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発明の名称 反応性ホットメルト接着剤組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−98242(P2001−98242A)
公開日 平成13年4月10日(2001.4.10)
出願番号 特願平11−274519
出願日 平成11年9月28日(1999.9.28)
代理人
発明者 三宅 武司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 1分子あたり、下記の式(1)の構造を有するカチオン重合性反応基を平均で1以上有するカチオン重合性化合物と、ポリビニルブチラールからなる高分子皮膜形成剤と、6フッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩からなる光カチオン重合開始剤とを含み、室温において非粘着性であることを特徴とする、反応性ホットメルト接着剤組成物。
【化1】

(なお、式(1)中、m、nは、0、1または2を示し、R1 、R2 、R3 及びR4 は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソアミル基、フェニル基または水素原子を示し、これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。)
【請求項2】 前記カチオン重合性化合物が、エポキシ化合物である、請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項3】 前記カチオン重合性化合物が、ビスフェノールA骨格と、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドとを共重合してなるエポキシ樹脂である、請求項1または2に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
【請求項4】 ヒドロキシル基含有化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱溶融塗工により適用され、光の照射により硬化が進行する光硬化型の反応性ホットメルト接着剤組成物に関し、より詳細には、室温において非もしくは微粘着性であり、比較的低温で貼り合わせることができ、硬化後において耐熱性及び耐湿熱性に優れた反応性ホットメルト接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】製本、包装、繊維加工、家具木工、弱電、輸送などの各種分野において、紙、繊維、木材、ガラス、プラスチックあるいは金属などの各種材料を接着するために、ホットメルト接着剤が幅広く用いられている。ホットメルト接着剤は、使用に際し、アプリケーター内で通常70〜200℃程度の温度にて加熱溶融される。そして、溶融されたホットメルト接着剤は、溶融状態で被着体に塗工する、もしくはホットメルト接着剤を被着体、離型フィルム等に塗布し巻き取る、あるいは押出塗布加工機で押し出すことにより、フィルム状に加工し、別の被着体あるいは被着体同士の間に挟んで加熱プレスすることにより貼り合わせる。該ホットメルト接着剤が冷却固化することにより被着体同士が接着される。
【0003】ホットメルト接着剤では、被着体を貼り合わせてから接着強度を発現するまでの時間が、通常1分以内であり、非常に短い。従って、接着作業を非常に短時間で行うことができる。
【0004】しかしながら、上記ホットメルト接着剤が室温で粘着性を有する場合には、被着体との間にエアを巻き込むことになる。従って、後の工程において加熱された場合に、巻き込まれた空気が膨張し、ふくれと称されている現象が生じたり、被着体が薄い場合には、上記ふくれにより外観性状が大きく損なわれることがあった。
【0005】また、特開平6−306304号公報には、エポキシ/ポリエステル系ホットメルト組成物が開示されている。このホットメルト組成物では、常温非粘着性であるが、ポリエステルを用いているため、高温かつ高湿度下の雰囲気に置かれると、加水分解が起こり、接着力が著しく低下する。
【0006】また、特開平4−185633号公報には、ホットメルト接着剤ではないが、常温で液状の接着剤として、ポリビニルアセタール−エポキシ系接着剤が開示されている。従って、この接着剤は、常温で塗り置きした後、被着体に重ねることができなかった。また、硬化物が硬くてもろいため、耐衝撃性が悪いという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、作業性が良好であり、良好な接着性を有し、硬化後の硬化物の耐湿熱性及び耐衝撃性に優れた反応性ホットメルト接着剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、1分子あたり、下記の式(1)の構造を有するカチオン重合性反応基を平均で1以上有するカチオン重合性化合物と、ポリビニルブチラールからなる高分子皮膜形成剤と、6フッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩からなる光カチオン重合開始剤とを含み、室温において非粘着性であることを特徴とする。
