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発明の名称 プリント基板用多孔質フィルム、プリプレグおよびプリント回路積層板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−26646(P2001−26646A)
公開日 平成13年1月30日(2001.1.30)
出願番号 特願平11−200189
出願日 平成11年7月14日(1999.7.14)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4F071
4F072
4J001
【Fターム(参考)】
4F071 AA42 AA50 AA56 AA60 AA64 AD03 AF62Y AG12 AH13 BC01 BC02 BC10 BC17 
4F072 AA01 AA07 AA08 AD08 AD09 AD23 AD41 AD42 AD44 AD45 AD46 AG03 AG17 AH05 AJ02 AJ03 AJ04 AK05 AK20 AL13
4J001 DA01 DB01 DB04 DC16 DD04 EB37 EB46 EB55 EC36 EC46 EC65 FA03 FB03 FC03 FC06 FD01 GA13 GD07 HA10 JA07 JA12 JB14 JB21 JB50 JC03
発明者 高橋 勉
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】荷重たわみ温度が200℃以上の樹脂から選ばれた少なくとも1種の耐熱樹脂からなり、200〜300℃の範囲におけるいずれの温度においても、その熱線膨張係数が−50×10-6/℃〜+50×10-6/℃の範囲であり、空隙率が30〜95体積%であり、突き刺し試験の変位が1.5mm以下であることを特徴とする、突き刺し方式で製造されるプリント基板用多孔質フィルム。ここで、突き刺し試験の変位とは、先端部の曲率半径が0.5mmであるステンレス製針を200mm/分の速度で、25μmの厚みの多孔質フィルムに垂直に突き刺したとき、該針が該多孔質フィルムに接してから穴があくまでの該針の先端が移動した距離をいう。
【請求項2】耐熱樹脂がパラ配向芳香族ポリアミドであることを特徴とする請求項1記載のプリント基板用多孔質フィルム。
【請求項3】パラ配向芳香族ポリアミドがポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(4、4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4、4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2、6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレンテレフタルアミド)、またはパラフェニレンジアミン/2、6−ジクロロパラフェニレンジアミン/テレフタル酸ジクロライド共重合体であることを特徴とする請求項2記載のプリント基板用多孔質フィルム。
【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質フィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸してなることを特徴とするプリント基板用プリプレグ。
【請求項5】熱可塑性樹脂がポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリスルフィドスルフォンまたはポリカーボネートであることを特徴とする請求項4記載のプリント基板用プリプレグ。
【請求項6】熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹脂またはアリール変成ポリフェニレンエーテル樹脂であることを特徴とする請求項4記載のプリント基板用プリプレグ。
【請求項7】請求項4〜6のいずれかに記載のプリプレグを用い、突き刺し方式で製造されてなることを特徴とするプリント回路積層板。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板用多孔質フィルム、プリプレグ、およびそれを使用するプリント回路積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器においては、高機能化のための高速信号処理化、デジタル化への要求が一層高まっている。特に、ビルドアップと呼ばれる製法における穴あけ(ビアー形成)の方法には大別して、光を利用してビアーを形成するフォトビアー方式と、レーザーを利用するレーザービアー方式があり、いずれも電気回路の高集積化には重要な技術である。一方、導電性を有する針状物を合成樹脂等からなる絶縁層に突き刺して穴をあけるとともに該針状物により絶縁層両面の電気回路を電気的に連結する製造方法(以下、突き刺し方式と呼ぶことがある)が知られている(特開平7−86749号公報)。該針状物は、電気回路においてバンプと呼ばれる位置の上に形成されている。突き刺し方式は、他の2種の方式と比較すると安価に実施でき、工業的に優位である。しかし、高集積化のためにはビアー径が小さいほうが好ましいが、突き刺し方式で他の2種の方式と同程度の小さなビアー径にするには、針状物の径を小さくする必要がある。しかし、この場合には針状物が絶縁層を突き破る前に変形してしまう可能性があり、例えば、他の2種の方式との併用で高集積化を実現していた。従って、より小さな針状物で穴あけできる絶縁層が望まれていた。
