニルエーテル基を有するビニルエーテル系化合物が好適に用いられるが、なかでも反応性に富み硬化速度が速く、硬化後の弾性率が高いためより優れた接着力や耐熱性を発現しうるエポキシ系化合物が特に好適に用いられる。
【0018】上記エポキシ系化合物の具体例としては、例えば、油化シェルエポキシ社製の商品名「エピコート」シリーズ、シェルケミカル社製の商品名「エポン」シリーズ、旭電化工業社製の商品名「アデカレジン」シリーズや「アデカオプトマー」シリーズ、ダイセル化学工業社製の商品名「サイクロマー」シリーズや「エポフレンド」シリーズ及び「エポリード」シリーズ等のいわゆるエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ系化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0019】これらのカチオン重合性化合物は、後述する光カチオン重合開始剤によりカチオン重合し、前記ポリエステル樹脂をカチオン重合性化合物のポリマーネットワークに取り込んで動きを拘束したり、ポリエステル樹脂中の水酸基やカルボキシル基等と架橋反応することによりIPN構造を形成して高度な架橋構造を構築するので、粘接着剤組成物の硬化後の弾性率を高め、接着力や耐熱性を著しく向上させる機能を発揮する。
【0020】本発明においては、前記ポリエステル樹脂100重量部に対し、上記カチオン重合性化合物12〜220重量部が添加されていることが必要である。ポリエステル樹脂100重量部に対するカチオン重合性化合物の添加量が12重量部未満であると、架橋密度が低下して、十分な接着力や耐熱性を得られず、逆に220重量部を超えると、硬化後の弾性率が高くなり過ぎて、耐剥離性や耐衝撃性が低下する。
【0021】本発明で用いられるノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールとホルムアルデヒドより得られるフェノールノボラックとエピクロルヒドリンとを反応させて得られる常温で固形の多官能性フェノールノボラック型エポキシ樹脂や、オルソクレゾールとホルムアルデヒドより得られるクレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとを反応させて得られる常温で固形の多官能性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのノボラック型エポキシ樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0022】一般に、ポリエステル樹脂中のエステル結合は加水分解され易く、加水分解に伴って発生するカルボキシル基の自己触媒作用により加水分解がさらに加速される。その結果、加水分解による分子量の低下に伴う凝集力の低下と、同時に発生するカルボキシル基を含む低分子量分解物の可塑化作用による凝集力の低下との相乗効果により、ポリエステル樹脂を主成分とする粘接着剤組成物の硬化後の接着力や耐熱性は加速度的に低下する。
【0023】本発明の粘接着剤組成物においては、上記ノボラック型エポキシ樹脂中のエポキシ基がポリエステル樹脂の加水分解によって発生するカルボキシル基と反応してカルボキシル基の自己触媒作用を抑制すると共に、カルボキシル基を含む低分子量分解物を捕捉して低分子量分解物の可塑化作用を抑制するので、凝集力の低下に伴う接着力や耐熱性の低下を効果的に抑制することができる。尚、この場合、加水分解によって生成した低分子量のポリエステル樹脂が流動してノボラック型エポキシ樹脂中のエポキシ基と反応するので、ノボラック型エポキシ樹脂そのものの分子運動は必ずしも必要ではない。
【0024】また、ノボラック型エポキシ樹脂は、常温におけるカチオン重合速度が例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂のような他のエポキシ樹脂に比較して遅いため、カチオン重合の際、選択的に重合後期に反応する。しかし、重合後期において粘接着剤組成物の弾性率が向上していくと、分子運動が制約され連鎖移動が起き難くなる。加えて、常温で固形のノボラック型エポキシ樹脂は常温においては分子運動が少ないので、粘接着剤組成物の硬化の進行に伴って未反応の状態で残存する割合が多くなる。さらに、ノボラック型エポキシ樹脂は、多官能で分子中に3個以上のエポキシ基を有しており、この内、少なくとも2個のエポキシ基が反応すると三次元的に架橋するため分子運動はさらに制約され、未反応のエポキシ基が残存する確率が高くなる。この残存エポキシ基がポリエステル樹脂の加水分解によって発生するカルボキシル基と反応することにより、上記凝集力の低下に伴う接着力や耐熱性の低下を抑制する効果を発揮する。
