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発明の名称 塩化ビニル樹脂複合材料及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−55476(P2001−55476A)
公開日 平成13年2月27日(2001.2.27)
出願番号 特願平11−231601
出願日 平成11年8月18日(1999.8.18)
代理人
発明者 植田 直樹 / 岩佐 航一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 塩化ビニル樹脂、層状珪酸塩及び可塑剤を含有し、層状珪酸塩が微細に分散されていることを特徴とする塩化ビニル樹脂複合材料。
【請求項2】 塩化ビニル樹脂100重量部、層状珪酸塩0.1〜50重量部及び可塑剤20〜100重量部を含有していることを特徴とする請求項1記載の 塩化ビニル樹脂複合材料。
【請求項3】 塩化ビニル樹脂100重量部、有機化層状珪酸塩0.1〜50重量部及び可塑剤20〜100重量部を含有していることを特徴とする請求項1または2記載の 塩化ビニル樹脂複合材料。
【請求項4】 層状珪酸塩と可塑剤とを混合し、前記混合物と塩化ビニル樹脂とを混合することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の塩化ビニル樹脂複合材料の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル樹脂複合材料に関し、詳しくは、可塑剤の耐ブリードアウト性が良く、強度と柔軟性のバランスのとれた塩化ビニル樹脂複合材料に関する。更に、本発明は、塩化ビニル樹脂複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル樹脂は、揮発性の低い可塑剤を添加して、成形加工性を改善したり、物理的性質を改良することが広く行われている。しかし、可塑剤を添加することで、一般的に力学的強度が著しく低下し、強度と柔軟性を両立させた軟質系材料を得ることは困難であった。更に、可塑剤がブリードアウトし易いために、表面が汚れたり、印刷性が悪くなる等の問題を包含していた。
【0003】一方、層状珪酸塩は、厚さが約1nmの微細な薄片状結晶がイオン結合により凝集してなる無機鉱物であり、この凝集構造を化学的または物理的な手段により離砕し、有機ポリマー中に薄片を微細に分散させることで、ポリマー材料の機械的性質、熱的特性、ガスバリヤー性等の性質を改善できることが、従来より知られている。
【0004】一般に、層状珪酸塩を有機ポリマー中に均一分散させる為には、薄片間のイオン相互作用を出来るだけ小さくせしめ、ポリマー中に容易に分散させる為の手段を講じる必要がある。例えば、特公平8‐22946号公報においては,アミノカルボン酸を層状珪酸塩にインターカレート(intercalate )することで層間の間隔を予め拡げておき、次いでポリアミドのモノマーであるε‐カプロラクタムを層間に挿入させると同時に重縮合させることによりポリアミド樹脂中に層状珪酸塩の薄片を均一に分散させた構造を形成する方法が開示されている。しかし、この方法はポリアミド樹脂には有効であるが、この方法で塩化ビニル樹脂に層状珪酸塩を均一に分散させることは一般に極めて困難である。
【0005】この問題を解決するために、種々の方法が提示されている。例えば、特開平8‐302025号公報には、層状化合物に有機カチオンを接触させる工程と、その接触させた層状化合物を有機溶媒(特に、芳香族系溶媒)で膨潤化する工程と、その膨潤化した層状化合物をエラストマーと混練する工程とからなる無機質フィラー含有エラストマーの製造方法が開示されている。特開平9‐48856号公報には、有機化層状珪酸塩を溶媒で膨潤分散させた有機分散液とビニル系高分子化合物を融解状態で混合することにより層状珪酸塩をポリマー中に分散させる方法が開示されている。特開平10‐182892号公報には、有機化層状珪酸塩と、0. 001mmol/g 以上、かつ、0. 45mmol/g 以下の水素結合性官能基を含有するポリオレフィンオリゴマー、およびポリオレフィンポリマーを溶融混練することにより、層状珪酸塩がポリマー中で無限膨潤したポリオレフィン系樹脂−層状珪酸塩複合材料を調製することが出来ることが開示されている。
【0006】しかしながら,特開平8‐302025号公報、特開平9‐48856号公報、に記載の方法では、最終製品には不必要な溶媒を使用するため、溶媒除去工程が必須となる。有機化層状珪酸塩の層間に取り込まれた溶媒を完全除去するのは、非常に困難で、工業的側面からは必ずしも実際的でない。また、溶媒の除去が不十分で溶媒が残存した場合には、力学的強度の向上も期待通りには得られず、更に、長期間に渡る臭気の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】更に、本出願の発明者らによれば、特開平10‐182892号公報に記載の方法では、層状珪酸塩の結晶薄片をポリマー中に均一に分散させた材料を工業材料として使用することは極めて困難であることがわかった。すなわち、オリゴマー中の官能基と層状珪酸塩表面の水酸基とを溶融混練中に反応させる為、必ずしも層状珪酸塩の水酸基がオリゴマー中の官能基により効率的に処理されず、実際に層状珪酸塩の均一分散を達成する為には多量のオリゴマーが必要となってしまう。このようなオリゴマー成分がポリマー中に多量に含有されることは、物性およびコストの点からも好ましくない。又、層状珪酸塩を微分散化して得られる、所謂ナノコンポジットは、ポリアミド、ポリオレフィン等の基本的に可塑剤を含まない硬質系の材料には適応されているが、可塑剤を含有する軟質系組成物のナノコンポジットは知られていなかった。