【0003】また、米国特許5,851,646号公報には、多孔質パラ配向芳香族ポリアミドフィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸してなるプリプレグが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、突き刺し方式で、径の小さな針状物でも突き刺し可能なプリント基板用プリプレグ、該プリプレグの基材となるプリント基板用多孔質フィルム、および該プリプレグを用いてなる、突き刺し方式で高集積化が可能なプリント回路積層板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題解決の為に鋭意研究し本発明に到達した。すなわち、本発明は、(1)荷重たわみ温度が200℃以上の樹脂から選ばれた少なくとも1種の耐熱樹脂からなり、200〜300℃の範囲におけるいずれの温度においても、その熱線膨張係数が−50×10-6/℃〜+50×10-6/℃の範囲であり、空隙率が30〜95体積%であり、突き刺し試験の変位が1.5mm以下である突き刺し方式で製造されるプリント基板用多孔質フィルムに関する。ここで、突き刺し試験の変位とは、先端部の曲率半径が0.5mmであるステンレス製針を200mm/分の速度で、25μmの厚みの多孔質フィルムに垂直に突き刺したとき、該針が該多孔質フィルムに接してから穴があくまでの該針の先端が移動した距離をいう。また、本発明は、(2)上記(1)の多孔質フィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸してなるプリント基板用プリプレグに関する。さらに、(3)上記(2)のプリプレグを用い、突き刺し方式で製造されてなるプリント回路積層板に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明する。本発明のプリント基板用多孔質フィルムは、荷重たわみ温度が200℃以上の樹脂から選ばれた少なくとも1種の耐熱樹脂からなる。該荷重たわみ温度は、JIS K 7207準拠の18.6kg/cm2荷重時の測定における荷重たわみ温度をいう。該荷重たわみ温度が200℃以上の樹脂としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド(以下、アラミドということがある)、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミドなどが挙げられ、ポリイミド、ポリアミドイミドおよびアラミドからなる群から選ぶことが好ましい。
【0007】また、本発明のプリント基板用多孔質フィルムは、200〜300℃の範囲におけるいずれの温度においても、その熱線膨張係数(平面方向)が−50×10-6/℃〜+50×10-6/℃の範囲であり、好ましくは、−10×10-6/℃〜+50×10-6/℃であり、−10×10-6/℃〜+25×10-6/℃がさらに好ましい。上記熱線膨張係数が小さいことは、平面方向の寸法安定性が良いことを示している。
【0008】さらに、本発明のプリント基板用多孔質フィルムは、その空隙率が30〜95体積%であり、好ましくは35〜90体積%のものである。空隙率が30体積%未満では、プリプレグを製造するとき、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を溶剤に溶解したワニスの含浸量が不十分となる。一方、95体積%を越えると多孔質フィルムの強度が不足して取扱いが困難となる。
【0009】本発明のプリント基板用多孔質フィルムは、突き刺し試験の変位が1.5mm以内であることを特徴とする。ここで、突き刺し試験の変位とは、先端部の曲率半径が0.5mmであるステンレス製針を200mm/分の速度で、25μmの厚みの多孔質フィルムに垂直に突き刺したとき、該針が該多孔質フィルムに接してから穴があくまでの該針の先端が移動した距離をいう。試験時、該多孔質フィルムは内径が12mmの2個の筒で挟み固定する。この変位が1.5mmよりも大きいときは、穴が空きにくく、突き刺し方式を実施する際、針状物に余計な力が加わり好ましくない。
【0010】本発明に用いる耐熱樹脂としてはパラ配向芳香族ポリアミド(以下、パラアラミドと呼ぶことがある)が特に好ましい。パラアラミドとは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの縮合重合により得られるものであり、アミド結合が芳香族環のパラ位またはそれに準じた配向位(例えば、4,4’−ビフェニレン、1,5−ナフタレン、2、6−ナフタレン等のような反対方向に同軸または平行に延びる配向位)で結合される繰り返し単位から実質的になるものである。具体的には、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(4、4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4、4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2、6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンジアミン/2、6−ジクロロパラフェニレンジアミン/テレフタル酸ジクロライド共重合体等のパラ配向型またはパラ配向型に準じた構造を有するパラアラミドが例示される。
