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発明の名称 水処理施設の導水渠
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−29936(P2001−29936A)
公開日 平成13年2月6日(2001.2.6)
出願番号 特願平11−211132
出願日 平成11年7月26日(1999.7.26)
代理人
発明者 大西 国昭 / 池部 達男
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 管路の底部を構成する底壁部と、該底壁部とともに管路を構成する管軸方向に複数の管路構成材とを備え、水処理槽が複数階層に構成された水処理施設の少なくとも下層側の水処理槽への導水部に構築される導水渠であって、前記管路構成材は、底壁部の幅方向端部に位置する側縁部を有しており、底壁部の幅方向両端部には、管路のほぼ全長に亘る長尺の取付ブラケットがそれぞれ設置されており、該取付ブラケットに対して各管路構成材の側縁部が固定されていることを特徴とする水処理施設の導水渠。
【請求項2】 取付ブラケットは、底壁部に固定される基片と管路構成材の側縁部の側面に面接する取付片とを有するアングル材からなることを特徴とする請求項1に記載の水処理施設の導水渠。
【請求項3】 取付片の内側面に管路構成材の側縁部の外側面が面接されていることを特徴とする請求項2に記載の水処理施設の導水渠。
【請求項4】 取付片の外側面に管路構成材の側縁部の内側面が面接されていることを特徴とする請求項2に記載の水処理施設の導水渠。
【請求項5】 管路構成材は、断面逆V字状であって、その外側面は、上方からの落下物の滑落傾斜面となされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水処理施設の導水渠。
【請求項6】 断面逆V字状の管路構成材は、略長方形状の2枚のパネルを連結することで構成されており、各パネルの下側縁部が取付ブラケットに固定され、両パネルの上側縁部は接合金具によって一体的に接合されていることを特徴とする請求項5に記載の水処理施設の導水渠。
【請求項7】 管路構成材は、繊維強化プラスチック発泡体により主構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の水処理施設の導水渠。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理施設などの水処理施設の沈殿槽などの水処理槽へ処理水を導水するための導水渠に関する。
【0002】
【従来の技術】図15に、従来の下水処理施設の一般的な構成を示している。この下水処理施設は、上流側から順に、沈砂池1、ポンプ場2、最初沈殿池3、曝気槽4、最終沈殿池5、消毒設備6、接触タンク7を備えている。また、最初沈殿池3の上流側には処理水流通室8が設けられ、ポンプ場2で汲み上げられた汚水は処理水流通室8を流通した後、該室8の出口に設けられた整流板9を通って最初沈殿池3に流水される。
【0003】各沈殿池3,5内には、チェーン10,11によって上下に回転駆動される多数のフライト板12,13が設けられており、沈殿池3,5の底に沈殿した汚物は、これらフライト板12,13によって掻き寄せられ、沈殿池3,5の上流側に設けられた汚物回収ピット14,15内に落下回収されるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、都市部の人口増等に起因する汚水処理量の増加によって、下水処理施設の増設が必要となることがある。しかし、都市部近郊に新たな下水処理施設を建設するための適切な敷地の確保が困難であるとともに、地価の高騰の煽りをも受け、既存の施設面積で汚水処理量の向上を図っているのが現状である。
【0005】そのために、近年、最初沈殿池、曝気槽及び最終沈殿池を2階層や3階層に構築した複数階層の下水処理施設が施工されつつある。
