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発明の名称 塩化ビニル系樹脂組成物および成形体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−98131(P2001−98131A)
公開日 平成13年4月10日(2001.4.10)
出願番号 特願平11−280309
出願日 平成11年9月30日(1999.9.30)
代理人
発明者 森川 岳生 / 大村 貴宏 / 久保 喜弘
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーと多官能性モノマーとの共重合体に、ホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上の(メタ)アクリレートモノマーに多官能性モノマーを混合してなるモノマー組成物をグラフト共重合させて得られるアクリル系共重合体からなる、平均粒子径0. 15μm未満の樹脂粒子(a)1 〜20重量%に、塩化ビニルを主成分とする塩化ビニル系モノマー80〜99重量%をグラフト共重合させて得られる塩化ビニル系樹脂と、平均粒子径が0. 20μm以上の衝撃改質剤(b)とからなり、樹脂粒子(a)/衝撃改質剤(b)=30/70〜95/5(重量比)であることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。
【請求項2】 請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂組成物および成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂は、機械的強度、耐候性、耐薬品性等において優れた材料であるので、建築部材、管工機材、住宅資材等に広く用いられている。しかし、塩化ビニル樹脂は、耐衝撃性が劣るため、種々の改質方法が提案されている。例えば、塩化ビニル樹脂に、塩素化ポリエチレン(CPE)、メタクリル酸メチルーブタジエンースチレン共重合体(MBS)、アクリルゴム等のゴム系樹脂を耐衝撃性強化剤として配合して成形する改質方法が一般的に行われている。しかし、このような耐衝撃性強化剤を配合する方法を用いた場合、例えば、CPEをブレンドすると低温衝撃性が悪くなり、成形体に十分な耐衝撃性が得られる成形温度幅が非常に狭くなるなどの問題がある。またMBSをブレンドすると、暴露試験後の耐衝撃性が大幅に低下したり、成形時の負荷が上昇するなどの問題がある。
【0003】特開平10‐324787号公報には、平均粒径の大きなゴム粒子と平均粒径の小さなアクリルゴム粒子からなる耐衝撃性強化剤が開示されている。このように耐衝撃性強化剤として配合されるゴム粒子の粒径を二様分布化することによって耐衝撃性が大きく向上するが、粒径の小さなアクリルゴムは成形時に塩化ビニル樹脂内に均一に分散しがたく、加工条件によって耐衝撃性にムラが生じてしまい、安定して耐衝撃性を発現させるためには添加部数を多量にする必要があり、機械的物性が低下してしまうという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み、塩化ビニル系樹脂組成物および該樹脂組成物から得られる耐衝撃性と機械的物性に優れた成形体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーと多官能性モノマーとの共重合体に、ホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上の(メタ)アクリレートモノマーに多官能性モノマーを混合してなるモノマー組成物をグラフト共重合させて得られるアクリル系共重合体からなる、平均粒子径0. 15μm未満の樹脂粒子(a)1 〜20重量%に、塩化ビニルを主成分とする塩化ビニル系モノマー80〜99重量%をグラフト共重合させて得られる塩化ビニル系樹脂と、平均粒子径が0. 20μm以上の衝撃改質剤(b)とからなり、樹脂粒子(a)/衝撃改質剤(b)=30/70〜95/5(重量比)であることを特徴とする。
【0006】本発明において使用される、ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、上記アクリル系共重合体の中央部(以下コア部とする)の主成分をなし、最終的に得られる成形体の低温での耐衝撃性を発現させる目的で添加される。上記ガラス転移温度が−60℃以上であると、0℃付近において充分なゴム弾性を有することが困難となる。上記ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−メチルヘプチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレート、2−メチルオクチルアクリレート、2−エチルヘプチルアクリレート、n−デシルアクリレート、2−メチルノニルアクリレート、2−エチルオクチルアクリレート等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0007】上記ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーには、最終的に得られる成形体の低温での耐衝撃性をさらに向上させる目的で、ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満の他の重合性モノマーが添加されてもよく、例えば、ブタジエン、イソプレン等のジエン類;エチレン、1‐オクテン等のアルケン類;n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類などが挙げられる。なお、上記ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーおよび重合性モノマーのガラス転移温度は、培風館発行、高分子学会編「高分子データハンドブック(基礎編)」などによった。
