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発明の名称 画像処理装置におけるシート材の供給機構
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−213540(P2001−213540A)
公開日 平成13年8月7日(2001.8.7)
出願番号 特願2000−25948(P2000−25948)
出願日 平成12年2月3日(2000.2.3)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3F343
5B047
【Fターム(参考)】
3F343 FA03 FB03 FC01 GA02 GB01 GC01 GD01 HA14 HA33 HB03 HD08 HD09 JA01 JD03 JD09 JD33 KA04 KA16 LA04 LA16 LC07 LC22 LD10 LD24 LD30 MA03 MA15 MA22 MA27 MA37 
5B047 BC18 CA09 CB06
発明者 荒木 孝夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】積層された用紙等のシート材をピックアップして画像処理系に繰り出す供給ローラと、前記供給ローラの下流であって前記画像処理系の入口に配置される重送防止用の分離ローラ及びリタードローラのローラ対と、前記ローラ対の直ぐ下流に配置され前記シート材の重送を検知する重送検知手段とを備えたシート材の供給機構において、前記分離ローラとリタードローラとの間のニップ力を調整するニップ力自動調整機構と、前記シート材をその供給方向と逆向きから正転方向に前記リタードローラを回転させる臨界の設定トルクを調整する設定トルク調整機構とを備え、前記重送検知手段によるシート材の単位枚数または単位時間当たりの重送回数に応じて、前記ニップ力自動調整機構及び前記設定トルク調整機構によりシート材の性状特性に適合する前記ニップ力及び設定トルクに調整する制御を実行する構成としたことを特徴とする画像処理装置におけるシート材の供給機構。
【請求項2】前記設定トルク調整機構は、前記リタードローラに連接され電流印加量によって出力軸の回転数が可変のDCモータを駆動源とすることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置におけるシート材の供給機構。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば原稿画像を読み取るイメージスキャナ等の画像読取り装置または複写機等の画像形成装置等の画像処理装置に係り、特にホッパ方式のシート材供給方式においてシート材の重送を防止できるようにした画像処理装置におけるシート材の供給機構に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばイメージスキャナ等のような画像読取り装置には、ホッパ上にセットした用紙をラインに送り込むための給紙装置が備えられる。この給紙装置は、積層されている用紙を上から1枚ずつピックアップして繰り出すというもので、重なり合った用紙どうしの摩擦によって2枚以上が送り出される重送の防止機構を備えたものが殆どである。このような重送防止機構を持つ給紙装置として、たとえば特開平4−286558号公報に記載されたものがある。
【0003】図8は従来の重送防止機構を備えた給紙装置の典型的な例を示す概略図であり、先の公報に開示されたものもほぼ同様の構成を持つ。
【0004】図8において、読み取るための原稿や各種の書類等の用紙Pを搭載してセットするためのホッパ51が読取りラインの基端に配置され、ホッパ51の上方には一番上の用紙Pをピックアップして繰り出す供給ローラ52が配置されている。ホッパ51はバネ51aによって供給ローラ52側に付勢され、用紙Pを供給ローラ52に押し付けてその周面との摩擦によって一番上の用紙Pだけを繰り出せるようにしている。また、用紙Pの積層厚さが変わっても供給ローラ52に対する押圧力はバネ51aによってほぼ一定に保持される。
【0005】ホッパ51の出側のラインには、用紙Pを画像読取り位置に送るための、たとえば3段の搬送ローラ53,54,55を配列し、ホッパ51から繰り出された用紙Pをニップして引き出しながら下流に搬送する。そして、ホッパ51と第1段の搬送ローラ53との間には、用紙Pの重送防止機構として分離ローラ56とリタードローラ57とを備えている。