【0008】本発明は上記従来技術の課題を解決し、塩化ビニル樹脂に層状珪酸塩を微細に分散させた、可塑剤の耐ブリードアウト性が良く、強度と柔軟性のバランスのとれた塩化ビニル樹脂複合材料を提供しようとするものである。更に、本発明は、溶剤の除去等の工程を必要としない、塩化ビニル樹脂に層状珪酸塩を微細に分散させた塩化ビニル樹脂複合材料の容易な製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明は、塩化ビニル樹脂、層状珪酸塩及び可塑剤を含有し、層状珪酸塩が微細に分散されていることを特徴とする塩化ビニル樹脂複合材料である。
【0010】請求項2記載の本発明は、塩化ビニル樹脂100重量部、層状珪酸塩0.1〜50重量部及び可塑剤20〜100重量部を含有していることを特徴とする請求項1記載の 塩化ビニル樹脂複合材料である。
【0011】請求項3記載の本発明は、塩化ビニル樹脂100重量部、有機化層状珪酸塩0.1〜50重量部及び可塑剤20〜100重量部を含有していることを特徴とする請求項1または2記載の塩化ビニル樹脂複合材料である。
【0012】請求項4記載の本発明は、層状珪酸塩と可塑剤とを混合し、前記混合物と塩化ビニル樹脂とを混合することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の塩化ビニル樹脂複合材料の製造方法である。
【0013】本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂としては特に限定されず、例えば、塩化ビニルのホモポリマー、塩化ビニルと共重合可能なモノマーとの共重合体等が挙げられる。上記塩化ビニルと共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、イソプロピルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体類、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド類、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体等が挙げられる。これらは単独でも2種以上併用しても良い。また、上記塩化ビニル樹脂が更に塩素化されたものであっても良い。
【0014】上記塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルと共重合可能なモノマーの含有量は、目的に応じて適宜使用されるが、20重量%以下が好ましい。含有量が20重量%を越えると、塩化ビニル樹脂が持つ本来の特性を失ってしまう。塩化ビニル樹脂の重合度は特に限定されないが、好ましくは400〜4000であり、より好ましくは500〜1800である。重合度が400未満であると、耐久性に劣り、重合度が4000を越えると、成形性が悪くなる。
【0015】塩化ビニル樹脂の重合法は特に限定されず、例えば、懸濁重合法,乳化重合法,溶液重合法等が挙げられるが、一般的には、懸濁重合法が用いられる。懸濁重合法には、分散剤、重合開始剤等が用いられる。
【0016】上記分散剤としては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール及びその部分ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン、無水マレイン酸‐スチレン共重合体等が挙げられる。これらは単独でも2種以上併用しても良い。
【0017】開始剤としては特に限定されず、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート等の有機パーオキサイド類;2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。また、必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤、連鎖移動剤等が添加されても良い。
【0018】懸濁重合法としては、例えば、以下の方法が用いられる。すなわち、ジャケット及び撹拌機付きの重合器にイオン交換水、分散剤、重合開始剤、を仕込み、真空により重合器内から空気を排除した後、塩化ビニルモノマーを重合器内に導入する。ジャケットにより昇温し、所望の重合温度で、重合を開始させる。反応終了後、残存モノマーを重合器外に排出しスラリーを得、更に、脱水機で脱水した後に乾燥して、複合塩化ビニル系樹脂組成物がえられる。
【0019】本発明に用いる層状珪酸塩とは、層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を指す。層状珪酸塩の種類は特に限定されるものではないが、モンモリロナイト,サポナイト,ヘクトライト,バイデライト,スティブンサイト,ノントロナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物のほか,バーミキュライト,ハロイサイト,又は膨潤性マイカなどがあり,天然のものでも合成されたものでも好ましく用いることが出来る。
