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発明の名称 透光性アルミナ焼結体およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−64075(P2001−64075A)
公開日 平成13年3月13日(2001.3.13)
出願番号 特願平11−243125
出願日 平成11年8月30日(1999.8.30)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4C059
4G030
【Fターム(参考)】
4C059 GG04 
4G030 AA01 AA05 AA07 AA11 AA15 AA36 BA15 BA33 BA35 CA04 GA11 GA13 GA15 GA16 GA17 GA18 GA19 GA24 GA27 GA28
発明者 渡邊 尚 / 内田 義男
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総含有量が50ppm以下である、厚み0.85mmにおける600nmの波長光の直線透過率が40%以上の透光性アルミナ焼結体。
【請求項2】アルミナ焼結体の結晶組織の平均粒径が5μm以上50μm以下であり、結晶組織中の最大組織の粒径が、平均粒径の1.5倍以下である請求項1の透光性アルミナ焼結体【請求項3】実質的に破砕面を有さない、多面体一次粒子からなるBET比表面積1〜15m2/gの純度99.99%以上のαアルミナ粉末に、焼結助剤を添加した混合粉末を、成形し、常圧から真空までの還元雰囲気の条件下で1700〜1900℃の範囲で焼結することによって得られる、請求項1または2記載の透光性アルミナ焼結体の製造方法【請求項4】焼結助剤がマグネシウム化合物であり、その添加量がアルミナ総量に対して、酸化物換算で10ppm以上100ppm以下である請求項3記載の透光性アルミナ焼結体の製造方法。
【請求項5】実質的に破砕面を有さない、多面体一次粒子からなるBET比表面積1〜10m2/gの純度99.99%以上のαアルミナ粉末に、アルミナ総量に対して、酸化物換算で10ppm以上100ppm以下のマグネシウム、さらにマグネシウムに対して、酸化物換算で1〜100wt%量の元素周期率表の3A族元素化合物あるいは4A族元素化合物から選ばれる1種類以上を添加した混合粉末を、成形し、常圧から真空までの還元雰囲気の条件下において1700〜1900℃の範囲で焼結して得られる、請求項1または2記載の透光性アルミナ焼結体の製造方法。
【請求項6】(1)請求項3〜5のいずれかに記載の混合粉末と、水もしくは有機溶媒、有機バインダー、可塑剤、分散剤および離型剤を混合し、スラリーを調整する工程、(2)該スラリーを用いて成形する工程、(3)該成形体を大気中で500〜1500℃の範囲で焼成した後、常圧から真空までの還元雰囲気の条件下で1700℃〜1900℃の範囲で焼結する工程、を含む請求項3〜5のいずれかに記載の透光性アルミナ焼結体の製造方法。
【請求項7】請求項6(2)のスラリーを調製する工程において、アルミナ粉末の分散方法を機械的撹拌のみとすること、または機械的撹拌と超音波照射を同時に行う請求項6記載の透光性アルミナ焼結体の製造方法【請求項8】請求項1または2記載の透光性アルミナ焼結体を用いるランプ構成部材、半導体製造装置用部材またはバイオセラミックス部材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素含有量が少ない透光性多結晶アルミナ焼結体(以下、透光性アルミナと略す)およびその製造方法に関し、主にナトリウム放電ランプあるいはメタルハライドランプ等の高輝度ランプの発光管として、またはマイクロ波照射窓、ドライエッチャーチャンバー、搬送ハンド、真空チャック等の半導体製造装置部材、高温装置の測温窓等として、あるいは人工歯等のバイオセラミックス部材として好適な、耐食性に優れた透光性アルミナの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高輝度ランプの発光管に使われる透光性アルミナの耐久性は、ランプ全体の寿命に関係し、商品価値を大きく左右する。特に最近では、ランプの明るさや演色性を高めるために、発光管内部の封入ガスの圧力や温度が高まっており、酸・アルカリ、ハロゲン、イオンプラズマに対して、より高い耐食性が要求されている。半導体製造装置等の用途においても、たとえばプラズマエッチング装置部材では、高集積化にともないピット深度を深くするために、エッチング時のプラズマエネルギーが高まっており、耐食性に優れた透光性アルミナが要求されている。
【0003】アルミナ焼結体が酸溶液あるいはアルカリ溶液あるいはハロゲンガスやプラズマによって侵食を受けるのは、残留気孔と不純物に大きな原因がある。そして透光性アルミナの場合、残留気孔は小さく少ないため、耐食性は不純物により大きく影響される。透光性アルミナの焼結には焼結助剤としてマグネシウムを用いるのが最も一般的で、0.5重量%までの酸化マグネシウムを添加して水素雰囲気中で1750〜1900℃の範囲で焼成する技術が知られている(米国特許第3026210号明細書)。酸化マグネシウムは、焼結過程においてポアの消滅と異常粒成長を抑制し均一な結晶粒子を構成する効果を有する。しかし酸化マグネシウムの存在により、イオンプラズマやハロゲンガスや酸溶液もしくはアルカリ溶液に対するアルミナ焼結体の耐久性が低下すると言われている。たとえば林が特開平8−245259号公報で、高津が照明学会誌 第74卷(1990年)第9号 第34頁で述べている。