【0008】本発明において使用される、ホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上の(メタ)アクリレートモノマーは、アクリル系共重合体の外殻部(以下シェル部とする)の主成分をなし、コア部を被覆してアクリル系共重合体の粘着性を低下させると同時にアクリル系共重合体の粒子形状を保持する目的で添加される。上記ガラス転移温度が−55℃未満であると、シェル部に充分な剛直性を与えることが困難となる。上記ガラス転移温度が−55℃以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアクリレート、クミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−メチルヘプチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、2−メチルオクチルメタクリレート、2−エチルヘプチルメタクリレート、n−デシルメタクリレート、2−メチルノニルメタクリレート、2−エチルオクチルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0009】上記ホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上の(メタ)アクリレートモノマーには、最終的に得られる成形体の機械的強度、耐候性、耐薬品性、透明性、耐脈動性を向上させる目的で、ホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上の他の重合性モノマーが添加されてもよく、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等芳香族ビニルモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステルなどが挙げられる。なお、上記ホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーおよび重合性モノマーのガラス転移温度は、培風館発行、高分子学会編「高分子データハンドブック(基礎編)」などによった。
【0010】上記アクリル系共重合体を構成する、ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーとホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの重量比は特に限定されないが、ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマー20〜90重量%およびホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上のモノマー80〜10重量%であることが望ましい。ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーが20重量%未満であると、最終的に得られる成形体の耐衝撃性が低下し、90重量%を超えると前記成形体の外観が悪化するためである。より好ましくは、ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマー40〜80重量%およびホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上のモノマー60〜20重量%である。
【0011】本発明において使用される多官能性モノマーは、コア部のポリマーを架橋して最終的に得られる成形体の耐衝撃性を向上させ、シェル部のポリマーを架橋してアクリル系共重合体の粘着性を低下させて樹脂粒子形状を保持すると共に、アクリル系共重合体と塩化ビニル樹脂のグラフト反応を助け、前記成形体の耐衝撃性を向上させる目的で添加される。上記多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコージ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート;エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート等のジアリル化合物及びトリアリル化合物;ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0012】本発明において使用されるアクリル系共重合体は、ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーと多官能性モノマーとの共重合体からなるコア部と、ホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上の(メタ)アクリレートモノマーに多官能性モノマーを混合してなるモノマー組成物をコア部にグラフト共重合させて得られるシェル部から構成されるコア−シェル型2重構造をもつ、平均粒子径0. 15μm未満の樹脂粒子(a)であることを特徴としている。上記平均粒子径が0. 15μm以上であると、最終的に得られる成形体の耐衝撃性が低下する。
【0013】上記アクリル系共重合体を得る方法としては特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられるが、最終的に得られる成形体の耐衝撃性の発現性を考慮すると、乳化重合法が好ましい。上記乳化重合法を用いる場合、例えば、ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーと多官能性モノマーとの混合物モノマーを重合することによりコア部を合成し、コア部を構成する重合体の存在下でホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上の(メタ)アクリレートモノマーと多官能性モノマーとの混合物モノマーを添加し、重合することによりシェル部を合成し、コア−シェル型2重構造を形成せしめればよい。