【0009】
【化2】

【0010】(なお、式(1)中、m、nは、0、1または2を示し、R1 、R2 、R3 及びR4 は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソアミル基、フェニル基または水素原子を示し、これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。)上記カチオン重合性化合物としては、好ましくはエポキシ化合物が用いられる。
【0011】また、上記カチオン重合性化合物として、より好ましくは、ビスフェノールA骨格と、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドとを共重合してなるエポキシ樹脂が用いられる。
【0012】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、ヒドロキシル基含有化合物がさらに含まれていてもよい。以下、本発明の詳細を説明する。
【0013】(カチオン重合性化合物)本発明で用いられるカチオン重合性化合物は、上述した式(1)の構造のカチオン重合反応性基を平均1以上有する有機化合物であれば、特に限定されず、モノマー、オリゴマーまたはポリマーのいずれであってもよい。また、炭素、水素、酸素、窒素、イオウ、リンなどの有機化合物構成原子を含んでいてもよく、カチオン重合反応性基は分子骨格の末端に存在していてもよく、側鎖に存在していてもよく、分子骨格内に存在していてもよく、その構造や分子量についても特に限定されるものではない。
【0014】上記カチオン重合性化合物は、それ自身がホットメルト型樹脂であってもよい。また、カチオン重合性化合物は、常温で液状であってもよく、この場合には、液状カチオン重合性化合物と固形の熱可塑性樹脂とを混合することにより、固形の樹脂として提供することができる。
【0015】上記カチオン重合性化合物としては、より具体的には、例えば、(エポキシ化合物、オキセタン化合物あるいはオキソラン化合物などの)環状エーテル化合物、環状エステル化合物、ビニルエーテル化合物などを挙げることができ、中でも、カチオン重合性に優れているので、エポキシ化合物が好適に用いられる。本発明では、上記カチオン重合性化合物は2種以上併用されてもよい。
【0016】また、1分子あたりの「平均」のカチオン重合反応性基の数は、カチオン重合性化合物中のカチオン重合反応性基の数を存在するカチオン重合性化合物の総数によって除算することにより求められる値である。
【0017】上記カチオン重合性化合物としては、好ましくは、ビスフェノールA骨格と、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドとを共重合してなるエポキシ樹脂が用いられる。このようなエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールAビス(プロピレングリコールグリシジルエーテル)エーテル、ビスフェノールAビス(トリエチレングリコールグリシジルエーテル)エーテルなどを挙げることができ、これらのエポキシ樹脂を用いることにより、カチオン重合性をより高めることができる。
【0018】(ポリビニルブチラール)本発明で用いられるポリビニルブチラールは、高分子皮膜形成剤として用いられている。ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールに酸触媒のもとでブチルアルデヒドを反応させることにより得られる。
【0019】ポリビニルブチラールを得るのに用いられる上記ポリビニルアルコールの重合度は、好ましくは200〜3500、鹸化度75〜99.8モル%のものが用いられる。重合度が200未満のポリビニルアルコールや変性ポリビニルアルコールの合成は難しく、3500を超えると、水溶液の粘度が高くなり過ぎ、均一なアセタール化反応がし難いことがある。
【0020】また、鹸化度が75モル%未満では、水に対するポリビニルアルコールの溶解性が十分でないことがあり、99.8モル%を超える鹸化度は実現し難い。ポリビニルアルコールは変性ポリビニルアルコールであってもよく、その場合、変性度は特に限定されないが、好ましくは、親水性基団を有するモノマーユニットの含有割合が10モル%以下とされる。
【0021】10モル%を超えて変性される必要は少なく、また、このような大きく変性された変性ポリビニルアルコールの合成自体が困難である。上記ポリビニルブチラールは、ビニルブチラールと、酢酸ビニルと、ビニルアルコールとの共重合体と考えることができる。ポリビニルブチラールの数平均分子量は、好ましくは100〜200000、より好ましくは200〜60000の範囲とされる。ホットメルト接着剤組成物として用いることを考慮すると、数平均分子量が大き過ぎると他の配合成分との溶融混合が難しくなることがあり、小さ過ぎると、高分子皮膜形成能が低下することがある。