【0006】これらの分離ローラ56とリタードローラ57とによる重送防止は、画像読取り装置や複写装置等の分野で広く知られているもので、リタードローラ57はその駆動モータ(図示せず)によって図中の矢印方向に回転する主軸57a周りにトルクリミッタ57bを介装したものである。リタードローラ57の主軸57aは分離ローラ56と共用とした駆動モータ(図示せず)に連接されるとともに、分離ローラ56との間でのニップ力を設定するためのスプリングによって図中において上向きに付勢されている。このようなトルクリミッタ57bを備えることで、供給ローラ52から1枚の用紙Pが繰り出されたときには、リタードローラ57は分離ローラ56の回転トルクを受けて用紙Pの搬送方向に回転する。そして、用紙Pが2枚もしくはそれ以上重送されてニップされたときには、リタードローラ57は矢印方向に回転を保ち、重送している下側の用紙Pをホッパ51側に押し戻す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のリタードローラ57のトルクリミッタ57bは、その設定トルク値が固定されたものが使用されている。すなわち、トルクリミッタ57bの動作トルクをリアルタイムで変更することはできない。一方、イメージスキャナ等のように多種類の用紙Pの読取りに使用されるものでは、用紙Pの紙質や厚さ及び摩擦係数が用紙Pによって様々に変わる。このため、トルクリミッタ57bの動作トルクが一定に設定されたものでは、分離ローラ56と協働しての用紙Pの重送防止機能が十分に果たせない可能性がある。とくに、イメージスキャナでは、多数枚の原稿を読み取るとき重送が発生して1枚でも原稿読取りが実行されないまま電子ファイルされると、保管しておくべき情報が欠けることになり、用紙の重送は非常に重要な問題となる。
【0008】一方、たとえば分離ローラ56とリタードローラ57の下流側に重送検知センサを配置しておけば、用紙Pの重送を阻止できなかった場合に重送を検知し、用紙Pの搬送を停止させたりホッパ51側に戻す操作は可能である。そして、用紙Pの重送の頻度は、用紙Pの紙質や厚さ及び摩擦係数などによって様々に変わり、重送を発生しやすい用紙とそうではない用紙とに分類される。したがって、重送を発生しやすい用紙を給紙するときには、トルクリミッタ57bのトルクや分離ローラ56とリタードローラ57とによるニップ力を調整すれば、用紙Pの重送が効果的に防止される。
【0009】しかしながら、従来構造ではトルクリミッタ57bの設定トルクは固定されており、しかもこの設定トルク及び分離ローラ56とリタードローラ57との間のニップ力を相関的に調整することはできない。したがって、用紙Pの重送頻度が高い場合でもそのまま使用するしかなく、頻発する用紙Pの重送のたびに読取りを停止させる必要があり、作業効率が大幅に低下してしまう。
【0010】そこで、本発明は、重送検知の頻度に応じて最適な重送防止態勢となるようにリタードローラの設定トルク及び分離ローラとの間のニップ力の調整をすることで確実な重送防止ができるシート材の供給機構を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、積層された用紙等のシート材をピックアップして画像処理系に繰り出す供給ローラと、前記供給ローラの下流であって前記画像処理系の入口に配置される重送防止用の分離ローラ及びリタードローラのローラ対と、前記ローラ対の直ぐ下流に配置され前記シート材の重送を検知する重送検知手段とを備えたシート材の供給機構において、前記分離ローラとリタードローラとの間のニップ力を調整するニップ力自動調整機構と、前記シート材をその供給方向と逆向きから正転方向に前記リタードローラを回転させる臨界の設定トルクを調整する設定トルク調整機構とを備え、前記重送検知手段によるシート材の単位枚数または単位時間当たりの重送回数に応じて、前記ニップ力自動調整機構及び前記設定トルク調整機構によりシート材の性状特性に適合する前記ニップ力及び設定トルクに調整する制御を実行する構成としたことを特徴とする。
