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発明の名称 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−122999(P2001−122999A)
公開日 平成13年5月8日(2001.5.8)
出願番号 特願平11−304170
出願日 平成11年10月26日(1999.10.26)
代理人
発明者 稲守 俊夫 / 出口 好希 / 牧野 耕三
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ガスが高圧で含浸されてなる熱可塑性樹脂Aを、押出機から金型に供給し、次いで金型に熱可塑性樹脂Bを供給し、金型内で熱可塑性樹脂Aの少なくとも一部の表面を型面に沿って熱可塑性樹脂Bで被覆した状態で、金型先端から押出して圧力を解放することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
【請求項2】 熱可塑性樹脂Aの代わりに、熱可塑性樹脂A100重量部に対し、充填材を50〜1000重量部含む熱可塑性樹脂組成物Cを用いることを特徴とする請求項1に記載の発泡体の製造方法。
【請求項3】 熱可塑性樹脂Bが熱可塑性樹脂Aと同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂発泡体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法として、押出機内に溶融熱可塑性樹脂を供給した後に、二酸化炭素等の無機ガスやフロンガス等の有機ガスを供給し、金型先端において圧力を解放することにより発泡させるガス発泡法が広く知られている。例えば特表平6−506724号公報には、超臨界状態の流体を用いることによって、気泡径が数μm程度の熱可塑性樹脂発泡体が得られることが開示されている。
【0003】しかし、従来のガス発泡法は溶融樹脂中にガスを高い圧力で混入し、そのまま金型の先端で大気圧まで圧力を解放するので、発泡体表面部のガスは、気泡核の生成後、急激に成長して破泡するか、気泡核生成に至らず樹脂中を拡散して大気中に放出されてしまう。このために発泡体表面に30〜100μm程度の非発泡層がどうしても発生した。
【0004】そこで特開平10−176076号公報では、金型から吐出した直後のシート状樹脂を、ガス不透過性のシートと接合させた上で発泡させる方法が示されており、この方法によれば、発泡体表面の非発泡層が10μm以下程度にまで薄くできる旨、開示されている。
【0005】しかし、本発明者等の研究によれば、前記特開平10−176076号公報記載の方法を採用しても、適用する樹脂の種類によっては、例えば溶融時に十分伸長せず破断に至る樹脂、又はガスの拡散速度が速い樹脂を用いた場合は、金型から吐出した樹脂がガス不透過性のシートに接合するまでの間に、樹脂中に含浸していたガスが大気中へと放出され、非発泡層を薄くすることができない場合があった。
【0006】この状況は、充填材、特に多量の充填材を配合した場合に顕著となり、充填材を配合しない場合に比べると、金型から吐出した樹脂組成物から樹脂と充填材の界面を伝って格段に速い速度で大気中へガスが放出されるため、樹脂吐出直後にガス不透過性のシートといくら接合させても非発泡層を薄くする効果はほとんど認められず、また、肉厚方向の中央部でも1〜1.5 倍程度の非常に低い発泡倍率となる場合もあった。
【0007】すなわち、従来のガス発泡法では、充填材を含む樹脂を金型から吐出した瞬間に、表層部のガスが放出するために非発泡層が厚くなり、その結果、発泡体全体の発泡倍率が低くなり、発泡体の柔軟性が低下し、質感を損なう場合が多いという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来のガス発泡法の問題点を解決し、金型から吐出した直後にガスの放出が起こり易い樹脂、特に、充填材を含む樹脂組成物であっても、非発泡層の薄い、高発泡倍率の発泡体の製造が可能な熱可塑性樹脂発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に係る熱可塑性樹脂発泡体の製造方法は、上記目的を達成するために、ガスが高圧で含浸されてなる熱可塑性樹脂Aを、押出機から金型に供給し、次いで金型に熱可塑性樹脂Bを供給し、金型内で熱可塑性樹脂Aの少なくとも一部の表面を型面に沿って熱可塑性樹脂Bで被覆した状態で、金型先端から押出して圧力を解放することを特徴とする。