【0006】かかる複数階層の下水処理施設の沈殿池の構成としては、沈殿物の処理効率の向上や、構造の簡素化による施工コスト低減の観点からは、上下方向に並列的に沈殿槽を設けるとともに、各沈殿槽において沈殿された汚物を1カ所に集めて汲み上げる構成とするのが好ましい。
【0007】しかし、単純に複数階層に構成しつつピットの共用化を図った場合、図15に示すように、上層側の沈殿槽(水処理槽)からピットに向けて落下する汚物が、下層側の沈殿槽へ導入される下水に混入し、効率的な下水の固液分離を行うことができない。
【0008】かかる不具合を解消するためには、下層側の沈殿槽への導水渠(導水管路)をピットの上方空間内に設ければ良いが、かかる導水渠は、深く狭い空間内に足場の悪い状況下で施工せざるを得ない。加えて、典型的な管形状である円管を導水渠として用いた場合には、上層側の沈殿槽から落下される沈殿物が管の外面上部に堆積し易いという問題があるため、現場で複数の管路構成材を組み付けることによって構成される断面三角形状等の異形断面が好ましいと考えられるが、現場施工環境の悪さから、各管路構成材をそれぞれ個別のブラケットを用いて組み付けていたのでは、各管路構成材の接合部を突き合わせることが難しく、施工期間の短縮が図れない。
【0009】そこで、本発明は、複数の管路構成材を組み付けることにより構成される導水渠の現場施工性の向上を図り、施工期間の短縮、更にはコスト低減をも図り得る導水渠を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、次の技術的手段を講じた。
【0011】即ち、本発明は、管路の底部を構成する底壁部と、該底壁部とともに管路を構成する管軸方向に複数の管路構成材とを備え、水処理槽が複数階層に構成された水処理施設の少なくとも下層側の水処理槽の導水部に構築される導水渠であって、前記管路構成材は、底壁部の幅方向両端部に位置する両側縁部を有しており、底壁部の幅方向両端部には、管路のほぼ全長に亘る長尺の取付ブラケットがそれぞれ設置されており、該取付ブラケットに対して各管路構成材の側縁部が固定されていることを特徴とするものである。
【0012】かかる本発明の導水渠によれば、管軸方向に複数の管路構成材によって管路を構成するものであるから、各管路構成材を比較的小さく構成することができ、狭く足場の悪い複数階層の水処理施設の深いところへも比較的容易に管路構成材をクレーンなどを用いて搬入することが可能である。さらに、複数の管路構成材に分割構成したものでありながらも、これら複数の管路構成材を底壁部に設置するための取付ブラケットを管軸方向全長に亘って設け、この一つの取付ブラケットに対して各管路構成材の側縁部を組み付ける構成としているから、施工容易性が極めて良好なものとなり、施工期間の短縮を図ることができる。また、現場での組立作業によって管路を構成し得るものであるから、導水渠の断面構造等の自由度が大きく、例えば断面三角形状などの所望の構造に組み立てることが可能である。
【0013】管路の底壁部を構成する底壁部上に、管軸方向に複数の管路構成材を順次組み付ける導水渠の施工方法としては、まず、底壁部の上面の幅方向両端部に、管路のほぼ全長に亘る長尺のベースアングル材(取付ブラケット)をそれぞれ設置する。このベースアングル材は、少なくとも管路構成材の取付位置決め面を有するものとする。そして、この両ベースアングル材の位置決め面に対して各管路構成材の両側縁部を面接させて位置決めしつつ、管路構成材の各側縁部をベースアングル材に取付固定すればよい。このように一つのベースアングル材に対して複数の管路構成材を位置決めしつつ取り付けることにより、隣接する管路構成材が必然的に面合わせされ、取付作業が容易化する。したがって、複数階層の水処理施設の下層側の水処理槽への導水部に構築するような場合であっても、狭く且つ足場の悪い施工現場で迅速に正確な組立作業を行うことができ、工期短縮を図り得る。
【0014】上記取付ブラケットは、底壁部に固定される基片と管路構成材の側縁部の側面に面接する取付片とを有するアングル材からなるものとすることができる。このようなアングル材は、鋼板材によって構成し得るものであり、好ましくはSUS304等のステンレス鋼により構成し得る。これによれば、簡単な構成でありながらも、管路構成材の取付面を形成することができ、その取付面は管軸方向全長にわたって連続するものとなるから、各管路構成材の組付作業性、組付精度の向上が図られる。