【0004】すなわち、マグネシウムはアルミナ焼結体の粒界部分に存在しているが、アルミナ焼結体が、高輝度ランプの発光管や半導体製造装置の部品など、イオンプラズマやハロゲンガスや酸溶液もしくはアルカリ溶液と接触する環境下で使用されると、粒界部分のマグネシウムが化学反応するため、アルミナ組織の脱落や、化学反応によって生じた物質が沈着する。したがって、たとえばランプの発光管では、アルミナ焼結体の透光性が低下することにより、ランプ効率や寿命が低下する。また、たとえば半導体製造装置部材では、表面の平滑性が失われて精度が低下したり、シリコンウェハーが汚染されるなどの問題が生じる。
【0005】焼結助剤として添加したマグネシウム以外にも、アルミナ原料粉末やアルミナ焼結体製造工程中に混入する、アルカリ金属元素(Li、Na、K、Rb、Cs、Fr)、特にLi、Na、K、あるいはアルカリ土類金属元素(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、特にCaが、イオンプラズマやハロゲンガスや酸溶液もしくはアルカリ溶液等と化学反応する。したがって焼結体中のアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素の量は必要最低限にすることが、透光性アルミナの耐久性を高めるために重要であると考えられる。しかし、これまで常圧から真空までの還元雰囲気での焼結では、酸化マグネシウムが存在しないか、あるいはその存在量が少ない場合には異常粒成長が発生するため透光性アルミナは得られなかった。しかも酸化マグネシウム以外に粒成長を抑制する有効な焼結助剤は見つかっていない。前川もFC Report 第13卷(1995年)第11号 第308頁において透光性アルミナの焼結には酸化マグネシウムが不可欠と述べており、また、これまでの代表的な特許文献をまとめて記載しているが、最低でも100ppm以上の酸化マグネシウムが必要であることがわかる。
【0006】マグネシウム含有量の極めて少ない透光性アルミナを作製する方法が特開平4−193760号公報や特開平4−370643号公報に記載されているが、常圧焼結法ではなく、熱間等方静水圧プレス等の高圧処理設備が必要でありコストが高くなることや大型焼結体が作製できないなどの問題がある。さらにはマグネシウムを全く添加しない透光性アルミナの製造方法が、特開平8−301666号公報に記載されている。しかし、この方法も■原料中もしくは仮焼体中の微量の不純物により著しく透光性が左右されるためにキレート剤による洗浄を行う必要がある、■添加物として高価な遷移金属元素酸化物が必要である、■製造工程において熱間静水圧プレス装置が必要であり工程が複雑でコストが高くなる、などの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐食性に優れた透光性アルミナおよびその工業的に有利な製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ある特定の実質的に破砕面を有さない、多面体一次粒子からなるαアルミナ粉末に、焼結助剤を添加した混合粉末を用いて特定条件下で焼結することにより、工業的に有利に焼結ができ、目的の透光性アルミナ焼結体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は下記の(1)〜(3)を提供する。
【0010】(1)アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総含有量が50ppm以下である、厚み0.85mmにおける600nmの波長光の直線透過率が40%以上の透光性アルミナ焼結体。
(2)実質的に破砕面を有さない、多面体一次粒子からなるBET比表面積1〜15m2/gの純度99.99%以上のαアルミナ粉末に、焼結助剤を添加した混合粉末を、成形し、常圧から真空までの還元雰囲気の条件下で1700〜1900℃の範囲で焼結することによって得られる上記(1)記載の透光性アルミナ焼結体の製造方法(3)上記(1)記載の透光性アルミナ焼結体を用いるランプ構成部材、半導体製造装置用部材またはバイオセラミックス部材。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明の製造方法において、原料として用いるアルミナ、すなわち、実質的に破砕面を有さない、多面体一次粒子からなる、BET比表面積1〜10m2/gのαアルミナ粉末としては、その原料に遷移アルミナまたは熱処理により遷移アルミナとなるアルミナ粉末を、塩化水素を含有する雰囲気ガス中にて焼成することにより得られるαアルミナ粉末を挙げることができ、特開平6−191833号公報、特開平6−191836号公報等に記載のαアルミナの単結晶粒子よりなるアルミナ純度が99.99%以上の高純度であるアルミナ粉末の製法に準じて得られる。
【0012】本発明の製造方法において、原料として用いる上記のαアルミナ粉末としては、例えば、住友化学工業(株)製のスミコランダムのAA03(1次粒径0.3μm)、AA04(一次粒径0.4μm)、AA05(一次粒径0.5μm)、AA07(一次粒径0.7μm)が挙げられる。これらの純度はすべて99.99wt%以上である。特に代表的な例として、AA04に含有されるアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素は、グロー放電質量分析法(GD−MS)によれば、Li=0.01ppm、K<2ppm、Na=1.7ppmであり、アルカリ土類金属元素は、Beが<0.05ppm、Mg=0.62ppm、Ca<1ppm、Sr<0.1ppm、Ba<2ppm、であった。
