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発明の名称 印刷装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−31335(P2001−31335A)
公開日 平成13年2月6日(2001.2.6)
出願番号 特願平11−205851
出願日 平成11年7月21日(1999.7.21)
代理人 【識別番号】100067873
【弁理士】
【氏名又は名称】樺山 亨 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3F100
3F102
【Fターム(参考)】
3F100 AA01 CA04 CA13 EA03 
3F102 AA13 AB01 BA10 BB00 DA08 EA01 EB02 EC03 FA03
発明者 大友 知也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】外周面にマスタが巻装される版胴と、これに対向配置された印圧部材とを備え、上記版胴と上記印圧部材との間に形成される印刷部で印刷用紙の両面に印刷を行う印刷装置において、上記印圧部材の近傍に配置され、両面印刷時において上記印刷部で片面側に印刷された印刷用紙を収納する中間排紙台と、上記片面側を印刷された印刷用紙を受け入れる待機位置と、受け入れた印刷用紙を上記印刷部に再給紙する再給紙位置とに上記中間排紙台を変位する変位手段と、上記印圧部材に沿って形成され上記印刷部と待機位置を占めた中間排紙台とをつなぐ導入経路と、上記印圧部材に沿って形成され再給紙位置を占めた中間排紙台と上記印刷部とをつなぐ再給紙経路とを有することを特徴する印刷装置。
【請求項2】請求項1記載の印刷装置において、上記印圧部材は、印刷用紙の端部を係止する開閉可能な用紙クランプ手段を備え、この用紙クランプ手段で印刷用紙を係止した状態で回転する圧胴であり、上記印刷部よりも用紙搬送方向の上流側で未印刷の印刷用紙を係止する第一用紙挟持位置と、第一用紙挟持位置で係止した印刷用紙を待機位置を占めた中間排紙台の近傍で開放する第一用紙開放位置とで上記用紙クランプ手段を開閉する第1開閉部材を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】請求項2記載の印刷装置において、再給紙位置を占めた中間排紙台から送り出される印刷用紙を係止する第二用紙挟持位置と、第二用紙挟持位置で係止した印刷用紙を上記印刷部よりも用紙搬送方向の下流側で開放する第二用紙開放位置とで上記用紙クランプ手段を開閉する第2開閉部材を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】請求項2記載の印刷装置において、再給紙位置を占めた中間排紙台から送り出された印刷用紙を、上記印刷部に向かって所定のタイミングで給紙する給紙手段を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項5】外周面にマスタが巻装される版胴と、これに対向配置された印圧部材とを備え、上記版胴と上記印圧部材との間に形成される印刷部で印刷用紙の両面に印刷を行う印刷装置において、上記印圧部材の近傍に配置され、両面印刷時において上記印刷部で片面側に印刷された印刷用紙を収納する中間排紙台と、上記中間排紙台に収納された印刷用紙を給紙する給紙位置と、上記中間排紙台に収納された印刷用紙から離間する離間位置とに移動可能に設けられた再給紙手段と、上記印圧部材に沿って形成され上記印刷部と上記中間排紙台とをつなぐ導入経路と、上記印圧部材に沿って形成され、上記中間排紙台と上記印刷部とをつなぐ再給紙経路とを有することを特徴する印刷装置。
【請求項6】請求項5記載の印刷装置において、上記印圧部材は、印刷用紙の端部を係止する開閉可能な用紙クランプ手段を備え、この用紙クランプ手段で印刷用紙を係止した状態で回転する圧胴であり、上記印刷部よりも用紙搬送方向の上流側で未印刷の印刷用紙を係止する第一用紙挟持位置と、第一用紙挟持位置で係止した印刷用紙を上記中間排紙台の近傍で開放する第一用紙開放位置とで上記用紙クランプ手段を開閉する第1開閉部材を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】請求項6記載の印刷装置において、給紙位置を占めた再給紙手段によって上記中間排紙台から給紙される印刷用紙を係止する第二用紙挟持位置と、第二用紙挟持位置で係止した印刷用紙を上記印刷部よりも用紙搬送方向の下流側で開放する第二用紙開放位置とで上記用紙クランプ手段を開閉する第2開閉部材を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項8】請求項6記載の印刷装置において、給紙位置を占めた再給紙手段によって上記中間排紙台から給紙された印刷用紙を、上記印刷部に向かって所定のタイミングで給紙する給紙手段を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項9】請求項1乃至8の何れか1つに記載の印刷装置において、上記導入経路に臨んで設けられ、この導入経路上を搬送される印刷用紙の印刷面に送風を与える送風手段を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】請求項9記載の印刷装置において、両面印刷された印刷用紙が排紙される排紙台と、上記排紙台と上記印刷部の間に配置され、この印刷部を通過した印刷用紙を上記排紙台に向かって吸着搬送する排紙搬送手段とを有し、上記送風手段は、上記排紙搬送手段と共有化して設けられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項11】請求項10記載の印刷装置において、上記排紙搬送手段は、上記印刷部近傍から上記排紙台に向かって移動する搬送ベルトと、この搬送ベルトに吸引作用を与える吸引ファンとを備え、上記送風手段は、上記吸引ファンの排風側に接続され、上記導入経路に開口部を臨ませた排気流路を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項12】請求項1乃至11の何れか1つに記載の印刷装置において、上記版胴に対向して配設され、マスタを介して上記版胴に接離自在なマスタ押え手段と、このマスタ押え手段を接離自在に駆動する押え駆動手段とを備え、上記版胴の外周面に巻装するマスタの供給長さは、上記外周面の外周長よりも長く、かつ、上記外周面へのマスタ巻装後のマスタの後端が、マスタの先端部側に形成された穿孔画像領域の穿孔画像開始位置まで達しない長さに設定されており、上記の供給長さに設定された設定マスタの上記外周面への設定マスタ巻装終了時に形成されるマスタ重合領域に対応した該設定マスタの先端部分に第1次穿孔領域が少なくとも1箇所形成されているとともに、上記設定マスタの先端と第1次穿孔領域の開始位置との間に第1未製版領域が、および第1次穿孔領域の終了位置と上記穿孔画像開始位置との間に第2未製版領域がそれぞれ形成されており、上記設定マスタ巻装開始時、上記マスタ押え手段が第1および第2未製版領域を押圧し、上記マスタ押え手段が第1次穿孔領域および上記穿孔画像領域の上記設定マスタの押圧をそれぞれ回避するように上記押え駆動手段を制御する制御手段を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項13】請求項12記載の印刷装置において、上記制御手段は、上記設定マスタ巻装終了時、上記マスタ押え手段が上記マスタ重合領域における第1次穿孔領域を押圧するように上記押え駆動手段を制御することを特徴とする印刷装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用紙の両面に印刷可能な印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】外周面に製版済みのマスタが巻装される版胴と、これに対向配置された印圧部材との間に形成される印刷部で印刷用紙の両面に印刷を行う印刷装置が知られている。このような両面印刷装置において問題となるのは、片面印刷の直後に、その印刷面に接触する部材、例えば給紙ローラやガイド板による擦れ汚れや、この給紙ローラやガイド板に付着したインキが、次の印刷用紙の印刷面に付着する再転移によって印刷面が汚れることである。
【0003】このような印刷面の汚れを防止するために、片面印刷後、インキが乾くまで一定時間待機後に再給紙する手法や、特開平9−188057号公報に示すように、片面印刷された印刷用紙を印刷部の直後に設けた再転移防止機構を介して搬送することで印刷用紙に付着したインキを乾燥させて搬送している。
【0004】また、両面印刷を行う場合に問題となるのは、片面印刷後の印刷用紙を如何に反転させて印刷用紙の反対面に画像の印刷を行うかという点である。例えば特開平9−95033号公報には、片面印刷を終えた印刷用紙を第1搬送手段で版胴の下方に配置された付勢手段に略真上から搬送し、この付勢手段の付勢力で片面印刷された印刷用紙の印刷面が版胴側に面するように飛ばし、第2搬送手段で版胴に向かって搬送する用紙反転手段が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−188057号公報に記載の発明では、インキの再転移を防止するのに、印刷用紙に付着したインキを乾燥させる再転移防止機構が必要であるので、装置の小型化や低コスト化を図る場合の妨げとなってしまう。また、片面印刷された印刷用紙を印刷部へ再給紙する再に用いる搬送経路が、片面印刷された印刷用紙を収納する排紙台から給紙台の方まで延び、印刷部へと再び戻る形状となっているので、印刷部までの搬送経路が長く、装置の小型化の妨げとなってしまう。
【0006】特開平9−95033号公報に記載の発明では、用紙反転手段の付勢手段で再給紙時に印刷用紙を飛ばしているので、再給紙された印刷用紙の版胴に対するレジスト位置の精度にバラツキがあり、安定した位置に画像印刷が行いにくいという問題点がある。
