米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 積水化学工業株式会社

発明の名称 ポリオレフィン系樹脂用改質剤、ポリオレフィン系組成物及びその成形体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−106746(P2001−106746A)
公開日 平成13年4月17日(2001.4.17)
出願番号 特願平11−290183
出願日 平成11年10月12日(1999.10.12)
代理人
発明者 池田 尚夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ラジカル重合性の不飽和二重結合で末端を修飾されたポリオレフィン系単独重合体及び/又は共重合体(a)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)と、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、シアノ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する重合性単量体(c)とを共重合してなることを特徴とするポリオレフィン系樹脂用改質剤。
【請求項2】 請求項1記載のポリオレフィン系樹脂用改質剤80〜20重量部とポリオレフィン系樹脂20〜80重量部とを押出し混練して調製したことを特徴とするポリオレフィン系組成物。
【請求項3】 ブロー成形法又は射出成形法により、基材の表面に請求項2記載のポリオレフィン系組成物の被覆層が設けられたことを特徴とする成形体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックの表面特性を変化させ、その塗装性を改善するために用いられるポリオレフィン系組成物、このポリオレフィン系組成物を調製するために用いられるポリオレフィン系樹脂用改質剤、及び、基材上にポリオレフィン系組成物の被覆層が形成された成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックはあらゆる産業分野で使われてきており、それとともに昨今の産業廃棄物問題を含め、プラスチックに関する環境問題についての意識も高まってきている。
【0003】このような状況の中で、例えば、非ポリ塩化ビニル材料としてリサイクル性も考慮した環境にやさしいポリオレフィン系樹脂が注目され、食品包装用、農業用、医療用、産業資材用、雑貨用等のあらゆる分野で使われてきている。
【0004】例えば、ポリプロピレン樹脂は、自動車の大型部品、バンパー等のフロントエンド、リヤエンドに使用されるようになってきている。特に、復元性が要求されるバンパーには、従来、ウレタン系エラストマーが使用されていたが、軽量化とリサイクル性の要求から、ポリプロピレン(PP)が使用されるようになってきている。PP樹脂は、このような用途に使用されることから、当然に種々の色彩を有することが要求され、表面に塗膜を形成する必要が生ずる場合も多い。
【0005】しかしながら、PP樹脂等のポリオレフィン系樹脂は、ポリ塩化ビニルと異なり、分子中に極性基を持っていない。その結果、例えば、表面自由エネルギーが低く、塗膜との接着性又は密着性が低く、塗装性がよくない。
【0006】そのため、ポリプロピレン樹脂の表面に塗装を行うためには何らかの前処理が必要となり、これまでは主として塩素化ポリプロピレン(C1−PP)を用いたプライマー処理がなされてきた。即ち、プライマーは、基材と塗膜との間の密着性を向上させる目的で塗布される。
【0007】しかしながら、プライマー処理を行うことにより、前処理の工程が多くなり、また、このプライマー処理においては溶剤を使用するため、環境汚染等の問題も発生しやすい。従って、できればプライマーレスの塗装を行うことができるような部材が好ましい。
【0008】そこで、90年代の初期より、プライマーレスの部材を得る検討が種々なされてきている。プライマーレスの部材を得る方法としては、例えば、材料のポリプロピレンを何らかの方法で変性して塗膜密着性を向上させる方法、表面層を酸素プラズマで処理する方法、表面に火炎を照射するフレーム処理法等が挙げられる。
【0009】いずれの方法も、塗膜密着性が向上する点で優れている。しかしながら、このような方法は、環境汚染は少ないものの、設備投資が大きくなったり、処理条件の均一化ができなかったり、処理工程が多くなってコストアップするという問題があった。
