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発明の名称 塩化ビニル系共重合体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−106705(P2001−106705A)
公開日 平成13年4月17日(2001.4.17)
出願番号 特願平11−287225
出願日 平成11年10月7日(1999.10.7)
代理人
発明者 畑山 博之 / 藤井 紀希 / 豊川 卓也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 塩化ビニルモノマー80モル%〜20モル%と、塩化ビニルモノマーと共重合可能なビニルエーテルモノマー20モル%〜80モル%とを、ノニオン系乳化剤もしくはアニオン系乳化剤と油溶性重合開始剤との存在下に、水媒体中で懸濁重合することを特徴とする塩化ビニル系共重合体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル- ビニルエーテル共重合体の製造方法に関し、より詳しくは、従来よりも有機溶剤への溶解性が良好な前記共重合体が得られる塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、塩化ビニル- ビニルエーテル共重合体は優れた塗膜性能、耐薬性、耐水性、および耐候性を有し塗料、インキビヒクル等に利用されている。塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体の製造方法としては、塊状重合法(高分子化学,Vol.17, No.184, p.478 〜482 (1960)参照)及び溶液重合法(高分子化学,Vol.29, No.323, pp.168〜172 (1972)参照)が知られている。
【0003】しかし、塩化ビニル- ビニルエーテル共重合体を工業的に製造しようとすると、上記重合方法のうち塊状重合法では重合時の除熱に、溶液重合法では共重合体の精製工程に工数を必要とするためコスト面で不利である。従って、塩化ビニル- ビニルエーテル共重合体も、ポリ塩化ビニルの工業的製造にもっとも良く用いられている懸濁重合法により製造することが、製造工程及び精製工程を簡略化できコスト的に有利であり好ましいものであった。
【0004】塩化ビニル- ビニルエーテルの懸濁重合法に関しては、例えば、塩化ビニル-ビニルエーテル共重合体を主成分とする樹脂材料に関する特開平2−24342号公報に、一般の懸濁重合法における分散剤として公知のポリビニルアルコールやメチルセルロース等を用いて、ビニルエーテルが低含有量の共重合体を得た例が開示されている。
【0005】しかしながら、通常の懸濁重合に使用される分散剤等を用いた場合、得られる共重合体は溶液重合法等による共重合体に比して粉体特性が良好で取扱性は良いが、一方、有機溶剤への溶解性に劣るという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の塩化ビニル- ビニルエーテル共重合体に関する問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、溶剤溶解性の良好な塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体が得られる前記共重合体の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、塩化ビニルモノマー80モル%〜20モル%と、塩化ビニルモノマーと共重合可能なビニルエーテルモノマー20モル%〜80モル%とをノニオン系乳化剤もしくはアニオン系乳化剤と油溶性重合開始剤との存在下に、水媒体中で懸濁重合することを特徴とする。以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0008】本発明における上記重合系で、塩化ビニルと共重合させるビニルエーテルモノマーの種類は、塩化ビニルと共重合可能なものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、iso−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;アリルビニルエーテル等のアルケニルビニルエーテル;シクロヘキシルビニルエーテル、4−n−ブチルシクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル;フェニルビニルエーテル、2−メチル−5−イソプロピルフェニルビニルエーテル等の置換フェニルビニルエーテル;1−クロロエチルビニルエーテル、3−クロロプロピルビニルエーテル等のハロアルキルビニルエーテル;1−ヒドロキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0009】塩化ビニルと共重合させるビニルエーテルモノマーの仕込み組成比は、得ようとする共重合体中のビニルエーテル類の有量及びその種類によって変化させる必要があり、その組成比は塩化ビニル80モル%〜20モル%に対し、ビニルエーテル20モル%〜80モル%である。ビニルエーテルの仕込み組成比が20モル%より少なくなると得られる共重合体中のビニルエーテル含有量が大幅に低下し、80モル%より多くなると共重合体の生成速度が低下し、生産性が悪くなるので上記範囲に限定される。さらに好ましくは、塩化ビニル75モル%〜25モル%に対し、ビニルエーテルモノマー25モル%〜75モル%である。
【0010】本発明における上記懸濁重合の具体的な方法としては、例えば、攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水、上記ビニルエーテルモノマー、pH緩衝剤、ノニオン系乳化剤もしくはアニオン系乳化剤、油溶性重合開始剤を所定量投入した後、塩化ビニルモノマーを投入し、反応容器内をジャケットにより必要な温度まで昇温して重合を開始させ、所定時間の間、必要量の塩化ビニルモノマーを後添加して、塩化ビニルとビニルエーテルの共重合を行う方法が挙げられる。
【0011】一般に塩化ビニル系共重合体の懸濁重合においては、ポリビニルアルコールやメチルセルロース等の従来公知の分散剤を用いるが、本発明においては、上述の如く、ノニオン系乳化剤もしくはアニオン系乳化剤と油溶性重合開始剤との存在下に、水媒体中で懸濁重合する。
【0012】上記ノニオン系乳化剤としては、乳化重合で一般に使用されている任意のノニオン系乳化剤が使用でき、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
