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発明の名称 フォークリフトの最高車速制御装置及びフォークリフト
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−31391(P2001−31391A)
公開日 平成13年2月6日(2001.2.6)
出願番号 特願平11−212199
出願日 平成11年7月27日(1999.7.27)
代理人 【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333 AA02 AB13 FA20 FA29 FA31 FD03 FD06 FD08 FE09 
発明者 山田 忠 / 山田 和俊
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 車速を検出する車速検出手段と、第1の最高車速を設定する第1の最高車速設定手段と、荷役状態を検出する荷役状態検出手段と、前記荷役状態検出手段により検出された荷役状態から第2の最高車速を決定する第1の最高車速決定手段と、前記第1の最高車速と前記第2の最高車速を比較し、低速である方の最高車速又は同一の最高車速の場合には該最高車速を、第3の最高車速として決定する第2の最高車速決定手段と、前記車速検出手段によって検出された車速と前記第2の最高車速決定手段によって決定された第3の最高車速に基づき車速を制御する車速制御手段と、を備えたことを特徴とするフォークリフトの最高車速制御装置。
【請求項2】 前記荷役状態検出手段は、フォークの揚高位置を検出する揚高位置検出手段と、マストの前傾角を検出する前傾角検出手段と、マストの積載荷重量を検出する積載荷重量検出手段を備え、前記第1の最高車速決定手段は、前記揚高位置検出手段によって検出されたフォークの揚高位置と前記前傾角検出手段によって検出されたマストの前傾角と前記積載荷重量検出手段によって検出されたマストの積載荷重量から第2の最高車速を決定することを特徴とする請求項1記載のフォークリフトの最高車速制御装置。
【請求項3】 前記第2の最高車速決定手段は、前記第1の最高車速と前記第2の最高車速を比較し、低速である方の最高車速又は同一の最高車速の場合には該最高車速を求め、これを更にフィルタリング処理したものを第3の最高車速として決定することを特徴とする請求項1又は2記載のフォークリフトの最高車速制御装置。
【請求項4】 車速を検出する車速検出手段と、第1の最高車速を設定する第1の最高車速設定手段と、荷役状態を検出する1つ又は複数の荷役状態検出手段と、前記1つ又は複数の荷役状態検出手段による出力毎に最高車速を決定する第1の最高車速決定手段と、前記第1の最高車速と前記第1の最高車速決定手段により決定された1つ又は複数の最高車速の中から、最も低速である最高車速又は最も低速である最高車速が同一である場合には該最高車速を、第2の最高車速として決定する第2の最高車速決定手段と、前記車速検出手段によって検出された車速と前記第2の最高車速決定手段によって決定された第2の最高車速に基づき車速を制御する車速制御手段と、を備えたことを特徴とするフォークリフトの最高車速制御装置。
【請求項5】 前記1つ又は複数の荷役状態検出手段は、フォークの揚高位置を検出する揚高位置検出手段と、マストの前傾角を検出する前傾角検出手段と、マストの積載荷重量を検出する積載荷重量検出手段であり、前記第1の最高車速決定手段は、前記揚高位置検出手段によって検出されたフォークの揚高位置から第3の最高車速を決定し、前記前傾角検出手段によって検出されたマストの前傾角から第4の最高車速を決定し、前記積載荷重量検出手段によって検出されたマストの積載荷重量から第5の最高車速を決定し、前記第2の最高車速決定手段は、前記第1の最高車速と前記第3〜5の最高車速の中から、最も低速である最高車速又は最も低速である最高車速が同一である場合には該最高車速を、第2の最高車速として決定することを特徴とする請求項4記載のフォークリフトの最高車速制御装置。
【請求項6】 予め機台に与えられる機台最高車速と、車速を検出する車速検出手段と、第1の最高車速を設定する第1の最高車速設定手段と、荷役状態を検出する1つ又は複数の荷役状態検出手段と、前記1つ又は複数の荷役状態検出手段による出力毎に減算車速を決定する第1の減算車速決定手段と、前記機台最高車速から前記第1の減算車速決定手段にて決定された1つ又は複数の減算車速を減算した車速を第2の最高車速として決定する第1の最高車速決定手段と、前記第1の最高車速と前記第2の最高車速の内、低速である方の最高車速又は最高車速が同一である場合には該最高車速を、第3の最高車速として決定する第2の最高車速決定手段と、前記車速検出手段によって検出された車速と前記第2の最高車速決定手段によって決定された第3の最高車速に基づき車速を制御する車速制御手段と、を備えたことを特徴とするフォークリフトの最高車速制御装置。
【請求項7】 前記1つ又は複数の荷役状態検出手段は、フォークの揚高位置を検出する揚高位置検出手段と、マストの前傾角を検出する前傾角検出手段と、マストの積載荷重量を検出する積載荷重量検出手段であり、前記第1の減算車速決定手段は、前記揚高位置検出手段によって検出されたフォークの揚高位置から第1の減算車速を決定し、前記前傾角検出手段によって検出されたマストの前傾角から第2の減算車速を決定し、前記積載荷重量検出手段によって検出されたマストの積載荷重量から第3の減算車速を決定し、第2の最高車速設定手段は、前記機台最高車速から前記第1〜3の減算車速を減算した車速を第2の最高車速として決定することを特徴とする請求項6記載のフォークリフトの最高車速制御装置。
【請求項8】 請求項1〜7のいづれか1つ記載のフォークリフト用最高車速制御装置を備えたフォークリフト。