【0010】また、特開平9−263657号公報には、プライマーレスの樹脂を実現するために、水酸基を有する化合物からなる熱可塑性樹脂組成物を用いる方法が開示されている。しかしながら、水酸基を有する熱可塑性樹脂組成物を用いた場合でも、成形条件等によっては充分な塗膜密着力が得られなかったり、機械的物性の低下につながる場合があるという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み、基材のポリオレフィン系樹脂等を表面処理することなく、また、機械的特性を損なうことなく、この基材の表面に、基材及び塗膜との密着性に優れる樹脂層を形成することができるポリオレフィン系組成物、このポリオレフィン系組成物を調製するための原料となるポリオレフィン系樹脂用改質剤、及び、ブロー成形法又は射出成形法により、基材の表面に上記ポリオレフィン系組成物の被覆層が設けられた成形体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のポリオレフィン系樹脂用改質剤は、ラジカル重合性の不飽和二重結合で末端を修飾されたポリオレフィン系単独重合体及び/又は共重合体(a)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)と、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、シアノ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する重合性単量体(c)とを共重合してなることを特徴とするものである。以下に本発明を詳述する。
【0013】上記ラジカル重合性の不飽和二重結合で末端が修飾されたポリオレフィン系単独重合体及び/又は共重合体(a)(以下、ポリオレフィン系単独重合体及び/又は共重合体(a)という)としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/ブチレン共重合体等が挙げられる。
【0014】また、上記ポリオレフィン系単独重合体及び/又は共重合体(a)の末端に存在するラジカル重合性の不飽和二重結合を有する基としては特に限定されず、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基等が挙げられる。なお、本発明において上記(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基、メタクリロイル基を総称するものとする。
【0015】更に、上記ポリオレフィン系単独重合体及び/又は共重合体(a)の具体例としては、例えば、エチレン/ブチレン共重合体の末端がメタクリル酸メチルで修飾されたShell Chemical Company社製の「KRATONLIQUID Polymer L−1253」や特開平5−194631号公報、特開平5−247119号公報、特開平6−32847号公報、特開平7−2928号公報等に開示されたポリプロピレン又はエチレン/プロピレンランダム共重合体の末端がメタクリル酸メチルエステル等の(メタ)アクリレートで修飾された化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、L−1253等が好ましい。
【0016】上記ポリオレフィン系単独重合体及び/又は共重合体(a)の共重合比率は、全重合性組成物中のポリオレフィン系単独重合体及び/又は共重合体(a)の含有量が2〜80重量%となる量が好ましい。
【0017】上記含有量が2重量%未満であると、これを原料としたポリオレフィン系組成物基材と充分な融着力を有しないことがあり、一方、80重量%を超えると、ポリオレフィン系組成物が塗膜と接着しなかったり、成形性に悪影響を及ぼしたり、機械的物性、特に剛性に悪影響を及ぼすことがある。
【0018】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)としては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)のなかでも、4−ヒドロキシブチルアクリレートが塗膜の密着性向上に、より効果がある。
【0019】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)の共重合比率は、全重合性組成物中の上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)の含有量が20〜50重量%となる量が好ましい。
【0020】上記カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、シアノ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する重合性単量体(c)としては特に限定されず、例えば、カルボキシル基を有する化合物、水酸基を有する化合物、アミノ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、シアノ基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物、イソシアネート基を有する化合物等が挙げられる。
【0021】上記カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、カルボキシエチルアクリレート等が挙げられる。