【0015】管路構成材は、上記取付ブラケットの取付片の内面側及び外面側のいずれに取付けても良い。取付片の内側面に管路構成材の側縁部の外側面を面接させる場合には、管路構成材の自重によって、その側縁部が取付片の内側面に押し付けられるようになるから、取付安定性が良好であるとともに、その施工時には管路構成材の両側縁部を取付ブラケット内に嵌め込めば仮止めされるので、組立作業容易性も良好なものとすることが可能である。また、取付片の外側面に管路構成材の側縁部の内側面を面接させることも可能である。
【0016】また、上記管路構成材は、断面逆V字状であって、その外側面が、上方からの落下物の滑落傾斜面となされているものとするのが好ましい。これによれば、構造強度が良好なものとなり長期耐久性の向上を図り得る。さらに、複数階層の水処理施設の下層側の水処理槽への導水部に構築した場合であっても、その上方から浮遊、落下してくる落下物が管路構成材上に堆積することが防止される。
【0017】かかる断面逆V字状の管路構成材は、略長方形状の2枚のパネルを連結することで構成し、各パネルの下側縁部を取付ブラケットに固定し、両パネルの上側縁部を接合金具によって一体的に接合することができる。
【0018】管路構成材は、種々の材料により形成することができるが、好ましくは、繊維強化プラスチック発泡体から主構成されたものとすることができる。これによれば、軽量かつ耐食性に優れるので、施工作業性を良好なものとしつつも、水中における腐食劣化が防止され、耐久性を確保し得る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態として、沈殿地が複数階層に構成された下水処理施設について説明するが、下水処理施設の基本構成は上記従来技術と同様であるので同符号を付して説明を省略する。
【0020】図1〜図3は複数階層の下水処理施設の最初沈殿池3への導水部を簡略示している。この下水処理施設は、上下方向に並列的に設けられた複数の沈殿槽(水処理槽)3a,3bからなる沈殿池3を備えている。この沈殿池3の上部は多数の防臭蓋19によって閉塞されている。なお、図示例では、沈殿槽を2階槽構成としたが、3階以上の多階層に構成しても良い。
【0021】各沈殿槽3a,3bは、仕切壁16によって上下に仕切られており、それぞれの内部に沈殿による固液分離処理を行うべき汚水(処理水)を緩やかな流速で流通させつつ、汚水に含まれる固体や懸濁不純物を各沈殿槽3a,3bの底部に沈殿処理させるためのものである。各沈殿槽3a,3b内には、多数のフライト板12をチェーン10によって上下に回転駆動することにより槽の底部に沈殿した沈殿物を上流端側に掻き寄せる掻き寄せ装置がそれぞれ設けられている。チェーン10は、フライト板12が分速数十cm〜1m程度の速度で巡回するように適宜の駆動手段(図示せず)によって駆動される。
【0022】下層側の沈殿槽3bの上流端部には、上層側の沈殿槽3aから落下される汚物の侵入を防止するために遮蔽壁17が設けられている。この遮蔽壁17は、仕切壁16の上流端部から下方に延設されているが、遮蔽壁17の下部には、下層側の沈殿槽3b内で沈殿された沈殿物をピット14に投下するための開口が設けられている。
【0023】沈殿池3の上流端の底部には、各沈殿槽3a,3bにおいて沈殿した汚物を落下回収するためのピット14が設けられている。このピット14は、沈殿槽3a,3bの幅方向全長に亘る溝状に構成されている。また、ピット14内には、ピット14に集積された汚物を吸引回収するための吸引管18が設けられている。
【0024】上記沈殿槽3a,3b(沈殿池3)の上流側には、浄化処理を行うべき汚水(処理水)が流入される処理水流通室8が配設されている。即ち、処理水流通室8と前記複数の沈殿槽3a,3bとの間で最下層の沈殿槽3bよりも下方に位置するように沈殿物回収ピット14が設けられる位置関係となっている。