【請求項9】 荷役状態を検出する荷役状態検出手段と、該荷役状態検出手段により検出された荷役状態に基づき最高車速を決定する最高車速決定手段と、該最高車速決定手段によって決定された最高車速に基づき車速を制御する車速制御手段と、を備えたことを特徴とするフォークリフトの最高車速制御装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォークリフトの最高車速を制限する最高車速制御装置及び同最高車速制御装置を備えたフォークリフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のフォークリフト等の産業車両に設けられている最高車速制御装置は、車両の車速が予め設定した最高車速を超えないように車速を制御するものである。このような最高車速制御装置は、最高車速が制限されている工場構内等での運転時に運転者がアクセル操作に神経を使うことなく作業を行うことができるようにするためのものである。
【0003】例えば、特開平10−331206(産業車両用最高車速制御装置及び産業車両)には、車速センサによって検出された車速が、予め、オペレータが車速設定ボリュームにて設定した最高車速を越えるような場合に、これを越えないように車速を制御するフォークリフトが記載されている。
【0004】また、特開平11−2138(フォークリフトの車速制御装置)には、光センサーを利用して屋内走行であるか屋外走行であるかを判別し、屋内走行であれば、低速走行モードで走行し、屋外であれば、高速走行モードで走行するフォークリフトが記載されている。
【0005】また、実開平7−28725(産業車両の車速制御装置)には、車速センサにより検出された走行速度が、予め設定された設定速度よりも等しいか大きい場合には、走行速度を制御最低速度まで落とすように制御する車速制御装置が記載されている。
【0006】さらに、特開平6−144079(ディーゼルエンジン搭載車両の最高速度制限装置)には、車輪速センサにより検出された車輪速度が、予め設定した所定の制限速度を越える場合には、車輪速度を所定の制限速度以下になるまで、エンジンの出力を低下させる最高速度制限装置が記載されている。
【0007】このように従来では、車両の走行速度が予め設定した設定速度を越えるような場合に限り、走行速度を設定速度以下に保つように制御する車速制御装置や、車両が屋外で走行しているか屋内で走行しているかに応じて走行速度を制御する車速制御装置があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フォークリフトは、その用途の特徴からも解る通り、荷役状態によって車両の走行安定性に大きな違いが生じる。例えば、マストに積み荷を積載している状態とそうでない状態とでは、車両の重心位置が大きく変化し、車両の走行安定性に著しい差が生じる。また、積み荷を積載している状態においては、積み荷の積載量、フォークの揚高位置、及びマストの前傾角等によっても、車両の走行安定性に著しい差が生じる。
【0009】よって、積み荷を積載していない時に安全速度であっても、積み荷を積載している時には、車両の不安定性から危険速度となり、積み荷の荷崩れや、最悪、機台転倒につながる危険性もある。そこで、例えば、従来の最高車速制御装置を利用し、予め、最高車速を通常よりも低速に設定し、積み荷を積載している時に安全に走行できるようにすることも考えられるが、これでは、積み荷を積載していない時の走行速度も低速に規制されたままになるので、作業効率が著しく低下してしまう。
【0010】このように、従来の車速制御装置では、予め設定される設定速度や屋外であか屋内であるかに基づいて車速を制御するものであるので、上述したように、フォークリフトの荷役状態に基づいて、車速が制御されるものではなかった。
【0011】よって、従来の車速制御装置を備えたフォークリフトにて、上述した危険を回避するためには、オペレータ自身による車速制御操作(例えば、アクセル操作等)が必要になり、オペレータに係る負担は大きなものであった。
【0012】本発明は、上記問題点の解決を図り、その目的は、フォークリフトの荷役状態に基づいて車速を制御することにより、フォークリフトを常に最適な安全速度で走行させることである。また、オペレータ自身の運転操作に係る負担を無くすことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、車速を検出する車速検出手段と、第1の最高車速を設定する第1の最高車速設定手段と、荷役状態を検出する荷役状態検出手段と、前記荷役状態検出手段により検出された荷役状態から第2の最高車速を決定する第1の最高車速決定手段と、前記第1の最高車速と前記第2の最高車速を比較し、低速である方の最高車速又は同一の最高車速の場合には該最高車速を、第3の最高車速として決定する第2の最高車速決定手段と、前記車速検出手段によって検出された車速と前記第2の最高車速決定手段によって決定された第3の最高車速に基づき車速を制御する車速制御手段とを備えたフォークリフトの最高車速制御装置である。
【0014】このように、第1の最高車速決定手段が、荷役状態に基づく安全車速(第2の最高車速)を決定し、第2の最高車速決定手段が、予めオペレータにより第1の最高車速設定手段にて設定された第1の最高車速と、前記第2の最高車速とを比較し、低速である方の最高車速又は同一の最高車速である場合には該最高車速を、第3の最高車速として決定する。そして、車速制御手段が、例えば、車速検出手段により検出される車速が、この第3の最高車速を越えるような時は、車速を第3の最高車速以下になるように制御する。従って、フォークリフトの車速が、予めオペレータが設定した最高車速(第1の最高車速)以下の場合においても、荷役状態に応じては、更に最高車速が低く設定される。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記荷役状態検出手段は、フォークの揚高位置を検出する揚高位置検出手段と、マストの前傾角を検出する前傾角検出手段と、マストの積載荷重量を検出する積載荷重量検出手段を備え、前記第1の最高車速決定手段は、前記揚高位置検出手段によって検出されたフォークの揚高位置と前記前傾角検出手段によって検出されたマストの前傾角と前記積載荷重量検出手段によって検出されたマストの積載荷重量から第2の最高車速を決定する構成である。
【0016】このように、荷役状態検出手段が、揚高位置検出手段、前傾角検出手段、及び積載荷重量検出手段を備えることにより、フォークの揚高位置、マストの前傾角、及びマストの積載荷重量から現在の荷役状態を得ることができる。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記第2の最高車速決定手段が、前記第1の最高車速と前記第2の最高車速を比較し、低速である方の最高車速又は同一の最高車速の場合には該最高車速を求め、これを更にフィルタリング処理したものを第3の最高車速として決定する構成である。
