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発明の名称 ジスアゾ化合物及びそれを含有する染料系偏光膜
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−2631(P2001−2631A)
公開日 平成13年1月9日(2001.1.9)
出願番号 特願平11−175338
出願日 平成11年6月22日(1999.6.22)
代理人 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
【テーマコード(参考)】
2H049
4H006
【Fターム(参考)】
2H049 BA02 BA29 BB43 
4H006 AA01 AA03 AB99
発明者 栢根 豊 / 田熊 朗宏 / 林 成年
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】遊離酸の形で表したときに、下式(I)

(式中、Aは、スルホ及びカルボキシルから選ばれる1個若しくは2個の水溶性基を有するフェニル又は1〜3個のスルホを有するナフチルを表し;[B]は、メチル及びメトキシから選ばれる1個若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニレンを表し;Dは、スルホ及びカルボキシルから選ばれる1個若しくは2個の水溶性基を有し、さらにメチル、メトキシ及び水酸基から選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニルを表すか、又は1個若しくは2個のスルホを有し、さらに水酸基で置換されていてもよいナフチルを表し;R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ独立に、水素、低級アルキル又は低級アルコシキを表し;nは0又は1を表す)で示されるジスアゾ化合物。
【請求項2】Aが、モノスルホフェニル又はジスルホナフチルである請求項1に記載のジスアゾ化合物。
【請求項3】nが0であり、Dがモノスルホフェニル、モノカルボキシフェニル、モノスルホ−2−ナフチル又はジスルホ−2−ナフチルである請求項1又は2に記載のジスアゾ化合物。
【請求項4】nが1であり、−[B]−CONH−Dに相当する基が下式
(式中、mは1又は2を表す)のいずれかで示される請求項1又は2に記載のジスアゾ化合物。
【請求項5】R1 、R2 、R3 及びR4 がそれぞれ独立に、水素、メチル又はメトキシである請求項1〜4のいずれかに記載のジスアゾ化合物。
【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のジスアゾ化合物を偏光膜基材に含有してなる染料系偏光膜。
【請求項7】さらに、該ジスアゾ化合物とは別の有機染料を含有する請求項6に記載の染料系偏光膜。
【請求項8】偏光膜基材がポリビニルアルコール系の樹脂からなるフィルムである請求項6又は7に記載の染料系偏光膜。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料、特に偏光膜用の黄色染料として有用なジスアゾ化合物及びそれを含有してなる染料系偏光膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】偏光膜は、延伸配向したポリビニルアルコール系のフィルム又は、ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩酸若しくはポリビニルアルコール系フィルムの脱水によりポリエンを生成して配向せしめたポリエン系のフィルムなどの偏光膜基材に、偏光素子としてヨウ素や二色性染料を含有させて製造される。これらのうち、ヨウ素系偏光膜は、初期偏光性能には優れるものの、熱に対する耐久性や水に対する耐久性が劣るため、高温・高湿の状態ではその性能が低下するという問題がある。このような耐久性を向上させるために、ホルムアルデヒド又はホウ酸を含む水溶液で処理する方法や、透湿度の低い高分子フィルムを保護膜として用いる方法などが考えられているが、未だ十分とはいえない。
【0003】一方、偏光素子として二色性染料を用いた染料系偏光膜は、ヨウ素系偏光膜に比べて熱及び水に対する耐久性に優れるものの、一般に初期偏光性能が劣る。そこで、染料系偏光膜の偏光性能を高めるために、用いる染料面から各種の研究が行われており、例えば、特開平 1-172906 号公報には、特定のアゾ化合物を黄色染料として用いた偏光膜が記載されている。しかしながら、当該アゾ化合物を含有してなる偏光膜は、性能面で需要家のニーズを十分に満足させるに至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つは、高性能な偏光膜の製造に適した黄色系の化合物を提供することにある。本発明の別の目的は、この化合物を用いて、高性能な偏光膜、特に液晶プロジェクター用として高性能な偏光膜を提供することにある。
【0005】本発明者らは、特に偏光膜用の染料として用いた場合に、偏光膜製造時の染色性が良好であり、偏光性能に優れ、しかも高温・高湿条件下での耐久性と耐光性にも優れる化合物を探索し、また、高分子フィルムに2種類以上の二色性染料を吸着配向させて偏光膜を製造する場合に、比較的短波長の領域(400〜500nm)をカバーする染料として好適な化合物を探索してきた結果、特定のジスアゾ化合物が偏光膜用の染料として有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、遊離酸の形で表したときに、下式(I)
【0007】