【0012】このような構成では、たとえば異なる紙質の用紙の層を幾組か積層して供給するとき、或る紙質の用紙では重送が発生しなくても別の紙質の用紙の層の供給に移ったときに重送が頻発すると、重送回数の検知に応じてニップ力とリタードローラの設定トルクを紙質に適合するように調整できるので、様々な紙質の用紙等のシート材について学習機能的に重送を防止できるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、積層された用紙等のシート材をピックアップして画像処理系に繰り出す供給ローラと、供給ローラの下流であって画像処理系の入口に配置される重送防止用の分離ローラ及びリタードローラのローラ対と、ローラ対の直ぐ下流に配置されシート材の重送を検知する重送検知手段とを備えたシート材の供給機構において、分離ローラとリタードローラとの間のニップ力を調整するニップ力自動調整機構と、シート材をその供給方向と逆向きから正転方向にリタードローラを回転させる臨界の設定トルクを調整する設定トルク調整機構とを備え、重送検知手段によるシート材の単位枚数または単位時間当たりの重送回数に応じて、ニップ力自動調整機構及び設定トルク調整機構によりシート材の性状特性に適合するニップ力及び設定トルクに調整する制御を実行する構成としたものであり、重送回数の検知に応じてニップ力とリタードローラの設定トルクを紙質に適合するように調整できるので、様々な紙質の用紙等のシート材について学習機能的に重送を防止できるという作用を有する。
【0014】請求項2に記載の発明は、設定トルク調整機構は、リタードローラに連接され電流印加量によって出力軸の回転数が可変のDCモータを駆動源とすることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置におけるシート材の供給機構であり、DCモータを利用したリタードモータへの通電量を制御するという簡単な構成で、リタードローラの設定トルクを変更してシート材の重送防止ができるという作用を有する。
【0015】以下、本発明の実施の形態について図面に基づき説明する。なお、本実施の形態では原稿から画像を読み取って電子ファイルするためのイメージスキャナを例として説明する。
【0016】図1は本発明のシート材の供給機構を備えたイメージスキャナの概略斜視図である。
【0017】図示のように、イメージスキャナは、光学系の読取り部及び用紙の搬送路を内蔵した本体1と給紙手段としての自動給紙装置2とから構成されたものである。本体1はその正面に操作パネル1aを備えるとともに内部には全ての機器を制御するコントローラ(図示せず)を備えたものである。そして、本体1の上面には自動給紙装置2から給紙されて読み取り部によって画像読み取りを終えた用紙を受ける回収トレー1bを設けている。
【0018】自動給紙装置2は、用紙を搭載して本体1内の搬送路に送り出すホッパ機能と用紙の重送防止機能を備えたものであり、図2に自動給紙装置のホッパから用紙の搬送路及び回収トレーまでの概略図を示す。
【0019】自動給紙装置2は、ハウジング2aにホッパ2bをヒンジピン2cを介して上下に回動自在に組み込んだもので、ホッパ2bはアクチュエータ(図示せず)に連接されてヒンジピン2c周りに回転駆動される。すなわち、ホッパ2bに積層搭載した用紙Pは、ホッパ2bの上方の定位置に固定されて回転駆動される供給ローラ3に接触する姿勢まで上向きに回動付勢される。また、ホッパ2bの上面には、用紙Pの幅方向を案内するための一対の間口方向(正面から見て左右方向)に手動で移動させることができるガイド2dを備えている。
【0020】ホッパ2b上の用紙Pを1枚ずつピックアップして繰り出す供給ローラ3の下流には、用紙Pの重送を防止するための分離ローラ4とリタードローラ5の対を配置し、これらのローラ対から回収トレー1bまでの間に用紙Pの搬送路が形成されている。この用紙Pの搬送路には用紙Pをニップして搬送するための複数段の搬送ローラ6a,6bの対を配置するとともに、中途には用紙Pの上面の原稿画像を読み取る第1の走査センサ7aと下面の原稿画像を読み取る第2の走査センサ7bを配置している。そして、ホッパ2bから供給ローラ3によってピックアップされた1枚の用紙Pは、搬送路を通過する間に第1,第2の走査センサ7a,7bにより原稿画像が読み取られた後、回収トレー1bに排紙される。
【0021】図3の(a)は供給ローラ3,分離ローラ4,リタードローラ5の本体1への組み込み構造の要部を示す側面図、図3の(b)及び(c)はリタードローラ5の付勢力調整のための要部を示す概略図である。