【0025】本発明においては、硬化後の粘接着剤組成物中における上記残存エポキシ基量が0.005mol/100g・resin以上であることが好ましい。上記残存エポキシ基量が0.005mol/100g・resin未満であると、ポリエステル樹脂の加水分解によって発生するカルボキシル基との反応によるカルボキシル基の自己触媒作用抑制効果やカルボキシル基を含む低分子量分解物の捕捉による可塑化作用抑制効果を十分に得られず、結果的に凝集力の低下に伴う接着力や耐熱性の低下を十分に抑制できなくなることがある。尚、上記残存エポキシ基量は、公知の塩酸−ジオキサン法によりエポキシ当量として測定される。
【0026】本発明で用いられるノボラック型エポキシ樹脂は軟化点が40℃以上であることが必要である。ノボラック型エポキシ樹脂の軟化点が40℃未満であると、ノボラック型エポキシ樹脂の分子運動性が高くなり、残存エポキシ基量が少なくなるので、上記残存エポキシ基による接着力や耐熱性の低下抑制効果を十分に得られなくなる。また、ノボラック型エポキシ樹脂の分子運動性が低いほど残存エポキシ基量が多くなり好都合なので、ノボラック型エポキシ樹脂の軟化点の上限は特に限定されるものではないが、軟化点が高すぎると前記ポリエステル樹脂との相溶性が低下することがあるので、一般的にはノボラック型エポキシ樹脂の軟化点は120℃以下程度であることが好ましい。尚、上記軟化点とは、JIS K−7234「エポキシ樹脂の軟化点試験方法」に準拠して環球法で測定された軟化点を意味する。
【0027】本発明の粘接着剤組成物においては、前記カチオン重合性化合物の添加量、即ちポリエステル樹脂100重量部に対し12〜220重量部の内の10〜50重量%が上記軟化点が40℃以上のノボラック型エポキシ樹脂であることが必要である。カチオン重合性化合物の添加量の内の上記ノボラック型エポキシ樹脂の量が10重量%未満であると、ノボラック型エポキシ樹脂を添加することによる前記効果を十分に得られず、逆に50重量%を超えると、得られる粘接着剤組成物の常温における粘着性や初期粘着力が不十分となる。
【0028】本発明で用いられる光カチオン重合開始剤とは、光を照射することにより活性化され、光カチオン重合開始物質を発生して、比較的低エネルギーで前記カチオン重合性化合物を光カチオン重合させ得るものであれば良く、例えば、イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤であっても良いし、非イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤であっても良い。
【0029】イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類や、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。
【0030】上記イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤の具体例としては、例えば、旭電化工業社製の商品名「オプトマーSP−150」や「オプトマーSP−170」、ゼネラルエレクトロニクス社製の商品名「UVE−1014」、サートマー社製の商品名「CD−1012」等の市販品が挙げられる。
【0031】また、非イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、燐酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナート等が挙げられる。
【0032】上記光カチオン重合開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。2種類以上の光カチオン重合開始剤を併用する場合、有効活性波長の異なる2種類以上の光カチオン重合開始剤を用いて、多段階硬化をさせても良い。また、例えば光ラジカル重合開始剤や光アニオン重合開始剤等の他の光重合開始剤の1種もしくは2種以上が併用されても良い。この場合、光カチオン重合開始剤を活性化する光の波長と上記他の光重合開始剤を活性化する光の波長とは必ずしも同等である必要はない。さらに、例えばベンゾフェノンや9,10−アントラキノン等の光増感剤の1種もしくは2種以上が併用されても良い。