【0007】本発明は、装置の小型化を図れる印刷装置を提供することを目的とする。本発明は、装置の小型化を図りながら印刷画像の擦れや再転移による汚れを防止できる印刷装置を提供することを目的とする。本発明は、印刷用紙の搬送の安定化を向上しながら印刷画像の擦れや再転移による汚れを防止できる孔版印刷装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、マスタがその外周面に巻装される版胴とこれに対向配置された印圧部材との間に形成される印刷部に印刷用紙を送って、印刷用紙の両面に印刷を行う印刷装置において、印圧部材の近傍に、両面印刷時において印刷部で片面側に印刷された印刷用紙を収納する中間排紙台を配置し、この中間排紙台を、片面側を印刷された印刷用紙を受け入れる待機位置と、受け入れた印刷用紙を印刷部に再給紙する再給紙位置とに変位手段で変位するとともに、印刷部と待機位置を占めた中間排紙台とをつなぐ導入経路と、再給紙位置を占めた中間排紙台と印刷部とをつなぐ再給紙経路とを印圧部材に沿って形成したことを特徴としている。印刷部で片面印刷された印刷用紙は、印圧部材に沿って導入経路から待機位置を占めた中間排紙台上に排紙され、中間排紙台の再給紙位置から再給紙経路を経て印刷部へと再給紙される。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の印刷装置において、印圧部材が印刷用紙の端部を係止する開閉可能な用紙クランプ手段を備え、この用紙クランプ手段で印刷用紙を係止した状態で回転する圧胴であり、印刷部よりも用紙搬送方向の上流側で未印刷の印刷用紙を係止する第一用紙挟持位置と、第一用紙挟持位置で係止した印刷用紙を待機位置を占めた中間排紙台の近傍で開放する第一用紙開放位置とで用紙クランプ手段を開閉する第1開閉部材とを有している。未印刷の印刷用紙は、第1開閉部材で第一用紙挟持位置で開閉される用紙クランプ手段で圧胴上に係止されて第一用紙開放位置に向かって搬送され、印刷部を通過する際に片面印刷を行われ、第一用紙開放位置で第1開閉部材によって開放され、中間排紙台へと搬送される。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載の印刷装置において、再給紙位置を占めた中間排紙台から送り出された印刷用紙を係止する第二用紙挟持位置と、第二用紙挟持位置で係止した印刷用紙を印刷部よりも用紙搬送方向の下流側で開放する第二用紙開放位置とで用紙クランプ手段を開閉する第2開閉部材とを有している。片面印刷された印刷用紙は、中間排紙台が再給紙位置を占め、第2開閉部材で第二用紙挟持位置で開閉される用紙クランプ手段で圧胴上に係止されて第二用紙開放位置へ向かって搬送され、印刷部を通過する際に、印刷されていない非印刷面に印刷され、第二用紙開放位置で第2開閉部材によって開放される。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項2記載の印刷装置において、再給紙位置を占めた中間排紙台から送り出された印刷用紙を、印刷部に向かって所定のタイミングで給紙する給紙手段を有することを特徴としている。片面印刷された印刷用紙は、中間排紙台が再給紙位置を占め、給紙手段よって所定のタイミングで印刷部に向かって給紙され、印刷部を通過する際に印刷されていない非印刷面に印刷される。
【0012】請求項5記載の発明は、外周面にマスタが巻装される版胴と、これに対向配置された印圧部材とを備え、版胴と印圧部材との間に形成される印刷部で印刷用紙の両面に印刷を行う印刷装置において、印圧部材の近傍に配置され、両面印刷時において印刷部で片面側に印刷された印刷用紙を収納する中間排紙台と、中間排紙台に収納された印刷用紙を給紙する給紙位置と中間排紙台に収納された印刷用紙から離間する離間位置とに移動可能に設けられた再給紙手段と、印圧部材に沿って形成され印刷部と中間排紙台とをつなぐ導入経路と、印圧部材に沿って形成され、中間排紙台と印刷部とをつなぐ再給紙経路とを有することを特徴としている。印刷部で片面印刷された印刷用紙は、印圧部材に沿って導入経路から中間排紙台上に排紙され、中間排紙台から再給紙経路を経て印刷部へと再給紙される。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項5記載の印刷装置において、印圧部材が印刷用紙の端部を係止する開閉可能な用紙クランプ手段を備え、この用紙クランプ手段で印刷用紙を係止した状態で回転する圧胴であり、印刷部よりも用紙搬送方向の上流側で未印刷の印刷用紙を係止する第一用紙挟持位置と、第一用紙挟持位置で係止した印刷用紙を中間排紙台の近傍で開放する第一用紙開放位置とで用紙クランプ手段を開閉する第1開閉部材を有することを特徴としている。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項6記載の印刷装置において、給紙位置を占めた再給紙手段によって中間排紙台から給紙される印刷用紙を係止する第二用紙挟持位置と、第二用紙挟持位置で係止した印刷用紙を印刷部よりも用紙搬送方向の下流側で開放する第二用紙開放位置とで用紙クランプ手段を開閉する第2開閉部材を有することを特徴としている。未印刷の印刷用紙は、第1開閉部材で第一用紙挟持位置で開閉される用紙クランプ手段で圧胴上に係止されて第一用紙開放位置に向かって搬送され、印刷部を通過する際に片面印刷を行われ、第一用紙開放位置で第1開閉部材によって開放され、中間排紙台へと搬送される。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項6記載の印刷装置において、給紙位置を占めた再給紙手段によって中間排紙台から送り出された印刷用紙を、印刷部に向かって所定のタイミングで給紙する給紙手段を有することを特徴としている。片面印刷された印刷用紙は、給紙位置を占めた中間排紙手段で中間排紙台から給紙された後に、給紙手段よって所定のタイミングで印刷部に向かって給紙され、印刷部を通過する際に印刷されていない非印刷面に印刷される。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の何れか1つに記載の印刷装置において、導入経路上を搬送される印刷用紙の印刷面に送風を与える送風手段を、導入経路に臨んで設けたことを特徴としている。導入経路を用紙クランプ手段によって圧胴に係止された状態で搬送される片面印刷された印刷用紙は、その印刷面に送風手段により送風を受けるので、印刷された画像のインキが、印刷用紙の導入経路の移動中に乾燥される。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項9記載の印刷装置において、印刷部と両面印刷された印刷用紙が排紙される排紙台との間に配置され、この印刷部を通過した印刷用紙を排紙台に向かって吸着搬送する排紙搬送手段を有し、送風手段が、この排紙搬送手段と共有化されていることを特徴としている。
【0018】請求項11記載の発明は、請求項10記載の印刷装置において、排紙搬送手段が、印刷部近傍から排紙台に向かって移動する搬送ベルトと、この搬送ベルトに吸引作用を与える吸引ファンとを備え、送風手段が、吸引ファンの排風側に接続され、導入経路に開口部を臨ませた排気流路を有することを特徴としている。吸引ファンで発生した吸引力は、搬送ベルトに作用して両面印刷された印刷用紙を搬送ベルトに吸着させる。吸引ファンで発生した送風は、排気流路を通り導入経路を通過中の片面印刷された印刷用紙に吹き付けられる。
【0019】請求項12記載の発明は、請求項1乃至11の何れか1つに記載の印刷装置において、版胴に対向して配設されマスタを介して版胴に接離自在なマスタ押え手段と、このマスタ押え手段を接離自在に駆動する押え駆動手段とを備え、外周面に巻装するマスタの供給長さが、外周面の外周長よりも長く、かつ、外周面へのマスタ巻装後のマスタの後端が、マスタの先端部側に形成された穿孔画像領域の穿孔画像開始位置まで達しない長さに設定されており、この供給長さに設定された設定マスタの外周面への設定マスタ巻装終了時に形成されるマスタ重合領域に対応した該設定マスタの先端部分に第1次穿孔領域が少なくとも1箇所形成されているとともに、設定マスタの先端と第1次穿孔領域の開始位置との間に第1未製版領域が、および第1次穿孔領域の終了位置と上記穿孔画像開始位置との間に第2未製版領域がそれぞれ形成されており、設定マスタ巻装開始時、マスタ押え手段が第1および第2未製版領域を押圧し、マスタ押え手段が第1次穿孔領域および穿孔画像領域の設定マスタの押圧をそれぞれ回避するように押え駆動手段を制御する制御手段を有することを特徴としている。
【0020】版胴外周面の外周長よりも長く設定されたマスタは、押え駆動手段が制御手段によって制御されることでマスタに接離するマスタ押え手段により、第1および第2未製版領域を押圧されるので、従来のように、マスタを版胴に係止するマスタ係止手段がなくても版胴外周面に係止されることになる。
【0021】請求項13記載の発明は、請求項12記載の印刷装置において、制御手段が、設定マスタ巻装終了時、マスタ押え手段がマスタ重合領域における第1次穿孔領域を押圧するように押え駆動手段を制御することを特徴としている。版胴に係止されたマスタは、マスタ押え手段によってマスタ重合領域をマスタ巻装終了時に押圧されるので、従来のマスタ係止手段を用いることなく版胴外周面に巻装されることになる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。各実施の形態に亘り、同一の機能および形状等を有する構成部品等については、同一符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。
(第1の形態)図1に示すように、印刷装置の一形態である孔版印刷装置は、未印刷の印刷用紙(以下「印刷用紙」と記す)31に対して片面印刷及び両面印刷をできるものである。この孔版印刷装置は、製版済みのマスタ13が巻装される版胴11を備えたドラムユニット10と、版胴11に対向して配置された印圧部材としての圧胴21を備えた押圧ユニット20と、印刷用紙31を有する給紙部30と、片面印刷された印刷用紙34(以下「印刷用紙34」と記す)を収納する中間排紙台71と、印刷を終えた印刷用紙31、34が排出される排紙部としての排紙台60と、排紙搬送手段としての吸着搬送装置50とを備えている。
【0023】版胴11と圧胴21との互いの対向部には、印刷部57が構成されている。この印刷部57では、版胴11の外周面11a(以下「版胴外周面11a」と記す)に対して図示しない周知の接離機構によって所定のタイミングで接離可能に設けられた圧胴21が印刷用紙31、34を版胴11に押圧するとともに、印刷部57において、互いの外周面が同じ移動方向となるように版胴駆動手段としての版胴駆動モータ18によって版胴11及び圧胴21が回転されることで、印刷部57に搬送される印刷用紙31、34に印刷が行われる。
【0024】印刷を終えた印刷用紙31、34は、排紙台60と印刷部57との間に配設された吸着搬送装置50によって排紙台60に順次搬送され、排紙台60上に積載排紙される。本形態において、給紙部30は図1の印刷部57の右側に配置され、排紙台60は印刷部57の左方に配置されている。
