米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 積水化学工業株式会社

発明の名称 合成樹脂管の接合方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−115104(P2001−115104A)
公開日 平成13年4月24日(2001.4.24)
出願番号 特願2000−196439(P2000−196439)
出願日 平成12年6月29日(2000.6.29)
代理人
発明者 濱 秀行 / 大塚 敏治
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 受け口と挿し口とを接着剤を使用して接合する合成樹脂管の接合方法であって、上記接着剤が、両端を加水分解性シリル基で変性したポリオキシアルキレンを主成分とする接着剤であることを特徴とする合成樹脂管の接合方法。
【請求項2】 受け口と挿し口とを接着剤を使用して接合する合成樹脂管の接合方法であって、上記接着剤として、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する架橋性化合物と、活性光線の照射によりエポキシ基の開環反応を誘発する化合物とからなる接着剤組成物を用い、接合前に接着剤に活性光線を照射することを特徴とする合成樹脂管の接合方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂管の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂管を接着剤を用いて接合する方法では、接着剤として、被着体と同じ合成樹脂を溶剤に溶解した「溶剤型接着剤」や、主剤と硬化剤とを混合して架橋硬化させる「2液型接着剤」が用いられている。
【0003】しかしながら、「溶剤型接着剤」では、溶剤によって合成樹脂管に微細なクラックが発生するいわゆるソルベントクラッキング現象が起こることが知られている。ソルベントクラッキング現象は、管路の強度や耐久性を低下させ、また破損にまで至らなくとも、例えば、超純水用管路の場合には、クラックに滞留する水の純度が低下する原因になる等、管路に様々な影響を及ぼす可能性がある。
【0004】そのため、施工時に、管路内の溶剤を送風機でパージして速やかに溶剤を揮散させたり、管路に応力がかからないような施工方法を定めてこれを守り、ソルベントクラッキング現象の発生を最小限に押さえたりする工夫が必要であった。
【0005】更に、溶剤が揮発した後の接着剤層に空隙が生じやすく、特に受け口への挿し口の挿入が不十分である場合には、これらの空隙が、管の抜けや漏れの原因になるという問題があり、更には、溶剤により、合成樹脂が可塑化して管の強度が低下したり、溶剤の揮発により作業性や作業環境が悪化したり、火災や爆発の原因になったりするという問題があった。
【0006】また、溶剤を使用しない「2液型接着剤」は、一般に主剤と硬化剤とを混合するが、混合比が所定の値から外れたり、混合が不均一であったりすると接着力が低下するため、正確な計量と均一な混合が求められる。更に、実際の施工においては、予め主剤と硬化剤とを混合しておかねばならないが、混合後はポットライフ以内の時間に施工してしまわねばならず、施工性に難点がある上、余剰になった接着剤は廃棄しなければならないため、必要量の接着剤の分量の見当量の推定をしなければならず、施工の手間が煩雑であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような従来方法の欠点を解消し、溶剤を使用せず、かつ1液型接着剤の利点である簡便な施工が可能な、合成樹脂管の接合方法を提供する目的でなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の発明(本発明1)は、受け口と挿し口とを接着剤を使用して接合する合成樹脂管の接合方法であって、上記接着剤が、両端を加水分解性シリル基で変性したポリオキシアルキレンを主成分とする接着剤である合成樹脂管の接合方法である。
【0009】本願の請求項2に記載の発明(本発明2)は、受け口と挿し口とを接着剤を使用して接合する合成樹脂管の接合方法であって、上記接着剤として、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する架橋性化合物と、活性光線の照射によりエポキシ基の開環反応を誘発する化合物とからなる接着剤組成物を用い、接合前に接着剤に活性光線を照射する合成樹脂管の接合方法である。
【0010】一般に、接着剤における接着力の発現は、被着物表面の凹凸に接着剤が浸入硬化するアンカー効果による物理的な接着、溶剤型接着剤の場合にみられる被接着物同士の接着界面が溶剤に溶解し互いに混じり合う相互拡散による接着、接着剤と被着物との化学的な結合による化学的接着等がある。
【0011】化学的な結合では、接着剤中の、被着体との相互作用の強い成分が、被着体表面に結合されることにより接着するものであるとされているが、この結合力には、共有結合やイオン結合、キレート結合等の1次結合の他、水素結合やファンデルワールス力のような2次結合がある。このうち、最も大きな接着効果を持つ要因の一つは、水素結合であるとされており、ほとんどの2液型接着剤はこの効果で接着力を確保するようになっている。
【0012】本発明1の主眼は、水素結合による接着効果を、1液型接着剤を用いて発現させるところにある。そのために、接着剤成分として、両端をシリコーンで変性したポリオキシアルキレン(以降、変成シリコーンという。)が最も好適に用いることができる。従って、以降は、変成シリコーンを例として説明する。
