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発明の名称 エポキシ樹脂の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−64355(P2001−64355A)
公開日 平成13年3月13日(2001.3.13)
出願番号 特願平11−245627
出願日 平成11年8月31日(1999.8.31)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4J036
【Fターム(参考)】
4J036 AA02 AC01 AC02 AC03 AD08 AE05 AE07 AF05 AF08 BA01 
発明者 岡本 敏 / 中島 伸幸
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】多価フェノール類とエピハロヒドリン類とを、アルカリ金属水酸化物の存在下に、系内の水をエピハロヒドリン類と共に留出させながら、反応させてエポキシ樹脂を製造する方法において、該留出物を実質的に系内に戻さないことを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂の製造方法に関する。さらに詳しくは、全塩素含有量の少ない高品質のエポキシ樹脂の製造法に関する。エポキシ樹脂は、封止材料、積層板材料などの電子部品材料をはじめ、複合材料、接着剤材料、塗料材料、等に用いられている。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂の製造方法としては、原料の多価フェノール類とエピハロヒドリン類とを、アルカリ金属水酸化物の存在下に加熱しながら還流条件下に、反応させる方法が知られている。かかる方法に於いては、アルカリ金属水酸化物としてその水溶液が用いられ、また反応により水が生成することから、これらの水分をエピハロヒドリン類と共に留出させ、該留出物を有機層と水層とに分離し、水層を除去し、有機層を系内に戻す方法が取られている(例えば、特開昭63−54417号公報、特公平2−4224号公報、特公平7−59616号公報等)。しかしながら、このような従来のエポキシ樹脂の製造方法を用いた場合、得られるエポキシ樹脂は、品質、特に全塩素含有量の点で満足できるものではなく、電子部品材料、特に高集積度の半導体封止用または積層板用に用いた場合、硬化物の電気絶縁性、低腐食性等が必ずしも十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、全塩素含有量の少ないエポキシ樹脂を製造する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、多価フェノール類とエピハロヒドリン類とを、アルカリ金属水酸化物の存在下に、系内の水をエピハロヒドリン類と共に留出させながら、反応させてエポキシ樹脂を製造する方法において、該留出物を実質的に系内に戻さないことにより、全塩素含有量の少ない高純度のエポキシ樹脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる多価フェノール類としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類やケトン類などのカルボニル化合物との縮合物が挙げられる。フェノール類としては、例えば、フェノール、オルトクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、2−t−ブチルフェノール、2−フェニルフェノール、4−ノニルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、1−メチル−2−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、等が挙げられる。アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらのフェノール類およびカルボニル化合物は、それぞれ、必要に応じ、その2種以上を用いることもできる。
【0006】上記フェノール類とカルボニル化合物との縮合物としては、例えば、フェノールノボラックやクレゾールノボラックなどのノボラック類、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール類、トリス(ヒドロキシフェニル)アルカン類、テトラキス(ヒドロキシフェニル)アルカン類、等が挙げられ、必要に応じ、その2種以上を用いることもできる。
【0007】また、フェノール類とカルボニル化合物との縮合物以外の多価フェノール類としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニルや4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルなどのジヒドロキシビフェニル類、4,4’−ジヒドロキシスチルベンや4,4’−ジヒドロキシ−2,2’,5,5’−テトラメチルスチルベンなどのジヒドロキシスチルベン類、フェノール類とジシクロペンタジエンとの付加物、フルオレン誘導体、フェノールアラルキル樹脂、等が挙げられ、必要に応じ、その2種以上を用いることもできる。
【0008】本発明で用いるエピハロヒドリン類としては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、等が挙げられ、必要に応じ、その2種以上を用いることもできる。中でも、反応性の観点から、エピクロロヒドリンが好ましい。エピハロヒドリン類の使用量は、多価フェノール類のフェノール性水酸基に対して、通常3〜15モル当量、好ましくは5〜10モル当量である。