【0025】給紙部30は、印刷用紙31を積載する給紙トレイ37と、この給紙トレイ37の上方に配置され印刷用紙31を1枚ずつに分離して給紙する給紙ローラ32と、図示しない分離手段とを配備されている。給紙ローラ32は、給紙駆動モータ(以下「第1給紙モータ」と記す)38によって本形態では時計回り方向に回転駆動される。給紙ローラ32と印刷部57との間に形成される搬送路1上には、給紙トレイ37から給紙される印刷用紙31の、印刷部57に対する進入タイミングを調整するフィードローラ対33が設けられている。
【0026】版胴11は、版胴外周面11aに製版済みのマスタ13が巻き付けられる円筒状の多孔性支持体と多孔質のメッシュスクリーンとを重合した周知の構造のもので、製版済みのマスタ13の先端13aを係止(挟持)するマスタ係止手段としての開閉可能なクランパ12と、版胴内部に設けられ、版胴内周面にインキを供給するインキ供給手段19とを備えている。インキ供給手段19は、版胴11の回転中心軸とインキ供給管を兼ねた支持軸14と、版胴内周面に摺接してインキを供給するインキ供給ローラ15と、インキ供給ローラ15に対向配置されたドクターローラ16と、インキ供給ローラ15とドクターローラ16との間に形成されるくさび状のインキ溜まり17とから構成されており、インキ溜り17のインキを版胴内周面に適量供給する周知の構成を採っている。
【0027】版胴11の左方には、図示しない排版装置が設けられている。排版装置は、排版剥離ローラ対、排版搬送ベルト、排版コロ、排版ボックス、圧縮板等を備えた図示しない周知の構成からなり、版胴外周面11aに巻き付けられた使用済みのマスタを剥離して廃棄する周知のものである。
【0028】給紙部30の上方には、ロール状に巻かれた未製版のマスタを、サーマルヘッドとプラテンーラとで挟持して、画像信号に応じた画像を製版しながら版胴11に向かって搬送する周知の図示しない製版・給版部が配置されている。本形態では、1枚のマスタに対して、印刷用紙31,34の片面に印刷する製版画像をそれぞれ形成するようになっている。従って、片面印刷時には、製版済みのマスタ13が1枚用いられ、両面印刷時には、表面側印刷用と裏面側印刷用に2枚の製版済みのマスタ13が使用される。
【0029】圧胴21は、製版済みのマスタ13が版胴外周面11aに巻装された版胴11に対して印刷用紙31,34を押圧するもので、版胴11の外径と略同径で版胴11と反対方向に版胴11の周速度と略同じ周速度で軸22を中心に回転するようになっている。圧胴21は、図示しない接離機構によって版胴外周面11aに対して接離可能に設けられていて、この接離機構によってクランパ12が印刷部57を通過する際に版胴外周面11aから離間し、印刷用紙31,34が印刷部57を通過する際に、版胴外周面11aに圧接して印刷用紙31,34と版胴11に印圧を加える構成となっている。
【0030】圧胴21の外周面21a(以下「圧胴外周面21a」と記す)の一部には、図2に示すように、窪み部21bが形成されている。窪み部21bには、給紙されて来た印刷用紙31,34の先端部31a,34aを所定範囲だけ挾持保持することで係止する用紙クランプ手段40が配設されている。用紙クランプ手段40は、給紙されて来た印刷用紙31、34の先端部31a、34aを係止する開閉自在なくわえ爪24と、くわえ爪24の基端部を固定して圧胴外周面21aの一母線方向に延びた軸23と、くわえ爪24を開閉駆動するための後述する圧胴給紙カム47、48、49に摺接するカムフォロア25と、軸23とカムフォロア25との間に固設され圧胴給紙カム47、48、49の動きをくわえ爪24に伝えるアーム26と、窪み部21bに固設され軸23の両端部を所定角度回動自在に支持するベース27と、くわえ爪24を閉じる位置にその磁力で保持するマグネット28と、くわえ爪24を閉じる向きに付勢する引っ張りスプリング29とから主に構成されている。
【0031】図1に示すように、中間排紙台71は、圧胴21の下方近傍に配置されていて、両面印刷時に片面印刷された印刷用紙34を受け入れる実線で示した待機位置と、受け入れた印刷用紙34を印刷部57に再給紙する仮想線で示した再給紙位置とに変位自在に設けられ、図3に示す変位手段70によって、待機位置と再給紙位置とへ移動されるようになっている。
【0032】中間排紙台71は、図3に示すように、印刷用紙34を積載する載置面71aが傾斜するように装置本体内に斜めに配置されていて、その端部に印刷用紙34の落下を防止するストッパ部材78が設けられている。圧胴21の軸線方向に位置する中間排紙台71の両縁部には、載置面71aに対して略直角に折り曲げられた側板71bがそれぞれ形成されている。各側板71bには、一対のピン73がそれぞれ圧胴21の軸線方向に突出するように設けられている。各ピン73は、図示しない装置フレームに、矢印Xで示す中間排紙台71の移動方向(以下「トレイ移動方向X」と記す)に延びて形成されたガイド溝76に挿入されている。
【0033】中間排紙台71の、側板71bと反対側に位置する部位には、駆動歯車72を固定された軸74が回転自在に支持されている。軸74には、排紙台駆動手段としてのトレイ駆動モータ77が、周知の動力伝達機構を介して連結されている。トレイ駆動モータ77には、本形態ではステップモータが採用されている。駆動歯車72には、ガイド溝76と略平行となるように図示しない装置フレームに固定されて配置されたラック75の歯部が噛合している。このため、中間排紙台71は、トレイ駆動モータ77が駆動されることで、ガイド溝76に案内されつつ、ラック75上をトレイ移動方向Xに移動する構成となっている。変位手段70は、これら駆動歯車72、ラック75、ピン73、ガイド溝76、トレイ駆動モータ77で構成される。本形態において、中間排紙台71のトレイ移動方向Xへの移動ストロークは、圧胴21の略直径相当となっている。
【0034】図1に示すように、圧胴外周面21aの近傍には、導入経路2と再給紙経路3とが、それぞれ圧胴外周面21aに沿うように形成されている。導入経路2は、印刷部57と、図1に実線位置で示す待機位置を占めた中間排紙台71とをつなぐもので、つわえ爪24で圧胴21上に保持された片面印刷された印刷用紙34を、印刷部57と吸着搬送装置50の間に配置された分離爪36と圧胴外周面21aとの間を通し、反転させて待機位置を占めた中間排紙台71へと案内するためのものである。このため、両面印刷時において片面印刷された印刷用紙34は、その印刷面(印刷面)が載置台71a側に面するように中間排紙台71上に排紙される。
【0035】再給紙経路3は、図1に仮想線で示す再給紙位置を占めた中間排紙台71と印刷部57とをつなぐもので、中間排紙台71上の印刷用紙34を、印刷部57に対してその上流側から案内するためのものである。
【0036】図4に示すように、圧胴給紙カム47,48,49は、圧胴21と一体回転可能に設けられているとともに、圧胴21の軸線方向に周知のスライド機構によって選択的に移動可能に設けられている。
【0037】圧胴給紙カム47は、図4(a)に示すように、単独の片面印刷時や、版付け時に用いるカムであって、その輪郭面47aの一部に段差部47bが形成されており、カムフォロア25が当接するようになっている。圧胴給紙カム47は、段差部47bの範囲θ1において、印刷用紙31の先端部31aを挟持するカムプロフィールを備えている。圧胴給紙カム47は、くわえ爪24が、版胴外周面11aと圧胴外周面21aとが押圧する直前、すなわち、図1に示す第一用紙挟持位置で閉じ、印圧後、吸着搬送装置50に至る直前、すなわち、図10に示す分離爪36の直前の第二用紙開放位置で開くように、その範囲θ1が設定配置されている。
【0038】圧胴給紙カム48は、図4(b)に示すように両面印刷時における印刷用紙31の片面側を印刷する際に用いる表面側のカムであって、その輪郭面48aに段差部48bが形成されており、カムフォロア25が当接するようになっている。圧胴給紙カム48は、段差部48bの範囲θ2において、印刷用紙31の先端部31aを挟持するカムプロフィールに形成されている。圧胴給紙カム48は、くわえ爪24が、図1に示す第一用紙挟持位置でくわえ爪24を閉じ、印刷部57を通過して第一用紙挟持位置で係止した印刷用紙31を、待機位置を占めた中間排紙台71の直前近傍で開放する図7に示す第一用紙開放位置でくわえ爪24を開く第1開閉部材を構成している。
【0039】圧胴給紙カム49は、図4(c)に示すように両面印刷時に中間排紙台71の印刷用紙34を再給紙して印刷する際に用いる裏面側のカムであって、その輪郭面49aに段差部49bが形成されており、カムフォロア25が当接するようになっている。圧胴給紙カム49は、段差部49bの範囲θ3において、中間排紙台71から給紙された印刷用紙34の先端部34aを挟持するカムプロフィールに形成されている。圧胴給紙カム49は、図9に実線で示す再給紙位置を占めた中間排紙台71から送り出される印刷用紙34を挟持すべく、再給紙位置を占めた中間排紙台71と略対向する第二用紙挟持位置でくわえ爪24を閉じ、第二用紙挟持位置で挟持した印刷用紙34を印刷部57よりも矢印Zで示す用紙搬送方向(以下「用紙搬送方向Z」と記す)の下流側で、吸着搬送装置50の近傍、すなわち、図10に示す分離爪36の直前で開放する第二用紙開放位置でくわえ爪24を開閉する第2開閉部材を構成している。
【0040】このような構成により、くわえ爪24は、通常、引っ張りスプリング29によって閉じられていて、圧胴給紙カム47,49の輪郭に形成されたカムプロフィールに従い印刷用紙31、34の先端部31a,34aを係止すべく所定のタイミングで開閉し、この開閉後、再び吸着搬送装置50に至る直前の位置で再度開閉されることで、印刷用紙31、34を吸着搬送装置50に送るようにその開閉動作が制御される。また、くわえ爪24は、圧胴給紙カム48の輪郭に形成されたカムプロフィールに従い、両面印刷時における印刷用紙31の先端部31aを係止すべく所定のタイミングで開閉し、この開閉後、中間排紙台71に至る直前の位置で再度開閉されることで、印刷用紙31を中間排紙台71へ送るようにその開閉動作が制御される。
【0041】再給紙位置を占めた中間排紙台71の近傍には、図1に示すように、中間排紙台71に積載された印刷用紙34を1枚ずつ印刷部57に向かって給紙する再給紙手段44を構成する再給紙ローラ35が設けられている。再給紙ローラ35は、再給紙位置を占めた中間排紙台71の載置台71a側に、印刷面を向けて積載された印刷用紙34の最上位のものと適切な給紙圧をもって接触する位置に配置されており、再給紙駆動手段としての第2給紙モータ39によって、本形態では図1において時計回り方向に回転駆動される。第2給紙モータ39は、図9に示す第二用紙挟持位置で開閉するくわえ爪24で印刷用紙34の先端部34aを係止できるタイミングで印刷用紙34を給紙するように後述する制御手段でその駆動を制御される。再給紙ローラ35及び第2給紙モータ39は、図示しない装置フレームに固定されていて再給紙手段44を構成している。