【0018】これにより、第2の最高車速決定手段が、フィルタリング処理した後の最高車速を第3の最高車速として決定しているので、現在の第3の最高車速が、前回に決定された第3の最高車速に対し、急激に変化することがなくなる。
【0019】請求項4に記載の発明は、車速を検出する車速検出手段と、第1の最高車速を設定する第1の最高車速設定手段と、荷役状態を検出する1つ又は複数の荷役状態検出手段と、前記1つ又は複数の荷役状態検出手段による出力毎に最高車速を決定する第1の最高車速決定手段と、前記第1の最高車速と前記第1の最高車速決定手段により決定された1つ又は複数の最高車速の中から、最も低速である最高車速又は最も低速である最高車速が同一である場合には該最高車速を、第2の最高車速として決定する第2の最高車速決定手段と、前記車速検出手段によって検出された車速と前記第2の最高車速決定手段によって決定された第2の最高車速に基づき車速を制御する車速制御手段とを備えたフォークリフトの最高車速制御装置である。
【0020】このように、第1の最高車速決定手段が、1つ又は複数の荷役状態検出手段の出力毎に最高車速を決定し、第2の最高車速決定手段が、これら最高車速と、予めオペレータにより設定された第1の最高車速の中から、最も低速である最高車速又は最も低速である最高車速が同一である場合には該最高車速を、第2の最高車速として決定する。そして、車速制御手段が、例えば、フォークリフトの車速が、第2の最高車速を越えるような場合には、車速を第2の最高車速以下になるように制御する。従って、フォークリフトの車速が予めオペレータが設定した最高車速(第1の最高車速)以下の場合においても、荷役状態に応じては、更に最高車速が低く設定される。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項4の記載の発明において、前記1つ又は複数の荷役状態検出手段は、フォークの揚高位置を検出する揚高位置検出手段と、マストの前傾角を検出する前傾角検出手段と、マストの積載荷重量を検出する積載荷重量検出手段であり、前記第1の最高車速決定手段は、前記揚高位置検出手段によって検出されたフォークの揚高位置から第3の最高車速を決定し、前記前傾角検出手段によって検出されたマストの前傾角から第4の最高車速を決定し、前記積載荷重量検出手段によって検出されたマストの積載荷重量から第5の最高車速を決定し、前記第2の最高車速決定手段は、前記第1の最高車速と前記第3〜5の最高車速の中から、最も低速である最高車速又は最も低速である最高車速が同一である場合には該最高車速を、第2の最高車速として決定する構成である。
【0022】このように、1つ又は複数の荷役状態検出手段として、揚高位置検出手段、前傾角検出手段、及び積載荷重量検出手段を備えることで、フォークの揚高位置、マストの前傾角、及びマストの積載荷重量を得ることができ、これらから第3〜5の最高車速が決定されるので、フォークの揚高位置、マストの前傾角、及びマストの積載荷重量の荷役状態に基づく車速制御が可能になる。
【0023】請求項6に記載の発明は、予め機台に与えられる機台最高車速と、車速を検出する車速検出手段と、第1の最高車速を設定する第1の最高車速設定手段と、荷役状態を検出する1つ又は複数の荷役状態検出手段と、前記1つ又は複数の荷役状態検出手段による出力毎に減算車速を決定する第1の減算車速決定手段と、前記機台最高車速から前記第1の減算車速決定手段にて決定された1つ又は複数の減算車速を減算した車速を第2の最高車速として決定する第1の最高車速決定手段と、前記第1の最高車速と前記第2の最高車速の内、低速である方の最高車速又は最高車速が同一である場合には該最高車速を、第3の最高車速として決定する第2の最高車速決定手段と、前記車速検出手段によって検出された車速と前記第2の最高車速決定手段によって決定された第3の最高車速に基づき車速を制御する車速制御手段とを備えたフォークリフトの最高車速制御装置である。
【0024】このように、第1の減算車速決定手段が、1つ又は複数の荷役状態検出手段の出力毎に減算車速を決定し、第1の最高車速決定手段が、機台最高車速からこれら減算車速を減算した車速を第2の最高車速として決定し、第2の最高車速決定手段が、予めオペレータにより設定された第1の最高車速と前記第2の最高車速の内、低速である方の最高車速又は最高車速が同一である場合には該最高車速を、第3の最高車速として決定する。そして、車速制御手段が、例えば、フォークリフトの車速が、第3の最高車速を越えるような場合には、車速を第3の最高車速以下になるように制御する。従って、フォークリフトの車速が予めオペレータが設定した最高車速(第1の最高車速)以下の場合においても、荷役状態に応じては、更に最高車速が低く設定される。
【0025】請求項7に記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記1つ又は複数の荷役状態検出手段は、フォークの揚高位置を検出する揚高位置検出手段と、マストの前傾角を検出する前傾角検出手段と、マストの積載荷重量を検出する積載荷重量検出手段であり、前記第1の減算車速決定手段は、前記揚高位置検出手段によって検出されたフォークの揚高位置から第1の減算車速を決定し、前記前傾角検出手段によって検出されたマストの前傾角から第2の減算車速を決定し、前記積載荷重量検出手段によって検出されたマストの積載荷重量から第3の減算車速を決定し、第2の最高車速設定手段は、前記機台最高車速から前記第1〜3の減算車速を減算した車速を第2の最高車速として決定する構成である。
【0026】このように、1つ又は複数の荷役状態検出手段として、揚高位置検出手段、前傾角検出手段、及び積載荷重量検出手段を備えることで、フォークの揚高位置、マストの前傾角、及びマストの積載荷重量を得ることができ、これらから第1〜第3の減算車速が決定されるので、フォークの揚高位置、マストの前傾角、及びマストの積載荷重量の荷役状態に基づく車速制御が可能になる。