【0010】請求項2記載の本発明に係る熱可塑性樹脂発泡体の製造方法は、熱可塑性樹脂Aの代わりに、熱可塑性樹脂A100重量部に対し、充填材を50〜1000重量部含む熱可塑性樹脂組成物Cを用いることを特徴とする。請求項3記載の本発明に係る熱可塑性樹脂発泡体の製造方法は、熱可塑性樹脂Bが熱可塑性樹脂Aと同じであることを特徴とする。以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0011】上記熱可塑性樹脂Aとしては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、アクリル樹脂、熱可塑性エラストマー、粉末ゴム等が挙げられる。
【0012】好ましくは、発泡に適した溶融張力、伸張粘度特性を有するものであって、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA等のポリオレフィイン樹脂の他、ポリスチレン系樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。
【0013】これらの樹脂の内でも、EVAやポリエチレン、ポリプロピレンは、リサイクル性や物性等の点で特に好ましい。これらは単独で用いても良いし、組み合わせて用いても良い。また本発明の目的を損なわない範囲でこれらを変性、もしくは架橋した樹脂を用いても良い。
【0014】本発明においては、上記熱可塑性樹脂Aに、必要により、充填剤、滑剤、安定剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、消泡剤、顔料、染料等の添加剤を本発明の目的を損なわない程度で配合しても構わない。また、場合によっては、可塑剤、溶剤を同様に配合することも可能であるが、これらは、環境・安全面より極力使用しないことが望ましい。
【0015】充填剤は特に限定されないが、例えばシリカ、マイカ、タルク、石粉、珪藻土、クレー、グラファイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、アルミニウム粉末、鉄粉、二硫化モリブデン、硫酸バリウム、リチウム石けん、木粉、ガラス、パルプ等の無機もしくは有機の充填剤が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、組み合わせて用いても良い。
【0016】上記充填剤の量は100重量部の熱可塑性樹脂Aに対し、50〜1000重量部が好ましい。すなわち、請求項2記載の如く、熱可塑性樹脂Aの代わりに、熱可塑性樹脂A100重量部に対し、充填材を50〜1000重量部含む熱可塑性樹脂組成物Cを用いるのが好ましい。50重量部未満では、充填剤の特性を発現し難く、また、通常の押出成形を行うことが可能である場合が多いため、本発明を適用する必要性が乏しい。一方、1000重量部を超えて熱可塑性樹脂Aに混合しようとすると、Aの粘度が著しく増大するか、又は、得られる発泡成形体が非常に脆くなり形状を保てない場合がある。
【0017】本発明で用いられるガスは、常温常圧で気体状態の有機或いは無機物質であって、高温・高圧下で樹脂への含浸性が良好で、樹脂を劣化させないものであれば特に限定されずに使用できるが、火災、爆発等の危険がなく、環境、作業者の健康に対して安全で回収が容易なガスが望ましい。常温・常圧で気体状態の為、使用後、容易に樹脂から除去することが可能である。
【0018】このようなガスとしては、例えば二酸化炭素、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、酸素等の無機ガスや、フロンガス、低分子量の炭化水素等の有機ガスが挙げられ、用いる樹脂に最も含浸するものが好ましく選択される。