【0013】本発明に用いるαアルミナは、純度が99.99%以上の高純度であることに加え、一次粒子が均質で内部に欠陥を有さず、粒子のD/H比が0.5以上3.0以下である粒子で、一次粒子同士が凝集していない単一粒子粉末である。この粉末を原料とすると、粒子配列が均一な成形体を得ることができる。
【0014】
【作用】従来の高純度アルミナ粉末は一次粒子が不定形状であることに加え、粒度分布が広く、微粒子や微粒子の凝集体などが不均一に存在しているため、場所によって焼結速度が異なり、結果として焼結体に粗大なポアが数多く残存するものであった。こうした焼結速度の不均一さを改善するためには、必要以上の焼結助剤の添加が不可欠であった。本発明に用いるαアルミナは、前述のように成形体中の粒子配列が均一であるため、焼結速度の不均一さがなく、局所的な異常粒成長が進行し粗大なポアが残留することがない。したがって従来の高純度アルミナ粉末を原料とした場合に比べて、焼結助剤のマグネシウムの添加量を低減でき、かつアルミナ純度が99.99%以上であるため、残存するアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総含有量が極めて低い、耐食性に優れた透光性アルミナが常圧から真空までの還元雰囲気焼結で作製できる。
【0015】本発明の主原料とするアルミナ粒子はBET比表面積が1〜10m2/gであるが、BET比表面積が1m2/g未満では成形体中のポア径が0.15μmを超えるものが存在するため、緻密化するための焼結温度として1900℃以上が必要であるため好ましくない。またBET比表面積が10m2/gを超えると粒子同士が凝集するため、焼結速度が不均一となり、焼結助剤の添加量を増やす必要があるため好ましくない。さらには純度が99.99%未満では不純物が光を吸収するため透光性が低下する、あるいは不純物による局所的な異常粒成長が進行しポアが残存するため好ましくない。
【0016】上記のBET比表面積が1〜10m2/gのαアルミナ粉末は純度99.99%以上のものであるが、原料中に含まれている、1000℃以下の焼成により原料中より除去できる1重量部未満の水、有機物、ハロゲンは本発明のアルミナ焼結体の特徴を損うものではなく、許容されるものである。
【0017】上記のBET比表面積が1〜10m2/gのαアルミナ粉末は、αアルミナの六方格子面に平行な最大粒子径をD、六方細密格子面に垂直な粒子径をHとした場合に、D/H比が0.5以上2.0未満であるαアルミナ粒子からなり、該αアルミナ粒子の数平均粒径が0.01μm以上1.0μm以下であり、累積粒度分布の微粒側からの累積10%、累積90%の粒径をそれぞれD10、D90としたときにD90/D10の値が10以下の粒度分布を有する粉末が好ましい。
【0018】次に、本発明のアルミナ焼結体の製造方法について説明する。本発明では、まず上記BET比表面積が1〜10m2/g、好ましくは2〜7m2/g、さらに好ましくは3〜5m2/gのαアルミナ粉末に、酸化マグネシウム、あるいはさらに酸化イットリウム等の焼結助剤を添加した混合粉末に、溶媒、有機バインダー、可塑剤、分散剤を混合し、スラリーを調製する。次に該スラリーを用いて成形し、必要に応じて該成形体を大気中で500〜1500℃の範囲で焼成した後、得られた成形体を常圧から真空までの還元雰囲気の条件下で1700〜1900℃の範囲で焼結して目的とするアルミナ焼結体を製造する。
【0019】焼結助剤としては、マグネシウム化合物、あるいはさらにマグネシウムに対して1〜100重量%の元素周期率表の金属元素3A族化合物および4A族化合物から選ばれる1種類以上を添加する。特にマグネシウム化合物、あるいはさらにイットリウム化合物が好ましい。該化合物としては、酸化物、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物、塩化物等が挙げられるが、大気中での焼結時、1200℃以下で酸化物になる化合物であればよく、これに限定されない。最も好適なものとして硝酸マグネシウム、あるいはさらに硝酸イットリウムを挙げることができる。通常、該アルミナ粉末にマグネシウムを酸化物換算で10ppm以上100ppm以下、好ましくは酸化物換算で10ppm以上50ppm以下添加する。あるいはさらにイットリウムを酸化物換算で、1ppm以上100ppm以下、好ましくは酸化物換算で、マグネシウム量の20重量%を添加する。例えば酸化マグネシウムを50ppm添加した場合は酸化イットリウムを10ppm添加することが最も好ましい。
【0020】次にスラリーの作製法について説明すると、まず前記アルミナ原料粉末、溶媒、分散剤を適量配合し、機械的な撹拌混合を行う。このときにボールミルによる混合は広く一般におこなわれていることであるが、本発明において原料とするアルミナ粉末は、凝集が少なく粒子形状ならびに粒子径が揃った粉末であるため、超音波槽を用いて外部より超音波を照射する、あるいは超音波ホモジナイザーにより超音波を照射することによって、溶媒中で容易に分散し、均一なスラリーとなることが特徴である。セラミックスボール等のメディアを使用しない分散方法は、アルミニウム以外の酸化物あるいは塩類の混入を避ける意味で好ましい。超音波は槽容量40リットルの場合、10キロヘルツ以上好ましくは25キロヘルツ以上の照射能力が望ましい。撹拌混合時間は該スラリーの容量によって異なるが、例えばスラリー量が10リットルの場合、30分以上おこなうことが望ましい。このように原料粉末を充分に分散させた後、有機バインダーを混合する。この混合は、例えばスラリー量が10リットルの場合、1時間以上おこなうことが望ましい。
