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発明の名称 湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−107014(P2001−107014A)
公開日 平成13年4月17日(2001.4.17)
出願番号 特願平11−284698
出願日 平成11年10月5日(1999.10.5)
代理人
発明者 楠田 智
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 分子両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分として成る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物であって、未硬化状態において、該組成物のイソシアネート基含有量が(1〜6)×10-4モル/gであり、且つ、示差走査熱量計による結晶融点のピーク面積により算出される比熱が50J/g以下であり、JIS Z−0237(参考)の剪断粘着力試験に準拠して測定される剪断粘着力が1kgf/cm2 以上であることを特徴とする湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物。
【請求項2】 ウレタンプレポリマーと分子内にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物との反応により、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量が低減されていることを特徴とする請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】分子両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分とする湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は既に公知である。上記湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の使用例として、例えば、特公平6−22956号公報では、「ハニカムコアを芯材とし、その上下に表面板を接着してなるサンドイッチ構造パネルの製造に際して、接着剤として、常温では非粘着性の湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤を用い、加熱プレスにより接着することを特徴とするハニカムサンドイッチ構造パネルの製造方法」が開示されている。
【0003】しかし、上記製造方法で用いられる湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤は、常温で非粘着性であるため、部材(被着体)を接着させるためには部材間に挟まれた接着剤層を加熱プレス等により加熱再活性させる必要があり、接着作業が煩雑であるという問題点がある。また、部材が木質材料や熱可塑性樹脂等のような熱伝導率の低い部材である場合、短時間で接着剤層を加熱再活性させるのは困難であったり、再活性のための加熱により部材の変形が生じる等の問題点がある。
【0004】このような問題点に対応するために、部材間に挟着されただけで初期接着力を発揮し得る程度の常温における粘着性を有する湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物が用いられているが、一般的に、この種の接着剤組成物は湿気硬化反応の際に多量の炭酸ガスを発生するので、硬化した接着剤層に残存した気泡により、接着強度の低下や寸法異常等を生じるという問題点がある。また、上記炭酸ガスの発生量を減少させるために、主成分としての例えばウレタンプレポリマーの主鎖の平均分子量を増大させて、接着剤組成物中のイソシアネート基含有量を低減させる方法が採られることがあるが、この方法の場合、主成分であるウレタンプレポリマーの平均分子量が増大するため接着剤組成物の粘度も高くなり、部材への塗布時や圧締時の部材への濡れが不十分となって、満足すべき接着強度を得ることが困難であり、実質的な対策にはならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記従来の問題点に鑑み、未硬化状態では常温において優れた粘着力を有し、且つ、湿気硬化反応時の炭酸ガスの発生量が極めて少なく、従って接着剤層中へ残存した気泡に起因する接着強度の低下や寸法異常等の外観不良を生じることのない湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、分子両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分として成る湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物であって、未硬化状態において、該組成物のイソシアネート基含有量が(1〜6)×10-4モル/gであり、且つ、示差走査熱量計による結晶融点のピーク面積により算出される比熱が50J/g以下であり、JISZ−0237(参考)の剪断粘着力試験に準拠して測定される剪断粘着力が1kgf/cm2 以上であることを特徴とする。
【0007】また、請求項2に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、上記請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物において、ウレタンプレポリマーと分子内にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物との反応により、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量が低減されていることを特徴とする。
【0008】本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、分子両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分として成る。上記ウレタンプレポリマーとしては、単一のウレタンプレポリマーが用いられても良いし、予め準備された複数のウレタンプレポリマーが所定の割合で混合されたものが用いられても良い。
【0009】上記分子両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとは、イソシアネート基が水と反応してウレア結合を形成しながら硬化し高分子化する化合物であり、ポリオールの末端水酸基とポリイソシアネート化合物のイソシアネート基とを反応させて得られる反応生成物である。
