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発明の名称 耐熱塩化ビニル系樹脂組成物および成形体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−98126(P2001−98126A)
公開日 平成13年4月10日(2001.4.10)
出願番号 特願平11−280290
出願日 平成11年9月30日(1999.9.30)
代理人
発明者 井上 秀樹 / 奥迫 芳明 / 末永 義伸
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 塩素化塩化ビニル系樹脂を主成分とし、安定剤として有機系安定剤のみを含有する耐熱塩化ビニル系樹脂組成物であって、該組成物から得られる成形体が、JIS K 7111に準拠した23℃でのシャルピー衝撃値が50kg・cm/cm2 以上であり、ASTM D 2837に準拠した90℃での長期内圧クリープ試験において、破壊時間1000時間における破壊応力が5.0MPa以上であることを特徴とする耐熱塩化ビニル系樹脂組成物。
【請求項2】 請求項1記載の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物により成形されることを特徴とする耐熱塩化ビニル系樹脂成形体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱塩化ビニル系樹脂組成物および成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂(以下、PVCともいう)は、通常、水懸濁重合で製造されるため細孔を有する粒子(グレイン粒子)であり、その成形品は機械的強度、耐候性、耐薬品性に優れており、しかも、他のプラスチック材料と比較しても安価なため、給水配管等の多くの用途に使用されている。しかしながら、PVCは熱変形温度が低く、使用可能な上限温度が60〜70℃付近であるため、熱水を流す給湯管等には使用が困難であった。
【0003】そこで、PVCの高温下での耐久性能を向上させるため、PVCを塩素化して耐熱性を向上させた塩素化塩化ビニル樹脂(以下、CPVCともいう)が開発された。これにより、PVC元来の特性である易施工性及び易接着性を有するとともに耐熱性をも有する塩化ビニル系樹脂成形品が製造されるようになった。
【0004】しかしながら、CPVCの成形品は塩素化度が高くなるに従って耐熱性能が向上するものの、耐衝撃性が低下し、搬送中や使用中に割れが発生したり、成形時に樹脂温度を上げないと物性が充分発現しにくくなるという問題があった。
【0005】このような耐衝撃性の問題については、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS)やアクリル系の改質剤を添加することで解決することが可能である。また成形品の物性を充分発現させるためには、一般に、成形樹脂温度や金型温度を上昇させたり、金型内での滞留時間を長くしたりする方法がとられるが、耐熱塩化ビニル系樹脂成形品に、充分な物性を発現させるためには、成形温度をかなり上昇させたり、金型内滞留時間をかなり長くする必要がある。したがって、樹脂が熱履歴を受け分解しやすく、ロングラン性(連続製造性)に問題を生じる場合があった。
【0006】このような問題を解決するためには、耐熱塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性改善が必要となる。当該組成物の主成分である塩素化塩化ビニル系樹脂の熱安定性を改良するため、塩素化温度、塩素化時の圧力、過酸化水素の添加量、添加時期等についてこれまで様々な検討が行われてきたが、塩素化時の条件を最適化するだけでは、充分な熱安定性を確保することができず、上記課題を解決することは困難であった。
【0007】また、安定剤を増量して熱安定性の改良を行うことによりロングラン性は改善されるが、錫系安定剤等の液体の安定剤や使用温度領域で溶融するような有機系の安定剤を使用すると、一方で耐熱性が低下するため高温での長期クリープ性能が劣るという問題があった。
【0008】上記の問題に対しては、大成社発行『改訂新版・プラスチックス配合剤−基礎と応用』48頁にも記載されている様な無機系の安定剤を使用することで、耐熱性を低下させることなく熱安定性を付与することが可能である。しかし、これら無機系の安定剤を使用した場合、特に耐衝撃性等の物性の低下が著しいという問題があった。さらにこの様な場合に、耐衝撃性改質剤を多量に加えることで耐衝撃性は改善されるが、高温での耐久性が著しく低下するという問題が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、耐熱塩化ビニル系樹脂組成物および優れた耐熱性と耐衝撃性とを有する成形体を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物は、塩素化塩化塩化ビニル系樹脂を主成分とし、安定剤として有機系安定剤のみを含有する耐熱塩化ビニル系樹脂組成物であって、該組成物から得られる成形体が、JIS K 7111に準拠した23℃でのシャルピー衝撃値が50kg・cm/cm2 以上であり、ASTM D2837に準拠した90℃での長期内圧クリープ試験において、破壊時間1000時間における破壊応力が5.0MPa以上であることを特徴とする。
【0011】上記耐熱塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体は、JIS K 7111に準拠した23℃でのシャルピー衝撃値が50kg・cm/cm2 以上であることが必要である。上記シャルピー衝撃値が50kg・cm/cm2 未満であると、衝撃により成形体が破壊し、管で使用している場合、高温の流体が流出したり、搬送中や加工中に破壊する可能性がある。