【0022】上記水酸基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0023】上記アミノ基を有する化合物としては、例えば、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0024】上記アミド基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0025】上記シアノ基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
【0026】エポキシ基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。
【0027】上記イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、イソシアン酸イソプロペニル、イソシアン酸ビニル等が挙げられる。上記したこれらの化合物はいずれも、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】上記重合性単量体(c)の共重合比率は、全重合性組成物中の上記重合性単量体(c)の含有量が、5〜40重量%となる量が好ましい。
【0029】本発明では、得られるポリオレフィン系樹脂用改質剤のガラス転移温度、極性及び融着性(接着性)等の物性を調整するために、他のビニル系単量体を共重合することができる。
【0030】このような他のビニル系単量体としては特に限定されず、例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、スチレン等の芳香族系単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン等のアミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアネート基以外の基を有する窒素含有ビニル単量体;酢酸ビニル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】本発明のポリオレフィン系樹脂用改質剤は、例えば、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法を用いて製造することができるが、通常、トルエン、酢酸エチル等の溶媒中で溶液重合を行うことにより容易に製造することができる。
【0032】また、本発明のポリオレフィン系樹脂用改質剤には、発明の目的を阻害しない範囲内で、必要に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、顔料等を添加してもよい。
【0033】上記ポリオレフィン系樹脂用改質剤の重量平均分子量は、1万〜500万であることが好ましい。重量平均分子量が1万未満であると、これを用いたポリオレフィン系組成物の塗膜との接着力が不充分になることがあり、500万を超えると製造時の粘度が高くなりすぎることがある。より好ましくは、10万〜200万である。
【0034】本発明のポリオレフィン系樹脂用改質剤は、下記するポリオレフィン系組成物を調製する際の原料として使用されるのみでなく、溶液として塗布する方法、共押出し方法、熱ラミネート方法等の各種方法により、基材の表面にポリオレフィン系樹脂用改質剤の層を形成することができる。そして、この表面にポリオレフィン系樹脂用改質剤の層を有する部材は、優れた塗膜密着性を有する。
【0035】本発明のポリオレフィン系組成物は、上記ポリオレフィン系樹脂用改質剤80〜20重量部とポリオレフィン系樹脂20〜80重量部とを押出し混練して調製したことを特徴とするものである。
【0036】上記ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、例えば、α−ポリオレフィンの単独重合体又は共重合体;α−ポリオレフィンとジポリオレフィンとの共重合体;エチレン又はα−ポリオレフィンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体等が挙げられる。
【0037】上記α−ポリオレフィンとしては特に限定されず、例えば、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、デセン等が挙げられる。
【0038】上記α−ポリオレフィンの単独重合体又は共重合体としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレンとブテン−1との共重合体;エチレンと4−メチルペンテン−1との共重合体等が挙げられる。
【0039】上記α−ポリオレフィンとジポリオレフィンとの共重合体としては特に限定されず、例えば、エチレンとブタジエンとの共重合体、プロピレンとブタジエンとの共重合体等が挙げられる。