【0009】本発明の反応には、取り扱い性の観点から、溶媒を用いてもよい。溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、等の非プロトン性極性溶媒;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、等のアルコキシアルコール類;ジエチルエーテル、ジオキサン、等のエーテル類;等が挙げられ、必要に応じ、その2種以上を用いることもできる。中でも、得られるエポキシ樹脂の全塩素含有量低減の観点から、非プロトン性極性溶媒が好ましい。溶媒の使用量は、エピハロヒドリン類100重量部に対して、通常10〜300重量部、好ましくは20〜100重量部である。
【0010】本発明で用いるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等が挙げられ、必要に応じ、その2種以上を用いることもできる。中でも、工業的な入手性の観点から、水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリ金属水酸化物は、通常、固体または5〜50重量%の水溶液として用いられ、容積効率と反応性の観点から、固体または20〜50重量%の水溶液が好ましい。アルカリ金属水酸化物の使用量は、多価フェノール類の水酸基に対して、通常0.8〜1.3モル当量、好ましくは0.9〜1.1モル当量である。
【0011】本発明の反応において、多価フェノール類、エピハロヒドリン類、アルカリ金属水酸化物、および必要に応じて用いる溶媒の添加順序としては、例えば、多価フェノール類、エピハロヒドリン類および溶媒を混合した中に、アルカリ金属水酸化物を連続的にまたは間欠的に添加しても良いし、エピハロヒドリン類および溶媒を混合した中に、アルカリ金属水酸化物と多価フェノール類とを別々にまたは混合して、連続的または間欠的に添加してもよい。
【0012】反応温度は、通常10〜80℃、好ましくは30〜60℃の範囲である。反応時間としては、例えば、多価フェノール類、エピハロヒドリン類および溶媒を混合した中に、アルカリ金属水酸化物を添加する場合、添加時間は、通常0.5〜20時間、好ましくは2〜8時間である。反応圧については、反応液の組成および温度に応じて、反応液が沸騰する様に設定するのが好ましい。
【0013】本発明方法を実施するに際しては、多価フェノール類とエピハロヒドリン類とを、アルカリ金属水酸化物の存在下に、系内の水がエピハロヒドリン類と共に留出する条件下に反応させ、通常、反応槽から発生する水およびエピハロヒドリン類を含む蒸気を、冷却器にて凝縮させ、該凝縮液を受器に受け、該受器内の凝縮液が反応槽に戻らない様にすることにより、該留出物を実質的に系内に戻さないことにより行われる。なお、留出物は、通常、水層と有機層に分離するので、エピハロヒドリン類を含む有機層は、必要に応じて蒸留等で精製し、再使用することができる。
【0014】反応液の後処理方法としては、例えば、以下に示す公知の方法を採用することができる。即ち、反応液を濃縮し、エピハロヒドリン類および溶媒の全部または一部を留去させ、エポキシ樹脂と副生アルカリ塩を含む濃縮液を得る。濃縮は、通常、減圧下、160℃以下の温度で行う。また、濃縮時間は、エピハロヒドリン類やエポキシ樹脂の劣化を防ぐために、短時間であるのが望ましい。エピハロヒドリン類を含む留出液は、必要に応じて蒸留等で精製し、再使用することができる。
【0015】このようにして得られた濃縮液に、通常、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、等の有機溶媒を添加、混合してエポキシ樹脂を溶解し、濾過、水洗等により、副生アルカリ塩、残存溶媒等を除去する等して、エポキシ樹脂の溶液を得、次いで該溶液から蒸留等により、溶媒を除去すれば、エポキシ樹脂を得ることができる。
【0016】また、上記のエポキシ樹脂の溶液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等のアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を添加し、通常50〜90℃の範囲で1〜3時間処理しても良い。アルカリ金属水酸化物の使用量は、反応に用いた多価フェノール類のフェノール性水酸基に対して、通常0.001〜0.2モル当量である。この処理を行うことにより、得られるエポキシ樹脂の全塩素含有量をさらに低減することができる。
【0017】上記処理液を、通常、必要に応じて濾過、水洗等により、副生アルカリ塩、残存溶媒等を除去した後、過剰のアルカリ金属水酸化物をリン酸、炭酸ガス等により中和する。中和の際にさらに生成したアルカリ塩を濾過、水洗等により除去し、得られるエポキシ樹脂の溶液から、蒸留等により溶媒を除去すれば、エポキシ樹脂を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中、反応液中の水分はカールフィッシャー法で測定し、エポキシ樹脂の全塩素含有量は、以下の方法で測定した。
・全塩素含有量:エポキシ樹脂約1gを正確に秤量し、ジメチルスルホキシド30mLに溶解し、1N水酸化カリウム/エタノール溶液5mLを加え、50℃で40分間加熱した時に脱離する塩素イオンを、酢酸酸性下、N/100硝酸銀水溶液で滴定し、エポキシ樹脂中の塩素原子の重量分率(ppm)として表した。