【0022】また、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、上記光カチオン重合開始剤として、好ましくは、6フッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩が用いられる。
【0023】上記のように6フッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩からなるカチオン重合開始剤は、例えば、米国特許第4,256,828号に開示されている。
【0024】好ましくは、上記6フッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩化合物として、式(2)または(3)で示される構造を有する芳香族スルホニウム塩化合物が用いられる。このような化合物としては、ユニオン・カーバイド社製、商品名:サイラキュアーUVI−6990、旭電化工業社製、商品名:オプトマーSP−150、SP151などが市販されている。
【0025】
【化3】

【0026】
【化4】

【0027】上記カチオン重合開始剤は、紫外領域以外の光ではカチオンを生成しないが、芳香族アミンや着色芳香族多環式炭化水素などの公知の増感剤を併用することにより、近視外領域や可視光領域の光でもカチオンを生成する。
【0028】カチオン重合開始剤の有効な配合量は、活性エネルギー線の種類や強度、カチオン重合性化合物及び必要に応じて含有される熱可塑性樹脂の種類や配合量、カチオン重合開始剤の種類等によって異なり、特に限定されるものではないが、一般的には、カチオン重合性化合物100重量部に対し、カチオン重合開始剤0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましい。
【0029】カチオン重合開始剤の配合量が0.01重量部未満であると、反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射しても硬化が十分に進行しないことがあり、逆にカチオン重合開始剤の添加量が10重量部を超えると、活性エネルギー線を照射された反応性ホットメルト接着剤組成物の硬化が速くなり過ぎて、可使時間が短くなり過ぎ、被着体同士を貼り合わせるのが困難となることがある。
【0030】(ヒドロキシル基含有化合物)本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物には、必要に応じて、ヒドロキシル基含有化合物を含有させてもよい。使用し得るヒドロキシル化合物は、液体であってもよく、固体であってもよい。もっとも、少なくとも1個、好ましくは2個のヒドロキシル基を有するヒドロキシル化合物が用いられる。ヒドロキシル基は、化合物の末端に存在してもよく、ポリマーもしくはコポリマーの側鎖に存在していてもよい。
【0031】上記ヒドロキシル化合物としては、例えば、アルキレングリコール、ポリヒドロキシルアルカン、ポリオキシアルキレンポリオールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、ヒドロキシル化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0032】好ましくは、上記ヒドロキシル基含有化合物として、分子中に芳香族環とエステル結合とを有し、1級のヒドロキシル基を有するヒドロキシル基含有化合物が用いられる。このようなヒドロキシル基含有化合物の例としては、例えば、オルトフタル酸エステルジエチレンジオール、プロピレングリコールなどを挙げることができる。
【0033】ヒドロキシル基含有化合物を添加することにより、被着体への密着力で高めたり、活性エネルギー線照射後貼り合わせまでの接着可能時間を調整することができる。
【0034】また、上記ヒドロキシル基含有化合物を含有させる場合、その配合割合については、特に限定されないが、カチオン重合性化合物100重量部に対し、1〜50重量部の割合とすることが望ましい。1重量部未満の場合には、上記効果が得られないことがあり、50重量部を超えると硬化物の耐熱性が低下することがある。
【0035】(添加し得る他の成分)本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物には、さらに、必要に応じて、熱可塑性樹脂を添加してもよい。上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、従来よりホットメルト接着剤において汎用されている粘着付与樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゴム系樹脂、アクリル系共重合樹脂などを用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は、1種のみを添加してもよく、2種以上添加してもよい。