【0020】本発明に用いられる層状珪酸塩の形状としては、平均長さが0. 01〜3μm、厚さが0. 001〜1μm、アスペクト比が20〜500の物が好ましく用いられ、より好適には平均長さが0. 05〜2μm、厚さが0. 01〜0. 5μm、アスペクト比が50〜200の物が用いられる。
【0021】層状珪酸塩はそのまま使用しても良いし、前もって処理された有機化層状珪酸塩を使用しても良いが、請求項4記載の如く有機化層状珪酸塩を使用するのがより好ましい。
【0022】本発明で用いられる有機化層状珪酸塩とは、層状珪酸塩の層間がカチオン系界面活性剤にて有機化処理されてなる層状珪酸塩であり、有機化されていない層状珪酸塩よりも樹脂中に細分散されやすいのでより好適に用いられる。
【0023】カチオン系界面活性剤としては、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられ、好ましくは炭素数8以上のアルキル鎖を有する4級アンモニウム塩が用いられる。炭素数が8以上のアルキル鎖を含有しない場合には,アルキルアンモニウムイオンの親水性が強く、層状珪酸塩の層間を十分に非極性化することが出来ない。炭素数8以上のアルキル鎖を有する4級アンモニウム塩としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0024】本発明に用いる層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩の陽イオン交換容量は特に限定されるものではないが、50〜200mmol/100gであることが好ましい。50mmol/100g未満の場合には、結晶層間にイオン交換によりインターカレートされる可塑剤、カチオン系界面活性剤の量が少なくなりやすく、結果的に層状珪酸塩又は層状珪酸塩が微細に分散されない場合がある。一方,200mmol/100gを越える場合には,層状珪酸塩の層間の結合力が強固となり,可塑剤及びカチオン系界面活性剤によるインターカレーとが不十分になり、層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩を微細に分散することが困難な場合がある。
【0025】請求項2及び3記載の如く、層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩の添加量は塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましい。0.1重量部未満では、添加量が少なく、所望の物性を十分に発揮するには至らない。50重量部を越えて添加すると、複合材料中に占める樹脂分が少なくなり、耐衝撃性などの物性が低下することがあり好ましくない。より好ましい層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩の添加量は1〜20重量部である。更に好ましくは、1〜10重量部である。
【0026】層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩は、請求項1及び2記載の如く微細に分散されていることが必要である。目視や、走査型電子顕微鏡(SEM)レベルで確認出来る1μm以上の大きさの層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩が多く存在することは、機械強度、特に透明性の上で好ましくない。1μm以上の層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩の量は100μm×100μmあたり100個以下が好ましく、更に好ましくは50個以下である。
【0027】本発明で用いられる可塑剤としては、特に限定されるものではないが、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、リン酸エステル系、グリコールエステル系、エポキシ系等が挙げられ、好ましく用いられる具体例としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシルなどのフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、などのアジピン酸、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪酸エステル系可塑剤、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレン、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸オクチルジフェニル等のリン酸エステル系可塑剤、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル、エポキシ化大豆油などを例示することができる。中でも、フタル酸ジオクチル、エポキシ化大豆油は相溶性、熱安定性の観点から、好適に用いることができる。
【0028】可塑剤の添加量は、請求項2及び3記載の如く、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、20〜100重量部が好ましい。20重量部未満では、層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩を十分に分散するのには不十分である。また、100重量部を越えて可塑剤を添加すると、可塑剤のブリードアウトが生じるため、好ましくない。より好ましい可塑剤の添加量は、25〜70重量部である。また、可塑剤の量は層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩1部に対して、可塑剤の量が0.5部から100部であることが好ましい。