【0042】図1に示すように、吸着搬送装置50は、一対のローラ51a,51bの間に掛け渡され、本形態では反時計回り方向に回転駆動される搬送ベルト52と、搬送ベルト52に吸着作用を与えるための吸着ファン53と、吸着ファン53を回転する駆動手段としてのファン駆動モータ55とが備えられており、印刷部57を通過した片面印刷時の印刷用紙31と、中間排紙台71から送り出された印刷用紙34と、版付けされた印刷用紙31を搬送ベルト52に吸着させて排紙台60に向かって搬送するようになっている。
【0043】圧胴21の左側には、図1に示すように、導入経路2上を搬送される片面印刷された印刷用紙34の印刷面に送風を与える送風手段59が導入経路2に臨んで設けられている。送風手段59は、送風発生源となる吸着ファン53と、ファン駆動モータ55と、吸引ファン53の排風側に接続され導入経路2にその開口部56を臨ませた排気流路54とを備えている。
【0044】排気通路54は、吸着ファン53から圧胴21に向かって延び、かつ、圧胴21の軸線方向への幅と略同じ幅を有するように形成されている。排気通路54は、導入経路2の略中央で、圧胴外周面21aに対して間隔をもって配置されており、吸着ファン53で発生した送風が印刷用紙34の外側から、その印刷面に向かって吹き付けられるように構成されている。上記の間隔は、くわえ爪24や、くわえ爪24によって保持された印刷用紙34が、圧胴21の回転時に開口部56と接触しない程度の寸法とされている。つまり、本形態では、送風手段59の構成と、排紙搬送手段としての吸着搬送装置50の構成とが、一部共有化されている。
【0045】本発明にかかる孔版印刷装置は、図6に示す操作パネル80を備えている。操作パネル80には、タッチパネル(タッチセンサスクリーン)86が備えられているとともに、製版スタートキー80a、印刷スタートキー80b、ストップキー80c、テンキー80d、デジタル表示部80eが備えられている。タッチパネル86の画面上には、ボタンの形状をした両面印刷エリア87があり、これを選択したときだけ両面印刷モードが選択される。
【0046】孔版印刷装置は、図5に示す制御手段85を備えている。制御手段85は、インターフェイス81、中央演算処理装置(以下「CPU」と記す)82、読み出し専用記憶装置(以下「ROM」と記す)83、読み書き可能な記憶装置(以下「RAM」と記す)84等の構成を備え、それらが信号バスによって接続された構成を有する周知のマイクロコンピュータからその主要部が構成されている。制御手段85には、操作パネル80の各キーが入力側にそれぞれ接続され、版胴駆動モータ18、第1給紙モータ38、第2給紙モータ39、ファン駆動モータ54、トレイ駆動モータ77が出力側にそれぞれ接続されており、これらとの間で指令信号及びオン/オフ信号やデータ信号を送受信して装置動作全体のシステムを制御している。
【0047】制御手段85は、両面印刷が選択されない場合には、片面印刷として孔版印刷装置の各部を制御し、印刷用紙31の表面側だけに画像を印刷して排紙台60へと排紙するように、周知の如く各部を制御する。制御手段85は、両面印刷が選択された場合には、先ず印刷用紙31の表面に画像を印刷して中間排紙台71上に一旦排紙し、印刷用紙31に対する片面側印刷終了後、中間排紙台71上に積載された印刷用紙34の非印刷面に画像を印刷して排紙台60上に排紙すべく各部を制御する。
【0048】次に、本形態にかかる孔版印刷装置による印刷動作を説明する。図6に示す両面印刷エリア87が選択されて両面印刷モードとなり、印刷用紙31の表面、裏面それぞれに画像を形成する場合とする。両面印刷モードとなって、製版スタートキー80aを押すと、版胴駆動モータ18が駆動され、版胴11が図1におけて矢印方向、すなわち時計回りに回転し、設定されている排版位置に達した時点で停止して版胴外周面11aに装備されたクランパ12が図示しない開閉機構により、その挟持状態を解除され、図示しない排版手段により使用済みのマスタの排版動作が開始される。また、製版スタートキー80aが押されてオンすると、図示しない移動機構によって図4(a)に示す圧胴給紙カム47が選択される。
【0049】使用済みのマスタの排版動作と並行して、版胴11は時計回りに回転し、マスタ供給位置に達し時点で停止して、クランパ12が開いた状態となり、画像信号に応じた製版動作と給版動作が図示しない製版・給版部により実行され、版胴外周面11aへの製版済みのマスタ13の巻き付けが開始されるとともに、ファン駆動モータ55と、搬送ベルト52を回転移動させるため図示しない搬送駆動モータとが駆動される。
【0050】版胴11に対する製版済みのマスタ13の巻付けが終了すると、第1給紙モータ38が駆動制御され、給紙トレイ37に積載されている印刷用紙31のうちの最上位の一枚が、給紙ローラ32によりフィードローラ対33へ向けて送られ、フィードローラ対33により版胴11と圧胴21の回転と同期した所定のタイミングで印刷部57に送られる。印刷用紙31が印刷部57近傍に来ると、すでに選択されている圧胴給紙カム47により、用紙クランプ手段40のくわえ爪24が図1に示す印刷部57よりも上流側の第一用紙挟持位置で一旦開閉して印刷用紙31の先端部31aを保持しながら印刷部57を通過するとともに、圧胴21が図示しない周知の接離機構によって版胴11に対して接離動作することで、印刷部57に位置している印刷用紙31に印圧を与えてこの印刷用紙31に版付けが開始される。
【0051】くわえ爪24が印刷部57を通過すると、圧胴給紙カム47の作用によって、くわえ爪24が分離爪36の直前の第二用紙開放位置で開閉され、印刷用紙31の先端部31aが開放される。このため、印刷部57を通過して版付けされた印刷用紙31は、版胴11と圧胴21の回転力によって送り出され、自身のコシと分離爪36の作用によって圧胴外周面21aから分離して吸着搬送装置50に受け渡される。この受け渡された印刷用紙31は、吸着ファン53の吸引力によって、反時計回り方向に回転移動している搬送ベルト52上に吸着されて排紙台60に向かって搬送され、排紙台60上に排紙される。
【0052】孔版印刷装置は、試し刷りが終了すると、印刷スタートキー80bが押されるまで待機状態となり、この間に図示しない移動機構によって図4(a)に示す圧胴給紙カム47から図4(b)に示す圧胴給紙カム48へとカムを切り替える。そしてテンキー80dで印刷指定枚数を設定後、印刷スタートキー80bを押すと、両面印刷時における片面側印刷動作が開始する。
【0053】この印刷動作では、版胴駆動モータ18が駆動され、版胴11と圧胴21とが回転し、第1給紙モータ38が駆動制御されて給紙トレイ37に積載されている印刷用紙31のうちの最上位の一枚が、給紙ローラ32によってフィードローラ対33へ向けて送られ、フィードローラ対33により版胴11と圧胴21との回転と同期した所定のタイミングで印刷部57に送られる。印刷用紙31が印刷部57近傍に来ると、すでに選択されている圧胴給紙カム48により、くわえ爪24が図1に示す第一用紙挟持位置で一旦開閉して印刷用紙31の先端部31aを保持しながら印刷部57を通過するとともに、圧胴21が図示しない周知の接離機構によって版胴11に対して接離動作することで、印刷部57に位置している印刷用紙31に印圧を与えてこの印刷用紙31に印刷が開始される。
【0054】印刷部57を通過した印刷用紙31は、図7に示すように、用紙クランプ手段40の作用により圧胴21に保持された状態で導入経路2内を移動しながら印刷が行われる。そして、圧胴給紙カム48の作用によって中間排紙台71の直前の第一用紙開放位置でくわえ爪24が開閉されることで、その先端部31aが開放される。
【0055】このため、印刷用紙31は、圧胴21の回転によって導入経路2内を中間排紙台71に向かって搬送されつつ印刷され、圧胴21の回転力と、自身のコシによって圧胴外周面21aから分離して、図8に示すように両面印刷時における片面側を印刷された印刷用紙34として、中間排紙台71に排紙される。片面印刷動作は、ストップキー80cが押されるか、設定した印刷指定枚数分の印刷が終了するまで継続され、中間排紙台71上に片面を印刷された印刷用紙34が順次積載排紙される。この片面側印刷中においては、印刷指定枚数が図示しない枚数カウンタでカウントされてRAM84に記録されるとともに、デジタル表示部80eに印刷枚数が表示され、設定枚数分の印刷が終了すると、裏面側印刷へと移行する。
【0056】このように、印刷用紙31は、用紙クランプ手段40で圧胴21に保持された状態で圧胴外周面21aに沿って形成された導入経路2内を搬送されて中間排紙台71に排紙されるので、片面側印刷の直後に、その印刷面に搬送ローラやガイド板などの部材が接触することがなく、従来のように、部材による擦れ汚れや、部材に付着したインキが次の印刷用紙の印刷面に付着する再転移によって印刷面が汚れることを防止できる。また、導入経路2には、既存の吸着搬送装置50の構成要素である吸着ファン53で発生した送風が印刷用紙34の外側から圧胴21に向かって吹き付けられるので、導入経路2内での印刷用紙34のバタツキがなくなるとともに、印刷面に送風が当たることになり、インキの乾燥が促進されることになる。よって、印刷面が載置面71a側に面して中間排紙台71に排紙されても、中間排紙台71が汚れることがほとんどなくなるとともに、再給紙に際してインキ乾燥のための待機時間も不要となる。送風手段59は、既存の吸着搬送装置50と共有化して構成されているので、従来のように、特別なインキ乾燥のための再転移防止機構を設けなくても良く、装置の小型化を図ることができる。
【0057】裏面側印刷は、印刷指定枚数分の表面側印刷が終了後に、製版スタートキー80aが押されることで開始するが、ストップキー80cが押されて停止指令が出ている場合には、キャンセルされる。
【0058】製版スタートキー80aが押されると、表面側印刷に用いられた使用済みのマスタの排版動作とともに、印刷用紙34の非印刷面に形成すべき画像に対応する画像信号に応じた製版工程が実行されるとともに、トレイ駆動モータ77が駆動されて中間排紙台71が図9に仮想線で示す待機位置から実線で示す再給紙位置へと移動し、再給紙ローラ35に最適な給紙圧で接触した時点で停止し、さらに図示しない移動機構によって、裏面側に対する版付けを行うために、図4(a)に示す圧胴給紙カム47が選択される。