【0013】変成シリコーンの端末の加水分解性シリル基は、シラノール縮合反応で水と反応してメタノールを放出しシラノールとなる。シラノールは、他のシラノールと脱水縮合したり、あるいは、他の加水分解性シリル基と反応してメタノールを放出しSiOSiの繰り返し中の任意のSiにOH基が結合した化合物となる。このOH基は未反応のシラノールであり、必ずしも端末にのみ存在するのではなく、SiOSi鎖中のSiに結合して存在している場合もある。このOH基が、合成樹脂がその表面に吸着している水のOH基と水素結合し、強力な接着力を発揮する。
【0014】上記変成シリコーンは汎用の変成シリコーンでよく、そのポリマーの主鎖であるポリオキシアルキレンとしては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等がある。また、加水分解性シリル基としては、例えば、メトキシシリル基が好ましく用いられる。
【0015】シラノール縮合反応は、例えば、錫等の遷移金属等の触媒の存在下で速やかに進行する事は良く知られている。触媒の配合量は、少ない場合には反応速度が遅くなり、多い場合には反応速度が上がるが、いずれの場合にも接着剤の剪断強度には影響を与えず、また接着剤のシラノール反応後に残存する触媒も接着剤の強度には影響しないので、触媒の配合量は厳密に制御する必要はない。
【0016】このようなシラノール縮合触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物;テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物;ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等のアミン塩;その他、塩酸、硝酸等の酸性触媒;アンモニア等の塩基性触媒等が挙げられる。
【0017】また、変成シリコーン系接着剤にカップリング剤を併用しても良い。カップリング剤は、シラノールのOH基と水素結合する合成樹脂表面の水を、より強固に合成樹脂表面に結合させる目的で使用され、接着の目的によって、強力な接着力を発揮させる必要がある場合に使用される。但し、合成樹脂表面に適度な凹凸がありアンカー効果が期待できる場合等では、省略される場合もある。
【0018】このような化合物として、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2ーアミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等をあげることができる。
【0019】また、従来の変成シリコーン系接着剤の場合では、シラノール縮合反応に必要な水分は、空気中の湿気や受け口や挿し口に吸着されている水を利用する。本発明では、前述のシラノール縮合触媒に加え、水を用いてより効果的にシラノール反応を進行させても良い。カップリング剤やシラノール縮合触媒と水とは単独で用いても良いし、混合して用いても良い。硬化の促進には、触媒は極微量の添加で効果を発現するため、ソルベントクラッキング現象がおきないような適当な溶剤で希釈して用いても良い。
【0020】水を用いる場合は、施工時に、水を受け口もしくは挿し口の接合面に付着させるのが良い。即ち、接着剤組成物に予め水を添加して配合しておくと、施工時に既に縮合反応が進んで架橋硬化が進んでしまい、接着剤が流れにくくなって接合ができなくなる恐れが出るからである。
【0021】特に硬化を促進する成分として水を追加使用する場合には、一般の樹脂管の水に対する濡れ性が小さいことから塗れ性の良い溶剤で希釈することが望ましい。溶剤で希釈した場合でも、塗布量は微量でよいため、溶剤型接着剤を用いるよりも溶剤の使用量は少なくてすむ。
【0022】変成シリコーンは、硬化に際し容積変化が少なく、空隙を充填する効果がある。即ち、溶剤型接着剤の場合には、接着時に押し込み圧が不足し、挿し口が受け口から押し戻されて空隙を生じるような場合には 発生した空隙を接着剤自体が充填できず、従っていわゆるみず道を生じて受け口と挿し口との間から漏水したりする原因となっていたが、変成シリコーン系接着剤の場合には、充填されたままとなっているので空隙を生じず、従ってみず道の発生がなく漏水の恐れがない。
【0023】本発明2の主眼も、水素結合による接着効果を、1液型接着剤を用いて発現させるところにある。そのため、本発明2で用いる接着剤は、第1の必須成分として、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する架橋性化合物(以降は、架橋性エポキシ化合物という。)を含む。この架橋性エポキシ化合物が架橋硬化することにより接着作用を発現する。また、本発明2で用いる接着剤は、第2の必須成分として、活性光線の照射によりエポキシ基の開環反応を誘発する化合物(以降、架橋開始剤という。)を含む。この架橋開始剤に活性光線を照射することにより架橋性エポキシ化合物の架橋反応が開始される。これらの成分を単に混ぜ合わせただけでは架橋反応が起こることはなく、活性光線を照射してはじめて架橋反応が開始される。したがって予め混合した状態で保存し、使用前に活性光線を照射することで速やかに接着作用を発現させることが可能であり、これにより溶剤を使用せず、かつ1液接着剤の利点である簡便な接合方法を提供することができる。
【0024】架橋性エポキシ化合物としては、例えば、下記の化学式で現される脂環式エポキシ化合物が好適に使用される。
【0025】
【化1】