【0029】本発明の塩化ビニル樹脂複合材料を得る方法としては、特に限定されるものではないが、請求項4記載の如く、層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩と可塑剤を予め混合して、層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩の層間隔を十分に膨潤させたものを、樹脂に添加して混練することが特に好ましい。この場合、可塑剤の一部と層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩の全量を一旦混合し、その後更に可塑剤の残量を加えて混合しても良い。
【0030】可塑剤と層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩を混合する装置は、特に限定されないが、遊星式攪拌装置、湿式メカノケミカル装置、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、超音波照射機などが一般的に用いられる。樹脂、可塑剤、層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩の混練に用いられる装置も限定されるものではないが、押出機、プラストグラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール、などを用いることが出来る。特に、連続的に生産するという観点から、押出機を用いることが好ましい。
【0031】本発明に用いる塩化ビニル樹脂複合材料には、必要に応じて、熱安定剤、熱安定化助剤、滑剤、加工助剤、光安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を添加しても良い。安定剤としては特に限定されず、例えば、熱安定剤、熱安定化助剤等が挙げられる。
【0032】熱安定剤としては特に限定されず、例えば、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマー等の有機錫系安定剤、ステアリン酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミウム系安定剤等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上併用して用いても良い。上記安定剤の添加量は、上記複合塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対し、0.2〜20重量部が好ましい。0.2重量部未満であると、成形加工時の熱安定性が不足し、20重量部を超えると、機械強度や耐熱性が低下する。より好ましくは0.5〜10重量部である。熱安定化助剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆油、リン酸エステル等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上併用し用いても良い。
【0033】本発明で使用される滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤等が挙げられる。外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。外部滑剤としては特に限定されず、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、モンタン酸エステル系ワックス等のワックス系;ステアリン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上併用しても良い。 内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂のゲル化を速め、流動粘度を下げ樹脂同志の摩擦発熱を防止する目的で使用される。内部滑剤としては特に限定されず、例えば、ブチルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エポキシ化大豆油、モノグリセライド、ビスアミド等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上併用しても良い。滑剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂組成物100重量部に対し、0.1〜5重量部が好ましい。0.1重量部未満であると、成形加工が困難となり、5重量部を超えると、機械強度や耐熱性が低下する。より好ましくは0.3〜4重量部である。
【0034】加工助剤としては特に限定されず、例えば、平均分子量10万〜500万のメチルメタクリレートを主成分としたアクリル系加工助剤が挙げられる。酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。光安定剤としては特に限定されず、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が挙げられる。
【0035】充填剤としては特に限定されず、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等が挙げられる。顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げられる。