【0040】また、上記α−ポリオレフィンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体としては特に限定されず、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。上記重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】また、上記ポリオレフィン系樹脂として、一般に成形材料等の用途に用いられる結晶性ポリプロピレン樹脂も用いることができる。このような結晶性ポリプロピレン樹脂としては、例えば、結晶性プロピレン単独重合体の他に、プロピレンと他のα−ポリオレフィンとの結晶性の共重合体(特に結晶性のプロピレン・エチレンのブロック共重合体又はランダム共重合体)等の任意の結晶性のプロピレン系共重合体が挙げられる。これらのうちで最も好ましいのは、剛性と耐衝撃性とのバランスにおいて実用性能に優れている結晶性のプロピレン・エチレンブロック共重合体である。
【0042】上記結晶性のプロピレン・エチレンブロック共重合体のうちでも、エチレン成分含有量が3〜20重量%で、メルトフローインデックスが0.1〜30g/10分の範囲のものが好ましい。更に好ましくは、密度0.89〜0.91の範囲のものである。
【0043】本発明では、ポリプロピレン樹脂に任意の割合で非晶性エチレン/α−ポリオレフィン系共重合体を混入したものを、ポリオレフィン系樹脂として用いることができる。非晶性エチレン/α−ポリオレフィン系共重合体は特に限定されないが、例えば、エチレン/プロピレン共重合体ゴム、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体ゴム、エチレン/ブテン−1共重合体ゴム等が挙げられる。
【0044】また、非晶性エチレン/α−ポリオレフィン系共重合体は、不飽和有機酸又はその誘導体で予め変性したものであってもよい。このような共重合体をポリオレフィン系組成物中に含有させると、衝撃強度の向上、成形反り量の減少、再加熱成形反り量の減少、寸法精度の向上等を図ることができる。
【0045】本発明のポリオレフィン系組成物の配合比率は、ポリオレフィン系樹脂用改質剤80〜20重量部に対してポリオレフィン系樹脂20〜80重量部である。
【0046】ポリオレフィン系樹脂用改質剤が80重量部を超えると、コスト上昇の原因となり、成形性や機械的物性に悪影響を及ぼし、外観も損なわれやすい。一方、上記ポリオレフィン系樹脂用改質剤が20重量部未満であると、塗膜の密着性に悪影響を及ぼす。上記ポリオレフィン系組成物の配合比は、ポリオレフィン系樹脂用改質剤70〜40重量部に対してポリオレフィン系樹脂30〜60重量部がより好ましい。
【0047】本発明のポリオレフィン系組成物は、通常、上記配合のポリオレフィン系樹脂用改質剤とポリオレフィン系樹脂とを、例えば、二軸混練押出機等を用いて押出し溶融混練することにより調製する。
【0048】ミキシングロール等により混練し、熱プレスにより成形体を作製した場合には、圧力が不足して、成形体の表面に水酸基が出てきにくいため好ましくない。
【0049】本発明の成形体は、ブロー成形法又は射出成形法を用いて、基材の表面に上記ポリオレフィン系組成物の被覆層が設けられたことを特徴とするものである。
【0050】即ち、本発明では、上記方法により得られたポリオレフィン系組成物を、ロールミルやシートカッター等を用いてペレット化し、このペレットを用いてブロー成形や射出成形を行い、基材である成形体の表面にポリオレフィン系組成物の被覆層を形成する。
【0051】上記基材を構成する材料としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0052】ブロー成形する際のブロー比は、最終製品の形状や性能・用途により決定されるが、1.05〜5の範囲が好ましく、1.2〜3の範囲がより好ましい。ブロー比が1.05未満であると、ブロー成形時の型への密着が不充分となり、ブロー比が5を超えると成形品の肉厚部分が不均一となり、成形品の特性が安定しない。なお、ブロー比とはパリソンの膨張比をいい、成形前後のパリソン径をそれぞれD0 及びD1 とするとD1 /D0 で表される。
【0053】ブロー成形を行う際の他の条件としては、ポリオレフィン系樹脂をブロー成形するときの通常の成形条件を採用することができる。
【0054】また、基材の表面に射出成形法により被覆層を形成する際には、例えば、インサート成形法を用いることができる。射出成形の際の条件は、通常、ポリオレフィン系樹脂を射出成形するときの通常の成形条件を採用することができる。
【0055】本発明のポリオレフィン系組成物は、ポリオレフィン系樹脂表面の改質用の組成物として、自動車等の車両部品、食用品、医療用等の包装材料、雑貨、家電等の電気部品、各種産業用資材等の幅広い分野で有用である。また、基材表面に上記ポリオレフィン系組成物の被覆層が形成された成形体(部材)も、自動車等の車両部品、食用品、医療用等の包装材料、雑貨、家電等の電気部品、各種産業用資材等の幅広い分野で有用である。
【0056】
【実施例】以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0057】実施例1〜2ポリオレフィン系樹脂用改質剤の製造攪拌器、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えたセパラブルフラスコに、下記表1に示す割合のモノマー(不飽和二重結合を有するポリオレフィン系単独重合体を含む)の混合物と、トルエン105重量部及び酢酸エチル45重量部からなる重合溶剤(105/45)とを投入、混合し、モノマー混合溶液を調製した。各モノマーの配合割合を下記の表1に示した。