【0010】ウレタンプレポリマーの合成に用いられるポリオールとしては、ウレタン系化合物の合成に一般的に用いられるポリオールであれば良く、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。これらのポリオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0011】ポリエステルポリオールとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等のようなジカルボン酸等の多価カルボン酸と、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール等のポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールや、ε−カプロラクタムを開環重合して得られるポリ−ε−カプロラクトンポリオール等が挙げられる。これらのポリエステルポリオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0012】ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。これらのポリエーテルポリオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0013】ポリアルキレンポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。これらのポリアルキレンポリオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0014】ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。これらのポリカーボネートポリオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0015】また、ウレタンプレポリマーの合成に用いられるポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDIの液状変性物、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられるが、なかでも安全性や反応性等の点で優れるMDIが好適に用いられる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0016】ウレタンプレポリマーの合成方法は、特別なものではなく、例えば、前記ポリオールと上記ポリイソシアネート化合物とをポリオールの有する水酸基(OH)に対するポリイソシアネート化合物の有するイソシアネート基(NCO)の比率(NCO/OH)がモル比で1.2〜15、好ましくは3〜12、となるような割合で混合し、窒素気流中で、80〜100℃程度の温度で3〜5時間程度反応させることにより、所望のウレタンプレポリマーを得ることが出来る。
【0017】上記NCO/OHがモル比で1.2未満であると、得られるウレタンプレポリマーの粘度が高くなり過ぎて、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物とすることが困難となる場合があり、逆にNCO/OHがモル比で15を超えると、得られる湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物が硬化時に発泡を起こし易くなって硬化物の凝集力が低下し、十分な接着強度を得られないことがある。
【0018】本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物には、主成分である上記ウレタンプレポリマー以外に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、溶融粘度や部材(被着体)に対する密着性等を調整するための粘着性付与樹脂や熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性ゴム、パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等のワックス類、無機充填剤もしくは有機充填剤、揺変性付与剤、3級アミンや有機金属化合物等の硬化促進触媒、脱水剤、着色剤、軟化剤、可塑剤、カップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、香料等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
【0019】添加されても良い粘着性付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族石油系樹脂、芳香族石油系樹脂等が挙げられる。これらの粘着性付与樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0020】上記粘着性付与樹脂の軟化点は、特に限定されるものではないが、環球式軟化点で90〜150℃であるものが好ましい。また、上記粘着性付与樹脂の添加量は、特に限定されるものではないが、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、粘着性付与樹脂0〜200重量部であることが好ましい。ウレタンプレポリマー100重量部に対する粘着性付与樹脂の添加量が200重量部を超えると、高温下での耐熱性やフィルター保持性が低下したり、低温下で脆弱になることがある。
【0021】添加されても良い熱可塑性樹脂としては、例えば、メルトインデックス(MI)が100以上のエチレン−ビニルモノマー共重合体やポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。エチレン−ビニルモノマー共重合体の具体例としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸n−ブチルエステルのようなエチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0022】また、添加されても良い熱可塑性ゴムとしては、例えば、SBS、SIS、SEBS、SEPS等が挙げられる。これらの熱可塑性ゴムは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0023】上記熱可塑性樹脂および/または熱可塑性ゴムの添加量は、特に限定されるものではないが、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、熱可塑性樹脂および/または熱可塑性ゴム0〜100重量部であることが好ましい。ウレタンプレポリマー100重量部に対する熱可塑性樹脂および/または熱可塑性ゴムの添加量が100重量部を超えると、溶融粘度が著しく上昇して塗布作業が困難になることがある。