【0036】さらに、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物には、必要に応じて、密着向上剤(シランカップリング剤、チタンカップリング剤など)、増感剤、脱水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワックス、充填剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防カビ剤、粘度調整剤などの成分を添加してもよい。もっとも、添加し得る成分はこれらに限定されるわけではない。また、これらの添加成分は2種以上併用されてもよい。さらに、これらの成分は、先に述べた成分に予め添加されていてもよい。
【0037】本発明による反応性ホットメルト接着剤組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、配合すべき各成分の所定量を均一に混練し得る限り、如何なる方法を採用しても良いが、各成分が溶融し得る適度な加熱条件下で製造する必要がある。また、製造に際しての各成分の混練は無溶媒で行っても良く、例えば芳香族炭化水素、酢酸エステル、ケトン等のような不活性溶媒中で行っても良いが、不活性溶媒中で行った場合には、混練後に減圧及び/または加熱により不活性溶媒を除去する必要がある。具体的には、ダブルヘリカルリボン浴もしくはゲート浴、パドル、バタフライミキサー、プラネタリミキサー、三本ロール、ニーダールーダー型混練機、エクストルーダー型混練押出機等の1種もしくは2種以上を用いて各成分の混練を行い得るが、各成分を混練する装置については、これらに限定されるものではない。
【0038】また、各成分の混合分散に際しては、大気圧下あるいは必要ならば大気圧以上もしくは大気圧以下で行うことが好ましい。さらに、各成分の仕込み順序は、特に限定されるものではないが、溶融時間を短縮したり、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物の劣化を防止するために、溶融し難い成分や溶融時の熱や機械的剪断力により劣化を受け難いものから順に仕込むことが望ましい。特に、カチオン重合開始剤は熱により分解もしくは劣化し易いので、最後に仕込むことが望ましい。
【0039】尚、上記製造においては、硬化開始に有効な活性エネルギー線を遮断した状態で行うことが必要である。本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は上記のようにして得られるが、常温において非粘着性である。非粘着性とは、粘着性を示さないことを意味し、具体的には、触圧あるいは手圧で、接着剤が手及び被着体等の接着剤以外の他のものと合着しないことを意味し、本明細書における非粘着性に相当するものとする。本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は常温において非粘着性であるため、取り扱いが容易である。
【0040】本発明による反応性ホットメルト接着剤組成物の貯蔵方法は、硬化開始に有効な活性エネルギー線を遮断し得る限り、特に限定されるものではないが、好ましい貯蔵容器としては、ペール缶、ブリキ缶、ドラム缶、カートリッジ、離型箱、離型トレー、段ボール容器、紙袋、プラスチック製の袋(例えばアルミ箔をサンドイッチした複合フィルム)等のような硬化開始に有効な活性エネルギー線に対して不透明な各種容器が挙げられ、好適に用いられるが、これらの容器に限定されるものではなく、また、これらの容器の材質についても、活性エネルギー線を遮断し得る限り、特に限定されるものではない。
【0041】さらに、本発明による反応性ホットメルト接着剤組成物は、貯蔵されることなく、製造直後に直ちに使用されても勿論良い。上述した本発明の反応性ホットメルト接着剤組成物を用いて接着を行うには、該ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融し、溶融状態で被着体の一方または両方に塗工し、被着体同士の貼り合わせ前もしくは貼り合わせ後に、塗工された反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射し、被着体同士を圧着する、もしくはホットメルト接着剤を被着体、離型フィルム等に塗布し巻き取る、あるいは押出塗布加工機で押し出すことによりフィルム状に加工し、活性エネルギー線を照射し、別の被着体あるいは被着体同士の間に挟んで加熱プレスする、あるいは別の被着体あるいは被着体同士の間に挟んだ後、活性エネルギー線を照射し、いずれの場合も貼り合わせ後に活性エネルギー線を照射する場合は、被着体のどちらか一方がカチオン重合開始剤を励起させるのに十分な量と波長の活性エネルギー線を透過させる必要がある。
【0042】上記反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融して塗工する方法としては、特に限定されるわけではないが、例えば、通常のホットメルトアプリケーターやホットメルトコーター等を用いて、加熱溶融状態にある反応性ホットメルト接着剤組成物を被着体の一方もしくは両方に塗布する方法、加熱溶融状態にある反応性ホットメルト接着剤組成物中に被着体の一方もしくは両方を浸漬する方法、ホットメルトエアーガンなどを用いて、加熱溶融状態にあるホットメルト接着剤組成物を被着体の一方もしくは両方に噴霧する方法、押出機などを用いて、加熱溶融状態にある反応性ホットメルト接着剤組成物を被着体の一方もしくは両方の表面に押出塗工する方法等が挙げられ、いずれの方法も好適に採用される。