【0011】本発明のプリント基板用多孔質フィルムとして、好ましくは、上記パラアラミドから得られた多孔質のフィルムであり、該フィルムはパラアラミドのフィブリルからなる。該多孔質フィルムのなかで、パラアラミドからなるフィブリルの径が1μm以下のフィブリルから構成されてなるものが好ましい。また、該多孔質フィルムとして、該フィブリルが網目状または不織布状におおよそ平面に配置され、かつ層状に重なっているものが好ましい。ここで、平面に配置されたとは、フィブリルがフィルム面に平行に配置されていることをいう。
【0012】本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有する樹脂であれば特に限定されないが、融点が150℃以上の熱可塑性樹脂が好ましい。本発明に係るプリプレグの主用途であるプリント回路用積層板の製造のためには、電子回路を形成する材料と該プリプレグとの接着性が充分であるものが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリスルフィドスルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミドおよびポリエーテルケトンから選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂を例示することができる。これらは、単独または適宜組み合わせて使用することができる。
【0013】一方、本発明で用いられる熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹脂およびアリール変成ポリフェニレンエーテル樹脂から選ばれる少なくとも一種の熱硬化性樹脂を例示することができる。これらは、単独または適宜組み合わせて使用することができる。
【0014】本発明においては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂をそれぞれ単独に使用することができるが、これらを組成物として同時にあるいはプリプレグの製造工程で別々に使用することも可能である。熱硬化性樹脂を単独に使用する場合に比べ、これらを両方配合した方が、硬化物の靱性に優れ、またB−ステージにおける柔軟性の点を制御できるので好ましい。
【0015】熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の単独または組成物としての添加量は、パラアラミドに対し、単独または組成物/パラアラミド比(重量比)として1/9〜7/3であることが好ましく、より好ましくは2/8〜6/4である。組成物が1/9重量比未満であると、パラアラミドからなる多孔質フィルムの空隙を組成物で十分に埋めることができない場合があり、7/3重量比を越えると、プリプレグの熱線膨張係数が大きくなり積層板として不適切となる場合がある。なお、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の配合割合は、熱可塑性樹脂/熱硬化性樹脂の重量比として7/3〜3/7の範囲であることが好ましい。重量比が7/3を越えると熱可塑性樹脂のみをマトリックスとする系とあまり差がなくなり、熱硬化性樹脂を使用する意味がなくなる場合がある。例えば、熱硬化性樹脂を使用する利点として、プリント回路基板の導電層である銅箔とプリプレグの接着力の向上があるが、この効果が減少する場合がある。重量比が3/7より小さいと硬化物での靭性とB−ステージでの柔軟性が得られない場合がある。
【0016】本発明のプレプリグは、本発明の多孔質フィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸してなることを特徴とする。本発明のプリプレグを硬化したシートの200〜300℃の範囲におけるいずれの温度においても、その熱線膨張係数(平面方向)が、−70×10-6/℃〜+70×10-6/℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは、−10×10-6/℃〜+70×10-6/℃であり、さらに好ましくは、−5×10-6/℃〜+35×10-6/℃である。この様に熱線膨張係数が小さいことは、平面方向の寸法安定性が良いことを示しており、プリント回路用積層板として好適な性質である。
【0017】本発明のプレプリグは厚みを薄くして薄葉化することが可能である。しかし、フィルム厚みが10μm未満では皺ができやすく取り扱いが難しい場合がある。具体的には、多孔質フィルムの厚みとしては、10〜150μmが好ましく、より好ましくは30〜100μmである。特に上限は規定しないが、150μmを越えると積層板において重要な、軽くて薄いという特徴が失われる場合がある。
【0018】本発明のプリプレグの製造方法において、耐熱樹脂としてパラアラミドを使用する場合の例としては、米国特許5,851,646号公報に記載の方法が挙げられる。以下、要点を説明する。これらは、単なる例示であり、本発明を何ら制限するものではない。本発明のプリプレグの製造方法の代表例としては、下記の(a)〜(d)の工程を有する製造方法が挙げられる。
(a)極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒中に、固有粘度が1.0〜2.8dl/gであるパラアラミドを1〜10重量%、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を1〜10重量%含む溶液から膜状物を形成する工程。