【0059】そして、表面側の版付け同様、印刷用紙31が一枚だけ給紙され、図1に示す第一用紙挟持位置でくわえ爪24によって印刷用紙31の先端部31aが係止されて印刷部57に搬送され、図10に示す第二用紙開放位置でくわえ爪34が開放され、吸着搬送装置50を介して排紙台60に版付けされた印刷用紙31が排紙される。
【0060】版付け後は、印刷スタートキー80bが押されるまでの待機時間を用いて、図示しない移動機構によって裏面側に対する印刷を行うために、図4(a)に示す圧胴給紙カム47から図4(c)に示す圧胴給紙カム49へとカムが切り替えられる。印刷スタートキー80bが押されると、版胴駆動モータ18、ファン駆動モータ55とともに、搬送ベルト52を回転移動させるべく図示しない搬送駆動モータが駆動され、版胴11と圧胴21、搬送ベルト52が回転する。
【0061】圧胴21が回転すると、圧胴給紙カム49も一緒に回転するので、図9に示すように、くわえ爪24が、第二用紙挟持位置で一旦開閉するとともに、第2給紙モータ39が駆動される。このため、中間排紙台71の印刷用紙34が既に印刷されている印刷面を圧胴外周面21a側に面するように第二用紙挟持位置に向かって再給紙され、その先端部34aがくわえ爪24で保持される。先端部34aを保持された印刷用紙34は、図10に示すように、圧胴21の回転に伴い再給紙経路3を移動しながら印刷部57に、その上流側から案内搬送される。版胴外周面11aには、裏面印刷用の画像が製版された製版済みのマスタ13が既に巻装されているので、印刷部57に到達した印刷用紙34の非印刷面に、印刷が開始される。
【0062】くわえ爪24が印刷部57を通過すると、圧胴給紙カム49の作用によりくわえ爪24が分離爪36の直前の第二用紙開放位置で開閉され、印刷用紙34の先端部34aが開放される。このため、印刷部57を通過した印刷用紙34は、版胴11と圧胴21の回転力によって送り出され、自身のコシと分離爪36の作用によって圧胴外周面21aから分離して吸着搬送装置50に受け渡される。この受け渡された両面印刷された印刷用紙34は、吸着ファン53の吸引力によって、搬送ベルト52上に吸着されて排紙台60に向かって搬送されて排紙台60上に排紙される。
【0063】このように、片面印刷された印刷用紙34を受け入れる中間排紙台71は、トレイ移動方向Xへの移動ストロークが、圧胴21の下方において、略圧胴21の直径相当であり、さらに、再給紙位置から印刷部57へと再給紙される印刷用紙34を案内する再給紙経路3が圧胴外周面21aに沿って形成されているので、再給紙のための搬送経路を従来のものよりも格段に短くでき、装置の小型化を図れる。印刷用紙34の再給紙に際しては、印刷用紙34の先端部34aをくわえ爪24によって圧胴21に保持し、圧胴21の回転によって印刷部57まで搬送するので、再給紙された印刷用紙34の版胴11に対するレジスト位置、すなわち、印刷部57に対するレジスト位置の精度が安定し、表裏両面の画像位置ずれを効果的に防止することができる。本形態においては、中間排紙台71への印刷用紙34の案内路となる導入経路2も圧胴外周面21aに沿うように形成されているので、孔版印刷装置内に効率良く導入経路2を配置でき、より一層装置の小型化を図ることができる。
(第2の形態)本形態は、図11,図12に示すように、再給紙位置を占めた中間排紙台71から送り出された印刷用紙34を、印刷部57に向かって所定のタイミングで給紙する給紙手段41を備えている。第2の形態は、再給紙経路42と、給紙手段41等の構成を異にする以外は、第1の形態と基本的に同一の構成を採っている。
【0064】本形態にかかる再給紙経路42は、再給紙位置を占めた中間排紙台71と給紙トレイ37との間で、圧胴外周面21aに略沿うように形成されたガイド板42a,42bの間に形成されている。ガイド板42bの一端は、再給紙位置を占めた中間排紙台71の近傍に位置している。ガイド板42aは、搬送路1を構成するガイド板と共通化されており、中間排紙台71近傍から搬送路1近傍まで延びている。
【0065】給紙手段41は、再給紙経路42に臨んで設けられたフィードローラ対41と、このフィードローラ対41の一方のローラを回転駆動するフィードローラ駆動モータ43とを備えている。フィードローラ駆動モータ43は、図示を省略したが図5に示す制御手段85に接続されていて、両面印刷時における裏面側印刷時に、印刷部57で製版済みのマスタ13の画像領域先端と、印刷印刷34の先端部34aとが一致する所定のタイミングでその駆動を制御される。
【0066】このように、再給紙経路42を構成しても、従来のものに比べて再給紙するための搬送経路を短くでき、装置の小型化を図ることができる。印刷部57に対する給紙が、制御手段85で制御されるフィードローラ対41によって行われるため、印刷部57に対するレジスト位置のずれが少なくなり、表裏両面の画像位置ずれを効果的に防止することができる。また、フィードローラ対41により再給紙時の給紙タイミングを制御するので、第1の形態における圧胴給紙カム49の構成が不要となる。
(第3の形態)この形態は、第1の形態および第2の形態における版胴11に替えて、図13に示すように、製版済みのマスタの先端を保持するクランパ12を備えていないクランパレスの版胴110を用いたものである。
【0067】第3の形態にかかる孔版印刷装置は、図13に示すように、外周面の略全体に亘ってインキ通過性の開孔が設けられ、マスタ61あるいは後述する設定マスタ61aをその外周面110aに巻き付ける回動自在な版胴110と、版胴110の内部に配設され、版胴内部からインキを版胴110上の設定マスタ61aに供給するインキ供給手段19と、版胴110を回転する版胴駆動手段としての版胴駆動モータ18と、版胴110の右側上方に配設され、版胴110の外周面110a(以下「版胴外周面110a」と記す)に巻き付けるマスタ61を所定の供給長さに切断して設定マスタ61aを形成する切断手段としてのカッタ95および設定マスタ61aを穿孔製版する製版手段を有する製版装置90と、版胴110上の設定マスタ61aに印刷用紙31を選択的に押圧する印圧部材としての圧胴21と、設定マスタ61aの移動経路の圧胴21による印刷用紙31の押圧点となる印刷部57より版胴110の回転方向(時計回り方向)の上流側における版胴外周面110aに対向して配設され、設定マスタ61aを介して版胴外周面110aに接離自在なマスタ押え手段としてのマスタ押えローラ121と、このマスタ押えローラ121を接離自在に駆動する押え駆動手段としてのソレノイド125と、この孔版印刷装置の主な制御を行う制御手段185(図13には図示せず図20に示す)と、上述の給紙部30と、吸着搬送装置50と、排紙台60と、送風手段59と、中間排紙台71と、中間排紙台71を仮想線で示す待機位置と、実線で示す再給紙位置とに変位する図3に示す変位手段70とを具備している。
【0068】本形態では、特に版胴110、製版装置90、マスタ押えローラ121近傍の構成と動作を中心に説明を行う。この孔版印刷装置は、製版装置90を内蔵した所謂感熱デジタル製版印刷一体型の構成を採っている。
【0069】以下、説明の便宜上からマスタ61および設定マスタ61aの用語の使い分け方を次のようにする。すなわち、製版手段90により穿孔製版される前のマスタを単にマスタ61とし、製版手段90により穿孔製版されたり、切断手段によって所定の供給長さに切断・設定されたりするマスタを設定マスタ61aとして使い分けるものとする。製版装置90に対向する版胴110の左側上方には、図示しない排版装置が設けられている。
【0070】版胴110は、回転中心軸線方向に所定の幅を有し、図14に示すように、その両端側縁部を除き外周面の全体に亘ってインキ通過性の多数の開孔100aが設けられた金属製の支持円筒体100と、この支持円筒体100の外周面を覆うインキ通過性の樹脂もしくは金属製網体からなるメッシュスクリーン101とからなる周知の構成となっている。版胴110は、図13に示すように、インキ供給管を兼ねる回転中心軸としての支持軸14の周りに回転可能に支持されていて、版胴駆動モータ18によって図中矢印で示す時計回り方向および反時計回り方向に回転される。版胴110は、従来の版胴のように設定マスタ61aの先端部を挾持保持して係止するクランパ等のマスタ係止部材がその外周面に設けられていない特有の構造を有し、版胴外周面110aの如何なる位置であっても版胴110の内部からインキを供給して、設定マスタ61aの先端部をそのインキの粘性による粘着力によって保持させることができる構成となっている。版胴駆動モータ18は、版胴110の回転時に、圧胴21も一緒に回転するように図示しない駆動力伝達機構を介して圧胴21とも連結されている。
【0071】製版装置90は、図15に示すように、マスタ61を芯管89aの周りに巻き付けてロール状に形成したマスタロール88からマスタ61を繰り出し可能に支持する支持部材89bと、マスタロール88から繰り出されたマスタ61を選択的に穿孔製版するサーマルヘッド91と、マスタロール88からマスタ61を引き出しながらこれをサーマルヘッド91に押圧しつつマスタ搬送方向Yの下流側に搬送するプラテンローラ92と、設定マスタ61aを形成する切断手段としてのカッタ95と、設定マスタ61aを搬送するマスタ送りローラ対93と、設定マスタ61aを版胴外周面110aに搬送する給版ローラ対94とから主に構成されている。製版手段は、サーマルヘッド91とプラテンローラ92とから構成される。
【0072】プラテンローラ92は、その軸92aと一体的に取り付けられていて、軸方向に延在して設けられている。軸92aは、図示しない孔版印刷装置の側板に回転自在に支持されている。プラテンローラ92は、軸92aの一端に取り付けられた図示しない回転伝達部材を介してステッピングモータからなるマスタ搬送モータ96に連結され、マスタ搬送モータ96により図示矢印方向に回転される。
【0073】サーマルヘッド91は、プラテンローラ92の下方に位置し、軸92aと平行に延在して設けられている。サーマルヘッド91は、図20に示す制御手段185の制御下におかれていて、この制御手段185からの指令により、プラテンローラ92による設定マスタ61aの搬送と協働して、版胴外周面110aへの設定マスタ61a(製版済みのマスタ)の巻装終了時に形成される、設定マスタ61aの先端部の上に設定マスタ61aの後端部が重ね合わさる図14,図19に示すマスタ重合領域69に対応した設定マスタ61aの先端部分を穿孔して、第1次穿孔領域63を少なくとも1箇所形成する機能を有する。また、サーマルヘッド91は、図示しないA/D変換部および製版制御部で処理されて送出される画像信号に応じて、その発熱素子が選択的に発熱することにより設定マスタ61aの所定位置を加熱溶融し穿孔製版する周知の機能を有する。
