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発明の名称 熱可塑性樹脂発泡体及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−98100(P2001−98100A)
公開日 平成13年4月10日(2001.4.10)
出願番号 特願平11−276726
出願日 平成11年9月29日(1999.9.29)
代理人
発明者 舘尾 英治
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 熱可塑性樹脂を発泡させてなる発泡体であって、アスペクト比が30〜5000である繊維状物がその長さ方向を同一方向に指向させた状態で含有されていることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
【請求項2】 熱可塑性樹脂100重量部に対して繊維状物を0.5〜20重量部含有させていることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
【請求項3】 熱可塑性樹脂とアスペクト比が30〜5000である繊維状物と熱分解型発泡剤とからなる発泡性熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給し溶融混練して押出した後、この溶融状態の発泡性熱可塑性樹脂組成物を平均剪断速度15〜3000s-1で金型の樹脂流通路内に通過させて繊維状物をその長さ方向を発泡性熱可塑性樹脂組成物の流れ方向に指向させるとともにシート状に成形し、このシート状発泡性熱可塑性樹脂組成物を加熱、発泡させることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高アスペクト比を有する繊維状物をその長さ方向を同一方向に指向させた状態で含有させることによって機械的強度、耐熱性及び軽量性に優れた自動車内装材や建材等に好適な熱可塑性樹脂発泡体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オレフィン系樹脂発泡体は柔軟性及び断熱性に優れていることから、従来から内貼り材や床下材等の住宅建材、天井、ドア、インストルメントパネル等の車両内装材として広く用いられてきた。
【0003】このようなオレフィン系樹脂発泡体として、特開昭59−75929号公報には、プロピレン系樹脂を主成分とするオレフィン系樹脂発泡体が開示されているものの、耐熱性及び機械的強度の点において不十分なものであった。
【0004】又、特開昭53−33270号公報には、オレフィン系樹脂発泡体の表層部の架橋度を増大させて、表面強度を向上させることが提案されているものの、得られるオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性及び機械的強度は未だ不十分なものであった。
【0005】そこで、耐熱性及び機械的強度を向上させるべく、特開平3−222735号公報には、無機フィラーを含有するシート層をオレフィン系樹脂発泡体の表面に積層一体化させてなるオレフィン系樹脂発泡体が提案されており、該オレフィン系樹脂発泡体は耐熱性及び機械的強度に優れているものの、無機フィラーを含有するシート層を積層していることから、軽量性に欠けるといった問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性(加熱寸法安定性)、機械的強度及び軽量性に優れた熱可塑性樹脂発泡体、並びにその製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、熱可塑性樹脂を発泡させてなる発泡体であって、アスペクト比が30〜5000である繊維状物がその長さ方向を同一方向に指向させた状態で含有されていることを特徴とする。
【0008】上記熱可塑性樹脂としては、従来から発泡体に用いられている熱可塑性樹脂であれば、特に限定されるものではなく、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ四フッ化エチレン等が挙げられる。
【0009】上記熱可塑性樹脂のメルトインデックス(以下、「MI」という)は、大きすぎても、小さすぎても、発泡性が低下するおそれがあるため、0.1〜20g/10分が好ましく、0.2〜15g/10分が更に好ましい。なお、上記熱可塑性樹脂のMIは、JIS K 7210に準拠して測定されたものをいう。
【0010】上記熱可塑性樹脂は、必要に応じて架橋されたものであってもよく、架橋された熱可塑性樹脂を用いることにより、より高い発泡倍率で発泡させることができ、得られる熱可塑性樹脂発泡体の軽量化を図ることができるとともに、熱可塑性樹脂発泡体の耐熱性も向上させることができる。
【0011】上記熱可塑性樹脂の架橋方法については、従来から用いられる方法が用いられ、例えば、電子線等の電離性放射線を照射する放射線架橋法、有機過酸化物を用いた化学架橋法、シラン変性樹脂を用いたシラン架橋法等が挙げられる。
