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発明の名称 マーキングフィルム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−131504(P2001−131504A)
公開日 平成13年5月15日(2001.5.15)
出願番号 特願平11−314256
出願日 平成11年11月4日(1999.11.4)
代理人
発明者 三宅 敏之
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 塗膜層、合成樹脂基材層、粘着剤層がこの順に積層されてなり、塗膜層がフィルム表面を成す上塗膜層と基材層に隣接する下塗膜層の少なくとも2層からなるとともに、塗膜層中の安定剤の濃度が上塗膜層中濃度<下塗膜層中濃度の関係にあることを特徴とするマーキングフィルム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、屋外および屋内の広告ステッカー類や表示用ステッカー類などに使用されるマーキングフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】マーキングフィルムは、一般に、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを基材層として、目的に応じて基材層に顔料を練り込んで着色したり、あるいは基材層の片側面に印刷、塗装を施して塗膜層を形成し、反対面に用途に応じて適当な感圧および/または感熱接着剤を塗布して粘着剤層を形成し、さらに粘着剤層を保護する目的で剥離紙等の剥離材を貼り合わせて構成されており、使用時には、この剥離材層を剥離して粘着剤層を所定の箇所に貼り付ける。マーキングフィルムは、屋外で使用されることが多く、看板、広告塔、シャッター、ショーウインドウ等に用いられる広告ステッカー類;自動車、二輪車等の車両やモーターボート等の船舶に用いられる装飾用ストライプステッカー類;交通標識、道路標識、案内板等に用いられる表示用ステッカー類等の用途に用いられる。このため、マーキングフィルムは耐候性を有し、且つ三次曲面に貼り付けるための適度な柔軟性を有することが必要である。
【0003】従来のマーキングフィルムはポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを基材層としているために、焼却廃棄する際には塩化水素ガスやダイオキシンが発生するので、簡単な焼却設備では処理できず、さらには焼却設備の耐久性を低下させるという問題があった。そのため最近では、簡単な焼却設備で処理できる低環境負荷型のマーキングフィルムへの要望が高まって来ている。例えば特開平8−157780号公報記載のマーキングフィルムはポリオレフィン系樹脂フィルムを基材層としたものであり、焼却廃棄することが可能である。
【0004】また、各種塗膜層を設けたマーキングフィルムとして、特願平10−53600号明細書記載のものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】塗膜層を備えたマーキングフィルムにおいて、塗膜層と基材層の経時密着性を改善しようとすれば、塗膜層に安定剤を多量に配合する必要がありますが、安定剤の多量配合はブリードアウトを引き起こしフィルム表面を曇らせる。
【0006】本発明の課題は、塗膜層と基材層の経時密着性を改善すると共に安定剤のブリードアウトを防止することができるマーキングフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解決すべく検討を行った結果、塗膜層を表面の上塗膜層と基材層側の下塗膜層とで構成し、安定剤を上塗膜層より下塗膜層に多く配合することにより、塗膜層と基材層の経時密着性が改善が達成されると共に塗膜層表面への安定剤のブリードアウトが効果的に防止されることを見いだし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明によるマーキングフィルムは、塗膜層、合成樹脂基材層、粘着剤層がこの順に積層されてなり、塗膜層がフィルム表面を成す上塗膜層と基材層に隣接する下塗膜層の少なくとも2層からなるとともに、塗膜層中の安定剤の濃度が上塗膜層中濃度<下塗膜層中濃度の関係にあることを特徴とするものである。