【0022】図3の(a)に示すように、供給ローラ3と分離ローラ4とはそれぞれ本体1に固定したフレーム1cに回転自在に取り付けられ、一方リタードローラ5は本体1内に固定した支軸8aを中心として回動するベース8に取り付けられている。このベース8は本体1との間に介装した引っ張りのスプリング8dによって支軸8aに対し反時計方向に付勢されたものである。支軸8aにはその周りに回転自在なスリーブ8bを外挿し、このスリーブ8bの周りにトーションスプリング9を巻き付けている。トーションスプリング9は従来周知のように、スリーブ8b周りに巻かれた巻線部9aとこれから相互に異なる方向に突き出した係合アーム9b及び付勢アーム9cとから構成されたものである。付勢アーム9cはベース8に開けた係合孔8cに差し込まれて係止され、係合アーム9bは付勢力調整用のカム10の周面に突き当たっている。
【0023】カム10は駆動モータ10aに連接され、図3の(b)及び(c)のように回転駆動される。同図(b)ではカム10による係合アーム9bによる曲げ度は小さく巻線部9aの巻上げ度も小さい。したがって、付勢アーム9cがベース8を上向きに付勢する力も小さい。一方、同図の(c)のようにカム10を矢印方向に回転させると、巻線部9aの巻上げ度が大きくなり、付勢アーム9cによるベース8に対する付勢力もこれにしたがって大きくなる。
【0024】このようにカム10をその駆動モータ10aによって回転駆動することで、トーションスプリング9の付勢力を変えることができる。したがって、分離ローラ4に対するリタードローラ5の押圧力を強くしたり弱くしたりでき、用紙Pに対するニップ力を任意に設定できる。
【0025】図4は本発明のシート材の供給機構の要部を示す側面図である。
【0026】図に示すように、供給ローラ3と分離ローラ4はステッピングモータを使用した供給・分離モータ11を共用して駆動され、リタードローラ5はDCモータを使用したリタードモータ12によって駆動される。供給・分離モータ11の出力軸11aと分離ローラ4の間及びこの分離ローラ4と供給ローラ3との間は歯車列11bによって連接されている。また、リタードモータ12の出力軸12aとリタードローラ5との間も歯車列12bによって連接され、用紙Pを給紙するときには各ローラ3〜5は図中の矢印方向にそれぞれ回転する。すなわち、供給ローラ3と分離ローラ4は用紙Pの給紙方向に回転し、リタードローラ5は給紙方向と逆向きに回転する。供給・分離モータ11及びリタードモータ12のそれぞれの出力軸11a,12aは本体1に内蔵したコントローラ(図示せず)によって正転(給紙方向への回転)及び逆転の操作が可能である。そして、DCモータを使用したリタードモータ12は、通電量によって回転トルク(回転速度)を可変操作できる。
【0027】分離ローラ4とリタードローラ5の直ぐ下流には用紙Pの重送を検知するための重送検知センサ14を設ける。この重送検知センサ14は超音波を利用したもので、超音波発信器14aと超音波受信器14bとの組合せとしたものである。すなわち、超音波発信器14aから発信された超音波が重送した用紙Pの間の空気層により減衰し、この減衰した超音波を超音波受信器14bが受信したとき出力信号により、用紙Pの重送を検知する。なお、このような超音波を利用するのに代えて他の方式の重送検知手段としてもよい。
【0028】ここで、操作パネル1aの操作ボタン1a−1(図1参照)をオンすると、供給・分離モータ11とリタードモータ12が起動し、供給ローラ3と分離ローラ4及びリタードローラ5は図4に示す矢印方向にそれぞれ回転する。そして、1枚の用紙Pを分離ローラ4とリタードローラ5とがニップしたとき、リタードローラ5と用紙Pとの摩擦力が給紙方向に作用する程度のトルクとなるようにリタードモータ12への通電量を設定する。これにより、ホッパ2bから一番上の1枚の用紙Pが給紙ローラ3によってピックアップされれば、この1枚の用紙Pは速やかに搬送され、第1,第2の走査センサ7a,7bによって原稿画像が読み取られた後に回収トレー1bへ排紙される。
【0029】DCモータを使用したリタードモータ12は、その通電量を制御することによって回転トルク(回転速度)を自在に設定できる。したがって、先に述べたように、分離ローラ4との間でニップされたときに1枚の用紙Pから作用するリタードローラ5への摩擦力に相当するように回転トルクを通電量制御によって設定すれば、通常時では給紙方向と逆向きに回転しているリタードローラ5は給紙方向へと回転する。一方、2枚以上の用紙Pが供給ローラ3によってピックアップされたときには、用紙Pどうしの間が滑りやすいためにリタードローラ5への負荷は小さくなる。したがって、リタードローラ5は図4の矢印方向へ回転を続け、その周面に接触している下側の重送用紙をホッパ2b側に戻すことができる。