【0012】また、上記耐熱塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体は、ASTM D2837に準拠した90℃での長期内圧クリープ試験において、破壊時間1000時間における破壊応力が5.0MPa以上であることが必要である。上記破壊応力が5.0M Pa未満であると、熱水を流す用途での使用が困難であったり、高温雰囲気下での使用や高温流体の使用時に破壊せずに長期間使用できる信頼性に欠ける。
【0013】上記耐熱塩化ビニル系樹脂組成物は、塩素化塩化ビニル系樹脂(CPVC)を主成分として用いられ、前記CPVCは、塩化ビニル系樹脂(PVC)を塩素化することにより得ることができる。本発明においては、CPVCの耐熱性を向上させるため、塩素化前のPVCの樹脂構造に着目し、熱安定性に優れるCPVCを得ることを可能とした。
【0014】上記CPVCの塩素化前のPVCの表面状態や粒子構造に関し、上記した特性を有する耐熱塩化ビニル系樹脂組成物を得るには、例えば、BET比表面積値が2.0〜12.0m2 /gで、電子分光化学(ESCA)分析による粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子の1s結合エネルギー値(eV)におけるピーク比が0.6を超えるもので、かつ、水銀圧入法による圧力0〜2000kg/cm2 までの範囲の測定細孔容積分布において、0.001〜0.1μmの範囲の空隙容積が全空隙容積中の2〜15容積%であることが好ましい。
【0015】上記PVCのBET比表面積値が2.0m2 /g未満では、PVC粒子内部に0.1μm以下の微細孔が少なくなるため、塩素化が均一になされなくなり、熱安定性が向上しなくなる場合がある。また、ゲル化が遅く、成形加工上好ましくなくなる。一方、BET比表面積値が12.0m2 /gを超えると、塩素化前のPVC粒子自体の熱安定性が低下するため、得られるCPVCの加工性が悪くなる場合がある。
【0016】上記PVCの炭素原子と塩素原子の1s結合エネルギー値(eV)におけるピーク比が0.6以下では、PVC粒子表面に分散剤等の添加剤が吸着していると考えられるため、後工程での塩素化速度が遅くなるだけではなく、得られるCPVCの成形加工性に問題が生じ、また、熱安定性が劣るようになる。より好ましくは、上記ピーク比が0.7を超えるものである。
【0017】なお、上記PVC中の塩素原子と炭素原子のとの存在比は、塩素原子:炭素原子=1:2であり(末端構造、分岐を考慮しないとき)、上記1s結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素原子ピーク×2/炭素原子ピーク)は0〜1の値となる。ピーク比が0の場合は、PVC粒子表面がPVC以外で、かつ、塩素を含まない他の物質により覆われていることを意味し、ピーク比が1の場合は、PVC粒子表面が、完全に塩化ビニル成分のみで覆われていることを意味する。
【0018】上記PVCの測定細孔容積分布において、0.001〜0.1μmの範囲の空隙容積が全空隙容積中の2容積%未満であると、粒子内部の微細孔の割合が少なくなるため成形加工時のゲル化性に劣ることがあり、15容積%を超えると、塩素化時の塩素の拡散がバランスよく行われず、粒子内の塩素含有率分布が大きくなりすぎて熱安定性に劣ることがある。より好ましくは、上記0.001〜0.1μmの範囲の空隙容積が全空隙容積中の2〜15容積%である。
【0019】上記PVCは,塩化ビニル単量体(以下、VCMという)単独,又は,VCM及びVCMと共重合可能な他の単量体の混合物を公知の方法(例えば、懸濁重合、塊状重合等)で重合してなる樹脂である。上記VCMと共重合可能な他の単量体としては特に限定されず、例えば、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステル類、エチレン、プロピレン等のα−モノオレフィン類、塩化ビニリデン、スチレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】上記PVCの平均重合度は特に限定されないが、高すぎると耐熱塩化ビニル系樹脂成形体の平滑性が損なわれることがあり、低すぎると高温下での長期クリープ性に劣ることがあるため700〜1500が好ましい。より好ましくは900〜1100である。上記平均重合度は、JIS K 6721に準拠した方法により測定することができる。
【0021】上記PVCを塩素化する方法としては特に限定されず、従来公知の各種方法で行うことができる。例えば、上記PVCを懸濁した状態、溶剤に溶解した状態、又は固体状態とした後、塩素と接触させること等により行うことができる。
【0022】上記塩素化反応により得られるCPVCの塩素化度は特に限定されるないが、高すぎると耐熱塩化ビニル系樹脂成形体の平滑性やムラの問題、または耐衝撃性の低下が発生し易く、該耐熱塩化ビニル系樹脂成形体を成形する際の成形性に劣ることがあり、低すぎると高温下での長期クリープ性に劣ることがあるため60.0〜72.0重量%が好ましい。より好ましくは65.0〜68.0重量%である。
【0023】上記CPVCの空隙率やBET比表面積は特に限定されないが、CPVCに易ゲル化性を付与することができる点から、空隙率は30〜40容量%が好ましく、BET比表面積は2〜12m2 /gが好ましい。
【0024】本発明の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物においては、前記CPVCを主成分とし、安定剤として有機系安定剤のみを含有するが、前記安定剤として無機系の安定剤を使用した場合、成形時にも完全に溶融しないため、成形体の破壊の起点となり常温での耐衝撃性の低下が著しい。