【0036】上記添加剤を上記複合塩化ビニル系樹脂組成物に混合する方法としては、ホットブレンドによる方法でも、コールドブレンドによる方法でもよい。 本発明品を成形する方法としては特に限定されず、上記各成分を、混合粉体やペレットとして、またそれらの混合物として、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー,ニーダーミキサー,ミキシングロール等の混練装置を用いて混練し、従来公知の任意の方法で成形することができる。
【0037】本発明の塩化ビニル樹脂複合材料は、各種樹脂によりいろいろな用途に供する事が出来る。層状珪酸塩又は有機化層状珪酸塩、及び可塑剤との組み合わせからなる塩化ビニル樹脂系複合材料は、軟質塩化ビニル、ゴムとして、農業用ビニルシート、食品用包装材、レザー、フィルム、制振シート、壁紙、チューブ類、塗料、接着剤等の多彩な用途に用いることが出来る。
【0038】(作用)一般に層状珪酸塩が微細に樹脂中に微細に分散すればする程、樹脂−層状珪酸塩複合物の機械的強度やガスバリヤー性、透明性は著しく向上する。層状珪酸塩と樹脂との界面積が、層状珪酸塩の分散の向上に伴い増大することにより説明することができる。即ち、樹脂と無機結晶との界面においてポリマーの分子運動が拘束されることにより、樹脂の弾性率等の力学強度が増大する為、層状珪酸塩の分散度合いが向上する程、効率的に樹脂強度を増大させることができる。更に、透明性の樹脂に層状珪酸塩を添加した場合、分散している層状珪酸塩の大きさが、大きいと光が散乱されて不透明となってしまうが、微細に分散されるほど光の散乱が少なくなって、光が透過しやすくなり透明性が良くなる。
【0039】以上の如く、本発明において最も注目すべきことは,層状珪酸塩を塩化ビニル樹脂中に分散させる際に、可塑剤が層間に侵入することにより、層状珪酸塩を効率的に微細に分散させることが可能であり、かつ、可塑剤を除去する必要がないため、優れた物性の複合材料が簡易に得られることである。更に注目すべき点は、層状珪酸塩を微細に分散させることにより、可塑剤の耐ブリードアウト性が良く、強度と柔軟性を両立させた塩化ビニル樹脂複合材料が得られることである。
【0040】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき本発明の内容を説明する。
実施例1〔評価用サンプル作成方法〕可塑剤(フタル酸ジオクチル)50重量部と有機化モンモリロナイト(サザンクレイ社製、商品名;クロイサイト20A)2重量部を遊星式攪拌装置で1分間混合して、ペースト状の混合物を得た。得られたペースト状混合物52重量と塩化ビニル樹脂(重合度800)100重量部とスズ系安定剤6重量部、ステアリン酸1.6重量部をプラストグラフで、設定温度150℃にて4分間溶融混練した。出来上がったサンプルを160℃に温調した熱プレスにより厚さ1mmのシート状物を得た。
【0041】〔サンプル評価法〕
(引張試験)上記1mm厚のシート状物から試験片を切り出し、JIS K 7113に規定の方法にて、テンシロン試験機を用いて引っ張り試験を行い、弾性率、100%弾性率、破断強度、破断伸びを測定した。結果を表1に示す。
(可塑剤ブリード性)プレスサンプルを23℃、50%RHの部屋に1月間放置後に目視により表面を観察して可塑剤ブリード性を評価した。結果を表1に示す。
○印:表面に可塑剤のブリード無し、表面状態良好。
×印:表面に可塑剤ブリード有り、表面白化している。
【0042】実施例2〜4表1に示した材料、配合割合で、実施例1と同様にして試料を作成し評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】比較例1〔評価用サンプル作成方法〕実施例1において、有機化モンモリロナイトを使用しない以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0044】比較例2表1に示した材料、配合割合で、実施例1と同様にして試料を作成し評価を行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
【発明の効果】本発明の請求項1は塩化ビニル樹脂、層状珪酸塩及び可塑剤からなり、層状珪酸塩が微細に分散されている塩化ビニル樹脂組成物であるので、力学的強度、高弾性率化、可塑剤のブリードアウト性の低減、ガスバリアー性等を著しく向上することが可能である。特に、従来困難であった、柔軟性と強度のバランスを確保することが可能である。
【0047】本発明の請求項2は塩化ビニル樹脂100重量部、層状珪酸塩0.1〜50重量部及び可塑剤20〜100重量部からなり、層状珪酸塩が微細に分散されているので、上記請求項1記載の効果をより確実に奏することができる。
【0048】本発明の請求項3は塩化ビニル樹脂100重量部及び、有機化層状珪酸塩0.1〜50重量部及び可塑剤20〜100重量部からなっているので、上記請求項1及び2の効果をより確実に奏することができる。
【0049】本発明の請求項4は、層状珪酸塩と可塑剤とを混合し、前記混合物と塩化ビニル樹脂と混合する塩化ビニル樹脂複合材料の製造方法であり、層状珪酸塩の微細に分散でき溶剤を除去する必要がないので、請求項1〜3いずれかに記載の塩化ビニル樹脂複合材料を容易に提供することが出来る。




 

 


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