【0027】請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいづれか1つ記載のフォークリフト用最高車速制御装置を備えたフォークリフトである。請求項9に記載の発明は、荷役状態を検出する荷役状態検出手段と、該荷役状態検出手段により検出された荷役状態に基づき最高車速を決定する最高車速決定手段と、最高車速決定手段によって決定された最高車速に基づき車速を制御する車速制御手段とを備えたフォークリフトの最高車速制御装置である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
<第1の実施の形態>図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる最高車速制御装置の構成図である。同図に示されるように、フォークリフトの車体1の運転席床板1a上に設けられたアクセルペダル2は、その手前側の端部が車体1に回動可能に支持されている。又、アクセルペダル2の前側には、操作部材3が車体1に回動可能に支持されている。操作部材3は、L字型に連結された2つの腕3a、3bからなっている。操作部材3は、その各腕3a、3bの連結部分が車体1に回動可能に支持され、一方の腕3aが床板1a上に、他方の腕3bが床板1a下に配設されている。腕3aの先端にはローラ4が回動可能に支持され、該ローラ4はアクセルペダル2の下面に当接されている。そして、操作部材3は、アクセルペダル2が踏み込み操作されると腕3aが車体1側に回動し腕3bの先端が車体前部側に移動するようになっている。
【0029】車体内部において、操作部材3より車体後部側には、第1支持部5が設けられている。又、車体内部において、第1支持部5より車体後部側には、第2支持部6が設けられている。第1支持部5と第2支持部6との間にはワイヤシース7が設けられ、該ワイヤシース7には連結部材としてのワイヤケーブル8が通されている。ワイヤケーブル8は、その前端(車体前部側の端部)が操作部材3の腕3bの先端に連結されている。又、ワイヤケーブル8の第2支持部6より車体後部側の部分には、コイルバネ9が装着されている。該コイルバネ9は、その後端がワイヤケーブル8に固着されるとともに、その前端が第2支持部6に当接されている。そして、ワイヤケーブル8は、腕3bが車体前部側に移動するように回動すると、該腕3bに引っ張られて車体前部側に移動するようになっている。又、車体前部側に移動したワイヤケーブル8は、腕3bが元の位置に復帰するとコイルバネ9の作用により元の位置に復帰するようになっている。
【0030】車体内部において、第2支持部6より車体後部側には、操作量制限機構10が回動可能に支持されている。操作量制限機構10は、図示しない支持部にて車体1の前後方向に回動可能に支持された支持部材としての板状の基部11を備えている。該基部11は、その上端が支持部にて支持されている。該基部11には、その回動中心Aから離れた位置に、前記ワイヤケーブル8の後端が連結された第1連結部12が設けられている。又、基部11には、第1連結部12よりも回動中心A側に、回転型ステッピングモータ13が設けられている。ステッピングモータ13は、その出力軸14を基部11の回動中心軸線に平行となるように設けられている。
【0031】ステッピングモータ13の出力軸14には、同軸14の中心軸線から径方向に延びる操作部材としての腕15が設けられている。該腕15は、出力軸14が予め設定された初期位置に配置された状態で基部11の回転中心軸線からほぼ第1連結部12に向かう向きに延びるように設けられている。腕15の先端には、第2連結部15aが設けられている。従って、ステッピングモータ13が初期位置から図1の反時計方向に回動すると、第1連結部12と第2連結部15aとの距離が大きくなるようになっている。
【0032】車体内部において、操作量制限機構10より車体後部側には、第3支持部16が設けられている。第3支持部16より車体前部側にはワイヤシース17が設けられ、該ワイヤシース17には連結部材としてのワイヤケーブル18が通されている。ワイヤケーブル18は、その前端がステッピングモータ13の出力軸14に固着された腕15の第2連結部15aに連結されている。又、ワイヤケーブル18の第3支持部16より車体後部側の部分には、コイルバネ19が装着されている。該コイルバネ19は、その後端がワイヤケーブル18に固着されるとともに、その前端が第3支持部16に当接されている。そして、ワイヤケーブル18は、操作量制限機構10が車体前部側に回動すると、腕15に引っ張られて車体前部側に移動するようになっている。又、車体前部側に移動したワイヤケーブル18は、腕15が元の位置に復帰するとコイルバネ19の作用により元の位置に復帰するようになっている。
【0033】第3支持部16より車体後部側には図示しないガソリンエンジンが配設され、該ガソリンエンジンにはキャブレター20が設けられている。該キャブレター20は、スロットル開度を調整するための調整軸21を備えている。この調整軸21の端部には、操作部材としての扇形状の操作板22のかなめ部が固着されている。操作板22の外周面には溝23が形成され、該溝23にはワイヤケーブル18の後端部が巻回されている。溝23に巻回されたワイヤケーブル18の後端は、該溝23の端部に連結されている。
【0034】又、運転席には、車両の最高車速vmax1を設定するための車速設定ボリューム24が設けられている。デフギア25の近くには、該ギア25に相対向するように車速センサ26が設けられている。車速センサ26としては、例えば磁気抵抗素子を備えた磁気センサがある。
【0035】マスト31は、不図示の車体フレームに対して傾動可能に支持された左右一対のアウタマスト31bと、その内側に昇降可能に装備されたインナマスト31aとからなり、インナマスト31aの昇降動作に連動してフォーク32が上下する。
【0036】アウタマスト31bの上端部には、揚高センサ28が取り付けられている。揚高センサ28は、リールセンサからなり、この揚高センサ28とインナマスト31aとが、プーリーを介して、ワイヤにて接続されており、インナマスト31a(フォーク32)の昇降動作により、リールセンサのリールが回転し、この回転を検出することにより、フォーク32の揚高位置に対応する検出信号を出力する。