【0043】さらに、反応性ホットメルト接着剤組成物は、ペールアンローダーやカートリッジディスペンサー等を用いてホットメルトアプリケーター等の塗布装置へ供給しても良いし、スティック、ペレット、スラッグ、ブロック、ピロー、ビレット等の各種形状でホットメルトアプリケーター等の塗布装置へ供給しても良い。
【0044】さらにまた、加熱溶融については、反応性ホットメルト接着剤組成物全体を加熱溶融しても良いし、加熱体の近傍のみで部分的に加熱溶融しても良い。上記反応性ホットメルト接着剤組成物の塗工厚みは、所望の接着強度が得られる厚みであれば良く、被着体の種類や塗工方法等によって適宜設定されれば良いが、照射した活性エネルギー線が接着剤層の内部まで十分に到達し得る厚みであることが好ましい。
【0045】上記いずれの溶融塗工方法を用いる場合でも、反応性ホットメルト接着剤組成物を被着体に塗工した後、被着体同士を貼り合わせる迄の塗り置き時間を十分に長く設定したい時には、硬化開始に有効な活性エネルギー線を遮断した状態で溶融塗工を行い、貼り合わせ直前に活性エネルギー線の照射を行うことが望ましい。また、活性エネルギー線の照射は、塗工された反応性ホットメルト接着剤組成物が溶融状態にある時に行っても良いし、塗工された反応性ホットメルト接着剤組成物が冷却固化した後に行っても良い。
【0046】反応性ホットメルト接着剤組成物を硬化させるための活性エネルギー線としては、前記カチオン重合開始剤からカチオンを生成し得るものであれば良く、特に限定されるものではない。活性エネルギー線の種類は、カチオン重合開始剤の種類に応じて適宜選択されれば良いが、好ましくは紫外線が用いられ、特に、200〜400nmの波長の光を含む活性エネルギー線を用いることが望ましい。
【0047】上記活性エネルギー線の照射方法としては、反応性ホットメルト接着剤組成物に対し直接照射しても勿論良いし、透明もしくは半透明の被着体または保護フィルムを通して反応性ホットメルト接着剤組成物に対し間接的に照射しても良い。
【0048】また、活性エネルギー線の照射源としては、特に限定されるものではないが、炭素アーク、水銀蒸気アーク、蛍光ランプ、アルゴングローランプ、ハロゲンランプ、白熱ランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、フラッシュUVランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、タングステンフィラメントランプ、太陽光等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0049】上記活性エネルギー線の照射量は、反応性ホットメルト接着剤組成物を構成する各成分の種類や量、塗工厚み、活性エネルギー線の照射源等によっても異なるため、一義的には定め得ないが、カチオン重合開始剤からカチオンを生成するのに有効な波長の照射量を0.001〜10J/cm2 の範囲とすることが望ましい。もっとも、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、低照射エネルギーで硬化するため、200μ程度の厚みであれば1000mJ以上であれば十分である。
【0050】被着体同士の貼り合わせと圧着は、活性エネルギー線を照射された反応性ホットメルト接着剤組成物が溶融状態にある時に行っても良いし、活性エネルギー線を照射された反応性ホットメルト接着剤組成物が冷却固化した後に行っても良い。この時、反応性ホットメルト接着剤組成物は粘着性を有する状態であっても良いし、非粘着性の状態であっても良い。
【0051】被着体同士の貼り合わせ方法及び圧着方法としては、例えば、一方の被着体に反応性ホットメルト接着剤組成物を塗工した後、他方の被着体を貼り合わせ、適宜の圧力及び温度で必要な時間加圧する方法や、両方の被着体に反応性ホットメルト接着剤組成物を塗工した後、適宜の圧力及び温度で必要な時間加圧する方法等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。上記方法において、熱プレスや熱ラミネーター等を用いても良いし、貼り合わせ及び圧着時に、十分に加熱を行い、反応性ホットメルト接着剤組成物の硬化を完了させても良い。
【0052】本発明による反応性ホットメルト接着剤組成物は、常温常圧下において上記活性エネルギー線を照射することにより十分硬化し得るが、さらに硬化時間を短縮したい場合には、適度な温度に加熱しても良い。この場合、加熱方法としては、反応性ホットメルト接着剤組成物を構成する各成分の種類や量、被着体の種類や形状、加熱条件等によっても異なるため一義的には定め得ないが、例えば、温風を吹き付ける方法、加熱したオーブン中に置く方法、ヒーターにて加熱する方法等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上の方法が好適に採用されるが、これらの方法に限定されるものではない。尚、硬化時間を短縮する場合の加熱温度については、反応性ホットメルト接着剤組成物自体が軟化する温度よりも低い温度とすることが望ましい。さもないと、反応性ホットメルト接着剤組成物の軟化により接着部分のズレ等が生じる恐れがある。