【0021】前記のように調整したスラリーを減圧下において、脱泡してもよい。また各種消泡剤を用いてもよい。またその後の成形方法によって、各種pH調整剤や凝集剤の添加により粘度を50〜10000センチポイズとしてもよい。たとえばスプレードライヤーによる造粒では球形の顆粒を作製するために、アルミナスラリーの粘度は塩酸水溶液やアンモニア水等によるpH調整で、300〜400センチポイズに調整することが好ましい。さらには静置沈降や遠心分離やロータリーエバポレーター等による減圧濃縮等により、スラリー中のアルミナ濃度を高めることもできる。
【0022】溶媒としては使用するバインダーの種類や成形方法によって異なるが、スプレードライヤーにより顆粒を製造する場合に用いる、ポリビニルアルコールでは水が主に用いられる。処方によっては各種有機溶媒も用いることができる。
【0023】分散剤としては、溶媒が水の場合は主にポリカルボン酸アンモニウム塩[例えば商品名;SN−D5468、サンノプコ(株)品]が用いられる。また有機溶媒の場合にはオレイン酸エチル、ソルビタンモノオレート、ソルビンタントリオレート、ポリカルボン酸系等が用いられるが、特に本発明で原料とするアルミナ原料粉末には、ポリエステル系[商品名;テキサホール3012、サンノプコ(株)品]が好ましいが、これらに限定されるものではない。併用する有機バインダーによっては、分散剤を用いない方が粘度の低いスラリーが作製できる。
【0024】有機バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、各種アクリル系ポリマー、メチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール系、各種ワックス、各種多糖類を用いることができるが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】可塑剤は用いる有機バインダーによって異なるが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチエレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、各種エステル系等が用いられる。特に有機溶媒を用いる場合には、ジブチルフタレート、フタル酸ジエチルヘキシル等が用いられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】本発明において、その他の添加剤として、離型剤や凝集剤やpH調整剤を添加することもできるが、アルミナ以外の溶媒や添加物中にアルミニウム以外の無機不純物がないことが重要である。また透光性を高めるためには、成形体の保形性や加工時のハンドリングに支障がなければ、有機物の添加は全くないことが最も好ましい【0027】本発明において、成形方法としては、前記スラリーを用いて、スリップキャスト法、遠心キャスト成形法、押出し成形法等慣用の方法を用いることができる。また前記スラリーをスプレードライ等により顆粒状とした後、プレス成形や冷間静水圧プレス成形することができる。
【0028】冷間静水圧プレス成形の場合、前記スラリーをスプレードライ等により顆粒状とし、この顆粒を50〜500Kg/cm2、好ましくは200〜300kg/cm2の圧力で一軸プレス成形した後、冷間静水圧プレス成形機にて0.5〜3t/cm2、好ましくは1.0〜1.5t/cm2で等方的に加圧し、得られた成形体を所定の形状に加工する。
【0029】上記の成形法で得られた成形体は、500〜1500℃の範囲で1時間以上、好ましくは900〜1200℃の範囲で3時間以上焼成し、脱脂する。その後、常圧から真空までの還元雰囲気、好ましくは常圧の水素雰囲気中で温度範囲が1700〜1900℃、好ましくは1750〜1850℃、さらに好ましくは1780〜1820℃で焼結して目的とする透光性アルミナを製造する。焼成温度が1700℃より低いと結晶組織が十分に成長しないため透光性が低い。また1900℃よりも高い温度で焼成すると、焼結体粒径が大きくなり、ポアが残存し透光性が低下したり焼結体の機械的強度が低下するため好ましくない。
【0030】本発明の焼結体は、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総含有量が50ppm以下と少なく、厚み0.85mmにおいて600nmの波長光の直線透過率が40%以上の透光性アルミナである。また該焼結体の結晶組織の平均粒径が5μm以上50μm以下で、さらに最大組織の粒径が平均粒径の1.5倍以下と均一な組織の透光性アルミナである。これにより、高輝度ランプの発光管等の各種ランプ構成部材として、また半導体製造装置部材、高温装置の測温窓等として、あるいはバイオセラミックス部材として好適な、耐食性に優れた透光性アルミナを、常圧の水素雰囲気中焼結等の慣用の方法で提供できる。
【0031】
【実施例】次に本発明の実施例を挙げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0032】なお本発明に於ける各種の測定は次のようにしておこなった。
(1)BET比表面積の測定島津製作所フローソーブ2300により測定した。
(2)D10、D90の測定(重量累積粒度分布の測定)
マスターサイザー(マルバーン社製)を使用し、レーザー回折散乱法により測定した。測定のために準備したアルミナスラリーは、アルミナ粉末2.5gに対し、ヘキサメタリン酸ナトリウムの0.5重量%水溶液を25g添加し、該混合溶液をホモジナイザーにより超音波を2分間照射したものである。