【0019】また前記ガスは含浸速度が速い超臨界状態であることが望ましい。超臨界状態とは、臨界温度以上であって臨界圧力以上の状態をいう。例えばガスが二酸化炭素の場合は臨界温度は30.9℃、臨界圧力は7.4MPa、窒素の場合は臨界温度は−146.9℃、臨界圧力は3.4MPaである。
【0020】上記ガスの含浸時の圧力すなわち押出機に供給時の圧力は、(ガスの臨界圧力−3MPa )以上で(ガスの臨界圧力+100MPa)以下が好ましく、(ガスの臨界圧力+3MPa )以上で(ガスの臨界圧力+60MPa)以下がより好ましく、熱可塑性樹脂にガスを効率的に含浸するため、ガスが超臨界状態であるのが特に好ましい。
【0021】すなわち、(ガスの臨界圧力−3MPa )未満では、含浸量が少なく発泡倍率が低くなってしまい、(ガスの臨界圧力+100MPa)を越えると圧力が高すぎ、設備が大がかりなものとなってしまい、好ましくない。
【0022】また、熱可塑性樹脂Aにガスを高圧で含浸させる手段としては、例えば特開平10−230541号公報に開示されているように、ガスの含浸から押出機の供給までを閉鎖した高圧の空間中で行える、耐圧ホッパを備えた押出機を用いても良い。或いは、熱可塑性樹脂Aを常圧下で押出機に供給した後、押出機内に超臨界ガスと樹脂Aを密閉して混練しても良い。
【0023】この内容を具現化する手段としては、タンデム方式の押出機を用いて、接続部にガスを供給する方法や、押出機内に2ヶ所の溶融樹脂シールを構成できるスクリューを用いて、樹脂シール間にガスを供給する方法が挙げられる。押出機は、1軸又は2軸以上或いはこれらを組み合わせた押出機で、2軸の場合、スクリューの回転方向がそれぞれの軸で反対のもの、同じものであっても良く、軸のタイプはパラレルタイプでもコニカルタイプでも良い。また押出機を多段に組み合わせたタンデム方式を用いても良い。
【0024】熱可塑性樹脂Aへのガスの含浸量は、ガスの種類によって適宜選択することができるが、樹脂100重量部に対し3〜50重量部のガスを含浸させることが望ましい。ガスの含浸は飽和状態で有ることが最も好ましいが、必ずしも達成される必要は無い。
【0025】賦形のための金型は、「熱可塑性樹脂Aの少なくとも一部の表面を型面に沿って熱可塑性樹脂Bで被覆した状態」を現出できるものであれば特に限定はされない。例えば、シート金型としては、Tダイであれば、マルチマニホールドダイ、スタックプレートダイ、フィードブロックダイが、サーキュラーダイであれば多層のスパイラルダイが挙げられる。また、シート金型以外にも、丸、異形などの金型に多層化できる機構を持たせたものであっても良い。
【0026】上記熱可塑性樹脂Bは、特に限定されず、熱可塑性樹脂Aとして例示されたものが全て使用可能であり、樹脂Aと同種であっても異種であってもよいが、好ましくは、熱可塑性樹脂Aよりも融点もしくは溶融温度が同程度かもしくは稍高いものが用いられる。
【0027】また、金型に熱可塑性樹脂Bを供給する手段としては、安定的に熱可塑性樹脂Bを供給できれば特に限定しないが、押出機を用いることが望ましい。また、金型に熱可塑性樹脂Bを供給する時期は、本発明による熱可塑性樹脂発泡体の製造の連続的な実施が開始され、熱可塑性樹脂A及びBが定常的に供給されている場合は、熱可塑性樹脂A及びBが同時に金型に供給されていると言い得るものである。
【0028】上記の「熱可塑性樹脂Aの少なくとも一部の表面を型面に沿って熱可塑性樹脂Bで被覆した状態」とは、高圧ガスが含浸された発泡素材である熱可塑性樹脂Aの少なくとも一部において、熱可塑性樹脂Bが金型内で型面に沿って密着している状態をいう。勿論、シート状の熱可塑性樹脂Aの両面を熱可塑性樹脂Bで被覆している状態でも良い。
【0029】また金型先端からの吐出物は、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bが一体化した状態で、金型から押し出し吐出され、その状態が維持されることが必要である。吐出後に自然に分離してしまっては、ガスの大気への放出を抑制することができないからである。また、一体化した状態で吐出した後、力を作用させることによって分離できないほど強固に密着していてもよいし、分離できる程度に密着したものであっても良い。