【0053】本発明による反応性ホットメルト接着剤組成物が適用される被着体は、特に限定されるものではないが、例えば、鉄、アルミニウム、銅、鉛、錫、亜鉛、ニッケル、マグネシウム、チタン、金、銀、白金等の金属もしくは合金またはこれらの塗装体、各種プラスチックまたはプラスチック混合物、ガラス、コンクリート、石、モルタル、セラミック、陶磁器等の無機材料、木材や紙等のセルロース系材料、皮革等の広範な材料からなる各種被着体が挙げられ、好適に適用することができる。また、上記各種被着体は、同一材料の被着体が接着されても良いし、異種材料の被着体が接着されても良い。
【0054】上記被着体の形状は、板、塊、棒、シート、フィルム、紐、繊維、ハニカム、管、粒子等のいずれの形状であっても良く、また、同一形状の被着体が接着されても良いし、異なる形状の被着体が接着されても良い。
【0055】本発明による反応性ホットメルト接着剤組成物は、通常広く一般に使用されている反応性ホットメルト接着剤としてだけでなく、構造用接着剤や弾性接着剤としても、また、感圧接着剤、シーリング剤、コーティング剤等としても、好適に使用することが出来る。このような反応性ホットメルト接着剤組成物の具体的用途としては、例えば、ドアパネル、間仕切り、雨戸、家具、黒板、白板、事務機器のハウジング用パネル等のサンドイッチパネルの芯材と表面材との接着;家具、パーティション、自動車内装材としてのドアパネルや天井材等の芯材と表面材との接着;自動車、建材、電気製品等に緩衝材、遮音材、断熱材等として使用されるポリオレフィン樹脂発泡体と各種基材との接着;ランプ用レンズの接着;スポンジ研磨材、研磨布紙、タワシ、発泡マットレス、建具、包装材料、座席シート、電気カーペット、テーブル、デスク、システムキッチン、テレビ、スピーカー等の製作;合板、化粧板等の貼り合わせ;テープボンディングやフレキシブルボンディング等への適用;光学式オーディオ・ビデオディスクや光磁気ディスク等の貼り合わせ、ICカードの基板と表面化粧板の貼り合わせ;自動車のサイドモール、ボディーパネルシーラー、ドア、インパネ周辺部、ヘッドランプ、テールランプ、窓周辺部等の接着やシーリング等の広範な用途が挙げられるが、勿論これらの用途に限定されるものではない。
【0056】また、本発明による反応性ホットメルト接着剤組成物は、固形状のホットメルト接着剤組成物としてのみならず、サポート型またはノンサポート型のフィルム状もしくは室温で非粘着性のテープ状接着剤組成物として用いることもできる。
【0057】(作用)本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、上記特定の組成を有し、加熱により溶融し、軟化するため、通常のホットメルト接着剤と同様にして被着体に適用することができる。また、活性エネルギー線の照射により、カチオン重合性化合物中のカチオン重合反応性基が反応するため、比較的低温で被着体に塗布したり、フィルム化することができる。また、貼り合わせ後には、上記ポリビニルブチラールが配合されているので、貼り合わせと硬化後の双方において優れた耐熱性及び耐湿熱性を示す。
【0058】さらに、常温では非粘着性であるため、作業性に優れている。
【0059】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。なお、以下において、「部」は、特に断わらない限り、「重量部」を意味する。
【0060】以下に挙げる実施例及び比較例では、下記の諸原料を用いて反応性ホットメルト接着剤組成物を製造した。
カチオン重合性化合物1…東亜合成社製のオキセタン、商品名:「XDO」。
【0061】カチオン重合性化合物2…油化シェルエポキシ社製、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、商品名:「エピコート1001」。
ポリビニルブチラール樹脂…積水化学工業社製、数平均分子量18000のポリビニルブチラール、商品名:「エスレックBX−1L」。
【0062】ポリエステル樹脂…東洋紡社製、数平均分子量25000のポリエステル、商品名:「バイロン200」。
カチオン重合開始剤1…ユニオン・カーバイド社製、6フッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩、商品名:「サイラキュアーUVI−6990」。
【0063】カチオン重合開始剤2…旭電化工業社製、6フッ化アンチモンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩、商品名:「オプトマーSP−170」。
ヒドロキシル基含有化合物…大日本インキ工業社製、数平均分子量約350のオルトフタル酸エステルジエチレンジオール、商品名:「スピノドールRD3150P」。
【0064】(実施例1)