(3)D/H比の測定走査電子顕微鏡(SEM、日本電子株式会社:T−300)を使用して粉末粒子の写真を撮影し、その写真から5個ないし10個の粒子を選択して画像解析をおこない、その平均値として求めた。
【0033】(4)直線透過率の測定両面をダイヤモンドスラリーを用いて鏡面研磨した厚み0.85mmの円形ペレットを島津製作所UV−1200を使用し波長600nmの透過率(スリット径0.50mm)を測定した。
(5)透光性アルミナの焼結体組織の観察(4)で透過率測定に使用したペレットを空気中1500℃で1時間焼成し、該表面を光学顕微鏡(株式会社ニコン:T−300)を使用して倍率100倍の写真を撮影した。その写真から切片法により組織粒径を計測した。
【0034】(6)アルカリ金属元素の定量(炎色光度法定量)
透光性アルミナ焼結体をチッ化ホウ素乳鉢で粉砕した後、燐酸二水素アンモニウムに溶解した。この溶液の炎色のスペクトルを原子吸光分光光度計(セイコー電子工業(株)製SAS760型)で測定し定量化した。
(7)アルカリ土類金属元素の定量(ICP−AES定量法)
透光性アルミナ焼結体をチッ化ホウ素乳鉢で粉砕した後、アルカリ融解した。この融解物をICP発光分析した(セイコー電子工業(株)製ICP発光分光分析装置SPS1200VR型)。
【0035】なお、比較例には、純度99.99%ではあるが、破砕面を有する多面体形状ではないアルミナ粉末として、住友化学工業(株)製のAKP−20(BET比表面積;4.2m2/g)と昭和電工(株)製のUA5105(BET比表面積;9.4m2/g)を用いた。
【0036】実施例1原料として住友化学工業株式会社製αアルミナ粉末(商品名スミコランダムAA04)を用いた。該アルミナ粉末は実質的に破面を有しない、8〜20面を有する多面体粒子よりなり、D/Hは1であった。BET比表面積は3.5m2/gであった。この粉末のレーザー回折散乱法による平均粒径は0.52μmであった。AA04粉末;5000g、水(溶媒);3100g、硝酸マグネシウム六水和物(試薬特級);0.8g(アルミナ粉末に対し、酸化マグネシウムとして25ppm)、分散剤ポリカルボン酸アンモニウム40重量%水溶液((株)サンノプコ品;商品名SN−D5468);63.5gを超音波を照射しながら、30分間撹拌混合をおこなった。その後有機バインダーとしてポリビニルアルコール((株)クラレ品;商品名PVA−205C)の10重量%溶液を1000gと、可塑剤としてポリエチレングリコール#400(試薬特級)を50g添加し、60分間撹拌混合してスラリーを調製した。
【0037】このスラリーを、スプレードライヤーにより噴霧乾燥し顆粒を作製した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.3t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスにより1.5t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;5mmの円柱成形体を作製した。次にこの成形体を大気中900℃で3時間焼成し、有機バインダーを除去した後、水素中(露点0℃)1800℃で4時間焼成した。得られた焼結体の透過率は40%であった。焼結体組織の平均粒径は36μmであり、最大組織の粒径は50μmであった。得られた焼結体中のMg=16ppm、Li<2ppm、Na<5ppm、K<2ppm、その他のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素はそれぞれ<1ppmであり、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総量は30ppm未満であった。
【0038】実施例2実施例1に記載のAA04粉末;100g、エタノール;300g、硝酸マグネシウム六水和物;0.016g、を超音波を照射しながら、30分間撹拌混合をおこなった。その後、ロータリーエバポレーターでエタノールを除去しケーキを得た。このケーキを150℃で熱風乾燥した後、乳鉢で解砕した。得られた粉末を金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.3t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスにより1.0t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;5mmの円柱成形体を作製した。この成形体を900℃で大気中焼成した後、水素中1800℃で4時間焼成した。得られた焼結体の透過率は50%であった。焼結体組織の平均粒径は40μmであり、最大組織の粒径は55μmであった。得られた焼結体中のMg=16ppm、Li<2ppm、Na<5ppm、K<2ppm、その他のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素はそれぞれ<1ppmであり、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総量は30ppm未満であった。
【0039】実施例3実施例1に記載のAA04粉末;5000g、水;3100g、硝酸マグネシウム六水和物;0.8g、硝酸イットリウム六水和物;0.085g(全アルミナ粉末に対し、酸化イットリウムとして5ppm)、分散剤SN−D5468;62.5gを超音波を照射しながら、30分間撹拌混合をおこなった。その後有機バインダーとしてPVA205Cの10重量%溶液を1000gと、可塑剤としてポリエチレングリコール#400を50g添加し、60分間撹拌混合してスラリーを調製した。
