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シート材重送検出装置 - 松下電器産業株式会社
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発明の名称 シート材重送検出装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−233504(P2001−233504A)
公開日 平成13年8月28日(2001.8.28)
出願番号 特願2000−48850(P2000−48850)
出願日 平成12年2月25日(2000.2.25)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3F048
3F049
【Fターム(参考)】
3F048 AA08 AB02 BA13 BB09 CC02 DA06 DC17 
3F049 AA10 BA04 BA11 CA06 CA11 DA02 FB02 LA01 LB02
発明者 豊村 祐士 / 荒木 孝夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】駆動ローラと従動ローラの2ローラ間にループ状に掛け渡され複数の通気孔が形成された第1、第2の搬送ベルトと、前記駆動ローラの回転により前記第1、第2の搬送ベルトの間で搬送されるシート材に向けて超音波を照射する前記第1の搬送ベルトのループ内の発信用超音波トランスデューサと、前記シート材を挟んで前記発信用超音波トランスデューサと対向する側に配置され前記シート材を透過してきた超音波を受信する前記第2の搬送ベルトのループ内の受信用超音波トランスデューサと、前記第1の搬送ベルトの前記シート材側に開口した上部ダクトと、前記第2の搬送ベルトの前記シート材側に開口した下部ダクトと、前記上部ダクトおよび前記下部ダクトに連通する空気吸引部とを有することを特徴とするシート材重送検出装置。
【請求項2】前記第1の搬送ベルトにおける前記複数の通気孔の開口面積を前記第2の搬送ベルトにおける前記複数の通気孔の開口面積よりも大きくしたことを特徴とする請求項1に記載のシート材重送検出装置。
【請求項3】前記第1、第2の搬送ベルトは、それぞれ複数の細いループ状ベルトから成り、前記第1の搬送ベルトにおける前記複数の細いループ状ベルト間の間隔を前記第2の搬送ベルトにおける前記複数の細いループ状ベルト間の間隔よりも大きくしたことを特徴とする請求項1に記載のシート材重送検出装置。
【請求項4】前記第1、第2の搬送ベルトは導電性材料から形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のシート材重送検出装置。
【請求項5】前記空気吸引部は互いに独立した第1、第2の空気吸引部から成り、前記第1、第2の空気吸引部はそれぞれ前記上部ダクト、前記下部ダクトに連通することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のシート材重送検出装置。
【請求項6】前記第1、第2の空気吸引部はそれぞれ、駆動電圧により回転が制御されるファンモータを有することを特徴とする請求項5に記載のシート材重送検出装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像読み取り装置などの給紙機構において、搬送される原稿の重送を検出するシート材重送検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、画像形成装置や画像読み取り装置の高速化が進み、原稿や記録紙等のシート材をより安定して給送できる給紙機構が必要となってきている。これらの給紙機構は単に高速な給紙動作が可能に構成されているだけではなく、給紙動作を行ってもシート材が搬送されないミスフィードや、一回の給紙動作によって複数のシート材が同時に搬送されるダブルフィード(重送)を低減するべく改善が図られている。
【0003】給紙機構の改善は、主に給紙メカニズムの見直しを中心に行われているが、いかにメカニズムの精度や給紙機構に適用される部材の材質を向上させても、あらゆるシート材の種類や装置の置かれた環境に対して完璧な給紙を実現することは現実的には困難であり、実際は給紙機構の改善と共に、シート材のミスフィードや重送を検出する装置も提案されている。
【0004】シート材に対する重送検出装置として、たとえば特開昭61−90948号公報に記載されたものがある。この公報には、発信用超音波トランスデューサで発振した超音波を共振器で共振させ、透過してきた超音波を受信用超音波トランスデューサで検出し、その透過量でシート材の重送状態を検出する装置が開示されている。この装置では、超音波トランスデューサを共振状態で使用すると共に、重送したシート材の間に空気層があることに着目し、空気層の有無で超音波の減衰量が大きく変化することを利用して重送を検出している。
【0005】ところで、例えば画像読み取り装置に搭載される自動原稿給送装置(ADF:Automatic Document Feeder)がとりあつかう原稿などのシート材は、低温低湿環境下では、帯電しやすくなり、重送の発生頻度が高くなる。特にカーボン紙などの薄手の原稿は、低温低湿環境では二枚の原稿が静電吸着して密着した状態となる場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のシート材重送検出装置では、上述したような密着した重送が発生すると、シート材間に空気層がほとんど形成されないため、正確な検出が困難になるという問題点を有していた。
【0007】このシート材重送検出装置では、低温低湿環境を始めとするあらゆる環境条件で、どのような種類のシート材であっても、重送を確実に検出できることが要求されている。
【0008】本発明は、この要求を満たすため、低温低湿環境を始めとするあらゆる環境条件で、どのような種類のシート材であっても、重送を確実に検出できるシート材重送検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明のシート材重送検出装置は、駆動ローラと従動ローラの2ローラ間にループ状に掛け渡され複数の通気孔が形成された第1、第2の搬送ベルトと、駆動ローラの回転により第1、第2の搬送ベルトの間で搬送されるシート材に向けて超音波を照射する第1の搬送ベルトのループ内の発信用超音波トランスデューサと、シート材を挟んで発信用超音波トランスデューサと対向する側に配置されシート材を透過してきた超音波を受信する第2の搬送ベルトのループ内の受信用超音波トランスデューサと、第1の搬送ベルトのシート材側に開口した上部ダクトと、第2の搬送ベルトのシート材側に開口した下部ダクトと、上部ダクトおよび下部ダクトに連通する空気吸引部とを有する構成を備えている。
【0010】これにより、低温低湿環境を始めとするあらゆる環境条件で、どのような種類のシート材であっても、重送を確実に検出できるシート材重送検出装置が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載のシート材重送検出装置は、駆動ローラと従動ローラの2ローラ間にループ状に掛け渡され複数の通気孔が形成された第1、第2の搬送ベルトと、駆動ローラの回転により第1、第2の搬送ベルトの間で搬送されるシート材に向けて超音波を照射する第1の搬送ベルトのループ内の発信用超音波トランスデューサと、シート材を挟んで発信用超音波トランスデューサと対向する側に配置されシート材を透過してきた超音波を受信する第2の搬送ベルトのループ内の受信用超音波トランスデューサと、第1の搬送ベルトのシート材側に開口した上部ダクトと、第2の搬送ベルトのシート材側に開口した下部ダクトと、上部ダクトおよび下部ダクトに連通する空気吸引部とを有することとしたものである。
【0012】この構成により、空気吸引部によって上部ダクトまたは下部ダクトを介してシート材が第1の搬送ベルト側または第2の搬送ベルト側に空気吸引され、重送状態のシート材に隙間すなわち空気層が容易に形成され、シート材重送状態の受信用超音波トランスデューサにおける受信音波レベルとシート材単葉給紙状態の受信用超音波トランスデューサにおける受信音波レベルとの差が大きくなり、精度よく重送状態が検出されるという作用を有する。
【0013】請求項2に記載のシート材重送検出装置は、請求項1に記載のシート材重送検出装置において、第1の搬送ベルトにおける複数の通気孔の開口面積を第2の搬送ベルトにおける複数の通気孔の開口面積よりも大きくすることとしたものである。
【0014】この構成により、先端が不ぞろいなシート材の重送が発生した場合でも、先頭のシート材は必ず第1の搬送ベルト側に吸着され、簡易な構成で正確にシート材の間に空気層が形成されるという作用を有する。
【0015】請求項3に記載のシート材重送検出装置は、請求項1に記載のシート材重送検出装置において、第1、第2の搬送ベルトは、それぞれ複数の細いループ状ベルトから成り、第1の搬送ベルトにおける複数の細いループ状ベルト間の間隔を第2の搬送ベルトにおける複数の細いループ状ベルト間の間隔よりも大きくすることとしたものである。
【0016】この構成により、先端が不ぞろいなシート材の重送が発生した場合でも、先頭のシート材は必ず第1の搬送ベルト側に吸着され、簡易な構成で正確にシート材の間に空気層が形成されるという作用を有する。