【0025】この処理水流通室8の下流側側壁20には、各沈殿槽3a,3bの高さに対応する位置に流水用開口21a,21bがそれぞれ設けられている。
【0026】最上層の沈殿槽3aに対応する開口21aは正面視長方形状であって、この開口21aには、多数の通水孔が形成された整流板22が嵌め込まれている。この整流板22を通過した処理水(汚水)は、上層側の沈殿槽3aに流入され、該沈殿槽3a内で固液分離が行われる。
【0027】また、下層側の沈殿槽3bに対応する開口21bは、正面視三角形状であって、該開口21bは、導水渠23を介して下層側沈殿槽3bに連通されている。即ち、下層側沈殿槽3bの上流端の遮蔽壁17にも、正面視三角形状の開口17bが形成されている。そして、これら開口17b,21bが、本発明の一実施形態に係る導水渠23によって接続されている。
【0028】遮蔽壁17の開口17bには、多数の通水孔が形成された整流板29が嵌め込まれている。なお、導水渠23は、幅方向に複数並設されており、沈殿槽3bの全幅にわたってほぼ均一に汚水を導水し得るようにしている。
【0029】導水渠23(導水管路)は、その上面が管幅全長に亘る傾斜面により構成されるものであり、上層側の沈殿槽3aからピット14に投下される沈殿物が導水渠23の上面に堆積しないようになされている。かかる導水渠23の具体的形状としては、断面3角形状、円弧形状、5角形状等の適宜の構成が考えられ、図示実施例では、断面2等辺三角形状に構成されている。また、図示実施例の導水渠23は、上流側(即ち、処理水流通室8側)から下流側(即ち、沈殿槽3b側)に向けて下方に傾斜されており、沈殿槽3bへの導水が円滑に行われるようにしている。
【0030】また、図示実施例の導水渠23は、管路の底部を構成する底壁部24と、該底壁部24とともに管路を構成する管軸方向に複数の管路構成材25(側壁部)とから断面略二等辺三角形状に構成されている。即ち、各管路構成材25は、断面逆V字状に構成されたものである。図示例では、底壁部24はコンクリート躯体によって構成しているが、管路構成材25と同様の板材によって構成することもできる。また、管路構成材25は、ガラス繊維強化プラスチック発泡体から構成される長方板状の2つのパネル30(板材)を断面逆V字状に連結することで構成されている。そして、この管路構成材25を管軸方向に複数列設することで導水管路を形成している。
【0031】管路構成材25を構成するパネル30としては、例えば硬質の発泡体となる樹脂をガラス長繊維で補強した発泡体(例えば、積水化学工業株式会社製 商品名「エスロンネオランバーFFU」など)を材料として使用すると、ボルトとナット、あるいは接着剤によって各発泡体と骨組み又は発泡体同士を容易に結合することができる。したがって、上記発泡体からなる比較的薄い2枚の板を、同じく上記発泡体からなる縦梁部材並びに横梁部材を介して接合することで各パネル30を構成することができ、より一層の軽量化を図りつつも、強度の確保、耐食性の向上を図りうる。
【0032】硬質の発泡体となる樹脂としては、硬質ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂あるいはエポキシ樹脂などを使用することができる。また、前記の樹脂を補強する繊維としては、ガラス繊維の他に、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維などの無機質繊維や芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維の採用が最も推奨される。繊維の形態は、ヤーン、クロス、ロービング、ロービングクロス、クロスマットなどの長繊維の形態が好適であるが、必要に応じてチップやミドルファイバーなどの短繊維やシラスバルーンなどの中空充填材を併用することもできる。
【0033】導水渠23の組立構造を説明すると、底壁部24の上面の幅方向両端に、管軸方向全長にわたる長尺の取付ブラケット26(ベースアングル)が設置されており、この取付ブラケット26に対して複数の管路構成材25が管軸方向に並設した状態で取付固定されており、各管路構成材25間の隙間、並びに、管路構成材25と各壁面17,20との隙間が、コーキングなどの適宜のシール剤によって水密状にシールされている。