【0040】このスラリーを、スプレードライヤーにより噴霧乾燥し顆粒を作製した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.3t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスにより1.5t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;5mmの円柱成形体を作製した。次にこの成形体を大気中900℃で3時間焼成し、有機バインダーを除去した後、水素中(露点;0℃)1820℃で4時間焼成した。得られた焼結体の透過率は40%であった。焼結体組織の平均粒径は36μmであり、最大組織の粒径は50μmであった。得られた焼結体中のMg=16ppm、Li<2ppm、Na<5ppm、K<2ppm、その他のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素はそれぞれ<1ppmであり、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総量は30ppm未満であった。
【0041】実施例4実施例1に記載のAA04粉末;5000g、水(溶媒);3100g、硝酸マグネシウム六水和物(試薬特級);1.6g(アルミナ粉末に対し、酸化マグネシウムとして50ppm)、分散剤ポリカルボン酸アンモニウム40重量%水溶液((株)サンノプコ品;商品名SN−D5468);63.5gを超音波を照射しながら、30分間撹拌混合をおこなった。その後有機バインダーとしてポリビニルアルコール((株)クラレ品;商品名PVA−205C)の10重量%溶液を1000gと、可塑剤としてポリエチレングリコール#400(試薬特級)を50g添加し、60分間撹拌混合してスラリーを調製した。
【0042】このスラリーを、スプレードライヤーにより噴霧乾燥し顆粒を作製した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.3t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスにより1.5t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;5mmの円柱成形体を作製した。次にこの成形体を大気中900℃で3時間焼成し、有機バインダーを除去した後、水素中(露点0℃)1800℃で4時間焼成した。得られた焼結体の透過率は49%であった。焼結体組織の平均粒径は36μmであり、最大組織の粒径は50μmであった。得られた焼結体中のMg=32ppm、Li<2ppm、Na<5ppm、K<2ppm、その他のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素はそれぞれ<1ppmであり、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総量は50ppm未満であった。
【0043】実施例5実施例1に記載のAA04粉末;100g、エタノール;300g、硝酸マグネシウム六水和物;0.032g、を超音波を照射しながら、30分間撹拌混合をおこなった。その後、ロータリーエバポレーターでエタノールを除去しケーキを得た。このケーキを150℃で熱風乾燥した後、乳鉢で解砕した。得られた粉末を金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.3t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスにより1.0t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;5mmの円柱成形体を作製した。この成形体を900℃で大気中焼成した後、水素中1800℃で4時間焼成した。得られた焼結体の透過率は64%であった。焼結体組織の平均粒径は36μmであり、最大組織の粒径は50μmであった。得られた焼結体中のMg=32ppm、Li<2ppm、Na<5ppm、K<2ppm、その他のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素はそれぞれ<1ppmであり、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総量は50ppm未満であった。
【0044】実施例6実施例1に記載のAA04粉末;100g、エタノール;300g、硝酸マグネシウム六水和物;0.032g、硝酸イットリウム六水和物;0.0034g(アルミナ粉末に対して、酸化イットリウムとして10ppm)を超音波を照射しながら、30分間撹拌混合をおこなった。その後、ロータリーエバポレーターでエタノールを除去しケーキを得た。このケーキを150℃で熱風乾燥した後、乳鉢で解砕した。得られた粉末を金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.3t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスにより1.0t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;5mmの円柱成形体を作製した。この成形体を900℃で大気中焼成した後、水素中1800℃で4時間焼成した。得られた焼結体の透過率は60%であった。焼結体組織の平均粒径は36μmであり、最大組織の粒径は50μmであった。得られた焼結体中のMg=32ppm、Li<2ppm、Na<5ppm、K<2ppm、その他のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素はそれぞれ<1ppmであり、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総量は50ppm未満であった。