【0017】請求項4に記載のシート材重送検出装置は、請求項1乃至3のいずれか1に記載のシート材重送検出装置において、第1、第2の搬送ベルトは導電性材料から形成されることとしたものである。
【0018】この構成により、重送したシート材が帯電して密着していても、シート材が除電され、シート材の分離性が向上し、シート材の間に空気層が正確に形成されるという作用を有する。
【0019】請求項5に記載のシート材重送検出装置は、請求項1乃至4のいずれか1に記載のシート材重送検出装置において、空気吸引部は互いに独立した第1、第2の空気吸引部から成り、第1、第2の空気吸引部はそれぞれ上部ダクト、下部ダクトに連通することとしたものである。
【0020】この構成により、第1の搬送ベルトにおける第1の空気吸引力と第2の搬送ベルトにおける第2の空気吸引力とはそれぞれ独立に制御され、シート材の第1の搬送ベルトまたは第2の搬送ベルトへの吸着が確実に行われ、重送したシート材の分離がより確実になるという作用を有する。
【0021】請求項6に記載のシート材重送検出装置は、請求項5に記載のシート材重送検出装置において、第1、第2の空気吸引部はそれぞれ、駆動電圧により回転が制御されるファンモータを有することとしたものである。
【0022】この構成により、簡単な構成で請求項5と同様の作用を有する。
【0023】以下、本発明の実施の形態について、図1〜図20を用いて説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1によるシート材重送検出装置が搭載されたドキュメントスキャナを示す構成図である。
【0025】図1において、1はシート材であり、給紙が正常に行われた場合、シート材1は単葉の状態で給紙される。2はシート材1の次に給送されるべき、したがって本来はシート材1と同時に搬送されるべきでないシート材、3はシート材を収納するシート材収納部である。一回の給送動作でシート材1と本来搬送されるべきでないシート材2、またはそれ以上の枚数のシート材が同時に給送された場合が、いわゆる重送状態となる。4はシート材収納部3に格納されたシート材を給紙する給紙ローラであり、たとえば図示しない外部のホストコンピュータなどから画像読み取り指令が発行されると、この給紙ローラ4が方向d1に回転して、シート材収納部3からシート材を1枚ずつピックアップして方向d2へと給送する。また、5はリバースローラ、6は本実施の形態によるシート材重送検出装置、7は第1の搬送ベルト、8aは駆動ローラ、8bは従動ローラ、9は第2の搬送ベルト、10aは駆動ローラ、10bは従動ローラ、11はガイドローラ、12は空気吸引部、13は吸引ダクト、14は吸引ダクト13の上部ダクト、15は吸引ダクト13の下部ダクト、16は重送分離検出部、17aは発信用超音波トランスデューサ、17bは受信用超音波トランスデューサ、18はイメージセンサ、19はプラテンローラである。
【0026】図1において、駆動ローラ8a、10aと従動ローラ8b、10bと第1、第2の搬送ベルト7、9とは搬送部を構成し、イメージセンサ18およびプラテンローラ19以外の部分は給紙機構を構成する。
【0027】次に、図1における重送防止動作について説明する。
【0028】リバースローラ5は、単一(単葉)のシート材が給送されている場合は、給紙ローラ4の回転によりシート材がd2方向に搬送されるのに伴って方向d3に連れ回りしているが、シート材に重送が発生し、シート材1と本来搬送されるべきでないシート材2の間の摩擦力が、本来搬送されるべきでないシート材2とリバースローラ5の間の摩擦力より小さくなった場合は、方向d4に回転して、本来搬送されるべきでないシート材2をシート材収納部3へと押し戻す。しかしながら、この方法には限界があり、たとえばシート材どうしが摩擦して静電気が発生したような場合は、シート材の表面で分極した電位が発生してシート材を互いに強くひきつけているため、単純に摩擦力を利用した重送防止動作では重送を完全に防止することができず、複数のシート材が重なり合って搬送されることがある。これに対して、シート材重送検出装置6は、シート材が重送して給送された場合は、これを引き剥がして分離し、分離後に重送を検出する。
【0029】図2は図1のシート材重送検出装置6を示す斜視図である。
【0030】図2において、第1の搬送ベルト7、駆動ローラ8a、従動ローラ8b、第2の搬送ベルト9、駆動ローラ10a、従動ローラ10b、ガイドローラ11、空気吸引部12、吸引ダクト13、上部ダクト14、下部ダクト15、発信用超音波トランスデューサ17a、受信用超音波トランスデューサ17bは図1と同様のものなので、同一符号を付し、説明は省略する。
【0031】ここで、シート材重送検出装置6の構成、動作等について、図1と図2を用いて詳細に説明する。
【0032】シート材重送検出装置6において、第1の搬送ベルト7は2本の導電性ゴムベルトから成り、図面の奥手方向に2本が並列に配置されている。導電性ゴムベルトはゴムベルトにカーボンなどを分散させた素材を用いて電気的抵抗値を小さく抑えてある。また第1の搬送ベルト7には複数の通気孔としての空気吸引孔24が設けられており、第2の搬送ベルト9には複数の通気孔としての空気吸引孔25が設けられている。駆動ローラ8aは第1の搬送ベルト7に駆動力を伝達する、すなわち駆動ローラ8aは方向d5に回転して第1の搬送ベルト7を方向d6に駆動する。駆動ローラ8aと従動ローラ8bのうち少なくとも一方は金属ローラであり、ローラ軸を接地することで、第1の搬送ベルト7の電荷を取り除くことができる。あるいは、ベルトに除電ブラシを当接させ、除電ブラシを接地することで除電を行ってもよい。
【0033】第2の搬送ベルト9は、第1の搬送ベルト7と同様に、図面の奥手方向に2本が並列に配置されている。第2の搬送ベルト9も第1の搬送ベルト7と同様に導電性のゴムベルトである。駆動ローラ10aは、方向d7に回転して第2の搬送ベルト9を方向d8に駆動する。駆動ローラ10aと従動ローラ10bのうち少なくとも一方は金属ローラであり、ローラ軸を接地することで、第2の搬送ベルト9の電荷を取り除くことができる。あるいは、ベルトに除電ブラシを当接させ、除電ブラシを接地することで除電を行ってもよい。
【0034】ガイドローラ11は、第2の搬送ベルト9のループ内部にあって第2の搬送ベルト9を第1の搬送ベルト7側に押し当てている。搬送されてきたシート材は、ガイドローラ11によって従動ローラ8bと従動ローラ10bに両面から挟持され、その後ガイドローラ11に至るまでは、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9によって両面から挟持され、シート材が帯電している場合は、2つのベルトを介してシート材に蓄積されている電荷が除去される。このようにしてシート材を除電することで、互いに引き剥がす方向に容易に分離できるようになる。
【0035】第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9は、上述のごとくガイドローラ11の位置に到達するまでは互いに接触しているが、ガイドローラ11に到達した後は、数度の角度で分離する方向に駆動される。空気吸引部12は、DCファンなどを内蔵し、DCファン駆動のためのDCファンモータを採用しているが、ACモータを用いたファンやシロッコファンなどを用いることももちろん可能である。空気吸引部12はシート材重送検出装置6の側面に配置されている。吸引ダクト13は上部ダクト14と下部ダクト15に分割されている。
【0036】シート材重送検出装置6において、図2ではベルト部分(第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9)と吸引ダクト13とは分離して描かれているが、実際は、吸引ダクト13はベルトが張られる空間に挿入されており、上部ダクト14の周囲には第1の搬送ベルト7が張られ、下部ダクト15の周囲には第2の搬送ベルト9が張られている。つまり吸引ダクト13は上部ダクト14と下部ダクト15の間に第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9を挟みこむようにして、2つのベルトが構成するループ内に挿入されている。
【0037】また、上部ダクト14の下面と下部ダクト15の上面とはそれぞれ開口面となっており、空気吸引部12を作動させることで、これらの開口面から空気が吸引される。これによって吸引ダクト13内の空気はシート材重送検出装置6の外に排出され、シート材重送検出装置6の内部の気圧が低下し、搬送されたシート材を両面側から吸着する(シート材の吸着過程については後に詳しく述べる)。
【0038】重送分離検出部16においては、第1の搬送ベルト7、第2の搬送ベルト9をはさんで互いに対向する位置に発信用超音波トランスデューサ17aと、受信用超音波トランスデューサ17bとが配置されている。実際は、発信用超音波トランスデューサ17aは吸引ダクト13の上部ダクト14内部に、受信用超音波トランスデューサ17bは下部ダクト15内部に適当な支持部材(図示せず)によって支持されている。なお、図1では、図面が複雑になるのを避けるため、吸引ダクト13、上部ダクト14、下部ダクト15は省略した。また、図2では、発信用超音波トランスデューサ17aは上部ダクト14の内部に、受信用超音波トランスデューサ17bは下部ダクト15の内部に点線で記載している。