【0033】上記光カチオン重合開始剤の添加量は、特に限定されるものではなく、前記カチオン重合性化合物の反応性や分子量あるいは粘接着剤組成物に付与したい粘弾性等に応じて適宜設定されれば良い。
【0034】上記光カチオン重合開始剤を活性化するための光としては、例えば、赤外線、可視光線、紫外線、X線、α線、β線、γ線、電子線等が挙げられるが、なかでも安全性が高くコスト的にも有利な紫外線以上の波長の光が好適に用いられ、特に好適に用いられるのは取扱いが容易で簡便であり且つエネルギー量も高い波長200〜400nmの紫外線である。上記紫外線を発生する光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、キセノンランプ等が挙げられる。
【0035】光カチオン重合開始剤は、上記光を照射されることにより活性カチオンを発生し、前記カチオン重合性化合物をカチオン重合反応により硬化させる。カチオン重合反応は、ラジカル重合反応に見られるような酸素による重合阻害がなく、一旦発生した活性カチオンは光遮断後も連鎖的に重合反応を継続させるので、カチオン重合反応速度を制御することにより、光照射後も粘着性を保持し得る半硬化状態の粘接着剤組成物もしくは粘接着シートとすることもできる。
【0036】この場合、粘着性が保持されている間に被着体に貼り合わせることが可能であり、貼り合わされた半硬化状態の粘接着剤組成物もしくは粘接着シートは経時的に重合硬化が進行し、最終的には接着剤のような強固な接着力や耐熱性を発現する。従って、光を透過しない不透明な被着体の接着も可能であり、また、加熱を必要とせず常温で重合反応が進行するので、耐熱性の弱い被着体の接着も可能である。
【0037】本発明の粘接着剤組成物には、上述したポリエステル樹脂、軟化点が40℃以上のノボラック型エポキシ樹脂を10〜50重量%含有するカチオン重合性化合物及び光カチオン重合開始剤以外に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、熱可塑性樹脂、ゴム系ポリマー、粘着性付与剤、充填剤、増量剤、揺変剤、軟化剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、架橋剤、架橋助剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、有機溶剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
【0038】本発明の粘接着剤組成物の製造方法は、特別なものではなく、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、三本ロール等の混合機を用いて、常温または加温下で、ポリエステル樹脂、軟化点が40℃以上のノボラック型エポキシ樹脂を10〜50重量%含有するカチオン重合性化合物及び光カチオン重合開始剤の各所定量と、必要に応じて添加される上記各種添加剤の1種もしくは2種以上の各所定量とを、均一に攪拌混合することにより、所望の粘接着剤組成物を得ることが出来る。
【0039】本発明の粘接着剤組成物は、そのままの形態で被着体の片面もしくは両面に塗工し、被着体の貼り合わせ前もしくは貼り合わせ後に光を照射して、光カチオン重合させ、硬化せしめても良いが、被着体に対する影響を少なくし、より良好な取扱い作業性や簡便性を得るためには、予め支持体の少なくとも片面に粘接着剤組成物を積層してシート状に加工した粘接着シートの形態で使用することが好ましい。尚、ここで言う支持体とは、例えばセロハンやクラフト紙のような通常の粘着テープの基材として一般的に用いられている支持体のみならず、通常セパレーターとして用いられている離型フィルムや離型紙等も包含する。
【0040】上記粘接着シートは、片面粘接着シートであっても良いし、両面粘接着シートであっても良く、また、サポート型の粘接着シートであっても良いし、ノンサポート型の粘接着シートであっても良い。粘接着剤組成物を支持体の非離型面に塗工すればサポート型の粘接着シートとなり、粘接着剤組成物を支持体の離型面に塗工すればノンサポート型の粘接着シートとなる。