【0012】上記熱可塑性樹脂の架橋度は、高いと、得られる熱可塑性樹脂発泡体の発泡倍率が低下するとともに柔軟性が低下することがあり、又、低いと、得られる熱可塑性樹脂発泡体の耐熱性が低下するとともに、発泡時に発泡セルが破泡して均一なセルを得られないことがあるので、架橋度の指標となるゲル分率が10〜30重量%となるように調整することが好ましく、10〜20重量%がとなるように調整することがより好ましい。
【0013】ここで、本発明においてゲル分率とは、熱可塑性樹脂架橋発泡体をAg秤量し、これを120℃のキシレン中に24時間浸漬し、残差を200メッシュの金網で濾過し、金網上の不溶解分を真空乾燥し、その時の重量を測定し(Bg)、下記式により算出されたものである。
ゲル分率(重量%)=100×B/A【0014】上記熱可塑性樹脂の190℃における伸長粘度は、高いと、伸長応力が高くなりすぎて熱可塑性樹脂の伸びが不足して発泡性が低下して発泡倍率が低下し、得られる熱可塑性樹脂発泡体の軽量性が低下し、又、低いと、発泡時に樹脂の破断が起こり、破泡することがあるので、8000〜30000ポイズが好ましく、10000〜27000ポイズがより好ましく、12000〜25000が最も好ましい。なお、上記熱可塑性樹脂の伸長粘度は、JIS K 7117に準拠して測定されたものである。
【0015】上記繊維状物としては、例えば、綿、麻、ポリエステル、カーボン、ポリアミド、液晶ポリマー等からなる繊維状物が挙げられ、この中でも、液晶ポリマーからなる繊維状物が好ましい。
【0016】上記液晶ポリマーは、その分子構造の特徴により、液晶転移点以上の温度で伸長流動力を与えると、容易に流動方向に配向する。この性質を利用して液晶ポリマーからなる繊維状物を作製する。即ち、液晶ポリマーと、該液晶ポリマーの液晶転移点以下の融点を有する熱可塑性樹脂とからなる熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給し、上記液晶ポリマーの液晶転移点以上の温度で溶融混練した後、該混練物に伸長押力を付与しつつ押出すと、マトリクスとなる熱可塑性樹脂中で液晶ポリマーが繊維状に自ら変化し、液晶ポリマーからなる繊維状物を得ることができる。なお、液晶転移温度は、液晶ポリマーが固体状態から液晶状態に転移する温度をいう。
【0017】上記作製過程において、液晶ポリマーをマトリクスとなる熱可塑性樹脂中で繊維状物に変化させるのに必要な、上記熱可塑性樹脂組成物に作用させる見かけの伸長速度は、遅くても、速くても、熱可塑性樹脂組成物中の液晶ポリマーが繊維状物に変化し難くなるので、1×10-1〜1×103 -1とすることが好ましく、3×10-1〜1×102 -1が更に好ましい。
【0018】上記液晶ポリマーの具体的な例としては、熱可塑性樹脂の溶融温度よりも液晶転移温度が高いものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、全芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル等の熱可塑性液晶ポリエステルや熱可塑性ポリアミド等が挙げられ、具体的には、商品名ベクトラ(ポリプラスチック社製)、住化スーパー(住友化学社製)、ザイダー(日本石油化学社製)、ロッドラン(ユニチカ社製)等の商品名で市販されている全芳香族ポリエステル系液晶ポリマーや半芳香族ポリエステル系液晶ポリマーを挙げることができる。
【0019】上記繊維状物のアスペクト比は、大きいと、マトリクスとなる熱可塑性樹脂の発泡性が低下することがあり、又、小さいと、熱可塑性樹脂発泡体を補強する効果が発揮されないことがあるので、30〜5000が好ましく、50〜4000がより好ましく、100〜3000が最も好ましい。
【0020】従って、上記繊維状物としては、アスペクト比が30〜5000で且つ液晶ポリマーから形成された繊維状物が好ましく、アスペクト比が50〜4000で且つ液晶ポリマーから形成された繊維状物がより好ましく、アスペクト比が100〜3000で且つ液晶ポリマーから形成された繊維状物が最も好ましい。
【0021】上記のような高アスペクト比の繊維状物としては、市販の繊維状物を裁断したものを用いてもよく、又、このような裁断された繊維状物を熱可塑性樹脂と複合化したものであってもよい。
【0022】上記繊維状物の熱可塑性樹脂発泡体中における添加量は、多いと、熱可塑性樹脂の発泡性が低下して所望の発泡倍率を有する熱可塑性樹脂発泡体が得られないことがあり、又、少ないと、得られる熱可塑性樹脂発泡体の耐熱性や機械的強度が低下することがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部が好ましく、1〜12重量部がより好ましい。