【0039】前述したように空気吸引部12を作動させて、シート材を互いに引き剥がす方向に分離することで、重送して搬送されたシート材(シート材1と本来搬送されるべきでないシート材2)の間には空気層が形成される。重送分離検出部16では、この空気層の有無に基づき重送を検出する(超音波を用いた重送検出については後に詳しく述べる)。
【0040】イメージセンサ18として、本実施の形態では密着型イメージセンサ(CIS)を用いている。プラテンローラ19は密着型イメージセンサ18と対向する位置に配置され、搬送されたシート材をイメージセンサ18に押し当てて安定した読み取りを行う。
【0041】次に、搬送ベルト7、9と、その周辺構成とについて、図3(a)、(b)を用いて説明する。
【0042】図3(a)は第1の搬送ベルト7の一例を示す平面図であり、図3(b)は第2の搬送ベルト9の一例を示す平面図である。図3(a)、(b)において、第1の搬送ベルト7、第2の搬送ベルト9、発信用超音波トランスデューサ17a、受信用超音波トランスデューサ17b、空気吸引孔(通気孔)24、25は図1、図2と同様のものなので、同一符号を付し、説明は省略する。
【0043】まず、図3(a)を用いて第1の搬送ベルト7およびその周辺構成について説明する。
【0044】図3(a)に示すように、第1の搬送ベルト7は平行に配置された2本のベルトで構成されている。各ベルトは導電性ゴムなどにより形成され、接触するシート材の電荷を除去すると共に、複数の空気吸引孔(通気孔)24が設けられている。既に図2を用いて説明したように、空気吸引部12によって上部ダクト14内部の空気は排出され、上部ダクト14内部の気圧が低下すると、空気吸引孔24から空気が吸引され、シート材は、第1の搬送ベルト7に吸着する。
【0045】2本のベルトの間には約10mm程度の隙間20aが設けられており、この隙間部分からベルトが形成するループ内部に約5mm入った位置に発信用超音波トランスデューサ17aが配置されている。発信用超音波トランスデューサ17aから送信された超音波は、隙間20aからシート材に照射される。
【0046】次に、図3(b)を用いて第2の搬送ベルト9およびその周辺構成について説明する。
【0047】図3(b)に示すように、第2の搬送ベルト9は平行に配置された2本のベルトで構成されている。各ベルトは導電性ゴムなどにより形成され、接触するシート材の電荷を除去すると共に、複数の空気吸引孔25が設けられている。既に図2を用いて説明したように、空気吸引部12によって下部ダクト15内部の空気は排出され、下部ダクト15内部の気圧が低下すると、空気吸引孔25から空気が吸引され、シート材は、第2の搬送ベルト9に吸着する。
【0048】ただし、第2の搬送ベルト9の空気吸引孔25の個数は、第1の搬送ベルト7の空気吸引孔24の個数より少なく設定されており、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9の間に単一のシート材(単葉のシート材)が給送された場合は、第1の搬送ベルト7側に吸着されるようになっている。このようにして第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9で吸着力を異ならせる理由および効果については後に詳細に説明する。
【0049】2本のベルトの間には約10mm程度の隙間20bが設けられており、この隙間部分からベルトが形成するループ内部に約3mm入った位置に受信用超音波トランスデューサ17bが配置されている。発信用超音波トランスデューサ17aから照射された超音波は、シート材の表面で約95%が反射する。残りの約5%はシート材を透過し、隙間20bを介して、受信用超音波トランスデューサ17bで受信される。
【0050】以上の例は第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9で空気吸引孔24、25の数を異ならせることで、それぞれのベルトにおける吸着力を異ならせているが、次のようにしても同様な効果が得られる。
【0051】ここで、第2の搬送ベルト9の他の例について述べるが、これと対になる第1の搬送ベルト7の構成は図3(a)で説明したものと全く同等であるので説明を省略する。
【0052】図4は第2の搬送ベルト9の他の例を示す平面図である。図4において、9は第2の搬送ベルト、17bは図1、図2と同様の受信用超音波トランスデューサ、27は空気吸引孔である。
【0053】図4を用いて、第2の搬送ベルト9およびその周辺構成について説明する。図4に示すように、第2の搬送ベルト9は平行に配置された2本のベルトで構成されている。各ベルトは導電性ゴムなどにより形成され、接触するシート材の電荷を除去すると共に、複数の空気吸引孔27が設けられている。既に図2を用いて説明したように、空気吸引部12によって下部ダクト15内部の空気は排出され、下部ダクト15内部の気圧が低下すると、空気吸引孔27から空気が吸引され、シート材は、第2の搬送ベルト9に吸着する。
【0054】ただし、第2の搬送ベルト9の空気吸引孔27のサイズは、第1の搬送ベルト7の空気吸引孔(図3(a)参照)のサイズより小さく設定されており、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9の間に単葉シート材が給送された場合は、第1の搬送ベルト7側に吸着されるようになっている。このようにして第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9で吸着力を異ならせる理由および効果については後に詳細に説明する。
【0055】図4において、2本のベルトの間には約10mm程度の隙間28bが設けられており、この隙間部分からベルトが形成するループ内部に約3mm入った位置に受信用超音波トランスデューサ17bが配置されている。発信用超音波トランスデューサ17aから照射された超音波は、シート材の表面で約90%が反射する。残りの約10%はシート材を透過し、隙間28bを介して、受信用超音波トランスデューサ17bで受信される。
【0056】以上の例では、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9で空気吸引孔のサイズを異ならせることで、それぞれのベルトにおける吸着力を異ならせているが、もちろん先に説明した方法と組み合わせ、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9で、空気吸引孔の数とサイズの両方を異ならせて吸着力に差を持たせてもよい。
【0057】以上、第1の搬送ベルト7および第2の搬送ベルト9に幅の広いベルトをそれぞれ2本用いて、各ベルトにおける吸着力を異ならせる方法を説明したが、次の図5のようにしても同様の効果が得られる。図5(a)は第1の搬送ベルト7の他の例を示す平面図であり、図5(b)は第2の搬送ベルト9の更に他の例を示す平面図である。図5において、7は第1の搬送ベルト、9は第2の搬送ベルト、17aは図1、図2と同様の発信用超音波トランスデューサ、17bは図1、図2と同様の受信用超音波トランスデューサである。
【0058】まず図5(a)を用いて第1の搬送ベルト7およびその周辺構成について説明する。
【0059】図5(a)に示すように、第1の搬送ベルト7は平行に配置された4本の細いループ状のベルトを一群とし、これを並列に二群配置して構成されている。各ベルトは導電性ゴムなどにより形成され、接触するシート材の電荷を除去する。各ベルトの間には所定の隙間29aが形成されている。既に図2を用いて説明したように、空気吸引部12によって上部ダクト14内部の空気は排出され、上部ダクト14内部の気圧が低下すると、第1の搬送ベルト7の隙間29aから空気が吸引され、シート材は第1の搬送ベルト7に吸着する。各ベルトの群の間には約10mm程度の隙間30aが設けられており、この隙間部分からベルトが形成するループ内部に5mm入った位置に発信用超音波トランスデューサ17aが配置されている。発信用超音波トランスデューサ17aから送信された超音波は、隙間30aからシート材に照射される。
【0060】次に、図5(b)を用いて第2の搬送ベルト9およびその周辺構成について説明する。
【0061】図5(b)に示すように、第2の搬送ベルト9は平行に配置された4本の細いループ状のベルトを一群とし、これを並列に二群配置して構成されている。各ベルトは導電性ゴムなどにより形成され、接触するシート材の電荷を除去する。各ベルトの間には所定の隙間29bが形成されている。既に図2を用いて説明したように、空気吸引部12によって下部ダクト15内部の空気は排出され、下部ダクト15内部の気圧が低下すると、隙間29bから空気が吸引され、シート材は、第2の搬送ベルト9に吸着する。