(b)該膜状物を20℃以上で相対湿度60%以上の雰囲気下に保持し、該膜状物からパラアラミドを析出させる工程。
(c)工程(b)で得られた膜状物を水系溶液またはアルコール系溶液に浸漬し、溶媒とアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を溶出させ、次いで乾燥させ、パラアラミド多孔質フィルムを得る工程。
(d)工程(c)で得られた多孔質フィルムを基体として、これに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸させて、プリプレグを製造する工程。
【0019】工程(a)で使用されるパラアラミド溶液は、例えば、以下に記すような操作により好適に製造できる。すなわち、極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒中にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を1〜10重量%溶解し、パラ配向芳香族ジアミン1.0モルに対して、パラ配向芳香族ジカルボン酸ハライド0.94〜0.99モルを添加して、温度−20℃〜50℃で縮合重合して、パラアラミド濃度が1〜10重量%であるパラアラミド溶液を製造する。
【0020】工程(a)においてパラアラミドの縮合重合は、極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒において行われる。これらの溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、またはN,N,N’,N’−テトラメチルウレアが挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンである。
【0021】工程(b)では、工程(a)においてパラアラミド溶液から膜状物を形成した後、凝固する前に、パラアラミドを析出させる。
【0022】工程(c)では、工程(b)で得られた膜状物を水系溶液またはアルコール系溶液に浸漬し、該膜状物より、溶媒とアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物を除去する。水系溶液またはアルコール系溶液は溶媒と塩化物を共に溶解できるので好適に使用できる。水系溶媒としては水を用いてもよい。溶媒と塩化物が除去された膜状物は、ついで乾燥され、多孔質フィルムが得られる。乾燥方法は特に限定されず、公知の方法が使用できる。
【0023】工程(d)で多孔質フィルムに熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を含浸させる方法は特に限定されず、従来知られている紙またはガラスクロスへ熱硬化性樹脂を含浸させる方法などを適用することができる。例えば、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる組成物を溶剤に溶解したワニスを調製し、本発明の多孔質フィルムに塗布して含浸させた後、溶剤を蒸発させてプリプレグを製造することができる。なお、樹脂として熱可塑性樹脂のみを使用するプリプレグまたは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を使用するプリプレグにおいては、熱可塑性樹脂を均質に多孔質フィルムに分散するという観点から、熱可塑性樹脂の全部又は一部を上記工程(a)で膜状物形成に使用する溶液に添加することが好ましい。
【0024】本発明のプリプレグは、熱線膨張率が低く、機械的強度に優れ、また径の小さな針状物でも突き刺し可能なことから、突き刺し方式で製造されるプリント回路積層板用として好適に使用できる。また、本発明のプリプレグを用いて突き刺し方式で製造されるプリント回路積層板は高集積化が可能になる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例及び比較例における試験、評価方法および判定基準は次に示すとおりである。
【0026】(1)固有粘度96〜98%硫酸100mlにパラアラミド0.5gを溶解した溶液及び96〜98%硫酸について、それぞれ毛細管粘度計により30℃にて流動時間を測定し、求められた流動時間の比から次式により固有粘度を求めた。
固有粘度=ln(T/T0)/C〔単位:dl/g〕
ここでT及びT0はそれぞれパラアラミド硫酸溶液及び硫酸の流動時間であり、Cはパラアラミド硫酸溶液中のパラアラミド濃度(g/dl)を示す。
【0027】(2)空隙率多孔質フィルムを正方形状に切取り(一辺の長さL:cm)、重量(W:g)、厚み(D:cm)を測定した。パラアラミドの真密度を1.45g/cm3とみなして、次式により空隙率(体積%)を求めた。
空隙率(体積%)=100−100×(W/1.45)/(L2×D)
【0028】(3)突き刺し試験突き刺し試験の変位とは、多孔質フィルムを内径が12mmの2個の筒で挟み固定し、先端のRが0.5mmであるステンレス製針を200mm/分の速度で、25μmの厚みの多孔質フィルムに垂直に突き刺す。該針が該多孔質フィルムに接してから穴があくまでの該針の先端が移動した距離を変位とする。
【0029】(4)熱線膨張係数ASTM D696に従い、セイコー電子(株)製熱分析装置TMA120を用いて測定し、以下の式によって算出した。
α1=ΔL/(L0・ΔT)
ここで、α1:熱線膨張係数(/℃)