【0023】そして、上記繊維状物は熱可塑性樹脂発泡体中においてその長さ方向を同一方向に指向させた状態で含有されている。このように繊維状物をその長さ方向を同一方向に指向させた状態で含有させることによって、熱可塑性樹脂発泡体の機械的強度を向上させることができるとともに、耐熱性、即ち、高温における寸法安定性(加熱寸法安定性)を向上させることができる。
【0024】しかも、上記繊維状物はその長さ方向を同一方向に指向させた状態で含有されていることから、熱可塑性樹脂発泡体中の上記繊維状物の含有量を減少させつつも熱可塑性樹脂発泡体に所望の機械的強度と耐熱性を付与することができ、よって、熱可塑性樹脂発泡体の軽量化を図ることができる。
【0025】次に、熱可塑性樹脂発泡体の製造方法を説明する。先ず、上記熱可塑性樹脂とアスペクト比が30〜5000である上記繊維状物と後述する熱分解型発泡剤とからなる発泡性熱可塑性樹脂組成物を押出機に供給し溶融混練して押出す。
【0026】上記熱分解型発泡剤は、熱可塑性樹脂の融点よりも高い分解温度を有するものであれば、特に限定されず、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アジド化合物、ほう水素化ナトリウム等の無機系熱分解型発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジロ、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン等の有機系熱分解型発泡剤が挙げられ、分解速度や分解温度の調整が容易であり、ガス発生量が多く、衛生的に優れていることから、アゾジカルボンアミドを用いることが好ましい。
【0027】上記熱分解型発泡剤の添加量は、多いと、発泡時の発泡圧力が熱可塑性樹脂の伸長応力を越えてセルが破泡し、高強度の熱可塑性樹脂発泡体が得られないことがあり、又、少ないと、発泡が不十分となり良好な発泡セル構造を形成しないことがあるので、熱可塑性樹脂及び繊維状物の合計100重量部に対して1〜20重量部が好ましい。
【0028】上記発泡性熱可塑性樹脂組成物には、物性を損なわない範囲内で、2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系、ジラウリルチオプロピオネート等の硫黄系、リン系、アミン系の酸化防止剤、安定剤、顔料等を含有させてもよい。
【0029】上記発泡性熱可塑性樹脂組成物を溶融混練するために用いられる押出機としては、繊維状物と熱分解型発泡剤とを熱可塑性樹脂中に均一に分散させることができれば、特に限定されるものではなく、一軸押出機や二軸押出機の何れであってもよいが、発泡性熱可塑性樹脂組成物の混練度及び発泡安定性を向上させるために二軸押出機を用いるのが好ましい。
【0030】そして、上記押出機に供給、溶融混練されて熱可塑性樹脂中に繊維状物が均一に分散された状態に押出された溶融状態の発泡性熱可塑性樹脂組成物は、続いて、平均剪断速度15〜3000s-1で金型の樹脂流通路内を通過させられ、該発泡性熱可塑性樹脂中の繊維状物を発泡性熱可塑性樹脂組成物の流れ方向に配向させられるとともにシート状に成形される。
【0031】上記金型は、発泡性熱可塑性樹脂組成物のシート状への成形に従来から用いられている金型が用いられ、例えば、Tダイ等が挙げられる。そして、上記金型の樹脂流通路における樹脂流通方向に対する垂直方向の断面積は、発泡性熱可塑性樹脂組成物の平均剪断速度が上記範囲内となるように調整されている。
【0032】即ち、上記押出機として二軸押出機を用いた場合には、押出機から押出された発泡性熱可塑性樹脂組成物を上記Tダイを用いて押出すことにより、繊維状物をその長さ方向を同一方向に指向させてなるシート状発泡性熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。詳細には、二軸押出機の先端にTダイを取付け、該Tダイから発泡性熱可塑性樹脂組成物を押出した後、このシート状の発泡性熱可塑性樹脂組成物を上下方向に所定間隔を存して対峙させている一対の冷却ロール間に通過させることにより冷却してシート状発泡性熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
【0033】このように、溶融状態の発泡性熱可塑性樹脂組成物を平均剪断速度15〜3000s-1で金型の樹脂流通路内に通過させることによって、該発泡性熱可塑性樹脂組成物中に含有される繊維状物をその長さ方向を発泡性熱可塑性樹脂組成物の流れ方向に指向させた状態で含有させることができる。
【0034】金型の樹脂流通路内における上記発泡性熱可塑性樹脂組成物の平均剪断速度は、大きいと、押出機からの発泡性熱可塑性樹脂組成物の押出時に金型での圧力損失が大きくなり、熱可塑性樹脂の発熱による発泡性熱可塑性樹脂組成物の一次発泡を招いたり、或いは、製造装置に付加がかかって耐久性に問題が生じることがあり、又、小さいと、発泡性熱可塑性樹脂組成物中の繊維状物が二次元的に配向した状態に含有されないので、15〜3000s-1に限定される。
【0035】上記発泡性熱可塑性樹脂組成物の金型の樹脂流通路内における平均剪断速度は、以下の式によって算出されたものをいう。