【0062】ただし、第2の搬送ベルト9の隙間29bは、第1の搬送ベルト7の隙間29aより小さく設定されており、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9の間に単葉シート材が給送された場合は、第1の搬送ベルト7側に吸着されるようになっている。このようにして第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9で吸着力を異ならせる理由および効果については後に詳細に説明する。各ベルトの群の間には約10mm程度の隙間30bが設けられており、この隙間部分からベルトが形成するループ内部に約3mm入った位置に受信用超音波トランスデューサ17bが配置されている。発信用超音波トランスデューサ17aから照射された超音波は、シート材の表面で約95%が反射する。残りの約5%はシート材を透過し、隙間30bを介して、受信用超音波トランスデューサ17bで受信される。
【0063】次に、空気吸引部12と吸引ダクト13の機能等について図6、図7を用いて説明する。図6、図7は空気吸引部12と吸引ダクト13を示す概略断面図である。図6、図7において、シート材1、第1の搬送ベルト7、第2の搬送ベルト9、空気吸引部12、吸引ダクト13、上部ダクト14、下部ダクト15、発信用超音波トランスデューサ17a、受信用超音波トランスデューサ17bは図1、図2と同様のものなので、同一符号を付し、説明は省略する。
【0064】図6、図7において、上部ダクト14の下面と下部ダクト15の上面は開放面であり、これらの開放面から空気が吸引される。上部ダクト14と下部ダクト15の間には、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9が配置されている。以降の説明では簡単のため、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9の構成は、主に図3(a)と図3(b)を用いて説明したものを用いる。
【0065】まず、上部ダクト14と下部ダクト15の間にシート材が搬送されていない時は、図6に示すように、上部ダクト14から吸引される空気量は、下部ダクト15から吸引される空気量より多くなる。これは図3(a)、図3(b)などを用いて既に説明したように、空気吸引孔の数やサイズ、またはベルト間隔を第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9で異ならせ、第1の搬送ベルト7側の吸引力を第2の搬送ベルト9側の吸引力より強く設定しているためである。
【0066】これにより、上部ダクト14と下部ダクト15の間にシート材が搬送されると、必ず第1の搬送ベルト7側、即ち上部ダクト14側に吸着される。
【0067】この作用を確実に行わせるための手段を、再度図1を用いて説明する。図1のシート材重送検出装置6において、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9は、シート材が搬入される側で互いに接触し、シート材を一旦両面側から吸着する。その後ガイドローラ11によって、第2の搬送ベルト9は駆動方向を変えられる。第1の搬送ベルト7の吸着力は第2の搬送ベルト9の吸着力より強く設定してあるため、ガイドローラ11の位置でシート材は第1の搬送ベルト7側に吸着される。更にこのときガイドローラ11は短期間、第2の搬送ベルト9の空気吸引孔を塞ぐため、第2の搬送ベルト9側からの吸引力は弱くなり、シート材を確実に第1の搬送ベルト7側に吸着させることができる。
【0068】さて、以上のように、搬送されたシート材は、第1の搬送ベルト7側(上部ダクト14側)に選択的に吸着されるが、シート材が第1の搬送ベルト7に吸着された以降の状況を、図7を用いて説明する。
【0069】シート材1が上部ダクト14側に吸着すると、シート材1は第1の搬送ベルト7の空気吸引孔を塞ぎ、上部ダクト14から吸い出される空気量は極めて少なくなる。このため上部ダクト14の気圧は低下するが、パスカルの原理によって下部ダクト15の気圧も同時に低下する。このためシート材1が上部ダクト14側に吸着されてしまうと、下部ダクト15側の吸引力が強くなる。
【0070】この作用により、上部ダクト14と下部ダクト15の間に重送したシート材が搬送された場合、まず本来給送されるべきシート材が上部ダクト14側に吸着される。その後、下部ダクト15側の吸引力が相対的に強くなり、より確実に重送したシート材を分離できるようになる。
【0071】また、本実施の形態では単一の空気吸引部12を用いているため、上述した作用は、例えばDCファンモータを定電圧駆動することで、特殊な制御を行うことなく実現できる。
【0072】また、更に性能を向上させるために、例えばDCファンモータの駆動電流を計測し、電流の増加に基づいて、シート材1が第1の搬送ベルト7側(上部ダクト14側)に吸着されたのを検出したら、駆動電圧をより高く設定するなどの方法も考えられる。
【0073】また、本実施の形態では、重送したシート材を互いに引き剥がす方向に分離し、この状態を超音波トランスデューサ17a、17bによって検出しているが、重送が発生してシート材が第1の搬送ベルト7側(上部ダクト14側)と第2の搬送ベルト9側(下部ダクト15側)の両方に吸着すると、空気吸引部12から排出される空気量は極めて少なくなり、その結果DCファンモータによる静圧の増大を引き起こし、駆動電流が大幅に増加するため、このときの電流に基づいて重送を判断することもできる。
【0074】次に、シート材重送検出装置6におけるシート材分離、重送検出の動作について図8、図9、図10を用いて説明する。図8、図9、図10はシート材重送検出装置6における重送シート材の分離過程を示す概略断面図である。
【0075】図8〜図10において、シート材1、シート材2、シート材収納部3、給紙ローラ4、リバースローラ5、シート材重送検出装置6、第1の搬送ベルト7、第2の搬送ベルト9、ガイドローラ11、発信用超音波トランスデューサ17a、受信用超音波トランスデューサ17bは図1、図2と同様のものなので、同一符号を付し、説明は省略する。31はシート材の重なった部分の先頭部である。
【0076】まず、図8を用いて、シート材が単葉状態でシート材重送検出装置6に搬送された場合について説明する。給紙ローラ4によってシート材収納部3から繰出されたシート材1はシート材重送検出装置6に搬送される。既に説明したように第1の搬送ベルト7側からの吸引力は第2の搬送ベルト9側からの吸引力よりも強く設定されているため、シート材1は第1の搬送ベルト7に吸着した状態で搬送され、発信用超音波トランスデューサ17aと受信用超音波トランスデューサ17bの間を通過した後、シート材重送検出装置6の外部に排出される。
【0077】次に、図9を用いて、シート材が重送してシート材重送検出装置6に搬送された場合について説明する。ただし図9では、給紙ローラ4側(すなわち第1の搬送ベルト7側)のシート材が先行する形で重送が発生した状況が図示してある。即ちこのときは、シート材1が本来搬送されるべきではないシート材2に先行して搬送されるケースである。給紙ローラ4によってシート材収納部3から繰り出されたシート材1および本来搬送されるべきではないシート材2は、シート材重送検出装置6に搬送される。シート材重送検出装置6では、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9がこれらのシート材1、2を挟持し、既に説明したように、両面からシート材1、2に蓄積された電荷を除去し、シート材1、2を容易に分離できるようにする。既に説明したように第1の搬送ベルト7側からの吸引力は第2の搬送ベルト9側からの吸引力よりも強く設定されているため、シート材1は第1の搬送ベルト7に吸着した状態で搬送される。一方本来搬送されるべきではないシート材2には、第1の搬送ベルト7からの吸引力は作用しないうえ、シート材1が第1の搬送ベルト7に吸着することで風量が増加した第2の搬送ベルト9からの吸引力を強く受けて、第2の搬送ベルト9側に吸着される。第2の搬送ベルト9は、ガイドローラ11の位置で搬送方向を変えられ、第1の搬送ベルト7と遠ざかるように構成されているため、本来搬送されるべきではないシート材2は、シート材1に対して引き剥がされるように搬送されていく。
【0078】このようにして分離されたシート材1とシート材2とは、発信用超音波トランスデューサ17aと受信用超音波トランスデューサ17bの間を通過する。シート材1の先端がこれら超音波トランスデューサ17a、17bの間に到達すると、受信用超音波トランスデューサ17bは単葉シート材に見合うレベルのアナログ出力を行うが、シート材1の先頭に引き続いて、本来搬送されるべきではないシート材2の先端が超音波トランスデューサの間に到達すると、受信用超音波トランスデューサ17bの出力は大幅に低下する。この現象については後に詳細に説明するが、受信用超音波トランスデューサ17bが出力するアナログ出力レベルを劇的に変化させるには、重送したシート材の間に少なくとも1mm程度の空気層が存在することが必要である(1mmという数値の根拠については後に詳しく説明する)。
【0079】さて、給紙ローラ4がシート材収納部3に積載されたシート材の最上部からシート材を繰り出すように構成されている本実施の形態の場合は、シート材1が本来搬送されるべきではないシート材2に先行して搬送されるケースの重送が大部分を占める。これは装置構成から明らかなように、給紙ローラ4は給紙されるべき(最上位の)シート材1をピックアップすると共に、本来搬送されるべきでないシート材2はリバースローラ5によってシート材収納部3に戻されるためである。