【0037】また、ティルトシリンダ33の近くには、前傾角センサ30が設けられている。前傾角センサ30は、回転式のポテンショメータからなり、ティルトシリンダ33の基端を回動可能に支持する支持部に設けられ、ティルトシリンダ33に突設されたピン34を挟持する回動片30aを備えている。そして、ピストンロツド33aの伸縮に伴ってティルトシリンダ33とともに回動片30aが回動して、マスト31が垂直となる基準位置からの傾動角度(前傾角)に対応する検出信号をポテンショメータ30が出力する。
【0038】また、リフトシリンダ35にはフォーク32の積載荷重量を検出する圧力センサ29が設けられている。圧力センサ29はリフトシリンダ35の内部の油圧を検出し、フォーク32の積載荷重に対応した検出信号を出力する。
【0039】更に、車体内部には、ECU(電子制御ユニット)27が設けられている。次に、図2を用いて、フォークリフトの最高車速制御装置の電気的構成について説明する。
【0040】図2は、ECU27のシステム構成図である。同図に示されるように、車速設定ボリューム24、車速センサ26、揚高センサ28、圧力センサ29、及び前傾角センサ30は、それぞれECU27に電気的に接続されている。又、ECU27には、ステッピングモータ13が電気的に接続されている。
【0041】ECU27は、A/Dコンバータ41〜44、マイコン45及び励磁回路46を備えている。本実施の形態では、マイコン45にてスロットル開度の制御を行う。
【0042】車速設定ボリューム24は、設定された最高車速vmax1に対応する大きさの電圧信号Vmax1をA/Dコンバータ41に出力する。A/Dコンバータ41は、電圧信号Vmax1をデジタル信号からなる最高車速データDmax1に変換してマイコン45に出力する。
【0043】車速センサ26は、デフギア25の回転に伴って各歯を順次検出し、その各歯の検出により生成されたパルス信号からなる車速信号Vs1をマイコン45に出力する。
【0044】揚高センサ28は、フォークの揚高位置に対応する大きさの電圧信号Vs2をA/Dコンバータ42に出力する。A/Dコンバータ42は、電圧信号Vs2デジタル信号からなる揚高位置データDs2に変換してマイコン45に出力する。
【0045】圧力センサ29は、リフトシリンダ35の内部の油圧を検出し、フォークの積載荷重量に対応する大きさの電圧信号Vs3をA/Dコンバータ43に出力する。A/Dコンバータ43は、電圧信号Vs3をデジタル信号からなる積載荷重量データDs3に変換してマイコン45に出力する。
【0046】前傾角センサ30は、マストの前傾角に対応する大きさの電圧信号Vs4をA/Dコンバータ44に出力する。A/Dコンバータ44は、電圧信号Vs4をデジタル信号からなる前傾角データDs4に変換してマイコン45に出力する。
【0047】マイコン45は、入カI/F(インターフェース)47、CPU48、ROM(Read Only Memory)49、RAM(Random Access Memory)50、及び出カI/F(インターフェース)51を備えている。
【0048】CPU48は、入カI/F47を介して車速信号Vs1を入力する。CPU48は、車速信号Vs1から実際の車速vs1を算出する。又、CPU48は、入カI/F47を介して最高車速データDmax1、揚高位置データDs2、積載荷重量データDs3、及び前傾角データDs4を読み込む。RAM50は、CPU48の処理結果を一時的に記憶する。CPU48は、出カインターフェース51を介して制御信号を励磁回路46に出力する。
【0049】ROM49には、車速制御処理を実行するための制御プログラムが記憶されている。本第1の実施の形態における車速制御処理は、揚高位置データDs2、積載荷重量データDs3、及び前傾角データDs4から荷役状態による最高車速vmax2を求める。最高車速vmax2と最高車速データDmax1にて指示された最高車速vmax1を比較し、低速である方の最高車速又は同一の最高車速である場合にはこの最高車速を、最高車速vmax3として決定する。そして、算出した実際の車速vs1がこの最高車速vmax3以下であるときには、アクセルペダル2の踏み込み操作量に応じたキャブレター20のスロットル開度の操作を可能とし、車速vs1が最高車速vmax3を越えるときにはアクセルペダル2の踏み込み量に拘らずスロットル開度を最高車速vmax3に対応するスロットル開度に制限する制御処理である。また、ROM49には、図4に示す最高車速マップが記憶されている。最高車速マップについては、後述する。
【0050】CPU48は、ROM49に記憶されている制御プログラムに基づき、所定周期(例えば、10ミリ秒)毎に車速制御処理を繰り返し実行する。車速制御処理として、CPU48は、検出された車速vs1が、決定された最高車速vmax3を超えているか否かを判断する。CPU48は、車速vs1が最高車速vmax3を超えているときには、アクセルペダル2の踏み込み量に基づくスロットル開度が最高車速vmax3に対応するスロットル開度を超えた状態であると判断する。そして、CPU48は、車速制御処理の実行毎に車速vs1が最高車速vmax3を超えているときには、スロットル開度を最高車速時のスロットル開度に制限するためにステッピングモータ13を減速方向に所定ステップだけ駆動してその位置で出力軸14を保持する。検出された車速vs1が、決定された最高車速vmax3以下である時には、ステッピングモータ13を強制的に初期位置に復帰させ、アクセルペダル2の踏み込み操作量に応じたキャブレター20のスロットル開度の操作を可能とする。
【0051】CPU48は、上述した車速制御処理を所定周期毎に繰り返し実行する。次に、図3を用いて、以上のように構成されたECU27の車速制御処理について説明する。図3は、車速制御処理を示すフローチャートである。
【0052】フォークリフトのイグニッションキーがオンされると、ECU27が作動しマイコン45が起動する。そして、オペレータにより、アクセルペダル2が踏み込み操作されると、ワイヤケーブル8が車体前部側に引っ張られて操作量制限機構10が図6(a)に示すように時計方向に回動する。このとき、ステッピングモータ13の出力軸14が初期位置に保持されているため、基部11の回動に伴ってワイヤケーブル18が車体前部側に引っ張られて操作板22が回動する。このため、アクセルペダル2の踏み込み量に対応してスロットル開度が制御され、フォークリフトが走行を開始する。