【0041】上記粘接着シートの製造方法は、特別なものではなく、例えば、シート状の支持体面に、ロールコート法、グラビアコート法、キャスティングコート法、カレンダーコート法、押出コート法等の各種塗工方法で粘接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥工程や冷却工程を経て粘接着シートを得る直接塗工方式や、離型フィルムもしくは離型紙の離型面に上記各種塗工方法で粘接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥工程や冷却工程を経た後、支持体面にラミネートして粘接着シートを得る転写方式により、所望の粘接着シートを得ることができる。
【0042】上記支持体としては、例えば、PETフィルムのようなプラスチックフィルム、金属箔、紙、布、不織布等のシート状の各種材料が挙げられ、これらを単独もしくは複合して任意に用いることができる。これらの支持体には、必要に応じて、離型処理、コロナ処理のような表面酸化処理やプライマー塗工等の易接着処理、エンボス加工やマット加工のような賦型処理、摩擦加工、印刷や蒸着、ラミネート等の積層処理等の表面処理を施すことにより、様々な特性を有する粘接着シートを得ることが可能となる。例えば、シリコーン系や非シリコーン系の離型剤で離型処理を施されたプラスチックフィルムで粘接着剤組成物面を保護することにより、切断や打ち抜き等の形状加工性に優れる粘接着シートを得ることができる。
【0043】こうして得られる粘接着シートの厚みは、特に限定されるものではないが、一般的には1μm〜1mmであることが好ましい。粘接着シートの厚みが1μm未満であると、接着力が不十分となることがあり、逆に1mmを超えると、硬化に長時間を要するようになり生産性が低下することがある。
【0044】上記粘接着シートを用いる接着方法はロールラミネート、プレス、指圧等による圧着により行われる。本発明の粘接着剤組成物及びそれを用いて作製された粘接着シートは、常温で優れた粘着性や初期粘着力を有するので、上記圧着方法により容易に接着することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0046】(実施例1)
(1)粘接着剤組成物の調製ホモディスパーを用いて、ポリエステル樹脂(商品名「エリーテルUE3400」、ユニチカ社製)100部、カチオン重合性化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「エピコート#828」、油化シェルエポキシ社製)25部、同じくカチオン重合性化合物としてノボラック型エポキシ樹脂(商品名「オプトマーKRM2610」、軟化点67℃、旭電化工業社製)5部及び光カチオン重合開始剤として芳香族スルホニウム塩(商品名「オプトマーSP170」、旭電化工業社製)1部から成る組成物を、同量のメチルエチルケトン(MEK)に溶解し、均一に攪拌混合して、固形分50重量%の粘接着剤組成物を調製した。
【0047】(2)粘接着シートの作製ロールコーターを用いて、片面に離型処理が施された厚み75μmのPETフィルム(セパレーター)の離型処理面に上記で得られた粘接着剤組成物を乾燥後の塗工厚みが100μmとなるように塗工し、乾燥して、粘接着シートを作製した。
【0048】(実施例2)粘接着剤組成物の配合組成をポリエステル樹脂(商品名「バイロン550」、東洋紡績社製)100部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピコート#828」80部、ノボラック型エポキシ樹脂「オプトマーKRM2610」40部、光カチオン重合開始剤「オプトマーSP170」1部及び同量のMEKとしたこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘接着剤組成物及び粘接着シートを得た。
【0049】(比較例1)カチオン重合性化合物として、ノボラック型エポキシ樹脂「オプトマーKRM2610」を添加せず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピコート#828」30部を添加したこと以外は実施例1の場合と同様にして、粘接着剤組成物及び粘接着シートを得た。