【0030】以上により、用紙Pが2枚以上ピックアップされたときには、リタードローラの回転によって一番上の用紙Pのみを下流側へ繰り出して搬送し、残りの下側の用紙Pをホッパ2b側に戻して重送を分離ローラ4とリタードローラ5の部分で阻むことができる。
【0031】供給ローラ3による用紙Pにピックアップ及び分離ローラ4とリタードローラ5とを備える供給機構では、様々なパラメータによる条件を満たせば1枚の用紙に給紙と重送防止が可能である。すなわち、ホッパ2bと供給ローラ3との間及び分離ローラ4とリタードローラ5との間のそれぞれの押圧力を調節すれば、分離ローラ4とリタードローラ5による用紙の分離機能を最適化することができる。このような最適化のための条件を図5により説明する。
【0032】以下の条件式において、Pr:リタードローラ5の押圧力,T:リタードローラ5の設定トルク,r:リタードローラ5の半径,μ0:分離ローラ4とリタードローラ5との間の摩擦係数とする。このとき、T,r,μ0は定数である。
【0033】(A)分離ローラ4とリタードローラ5との間に用紙Pが無いとき:リタードローラ5は分離ローラ4と接触して連れ回り、すなわち図5の(a)において実線で示す方向とは反対の反時計方向に回転する。このための条件は、分離ローラ4とリタードローラ5との接触による搬送力をFとするときF=μ0・Pr>T/rである。よって、次の式(1)を得る。
【0034】
Pr>(1/μ0)×(T/r)・・・・(1)
(B)分離ローラ4とリタードローラ5との間に用紙Pが1枚だけあるとき:分離ローラ4と用紙Pとの間にはスリップがなくて用紙Pに送りを与え、同時にリタードローラ5と用紙Pとの間にはスリップがなく用紙Pの送りのためにリタードローラ5は分離ローラ4と連れ回りする。このための条件は、リタードローラ5と用紙Pとの間の摩擦係数をμ2とするとき、μ2・Pr>T/rである。よって、次の式(2)を得る。
【0035】
Pr>(1/μ2)×(T/r)・・・・(2)
そして、分離ローラ4は用紙Pを搬送できるための搬送力の条件として、F1:分離ローラ4の搬送力,Fp:供給ローラ3の搬送力,F2 :リタードローラ5の戻し力,F3 :ホッパ2bの押圧力による用紙Pどうしの間の摩擦力,F4:1枚目の用紙Pの自重による用紙Pどうしの間の摩擦力とするとき、図5の(b)から次式が得られる。
【0036】F1 +Fp>F2 +F3 +F4ここで、μ1 :分離ローラ4と用紙Pとの間の摩擦係数μ2 :リタードローラ5と用紙Pとの間の摩擦係数μ4 :供給ローラ3と用紙Pとの間の摩擦係数μp:用紙Pどうしの間の摩擦係数m :用紙P1枚の自重Pp:ホッパ2bの押圧力とすると、上記の不等式は次の式(3)として書き換えられる。
【0037】
Pr>(1/μ1)×(T/r)+ (1/μ1)×{(μp−μ4)×Pp+μp×m}・・(3)
(C)分離ローラ4とリタードローラ5との間に用紙Pが2枚あるとき:用紙Pどうしの間に働く摩擦力に逆らってリタードローラ5によってこれに接触している用紙Pをホッパ2b側に戻す。このための条件は、F5 :分離ローラ4の押圧力による用紙P間の摩擦力,F6 :ホッパ2bの押圧力による用紙P間の摩擦力,F7 :1枚目の用紙Pの自重による用紙P間の摩擦力,F8 :リタードローラ5の戻し力,F9 :ホッパ2bの押圧力による用紙P間の摩擦力,F10 :2〜3枚目の用紙Pの自重による用紙P間の摩擦力とするとき、図5の(c)から次式が得られる。
【0038】F8 >F5 +F6 +F7 +F9 +F10そして、式(3)で導入したPr,μp,Pp,mを用いてこの式を書き換えると、次の式(4)が得られる。
【0039】
Pr<(1/μp)×(T/r)−(2×Pp+3×m)・・・(4)
以上の各条件式から、リタードローラ5の分離ローラ4への押圧力Prは、式(1)または式(2)のいずれか大きいほうを下限値として決められる。また、式(3)と式(4)はPrとPpを変数とする不等式なので、これらの式(3),(4)にリタードローラ5の設定トルクや使用する用紙Pの摩擦係数等の数値を代入することによって、PrとPpとの間の大小の関係が決まる。
【0040】このように、供給ローラ3による用紙の給紙から分離ローラ4とリタードローラ5とによる用紙の分離について最適化できる条件は、リタードローラ5の押圧力Prとホッパ3bの押圧力Ppとして表せる。