【0013】上記アニオン系乳化剤としては、乳化重合で一般に使用されている任意のアニオン系乳化剤が使用でき、例えば、高級アルコール硫酸エステルソーダ、アルキルベンゼンスルフォン酸ソーダ、β- ナフタレンスルフォン酸ソーダ、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル等が挙げられる。
【0014】上記ノニオン系乳化剤及びアニオン系乳化剤は単独で用いられてもよく、併用されてもよい。また、その添加量は、塩化ビニルモノマーとビニルエーテルモノマーの合計量100重量部に対して、0.1〜5重量部であるのが好ましい。
【0015】また、上記油溶性重合開始剤の中でも、ラジカル重合開始剤が塩化ビニル系の共重合に有利であるという理由から好適に用いられ、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオクチルパーオキシカーボネート、t- ブチルパーオキシネオデカノエート、α- クミルパーオキシネオデカノエート等の有機パーオキサイド類;2,2- アゾビスイソブチロニトリル、2,2- アゾビス- 2,4- ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物などが挙げられる。上記油溶性重合開始剤は単独で用いられてもよく、併用されてもよい。また、使用する油溶性重合開始剤量は、一般に、重合時間が2〜20時間程度になるようにする。
【0016】上記懸濁重合法における重合温度は、特に限定されないが、工業的な製造に際し、その温度制御が容易な40℃〜80℃の範囲が好ましい。上記懸濁重合法においては、重合系のpHを7以上に維持することが好ましく、そのため、通常、pH緩衝剤等が使用される。一般に、塩化ビニルの重合では主鎖上における不飽和結合の生成により、塩化水素の脱離が起こり系内のpHが酸性側にシフトする。pHが7より小さくなると、共存するビニルエーテルの加水分解が促進され、得られる共重合体のビニルエーテル含量が低下する上、重合系も不安定になり、安定した粒度分布を有する共重合体が得られなくなる傾向がある。そのため、系内のpHは、7以上に維持することが好ましい。
【0017】上記pH緩衝剤としては、例えば、Sorensenの緩衝液、Clark−Lubsの緩衝液、Kolthoffの緩衝液、Michaelisの緩衝液、Gomoriの緩衝液、Bates−BowerのTris緩衝液等が挙げられ、それぞれ、重合系がpH7以上に維持されるように調製する。また、pH緩衝剤の添加量は、そのpH緩衝剤の緩衝能により異なる。また、重合初期に一括で添加しても、あるいは重合反応中に必要に応じて添加してもよい。
【0018】また、本発明の懸濁重合法では、必要に応じて酸化防止剤を添加しても良い。上記塩化ビニルとビニルエーテルの共重合は発熱反応であるため、ジャケット温度を変えることにより反応容器内の温度つまり重合温度を制御することが可能である。反応終了後は、未反応の塩化ビニルを除去してスラリー状にし、さらに脱水乾燥することにより塩化ビニル- ビニルエーテル共重合体を製造する。また、上記懸濁重合法において、重合反応中に、塩化ビニルモノマーを重合系内の塩化ビニルモノマーとビニルエーテルモノマーの組成比が初期仕込組成比を維持するように分割添加あるいは連続添加してもよい。
【0019】
【実施例】本発明をさらに詳しく説明するために、実施例、比較例を挙げる。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体の粉体特性は以下の方法により評価した。
【0020】<平均粒子径>堀場製作所(株)製レーザー回折式粒度分布計にて測定したメジアン径を示した。
<重合度>塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体の重合度は、JIS K 6721に準拠して、測定した。
【0021】<共重合体中のビニルエーテル含有量>塩化ビニル- ビニルエーテル共重合体の塩素含有率(C1 %)をJIS K7229に準拠し測定し、その結果から、下記の式により共重合体中のビニルエーテル含有量を計算した。
ビニルエーテル含有量(重量%)=(1−C1 /56.73)×100【0022】<トルエンへの溶解時間>得られた樹脂20gとトルエン60gを密封した200ml の広口フラスコに入れ、ボトルローラーで撹拌し、溶液中微粒子測定装置(リオン、パーティクルカウンターKL−01)を用いて、溶液10ml中における10μm以上の不溶解粒子を測定し、粒子数が0になるまでに要する時間を測定した。
【0023】〔実施例1〜6、比較例1〜3〕
(塩化ビニル- ビニルエーテル共重合体の作製)攪拌機及びジャケットを備えた重合器に表1に示す組成で、純水、ビニルエーテルモノマー、pH緩衝剤、ノニオン系乳化剤又はアニオン系乳化剤、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、α- クミルパーオキシネオデカノエートを一括投入し、その後、真空ポンプで重合器内の空気を排出し、撹拌条件下で表1に示したモノマー組成比になるように塩化ビニルモノマーを投入した後、ジャケット温度の制御により重合温度50〜65℃にて重合を開始した。
【0024】重合開始後、ビニルエーテルの重合転化率が1〜10%に達した時点で塩化ビニルモノマーの分割添加を開始し、ビニルエーテルの重合転化率が80%に達した時点で冷却して重合反応を停止した。重合反応停止後、未反応の塩化ビニルモノマーを除去し、さらに脱水乾燥することにより塩化ビニル- ビニルエーテル共重合体を得た。得られた塩化ビニル-ビニルエーテル共重合体はすべて粉体状であった。上記評価方法に基づく、塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体の粉体特性及び有機溶媒への溶解時間を表1に示した。
【0025】
【表1】

【0026】表1から、通常の懸濁重合で使われる分散剤を用いたものより、ノニオン系乳化剤又はアニオン系乳化剤を使用した方が、有機溶剤への溶解時間が短くて済むことが明らかである。尚、粉体特性と取扱性については、どちらも良好であった。
【0027】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系共重合体の製造方法は、以上述べたとおり、分散剤を使用することなく、塩化ビニルモノマー80モル%〜20モル%と、塩化ビニルモノマーと共重合可能なビニルエーテルモノマー20モル%〜80モル%とを、ノニオン系乳化剤もしくはアニオン系乳化剤と油溶性重合開始剤との存在下に、水媒体中で懸濁重合するので、優れた粉体特性と有機溶剤への良好な溶解性を兼ね備えた塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体を製造することができる。




 

 


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