【0024】本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の製造方法は、特別なものではなく、必須成分であるウレタンプレポリマーの所定量と必要に応じて添加する上記各種添加剤の1種もしくは2種以上の各所定量とを秤量し、例えばミキサーやニーダー等の加熱装置を備えた混合機を用いて常温下もしくは加熱下で予備混合を行った後、窒素ガスのような不活性ガス雰囲気下や減圧脱水雰囲気下で常温もしくは加熱脱水を行い、次いで、必要に応じて、上記混合機を用いて均一に常温もしくは加熱混練することにより、所望の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を得ることが出来る。
【0025】こうして得られる本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、未硬化状態において、イソシアネート基(NCO)含有量が(1〜6)×10-4モル/gであることが必要である。
【0026】湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の上記NCO含有量が1×10-4モル/g未満であると、湿気硬化反応が十分に進行しないため、常態接着力や耐熱強度が不十分となり、逆にNCO含有量が6×10-4モル/gを超えると、湿気硬化反応時の炭酸ガス発生量が多くなるため、気泡に起因する接着強度の低下や外観不良等を起こし易くなる。
【0027】本発明においては、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物のNCO含有量が上記範囲となるように低減、調整するために、ウレタンプレポリマーと分子内にNCOと反応し得る官能基を有する化合物とを反応させて、ウレタンプレポリマーのNCO含有量を予め低減させておいても良い。
【0028】このような方法を採ることにより、ウレタンプレポリマーの平均分子量を大きく増大させることなく即ち湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の粘度を大きく上昇させることなく、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物のNCO含有量を前記範囲となるように低減、調整することが可能となる。従って、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の粘度上昇に起因する部材(被着体)への濡れ不良の発生やそれに伴う接着強度の低下等を効果的に防止することが出来る。
【0029】分子内にNCOと反応し得る官能基を有する化合物としては、例えば、アルコール類、アミン類、メルカプタン類、カルボン酸類、アミド類等が挙げられる。これらの分子内にNCOと反応し得る官能基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0030】上記化合物中におけるNCOと反応し得る官能基の数は、1分子中に1個以上であっても良いが、1個であることが好ましい。1分子中の官能基数が2個以上であると、ウレタンプレポリマーが鎖延長や架橋反応により硬化することがあり、好ましくない。
【0031】アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール等の脂肪族もしくは脂環族低級アルコール;フェノール、クレゾール、ベンジルヘキサノール等の芳香族アルコール;ラウリルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール及びこれらを含む天然もしくは合成油脂や天然油脂の還元油脂;酸化ワックス等から誘導される水酸基含有ワックス;エチレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコール誘導体;N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等のエタノールアミン等が挙げられる。これらのアルコール類は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0032】アミン類としては、例えば、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、アニリン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、2−エチルヘキシルアミン等の一級アミン;ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の二級アミン等が挙げられる。これらのアミン類は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0033】メルカプタン類としては、例えば、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン等が挙げられる。これらのメルカプタン類は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0034】カルボン酸類としては、例えば、イソ酪酸、オクチル酸、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸、ひまし油、ステアリン酸等が挙げられ、これらは単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、アミド類としては、例えば、ステアリン酸アミド等が挙げられ、これらは単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0035】上記分子内にNCOと反応し得る官能基を有する化合物のなかでも、高沸点で含水率が低く、取扱い性の点で優れる水酸基含有ワックスやグリコール誘導体及びその変性物等が好適に用いられる。
【0036】本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、未硬化状態において、示差走査熱量計(DSC)による結晶融点のピーク面積により算出される比熱が50J/g以下であることが必要であり、好ましくは20J/g以下である。
【0037】湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の上記比熱が50J/gを超えると、組成物の結晶性が高くなって、常温での粘着力が低下するため、塗布時や圧締時における部材(被着体)への濡れが損なわれる。