ΔL:試験片の変化長L0:試験前の試験片長ΔT:温度差(℃)
【0030】実施例11)ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)の重合撹拌翼、温度計、窒素流入管及び粉体添加口を有する5リットル(l)のセパラブルフラスコを使用してポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)(以下、PPTAと略す。)の重合を行った。フラスコを十分乾燥し,N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す。)4200gを仕込み、200℃で2時間乾燥した塩化カルシウム272.7gを添加して100℃に昇温した。塩化カルシウムが完全に溶解した後室温に戻して、パラフェニレンジアミン(以下、PPDと略す。)132.9gを添加し完全に溶解させた。この溶液を20±2℃に保ったまま、テレフタル酸ジクロライド(以下、TPCと略す。)243.3gを10分割して約5分おきに添加した。その後溶液を20±2℃に保ったまま1時間熟成し、気泡を抜くため減圧下30分撹拌した。得られた重合液(重合体ドープ)は光学的異方性を示した。一部をサンプリングして水で再沈してポリマーとして取り出し、得られたPPTAの固有粘度を測定したところ1.96dl/gであった。
【0031】2)PPTAフィルムの空隙率及び熱線膨張係数PPTAからなる多孔質フィルムを上記項1)の重合液から作製した。即ち項1)の重合液100gを、攪拌翼、温度計、窒素注入管及び液体添加口を有する500mlのセパラブルフラスコに秤取し、NMP150gで希釈した。得られた溶液はPPTA濃度が2.4重量%で塩化カルシウムはPPTAのアミド基1モルに対し2モルの割合であった。次に、テスター産業株式会社製バーコーター(膜厚0.8mm)により、ガラス板上に当該溶液の膜状物を作製し、直ちに、80℃の加熱オーブンに約20分間保持した。この間に、PPTAが析出し、多孔質の膜状物が得られた。この多孔質の膜状物をイオン交換水に浸漬した。3分後に、多孔質の膜状物をガラス板から剥離した。イオン交換水を流しながら十分に水洗した後、水中より多孔質の膜状物を取り出し、遊離水をふき取った。この多孔質の膜状物を濾紙に挟み、さらにガラスクロスにはさんだ。多孔質の膜状物を濾紙とガラスクロスではさんだ状態で、アルミ板を乗せ、その上にナイロンフィルムを被せ、ナイロンフィルムとアルミ板とをガムでシールして、減圧のための導管をつけた。全体を熱オーブンに入れ120℃で減圧しながら多孔質の膜状物を乾燥した。得られた多孔質フィルムは厚みが32μmで空隙率が60%であった。また、200〜300℃における熱線膨張係数は−6.5×10-6/ ℃であった。突き刺し試験での変位測定は、塗工厚みを変え、厚みが25μmの多孔質フィルムを作成して実施した。この時の変位は0.8mmであった。
【0032】3)プリプレグ、プリント回路用基材および積層板の作製(1)ワニスの調製下記の組成の混合物に溶媒(メチルエチルケトン、以下、MEKと略す。)を加え、還流管を付けた300mlの三角フラスコ中、マグネチックスターラーで撹拌しながら90分間加熱還流しワニスを得た。
ワニス配合組成: (重量部)
主剤:スミエポキシLDX−4120(住友化学工業製) 100.0 硬化剤:ジシアンジアミド(DICY、東京化成製) 2.7 触媒:2−メチル−4−エチルイミダゾール(四国化成製) 0.2【0033】(2)プリプレグの作製多孔質フィルムを100mm角に切断し、(1)で調製したワニスを両面に塗布した。ワニスが含浸する間、溶媒が揮発しないようにフッ素フィルム(商品名:トヨフロン50F、東レ(株)製)に挟み、さらに押し付け、一様にワニスを広げた。10分間放置し、ワニスを多孔質フィルムに均一に含浸させた後、ガラスクロス(製品記号:YES−2101、日本板硝子繊維(株)製)上に移して150℃で3分間加熱して溶媒を除去し、エポキシ樹脂を半硬化させてプリプレグを作製した。
【0034】(3)プリント回路用基材の作製該プリプレグを40mm角に切断し、12枚重ね合わせ、10kg/cm2の圧力下170℃にて2時間プレスし、エポキシ樹脂を完全に硬化させて、0.34mm厚みのプリント回路用基材を作製した。得られたプリント回路用基材の誘電率は3.8(1MHz)であり、100℃から200℃の温度範囲での平面方向の熱線膨張係数は1.2×10-5/℃であった。熱線膨張係数の測定に際して、プローブは膨張圧縮型を用い、測定条件は、押し付け荷重3g、昇温速度10℃/分、温度範囲は25℃〜300℃で行なった。
【0035】(4)プリント回路用積層板の作製該プリプレグを40mm角に切断し、12枚重ね合わせ、さらに銅箔(TTAI処理、35μm厚、古河サーキットホイル(株)製)を重ね合わせ、10kg/cm2の圧力下170℃にて2時間プレスし、エポキシ樹脂を完全に硬化させて、0.37mm厚みのプリント回路用積層板を作製した。作製したプリント回路用積層板の銅箔剥離強度を測定したところ、1.3kg/cmであった。
【0036】
【発明の効果】本発明のプリント基板用多孔質フィルムを用いてなるプリプレグは、突き刺し方式で、径の小さな針状物でも突き刺し可能であり、該プリプレグを用い突き刺し方式で製造されてなるプリント回路用積層板は、高集積化が図られるので、工業的価値が大きい。




 

 


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