【0080】このような構成上の条件が付随する場合、シート材重送検出装置6において、給紙ローラ4側に配置された搬送ベルトの吸引力は、リバースローラ5側に配置された搬送ベルトの吸引力より強く設定しておかねばならない。実際、本実施の形態では給紙ローラ4側に配置された第1の搬送ベルト7の吸引力を、リバースローラ5側に配置された第2の搬送ベルト9の吸引力より強く設定している。以下にその理由を説明する。
【0081】図10では、図9と同様に、給紙ローラ4側のシート材が先行する形で重送が発生した状況が図示してある。ただし第2の搬送ベルト9側の吸引力が第1の搬送ベルト7側の吸引力より強く設定されている場合を想定している。給紙ローラ4によってシート材収納部3から繰出されたシート材1および本来搬送されるべきではないシート材2はシート材重送検出装置6に搬送される。シート材重送検出装置6では、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9がこれらのシート材1、2を挟持し、既に説明したように、両面からシート材1、2に蓄積された電荷を除去し、シート材1、2を容易に分離できるようにする。第2の搬送ベルト9側からの吸引力が第1の搬送ベルト7側からの吸引力よりも強く設定されている場合、シート材重送検出装置6に先行して到達したシート材1は第2の搬送ベルト9に吸着した状態で搬送される。一方本来搬送されるべきではないシート材2も、シート材1と同様に第2の搬送ベルト9から吸引力を受け、これらのシート材は共に第2の搬送ベルト9に吸着した状態で搬送される。
【0082】もちろん、本来搬送されるべきでないシート材2の先端が第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9の間に到達すると、先行するシート材1のうち本来搬送されるべきでないシート材2と重なる部分は、第2の搬送ベルト9側からの吸引力を受けなくなるため、第1の搬送ベルト7側から吸引力を受ける。しかしながら、先行するシート材1の先端部分(より正しくはシート材1の先端の近傍で、シート材1と本来搬送されるべきでないシート材2の重なり合わない部分)は、第2の搬送ベルト9に吸着されており、かつ給紙ローラ4は、余分な量のシート材を繰り出さないため、結果的に重送したシート材を正確に引き剥がせなくなる。
【0083】このように、重送したシート材1、2の間に空気層が存在しない場合あるいは空気層がランダムに形成されるような場合、受信用超音波トランスデューサ17bの出力は一定の傾向を失い、重送と非重送の判定が困難となる。
【0084】もちろん、シート材と本来搬送されるべきでないシート材2の重なった部分の先頭部31には或る程度の空気層が必ず存在するため、受信用超音波トランスデューサ17bの出力を数多くサンプリングすれば、単一のシート材が搬送された場合との差異は検出することができる。しかし、重送検出精度を向上するためには、上述したように、シート材重送検出装置6において、給紙ローラ4側に配置された搬送ベルト(即ち第1の搬送ベルト7)の吸引力を、リバースローラ5側に配置された搬送ベルト(即ち第2の搬送ベルト9)の吸引力より強く設定しておく必要がある。
【0085】次に、シート材重送検出装置6において、分離された複数のシート材に対して超音波トランスデューサ17a、17bにより重送の有無を検出する重送検出動作について説明する。
【0086】まず、図1を用いて重送検出動作の概要を説明する。本実施の形態では、重送の検出に超音波を利用しており、より具体的には第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9を挟んで対向する位置に、発信用超音波トランスデューサ17aと受信用超音波トランスデューサ17bとが配置されている。そして二つの搬送ベルト7、9間に搬送されてきたシート材に対して、発信用超音波トランスデューサ17aから40KHzの超音波を照射し、シート材を透過してきた超音波を受信用超音波トランスデューサ17bで受信し、この受信レベルに基づき重送の有無を検出するものである。
【0087】図11(a)、(b)は超音波を用いた重送検出の原理を示す重送検出原理図である。図11(a)には、対向して配置された発信用超音波トランスデューサ17aと受信用超音波トランスデューサ17bの間に単葉のシート材1が搬送された状況を示し、図11(b)には、図11(a)と同様の超音波トランスデューサの配置状態でシート材1と本来搬送されるべきでないシート材2の複数のシート材が搬送された状況を示している。
【0088】図11(a)において、発信用超音波トランスデューサ17aから照射された超音波は、空気とシート材1の境界で固有音響インピーダンスの差が大きいため、大部分(約95%)はシート材1の内部に入ることができずに表面で反射される。その結果、シート材1を透過する超音波は全体の約5%となり、受信用超音波トランスデューサ17bの受信レベルは、シート材が搬送されてないときと比較して式(1)に示すように−26dBに減衰する。
【0089】
−26(dB)=20×log(5/100)・・・・・・(1)
一方、図11(b)に示すように、対向して配置された発信用超音波トランスデューサ17aと受信用超音波トランスデューサ17bとの間に、シート材1と本来搬送されるべきでないシート材2の複数のシート材が搬送された場合は、発信用超音波トランスデューサ17aから照射された超音波はシート材1の表面で約95%が反射され、シート材1を透過できるのは5%となる。ここでシート材1と本来搬送されるべきでないシート材2の間に空気層が形成されていると、シート材1を透過してきた超音波は、本来搬送されるべきでないシート材2の表面で再度95%が反射し、本来搬送されるべきでないシート材2を透過できるのは、当初発信用超音波トランスデューサ17aから照射された超音波の音量と比較すると、式(2)に示すように−52dBと大幅に減衰する。
【0090】
−52(dB)=20×log((5/100)×(5/100))・・・・・・・・(2)
このように、単一のシート材と、重送して間に空気層を含む複数のシート材とでは、超音波の減衰量に約26dBもの差があるため、この差を検出すればシート材が重送しているか否かを判定することができる。
【0091】以上述べてきたように、超音波を用いた重送検出の基本的な原理は、重送したシート材間の空気層の有無に基づいており、いかに重送したシート材の間に空気層を形成するかが重要なポイントとなる。したがって本実施の形態で示したような構成で、複数のシート材を互いに引き剥がす方向に分離することができれば、重送検出の精度を格段に向上することができるようになる。
【0092】発明者らは、シート材の重送検出に超音波トランスデューサを応用するにあたり、どの程度の空気層の厚みが必要かを実験により調査した。その結果、40KHz程度の比較的低周波の超音波を用いた場合は、空気層の厚み、シート材の搬送位置などに応じて重送検出精度が大きく変化することを見出した。次に、図12(a)、(b)を用いて発明者らの実験内容を説明する。
【0093】図12(a)は、発信用超音波トランスデューサ17aと受信用超音波トランスデューサ17bとを所定距離L1離した位置に固定し、その間に単葉のシート材1を配置した場合を示す配置図である。トランスデューサ間の距離L1は、発信用超音波トランスデューサ17aの発振周波数である40KHzの1波長(λ)の9/8(=1.125λ=約9.7mm)に設定した。L1(発信用超音波トランスデューサ17aと受信用超音波トランスデューサ17bの離間距離)を以上のように設定した上で、発信用超音波トランスデューサ17aからシート材までの距離L2を変化させて受信用超音波トランスデューサ17bの出力電圧を観測した。
【0094】図12(b)は、発信用超音波トランスデューサ17aと受信用超音波トランスデューサ17bとを距離L1離した位置に固定し、両トランスデューサ間にシート材1と本来搬送されるべきでないシート材2を重送した状態で配置した場合を示す配置図である。L1は図12(a)の場合と同様に発信用超音波トランスデューサ17aの発振周波数である40KHzの1波長(λ)の9/8(=1.125λ=約9.7mm)に設定した。L1(発信用超音波トランスデューサ17aと受信用超音波トランスデューサ17bの離間距離)を以上のように設定した上で、発信用超音波トランスデューサ17aからシート材1までの距離L2を変化させると共に、二枚のシート材の隙間L3を0μm(密着状態)、75μm、150μm、225μm、450μm、950μmと変化させて受信用超音波トランスデューサ17bの出力電圧を観測した。
【0095】図13は本発明の実施の形態1における超音波トランスデューサに関する実験の結果を示すグラフである。図13の横軸はL2、すなわち発信用超音波トランスデューサ17aからシート材1までの距離を示し、縦軸は受信用超音波トランスデューサ17bの出力を示している。なお、受信用超音波トランスデューサ17bの出力は、図示しない増幅回路で適当なゲインで増幅した後に、全波整流およびサンプルホールドなどを施して得たものであり、受信レベルの数値は絶対的なものではない。また□、×、△、▲、○、●等の各系列はL3、すなわちシート材1と本来搬送されるべきでないシート材2の隙間の違いを反映している。
【0096】図13のグラフからは以下の内容が読み取れる。