【0053】ECU27は、車速センサ26にて検出された車速信号Vs1、揚高センサ28にて検出された揚高位置Vs2、圧力センサ29にて検出された積載荷重量Vs3、前傾角センサ30にて検出された前傾角Vs4を読み込むとともに、車速設定ボリューム24にて設定された最高車速Vmax1を読み込む(ステップS301)。次に、入力された、揚高位置Vs2、積載荷重量Vs3、及び前傾角Vs4からフォークリフトの荷役状態に基づく最高車速vmax2を求める(ステップS302)。
【0054】この最高車速vmax2は、図4に示す最高車速マップから求められる。ECU27は、揚高センサ28、圧力センサ29、及び前傾角センサ30から検出された各出力データを、その各センサの全検出範囲を100とした場合の割合として、次式(1)〜(3)を用いて算出する。
【0055】
揚高センサ:(揚高センサ出力電圧−フォーク最下降時の電圧)/(フォーク最上昇時の電圧−フォーク最下降時の電圧)×100[ %] ・・・・・・式(1)
前傾角センサ:(前傾角センサ出力電圧−最後傾時の電圧)/(最前傾時の電圧−最後傾時の電圧)×100[ %] ・・・・・・・式(2)
圧力センサ:(圧力センサ出力電圧−無負荷時の電圧)/(最大荷重時の電圧−無負荷時の電圧)×100[ %] ・・・・・・・式(3)
尚、式(1)〜(3)に示した計算式のプログラムは、各機種・各仕様毎にROM49に記憶される。
【0056】このようにして得られた計算結果を同図の最高車速マップに照らし合わせることにより、該当する最高車速vmax2が求められる。例えば、揚高センサ28、圧力センサ29、前傾角センサ30から検出された各出力より、揚高位置が80[%] 、圧力が90[ %] 、前傾角が18[ %] と算出された場合、最高車速vmax2はv189 が設定される。
【0057】尚、最高車速マップに記載される最高車速は、シュミレーション等により実験的に求められた値であり、揚高位置、積載荷重量、及び前傾角が大きくなる程フォークリフトの走行安定性が不安定になることから、揚高位置、積載荷重量、及び前傾角がそれぞれ大きくなる程、逆に最高車速vmax2は小さく設定されるものである。本第1の実施の形態における最高車速マップは、揚高位置が10区分、圧力が10区分、前傾角が10区分による、10×10×10=1000個のパラメータを利用しているが、区分数やパラメータ数はこれに限られることはなく、さらに細かく設定するようにしても良い。
【0058】図3のフローチャートに戻り、ECU27は、ステップS301の処理にて検出した車速設定ボリューム24の出力Vmax1から、図5に示す関数を利用してオペレータ設定規制最高速度vmax1を算出する(ステップS303)。そして、このオペレータ設定規制最高速度vmax1と、ステップS302の処理にて求められたvmax2とを比較し、低い方の最高車速又は同一の最高車速である時はその最高車速をvmax3とする(ステップS304)。
【0059】次に、ECU27は、ステップS301の処理にて検出された車速信号Vs1から車速vs1を算出し(ステップS305)、この車速vs1が、最高車速vmax3を超えているか否かを判定する(ステップS306)。車速vs1が、最高車速vmax3を越えている時には(ステップS306,Yes)、スロットル開度を最高車速vmax3のスロットル開度に制限するために必要なステッピングモータ13のステップ数を求める(ステップS307)。このステップ数は、車速vs1が、最高車速vmax3を越えた時に、それ以上のアクセル踏み込み量を相殺する量に相当するステッピングモータ13のステップ数である。そして、ステッピングモータ13を初期位置から減速方向にこのステップ数駆動し、その位置で出力軸14を保持する(ステップS308)。
【0060】従って、アクセルペダル2が大きく踏み込み操作され、スロットル開度が、決定された最高車速vmax3のスロットル開度を超えて車速vs1が最高車速vmax3を超えると、ステッピングモータ13は初期位置から減速方向にステップS307の処理にて求めたステップ数だけ駆動制御される。このため、操作量制限機構10において、第1連結部12と第2連結部15aとの距離が出力軸14の減速方向への回動分だけ大きくなり、キャブレター20のスロットル開度が、アクセルペダル2の踏み込み量に対応するスロットル開度よりも、ステップS307の処理にて求めたステップ数に相当する分だけ小さい開度に制御される。
【0061】その結果、アクセルペダル2が、設定された最高車速vmax3に相当する踏み込み量よりも大きく踏み込み操作されたことにより、車速vs1が最高車速vmax3を超えたとしても、アクセルペダル2の踏み込み量に拘らずスロットル開度が最高車速vmax3に対応するスロットル開度以下になるように制御される。
【0062】図6(b)は、ステッピングモータ13が減速方向に駆動制御され、スロットル開度が最高車速vmax3に対応するスロットル開度に制御された状態を示している。同図に示すように、アクセルペダル2が最高車速vmax3に対応するスロットル開度となる踏み込み量を超えて踏み込み操作されたときには、アクセルペダル2の踏み込み量に関係なく、スロットル開度が最高車速vmax3に対応する開度を超えないように制限される。
【0063】一方、ECU27は、検出された車速vs1が、決定された最高車速vmax3以下である時(ステップS306,No)は、ステッピングモータ13が減速方向に駆動制御されているときに限りステッピングモータ13を強制的に初期位置に復帰させ、アクセルペダル2の踏み込み操作量に応じたキャブレター20のスロットル開度の操作を可能とする(ステップS309)。
【0064】以上のように、揚高センサ28、圧力センサ29、及び前傾角センサ30からフォークの揚高位置、マストの荷重積載量、及びマストの前傾角を検出し、これらの荷役状態に基づく最適な最高車速を求め、この荷役状態に基づく最高車速とオペレータが予め設定した最高車速を比較し、低い方の最高車速、又は同一である場合にはその最高車速を、最終的な規制最高車速としているので、フォークリフトは、常に荷役状態を考慮した車速に制御され、オペレータは荷役状態にとらわれることなく運転操作ができる。