【0008】(式中、Aは、スルホ及びカルボキシルから選ばれる1個若しくは2個の水溶性基を有するフェニル又は1〜3個のスルホを有するナフチルを表し;[B]は、メチル及びメトキシから選ばれる1個若しくは2個の置換基で置換されていてもよいフェニレンを表し;Dは、スルホ及びカルボキシルから選ばれる1個若しくは2個の水溶性基を有し、さらにメチル、メトキシ及び水酸基から選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニルを表すか、又は1個若しくは2個のスルホを有し、さらに水酸基で置換されていてもよいナフチルを表し;R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ独立に、水素、低級アルキル又は低級アルコシキを表し;nは0又は1を表す)で示されるジスアゾ化合物を提供し、さらには、当該ジスアゾ化合物を偏光膜基材中に含有してなる染料系偏光膜を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】式(I)において、Aはフェニル又はナフチルであり、このフェニルは、上記のようにスルホ及び/又はカルボキシルを1個又は2個有しており、またナフチルは、上記のようにスルホを1個、2個又は3個有している。[B]はフェニレンであり、このフェニレンは上記のように、無置換であっても、メチル及びメトキシから選ばれる1個又は2個の基で置換されていてもよい。Dはフェニル又はナフチルであり、このフェニルは、上記のようにスルホ及びカルボキシルから選ばれる1個又は2個の水溶性基を有するほか、さらにメチル、メトキシ及び水酸基から選ばれる基で置換されていてもよく、またナフチルは、上記のように1個又は2個のスルホを有するほか、さらに水酸基で置換されていてもよい。nは0又は1であり、したがって、NHCONHとDの間に[B]−CONHが存在する場合と、それが存在せず、NHCONHがDに直接結合する場合の両方が含まれる。
【0010】式(I)中のAで表されるフェニルとしては、例えば、2−、3−又は4−スルホフェニル、2−、3−又は4−カルボキシフェニル、2,4−又は2,5−ジスルホフェニル、2−カルボキシ−4−又は−5−スルホフェニルなどが挙げられる。また、Aで表されるナフチルとしては、例えば、5−、6−、7−又は8−スルホ−2−ナフチル、4−、5−、6−又は7−スルホ−1−ナフチル、6,8−、4,8−又は3,6−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−又は4,6−ジスルホ−1−ナフチル、3,6,8−又は4,6,8−トリスルホ−2−ナフチルなどが挙げられる。このようにAは、スルホ及びカルボキシルから選ばれる水溶性基を合計1個若しくは2個有するフェニル、又はスルホを1〜3個有するナフチルであるが、特に、フェニルである場合は水溶性基としてスルホを1個有するモノスルホフェニルであるのが、またナフチルである場合はスルホを2個を有するジスルホナフチル、とりわけジスルホ−2−ナフチルであるのが適当である。
【0011】nが1で、[B]−CONHが存在する場合、[B]で表されるフェニレンは、二色性の面から、無置換の又は、上記した基で置換された1,4−フェニレン、すなわちp−フェニレンであるのが有利である。かかるフェニレンとして具体的には、当該フェニレンの1−位が式(I)中のNHに結合するとして、1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−メトキシ−1,4−フェニレン、3−メチル−1,4−フェニレン、3−メトキシ−1,4−フェニレン、2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン、2−メチル−5−メトキシ−1,4−フェニレンなどが挙げられる。
【0012】式(I)中のDで表されるフェニルとしては、例えば、2−、3−又は4−スルホフェニル、2−、3−又は4−カルボキシフェニル、2,4−又は2,5−ジスルホフェニル、2−カルボキシ−4−又は−5−スルホフェニル、2−スルホ−4−又は−5−メチルフェニル、3−スルホ−4−メチルフェニル、2−メチル−4−又は−5−スルホフェニル、2−スルホ−4−又は−5−メトキシフェニル、3−スルホ−4−メトキシフェニル、2−メトキシ−4−又は−5−スルホフェニル、2−ヒドロキシ−4−又は−5−スルホフェニル、3−ヒドロキシ−4−カルボキシフェニルなどが挙げられる。またDで表されるナフチルとしては、例えば、5−、6−、7−又は8−スルホ−2−ナフチル、4−、5−、6−又は7−スルホ−1−ナフチル、6,8−、4,8−又は3,6−ジスルホ−2−ナフチル、3,6−又は4,6−ジスルホ−1−ナフチル、5−ヒドロキシ−7−スルホ−2−ナフチル、6−スルホ−8−ヒドロキシ−2−ナフチル、5−ヒドロキシ−7−スルホ−1−ナフチルなどが挙げられる。
【0013】−([B]−CONH)n−D に相当する好ましい基には、次の各式で示されるものが包含される。
【0014】