【0041】ここで、r=10mm,μ1=μ2=μ4=1.2,m=3.99gとし、μp=0.3,μp=0.4,μp=0.7の場合について式(3)及び式(4)で計算してリタードローラ5の設定トルクTと押圧力Prの関係を導くと、図6に示す線図が得られる。なお、μpの0.3,0.4,0.7という値は用紙Pの紙質の違いによるものである。
【0042】図6はリタードローラの設定トルクとリタードローラへの押圧力との関係を示す線図である。図6において、各μpの値についてリタードローラ5の設定トルクTとその押圧力Prの適切な関係は、式(3)及び(4)からそれぞれの値に付した■,■で挟まれた領域の中のものであればよい。そして、この線図から、用紙Pどうしの間の摩擦係数μpの値に対して、適切なリタードローラ5の設定トルクTと押圧力prの値の範囲の相関がみられる。したがって、用紙Pの紙質による摩擦係数が概ね予測できるものであれば、リタードモータ12への通電量によるリタードローラ5の回転トルクと、駆動モータ10aによるカム10の回転姿勢の設定により分離ローラ4とリタードローラ5との間のニップ力を最適化できる。
【0043】一方、分離ローラ4とリタードローラ5を通過した用紙Pは重送検知センサ14によって1枚の用紙Pであるか2枚以上の用紙Pの重送であるかが検知される。そして、用紙Pが重送状態であることが検知されれば、コントローラによって給紙を停止して重送用紙Pを手で引き抜くか、または分離ローラ4とリタードローラ5との間のニップ力を少し緩めに一時的に設定すると同時にリタードモータ12への通電量を増やしてリタードローラ5の回転トルクを大きくすることにより重送している用紙Pをホッパ2b側に強制的に押し戻す。そして、本発明では、用紙Pの重送回数が単位時間当たりでどの程度であるかを検出し、重送の頻度に応じてリタードローラ5の回転トルク及びリタードローラ5と分離ローラ4との間のニップ力を自動的に微調整していき、学習機能的に用紙Pの重送を防止する。
【0044】図7は本発明におけるシート材供給機構の制御フローチャートである。
【0045】図7のフローチャート示したように、用紙Pを給紙していくとき(S01)重送検知センサ14により重送を検知し(S02)、重送回数をカウントする(S03)。単位時間あたりまたは用紙Pの繰出し枚数(たとえば100〜500枚)当たりで重送検知回数がn回(n=1,2,・・・・・)であるときには、この回数に応じてリタードローラ5の回転トルクとカム10によるリタードローラ5の押圧力すなわち分離ローラ4との間のニップ力が調整される。このような操作では、用紙Pの給紙を開始するときは回転トルクやニップ力は初期設定されているが、たとえば開始後に重送検知が1回では設定を変更せず、2回,3回と次第に増えていくと回転トルクとニップ力が用紙にマッチングしていないと判断して設定を変更する(S04,S05)。そして、このような設定の変更によって単位時間当たりまたは給紙枚数当たりで重送の発生がなければ、マッチング完了としてメモリに記憶し(S06)そのまま給紙を継続する。また、設定を変更した後でも重送が発生してその発生回数が規定数を超えたときには、再度設定を変更する。以降は、同じような操作を行うことで、用紙Pの重送がないようになるまで学習機能的にリタードローラ5の回転トルクと分離ローラ4との間でのニップ力を調整していく。
【0046】このように、重送検知センサ14によって用紙Pの重送が検知され、その検知回数に応じてリタードローラ5の回転トルクとニップ力とを調整してマッチングさせていく。このため、ホッパ2bに搭載した用紙Pが、たとえば上層では摩擦係数が小さいもので下層では摩擦係数が大きいというように種類が異なったものでも、マッチング調整によって重送の発生を抑えることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明では、シート材の重送の回数を基準としてリタードローラの設定トルクと分離ローラとの間のニップ力を重送が発生しないような態勢に設定変更してマッチングさせることができる。したがって、摩擦係数の異なる様々なシート材の用紙の混在層を搭載したホッパ等から供給しても、シート材に対して学習機能的に対応させながら重送を確実に防止することができる。




 

 


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