【0026】
【化2】

【0027】
【化3】

【0028】
【化4】

【0029】
【化5】

【0030】
【化6】

【0031】上記の脂環式エポキシ化合物の他、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック樹脂等の多価フェノールとエポクロルヒドリンとの反応生成物であるポリグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリグリシジルエーテル等も好適に使用される。
【0032】また、分子内に二重結合を有する高分子量体を酸化することによりエポキシ化した化合物も使用される。このような化合物としては、例えば、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(エポキシ化SBS)が挙げられる。ブロック重合の形態は、ジブロック(スチレン−ブタジエン)、トリブロック(スチレン−ブタジエン−スチレン)、マルチブロック等のいずれの形態であってもよい。エポキシ化SBSはゴム弾性を有しており、これを用いることにより架橋前の接着剤に粘着性が付与される。接着剤に粘着性があると、接合時の仮固定が容易となるという利点がある。エポキシ化SBSの具体例としては、例えば、ダイセル化学工業社製のエポキシ化SBS(商品名「エポフレンドA1020」)等を挙げることができる。
【0033】これらの架橋性エポキシ化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。接着剤として塗布する場合には、塗布方法によって好適な粘度範囲が存在するので、この粘度範囲に調整するために、例えば、固体状のエポキシ化SBSと液状の脂環式エポキシ化合物を混合する等の方法も好ましい。また、常温では固体状あるいは高粘度の接着剤としておき、塗布時に加熱することにより、溶融あるいは低粘度化して用いることも可能である。
【0034】架橋開始剤としては、電子線、紫外線、可視光線等の活性光線の照射によって酸成分を生成する種々の化合物が知られているが、常温で分解することなくかつ活性光線の照射で速やかに酸を発生し、発生した酸が効率よくエポキシ基の開環反応を開始させる化合物が好適に使用される。このような化合物としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム塩、鉄−アレン錯体化合物、アルミニウム錯体−シラノール系化合物等が挙げられる。
【0035】架橋開始剤の配合量としては、活性光線の種類や強度、架橋エポキシ化合物の種類や量、架橋開始剤の種類等によって異なるが、通常、架橋性エポキシ化合物100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましい。配合量が0.01重量部未満では架橋反応速度が遅く、10重量部を超えると接着剤層の強度を低下させる可能性がある。
【0036】本発明2の接着剤中には、架橋性エポキシ化合物および架橋開始剤の他に、架橋速度向上、粘度調整、粘着性付与、接着強度向上等を目的として、各種物質を添加することができる。
【0037】架橋速度向上や粘度調整を目的とする添加剤としては、例えば、単官能のエポキシ化合物や、エポキシ以外のカチオン重合性化合物等が挙げられる。カチオン重合性化合物の具体例としては、例えば、オキセタン化合物、オキソラン化合物等の環状エーテル化合物、環状エステル化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【0038】高粘度化や粘着性付与には、各種ポリマーの添加が有効である。この目的で添加するポリマーとしては、例えば、スチレン系樹脂、石油性樹脂、天然系樹脂等の粘着付与樹脂として慣用されている樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂、アクリル系共重合体、エステル系樹脂等が挙げられる。
【0039】架橋速度向上には、ヒドロキシル化合物を添加することが有効である。ヒドロキシル化合物は液体であっても固体であってもよいが、少なくとも1個もしくは2個以上のヒドロキシル基を有するものが使用される。この場合、ヒドロキシル基は、化合物の末端にあってもよく、また、ポリマーもしくはコポリマーの側鎖に存在していてもよい。このようなヒドロキシル基を有する化合物としては、例えば、アルキレングリコール、ポリヒドロキシアルカン、ポリオキシアルキレンポリオール等が挙げられる。
【0040】粘度調整、接着層の強度向上等を目的として、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛等の微粉末を添加してもよい。