【0025】上記有機系安定剤としては、特に限定されず、例えば、熱安定剤、熱安定化助剤等が挙げられる。上記熱安定剤としては、例えば、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト等の有機錫系安定剤、ステアリン酸鉛等の鉛系安定剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの熱安定剤のなかでは、本発明の耐熱塩化ビニル系樹脂成形体を給湯用管として用いる場合には、毒性の強い鉛系安定剤等を用いることは好ましくなく錫系安定剤を用いることが好ましい。
【0026】また、上記熱安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、りん酸エステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記安定剤及び安定化助剤の添加量は特に限定されない。
【0027】上記耐熱塩化ビニル系樹脂組成物を成形して成形体を製造する際には、上記有機系安定剤以外に、改質剤、加工助剤、滑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、充填剤、可塑剤等の一般に塩化ビニル系樹脂の成形時に用いられている配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲でCPVCに配合してもよい。
【0028】上記改質剤としては特に限定されず、例えば、シリコン系改質剤、メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS)系改質剤、塩素化ポリエチレン(CPE)系改質剤、アクリル系改質剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記改質剤の添加量は、本発明の耐熱塩化ビニル系樹脂成形体の特性を損なわない範囲であれば特に限定されない。
【0029】上記加工助剤としては特に限定されず、例えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアクリレート/アルキルメタクリレート共重合体等のアクリル系加工助剤等が挙げられる。具体的には、n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記加工助剤の添加量は特に限定されないが、多すぎるとコストアップにつながり、少なすぎると安定して耐熱塩化ビニル系樹脂成形体の平滑性やムラを良好に保ちにくいことから、CPVC100重量部に対して0.1〜5.0重量部が好ましく、0.3〜2.5重量部がより好ましい。
【0030】上記滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤が挙げられる。上記内部滑剤とは、成形加工時の溶融樹脂の流動粘度を低下させ、摩擦発熱を防止する目的で使用されるものであり、具体的には、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】上記外部滑剤とは、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用されるものであり、具体的には、例えば、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス、モンタン酸ワックス等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。
【0033】上記光安定剤としては特に限定されず、例えば、ヒンダードアミン系等が挙げられる。
【0034】上記紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】上記帯電防止剤としては特に限定されず、例えば、カチオン系帯電防止剤、非イオン系帯電防止剤等が挙げられる。
【0036】上記顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フェロシアニン化物系等の無機顔料等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】上記充填剤としては特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ−2―エチルヘキシルフタレート、ジ−2―エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0039】上記した酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、充填材、可塑剤の添加量は、本発明の耐熱塩化ビニル系樹脂成形体の特性を損なわない範囲内であれば特に限定されない。
【0040】本発明の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物を成形する際に用いる成形機としては特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸異方向パラレル押出機、二軸異方向コニカル押出機、二軸同方向押出機等が挙げられる。
【0041】上記成形機を用いて成形するとき、賦形する金型、樹脂温度、成形条件等は、特に限定されない。
【0042】上記樹脂温度は、分解、ロングラン性、物性等に問題のないレベルであれば、高ければ高いほど、成形品の平滑性が良好となるが、熱安定性とロングラン性の点から、成形体の耐熱温度をt℃とすると、〔195+(t−120)/2〕℃〜〔210+(t−120)〕℃が好ましい。