【0030】尚、吐出後の分離の可否には、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの材料としての特性によるところが大きいため一概には言えないが、強固に密着した状態を実現させる為には、金型内の比較的上流部で、高い圧力と融点もしくは溶融温度以上の高い温度において、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを合流させればよい。また、分離を可能とするには、逆に、金型内の比較的下流部で、低い圧力と融点もしくは溶融温度近傍の低い温度において、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを合流させればよい。
【0031】(作用)本発明においては、従来の技術では、金型から吐出した直後にガス抜けが発生する種類の熱可塑性樹脂Aであっても、金型内の高い圧力で、樹脂Aの少なくとも一部の表面を型面に沿って熱可塑性樹脂Bが被覆した状態とし、その状態で金型先端から押出して圧力を解放するので、金型吐出直後のガスの放出を遮断することができ、熱可塑性樹脂Aの未発泡層を薄くすることができる。特に、多量の充填材を配合した熱可塑性樹脂組成物Cの場合は、上記被覆を行わなければ金型直後のガス抜けが瞬時に発生するが、上述の作用により同様に未発泡層を薄くすることが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)以下の設備を用いて、目的とする略平板状の熱可塑性樹脂発泡体を得た。
押出機a:熱可塑性樹脂組成物C用・・・φ70単軸押出機 L/D=30押出機b:熱可塑性樹脂B用・・・φ30単軸押出機 L/D=22金型 :幅100mmの2種3層Tダイ(フィードブロックダイ)、リップ厚 み1mm、オイル温度調節による温度制御方式採用。
【0033】
熱可塑性樹脂組成物C:下記原料を事前混合した。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(熱可塑性樹脂A、日本ポリケム 社製「ノバテックEVA LV660」を粉砕して使用)100重量部 木粉(三和セルロシン社製、#100メッシュ通過品、平均粒径2 8μm)100重量部 滑剤(花王社製、カオーワックス220)5重量部熱可塑性樹脂B: エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(熱可塑性樹脂A、日本ポリケ ム社製「ノバテックEVA LV660」を粉砕して使用)を単体で 使用した。
【0034】
ガス :二酸化炭素、含浸圧力20MPa、平均含浸量10重量部(押出量 とガス供給量より算出)、押出機aの途中に、設定温度130℃で 提供した。
成形条件:金型温度設定:60〜70℃ 押出量 :熱可塑性樹脂組成物C・・・5kg/時間 熱可塑性樹脂B・・・・・・1kg/時間【0035】図1に示す押出機aとしての1のホッパー6から上記熱可塑性樹脂組成物Cをシリンダー2に供給し、シリンダー2の中央部に高圧ガス供給装置3から上記二酸化炭素を供給し、熱可塑性樹脂組成物Cに含浸させ、このガス含浸樹脂組成物Cをシリンダー2から金型5に供給した。次いで、押出機bとしての4から樹脂Bを多層金型5に導入し、金型5内で、熱可塑性樹脂組成物Cの少なくとも一部の表面を略平板状の型面に沿って熱可塑性樹脂Bで被覆した状態で、金型先端から押出して圧力を解放することにより、略平板状の熱可塑性樹脂発泡体を得た。
【0036】この発泡体の特性を以下の通り評価し、その結果を表1に示した。
・熱可塑性樹脂組成物C及び熱可塑性樹脂B対応部分の厚み押出発泡成形したシートサンプルを液体窒素にて冷凍破断し、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。被覆層である樹脂Bと発泡層である樹脂組成物Cの厚みをそれぞれ10点測定して、平均値を樹脂組成物C及び樹脂B対応部分の厚みとした。
【0037】・気泡径樹脂組成物C及び樹脂Bの厚みの測定と共に、発泡層である樹脂組成物Cの代表的な大きさの気泡径を100個測定して平均値を気泡径とした。