【0008】以下、本発明によるマーキングフィルムの構成層についてそれぞれ詳しく説明をする。
【0009】まず、合成樹脂基材層についてであるが、同基材層用のフィルムとしては、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、軟質ポリオレフィン系樹脂フィルムなどの一般的なフィルムの使用が可能である。その中でも焼却処理が容易に行える軟質ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムが環境負荷低減の点で好ましい。
【0010】基材層用のポリオレフィン系樹脂の好適な例は、軟質ポリプロピレン系樹脂(以下、ポリプロピレンをPPと略記する)20〜100重量%とその他のポリオレフィン系樹脂0〜80重量%からなり、軟質PP系樹脂は重量平均分子量(Mw)8万〜50万を有し、かつクロス分別法による10℃以下の溶出量が45〜80重量%、10℃を越え70℃以下での溶出量が5〜35重量%、70℃を越え95℃以下での溶出量が1〜30重量%、95℃を越え125℃以下での溶出量が3〜35重量%であるものである。上記組成にさらに酸化チタンをPP系樹脂100重量部に対し50〜300重量部添加することもできる。
【0011】このPP系樹脂フィルムは、非常に柔軟で隠蔽性があり、かつ適度な引き裂き性を有する基材層を形成することができ、マーキングフィルムの三次曲面施工性、引き裂き性が著しく改良されるので特に好ましい。また基材層用フィルムは単層であっても多層であっても構わない。
【0012】このような柔軟なPP系樹脂としては、トクヤマ社製の「PER」、モンテルJPO社製の「キャタロイ」、三菱化学社製の「ゼラス」、住友化学社製の「エクセレン」などが挙げられ、これらはいずれも本発明に用いられる。
【0013】基材層用のフィルムは、基材層用の樹脂に上記のような添加物を配合した後、従来より用いられているTダイ法やインフレーション法等により配合物を製膜することにより得ることができる。得られた基材層フィルムは一般に表面張力が小さいため、コロナ処理等の表面改質処理により塗膜層や粘着剤層の密着性を向上させるのが望ましい。
【0014】つぎに、塗膜層用の樹脂塗料としては、耐候性の良好なアクリル系樹脂塗料、ウレタン系樹脂塗料、ポリエステル系樹脂塗料またはフッ素系樹脂塗料が使用可能である。塗膜層の全厚みは好ましくは10〜60μmであり、下塗膜層の厚みは好ましくは1〜15μmである。下塗膜層の厚みが1μmより薄いと下地の透けが防止できにくく、塗膜層の全厚みが60μmを越えると三次曲面への追従性が劣る嫌いがある。
【0015】塗料としては塗料樹脂100重量部に対して顔料を5〜200重量部含むものが好ましい。塗膜層が10〜40μmの一層だけからなるものであると、同層が透けて基材層の下地が見えることにより、目的とする色と塗工した色が違うといった問題や、わずかな塗膜厚みの差異により塗工面の均一性が得られないといった問題が起きる。
【0016】そこで、塗膜層を、フィルム表面を成す上塗膜層と基材層に隣接する下塗膜層の少なくとも2層からなるものとするとともに、塗膜層中の安定剤の濃度を、上塗膜層中濃度<下塗膜層中濃度の関係が成立するようにする。これにより下地基材層が透けて見えるのを防止でき、目的とする色調および均一な外観が得られる。
【0017】上下塗膜層に配合する顔料は一般に用いられる耐候性の良い有機顔料が好適である。
【0018】塗膜層に配合する安定剤としては、チバスペシャルティケミカルズ社製「チヌビン384」等の紫外線吸収剤;チバスペシャルティケミカルズ社製「キマソーブ944」「チヌビン622」等のヒンダードアミン系光安定剤等であってよい。安定剤はそれぞれ単独使用される場合もあるが、通常は併用される。
【0019】安定剤の濃度は塗料の樹脂成分100重量部に対して通常は0.1〜1.5重量部であることが好ましく、経時密着性をより向上させるには2〜6重量部であることが好ましい。本発明においては安定剤の濃度を、上塗膜層中濃度<下塗膜層中濃度の関係が成立するように決定する。例えば、安定剤の下塗膜層中濃度を2〜6重量部にし上塗膜層中濃度を0.1〜1.5重量部の範囲にする。安定剤濃度をこのように分配することにより、塗膜層と基材層の経時密着性を改善すると共に安定剤のブリードアウトを防止することができる。
【0020】また、上塗膜層と下塗膜層の厚みに関しては、フィルム全体の物性および耐候性の観点より、上塗膜層厚が下塗膜層厚以上であることが好ましい。