【0097】まず第1に、L3(シート材1と、本来搬送されるべきでないシート材2の隙間)が大きくなるほど、単葉と重送で受信レベルの格差が大きくなる。単葉と重送を安定して検出するためには、L3は約1mm程度必要である。
【0098】第2に、L3が十分に大きい場合でも、L2(発信用超音波トランスデューサ17aとシート材1の距離)は特定の範囲に管理する必要がある。L3が1mm程度あっても、例えばL2が3mmの位置では受信レベルが大きくなっている。
【0099】なお、図13のグラフは、50g/m**2(m**2はmの2乗を示す。すなわち1平方メートル当たり50グラムであることを示す)の坪量のシート材に対して測定したものであるが、少なくとも150g/m**2の坪量のシート材まではほぼ同様な傾向となる。
【0100】また、今回の実験結果は、離間距離L1(発信用超音波トランスデューサ17aと受信用超音波トランスデューサ17bの離間距離)を9.7mmに固定した場合のものだが、あらゆる離間距離L1で、少なくともシート材1と本来搬送されるべきでないシート材2の隙間が大きくなるほど、単葉と重送の受信レベルの格差が大きくなる現象が観測された。
【0101】また、図13からは、L3(シート材1と、本来搬送されるべきでないシート材2の隙間)を大きくとって十分な空気層(少なくとも1mm程度の空気層)を形成し、更にL2(発信用超音波トランスデューサ17aとシート材1の距離)の中心位置を6mmとして±2mm程度の変動を許すように設定すれば、単葉と重送を単一の閾値(たとえば受信レベル=3V)を用いるだけで、正確に判別できることが読み取れる。なお、L2は単葉と重送を安定して判別できる範囲を示すものであるから、たとえば機構上の制約などによって、より狭い範囲をとることもできる。
【0102】図14は重送分離検出部16周辺の各構成要素の位置関係を示す位置関係図である。
【0103】上述してきた実験結果に基づき、本実施の形態では、L1(発信用超音波トランスデューサ17aと受信用超音波トランスデューサ17bの離間距離)を9.7mm、L2(発信用超音波トランスデューサ16aとシート材1の距離)の中心値を6.0mm、L2の変動範囲を許容範囲である±2.0mmに対して±1.0mmとした。なお、変動範囲を小さくしたのは、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9が形成する角度を小さくしてシート材を高速に搬送する際の分離性能を向上するためである(図1参照)。この結果、2つの超音波トランスデューサ間で、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9の間隔はL2の変動範囲の絶対値である2mmに、発信用超音波トランスデューサ17aと第1の搬送ベルト7の間隔は5.0mm、第2の搬送ベルト9と受信用超音波トランスデューサ17bの間隔は2.7mmとした。
【0104】以上の位置関係を設定することで、搬送されるシート材の厚みにかかわらず、また環境に依存せず、同一の閾値で重送と単葉を正確に判別することが可能となる。
【0105】以上のように本実施の形態によれば、駆動ローラ8a、10aと従動ローラ8b、10bの2ローラ間にループ状に掛け渡され複数の空気吸引孔24、25が形成された第1、第2の搬送ベルト7、9と、駆動ローラ8a、10aの回転により第1、第2の搬送ベルト7、9の間で搬送されるシート材に向けて超音波を照射する第1の搬送ベルト7のループ内の発信用超音波トランスデューサ17aと、シート材を挟んで発信用超音波トランスデューサ17aと対向する側に配置されシート材を透過してきた超音波を受信する第2の搬送ベルト9のループ内の受信用超音波トランスデューサ17bと、第1の搬送ベルト7のシート材側に開口した上部ダクト14と、第2の搬送ベルト9のシート材側に開口した下部ダクト15と、上部ダクト14および下部ダクト15に連通する空気吸引部12とを設けるようにしたことにより、空気吸引部12によって上部ダクト14または下部ダクト15を介してシート材が第1の搬送ベルト7側または第2の搬送ベルト9側に空気吸引され、重送状態のシート材に隙間すなわち空気層を容易に形成することができるので、シート材重送状態の受信用超音波トランスデューサ17bにおける受信音波レベルとシート材単葉給紙状態の受信用超音波トランスデューサ17bにおける受信音波レベルとの差を大きくすることができ、精度よく重送状態を検出することができる。
【0106】また、第1の搬送ベルト7における複数の空気吸引孔24の開口面積を第2の搬送ベルト9における複数の空気吸引孔25の開口面積よりも大きくするようにしたことにより、先端が不ぞろいなシート材の重送が発生した場合でも、先頭のシート材は必ず第1の搬送ベルト側に吸着されるので、簡易な構成で正確にシート材の間に空気層を形成することができる。
【0107】さらに、、第1、第2の搬送ベルト7、9は、それぞれ複数の細いループ状ベルトから成り、第1の搬送ベルト7における複数の細いループ状ベルト間の間隔を第2の搬送ベルト9における複数の細いループ状ベルト間の間隔よりも大きくするようにしたことにより、先端が不ぞろいなシート材の重送が発生した場合でも、先頭のシート材は必ず第1の搬送ベルト側に吸着されるので、簡易な構成で正確にシート材の間に空気層を形成することができる。
【0108】さらに、第1、第2の搬送ベルトは導電性材料から形成されるようにしたことにより、重送したシート材が帯電して密着していても、シート材が除電されるので、シート材の分離性が向上し、シート材の間に空気層を正確に形成することができる。
【0109】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形態2によるシート材重送検出装置について図15〜図20を用いて説明する。
【0110】図15は、シート材重送検出装置6を搭載したドキュメントスキャナを示す構成図である。
【0111】図15において、シート材1、2、シート材収納部3、給紙ローラ4、リバースローラ5、シート材重送検出装置6、第1の搬送ベルト7、駆動ローラ8a、従動ローラ8b、第2の搬送ベルト9、駆動ローラ10a、従動ローラ10b、ガイドローラ11、重送分離検出部16、発信用超音波トランスデューサ17a、受信用超音波トランスデューサ17b、イメージセンサ18、プラテンローラ19は図1と同様のものなので、同一符号を付し、説明は省略する。12aは第1の空気吸引部、12bは第2の空気吸引部である。
【0112】このように構成されたシート材重送検出装置搭載のドキュメントスキャナについて、その動作等を図15、図16を用いて説明する。なお、実施の形態1と同様な動作については説明を省略する。図16は図15のシート材重送検出装置6を示す斜視図である。
【0113】図16において、第1の搬送ベルト7、駆動ローラ8a、従動ローラ8b、第2の搬送ベルト9、駆動ローラ10a、従動ローラ10b、ガイドローラ11、第1の空気吸引部12a、第2の空気吸引部12b、吸引ダクト13、上部ダクト14、下部ダクト15、発信用超音波トランスデューサ17a、受信用超音波トランスデューサ17b、空気吸引孔(通気孔)24、25は図15、図2と同様のものなので、同一符号を付し、説明は省略する。なお、シート材重送検出装置6は、実施の形態1の場合と同様、シート材が重送して給送された場合は、これを引き剥がして分離し、分離後に重送を検出する。
【0114】第1の空気吸引部12aはDCファンなどを内蔵しており、DCファンを駆動するものとしてDCファンモータを採用しているが、ACモータを用いたファンやシロッコファンなどを用いることももちろん可能である。第1の空気吸引部12aは第1の搬送ベルト7の側面に配置されている。一方、第2の空気吸引部12bは、第1の空気吸引部12aと同様にファンなどを内蔵しており、第2の搬送ベルト9の側面に配置されている。第1の空気吸引部12aは上部ダクト14を介して第1の搬送ベルト7側から空気を吸引し、第2の空気吸引部12bは下部ダクト15を介して第2の搬送ベルト9側から空気を吸引する。
【0115】シート材重送検出装置6において、図16ではベルト部分(第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9)と吸引ダクト13は分離して描かれているが、実際は、吸引ダクト13はベルト部分に挿入されており、上部ダクト14の周囲には第1の搬送ベルト7が張られ、下部ダクト15の周囲には第2の搬送ベルト9が張られている。つまり吸引ダクト13は上部ダクト14と下部ダクト15の間に第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9を挟みこむようにして、2つのベルトが構成するループ内に挿入されている。
【0116】また、上部ダクト14の下面と、下部ダクト15の上面はそれぞれ開口面となっており、第1の空気吸引部12aおよび第2の空気吸引部12bを作動させることで、上部ダクト14および下部ダクト15の開口面から空気が吸引される。これによって各ダクト内の空気はシート材重送検出装置6の外に排出され、シート材重送検出装置6の内部の気圧が低下し、搬送されたシート材を両面側から吸着する(シート材の吸着過程については後に詳しく述べる)。