【0034】取付ブラケット26は、底壁部24に固定される基片26aと、管路構成材25の側縁部の側面に面接する取付片26bとを有する断面略V字状の長尺のアングル材からなる。取付片26bは、管路構成材25の側面とほぼ同じ傾斜角度を有している。また、基片26aは、アンカーボルト等の適宜の固定手段によって底壁部24に固定される。また、各管路構成材25の側縁部と取付ブラケット26の取付片26bとの固定は、ボルトナット等の適宜の固定手段によって行い得る。このように、長尺の一つの取付ブラケット26に対して複数の管路構成材25を取付固定するように構成すれば、各管路構成材25の接合部分が必然的に面合わせされるようになり、容易かつ迅速に複数の管路構成材25の設置作業を正確に行い得る。なお、取付ブラケット26の外側面及び内側面のいずれに管路構成材25をセットしても良いが、本実施形態では、内面側に管路構成材25を取付固定している。
【0035】次に、導水渠23の設置作業工程について説明する。まず、図2に示すように取付ブラケット26を底壁部24上面にアンカーボルト等によって設置した後、各管路構成材25を一つずつクレーンで吊り下げて上方空間から底壁部24にまで下ろしていく。なお、管路構成材25の上部には、クレーン吊り下げ金具28を取付けておくが、この金具28は管路構成材25の設置作業完了後に取り外してもよい。そして、この管路構成材25の両側縁部を若干幅方向内方に変形させて左右の取付ブラケット26内に嵌め込み、ボルトナット等によって取付ブラケット26に管路構成材25の側縁部を固定する。
【0036】また、管路構成材25の上端の管軸方向一端部には、図3にも示すように、隣り合う管路構成材25との接続金具27を予め取付けておくのが好ましい。この接続金具27は断面V字状のアングル材であって、隣接する管路構成材25,25の上端部同士を接続するものである。
【0037】すべての管路構成材25の設置作業完了後、各管路構成材25の接合部分、並びに、両端側の管路構成材25と壁面との接合部分などを水密状にシールしておく。かかるシールには、コーキングやその他のシール剤を用いることができる。
【0038】上記複数階層の下水処理施設によれば、上層側の沈殿槽3aにおいて沈殿した汚物は、フライト板によって掻き寄せられてピット14に向けて投下されるが、かかる汚物が下層側の沈殿槽3bに流入することは遮蔽壁17によって防止され、効率的な固液分離を行うことができる。さらに、下層側の沈殿槽3bへ処理汚水を導入するための導水渠23が汚物の投下空間内に存在するが、この導水渠23の上部側を構成する管路構成材25の外側面が滑落傾斜面となされているので、導水渠23上に汚物が堆積することも防止することができる。
【0039】本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。例えば、上記実施形態では下水処理施設を例示したが、上水処理施設その他の水処理施設に本発明を適用可能である。また、導水渠23によって導水される水処理槽は、沈殿槽に限定されるものではなく、各種浄化処理槽などの水処理槽への導水に本発明の導水渠を適用することも可能である。
【0040】
【実施例】以下、本発明の導水渠の具体的実施例について詳細に説明する。
【0041】図4〜図10は第1実施例に係る導水渠を示しており、この導水渠は、管路の底壁部24となるコンクリート躯体と、管軸方向に4つの管路構成材25とを備えている。底壁部24は、上流側から下流側に向けて下方に傾斜されており、この底壁部24の上面の幅方向両端に、取付ブラケット26(ベースアングル)がそれぞれアンカーボルト40によって固定されている(図6、図7参照)。また、導水渠が渡される各壁面17,20にも、管路構成材25の支持取付用のアングル材34が固定されている(図4、図7、図10参照)。該アングル材34は、管路構成材25の設置作業前に、予め各壁面17,20にアンカーボルト等によって固定しておくことで、管路構成材25の設置作業時にその位置決め部材として用いることも可能であり、更なる施工作業性の向上と、構造強度の向上とを図りうる。