(平均剪断速度)=4×Q/(B×H2
Q:発泡性熱可塑性樹脂の押出量(cm3 /sec)
B:金型幅(cm)
H:金型のリップ開度(cm)
【0036】なお、上述したように熱可塑性樹脂に電子線架橋やシラン架橋等により架橋処理を施す場合には、上記の如くして発泡性熱可塑性樹脂組成物をシート化する工程において、或いは、この工程の後において、それぞれの架橋方法に応じた処理を行なえばよい。
【0037】そして、上記の如くして得られたシート状発泡性熱可塑性樹脂組成物を従来から用いられている公知な手段を用いて熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱、発泡させることによって熱可塑性樹脂発泡体を得ることができる。
【0038】このようにして得られた熱可塑性樹脂発泡体は、繊維状物がその長さ方向を同一方向に指向させた状態に分散、含有されてなるが、この繊維状物の分散状態の確認は走査型電子顕微鏡(SEM)により行なうことができる。
【0039】具体的には、先ず、熱可塑性樹脂発泡体を液体窒素等を用いて冷凍した後に破断し、この破断面を金属蒸着した上で走査型電子顕微鏡を用いて観察することによって熱可塑性樹脂発泡体中の繊維状物の配向状態を確認することができる。なお、上記金属蒸着に用いられる金属としては、導電性に優れた金を用いることが好ましい。
【0040】即ち、上記熱可塑性樹脂発泡体をこれを得るために発泡させたシート状発泡性熱可塑性樹脂組成物の押出方向に対して垂直な方向に破断した破断面と平行な方向に破断した破断面とを比較、観察し、垂直な方向に破断した破断面から繊維状物が突出した状態となっている一方、平行な方向に破断した破断面からは繊維状物が殆ど突出していない状態であれば、上記繊維状物は熱可塑性樹脂発泡体中においてその長さ方向を同一方向に指向させた状態で含有されていることが確認できる。
【0041】
【作用】本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、アスペクト比が30〜5000といった高アスペクト比の繊維状物がその長さ方向を同一方向に指向させた状態で含有されており、優れた機械的強度及び耐熱性を有し、特に、優れた耐熱性を有することから高温時における寸法安定性(加熱寸法安定性)にも優れている。
【0042】そして、高アスペクト比の繊維状物をその長さ方向を同一方向に指向させた状態で含有させていることから、熱可塑性樹脂発泡体に所望の機械的強度及び耐熱性を付与するに際しても少量の繊維状物の添加で十分であり、よって、熱可塑性樹脂発泡体は優れた軽量性を有する。
【0043】更に、熱可塑性樹脂発泡体をシート状に形成するとともに、繊維状物をその長さ方向を該熱可塑性樹脂発泡体の厚み方向に対して垂直方向に且つその長さ方向を同一方向に指向させた状態で含有させている場合には、この熱可塑性樹脂発泡体をスタンピング成形や真空成形に供するために加熱したときにあっても、該熱可塑性樹脂発泡体が下方に向かって垂下するといった不測の事態は発生せず、よって、表面に皺のない表面性に優れた成形品を得ることができる。
【0044】又、本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法によれば、一工程によってアスペクト比が30〜5000といった高アスペクト比の繊維状物がその長さ方向を同一方向に指向させた状態で含有されたシート状の発泡性熱可塑性樹脂組成物を簡単に且つ確実に得ることができ、このシート状の発泡性熱可塑性樹脂組成物を公知の方法で加熱、発泡させることにより、機械的強度、耐熱性及び軽量性に優れた熱可塑性樹脂発泡体を簡単に且つ確実に得ることができる。
【0045】
【実施例】(実施例1)ポリプロピレン(融点=150℃、MI=2.0g/10分、密度=0.90g/cm3 )100重量部、炭素繊維(呉羽化学工業社製 商品名「クレハカーボンファイバーチョップC−106F」、平均繊維長=6.0mm、平均繊維径=10.5μm、アスペクト比=571、密度=1.63g/cm3 )5重量部、アゾジカルボンアミド10重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部、ジラウリルチオプロピオネート0.3重量部及びトリメチロールプロパンメタクリレート3重量部からなる発泡性熱可塑性樹脂組成物を二軸押出機に供給して樹脂温180℃で溶融混練して押出量37cm3 /secで押し出し、続いて、この溶融状態の発泡性熱可塑性樹脂組成物を上記二軸押出機の先端に取付けたTダイに供給し、Tダイの樹脂流通路の吐出開口部からシート状発泡性熱可塑性樹脂を押出した後、このシート状発泡性熱可塑性樹脂をTダイの下流側に配設され且つクリアランス1.5mmで上下方向に離間した状態に対峙した直径200mmの三連対向ロール間に供給して冷却し、厚みが1.5mmのシート状発泡性熱可塑性樹脂組成物を得た。なお、Tダイは、その幅が600mmであるとともにそのリップ開度が3mmであった。又、Tダイの樹脂流通路の入口温度は180℃とした。