【0015】式中、mは1又は2を表す。
【0016】さらに、式(I)中のR1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ、水素、低級アルキル又は低級アルコキシであり、ここでの低級アルキル及び低級アルコキシは、それぞれ例えば、炭素数1〜4程度であればよい。低級アルキルとして具体的には、メチル、エチル、プロピルなどが挙げられ、また低級アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどが挙げられる。R1 、R2 、R3及びR4 としては、二色性の面から特に、水素、メチル又はメトキシが適している。
【0017】式(I)で示されるジスアゾ化合物は、例えば、以下に述べる方法によって製造することができる。すなわち、まず下式(II)
【0018】
NH2−([B]−CONH)n−D (II)
【0019】(式中、[B]、D及びnは前記の意味を表す)で示される芳香族アミン化合物を水性溶媒中、常法によりクロロ炭酸フェニルと反応させて、下式 (III)【0020】

【0021】(式中、[B]、D及びnは前記の意味を表す)で示されるカルバメート化合物を得る。次いで、このカルバメート化合物と、下式(IV)
【0022】

【0023】(式中、A、R1 、R2 、R3 及びR4 は前記の意味を表す)で示されるジスアゾ中間化合物とを、水性溶媒中、20〜60℃で反応させることにより、式(I)で示されるジスアゾ化合物を得ることができる。
【0024】このようにして得られる式(I)で示されるジスアゾ化合物は、遊離酸の形でも塩の形でも存在することができる。塩としては、リチウム塩やナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩、エタノールアミン塩やアルキルアミン塩のような有機アミン塩などが挙げられる。この化合物を偏光膜基材に含有させる場合は通常、ナトリウム塩の形で用いるのが好ましい。
【0025】また、式(I)で示されるジスアゾ化合物を偏光膜基材に含有させて偏光膜とする場合は、他の有機染料と併用することにより、色相を補正し、偏光性能を向上させることができる。この場合に用いられる有機染料としては、二色性の高いものであればいかなる染料でもよいが、特に耐光性に優れる染料を選択することにより、液晶プロジェクター用途に適した偏光膜を得ることができる。
【0026】本発明の染料系偏光膜は、式(I)で示される化合物からなる、あるいはさらに他の有機染料を含んでなる二色性染料を、偏光膜基材である高分子フィルムに公知の方法で含有させることによって、製造することができる。この高分子フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール系の樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂などからなるものが利用される。ここでいうポリビニルアルコール系の樹脂には、ポリ酢酸ビニルの部分又は完全ケン化物であるポリビニルアルコール自体のほか、ケン化EVA樹脂のような、酢酸ビニルと他の共重合可能な単量体、例えば、エチレンやプロピレンのようなオレフィン類、クロトン酸やアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸のような不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、ビニルエーテル類などとの共重合体のケン化物、さらにはポリビニルアルコールをアルデヒドで変性したポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども包含される。偏光膜基材としては、ポリビニルアルコール系のフィルム、特にポリビニルアルコールフィルムが、染料の吸着性及び配向性の点から、好適に用いられる。