【0117】16は重送分離検出部であり、第1の搬送ベルト7、第2の搬送ベルト9をはさんで互いに対向する位置に発信用超音波トランスデューサ17aと、受信用超音波トランスデューサ17bが配置されている。実際は、発信用超音波トランスデューサ17aは上部ダクト14内部に、受信用超音波トランスデューサ17bは下部ダクト15内部に適当な支持部材(図示せず)によって支持されている(図12では、図面が複雑になるのを避けるため、吸引ダクト13、上部ダクト14、下部ダクト15は省略した。また図13では、発信用超音波トランスデューサ17aは上部ダクト14の内部に、受信用超音波トランスデューサ17bは下部ダクト15の内部に点線で記載している)。
【0118】前述したように第1の空気吸引部12aおよび第2の空気吸引部12bを共に作動させて、シート材の両側から吸引力を作用させ、重送して搬送されたシート材(シート材1と本来搬送されるべきでないシート材2)を互いに引き剥がす方向に分離することで、シート材の間には空気層が形成される。重送分離検出部16では、この空気層の有無に基づき重送を検出する(超音波を用いた重送検出については後に詳しく述べる)。
【0119】次に、搬送ベルト7、9およびその周辺構成について説明する。
【0120】図17(a)は第1の搬送ベルト7の構成例を示す平面図であり、図17(b)は第2の搬送ベルト9の構成例を示す平面図である。図17において、17a、17bは図16と同様の発信用、受信用超音波トランスデューサ、24、25は図16と同様の空気吸引孔である。35a、35bは隙間である。
【0121】まず、図17(a)と図16とを用いて、第1の搬送ベルト7およびその周辺構成について説明する。
【0122】図17(a)に示すように、第1の搬送ベルト7は平行に配置された2本のベルトで構成されている。各ベルトは導電性ゴムなどにより形成され、接触するシート材の電荷を除去すると共に、複数の空気吸引孔24が設けられている。既に図16を用いて説明したように、第1の空気吸引部12aによって上部ダクト14内部の空気は排出され、上部ダクト14内部の気圧が低下すると、空気吸引孔24から空気が吸引され、シート材は第1の搬送ベルト7に吸着する。2本のベルトの間には約10mm程度の隙間35aが設けられており、この隙間部分からベルトが形成するループ内部に5mm入った位置に発信用超音波トランスデューサ17aが配置されている。発信用超音波トランスデューサ17aから送信された超音波は、隙間35aからシート材に照射される。
【0123】次に、図17(b)と図16を用いて、第2の搬送ベルト9およびその周辺構成について説明する。
【0124】図17(b)に示すように、第2の搬送ベルト9は平行に配置された2本のベルトで構成されている。各ベルトは導電性ゴムなどにより形成され、接触するシート材の電荷を除去すると共に、複数の空気吸引孔25が設けられている。既に図16を用いて説明したように、第2の空気吸引部12bによって下部ダクト15内部の空気は排出され、下部ダクト15内部の気圧が低下すると、空気吸引孔25から空気が吸引され、シート材は、第2の搬送ベルト9に吸着する。2本のベルトの間には約10mm程度の隙間35bが設けられており、この隙間部分からベルトが形成するループ内部に約3mm入った位置に受信用超音波トランスデューサ17bが配置されている。発信用超音波トランスデューサ17aから照射された超音波は、シート材の表面で約95%が反射する。残りの約5%はシート材を透過し、隙間35bを介して、受信用超音波トランスデューサ17bで受信される。
【0125】第2の搬送ベルト9の空気吸引孔25の個数およびサイズは、第1の搬送ベルト7と同等に設定されているが、第1の空気吸引部12aと第2の空気吸引部12bの吸引力を制御することで、第1の空気吸引部12a側の吸引力を強くし、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9の間に単葉のシート材が給送された場合は、第1の搬送ベルト7側に吸着されるようになっている。このようにして、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9で吸着力を異ならせる具体的な方法、更に吸着力を異ならせる理由および効果については後に詳細に説明する。もちろん、本実施の形態においても、例えば実施の形態1の図5(a)、図5(b)を用いて説明したような細ベルトの群を採用できることは言うまでもない。
【0126】次に、空気吸引部12a、12bと吸引ダクト13について説明する。
【0127】図18、図19は第1の空気吸引部12a、第2の空気吸引部12b、上部ダクト14および下部ダクト15を示す概略断面図である。図18、図19において、シート材1、第1、第2の搬送ベルト7、9、空気吸引部12a、第2の空気吸引部12b、吸引ダクト13、上部ダクト14、下部ダクト15は図16と同様のものである。36aは第1のファンモータ、36bは第2のファンモータである。
【0128】まず、図18を用いて空気吸引部12a、12b及び吸引ダクト13の機能等を詳細に説明する。
【0129】図18において、上部ダクト14の下面は開放面であり、開放面の直下には第1の搬送ベルト7が配置されている。上部ダクト14から吸引された空気は、第1の搬送ベルト7に設けられた空気吸引孔24(図16参照)を介して搬送されたシート材を上面側から吸引する。また、下部ダクト15の上面は開放面であり、開放面の直上には第2の搬送ベルト9が配置されている。下部ダクト15から吸引された空気は、第2の搬送ベルト9に設けられた空気吸引孔25(図16参照)を介して搬送されたシート材を下面側から吸引する。
【0130】さて、第1の空気吸引部12aは第1のファンモータ36aを内蔵しており、上部ダクト14内の空気を吸引する。一方、第2の空気吸引部12bも第2のファンモータ36bを内蔵しており、下部ダクト15の空気を吸引する。これらのファンモータの駆動電圧は、第1ファンモータ36aの方が第2ファンモータ36bより高く設定されており、第1の空気吸引部12aの吸引力は、第2の空気吸引部12bよりも大きくなっている。このために、上部ダクト14と下部ダクト15の間にシート材が搬送されていない時は、図18に示すように、上部ダクト14から吸引される空気量は、下部ダクト15から吸引される空気量より多くなり、上部ダクト14と下部ダクト15の間にシート材が搬送されると、必ず第1の搬送ベルト7側、即ち上部ダクト14側に吸着される。
【0131】この作用を確実に行わせるための手段を、再度図15を用いて説明する。図15のシート材重送検出装置6において、第1の搬送ベルト7と第2の搬送ベルト9は、シート材が搬入される側で互いに接触し、シート材を一旦両面側から吸着する。その後ガイドローラ11によって、第2の搬送ベルト9は駆動方向を変えられる。第1の搬送ベルト7の吸着力は第2の搬送ベルト9の吸着力より強く設定してあるため、ガイドローラ11の位置でシート材は第1の搬送ベルト7側に吸着される。更にこのときガイドローラは短期間、第2の搬送ベルト9の空気吸引孔を塞ぐため、第2の搬送ベルト9側からの吸引力は弱くなり、シート材を確実に第1の搬送ベルト7側に吸着させることができる。
【0132】さて、以上のように搬送されたシート材は、第1の搬送ベルト7側(上部ダクト14側)に選択的に吸着されるが、このときの状況を、図19を用いて説明する。
【0133】シート材1が上部ダクト14側に吸着すると、シート材1は第1の搬送ベルト7の空気吸引孔を塞ぎ、上部ダクト14から吸い出される空気量は極めて少なくなる。一方、下部ダクト15の吸引力は、上部ダクト14とはまったく無関係に設定されているため、上部ダクト14側にシート材1が吸着してしまうと、相対的に下部ダクト15から作用する吸着力が大きくなる。従って上部ダクト14と下部ダクト15の間に重送したシート材が搬送された場合、まず本来給送されるべきシート材1が上部ダクト14側に吸着され、その結果、下部ダクト15側の吸引力が相対的に強くなり、本来搬送されるべきでないシート材2が下部ダクト15に確実に吸着され、重送したシート材を確実に分離できるようになる。
【0134】本実施の形態では、更にシート材の分離性能を向上させるために、ファンモータ36a、36bの駆動制御を行っている。以下に詳細に説明する。
【0135】図20は本実施の形態における第1のファンモータ36aおよび第2のファンモータ36bの駆動電圧を制御するファンモータ制御部(空気吸引制御部)を示すブロック図である。
【0136】図20において、40はCPU、41aは第1のファンモータ36aの駆動電圧を設定する第1駆動電圧設定部、41bは第2のファンモータ36bの駆動電圧を設定する第2駆動電圧設定部、42aは第1駆動電圧設定部41aに設定された値に基づいて第1のファンモータ36aを駆動する第1ドライバ、42bは第2駆動電圧設定部41bに設定された値に基づいて第2のファンモータ36bを駆動する第2ドライバ、43aは第1のファンモータ36aに流入する電流を測定する第1駆動電流計測部、43bは第2のファンモータ36bに流入する電流を測定する第2駆動電流計測部である。
【0137】以上のように構成されたファンモータ制御部について、その動作を次に説明する。