【0021】下塗膜層の厚みは好ましくは1〜15μmである。下塗膜層の厚みが薄いと下地の透けを防止する効果が小さくなり、目的とする色の調色および均一な外観を得ることが難しくなる。また上下塗膜層の全厚が60μmを越えるとフィルムの3次曲面等の被着体への追従性が劣ることとなる。
【0022】上下塗膜層はグラビアコーター、コンマコーター、リバースコーター、ナイフコーター、スプレーガン、スクリーン印刷等により樹脂塗料を塗工することにより形成される。
【0023】基材層の厚みは全層合わせて20〜150μm、好ましくは40〜60μmが好適である。20μm未満ではフィルム自体が柔らかすぎるために施工困難および強度不足となり、150μmを越えると逆に固くなり、三次曲面等の被着体への追従性が劣ることとなる。
【0024】つぎに、粘着剤層についてであるが、同層に使用する粘着剤としてはアクリル樹脂系、ゴム系の粘着剤いずれでも良いが、マーキングフィルムは屋外での使用が前提となっていることから、耐候性の高いアクリル系が良好である。
【0025】粘着剤は、溶媒中で重合した溶剤型アクリル粘着剤であっても、水中で重合したエマルジョン系粘着剤であっても、また、モノマー混合物に紫外線照射した塊状重合型粘着剤であってもよい。粘着剤層の厚さは20〜50μmが好ましい。マーキングフィルムは、一般に、粘着剤をリバースコート法等により定量的な塗工法により剥離材に塗布し、加熱乾燥させた後、片側面に塗膜層が形成された基材層の反対面に粘着剤層を積層することにより製造される。
【0026】マーキングフィルムの粘着剤層を保護するための剥離材層は特に限定されるものではなく、例えば、シリコーン塗布型剥離紙が使用できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例によって限定されるものではない。
【0028】<実施例1>両外層用樹脂としてメルトインデックス(3.9g/10分)のホモPP樹脂を用い、中間層用材料として、重量平均分子量20万、クロス分別法による各温度での溶出量が10℃以下で69重量%、10℃を越え70℃以下で11重量%、70℃を越え95℃以下で2重量%、95℃を越え125℃以下で18重量%である軟質PP系樹脂100重量部に対して酸化チタン80重量部を配合してなる配合物を用い、これらを多層Tダイ押出機にて厚さ50μm(両外層厚:各8μm、中間層厚:34μm)になるようにサンドイッチ状に製膜し、インラインにて両面コロナ処理(42×10-5N/cm)を施した。得られたフィルムを基材層とし、その片側面に下塗膜層を形成し、さらに下塗膜層の上にこれと同系色の上塗膜層を形成した。
【0029】上下塗膜層の形成は次のように行った。上塗膜層用塗料組成物として、ウレタン系樹脂塗料「プラニットU#700」(大日本塗料社製)100重量部に、硬化剤「コロネート2094」(日本ポリウレタン社製)6.5重量部と、塗料軟化剤「Autoハイフレックス」(大日本塗料社製)10重量部を添加し、シアニンブルーを添加して青色に着色し、さらに上記ウレタン系樹脂塗料の樹脂成分100重量部に対してヒンダードアミン系光安定剤「チヌビン622」(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.2重量部と、紫外線吸収剤「チヌビン327」(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.2重量部都を添加して、塗料組成物を調製した。また、下塗膜層用塗料組成物として、ウレタン系樹脂塗料の樹脂成分100重量部に対してヒンダードアミン系光安定剤「チヌビン622」2重量部と、紫外線吸収剤「チヌビン327」1重量部とを添加した点を除いて、上塗膜層のものと同じ塗料組成物を調製した。そして、基材層の片側面に下塗膜層用塗料組成物をグラビアコーターで厚み3μmで塗工して下塗膜層を形成し、その上に上塗膜層用塗料組成物をスプレーガンコーターで厚み20μmで塗工して上塗膜層を形成した。
【0030】基材層における塗膜層の反対面に粘着剤層、およびその上に剥離材層を形成した。粘着剤層は、2液架橋型アクリル系粘着剤をコンマコーターにてドライ厚み40μmとなるようにシリコーン塗布型剥離紙に塗工して形成した。これを基材層の塗膜層積層面の反対面に積層した。こうして、マーキングフィルムを作製した。