【0027】このような高分子フィルムに二色性染料を含有させるにあたっては、通常、高分子フィルムを染色する方法が採用される。染色は、例えば次のようにして行うことができる。まず、二色性染料を水に溶解して染浴を調製する。染浴中の染料濃度は特に制限されないが、通常は0.0001〜10重量%の範囲から選択される。また、必要により染色助剤を用いてもよく、例えば、芒硝を染浴中で1〜10重量%用いるのが好適である。このようにして調製した染浴に高分子フィルムを浸漬し、染色を行う。染色温度は、好ましくは40〜80℃である。二色性染料の配向は、高分子フィルムを延伸することによって行われる。延伸する方法としては、例えば湿式法や乾式法など、公知のいずれの方法を採用してもよい。高分子フィルムの延伸は、染色の前に行っても、染色の後に行ってもよい。
【0028】二色性染料を含有させ、配向させた高分子フィルムは、必要に応じて、公知の方法によりホウ酸処理などの後処理が施される。このような後処理は、偏光膜の光線透過率、偏光度及び耐久性を向上させる目的で行われる。ホウ酸処理の条件は、用いる高分子フィルムの種類や用いる染料の種類によって異なるが、一般的には、ホウ酸水溶液のホウ酸濃度を1〜15重量%、好ましくは5〜10重量%の範囲とし、処理は30〜80℃、好ましくは50〜80℃の温度範囲で行われる。さらには必要に応じて、カチオン系高分子化合物を含む水溶液でフィックス処理を併せて行ってもよい。
【0029】このようにして得られる染料系偏光膜は、その片面又は両面に、光学的透明性及び機械的強度に優れる保護膜を貼合して、偏光板とすることができる。保護膜を形成する材料は、従来から使用されているものでよく、例えば、セルロースアセテート系フィルムやアクリル系フィルムのほか、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体のようなフッ素樹脂系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリアミド系フィルムなどが用いられる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本発明をなんら限定するものではない。例中にある%及び部は、特にことわらないかぎり重量基準である。
【0031】実施例1N−(p−アミノベンゾイル)スルファニル酸ナトリウム12部を水700部に溶解した後、20〜25℃の温度で、15%炭酸ナトリウム水溶液によりpH7〜8に調整しながら、クロロ炭酸フェニル8部を30分かけて滴下した。同温度及び同pHで1時間攪拌した後、析出した結晶を濾過して、下式(1)で示される中間体を得た。
【0032】

【0033】得られた中間体の全量と下式(2)
【0034】

【0035】で示されるジスアゾ中間化合物6部を、水150部とN−メチルピロリドン70部の混合液に加え、40〜45℃の温度で、15%炭酸ナトリウム水溶液によりpH8〜9に調整しながら5時間攪拌した。不溶解物を濾過により除いた後、濾液にエタノール300部を加えて結晶を析出させた。この析出した結晶を濾過した後、得られたケーキを水70部とN−メチルピロリドン30部の混合液に再度溶解した。この液にエタノール100部を加え、析出した結晶を濾過することにより、下式(Ia)で示されるジスアゾ化合物を得、この化合物は、水性媒体中でλmax 408nmを示した【0036】

【0037】実施例2スルファニル酸ナトリウム7部を水100部に溶解した後、20〜25℃の温度で、15%炭酸ナトリウム水溶液によりpH7〜8に調整しながらクロロ炭酸フェニル7部を20分かけて滴下した。同温度及び同pHで1時間攪拌した後、塩化ナトリウム10部を加え、析出した結晶を濾過して、下式(3)で示される中間体を得た。
【0038】

【0039】得られた中間体の全量と下式(4)
【0040】

【0041】で示されるジスアゾ中間化合物4部を水50部とN−メチルピロリドン50部の混合液に加え、40〜45℃の温度で、15%炭酸ナトリウム水溶液によりpH8〜9に調整しながら4時間攪拌した。反応液に水100部を加えた後、塩化ナトリウム15部を加えて結晶を析出させた。 この析出した結晶を濾過した後、得られたケーキを水20部とN−メチルピロリドン50部の混合液に再度溶解した。この液にエタノール100部を加え、析出した結晶を濾過することにより、下式(Ib)で示されるジスアゾ化合物を得、この化合物は、水性媒体中でλmax403nmを示した【0042】