【0046】そして、上記シート状発泡性熱可塑性樹脂組成物の両面に800kvの加速電圧で照射量2.5Mradとなるように電子線を照射した後、270℃に温度調整された加熱炉内に供給して、アゾジカルボンアミドを分解させてシート状発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させて、厚みが3mmの熱可塑性樹脂発泡体を得た。
【0047】(実施例2)ポリプロピレン(三菱化学社製 商品名「EA9」、MI=0.5g/10分密度=0.9g/cm3 )80重量部と液晶ポリマー(ポリプラスチック社製商品名「ベクトラA950、液晶転移温度=280℃)20重量部とを二軸押出機に供給して樹脂温290℃で溶融混練し、直径3mmのストランドダイから押出し、水冷して、ペレタイザーでペレット化することにより、ポリプロピレン中に液晶ポリマーからなる繊維状物が分散してなる複合ペレットを得た。
【0048】得られた複合ペレットを120℃のキシレン中に24時間浸漬してポリプロピレンのみを溶出させて、液晶ポリマーからなる繊維状物を取出した。この繊維状物をSEMにより観察したところ、アスペクト比が1000(平均繊維径=3μm、平均繊維長=3mm)であった。
【0049】そして、炭素繊維の代わりに、上記液晶ポリマーからなる繊維状物を用いた以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂発泡体を得た。
【0050】(実施例3)液晶ポリマーからなる繊維状物を10重量部とした以外は実施例2と同様にして熱可塑性樹脂発泡体を得た。
【0051】(比較例1)二軸押出機の押出量を14.8cm3 /secとした以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂発泡体を得た。なお、得られた熱可塑性樹脂発泡体を観察したところ、炭素繊維はその長さを同一方向に指向させた状態とはなっていなかった。
【0052】(比較例2)二軸押出機の押出量を92.6cm3 /secとするとともに、Tダイのリップ開度を0.4mmとしたこと以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂発泡体を製造しようとしたが、発泡性熱可塑性樹脂が一次発泡してしまい熱可塑性樹脂発泡体を得ることができなかった。
【0053】(比較例3)炭素繊維を25重量部とした以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂発泡体を得た。なお、シート状発泡性熱可塑性樹脂組成物の発泡性が損なわれて所望の発泡倍率を有する熱可塑性樹脂発泡体が得られなかった。
【0054】(比較例4)炭素繊維を0.4重量部とした以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂発泡体を得た。
【0055】(比較例5)炭素繊維として、アスペクト比が10である炭素繊維(ドナック社製 商品名「ドナカーボ・Sミルド、品番;S−341」、平均繊維径=18μm、平均繊維長=0.18mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂発泡体を得た。
【0056】(比較例6)炭素繊維として、アスペクト比が6897である炭素繊維(呉羽化学社製 商品名「クレハカーボンファイバーチョップ、品番;C−199T」、平均繊維径=14.5μm、平均繊維長=100mm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂発泡体を得た。なお、シート状発泡性熱可塑性樹脂組成物の発泡性が損なわれて所望の発泡倍率を有する熱可塑性樹脂発泡体が得られなかった。
【0057】上記の如くして得られた熱可塑性樹脂発泡体の曲げ応力及び加熱寸法変化率を以下の方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0058】(曲げ応力)熱可塑性樹脂発泡体の曲げ応力をJIS K7221に準拠して測定した。
【0059】(加熱寸法変化率)熱可塑性樹脂発泡体の加熱寸法変化率をJIS K6767に準拠して測定した。
【0060】
【表1】

【0061】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂発泡体は上記の如き構成を有するので、優れた機械的強度、耐熱性及び軽量性を有する。又、本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法によれば、特別な工程を経ることなく、簡単な工程でもって上記の如き優れた機械的強度、耐熱性及び軽量性を有する熱可塑性樹脂発泡体を得ることができる。




 

 


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