【0014】上記乳化重合法では、上記混合物モノマーの乳化液中での分散安定性を向上させ、重合を効率的に行う目的で、乳化分散剤が添加される。上記乳化分散剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェート(第一工業製薬社製、商品名「ハイテノールN−08」)等のアニオン系界面活性剤;ノニオン系界面活性剤;部分ケン化ポリビニルアルコール;セルロース系分散剤;ゼラチンなどが挙げられる。
【0015】また、乳化重合法では、重合開始剤が使用される。前記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の水溶性重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機系過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤などが挙げられる。さらに、必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤等が添加されていてもよい。
【0016】上記乳化重合法としては特に限定されず、モノマーの添加方法の違いから、例えば、一括重合法、モノマー滴下法、エマルジョン滴下法等が挙げられる。一括重合法は、例えば、ジャケット付重合反応器内に、純水、乳化分散剤、重合開始剤、上記混合物モノマーを一括して添加し、窒素気流による酸素除去及び加圧の条件下において、撹拌により混合物モノマーを充分乳化した後、器内をジャケットにより加熱することで重合する方法である。
【0017】モノマー滴下法は、例えば、ジャケット付重合反応器内に純水、乳化分散剤、重合開始剤を入れ、窒素気流下による酸素除去及び加圧の条件下において、まず器内をジャケットにより加熱した後、上記混合物モノマーを一定量ずつ滴下することにより徐々に重合する方法である。
【0018】エマルジョン滴下法は、例えば、上記混合物モノマー、乳化分散剤、純水を撹拌により充分乳化することにより予め乳化モノマーを調整し、ついでジャケット付重合反応器内に純水、重合開始剤を入れ、窒素気流下による酸素除去及び加圧の条件下において、まず器内をジャケットにより加熱した後、上記乳化モノマーを一定量ずつ滴下することにより重合する方法である。
【0019】本発明においては、上記アクリル系共重合体を用い、このアクリル系共重合体に塩化ビニルを主成分とする塩化ビニル系モノマーをグラフト共重合することにより塩化ビニル系樹脂を得る。上記塩化ビニルを主成分とする塩化ビニル系モノマーとは、塩化ビニル、又は塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーである。前記ビニルモノマーには、塩化ビニルの他に塩化ビニルと共重合可能な他のモノマーが含有されうる。上記塩化ビニルと共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。上記塩化ビニル系樹脂を得る方法としては特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。なかでも、懸濁重合法が好ましい。懸濁重合法では、上記アクリル系共重合体の分散安定性を向上させ、塩化ビニルのグラフト共重合を効率的に行う目的で、分散剤及び油溶性重合開始剤が使用される。
【0020】上記分散剤としては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン無水マレイン酸−スチレン共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0021】上記油溶性重合開始剤としては、グラフト共重合に有利な点から、ラジカル重合開始剤が好適に用いられる。ラジカル重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート等の有機過酸化物類;2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス‐2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物などが挙げられる。上記の懸濁重合法では、必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤等が添加されていてもよい。
【0022】上記懸濁重合法は、例えば、撹拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水、上記アクリル系共重合体、分散剤、油溶性重合開始剤、及び、必要に応じて、重合調整剤を投入し、その後、真空ポンプで重合器内の空気を排出し、さらに撹拌条件下で塩化ビニル、及び、必要に応じて、他のビニルモノマーを投入した後、反応容器内をジャケットにより加熱し、塩化ビニルのグラフト共重合を行う。上記塩化ビニルのグラフト共重合は、発熱反応であるので、ジャケット温度を変えることにより反応容器内の温度を制御することができる。反応終了後は、未反応の塩化ビニルを除去してスラリー状にし、更に脱水乾燥することにより塩化ビニル系樹脂を製造することができる。
【0023】上記塩化ビニル系樹脂の塩化ビニル部分の重合度は特に限定されないが、重合度が低いと最終的に得られる成形体の引張強度などの機械的物性が著しく低下し、高いと成形加工性が悪化するので、重合度は300〜2000が好ましい。より好ましくは500〜1500である。
【0024】上記塩化ビニル系樹脂中のアクリル系共重合体からなる樹脂粒子(a)の含有量は1〜20重量%に限定される。1重量%未満であると、最終的に得られる成形体の耐衝撃性が十分に発現せず、20重量%を超えると引張強度などの機械的物性が著しく低下するため上記範囲に限定される。好ましくは5〜15重量%である。