<変形例>本第1の実施の形態では、車速制御処理において、荷役状態に基づく最高車速vmax2とオペレータが予め設定した最高車速vmax1を比較し、低い方の最高車速又は同一である場合はその最高車速を、最高車速vmax3としていたが、本変形例では、荷役状態に基づく最高車速とオペレータが予め設定した最高車速を比較し、低い方の最高車速又は同一である場合はその最高車速を、一旦vmaxLとし、このvmaxLにフィルタリング処理したものを最高車速vmax3とした。尚、フィルタリング処理については後述する。
【0065】また、本第1の実施の形態では、実速度が最高車速vmax3を越えるか否かに基づき、ステッピングモータを減速方向に駆動するか初期位置に復帰するかの車速制御を行っていたが、本変形例では、最高車速vmax3に基づき上限最高車速vup及び下限最高車速vdownを決定し、実速度が上限最高車速vupを越える時にステッピングモータを減速方向に駆動し、実速度が下限最高速度vdownを越えない時にステッピングモータを初期位置に復帰するようにした。その他の構成については、本第1の実施の形態と同様である。
【0066】図7は、本変形例における車速制御処理を示すフローチャートである。同図において、ステップS701〜ステップS703までの処理は、図3で示したステップS301〜ステップS303までの処理と同一であるので、説明を省略する。
【0067】ECU27は、ステップS702の処理にて得られた荷役状態に基づく最高車速vmax2とステップS703の処理にてオペレータが予め設定した最高車速vmax1を比較し、低い方の最高車速、又は同一である場合はその最高車速を、一旦vmaxLとし(ステップS704)、このvmaxLにフィルタリング処理したものを最高車速vmax3とする(ステップS705)。ここで、フィルタリング処理とは、最高車速vmax3の急激な変化を防止するためになされるもので、次式より行われる。
【0068】
max3=(vmaxL+(n−1)vbefore)/n但し、vbeforeは前回処理時のvmax3の値を表し、また、nは4としている。尚、nについては、図7で示した車速制御処理を繰り返し実行する際の所定周期をいくつにするかによって決定されるものである。
【0069】そして、現在得られたvmax3をvbeforeとし(ステップS706)、次回の処理時に使用するようにする。尚、初回の車速制御処理においては、vbeforeはまだ決定されていないので、初回車速制御処理時のみ、図3で示した車速制御処理を適用する。
【0070】次に、ECU27は、ステップS705の処理にて得られた最高車速vmax3から上限最高車速vup、下限最高車速vdownを決定する(ステップS707)。本変形例では、上限最高車速vup[ km/h] をvup=vmax3−2とし、下限最高車速をvdown[ km/h] をvdown=vmax3−3とする。ECU27は、ステップS701の処理にて読み込まれた車速信号Vs1から車速vs1を算出し(ステップS708)、この車速vs1が、上限最高車速vupを越えているか否かを判定する(ステップS709)。車速vs1が、上限最高車速vupを越えている時には(ステップS709,Yes)、図3で示したステップS307の処理と同様に、スロットル開度を最高車速vmax3のスロットル開度に制限するために必要なステッピングモータ13のステップ数を求める(ステップS710)。そして、ステッピングモータ13を初期位置から減速方向にこのステップ数駆動し、その位置で出力軸14を保持する(ステップS711)。
【0071】一方、ステップS709の処理にて、車速vs1が上限最高車速vupを越えていない時には(ステップS709,No)、車速vs1が下限最高車速vdownを越えていないか否かを判定する(ステップS712)。ECU27は、車速vs1が下限最高車速vdownを越えていない時には(ステップS712,Yes)、図3で示したステップS309の処理と同様に、ステッピングモータ13が減速方向に駆動制御されている場合に限り、ステッピングモータ13を強制的に初期位置に復帰させる(ステップS713)。ステップS711の処理にて、車速vs1が下限最高車速vdownを越えている時には(ステップS712,No)、そのまま当該処理を終了する。
【0072】以上のように、荷役状態に基づく最高車速に対し、フィルタリング処理を行うことで、車速制御処理を行う所定周期毎の荷役状態に基づく最高車速の急激な変化を防止することができる。
【0073】また、上限最高車速vup及び下限最高車速vdownを設け、車速vs1がこの範囲にいる時には、そのままの状態を維持するように車速制御することで、わずかな車速変化による速度制御を行わせないことができる。
【0074】従って、車速vs1が、最高車速vmax3近傍で推移したときに、ステッピングモータが減速方向及び復帰方向に繰り返し駆動制御される不安定な状態となることを防止することができる。
<第2の実施の形態>本第2の実施の形態では、最高車速vmax3の決定方法が、本第1の実施の形態と異なる。 図8は、本第2の実施の形態における、車速制御処理を示すフローチャートである。同図に示されるように、ECU28は、車速センサ26にて検出された車速信号Vs1、揚高センサ28にて検出された揚高位置Vs2、圧力センサ29にて検出された積載荷重量Vs3、前傾角センサ30にて検出された前傾角Vs4を読み込むとともに、車速設定ボリューム24にて設定された最高車速Vmax1を読み込む(ステップS801)。次に、検出された、最高車速Vmax1からオペレータ用設定規制最高速度vmax1を算出するとともに、揚高位置Vs2、積載荷重量Vs3、及び前傾角Vs4から、それぞれ、揚高規制速度vs2、積載荷重量規制速度vs3、及び前傾角規制速度vs4を算出する(ステップS802)。ここで、各規制速度は、揚高位置、積載荷重量、及び前傾角毎の各荷役状態における安全速度を示す。オペレータ用設定規制最高速度vmax1、揚高規制速度vs2、積載荷重量規制速度vs3、及び前傾角規制速度vs4は、図9に示した関数により求められる。同図に示されるように、オペレータ用設定規制最高速度vmax1は、同図(a)で示した関数により求められ、揚高規制速度vs2は、同図(b)で示した関数により求められ、積載荷重量規制速度vs3は、同図(c)で示した関数により求められ、前傾角規制速度vs4は、同図(d)で示した関数により求められる。尚、同図(b)〜(d)で示した関数は、シュミレーション等により実験的に求められたもので、揚高位置、積載荷重量、及び前傾角がそれぞれ大きくなる程フォークリフトの走行安定性が不安定になることから、揚高位置、積載荷重量、及び前傾角がそれぞれ大きくなる程、逆に揚高規制速度vs2、積載荷重量規制速度vs3、及び前傾角規制速度vs4は小さく設定されるものである。