【0043】実施例3実施例1で用いたN−(p−アミノベンゾイル)スルファニル酸ナトリウムの代わりに、2−アミノナフタレン−6−スルホン酸ナトリウムを用いて、実施例1と同様の操作を施すことにより、下式(Ic)で示されるジスアゾ化合物を得、この化合物は、水性媒体中でλmax 413nmを示した。
【0044】

【0045】実施例44−アミノサリチル酸5部を水100部に加え、10%苛性ソーダ液でpH7にして溶解した後、20〜25℃の温度で、15%炭酸ナトリウム水溶液によりpH7〜8に調整しながら、クロロ炭酸フェニル6部を30分かけて滴下した。同温度及び同pHで1時間攪拌した後、塩化ナトリウム10部を加えて析出させた結晶を濾過して、下式(5)で示される中間体を得た。
【0046】

【0047】得られた中間体の全量と実施例2に示した式(4)のジスアゾ中間化合物4部とを、水50部とN−メチルピロリドン50部の混合液に加え、40〜45℃の温度で、15%炭酸ナトリウム水溶液によりpH8〜9に調整しながら、4時間攪拌した。20℃まで冷却後、析出した結晶を濾過し、得られたケーキを水20部とN−メチルピロリドン50部の混合液に再度溶解した。この液にエタノール100部を加え、析出した結晶を濾過することにより、下式(Id)で示されるジスアゾ化合物を得、この化合物は、水性媒体中でλmax 402nmを示した【0048】

【0049】実施例5原料化合物を変更して実施例1〜4に準じた操作を施すことにより、それぞれ下式(Ie)、(If)、(Ig)及び(Ih)で示されるジスアゾ化合物を得た。
【0050】

【0051】これらの化合物は、水性媒体中でそれぞれ、409nm、411nm、403nm及び419nmのλmax を示した。
【0052】実施例6厚さ75μm のポリビニルアルコールフィルム(クラレビニロン#7500、(株)クラレ製品)を縦一軸に5倍延伸して、偏光膜基材とした。このポリビニルアルコールフィルムを緊張状態に保ったまま、実施例2で得られた式(Ib)で示されるジスアゾ化合物を0.025%、染色助剤である芒硝を2.0%の濃度とした70℃の水溶液に浸漬した。次に78℃の7.5%ホウ酸水溶液に5分間浸漬したのち、取り出して20℃の水で20秒間洗浄し、50℃で乾燥することにより、偏光膜を得た。得られた偏光膜のλmax (単体透過率が極小となる波長)は420nmであり、この偏光膜は高い偏光度を有し、高温・高湿の状態でも長時間にわたる耐久性を示した。また、長時間暴露に対する耐光性にも優れていた。
【0053】実施例7ジスアゾ化合物を実施例1、3及び4で得られた式(Ia)、(Ic)及び(Id)で示されるそれぞれの化合物に変更して、実施例6と同様の方法により偏光膜を得た。得られた偏光膜のλmax は、それぞれ次のとおりであった。
【0054】

【0055】実施例8ジスアゾ化合物を、実施例5に記載の式(Ie)、(If)、(Ig)及び(Ih)で示されるそれぞれの化合物に変更して、実施例6と同様の方法により偏光膜を得た。得られた偏光膜は、高い偏光度を有し、高温・高湿の条件下での耐久性と長時間暴露に対する耐光性に優れていた。また、これらの偏光膜のλmax は、それぞれ次のとおりであった。
【0056】

【0057】
【発明の効果】本発明のジスアゾ化合物は、染料、特に偏光膜用の染料として有用である。そして、この化合物を含有する染料系偏光膜は、ヨウ素を用いた偏光膜に匹敵する高い偏光性能を示し、また耐久性と長時間暴露に対する耐光性に優れるので、各種液晶表示体、なかでも高い偏光性能と耐光性を必要とする液晶プロジェクター用途に好適である。




 

 


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