【0041】また、粘度調整、界面密着力の強化には少量の溶剤の添加も効果的である。多量の溶剤の添加は本発明2の目的とは合致しないが、ソルベントクラッキングや作業環境への悪影響が出ない範囲で溶剤を添加する分には問題がない。このような溶剤としては、通常の溶剤系接着剤に一般的に用いられる、例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、トルエン等の他、工業的に用いられている各種溶剤が使用可能である。しかし、水分や塩基性物質を含むものは架橋性エポキシ化合物の架橋を妨げることがあるので、これらを多量に含む溶剤は好ましくない。
【0042】本発明2に用いられる接着剤は、受け口の内面と挿し口の外面の両方に塗布されてもよいし、一方だけに塗布されてもよいが、管径が小さい場合には、活性光線を受け口の内面に照射することが困難となるため、挿し口の外面にのみ塗布するのが好ましい。接着剤の塗布方法には、特に制限はなく、刷毛塗り、ヘラ塗り、スプレー塗り等、公知の方法を採用することができる。
【0043】活性光線としては、架橋性開始剤から、架橋性エポキシ化合物の開環反応を誘起する酸成分を生成し得るものであればよく、架橋性開始剤の感光波長に応じて適宜選択されるが、通常、300〜400nmの波長を含む紫外線が用いられる。照射光源としては、蛍光ランプ、高圧水銀灯、キセノン灯等の一般的な光源を用いることができる。照射方法としては光源からの光線を直接照射してもよいし、石英ファイバーや反射鏡を利用して被照射部に光線を導いてもよい。
【0044】活性光線の照射量としては、架橋開始剤の種類や接着剤の塗布厚によっても異なるため一義的には定められないが、100〜2000mjの範囲内に最適値がある場合が多い。照射量が少なすぎると、架橋硬化に長時間を要し、照射量が多すぎると、接合するまでに架橋硬化が進行してしまい、十分な接着強度が得られなくなる。
【0045】塗布した接着剤に所定量の活性光線を照射した後、受け口に挿し口を挿入する。硬化反応が進行してから挿入したのでは十分な接着強度が得られないため、できるだけ速やかに挿入するのが好ましい。
【0046】挿入後、接着剤層が固まるまで固定しておく必要がある。このとき接着剤に粘着性があると、接着層自身の粘着力で固定されるため、固定・保持のための煩雑な操作が軽減されるので好ましい。
【0047】
【作用】本発明1の合成樹脂管の接合方法においては、接着力の主たる発現要因が、シラノールのOH基と被着体表面に存在するOH基であるので、接着力が強固である。
【0048】本発明2の合成樹脂管の接合方法においては、接着力の主たる発現要因が、エポキシ基の開環によるOH基と被着体表面に存在するOH基であるので、接着力が強固である。
【0049】本発明の合成樹脂管の接合方法においては、変成シリコーン系接着剤による接着では溶剤を使用しないか使用しても少量であり、従って、溶剤型接着剤の場合に観察されるソルベントクラッキング現象の発生は非常に少なくなる。
【0050】また、2液型接着剤の場合には主剤と硬化剤との配合量を厳密に制御しなければならないが、本発明では変成シリコーンと触媒との配合量比の許容範囲が広いので、施工現場での施工性が良い。
【0051】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について、非限定的な実施の一例をもって説明する。本発明においては、この例が全てではないことは論をまたない。
【0052】(実施例1)塩素化塩化ビニル樹脂管(呼び径50mm;積水化学工業製;商品名「HTエスロクリーンパイプ」)の挿し口と、同材質からなる前記管に適合した継手の受け口とを、変成シリコーン系接着剤(積水化学工業製;商品名「セキスイボンド#76−B」)で接合した。接合にあたっては、予め被着面を清浄なウェスでふき取り、いずれの被着面にも接着剤を塗布し、常法に従って、受け口に挿し口が停止するまで挿入し、約1時間そのまま保持し、接合して管路を得た。
【0053】このようにして得られた管路を2組用意し、いずれも管路の両端を密閉し、1組はそのままの状態で、他の1組には管路の中央に曲げ応力を負荷し、5℃で5日間養生してソルベントクラッキング現象の発生の有無を観察するための試験体を作製した。
【0054】(比較例1)接着剤を溶剤型接着剤(積水化学工業製;商品名「エスロン接着剤No.100」)とした他は実施例1と同様にして管路を得、同様にしてソルベントクラッキング現象観察用の試験体を作製した。
【0055】試験体を顕微鏡観察した結果を表1に示す。表1の通り、変成シリコーン系接着剤を使用した場合には、曲げ応力を負荷してもソルベントクラッキング現象は観察されなかった。
【0056】
【表1】