【0031】<実施例2>下塗膜層用塗料組成物の安定剤配合をヒンダードアミン系光安定剤「チヌビン622」3重量部のみにした以外は実施例1と同様にしてマーキングフィルムを得た。
【0032】<実施例3>両外層用樹脂としてメルトインデックス(3.9g/10分)のホモPP樹脂を用い、中間層用材料として、重量平均分子量25万、クロス分別法による各温度での溶出量が10℃以下で48重量%、10℃を越え70℃以下で19重量%、70℃を越え95℃以下で5重量%、95℃を超え125℃以下で28重量%である軟質PP系樹脂100重量部に対し酸化チタン100重量部配合してなる配合物を用い、これらを多層Tダイ押出機にて厚さ50μmになるようにサンドイッチ状に製膜し、インラインにて両面コロナ処理(42×10-5N/cm)を施した。得られたフィルムを基材層とした以外は実施例1と同様の方法にてマーキングフィルムを得た。
【0033】<実施例4>この実施例はポリ塩化ビニル系樹脂製のマーキングフィルムの製造例を示す。ポリ塩化ビニル樹脂(鐘淵化学社製「PSH−10」)100重量部に、可塑剤(旭電化社製「P−300」)35重量部、安定剤(旭電化社製「AC−110」)10重量部、白色顔料(大日精化社製「VT−771」)45重量部、および溶剤(三菱化学社製「ソルベッソ」)80重量部を添加し、オルガノゾルを作製した。このゾルをアルキッド樹脂コーティング工程紙上にコンマコーターにて塗布し乾燥し、厚み60μmのフィルムを得た。乾燥条件は180℃×7分とした。得られたフィルムを基材層とした以外は実施例1と同様の方法にてマーキングフィルムを得た。
【0034】<実施例5>塗膜層用の樹脂塗料をフッ素系樹脂塗料である「デュフロン」(日本ペイント社製)に変更した以外は実施例1と同様の方法にてマーキングフィルムを得た。
【0035】<比較例1>下塗膜層用塗料組成物の安定剤配合をウレタン系塗料の樹脂成分100重量部に対してヒンダードアミン系光安定剤「チヌビン622」(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.2重量部と、紫外線吸収剤「チヌビン327」(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.3重量部とに変更した以外は実施例1と同様にしてマーキングフィルムを得た。
【0036】<比較例2>下塗膜層用塗料組成物の安定剤配合をウレタン系塗料の樹脂成分100重量部に対してヒンダードアミン系光安定剤「チヌビン622」(チバスペシャルティケミカルズ社製)4重量部と、紫外線吸収剤「チヌビン327」(チバスペシャルティケミカルズ社製)4重量部とに変更した以外は実施例1と同様にしてマーキングフィルムを得た。
【0037】<比較例3>下塗膜層用塗料組成物のみを用い、同組成物をスプレーガンコーターで厚み20μmで塗工して1層のみの塗膜層を形成した以外は実施例1と同様にしてマーキングフィルムを得た。
【0038】性能評価試験上記実施例および比較例で得られたマーキングフィルムを下記項目について評価した。評価結果を表1に示す。
【0039】<塗膜均一性>基材層に塗膜層を積層した後、出来上がり塗膜外観を下記の基準で評価した。
○・・・塗膜外観が均一であり良好である×・・・顕著なコーティングむらが発生し、製品となるような塗膜が成形できない<経時塗膜密着性>マーキングフィルムをアルミニウム板に貼着した試験片を大日本プラスチック社製スーパーUVテスターで300時間曝露し、その後カッターで1mm角にクロスカットし、得られたカット片100個についてセロテープ剥離試験を実施し、密着性を評価した。
【0040】密着性=剥離数/100(この値が小さい方が良好、0が最良)
<塗膜のくもり性>マーキングフィルムを40℃のオーブンに1ヶ月保管した後、その外観状態を下記の基準で評価した。
【0041】
◎・・・全く外観の変化無し△・・・若干くもりが見られる×・・・顕著にくもりが発生【表1】

【0042】
【発明の効果】本発明によれば、塗膜層を表面の上塗膜層と基材層側の下塗膜層とで構成し、安定剤濃度を上塗膜層より下塗膜層が高くなるようにすることにより、塗膜層と基材層の経時密着性を大幅に改善することができると共に塗膜層表面への安定剤のブリードアウトを効果的に防止することができる。




 

 


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