【0058】
【表1】

【0059】次に、このモノマー混合溶液を20分間窒素ガスを用いてバブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ内を窒素ガスに置換して昇温させた。冷却管に還流液(水道水:冷却液)が確認された時点で、重合開始剤として、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂社製、商品名:パーヘキサTMH)0.01重量部を投入することにより沸点重合を開始した。
【0060】重合を開始してから1時間後に、再度パーヘキサTMH0.02重量部を投入した。また、重合を開始してから2時間後、3時間後及び4時間後に、ジ−(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド(日本油脂社製、商品名:パーロイル355)0.02重量部、0.1重量部及び0.3重量部をそれぞれ投入した。沸点重合を7時間行うことによりポリオレフィン系樹脂用改質剤を含むアクリル系共重合体溶液が得られた。得られた重合物の固形分は40%であった。次に、この固形分を含む液を、真空乾燥器にて130℃で乾燥し、溶剤を除去した後、粉砕器により粉砕し、ポリオレフィン系樹脂用改質剤を得た。なお、表1に示したように、実施例1で得たものを改質剤Aとし、実施例2で得たものを改質剤Bとする。
【0061】実施例3〜5押出混練によるブロー成形用ペレットの作製表2に示した割合の改質剤A、BとPP樹脂とを、二軸混練押出機(池貝機工社製、商品名:PCM30)で溶融混練し、直径3mmのストランドダイから押し出し、水冷し、ペレタイザーでペレット化することによりブロー成形用のペレット(ポリオレフィン系組成物)を得た。このとき、バレル温度、金型温度とも220℃に設定した。
【0062】ブロー成形品の作製次に、50mm単軸押出しブロー成形機(日本製鋼所社製、商品名:JEB−7)にて溶融混練し、図1に示すダイ1から押し出したパリソンPを、図2に示すブロー成形金型2を用いてブロー成形し、ブロー成形品を得た。このとき、ダイ1での押し出し温度は210℃であり、また、ブロー成形金型2は25℃に冷却した。
【0063】実施例6〜8押出混練による射出成形用ペレットの作製上記実施例3〜5と同様に射出成形用のペレット(ポリオレフィン系組成物)を作製した。ただし、バレル温度、金型温度とも200℃に設定した。
【0064】射出成形品の作製作製したペレット(ポリオレフィン系組成物)を、下記の条件にて射出成形し、厚さが1mm、縦が100mm、横が100mmの平板を作製した。
射出成形機:東芝IS−30EPN(型締め圧30ton)
射出圧:50kg/cm2NH温度:220℃金型温度:35℃【0065】比較例1実施例1で作製した改質剤Aを用い、PP樹脂との配合比率を表2にように変化させたほかは、実施例6〜8と同様にして射出成形用ペレット(ポリオレフィン系組成物)を作製し、射出成形品を作製し、実施例3〜5と同様に塗膜の密着性の評価を行った。
【0066】比較例2〜5実施例1〜2で作製した改質剤A、Bを用い、PP樹脂との配合比率を表2のように変化させ、この配合物を180℃に加熱されたミキシングロールにて混練し、シートを作製した後、ペレタイザーにてペレット化し、混練ペレットを作製した。
【0067】次に、混練ペレットを用い、200℃に加熱されたプレス機で、厚さ1mm、縦100mm、横100mmのプレスシートを作製した。
【0068】評価方法上記方法により成形を行ったサンプルに、二液型ポリウレタン樹脂塗料(関西ペイント社製、400ディープブラックベース(主剤)/ウレタンPG硬化剤600=10/1重量部の比率で混合)を刷毛で塗布し、80℃で30分間乾燥・硬化させ、その後テープ碁盤目剥離試験を行い、塗膜の密着性の評価を行った。そして、6/36個以下しか剥離しなかったものを○、7/36個以上剥離したものを×とした。結果を下記表2に示した。
【0069】
【表2】

【0070】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系組成物は、上記のように構成されており、ポリオレフィン系樹脂の表面に被覆層を形成することにより、プライマー処理することなく、塗料との接着性を改善することができる。
【0071】また、本発明のポリオレフィン系樹脂用改質剤は、上記ポリオレフィン系組成物を調製するための原料として好適に使用することができる。さらに、本発明の成形体は、基材の表面に、ブロー成形法や射出成形法により被覆層が形成され、塗装性が改善されたものであり、自動車用の部品等をはじめとして広範な用途に使用することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013