【0038】・未発泡部厚み気泡径の測定と共に樹脂組成物Cと樹脂Bの界面にある樹脂組成物Cの未発泡部の厚みを10点測定して平均値を未発泡部厚みとした。
【0039】・発泡倍率(全体)
押出発泡成形したシートサンプル(樹脂組成物Cから形成された発泡層と樹脂Bから形成された被覆層からなる複層シート)の全体の密度を測定し、あらかじめ測定しておいた前記シートサンプル(被覆層を有するが、ガスを供給せず発泡させていないもの)の密度とから発泡倍率(全体)を計算した。なお比較例では、樹脂組成物Cのみの発泡したシートサンプルの密度と樹脂組成物Cからなるシートの密度から計算した。
【0040】・発泡倍率(発泡部)
押出発泡成形したシートサンプル(樹脂組成物Cから形成された発泡層と樹脂Bから形成された被覆層からなる複層シート)の全体の密度Dと厚みtを測定し、あらかじめ測定しておいた被覆層である樹脂Bの密度D2 と、樹脂組成物Cから形成された発泡層の厚みt1 、及び樹脂Bの片側の厚みt2 より、発泡層を形成する樹脂組成物Cの密度D1 を算出した。
【0041】尚、計算式は以下の通りである。
D=D1 ×t1 /t+D2 ×2 ×t2 /t、ここで t=t1 +2 ×t2変形すると、D1 =(t×Dー2 ×t2 ×D2 )/(t−2 ×t2 )
この後、発泡層である樹脂組成物Cの密度D1 と、あらかじめ測定しておいた樹脂組成物Cからなるシートの密度から発泡倍率を計算した。
(実施例2)熱可塑性樹脂組成物C中の充填剤(木粉)100重量部に換えて充填剤(木粉)を200重量部用いた以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂発泡体を得て評価した。
【0042】(比較例1)熱可塑性樹脂Bを全く用いず、従って実施例1における押出機bを用いない点を除いて、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂発泡体を得て評価した。
(比較例2)熱可塑性樹脂Bを全く用いず、従って実施例2における押出機bを用いない点を除いて、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂発泡体を得て評価した。
【0043】
【表1】

【0044】表1から明らかなように、樹脂Bの被覆層を形成していない比較例1及び2では、未発泡層が100μm 以上発生し、発泡倍率も最大で2.3 倍と低かった。これに対し、被覆層を形成した実施例1及び2では、未発泡層は10μm 程度と小さく、発泡倍率(全体)は最大で3.7倍、発泡倍率(発泡部)は5.7倍と高かった。このことより、被覆層を形成することにより樹脂組成物Cに含浸されていたガスが十分に機能し、発泡倍率が向上したことが判る。
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法によれば、従来の技術では薄い未発泡層の形成は困難な熱可塑性樹脂Aであっても、熱可塑性樹脂Aの少なくとも一部の表面を型面に沿って熱可塑性樹脂Bで被覆した状態で、金型先端から押出して圧力を解放することにより、金型から吐出した直後のガスの放出を防止し、樹脂Aから形成された発泡層と樹脂Bから形成された部分的もしくは全面的被覆層を備え、樹脂Aから形成された未発泡層が薄いかもしくは形成されていない複層シートが、容易に得られる。その結果、高い発泡倍率を実現できて、これにより柔軟で良好な質感をも持った熱可塑性樹脂発泡体を提供することができる。請求項2記載の如く、熱可塑性樹脂Aの代わりに、熱可塑性樹脂A100重量部に対し、充填材を50〜1000重量部含む熱可塑性樹脂組成物Cを用いる場合は、従来の技術では全く困難な、未発泡層が薄い熱可塑性樹脂発泡体を製造することができるので、本発明を採用して効果的である。また、請求項3記載の如く、熱可塑性樹脂Bが熱可塑性樹脂Aと同じである場合は、上記効果をより確実に奏することができる。




 

 


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