【0138】まず、図示しない外部のホスト装置などから、シート材の読み取り開始指令が発行されると、CPU40は、第1駆動電圧設定部41aに対して第1の設定値を出力する。第1駆動電圧設定部41aは、第1の設定値に応じてD/A変換を行って第1のアナログレベル信号を第1ドライバ42aに対して出力する。第1ドライバ42aは第1のアナログレベル信号に応じて、第1のファンモータ36aを駆動するための第1の電圧を発生させる。
【0139】次に、CPU40は、第2駆動電圧設定部41bに対して第2の設定値を出力する。第2駆動電圧設定部41bは、第2の設定値に応じてD/A変換を行って第2のアナログレベル信号を第2ドライバ42bに対して出力する。第2ドライバ42bは第2のアナログレベル信号に応じて、第2のファンモータ36bを駆動するための第2の電圧を発生させる。
【0140】このときCPU40が発生する第1の設定値と第2の設定値は、結果的に第1のファンモータ36aを駆動する第1の電圧を、第2ファンモータ36bを駆動する第2の電圧より高くするように指定される。これによって第1のファンモータ36aは第2のファンモータ36bより高い電圧で駆動され、より大きな吸引力を発生する。
【0141】さて、第1ドライバ42aは、第1のファンモータ36aを駆動している電流値をモニタしており、モニタした値を第1駆動電流計測部43aに出力している。第1駆動電流計測部43aは第1ドライバの出力を積分して、リップルなどのノイズ成分をキャンセルし、この処理されたレベル信号を予め定められたサンプリングレートでホールドして、CPU40に出力する。一方、第2ドライバ42bは、第2のファンモータ36bを駆動している電流値をモニタしており、モニタした値を第2駆動電流計測部43bに出力している。第2駆動電流計測部43bは第2ドライバの出力を積分して、リップルなどのノイズ成分をキャンセルし、この処理されたレベル信号を予め定められたサンプリングレートでホールドして、これをCPU40に出力する。
【0142】CPU40は、第1駆動電流計測部43aおよび第2駆動電流計測部43bから入力された信号(駆動電流値を示す信号)をA/Dポートなどで受けて、ディジタル化して処理する。
【0143】以降、ファンモータ36a、36bの制御動作について、図19を用いて説明する。
【0144】さて、既に図19を用いて説明したように、搬送されてきたシート材が上部ダクト14に吸着されると、第1のファンモータ36aが吸引する空気量は大幅に減少する。このとき、上部ダクト14内では気圧が下がり、第1のファンモータ36aは気圧差という負荷を与えられて駆動していることになる。本実施の形態で採用したDCモータは、負荷が増えると駆動電流が増加するため、第1駆動電流計測部43aの出力を監視することで、CPU40はシート材1が第1の搬送ベルト7に吸着したことを容易に検出することができる。
【0145】CPU40は、シート材1が第1の搬送ベルト7に吸着したことを検出すると、直ちに第2駆動電圧設定部41bに対して、当初第1駆動電圧設定部41aに設定したのと等しい値を出力する。これによって第2のファンモータ36bの吸引力は高くなり、重送が発生した場合に、重送したシート材をより確実に分離できるようになる。
【0146】以上述べてきたように、本実施の形態では、重送分離検出部16において上部ダクト14と下部ダクト15に独立したファンモータ36a、36bを有し、これを用いてシート材の吸着状態に応じて、各ファンモータの吸引力を最適に制御するようにした。これによってより安定で確実にシート材を分離することが可能となる。
【0147】なお、上部ダクト14側の吸引力を下部ダクト15側の吸引力よりも強く設定する理由、効果、および重送したシート材を分離後に、超音波トランスデューサを用いて検出し、重送の有無を判定する過程は、実施の形態1と全く同等なので説明を省略する。
【0148】また、本実施の形態では、シート材の表裏両面側から空気を吸引して、重送したシート材を互いに引き剥がす方向に分離し、この状態を超音波トランスデューサ17a、17bによって検出しているが、重送が発生して、シート材が第1の搬送ベルト7側(上部ダクト14側)と第2の搬送ベルト9側(下部ダクト15側)の両方に吸着すると、第1のファンモータ36aと第2のファンモータ36bの双方の負荷トルクが大幅に増大するから、これを検出して重送を判断することもできる。
【0149】以上のように本実施の形態によれば、空気吸引部12は互いに独立した第1、第2の空気吸引部12a、12bから成り、第1、第2の空気吸引部12a、12bはそれぞれ上部ダクト14、下部ダクト15に連通するようにしたことにより、第1の搬送ベルト7における第1の空気吸引力と第2の搬送ベルト9における第2の空気吸引力とをそれぞれ独立に制御することができるので、シート材の第1の搬送ベルト7または第2の搬送ベルト9への吸着を確実に行うことができ、重送したシート材の分離をより確実に行うことができる。
【0150】また、第1、第2の空気吸引部12a、12bはそれぞれ、駆動電圧により回転が制御される第1のファンモータ36aを有することにより、第1の搬送ベルト7における第1の空気吸引力と第2の搬送ベルト9における第2の空気吸引力とをそれぞれ独立に制御することができるので、シート材の第1の搬送ベルト7または第2の搬送ベルト9への吸着を確実に行うことができ、重送したシート材の分離を簡単な構成でより確実に行うことができる。
【0151】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に記載のシート材重送検出装置によれば、駆動ローラと従動ローラの2ローラ間にループ状に掛け渡され複数の通気孔が形成された第1、第2の搬送ベルトと、駆動ローラの回転により第1、第2の搬送ベルトの間で搬送されるシート材に向けて超音波を照射する第1の搬送ベルトのループ内の発信用超音波トランスデューサと、シート材を挟んで発信用超音波トランスデューサと対向する側に配置されシート材を透過してきた超音波を受信する第2の搬送ベルトのループ内の受信用超音波トランスデューサと、第1の搬送ベルトのシート材側に開口した上部ダクトと、第2の搬送ベルトのシート材側に開口した下部ダクトと、上部ダクトおよび下部ダクトに連通する空気吸引部とを有することにより、空気吸引部によって上部ダクトまたは下部ダクトを介してシート材が第1の搬送ベルト側または第2の搬送ベルト側に空気吸引され、重送状態のシート材に隙間すなわち空気層を容易に形成することができるので、シート材重送状態の受信用超音波トランスデューサにおける受信音波レベルとシート材単葉給紙状態の受信用超音波トランスデューサにおける受信音波レベルとの差を大きくすることができ、精度よく重送状態を検出することができるという有利な効果が得られる。
【0152】請求項2に記載のシート材重送検出装置によれば、請求項1に記載のシート材重送検出装置において、第1の搬送ベルトにおける複数の通気孔の開口面積を第2の搬送ベルトにおける複数の通気孔の開口面積よりも大きくしたことにより、先端が不ぞろいなシート材の重送が発生した場合でも、先頭のシート材は必ず第1の搬送ベルト側に吸着されるので、簡易な構成で正確にシート材の間に空気層を形成することができるという有利な効果が得られる。
【0153】請求項3に記載のシート材重送検出装置によれば、請求項1に記載のシート材重送検出装置において、第1、第2の搬送ベルトは、それぞれ複数の細いループ状ベルトから成り、第1の搬送ベルトにおける複数の細いループ状ベルト間の間隔を第2の搬送ベルトにおける複数の細いループ状ベルト間の間隔よりも大きくしたことにより、先端が不ぞろいなシート材の重送が発生した場合でも、先頭のシート材は必ず第1の搬送ベルト側に吸着されるので、簡易な構成で正確にシート材の間に空気層を形成することができるという有利な効果が得られる。
【0154】請求項4に記載のシート材重送検出装置によれば、請求項1乃至3のいずれか1に記載のシート材重送検出装置において、第1、第2の搬送ベルトは導電性材料から形成されたことにより、重送したシート材が帯電して密着していても、シート材が除電されるので、シート材の分離性が向上し、シート材の間に空気層を正確に形成することができるという有利な効果が得られる。
【0155】請求項5に記載のシート材重送検出装置によれば、請求項1乃至4のいずれか1に記載のシート材重送検出装置において、空気吸引部は互いに独立した第1、第2の空気吸引部から成り、第1、第2の空気吸引部はそれぞれ上部ダクト、下部ダクトに連通することにより、第1の搬送ベルトにおける第1の空気吸引力と第2の搬送ベルトにおける第2の空気吸引力とはそれぞれ独立に制御されるので、シート材の第1の搬送ベルトまたは第2の搬送ベルトへの吸着を確実に行うことができ、重送したシート材の分離をより確実に行うことができるという有利な効果が得られる。
【0156】請求項6に記載のシート材重送検出装置によれば、請求項5に記載のシート材重送検出装置において、第1、第2の空気吸引部はそれぞれ、駆動電圧により回転が制御されるファンモータを有することにより、第1の搬送ベルトにおける第1の空気吸引力と第2の搬送ベルトにおける第2の空気吸引力とはそれぞれ独立に制御されるので、シート材の第1の搬送ベルトまたは第2の搬送ベルトへの吸着を確実に行うことができ、重送したシート材の分離を簡単な構成でより確実に行うことができるという有利な効果が得られる。




 

 


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