【0025】本発明における平均粒子径が0. 20μm以上の衝撃改質剤(b)は、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物中のゴム成分〔アクリル系共重合体からなる樹脂粒子(a)および衝撃改質剤(b)〕の粒子径を二峰性化して最終的に得られる成形体の耐衝撃性を向上させる目的で配合される。上記衝撃改質剤(b)としては、ゴム成分を構成するものであれば特に限定されないが、ゴム成分の粒子径の二峰性を保持することのできる架橋ゴム粒子を主成分としたものが望ましい。例えば、MBS、アクリルゴム、シリコンゴムなどを主成分としたものが挙げられる。
【0026】上記衝撃改質剤(b)の平均粒子径は0. 20μm以上に制限される。平均粒子径が0. 20μm未満であると、上記アクリル系共重合体からなる樹脂粒子(a)との粒子径の差異が明確とならず、ゴム成分の二峰性化による最終的に得られる成形体の耐衝撃性向上効果が発揮されがたいためである。また、平均粒子径が大きすぎても耐衝撃性が低下するため、好ましい範囲としては0. 25μm〜5μmである。
【0027】上記アクリル系共重合体からなる樹脂粒子(a)と衝撃改質剤(b)の重量比は30/70〜95/5に限定される。樹脂粒子(a)の含有量が上記ゴム成分全体中30重量%未満であると、樹脂粒子(a)間表面距離が大きくなってしまい、最終的に得られる成形体の耐衝撃性が発現しにくくなり、含有量が90重量%をこえると、ゴム成分の二峰性化による耐衝撃性向上効果が発揮されがたくなる。好ましくは50/50〜90/10である。
【0028】本発明の成形体は上記塩化ビニル系樹脂組成物から得られるが、成形に際しては、必要に応じて、安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、顔料等の添加剤が添加されていてもよい。
【0029】上記安定剤としては特に限定されず、例えば、熱安定剤、熱安定化助剤等が挙げられる。上記熱安定剤としては特に限定されず、例えば、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマー等の有機錫系安定剤;ステアリン酸鉛、二塩基性亜りん酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤;カルシウム−亜鉛系安定剤;バリウム−亜鉛系安定剤;バリウムーカドミウム系安定剤などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0030】上記安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、りん酸エステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0031】上記滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤等が挙げられる。上記内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用される。上記内部滑剤としては特に限定されず、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ化大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。上記外部滑剤としては特に限定されず、例えば、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、モンタン酸ワックスなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0032】上記加工助剤としては特に限定されず、例えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアクリレート/アルキルメタクリレート共重合体等のアクリル系加工助剤などが挙げられる。上記アクリル系加工助剤としては特に限定されず、例えば、n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0033】上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。上記光安定剤としては特に限定されず、例えば、ヒンダードアミン系等の光安定剤などが挙げられる。上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系;ベンゾフェノン系;ベンゾトリアゾール系;シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤などが挙げられる。上記充填剤としては特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。上記顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料;酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フェロシアニン化物系等の無機顔料などが挙げられる。
【0034】さらに、成形時の加工性を向上させる目的で、可塑剤が添加されもよい。上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。
【0035】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を成形するにあたり、上記添加剤を前記塩化ビニル系樹脂組成物に混合する方法としては特に限定されず、例えば、ホットブレンドによる方法、コールドブレンドによる方法等が挙げられる。また、成形方法としては特に限定されず、例えば、押出成形法、射出成形法、カレンダー成形法、プレス成形法等が挙げられる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて、具体的に本発明の効果を説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される物ではない。