【0019】合成例1温度計、攪拌機、およびディーンスターク水分離器を装着したフラスコを反応容器として用い、これに2−t−ブチル−5−メチルフェノール657g(4モル)、p−ヒドロキシベンズアルデヒド256g(2.1モル)、トルエン1Lおよびp−トルエンスルホン酸一水和物2.6g(0.014モル)を入れ、112〜114℃の範囲で、反応により副時生成した水とトルエンを留出させ、該留出物の有機層を反応系内に戻しながら6時間反応させた。反応液を10%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、油層を水洗後(2回×1L)、減圧下に濃縮し、トルエンおよび未反応原料を留去し、残渣として多価フェノール化合物(2−t−ブチル−5−メチルフェノールとp−ヒドロキシベンズアルデヒドとの縮合物)841gを得た。
【0020】実施例1温度計、滴下漏斗、攪拌機、バッフル、圧力調整器、および揮発成分を留出除去するための冷却管を介して受容器が連結されたト字型管を装着した1lセパラブルフラスコを反応容器として用い、これに合成例1で合成した多価フェノール化合物140g(フェノール性水酸基1モル)、エピクロロヒドリン741g(8モル)およびジメチルスルホキシド278gを入れ、窒素置換し、48℃、43mmHgに調整した。その中へ49%水酸化ナトリウム水溶液78g(0.94モル)を5時間かけて連続的に滴下した。反応終了後、反応液中の水分は1.5%であった。反応液を減圧濃縮して未反応のエピクロロヒドリンを留去した後、残渣にメチルイソブチルケトン457gを添加混合し、該溶液を水洗して副生塩化ナトリウムとジメチルスルホキシドを除去した。次いで、得られたメチルイソブチルケトン溶液に、80℃にて49%水酸化ナトリウム水溶液1g(0.01モル)を添加し、2時間経過後、炭酸ガスを吹き込み中和し、副生ナトリウム塩を濾別した。得られた濾液を減圧下に濃縮し、メチルイソブチルケトンを留去し、残渣としてエポキシ樹脂165gを得た。得られたエポキシ樹脂の全塩素含有量を表1に示す。
【0021】実施例2温度計、攪拌機、バッフル、圧力調整器、および揮発成分を留出除去するための冷却管を介して受容器が連結されたト字型管を装着した1lセパラブルフラスコを反応容器として用い、これに合成例1で合成した多価フェノール化合物140g(フェノール性水酸基1モル)、エピクロロヒドリン741g(8モル)およびジメチルスルホキシド278gを入れ、窒素置換し、48℃、43mmHgに調整した。その中へ固形水酸化ナトリウム38g(0.94モル)を3分割して1時間毎に添加した。反応終了後、反応液中の水分は1.4%であった。反応液を減圧濃縮して未反応のエピクロロヒドリンを留去した後、残渣にメチルイソブチルケトン457gを添加混合し、該溶液を水洗して副生塩化ナトリウムとジメチルスルホキシドを除去した。次いで、得られたメチルイソブチルケトン溶液に、80℃にて49%水酸化ナトリウム水溶液1g(0.01モル)を添加し、2時間経過後、炭酸ガスを吹き込み中和し、副生ナトリウム塩を濾別した。得られた濾液を減圧下に濃縮し、メチルイソブチルケトンを留去し、残渣としてエポキシ樹脂163gを得た。得られたエポキシ樹脂の全塩素含有量を表1に示す。
【0022】実施例3温度計、攪拌機、バッフル、圧力調整器、および揮発成分を留出除去するための冷却管を介して受容器が連結されたト字型管を装着した1lセパラブルフラスコを反応容器として用い、これに合成例1で合成した多価フェノール化合物140g(フェノール性水酸基1モル)、エピクロロヒドリン833g(8モル)およびジプロピレングリコールモノメチルエーテル416gを入れ、窒素置換し、60℃、83mmHgに調整した。その中へ固形水酸化ナトリウム38g(0.94モル)を3分割して1時間毎に添加した。反応終了後、反応液中の水分は0.6%であった。反応液を減圧濃縮して未反応のエピクロロヒドリンを留去た後、残渣にメチルイソブチルケトン656gを添加混合し、該溶液を水洗して副生塩化ナトリウムを除去した。次いで、得られたメチルイソブチルケトン溶液に、80℃にて49%水酸化ナトリウム水溶液4g(0.05モル)を添加し、2時間経過後、炭酸ガスを吹き込み中和し、副生ナトリウム塩を濾別した。得られた濾液を減圧下に濃縮し、メチルイソブチルケトンを留去し、残渣としてエポキシ樹脂176gを得た。得られたエポキシ樹脂の全塩素含有量を表1に示す。
【0023】比較例1実施例1において、冷却管を介して受容器が連結されたト字型管に代えて、ディーンスターク水分離器様の器具を装着し、該分離器に留出される揮発成分の中の有機層を反応系内に戻しながら反応を行った以外は、実施例1と同様の方法で行い、エポキシ樹脂163gを得た。得られたエポキシ樹脂の全塩素含有量を表1に示す。なお、反応終了後、反応液中の水分は1.9%であった。
【0024】比較例2実施例2において、冷却管を介して受容器が連結されたト字型管に代えて、ディーンスターク水分離器様の器具を装着し、該分離器に留出される揮発成分の中の有機層を反応系内に戻しながら反応を行った以外は、実施例2と同様の方法で行い、エポキシ樹脂161gを得た。得られたエポキシ樹脂の全塩素含有量を表1に示す。なお、反応終了後、反応液中の水分は1.9%であった。
【0025】比較例3実施例3において、冷却管を介して受容器が連結されたト字型管に代えて、ディーンスターク水分離器様の器具を装着し、該分離器に留出される揮発成分の中の有機層を反応系内に戻しながら反応を行った以外は、実施例3と同様の方法で行い、エポキシ樹脂172gを得た。得られたエポキシ樹脂の全塩素含有量を表1に示す。なお、反応終了後、反応液中の水分は0.8%であった。
【0026】
【表1】

【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来より全塩素含有量の低減されたエポキシ樹脂を得ることができる。得られたエポキシ樹脂は、高品質のエポキシ樹脂として、電子部品材料用に、特に高集積度の半導体封止用または積層板用に好適に用いられる。




 

 


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