【0074】カッタ95は、図15に示すような可動刃としての回転刃95aが固定刃95bに対してマスタ搬送方向Yと直交するマスタ幅方向に回転移動するタイプのものが用いられている。回転刃95aは、カッタモータ98の出力軸に回転伝達部材を介して連結されている。カッタ95は、制御手段185からの指令により、版胴外周面110aの外周長よりも長く、かつ、版胴外周面110aへの設定マスタ61a巻装後の設定マスタ61aの後端が、製版手段90により画像信号に応じて設定マスタ61aの先端部側に形成された穿孔画像領域の穿孔画像開始位置まで達しない長さである所定の供給長さに切断する機能を有する。
【0075】マスタ送りローラ対93および給版ローラ対94の各上側ローラ93a,94aは、駆動ローラとしてそれぞれ構成されており、図示しない回転伝達部材を介してマスタ搬送モータ96に連結されている。マスタ送りローラ対93および給版ローラ対94の各下側ローラ93b,94bは、従動ローラとなっている。
【0076】給版ローラ対94の出口には、設定マスタ61aの搬送の向きを鉛直下向きに変えるガイド板97が設けられている。カッタ95とマスタ送りローラ対93との間、マスタ送りローラ対93と給版ローラ対94との間の各マスタ搬送路上にも図示を省略したマスタガイド板が適宜配設される。なお、プラテンローラ92とカッタ95との間の距離、カッタ95とマスタ送りローラ対93との間の距離、マスタ送りローラ対93と給版ローラ対94との間の距離は、それぞれ図の簡明化を図るため適宜誇張されて描かれており、実際の距離寸法を示すものではないことを付言しておく。
【0077】マスタ押えローラ121は、例えば低硬度のニトリルゴムや発泡部材で構成されている。マスタ押えローラ121は、装置本体側の図示しない側板に設けられた軸124の周りに揺動自在に支持されていて、紙面手前側および奥側に設けられた支持アーム対126の一端に回転可能に取り付けられている。支持アーム対126の他端は、ピンを介してソレノイド125のプランジャ125aにそれぞれ連結されている。装置本体側における支持アーム対126対の他端寄りの部位には、図15、図19に示すように、支持アーム対126の他端が版胴外周面110aから離間するときの揺動を規制するストッパピン122が設けられている。
【0078】支持アーム対126の他端側中央部には、装置本体側の側板にその一端が係止された2本のスプリング123(引張バネ)の他端がそれぞれ係止されていて、支持アーム対126の他端は各スプリング123の付勢力によって常に版胴外周面110aから離間する向きの揺動習性が与えられている。ソレノイド125は、プル型のものを用いており、装置本体側の側板に固設されている。このような構成により、マスタ押えローラ121は、ソレノイド125が印加・励磁されてオンされることによって、図15、図19に仮想線で示す待機位置から実線で示す押圧位置へ変位することができ、待機位置と押圧位置との間で揺動自在になされている。
【0079】なお、後述するように、設定マスタ61aにそれぞれ形成される第1次穿孔領域63、第1および第2未製版領域65,66、穿孔画像領域68およびマスタ重合領域69、ならびに前記した各位置を示す第1次穿孔開始位置62、第1次穿孔終了位置64、穿孔画像開始位置67および穿孔画像終了位置70の詳細は、図の簡明化を図るため図14にまとめて拡大して示してあるので、以下、適宜それらを引用して説明する。
【0080】次に、制御手段185周りの主要な構成について説明する。制御手段185は、図20に示すように、第1あるいは第2の形態の制御手段85の構成に、電磁ソレノイド125、マスタ搬送モータ96とサーマルヘッド91とカッタモータ98等の製版装置90を接続したものである。
【0081】制御手段185は、版胴外周面110aに巻装する設定マスタ61aを、版胴外周面110aの外周長よりも長く、かつ、版胴外周面11aへの設定マスタ巻装後の設定マスタ61aの後端が、設定マスタ61aの先端部側に形成された穿孔画像領域の穿孔画像開始位置まで達しない長さに設定すべく、マスタ搬送モータ96およびカッタモータ98を制御するとともに、図14に示すように、設定マスタ巻装終了時に形成されるマスタ重合領域69に対応した該設定マスタ61aの先端部分に第1次穿孔領域63を少なくとも1箇所形成すべくサーマルヘッド91を制御する制御手段としての機能を有する。これにより、図14に示すように、設定マスタ61aには、設定マスタ61aの先端と第1次穿孔開始位置62との間に第1未製版領域65が、および第1次穿孔終了位置64と穿孔画像開始位置67との間に第2未製版領域66がそれぞれ形成される。制御手段185は、設定マスタ巻装開始時、マスタ押えローラ121が図14に示す第1および第2未製版領域65,66を押圧し、第1次穿孔領域63および穿孔画像領域68の設定マスタ61aの押圧をそれぞれ回避するようにソレノイド125を制御する制御手段としての機能を有する。
【0082】制御手段185は、設定マスタ巻装終了時、つまり製版済みのマスタの巻装終了時、マスタ押えローラ121がマスタ重合領域69における第1次穿孔領域63を押圧するようにソレノイド125を制御する制御手段としての機能を有する。制御手段185は、制御手段85同様、両面印刷が選択されない場合には、片面印刷として孔版印刷装置の各部を制御し、印刷用紙31の表面側だけに画像信号に応じた画像を印刷して排紙台60へ排紙するように周知の如く各部を制御する機能と、両面印刷が選択された場合には、先ず印刷用紙31の表面に画像を印刷して中間排紙台71上に一旦排紙し、印刷用紙31に対する片面側印刷終了後、中間排紙台71上に積載された印刷用紙34の非印刷面に印刷して排紙台60上に排紙すべく各部を制御する機能を備えている。
【0083】なお、第1次穿孔領域63の形成数、その長さおよび面積、第1および第2未製版領域65,66の各長さおよび各面積、ならびにマスタ重合領域69の長さおよび面積等は、インキの種類や温・湿度等の環境条件をも考慮に入れながら本願発明の効果を最適に奏するように実験等により決められる事項であるため、その一々の実施例の説明については省略する。
【0084】次に、本形態にかかる孔版印刷装置の動作を、設定マスタ61a(製版済みマスタ)の版胴110への巻き付け動作を中心に説明する。
【0085】図6に示す製版スタートキー80aを押すと、そのスタート信号が制御手段185に送信されて、先ず、排版動作が行われ、廃棄・排版後に版胴110が所定の位置に停止する。この排版動作と並行して画像の読み取りや画像信号の入力および本形態特有の製版動作が行われる。
【0086】制御手段185からの製版指令がマスタ搬送モータ96に送信されることにより、図15のプラテンローラ92が矢印方向に回転を始め、図20のROM83に記憶されている、マスタ搬送モータ96を所定ステップ数回転駆動するとともにサーマルヘッド91を発熱駆動するデータ等に基づき、サーマルヘッド91の発熱素子が選択的に発熱されることで、プラテンローラ92にサーマルヘッド91により押圧されるマスタ61の先端部が加熱溶融・穿孔されて図14、図19に示す所定範囲の第1次穿孔領域63が形成される。
【0087】次に、マスタ搬送モータ96の所定ステップ数回転駆動後、原稿画像の読み取り信号に応じてサーマルヘッド91の発熱素子が選択的に発熱され、プラテンローラ92にサーマルヘッド91により押圧されるマスタ61の部分が選択的に加熱溶融・穿孔されて図14に示す穿孔画像領域68が形成される。そして、このように穿孔製版された設定マスタ61aの先端部は、プラテンローラ92により送り出され、これと同時に、マスタ送りローラ対93および給版ローラ対94も設定マスタ61aをマスタ搬送方向Yに搬送すべくそれぞれ回転されることにより、設定マスタ61aにはその先端と第1次穿孔開始位置62に第1未製版領域65(図14参照)が、および第1次穿孔終了位置64と穿孔画像開始位置67との間に第2未製版領域66がそれぞれ形成される。
【0088】次いで、マスタ搬送モータ96の所定ステップ数の回転駆動により、設定マスタ61aの先端が版胴外周面110aとマスタ押えローラ121との間の部分に到達したと製版手段185により判断されると、ソレノイド125がオンされることにより、図15に示すように、支持アーム対126がスプリング123の付勢力に抗して軸124を中心にして時計回り方向に揺動変位して、マスタ押えローラ121が実線で示されている押圧位置を占める。これにより、設定マスタ61aの先端から第1次穿孔開始位置62との間の第1未製版領域65(図14参照)が版胴外周面110aに押圧され、これと同時に、版胴駆動モータ18がオンされることにより、版胴110が設定マスタ61aの送り速度と同じ周速度で時計回り方向に回転し、設定マスタ61aの第1未製版領域65が版胴110の内部から版胴外周面110a上に供給されるインキの粘着力で版胴外周面110aに貼り付けられながら、設定マスタ61aの巻装が開始される。
【0089】マスタ搬送モータ96のさらなる所定ステップ数の回転駆動により、設定マスタ61aが搬送されて、その第1次穿孔開始位置62が版胴外周面110aとマスタ押えローラ121との間の部分に到達する直前まで搬送されたと制御手段185で判断されると、ソレノイド125がオフされることにより、図16に示すように、スプリング123の付勢力によって支持アーム対126が軸124を中心にして反時計回り方向に揺動変位して、マスタ押えローラ121が待機位置に復帰する。待機位置に復帰したマスタ押えローラ121は、版胴外周面110aとマスタ押えローラ121との間の部分に第1次穿孔終了位置64が到達するまで、その待機状態を継続する。
【0090】待機状態を継続しているマスタ押えローラ121は、マスタ搬送モータ96のさらなる所定ステップ数の回転駆動により設定マスタ61aがさらに搬送されて、その第1次穿孔終了位置64が版胴外周面110aとマスタ押えローラ121との間の部分に到達したと製版手段185により判断されると、再びソレノイド125に通電されてソレノイド125がオンされることにより、上記したと同様の動作でマスタ押えローラ121が押圧位置を占める。これにより、第2未製版領域66(図14参照)が、版胴外周面110aに押圧され、この状態のまま版胴110が設定マスタ61aの送り速度と同じ周速度で時計回り方向に回転することで、設定マスタ61aの第2未製版領域66が版胴110の内部からその外周面上に供給されるインキの粘着力で版胴外周面110aに貼り付けられながら、設定マスタ61aの巻装が継続される。