【0038】湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の上記比熱を50J/g以下とする方法としては、例えば、ウレタンプレポリマーの合成に用いられる前記ポリオール中のアルキレン鎖長を短くすれば比熱が下がり、アルキレン鎖長を長くすれば比熱が上がるので、ポリオール中のアルキレン鎖長を適当に調整することにより、ウレタンプレポリマーひいては湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の比熱を調整する方法や、相対的に比熱の高いポリエステルポリオールを相対的に比熱の低いポリエーテルポリオールで希釈して、ウレタンプレポリマーひいては湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の比熱を下げる方法等が挙げられる。
【0039】尚、上記DSCとは、0〜100℃まで試料(本発明においては湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物)と参照物質とに等しい熱量を与えつつ同時に昇温させた場合に、試料(湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物)の結晶の融解により熱量が吸収され、参照物質との間に生じた温度差を0に保つために必要な電気エネルギー量の変化を時間軸に対して記録するものであり、結晶の融解温度は記録されるDSC曲線のピーク温度として表され、この融解温度ピークのピーク面積を試料(湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物)の質量で除することにより試料(湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物)の比熱(J/g)を算出することが出来る。
【0040】本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、未硬化状態において、JIS Z−0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」(参考)の剪断粘着力試験に準拠して測定される剪断粘着力が1kgf/cm2 以上であることが必要である。
【0041】湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の上記剪断粘着力が1kgf/cm2 未満であると、部材(被着体)の反りや撓みに対する追従性が不十分となって、接着直後の段階で剥がれ等の接着不良が生じる。
【0042】湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の上記剪断粘着力を1kgf/cm2 以上とする方法としては、例えば、充填剤の添加により剪断力を向上させる方法や、前記比熱を50J/g以下に保持し得る範囲内で、前記ポリオール中のアルキレン鎖長を長くする方法等が挙げられる。
【0043】本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の使用方法は、特別なものではなく、例えば加熱装置を備えたロールコーター、スプレー塗布機、ホットメルトアプリケーター、ハンドガン等の通常のホットメルト塗布装置を用いて、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融した後、対象とする部材(被着体)の一方に塗布し、次いで対象とする部材(被着体)の他方を積層し、圧着すれば良い。
【0044】塗布する時の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の溶融粘度は、特に限定されるものではないが、1000〜50000cps程度であることが好ましい。即ち、溶融粘度が上記範囲となるような加熱溶融温度や塗布温度を設定すれば良いが、組成物中のイソシアネート基の分解を防ぐためには140℃以下であることが好ましい。
【0045】また、塗布する時の形態(パターン)も、特に限定されるものではなく、ビード状、スパイラル状、フォーム状、ドット状等の如何なる形態(パターン)であっても良い。
【0046】
【作用】本発明による湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、分子両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分として成り、未硬化状態において、イソシアネート基含有量が特定の範囲とされ、且つ、比熱が特定値以下及び剪断粘着力が特定値以上とされているので、常温において優れた粘着力を有し、従って接着作業が簡便且つ容易であり、しかも、湿気硬化反応時の炭酸ガス発生量が極めて少なく、従って接着剤層へ残存した気泡に起因する接着強度の低下や寸法異常等の外観不良を生じることもない。
【0047】また、ウレタンプレポリマーと分子内にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物とを反応させて、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量を低減させることにより、上記性能はより優れたものとなる。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例をあげるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0049】(実施例1)
【0050】(1)ウレタンプレポリマーの合成1,6−ヘキサンアジペート(水酸基価:25)1000部をセパラブルフラスコ中で120℃にて加熱溶融し、700mmHgの減圧下で1時間脱水した。次いで、この溶融物を100℃まで温調した後、MDI(商品名「Isonate125M」、三菱化成ダウ社製)112部を投入して、3時間反応させ、常温で結晶性を有するウレタンプレポリマー(A)を合成した。
【0051】ポリプロピレングリコール(水酸基価:56)1000部をセパラブルフラスコ中で120℃にて加熱溶融し、700mmHgの減圧下で1時間脱水した。次いで、この溶融物を100℃まで温調した後、MDI「Isonate125M」250部を投入して、3時間反応させ、常温で液状のウレタンプレポリマー(B)を合成した。
(2)湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の作製上記で得られたウレタンプレポリマー(A)60部とウレタンプレポリマー(B)40部とを加熱下及び減圧下で均一に攪拌混合して、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を作製した。