【0043】また、金型先端の温度も特に限定されないが、熱安定性とロングラン性の点から、成形体の耐熱温度をt℃とすると、〔190+(t−120)/2〕℃〜〔220+(t−120)〕℃が好ましい。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0045】(実施例1)〔PVCの調製〕内容積100リットルの重合器(耐圧オートクレーブ)に脱イオン水50kgを入れた後、塩化ビニル単量体に対して、平均ケン化度88モル%及び重合度1000の部分ケン化ポリ酢酸ビニル1200ppmとなる量を懸濁分散剤として投入し、更に、t−ブチルパーオキシネオデカノエート550ppmとなる量を投入した。次いで、重合器内を45mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kgを仕込み、撹拌を開始した。重合器を56℃に昇温して重合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。重合転化率が50%になった時点で反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。得られたPVCの重合度は、1050であった。
【0046】〔CPVCの調製〕内容積300リットルのグラスライニング製耐圧反応槽に、得られた含水PVC200kg(塩化ビニル系樹脂40kgと水性媒体160kgとからなる)を入れ、撹拌してPVCを水中に分散させた。その後、反応槽内を加温して槽内を110℃に保った。次いで、反応槽内に窒素ガスを吹き込み、槽内を窒素ガスで置換した後、反応槽内に塩素ガスを吹き込みPVCの塩素化を行った。反応槽内の塩酸濃度を測定することにより塩素化反応の進行をモニターしながら塩素化反応を続け、生成したCPVCの塩素含有率が66.4重量%に達した時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。更に、反応槽内に窒素ガスを吹き込んで未反応塩素を除去し、得られた樹脂を水酸化ナトリウムで中和した後、水で洗浄し脱水、乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%であった。
【0047】〔配合〕上記CPVC100重量部に対して、表1に示す各種配合剤を添加し、ヘンシェルミキサーで室温から130℃まで昇温しながら混合した後、クーリングミキサーで45℃まで冷却した。
【0048】〔成形〕上記配合粉を用い、以下の押出条件で成形を行った。
押出機:長田製作所社製、SLM50(2軸異方向コニカル押出機)
金型:パイプ用金型、出口部外半径11.66mm、出口部内半径9.4mm、L/D=60/2.3(mm)、樹脂流動面クロムメッキ、3本ブリッジ押出量:25kg/h樹脂温度:200℃(金型入口部での温度)
回転数:20〜25rpm金型温度:D1 190℃、D2 205℃、D3 210℃(先端平行部)
【0049】(実施例2)
〔PVCの調製〕実施例1と同様に行った。
〔CPVCの調製〕得られたCPVCの塩素含有率を67.0重量%とする以外は、実施例1と同様に行った。
〔配合〕表1に示す各種配合剤を用いて、実施例1と同様に行った。
〔成形〕実施例1と同じ押出機及び金型を用い、同じ押出条件で成形を行った。
【0050】(実施例3)
〔PVCの調製〕実施例1と同様に行った。
〔CPVCの調製〕得られたCPVCの塩素含有率を66.0重量%とする以外は、実施例1と同様に行った。
〔配合〕表1に示す各種配合剤を用いて、実施例1と同様に行った。
〔成形〕実施例1と同じ押出機及び金型を用い、同じ押出条件で成形を行った。
【0051】(比較例1)
〔PVCの調製〕実施例1と同様に行った。
〔CPVCの調製〕実施例1と同様に行った。
〔配合〕表1に示す各種配合剤を用いて、実施例1と同様に行った。
〔成形〕実施例1と同じ押出機及び金型を用い、同じ押出条件で成形を行った。
【0052】(比較例2)
〔PVCの調製〕実施例1と同様に行った。
〔CPVCの調製〕得られたCPVCの塩素含有率を67.0重量%とする以外は、実施例1と同様に行った。
〔配合〕表1に示す各種配合剤を用いて、実施例1と同様に行った。
〔成形〕実施例1と同じ押出機及び金型を用い、同じ押出条件で成形を行った。
【0053】〔耐熱塩化ビニル系樹脂成形体の評価方法〕上記実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた耐熱塩化ビニル系樹脂成形体について、シャルピー衝撃値、破壊時間1000時間の破壊応力を以下の評価方法で評価した。結果を表1に示した。
【0054】(1)シャルピー衝撃値JIS K 7111に準拠して、測定温度23℃で測定を行った。
【0055】(2)長期内圧クリープ試験ASTM D 2837に準拠して、90℃の熱水で測定し、破壊時間1000時間の破壊応力を評価した。
【0056】
【表1】

【0057】表1に示したように、実施例1、2及び3の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体は、破壊時間1000時間の破壊応力が5.0MPa以上であるため高温下で長期間使用した際の信頼性が高く また、シャルピー衝撃値が50kg・cm/cm2 以上の優れた耐衝撃性を併せ発揮する。
【0058】表1に示したように、比較例1の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体は、無機系の安定剤を用いているため、耐衝撃性が低く、使用中や移送中に破壊に至る危険性が高い。
【0059】表1に示したように、比較例2の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体は、無機系の安定剤を用いることによる耐衝撃性の低下を補う目的で、改質剤を多めに加えたため、破壊時間1000時間の破壊応力が5.0MPa以下であり、高温下で長期間使用した際の信頼性が低い。
【0060】
【発明の効果】本発明の耐熱塩化ビニル系樹脂組成物は上述の構成からなるため、得られる成形体は優れた耐衝撃性と高温下での高い長期クリープ性とを有する。




 

 


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