【0057】(実施例2)実施例1と同じ挿し口と受け口とを準備し、変成シリコーン系接着剤(積水化学工業製;商品名「セキスイボンド#76−B」)で接合した。接合にあたっては、予め被着面を清浄なウェスでふき取り、いずれの被着面にも接着剤を塗布し、常法に従って、受け口に、挿し口が停止するまで挿入し、次いで、停止位置から管を1mm引き戻して挿し口と受け口との間に空隙を生じるようにして1時間そのまま保持し、接合して管路を得た。
【0058】そのままの状態で、常温で1週間養生し、内圧試験を行ったところ、圧力92kg/cm2 まで昇圧したところで原管破裂が起こった。その間、挿し口と受け口との接合部の抜けはなく、漏れも観察されず、変成シリコーン系接着剤では、十分な空隙充填効果があることが観察された。
【0059】(実施例3)下記式(化7)に示す架橋性エポキシ化合物(ダイセル化学工業社製;商品名「セロキサイド2081」)60重量部を50℃に加熱し、これにエポキシ化SBS(ダイセル化学工業社製;商品名「エポフレンドA10201H」)40重量部を溶解させ、常温に冷却してから下記式(化8)に示す架橋開始剤(旭電化社製;商品名「SP−170」)2重量部を加え、接着剤組成物を調製した。
【0060】
【化7】

【0061】
【化8】

【0062】硬質塩化ビニル樹脂管(呼び径20mm;積水化学工業社製;商品名「エスロンVP」)の挿し口と、同材質からなる前記管に適合した継手の受け口とを、上記の方法により得た接着剤組成物で接合した。接合にあたっては、予め被着面を清浄なウェスでふき取り、いずれの被着面にも接着剤組成物を塗布し、活性光線としての紫外線(波長365nm)を1500mj照射した後、常法に従って、受け口に挿し口が停止するまで挿入し、23℃の恒温槽内に1日間そのまま保持し、接合して管路を得た。上記のように接合された管路について、内水圧試験を行ったところ、接合部では抜けや漏水を起こすことなく、146kgf/cm2 で原管破壊に至った。
【0063】(実施例4)塩素化塩化ビニル樹脂管(呼び径50mm;積水化学工業製;商品名「HTエスロクリーンパイプ」)の挿し口と、同材質からなる前記管に適合した継手の受け口とを、実施例3と同様に、同様の接着剤組成物で同様に接合した。このようにして得られた管路を2組用意し、いずれも管路の両端を密閉し、1組はそのままの状態で、他の1組には管路の中央に曲げ応力を負荷し、5℃で5日間養生してソルベントクラッキング現象の発生の有無を観察するための試験体を作製した。
【0064】(比較例2)接着剤を溶剤型接着剤(積水化学工業製;商品名「エスロン接着剤No.100」)とした他は実施例4と同様にして管路を得、同様にしてソルベントクラッキング現象観察用の試験体を作製した。
【0065】試験体を顕微鏡観察した結果を表2に示す。表2の通り、接着剤組成物を使用した場合には、曲げ応力を負荷してもソルベントクラッキング現象は観察されなかった。
【0066】
【表2】

【0067】
【発明の効果】このように、本発明1の合成樹脂管の接合方法では、接着力が強固であるうえ、溶剤によるソルベントクラッキング現象の発生は非常に少なく、変成シリコーンと触媒との配合量比の許容範囲が広いので、施工現場での施工性が良い。
【0068】また、本発明2の合成樹脂管の接合方法では、接着力が強固であるうえ、溶剤によるソルベントクラッキング現象の発生は非常に少なく、架橋性エポキシ化合物と架橋開始剤との配合量比の許容範囲が広いので、施工現場での施工性が良い。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013