(反応性ホットメルト接着剤組成物の製造)上記カチオン重合性化合物1を40部と、ポリビニルブチラール樹脂を50部と、ヒドロキシル基含有化合物を10部と、カチオン重合開始剤1を1部とを、加熱オイルを循環させ得るジャケットを備えたプラネタリーミキサーに投入し、アルミ箔で覆った後、160℃にて30rpmで60分混合し、反応性ホットメルト接着剤組成物を得た。
【0065】(実施例2及び比較例1〜3)下記の表1に示すように、組成を変更したことを除いては、実施例1と同様にしてホットメルト接着剤組成物を得た。
【0066】(評価)実施例1〜4及び比較例1,2で得られた各接着剤組成物について、■接着強度、■耐熱接着強度及び■湿熱後接着強度を以下の要領で評価した。
【0067】■接着強度…150℃の温度に設定されたロールコーターを用いて、接着剤組成物を25×125×1.6mmのSPCCダル鋼板に、200μmの厚さとなるように塗布した。次に、塗布された接着剤組成物にORK製作所社製、高圧水銀灯「ジェットライトJL2300」を用い、365mmの波長が照度25mW/cm2 となるように紫外線を60秒間照射した。しかる後、25×125mmの9号綿帆布を、所定の可使時間(10秒または1分)経過後に、接着剤組成物に重ね合わせ、120℃、2分間及び0.5kg/cm2 の圧力で加熱プレスし、剥離試験片を得た。この剥離試験片を、23℃、相対湿度67%の環境のもとで7日間養生した後に、JIS K6854に準じ、25℃において浮動ローラー法剥離試験を行い、剥離に至った最大強度を接着強度を接着強度とした。
【0068】■耐熱接着強度…■接着強度の評価の場合と同様にして、剥離試験片を作成した。この剥離試験片を、23℃及び相対湿度60%の環境のもとに7日間養生した後に、JIS K6854に準じて、80℃において浮動ローラー法剥離試験を行い、剥離に至った最大強度を耐熱接着強度とした。
【0069】■湿熱後接着強度…■の接着強度の評価の場合と同様にして、剥離試験片を作成した。この剥離試験片を、23℃及び相対湿度60%の環境のもとで7日間養生した後に、さらに85℃及び相対湿度85%の雰囲気に500時間放置した後に、JIS K6854に準じて80℃において浮動ローラー法剥離試験を行い、剥離に至った最大強度を湿熱後接着強度とした。
【0070】結果を下記の表1に示す。
【0071】
【表1】

【0072】
【発明の効果】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、常温で非粘着性であるため、作業性に優れている。また、活性エネルギー線の照射により、硬化が進行し、硬化物は、耐熱性において優れている。
【0073】また、ポリビニルブチラールを高分子皮膜形成剤として含んでいるため、硬化物は耐湿熱性においても優れている。また、上記光カチオン重合開始剤が、6フッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩からなるので加熱時の安定性に優れており、従って溶融塗工作業を容易にかつ安定に行い得る。
【0074】また、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物では、活性エネルギー線照射後の硬化が暗反応で行われるので、活性エネルギー線を透過しない被着体や非透湿性の被着体にも適用し得る。また、硬化後は、優れた接着強度、耐熱性などの諸物性を発現するので、自動車用、電気製品用、電子、通信材料用、建材用などを始め、各種工業製品用の反応性ホットメルト接着剤として好適に用いることができる。
【0075】さらに、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型であり、湿気硬化型ではないので、湿気を厳密に遮断する必要がなく、従って、特殊な製造設備や包装材料などを用いる必要はなく、経済的である。
【0076】従って、様々な環境のもとで好適に用い得る反応性ホットメルト接着剤組成物を提供することができる。上記カチオン重合性化合物として、エポキシ化合物を用いた場合には、カチオン重合性に優れているので、硬化が速やかに進行する。
【0077】また、カチオン重合性化合物として、ビスフェノールA骨格と、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドとを共重合してなるエポキシ樹脂を用いた場合には、カチオン重合性をより高めることができるので、より高い耐熱性を得ることができる。
【0078】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物においてヒドロキシル基含有化合物がさらに備えられている場合には、ヒドロキシル基含有化合物の配合により、被着体への密着力を高めたり、活性エネルギー線照射後貼り合わせまでの接着可能時間を調整することができる。
【0079】上記ヒドロキシル基含有化合物が、分子中に芳香族環とエステル結合とを有し、1級のヒドロキシル基を有する場合には、さらに、難被着体であるPETフィルムへの密着力を高めることができる。




 

 


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