【0075】次に、これら、オペレータ用設定規制最高速度vmax1、揚高規制速度vs2、積載荷重量規制速度vs3、及び前傾角規制速度vs4の中から、最も低速である規制速度又は最も低速である最高車速が同一である場合にはこの最高車速をvmaxLとする(ステップS803)。そして、このvmaxLにフィルタリング処理を行ったものを最高車速vmax3とする(ステップS804)。このフィルタリング処理及び以降の処理については、本第1の実施の形態及び該変形例にて示したので、その説明を省略する。
【0076】尚、本第2の実施の形態では、荷役状態を検出するのに、揚高センサ、圧力センサ、及び前傾角センサを適用しているが、その中の1つ又は2つのみを適用してもよく、例えば、揚高センサと圧力センサのみを適用するようにしても良い。
【0077】以上により、本第2の実施の形態では、揚高位置、積載荷重量、及び前傾角毎の荷役状態における規制車速が決定されるので、各センサの独立性が高くなり、センサの削除や追加等に柔軟に適応できるようになり、フォークリフトの管理が容易になる。
<第3の実施の形態>本第3の実施の形態では、最高車速vmax3の決定方法が、本第1及び第2の実施の形態と異なり、また、フォークリフトには、その機台毎に、機台最高車速が予め決められている。 図10は、本第3の実施の形態における、車速制御処理を示すフローチャートである。同図に示されるように、ECU27は、車速センサ26にて検出された車速信号Vs1、揚高センサ28にて検出された揚高位置Vs2、圧力センサ29にて検出された積載荷重量Vs3、前傾角センサ30にて検出された前傾角Vs4を読み込むとともに、車速設定ボリューム24にて設定された最高車速Vmax1を読み込む(ステップS1001)。次に、検出された、最高車速Vmax1からオペレータ用設定規制最高速度vmax1を算出するとともに、揚高位置Vs2、積載荷重量Vs3、及び前傾角Vs4から、それぞれ、揚高による減速規制速度vs2L 、積載荷重量による減速規制速度vs3L 、及び前傾角による減速規制速度vs4L を算出する(ステップS1002)。ここで、減速規制速度は、揚高位置、積載荷重量、及び前傾角毎に求められ、それぞれの荷役状態における減速規制速度を示す。オペレータ用設定規制最高速度vmax1、揚高による減速規制速度vs2L 、積載荷重量による減速規制速度vs3L 、及び前傾角による減速規制速度vs4L は、図11に示した関数により求められる。同図に示されるように、オペレータ用設定規制最高速度vmax1は、同図(a)で示した関数により求められ、揚高による減速規制速度vs2L は、同図(b)で示した関数により求められ、積載荷重量による減速規制速度vs3L は、同図(c)で示した関数により求められ、前傾角による減速規制速度vs4L は、同図(d)で示した関数により求められる。尚、同図(b)〜(d)で示した関数は、シュミレーション等により実験的に求められたもので、揚高位置、積載荷重量、及び前傾角がそれぞれ大きくなる程フォークリフトの走行安定性が不安定になることから、揚高位置、積載荷重量、及び前傾角がそれぞれ大きくなる程、揚高による減速規制速度vs2L 、積載荷重量による減速規制速度vs3L 、及び前傾角による減速規制速度vs4L も大きく設定されるものである。
【0078】次に、予め機台に決められている機台最高車速vk から、揚高による減速規制速度vs2L 、積載荷重量による減速規制速度vs3L 、及び前傾角減速規制速度vs4L を減算する。尚、本第3の実施の形態では、機台最高車速vk を20[ km/h] とし、減算後の速度が8[ km/h] 以下になった場合は、8[ km/h] とする。そして、この減算された速度とオペレータ設定規制速度とを比較し、低速である方の速度又は同一の速度である場合にはこの速度を、vmaxLとする(ステップS1003)。そして、このvmaxLに対しフィルタリング処理を行ったものを最高車速vmax3とする(ステップS1004)。このフィルタリング処理及び以降の処理については、本第1の実施の形態及び該変形例にて示したので、その説明を省略する。
【0079】尚、本第3の実施の形態では、荷役状態を検出するのに、揚高センサ、圧力センサ、及び前傾角センサを適用しているが、その中の1つ又は2つのみを適用してもよく、例えば、揚高センサと圧力センサのみを適用することもできる。
【0080】以上により、本第3の実施の形態では、揚高位置、積載荷重量、及び前傾角毎の荷役状態における減速規制速度が決定されるので、各センサの独立性が高くなり、センサの削除や追加等に柔軟に適応できるようになり、フォークリフトの管理が容易になる。
【0081】尚、本第1〜第3の実施の形態においては、本発明をガソリンエンジンに適用したが、これに限らず、スロットル調整軸にてスロットル開度が制御されるインジェクションポンプにて燃料が供給されるディーゼルエンジンに適用してもよく、また、バッテリー車のフォークリフトに適用することもできる。
【0082】また、例えば、運転者が、最高車速を一目で認識でき、実車速と比較できるようにするため、最終的に決定された最高車速をスピードメータ中に表示するようにしても良い。このようにすることで、更に操作性を増すことができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、フォークリフトの荷役状態に基づいて車速を制御することにより、フォークリフトを常に最適な安全速度で走行させることができ、オペレータ自身の運転操作に係る負担を無くすことができる。
【0084】また、車速制御を行う際、フィルタリング処理を行うことで急激な車速の変化を防止することができる。また、荷役状態検出手段の独立性を高めることで、荷役状態検出手段の追加や削除が容易になり、フォークリフトの管理が容易になる。




 

 


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