【0091】マスタ搬送モータ96のさらなる所定ステップ数の回転駆動により設定マスタ61aがさらに搬送されて、図17に示すようにその穿孔画像開始位置67が版胴外周面110aとマスタ押えローラ121との間の部分に到達する直前まで搬送されたと制御手段185で判断されると、ソレノイド125がオフされ、上記したと同様の動作によって、マスタ押えローラ121は仮想線で示されている待機位置に復帰する。
【0092】待機位置に復帰したマスタ押えローラ121は、版胴外周面110aとマスタ押えローラ121との間の部分に穿孔画像終了位置79(図14参照)が到達するまで、図18に示すように、その待機状態を継続する。
【0093】版胴110がさらに回転され、版胴外周面110aに巻装される設定マスタ61aが所定の供給長さになったことがマスタ搬送モータ96のステップ数に基づいて、製版手段90によって判断されると、製版手段90からカッタモータ98に切断信号が送信され、カッタモータ98がオンすることで、回転刃95aが回転しながらマスタ幅方向に移動して設定マスタ61aの後端部分が切断される。
【0094】この設定マスタ61aの切断後に、マスタロール88からマスタ61がマスタ搬送モータ96により所定長搬送され、図19に示す状態で次の製版に備えた後、マスタ搬送モータ96の回転駆動が停止されることにより、プラテンローラ92の回転が停止され、上記したような特有の製版動作が完了する。この後も、版胴110は版胴駆動モータ18により上記したと同じ周速度で回転されている。そして、版胴110のさらなる回転により設定マスタ61aがさらに搬送されて、その穿孔画像終了位置79が版胴外周面110aとマスタ押えローラ121との間の部分に到達したと製版手段185により判断されると、待機状態を継続しているマスタ押えローラ121は、再びソレノイド125に通電されてソレノイド125がオンされることによって、マスタ重合領域69における第1次穿孔領域63の部分を押圧する。そして、マスタ押えローラ121によるマスタ重合領域69における第1次穿孔領域63の押圧が終了したと制御手段185で判断される、穿孔画像開始位置67がマスタ押えローラ121に到達する直前に、マスタ押えローラ121は再び待機位置に復帰する。この後、版胴110aがさらに回転し、マスタ重合領域69における第1次穿孔領域63の部分が圧胴21に対向する略真下の位置に到ると、版胴110の回転が停止される。
【0095】これまでの一連の動作により、マスタ重合領域69における第1次穿孔開始位置62から第1次穿孔終了位置64までに亘る図19の黒塗色部で示す第1次穿孔領域63には、版胴110の内周面から供給されたインキが滲み出される。したがって、マスタ重合領域69における設定マスタ61aの先端部の上にその後端部が重ね合わさっている第1次穿孔領域63の周囲部分は、インキの粘性による粘着力によって密着保持され、版胴外周面110a上の適宜の位置にあたかも無端シートの状態が形成されることとなる。
【0096】版胴外周面110aへの設定マスタ61a(製版済みのマスタ)の巻装完了後には、版付けのための印刷用紙31が給紙されて、第1の形態と同様、図13に示すくわえ爪24で係止され、圧胴21の回転に伴い印刷部57、吸着搬送装置50を経て排紙台60に排紙され版付け動作を終える。
【0097】図6に示す両面印刷エリア87が押されて両面印刷がら選択されている場合には、このあと、表面側印刷が行われ、給紙トレイ37から給紙された印刷用紙31がくわえ爪24で係止され、圧胴21の回転に伴い印刷部57、導入経路2を経て仮想線で示す待機位置を占めている中間排紙台71に所定設定枚数分の印刷が終了するまで連続して排紙される。
【0098】表面側印刷終了後は、中間排紙台71が図13に実線で示す再給紙位置まで図3に示す移動手段70によって移動される。また、表面側印刷終了となると、クランパレスの版胴110上に巻装された状態の使用済みの設定マスタ61aが排版され、本形態特有の製版を施された新たな設定マスタ61aがクランパレスの版胴外周面110aに巻装される。
【0099】この設定マスタ61aが巻装されると、新たに裏面側印刷に対する版付け動作が行われ、この後、中間排紙台71から印刷部57に対する再給紙動作が実行され、第二用紙挟持位置を占めた中間排紙台71から給紙される印刷用紙34が、くわえ爪24に係止されて圧胴21上に保持された状態で再給紙経路3から印刷部57に案内される。そして、くわえ爪24が印刷部57を通過すると、くわえ爪24が開閉されて印刷用紙34が開放され、分離爪36の上を通って吸着搬送装置50を経て排紙台60に両面印刷された印刷用紙34として設定枚数分の印刷が終了するまで連続して排紙される。
【0100】このように構成された第3の形態においても、第1の形態と同様の効果を得られる。さらに、第3の形態においては、版胴110上にクランパを設ける必要がないので、版胴110の構造が簡単になって安価であるとともに、第1の形態に対して、圧胴21の版胴110に対する離間距離を少なくでき、衝撃音を極めて少なくできる。さらに圧胴21のバウンドによる印刷用紙31、34の画像先端部に濃度ムラを発生することがなくなり、良好な印刷画像を得られる。
【0101】上述した各形態においては、片面印刷された印刷用紙34を収納する中間排紙台71を、図3に示す変位手段70で、用紙を受ける待機位置と、中間排紙台71から再給紙する再給紙位置とへ摺動移動させているが、中間排紙台71の変位は、このような摺動に限定されるものではない。
【0102】例えば、図21に示すように、中間排紙台71の軸74を図示しない装置フレームで回動自在に支持し、ピン73を挿入するガイド溝76を軸74を中心とした円弧状に形成し、駆動歯車72をトレイ駆動モータ77で直接あるいは図示しない中間歯車を介して回転させ、中間排紙台71を図21に実線で示す待機位置と、仮想線で示す再給紙位置とに揺動変位させる変位手段70Aを用いて、待機位置と再給紙位置とへ適宜揺動変位するように構成してもよい。このような構成とすると、中間排紙台71を摺動変位させる場合よりも、その移動範囲を狭くでき、装置の小型化を図るのにより良い装置構成となる。
【0103】排紙台駆動手段としては、トレイ駆動モータ77ではなく周知の電磁ソレノイドを用いても良い。この場合には、図21に示す軸74を中心に回動自在に支持した中間排紙台71の側板71bに、図示しない電磁ソレノイドのプランジャをピン結合し、コイルバネや板バネあるいは弾性変形可能な薄いプラスチック板等の付勢手段を用いて、このプランジャの可動方向と反対側への回動習性が中間排紙台71に与えられるように構成し、電磁ソレノイドのオン/オフ制御を制御手段85あるいは制御手段185で行い、中間排紙台71を待機位置と再給紙位置とへ軸74を中心に揺動変位するように構成しても良い。
【0104】第1,第2の形態では、片面印刷された印刷用紙34を収納する中間排紙台71を、図3に示す変位手段70で、待機位置と再給紙位置とへ摺動移動させているが、中間排紙台を固定として、中間給紙手段を移動するような構成であっても良い。
(第4の形態)以下、中間給紙手段44Aが移動する第4の形態にかかる孔版印刷装置について説明する。図22,図23に示すように、第4の形態にかかる孔版印刷装置は、中間排紙台710の載置面が略水平となるように、中間排紙台710を図示しない装置フレームに固定している。中間排紙台710は、圧胴21の下方の、導入経路2内から印刷用紙31を受け入れる位置に配置されている。中間排紙台71の端部と第一用紙開放位置近傍とは、円弧状の案内部材45を介してつながれていて、中間排紙台71と印刷部57とをつなぐ、再給紙経路3Aを圧胴外周面21aに沿って構成している。再給紙経路3Aは、中間排紙台710上の印刷用紙34を、印刷部57に対してその上流側から案内するためのものである。
【0105】再給紙手段44Aは、再給紙ローラ35と第2給紙モータ39とが図示しない装置フレームに支持されていて、この装置フレームが、図3に示す変位手段70に連結されており、再給紙ローラ35を、中間排紙台710に収納された印刷用紙34を給紙する図22に仮想線で示す給紙位置と、中間排紙台710に収納された印刷用紙34から離間する図22に実線で示す離間位置とに移動可能に設けられている。再給紙ローラ35は、片面側印刷時においては離間位置を占め、両面側印刷時になると給紙位置を占めるように,その位置を移動制御される。
【0106】本形態では、第1の形態における図4に示す圧胴給紙カム49に替えて、図24に示す圧胴給紙カム46を備えている。この圧胴給紙カム46は、圧胴21と一体回転可能に設けられているとともに、圧胴21の軸線方向に周知のスライド機構によって選択的に移動可能に設けられている。圧胴給紙カム46は、図24に示すように両面印刷時に中間排紙台71の印刷用紙34を再給紙して印刷する際に用いる裏面側のカムであって、その輪郭面46aに段差部46bが形成されており、図2に示すカムフォロア25が当接するようになっている。圧胴給紙カム46は、段差部46bの範囲θ4において、中間排紙台71から給紙された印刷用紙34の先端部34aを挟持するカムプロフィールに形成されている。
【0107】圧胴給紙カム46は、図23に示す給紙位置を占めた再給紙ローラ35によって中間排紙台710から送り出される印刷用紙34を挟持すべく、案内部材45の先端と略対向する第二用紙挟持位置でくわえ爪24を閉じ、第二用紙挟持位置で挟持した印刷用紙34を図10に示す分離爪36の直前で開放する第二用紙開放位置でくわえ爪24を開閉する第2開閉部材を構成している。本形態において、第二用紙挟持位置は図23に示すように、第一用紙開放位置と略同位置とされている。
【0108】このような構成の孔版印刷装置において、図6に示す両面印刷エリア87が押されて両面印刷がら選択されるて表面側印刷が行われ、給紙トレイ37から給紙された印刷用紙31がくわえ爪24で係止され、圧胴21の回転に伴い印刷部57、導入経路2を経て図22に示すように中間排紙台71に設定枚数分の印刷が終了するまで連続して排紙される。
【0109】表面側印刷終了後は、再給紙手段44の再給紙ローラ35が図22に実線で示す離間位置から図23に実線で示す給紙位置まで図3に示す移動手段70によって移動される。また、表面側印刷終了となると、版胴11上に巻装された状態の使用済みの設定マスタ13が排版され、新たな製版済みのマスタ13が版胴外周面11aに巻装される。そして、このマスタ13の巻装を終えると、新たに裏面側印刷に対する版付け動作が行われ、その後、中間排紙台71から印刷部57に対する再給紙動作が実行される。この再給紙動作が実行される際には、図4(a)に示す圧胴給紙カム47から図24に示す圧胴給紙カム46へとカムが切り替えられる。