【0050】(比較例2)カチオン重合性化合物として、ノボラック型エポキシ樹脂「オプトマーKRM2610」を添加せず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピコート#828」120部を添加したこと以外は実施例2の場合と同様にして、粘接着剤組成物及び粘接着シートを得た。
【0051】実施例1、2及び比較例1、2で得られた粘接着シートの■残存エポキシ基量、■剥離接着力及び■剥離保持力を以下の方法で評価した。その結果は表1に示した。尚、評価は特に記載の無い限り23℃−65%RHの雰囲気下で行った。
【0052】■残存エポキシ基量:メタルハライドランプを使用して、粘接着シートの粘接着剤組成物面に波長300〜400nmの紫外線を含む光を照射した。トプコン社製の商品名「UVR−T35」で測定した積算光量(照射エネルギー)は3J/cm2 であった。次いで、この粘接着シートを60℃の雰囲気下に1日間放置して硬化させた後、取り出して、セパレーターを剥離し、塩酸−ジオキサン法により粘接着剤組成物層のエポキシ当量を測定し、残存エポキシ基量(mol/100g・resin)とした。
【0053】■剥離接着力:粘接着シートの粘接着剤組成物面を厚み2mmのABS板に圧着し、セパレーターを剥離して、粘接着剤組成物面に■の場合と同様の条件で光照射を行った。光照射1分後の粘接着剤組成物面に、表面にコロナ処理が施された厚み75μmのPETフィルムのコロナ処理面をゴムローラーで圧着して積層体を作製した。圧着時の線圧は20N/cmであり、圧着速度は1m/分であった。この積層体を60℃の雰囲気下に1日間放置して硬化させた後、取り出して、剥離速度50mm/分で180度角剥離接着力(N/cm)を測定した。また、硬化後の積層体を85℃−95%RHの雰囲気下に7日間暴露した後、取り出して、同様の方法で180度角剥離接着力を測定した。
【0054】■剥離保持力:■の場合と同様にして作製し、硬化させた積層体の一端に5N/cmの荷重を吊るして懸垂し、1時間後の剥離長さを180度角剥離保持力(mm)として測定した。また、硬化後の積層体を85℃−95%RHの雰囲気下に7日間暴露した後、取り出して、同様の方法で180度角剥離保持力を測定した。
【0055】
【表1】

【0056】
【発明の効果】本発明の粘接着剤組成物は、凝集力に富むポリエステル樹脂の特定量に対してカチオン重合性化合物が特定量添加されているので、ポリエステル樹脂はカチオン重合性化合物により適切に可塑化されており、従って優れた粘着性や初期粘着力を発現すると共に、粘接着シートとされた時も染み出しが殆どなく、取扱い性に優れる。
【0057】また、上記特定量のカチオン重合性化合物が添加されているので、光照射されてカチオン重合した硬化後はポリエステル樹脂とカチオン重合性化合物とがIPN構造を形成して高度な架橋構造を構築し、優れた接着力や耐熱性を発現する。
【0058】さらに、上記カチオン重合性化合物中には特定の軟化点を有するノボラック型エポキシ樹脂が特定量含有されているので、硬化後の粘接着剤組成物中には適切な量のエポキシ基が残存する。この残存エポキシ基は、ポリエステル樹脂の加水分解によって発生するカルボキシル基と反応してカルボキシル基の自己触媒作用による加水分解の進行を抑制すると共に、カルボキシル基を含む低分子量分解物を捕捉して低分子量分解物の可塑化作用を抑制するので、高温高湿下においても、凝集力の低下に伴う接着力や耐熱性の低下を効果的に抑制することができる。
【0059】以上述べたように、本発明による硬化型粘接着剤組成物及びこの硬化型粘接着剤組成物を用いて作製された硬化型粘接着シートは、硬化前は優れた粘着性(タック)や初期粘着力を有し、光を照射された後でも十分な接着可能時間を有するので作業性に優れる。
【0060】また、光照射による硬化後は優れた接着力や耐熱性を発現すると共に、高温高湿下においても優れた耐加水分解性を有し、耐久性や信頼性に優れる接着力を発現するので、例えば電気・電子部品の接着、車両部品の接着、構造接着等の高信頼性が要求される用途むけの粘接着剤もしくは粘接着シートとして好適に用いられる。




 

 


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