【0052】(実施例2)実施例1で得られたウレタンプレポリマー(A)60部とウレタンプレポリマー(B)40部とを実施例1の場合と同様にして均一に攪拌混合した後、分子内にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物としてモノアルコール(商品名「ユニリン425」、分子量425、東洋ペトロ社製)10部を投入し、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基とモノアルコール中の水酸基とを反応させて、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を作製した。
【0053】(比較例1)実施例1で得られたウレタンプレポリマー(B)100部とモノアルコール「ユニリン425」45部とを反応させたこと以外は実施例2の場合と同様にして、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を作製した。
【0054】(比較例2)実施例1で得られたウレタンプレポリマー(A)50部とウレタンプレポリマー(B)50部とを均一に攪拌混合したこと以外は実施例1の場合と同様にして、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を作製した。
【0055】(比較例3)実施例1で得られたウレタンプレポリマー(A)30部とウレタンプレポリマー(B)70部とを均一に攪拌混合した後、モノアルコール「ユニリン425」10部を投入し、反応させたこと以外は実施例2の場合と同様にして、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を作製した。
【0056】(比較例4)実施例1で得られたウレタンプレポリマー(A)70部とウレタンプレポリマー(B)30部とを均一に攪拌混合したこと以外は実施例1の場合と同様にして、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を作製した。
【0057】実施例1及び2、及び、比較例1〜4で得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の特性(■NCO含有量、■比熱、■剪断粘着力)を以下の方法で測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0058】■NCO含有量:JIS K−7301「熱硬化性ウレタンエラストマー用トリレンジイソシアネート型プレポリマー試験方法」に準拠して、湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物のNCO含有率を測定し、NCO含有量(モル/g)を算出した。
【0059】■比熱:湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を10mgを採取し、DSC(機種「SSC5200」、セイコー電子工業社製)によりDSC曲線を求め、比熱(J/g)を算出した。
【0060】■剪断粘着力:湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物をPETフィルム(厚み50μm)に塗布厚みが100μmとなるように塗布し、塗布後1時間以内にJIS Z−0237(参考)に準拠して、剪断粘着力(kgf/cm2 )を測定した。
【0061】また、実施例1及び2、及び、比較例1〜4で得られた湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物の性能(I.常態接着力、II.発泡状態)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0062】I.常態接着力:湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を一方のABS板(厚み1mm×幅25mm×長さ150mm)に塗布厚みが100μmとなるように塗布し、塗布2分後に同一サイズの他方のABS板を接着面積が25mm×8mmとなるように重ね合わせ、温度20℃、圧力2kg/cm2 の条件で2分間プレスして、接着試験片を得た。得られた接着試験片を20℃−60%RHの雰囲気下で72時間養生した後、20℃の雰囲気下で引張剪断試験を行い、常態接着力(kgf/cm2 )を求めた。
【0063】II.発泡状態:湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物を厚み1mm×面積500cm2 のシート状に成形し、イ.20℃−60%RHの雰囲気下、及び、ロ.40℃−90%RHの雰囲気下にそれぞれ72時間放置した後、シートの発泡状態を目視で観察して、発泡している部分の面積割合(面積%)を求めた。
【0064】
【表1】

【0065】表1から明らかなように、本発明による実施例1の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、優れた常態接着力を発揮し、且つ、発泡も40℃において若干認められた程度であった。また、ウレタンプレポリマーと分子内にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物(モノアルコール)とを反応させた実施例2の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、優れた常態接着力を発揮し、且つ、発泡も全く認められなかった。
【0066】これに対し、NCO含有量が1×10-4モル/g未満であった比較例1の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、発泡は認められなかったものの、常態接着力が低かった。また、NCO含有量が6×10-4モル/gを超えていた比較例2の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物、剪断粘着力が1kgf/cm2 未満であった比較例3の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物及び比熱が50J/gを超えていた比較例4の湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、いずれも発泡が激しく、常態接着力も低かった。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物は、未硬化状態では常温において優れた粘着力を有するので、部材(被着体)の貼り合わせが容易であり、作業性に優れる。また、湿気硬化反応時の炭酸ガスの発生量が極めて少ないので、硬化後は接着剤層中へ気泡が残存することが殆どなく、気泡に起因する接着強度の低下や寸法異常等の外観不良を生じることがない。従って、例えばハニカムサンドイッチ構造パネルのような建材用を始め各種工業用の接着剤として好適に用いられる。




 

 


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