【0045】実施例7原料として住友化学工業株式会社製αアルミナ粉末(商品名スミコランダムAA03)を用いた。該アルミナ粉末は実質的に破面を有しない、8〜20面を有する多面体粒子よりなり、D/Hは1であった。BET比表面積は5.2m2/gであった。この粉末のレーザー回折散乱法による平均粒径は0.45μmであった。AA03粉末;5000g、水(溶媒);3100g、硝酸マグネシウム六水和物(試薬特級);1.6g(アルミナ粉末に対し、酸化マグネシウムとして50ppm)、分散剤ポリカルボン酸アンモニウム40重量%水溶液((株)サンノプコ品;商品名SN−D5468);63.5gを超音波を照射しながら、30分間撹拌混合をおこなった。その後有機バインダーとしてポリビニルアルコール((株)クラレ品;商品名PVA−205C)の10重量%溶液を1000gと、可塑剤としてポリエチレングリコール#400(試薬特級)を50g添加し、60分間撹拌混合してスラリーを調製した。
【0046】このスラリーを、スプレードライヤーにより噴霧乾燥し顆粒を作製した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.3t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスにより1.5t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;5mmの円柱成形体を作製した。次にこの成形体を大気中900℃で3時間焼成し、有機バインダーを除去した後、水素中(露点0℃)1800℃で4時間焼成した。得られた焼結体の透過率は45%であった。焼結体組織の平均粒径は36μmであり、最大組織の粒径は50μmであった。得られた焼結体中のMg=32ppm、Li<2ppm、Na<5ppm、K<2ppm、その他のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素はそれぞれ<1ppmであり、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総量は50ppm未満であった。
【0047】比較例1純度99.99%のアルミナ原料粉末(住友化学工業(株)商品名;AKP−20)を使用した。このアルミナ粉末の一次粒子は多面体形状ではない不定形粒子であり、D/Hが2より大きかった。またこの粒子のBET比表面積は4.2m2/gであった。この粉末のレーザー回折散乱法による平均粒子径は0.54μmであった。AKP−20粉末;5000g、水;3100g、硝酸マグネシウム6水和物;1.6g(全アルミナ粉末に対し、酸化マグネシウムとして50ppm)、分散剤SN−D5468;62.5gを超音波を照射しながら30分間撹拌混合をおこなった。この後さらに有機バインダーとしてPVA205cの10重量%溶液を1000g、可塑剤としてポリエチレングリコール(重合度400)を50gを添加し、60分間攪拌混合してスラリーを調製した。
【0048】このスラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥し、顆粒を作製した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.7t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスで1.5t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;10mmの円柱成形体を作製した。次にこの成形体を大気中900℃で3時間焼成した後、水素中(露点;0℃)にて1820℃で4時間焼成した。得られた焼結体は白濁しており透光性は得られなかった。
【0049】比較例2比較例1に記載のAKP−20粉末;100g、エタノール;300g、硝酸マグネシウム六水和物;0.032g、を超音波を照射しながら、30分間撹拌混合をおこなった。その後、ロータリーエバポレーターでエタノールを除去しケーキを得た。このケーキを150℃で熱風乾燥した後、乳鉢で解砕した。得られた粉末を金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.3t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスにより1.0t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;5mmの円柱成形体を作製した。この成形体を900℃で大気中焼成した後、水素中1800℃で4時間焼成した。得られた焼結体は白濁しており、透光性は得られなかった。
【0050】比較例3比較例1に記載のAKP−20粉末;100g、エタノール;300g、硝酸マグネシウム六水和物;0.032g、硝酸イットリウム六水和物;0.0034g(アルミナ粉末に対して、酸化イットリウムとして10ppm)を超音波を照射しながら、30分間撹拌混合をおこなった。その後、ロータリーエバポレーターでエタノールを除去しケーキを得た。このケーキを150℃で熱風乾燥した後、乳鉢で解砕した。得られた粉末を金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.3t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスにより1.0t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;5mmの円柱成形体を作製した。この成形体を900℃で大気中焼成した後、水素中1800℃で4時間焼成した。得られた焼結体は白濁しており、透光性は得られなかった。