【0037】実施例1〜4、比較例1〜3表1に示した重合処方により、下記の操作手順でアクリル系共重合体及び塩化ビニル系樹脂を得た。
〔アクリル系共重合体の作製〕まず、所定量の純水、乳化分散剤(ハイテノールN‐08、第一工業製薬社製(以下ASとする))、ホモポリマーのガラス転移温度が−60℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマー(以下コアモノマーとする)として2−エチルヘキシルアクリレート(以下2‐EHAとする)と、多官能性モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート(以下、TMPTAとする)を混合、撹拌し、コア用乳化モノマーを調製した。また、別個に所定量の純水、乳化分散剤(AS)、ホモポリマーのガラス転移温度が−55℃以上のアルキル(メタ)アクリレートモノマー(以下シェルモノマーとする)としてn−ブチルアクリレート(以下n−BAとする)と多官能性モノマー(TMPTA)を混合、撹拌し、シェル用乳化モノマーを調製した。一方、攪拌機及び還流冷却器を備えた重合器に所定量の純水を入れ攪拌を開始し、重合器内を減圧して容器内の脱酸素をおこなった後、窒素により圧戻しをして置換し、重合槽を70℃まで昇温した。
【0038】昇温が完了した重合槽に、過硫酸アンモニウム(以下APSとする)および上記コア用乳化モノマーの20重量%をシードモノマーとして一括して投入し、重合を開始した。続いてコア用乳化モノマーの残りを滴下した。続いてシェル用乳化モノマーを滴下し、全ての乳化モノマーの滴下を3時間で終了した。その後1時間の熟成期間を置いた後、重合を終了して固形分濃度約30重量%のアクリル系重合体ラテックス(以下ラテックスとする)を得た。得られたラテックス中の樹脂粒子の平均粒子径は、動的光散乱測定器(商品名;DLS7000、大塚電子社製)で測定した。
【0039】〔塩化ビニル系樹脂の作製〕攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純水、上記ラテックス、部分ケン化ポリビニルアルコール(クラレポバールL‐8、クラレ社製)の3%水溶液(PVAと略称する)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ60SH50、信越化学社製)の3%水溶液(以下MPSとする)、t‐ブチルパーオキシネオデカノエート(以下BPONDとする)、α‐クミルパーオキシネオデカノエート(以下QPONDとする)を一括投入し、その後、真空ポンプで重合器内の空気を排出し、更に、攪拌条件下で塩化ビニルを投入した後、30分間攪拌することにより、塩化ビニルを均一に混合し、ジャケット温度の制御により所定の重合温度にて重合を開始した。反応器内が所定の圧力まで降下することで反応終了を確認し、消泡剤(東レシリコンSH5510、東レ社製)を加圧添加した後に反応を停止した。その後、未反応の塩化ビニルを除去し、更に脱水乾燥することにより塩化ビニル系樹脂を得た。
【0040】
【表1】

【0041】〔塩化ビニル系樹脂組成物の作製〕
実施例1〜4、比較例1〜3得られた塩化ビニル系樹脂に、有機すず系安定剤(商品名;ONZ−6F、三共有機合成社製)、滑剤〔商品名;OPL−01(理研ビタミン社製)、商品名;モノグリMB(日本油脂社製)および商品名;Hiwax2203A(三井化学社製)〕およびアクリルゴム系衝撃改質剤(主成分;2−EHA、アクリルゴムA;平均粒子径0.16μm、アクリルゴムB;平均粒子径0.30μm、アクリルゴムC;平均粒子径0.50μm)をスーパーミキサー(100L、カワタ社製)にて撹拌混合して、塩化ビニル系樹脂組成物を得た。なお、配合比については表2に示す。
【0042】比較例4重合度1000の塩化ビニル樹脂(商品名;TS1000R、徳山積水社製)にアクリルゴム(商品名;カネエースFM、鐘淵化学社製)と上記安定剤及び滑剤をスーパーミキサーにて攪拌混合して、塩化ビニル系樹脂組成物を得た。なお、配合比については表2に示す。
【0043】実施例1〜4、比較例1〜4〔管の成形〕得られた塩化ビニル系樹脂組成物を押出成形機(商品名;BT50、プラスチック工学研究所社製)に投入し、スクリュ回転数30rpm、樹脂温度188℃の条件下にて押出成形し、呼び径20mmの塩化ビニル系樹脂管を得た。
【0044】〔塩化ビニル系樹脂管の物性評価〕下記の方法を用いて塩化ビニル系樹脂管の物性評価を行った。その結果を表2に示す。
(耐衝撃性)JIS K 7110に準拠して、上記塩化ビニル系樹脂管から切削して作製したノッチ付きの試験片を用い0℃でのアイゾット衝撃試験を実施した。
(引張強度)JIS K 7113に準拠して、上記塩化ビニル系樹脂管から切削して作製した試験片を用い、23℃、110mm/minの条件で引張試験を行い、降伏抗張力を測定した。
【0045】
【表2】

【0046】実施例はいずれもアイゾット衝撃と降伏抗張力のバランスに優れるのに対し、比較例は耐衝撃性と降伏抗張力のバランスに劣ることがわかり、本発明の効果が確認された。
【0047】
【発明の効果】本発明はの塩化ビニル系樹脂組成物は、アクリル系共重合体に塩化ビニルをグラフト重合させた塩化ビニル系樹脂に、前記アクリル系共重合体よりも平均粒子径の大きな衝撃改質剤を配合してなるものであるので、耐衝撃性と機械的物性に優れるため、硬質塩化ビニル管、管継手、住宅資材などに好適に利用することができる。




 

 


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