【0042】なお、各管路構成材25を構成するパネル30は、図5にも示すように、2枚の繊維強化樹脂発泡体板を、縦横の梁部材によって接合一体化したものとなされている。
【0043】取付ブラケット26は、底壁部24に固定される基片26aと、該基片26aの外端縁から斜め内側上方へ立ち上がる取付片26bとから断面ほぼV字状に構成されたものであって、この取付片26bの内側面に、各管路構成材25の側縁部がボルトナット等によって固定されている。なお、管路構成材25の取付位置を管軸方向に微調整し得るように、取付片26bのボルト挿通孔31は、管軸方向に延びる長孔となされている(図7参照)。また、管路構成材25の側縁部のボルト孔は、梁部材に貫通形成されている。
【0044】隣り合う管路構成材25同士は、管路構成材25の上端部内面に固定された接続金具27によって接続されている。この接続金具27に形成されたボルト挿通孔33も管軸方向に延びる長孔となされており、管路構成材25同士の接合を正確に行いうるようにしている。
【0045】また、すべての管路構成材25にわたる長尺のカバーアングル32が、管路構成材25の頂部に取付固定されている。このカバーアングル32は、管路構成材25を構成する両パネル30の外面に沿う2つの構成片からなり、このカバーアングル32を取付けることで、管路構成材25の頂部に沈殿物が堆積することが防止される。
【0046】図11及び図12は第2実施例に係る導水渠を示しており、上記第1実施例と異なるところは、取付ブラケット26の取付片26bの外側面に、管路構成材25の側縁部を固定しており、また、カバーアングル32の両端を上方から支持する接地金具35が、両壁面17,20に固定されている点であり、その他の構成は同様であるので同符号を付して詳細説明を省略する。
【0047】なお、図13及び図14は、本発明に対する比較例に係る導水渠を示している。この比較例では、各管路構成材25は、底壁部24に対してそれぞれ個別の取付ブラケット36を用いて固定されている。このように、個別のブラケット36を用いて管路構成材25を底壁部24上に設置固定する場合には、個々のブラケット36の取付位置を、管幅方向並びに管軸方向のいずれの方向にも微調整する必要があるが、ブラケット36の底壁部24への固定をアンカーボルトによって行う場合、このアンカー打ち込み位置を正確に決定することが困難である。加えて、狭い空間内で足場の悪い状況で施工を行うことは極めて困難であり、予想以上に施工日数を要する結果となる。
【0048】さらに、施工作業性の悪さによって、各管路構成材25間の隙間も大きくなりがちであり、したがって、図13に示すように、各管路構成材25の接合部分の外面に連結プレート37を取付けて、管路構成材25同士の接合強度の向上と、接合部分のシール性の向上とを図る必要が生じる場合もあり、更なる施工工程の増大を招く結果となる。
【0049】
【発明の効果】本発明の導水渠によれば、複数の管路構成材を組み付けることにより構成される導水渠の現場施工性の向上を図ることができ、狭く足場の悪い作業環境で施工せざるを得ない複数階層の水処理施設の下層側水処理槽への導水部に構築する場合であっても、容易に各管路構成材間の面合わせを行うことができ、正確な組立作業を行えるので、施工期間の短縮、更にはコスト低減をも図ることができる。さらに、複数の管路構成材を組み合わせて管路を構成するものであるから、個々の管路構成材の小型化を図ることができ、狭く深い施工現場への管路構成材の搬入作業性を良好なものとすることができる。
【0050】さらに、管路構成材を断面逆V字状に構成し、その外側面を、上方からの落下物の滑落傾斜面とすれば、例えば固液分離を行うための沈殿槽を複数階層に構成し、これら沈殿槽において沈殿した沈殿物を共通のピットに投下するように構成され、その投下空間内に本発明の導水渠を配設した場合でも、沈殿物が導水渠の外面に沿って円滑に滑落し、導水渠上に沈殿物が堆積することを防止できる。




 

 


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