【0051】比較例4純度99.99%のアルミナ原料粉末(昭和電工(株)商品名;UA5105)を使用した。このアルミナ粉末の一次粒子は多面体形状ではない不定形粒子であり、D/Hが2より大きかった。またこの粒子のBET比表面積は9.4m2/gであった。この粉末のレーザー回折散乱法による平均粒子径は1.20μmであった。UA5105粉末;5000g、水;3100g、硝酸マグネシウム6水和物;1.6g、分散剤SN−D5468;62.5gを超音波を照射しながら30分間撹拌混合をおこなった。その後鉄球入りプラスチックボールをメディアとして3時間ボールミルをおこなった。この後さらに有機バインダーとしてPVA205cの10重量%溶液を1000g、可塑剤としてポリエチレングリコール(重合度400)を50gを同時に添加し、3時間ボールミルをおこないスラリーを調製した。
【0052】このスラリーをスプレードライヤーにより噴霧乾燥し、顆粒を作製した。この顆粒を含水率0.5重量%に調湿した後、金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.7t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスで1.5t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;10mmの円柱成形体を作製した。次にこの成形体を大気中1200℃で3時間焼成した後、水素中(露点;0℃)にて1820℃で4時間焼成した。得られた焼結体は白濁しており透光性は得られなかった。焼結体中のMg=31ppm、Li<2ppm、Na=17ppm、K=2ppm、その他のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素はそれぞれ<1ppmであり、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総量は50ppmを超えていた。
【0053】比較例5比較例4に記載のUA5105粉末;100g、エタノール;300g、硝酸マグネシウム6水和物;0.032g(全アルミナ粉末に対し、酸化マグネシウムとして50ppm)、を超音波を照射しながら、30分間撹拌混合をおこなった。その後、ロータリーエバポレーターでエタノールを除去しケーキを得た。このケーキを150℃で熱風乾燥した後、乳鉢で解砕した。得られた粉末を金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.3t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスにより1.0t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;5mmの円柱成形体を作製した。この成形体を900℃で大気中焼成した後、水素中1800℃で4時間焼成した。得られた焼結体中のMg=38ppm、Li<2ppm、Na=45ppm、K<2ppm、Ca=13ppm、その他のアルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素はそれぞれ<1ppmであり、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総量は50ppmを超えていた。直線透過率は5%であった。
【0054】比較例6比較例4に記載のUA5105粉末;100g、エタノール;300g、硝酸マグネシウム6水和物;0.032g、硝酸イットリウム;0.0034g(アルミナに対して、硝酸イットリウムとして5ppm)を超音波を照射しながら、30分間撹拌混合をおこなった。その後、ロータリーエバポレーターでエタノールを除去しケーキを得た。このケーキを150℃で熱風乾燥した後、乳鉢で解砕した。得られた粉末を金型に充填し、油圧式一軸プレス成形機で0.3t/cm2の荷重で、さらに冷間静水圧プレスにより1.0t/cm2の荷重で、直径;20mm、高さ;5mmの円柱成形体を作製した。この成形体を900℃で大気中焼成した後、水素中1800℃で4時間焼成した。得られた焼結体は白濁しており、透光性は得られなかった。
【0055】以上、実施例1〜7と比較例1〜6をみると、破砕面を有さない多面体一次粒子からなるαアルミナ粉末を原料とすると、50ppm以下の酸化マグネシウムの添加で、焼結体組織が均一で、直線透過率が40%以上の透光性アルミナが得られるが、それ以外のαアルミナ粉末を原料とすると、焼結体組織が不均一で、焼結体内部に多数のポアが残存するため、焼結体が白濁し直線透過率が10%未満の透光性しか得られない。以上の結果を表1に示す。
【0056】
【表1】

【0057】
【発明の効果】本発明によれば、高輝度ランプの構成部材等の光学的用途、マイクロ波透過窓、静電チャック、搬送ハンド、真空チャンバー等の半導体製造装置部材用途、または高温装置の測温窓等、さらには人工歯等のバイオセラミックスに好適な、アルカリ金属元素およびアルカリ土類金属元素の総含有量が少ない、耐食性に優れた透光性アルミナ焼結体およびその製造方法を提供することができる。




 

 


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