【0110】再給紙動作が実行されると、中間排紙台71から再給紙ローラ35で給紙される印刷用紙34が、案内部材45上を通りくわえ爪24に係止されて圧胴21上に保持された状態で再給紙経路3Aから印刷部57に案内される。そして、くわえ爪24が印刷部57を通過すると、くわえ爪24が開閉されて印刷用紙34が開放され、分離爪36の上を通って吸着搬送装置50を経て排紙台60に両面印刷された印刷用紙34として設定枚数分の印刷が終了するまで連続して排紙される。このように構成された第4の形態においても、第1の形態と同様の効果を得られる。第4の形態は、第1の形態をベースとして、移動可能な再給紙手段44Aを設けたが、第2の形態や第3の形態に適用しても無論構わない。第2の形態に適用した場合には、圧胴給紙カム46が不要となる。
【0111】上述した各形態では、製版済みのマスタ13あるいは設定マスタ61aに、印刷用紙31の片面に印刷すべき画像信号に応じた画像を製版するものとして説明したが、本発明は、このような一枚のマスタに1つの製版画像を製版するという製版形態を備えた印刷装置に限定されるものではない。
【0112】例えば、版胴11,110及び圧胴21の外周長が、印刷用紙31の用紙搬送方向Zにおける長さの二倍以上の長さを有するものである場合には、一枚の製版済みのマスタ13あるいは設定マスタ61aに対して、印刷用紙31の表面と裏面とに印刷すべき画像信号に応じた画像をそれぞれ製版しても良い。すなわち、一枚のマスタに対して、表面と裏面に印刷する2つの製版画像を製版する製版形態を備えた印刷装置に適用した場合でも無論構わない。
(第5の形態)このような製版形態を各形態の孔版印刷装置に適用すると、各形態で行っていた両面印刷動作を連続して行うことができる。以下、各形態の図面を参照して第5の形態について説明する。
【0113】上述の各形態では、版付け時に図4(a)に示す圧胴給紙カム47を選択して版付けを行っているが、本形態では、版付け時に圧胴給紙カム48,49を印刷時同様に切り替え選択して用いる。
【0114】まず、製版後、図4(b)に示す圧胴給紙カム48を選択し、給紙トレイ37から印刷部57に向かって給紙される印刷用紙31の先端部31aをくわえ爪24で図1,図22に示す第一用紙挟持位置で係止し、圧胴21の回転を利用して印刷部57、導入経路2を経由して表面側に対応する製版画像を版付けして中間排紙台71へと搬送する。
【0115】そして、中間排紙台71への排紙終了後、すぐに変位手段70あるいは変位手段70Aを用いて中間排紙台71を待機位置から再給紙位置へと変位し、図9、図13に示すように、第2給紙モータ39を駆動して中間排紙台71から印刷用紙34を再給紙するとともに、圧胴給紙カム49を選択して、くわえ爪24で印刷用紙34の先端部34aを第二用紙挟持位置で係止し、圧胴21の回転を利用して再給紙経路3から印刷部57へと搬送案内する。第2の形態においては図11,図12に示すように、第2給紙モータ39をフィードローラ駆動モータ43とを駆動して給紙し、圧胴21の回転を利用して再給紙経路3から印刷部57へと搬送案内する。
【0116】あるいは、第4の形態に本形態を適用する場合には、圧胴給紙カム49ではなく、図24に示す圧胴給紙カム46を選択して、中間排紙台710から給紙される印刷用紙34の先端部34aをくわえ爪24で第一用紙開放位置と略同位置である図23に示す第二用紙挟持位置で係止し、圧胴21の回転を利用して再給紙経路3Aから印刷部57へと搬送案内する。
【0117】そして、裏面印刷用の製版画像を印刷部57で印刷用紙34の非印刷面に版付け印刷し、くわえ爪24が印刷部57を通過した時点で、圧胴給紙カム46,49の作用によりくわえ爪24を分離爪36の直前の第二用紙開放位置で開閉して印刷用紙34の先端部34aが開放される。印刷部57を通過した印刷用紙34は、版胴11あるいは版胴110と圧胴21の回転力によって送り出され、自身のコシと分離爪36の作用によって圧胴外周面21aから分離して吸着搬送装置50に受け渡され、吸着ファン53の吸引力によって、搬送ベルト52上に吸着されて排紙台60に向かって搬送して排紙台60上に排紙すればよい。
【0118】このように版付けすると、1枚の印刷用紙31で版付け動作を行えるので、版付けに用いる印刷用紙31の無駄がなくなる。
【0119】排紙部60に版付けされた印刷用紙34が排紙された後は、再び変位手段70あるいは変位手段70Aを駆動して中間排紙台71を再給紙位置から待機位置へと戻したり、あるいは、再給紙手段44Aを給紙位置から離間位置へと戻し、圧胴給紙カム46,49から圧胴給紙カム48へと切り替え、印刷スタートキー80bが押された時点で、印刷用紙31を給紙トレイ37から給紙して、印刷部57を通過させて表面側に印刷し、導入経路2から中間排紙台71,710に一旦排紙する。そして、この中間排紙台71を再給紙位置へと変位手段70、70Aで変位させたり、中間排紙台710が固定されている場合には再給紙手段44Aを給紙位置へと変位させた後、中間排紙台71から印刷用紙34を給紙ローラ35で印刷部57に再給紙し、非印刷面に印刷を行って排紙台60へ排紙する版付け動作と同様の印刷動作を実行して排紙台60に順次両面印刷された印刷用紙34を排紙する。
【0120】なお、各形態において、給紙トレイ37からの印刷用紙31の給紙や、中間排紙台71,710からの印刷用紙34の給紙が行われないと、版胴外周面11aや版胴外周面110aと、圧胴外周面21aとが印刷用紙31、34を介さないで接触して圧胴外周面21aに版胴側からのインキが付着してしまうので、搬送路1や導入経路2や再給紙経路3,3A上に印刷用紙31,34の通過を検知する用紙検知センサなどを設け、このセンサが印刷用紙31,34を検知しない場合には、用紙ジャムや用紙なしと制御手段85,185で判断して、装置の動作を停止するように制御するのが望ましい。
【0121】
【発明の効果】請求項1、5記載の発明によれば、印刷部で片面印刷された印刷用紙を中間排紙台に案内する導入経路や、中間排紙台から再給紙される印刷用紙を印刷部に案内する再給紙経路が、印刷部材に沿って設けられているので、従来の印刷用紙を搬送する経路よりも短くでき、装置の小型化を図れる。
【0122】請求項2、6記載の発明によれば、請求項1または請求項5記載の印刷装置において、中間排紙台に案内される片面印刷された印刷用紙は、その搬送工程において、圧胴の用紙クランプ手段で圧胴上に係止されて搬送されるので、片面印刷直後にその印刷面に接触して搬送する部材による擦れ汚れや、部材に付着したインキの再転移がなくなり、装置の小型化を図りながら印刷画像の擦れや再転移による汚れを防止することができる。
【0123】請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の印刷装置において、片面印刷された印刷用紙が、再給紙位置を占めた中間排紙台から第2開閉部材で第2の挟持位置で開閉される用紙クランプ手段で圧胴上に係止された状態で第二用紙開放位置へ向かって搬送されるので、印刷部に対するずれとレジスト精度が従来のものよりも安定し、印刷用紙の搬送の安定化を向上しながら印刷画像の擦れや再転移による汚れを防止することができる。
【0124】請求項4記載の発明によれば、請求項2記載の印刷装置において、再給紙位置を占めた中間排紙台から送り出される片面印刷された印刷用紙が、給紙手段によって所定のタイミングで印刷部に向かって給紙されるので、印刷部に対するずれとレジスト精度が従来のものよりも安定し、印刷用紙の搬送の安定化を向上しながら印刷画像の擦れや再転移による汚れを防止することができる。
【0125】請求項7記載の発明によれば、請求項6記載の印刷装置において、給紙位置を占めた再給紙手段によって中間排紙台から給紙される片面印刷された印刷用紙が、第2開閉部材で第2の挟持位置で開閉される用紙クランプ手段で圧胴上に係止された状態で第二用紙開放位置へ向かって搬送されるので、印刷部に対するずれとレジスト精度が従来のものよりも安定し、印刷用紙の搬送の安定化を向上しながら印刷画像の擦れや再転移による汚れを防止することができる。
【0126】請求項8記載の発明によれば、請求項6記載の印刷装置において、給紙位置を占めた再給紙手段によって中間排紙台から給紙される片面印刷された印刷用紙が、給紙手段によって所定のタイミングで印刷部に向かって給紙されるので、印刷部に対するずれとレジスト精度が従来のものよりも安定し、印刷用紙の搬送の安定化を向上しながら印刷画像の擦れや再転移による汚れを防止することができる。
【0127】請求項9記載の発明によれば、請求項1乃至8の何れか1つに記載の印刷装置において、用紙クランプ手段によって圧胴に係止された状態で導入経路を搬送される片面印刷された印刷用紙が、その印刷面に送風手段により送風を受けるので、印刷された画像のインキが導入経路を移動中に乾燥され、インキ乾燥のための待機時間が不要となり、印刷時間全体を短縮しながら印刷画像の擦れや再転移による汚れを防止することができる。
【0128】請求項10記載の発明によれば、請求項9記載の印刷装置において、送風手段が、両面印刷された印刷用紙が排紙される排紙台と印刷部の間に配置され、この印刷部を通過した印刷用紙を排紙台に向かって吸着搬送する排紙搬送手段と共有化されているので、装置の小型化、低コスト化を図りながら印刷画像の擦れや再転移による汚れを防止することができる。
【0129】請求項11記載の発明によれば、請求項10記載の印刷装置において、吸引ファンで発生した送風が、搬送ベルトに作用して両面印刷された印刷用紙を搬送ベルトに吸着させるとともに、排気流路を通り導入経路を通過中の片面印刷された印刷用紙に吹き付けられるので、装置の小型化、低コスト化を図りながらインキ乾燥を効率良く行え、印刷画像の擦れや再転移による汚れも防止することができる。
【0130】請求項12記載の発明によれば、請求項1乃至11の何れか1つに記載の印刷装置において、版胴外周面の外周長よりも長く設定されたマスタが、押え駆動手段が制御手段によって制御されることでマスタに接離するマスタ押え手段により、第1および第2未製版領域を押圧されるので、従来のようにマスタを版胴に係止するマスタ係止手段がなくても、版胴外周面に係止されるため、上記の効果に加え、より装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0131】請求項13記載の発明によれば、請求項12記載の印刷装置において、版胴に係止されたマスタが、マスタ押え手段によってマスタ重合領域をマスタ巻装終了時に押圧されるので、従来のマスタ係止手段を用いることなく版胴外周面に巻装され、従来のようにマスタを版胴に係止するマスタ係止手段がなくても、版胴外周面に係止されるため、上記の効果に加え、より装置の小型化、低コスト化を図ることができる。




 

 


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