米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 車両 -> 株式会社クボタ

発明の名称 作業車の走行変速操作装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−171385(P2001−171385A)
公開日 平成13年6月26日(2001.6.26)
出願番号 特願平11−359128
出願日 平成11年12月17日(1999.12.17)
代理人 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【テーマコード(参考)】
3D040
3J552
【Fターム(参考)】
3D040 AA14 AA22 AA33 AB04 AC14 AC50 AC66 
3J552 MA01 MA10 NA05 PA07 PA18
発明者 志喜屋 初 / 松下 恭久 / 後 健蔵
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 走行装置に動力伝達する無段変速装置を変速操作する変速レバーが備えられている作業車の走行変速操作装置であって、前記変速レバーの操作域に、無段変速装置が無段階の変速状態で保持される無段変速域と、無段変速装置が有段階の変速状態で保持される有段変速域とを備えてある作業車の走行変速操作装置。
【請求項2】 前記無段変速域は、無段変速装置がこれの低速域で変速するものであり、前記有段変速域は、無段変速装置がこれの高速域で変速するものである請求項1 記載の作業車の走行変速操作装置。
【請求項3】 前記無段変速装置が静油圧式無段変速装置である請求項1又は2記載の作業車の走行変速操作装置。
【請求項4】 前記無段変速域は、無段変速装置がこれの前後進両側の低速域で変速するものであり、前記有段変速域は、無段変速装置がこれの前後進両側の変速域で変速するものである請求項3記載の作業車の走行変速操作装置。
【請求項5】 前記変速レバーが無段変速装置の操作部に連動され、前記有段変速域に操作された変速レバーに位置保持するべく作用する有段変速用の位置保持手段と、前記無段変速域に操作された変速レバーに位置保持するべく作用する無段変速用の位置保持手段とを備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業車の走行変速操作装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行装置に動力伝達する無段変速装置を変速操作する変速レバーが備えられている作業車の走行変速操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記作業車において、従来、たとえば特開平5−58183号公報に示されるように、無段変速装置の操作部に連動する切り換えレバーを、横長ガイド板の縦長孔と、この縦長孔に係脱自在なスプリングボールとを備える位置保持機構によって操作位置に保持するものがあった。すなわち、切り換えレバーを揺動操作すると、縦長孔とスプリングボールとによる係合によって有段階の操作位置で保持され、無段変速装置が有段階の変速状態で保持されるものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】たとえば農用トラクターで耕耘装置を連結して作業するとか、枕地や路上を移動走行する場合には高速で走行され、トレンチャーなどを連結して作業する場合には低速で走行される。高速走行の場合、走行速度が若干変化しても、作業や走行に影響が出にくいのに対し、低速走行の場合、走行速度が適切な速度から若干増速すると作業負荷著しく増大して仕上がりが悪くなるとか走行しにくなるなど、走行速度の変化が作業や走行に大きく影響しやすい。また、上記した従来の変速技術は、変速レバーとしての切り換えレバーをレバー操作域のいずれの部分で操作しても、無段変速装置が有段階の速度状態で保持されるものであった。このため、従来、低速走行を行う際、無段変速装置を適切な速度状態に保持できないとか、変速操作を行うと無段変速装置の速度状態が変化し過ぎて、作業の仕上がりが悪くなるとか、走行しにくくなることがあった。本発明の目的は、無段変速装置を高低速側のいずれの速度状態にして走行する際にも、変速操作や速度調節がしやすい作業車の走行変速操作装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】〔構成〕走行装置に動力伝達する無段変速装置を変速操作する変速レバーが備えられている作業車の走行変速操作装置において、前記変速レバーの操作域に、無段変速装置が無段階の変速状態で保持される無段変速域と、無段変速装置が有段階の変速状態で保持される有段変速域とを備えてある。
【0006】〔作用〕変速レバーを無段変速域で操作すると、無段変速装置が無段階の変速状態で保持されて走行装置を無段階に変速でき、変速レバーを有段変速域で操作すると、無段変速装置が有段階の変速状態で保持されて走行装置を有段階に変速できる。これにより、たとえば、有段変速域を無段変速装置が高速域で変速するものにし、無段変速域を無段変速装置が低速域で変速するものにすることにより、高速走行する場合、作業を中断した後など再走行する際、変速レバーを中断前に操作していた操作位置になったか否かを容易に判断しながら操作して走行装置を中断前の速度状態に容易に変速でき、低速走行する場合、無段変速装置を適切な速度状態に設定したり、無段変速装置の設定速度状態を微細に調節して走行速度を作業に適切なものに設定したり、微調節したりできるようになる。
【0007】〔効果〕したがって、走行速度を作業や走行に応じたものに容易に再設定したり、微調節して所望の速度を容易に出したり維持して走行できる。
【0008】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0009】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記無段変速域は、無段変速装置がこれの低速域で変速するものであり、前記有段変速域は、無段変速装置がこれの高速域で変速するものである。
【0010】〔作用〕変速レバーを無段変速域で操作すると、無段変速装置が低速域で無段階の変速状態で保持されて走行速度を低速側で無段階に変速でき、変速レバーを有段変速域で操作すると、無段変速装置が高速域で有段階の変速状態で保持されて走行速度を高速側で有段階に変速できる。
【0011】〔効果〕したがって、高速走行する場合、作業を中断した後など再走行する際、変速レバーを中断前に操作していた操作位置になったか否かを容易に判断しながら操作して走行速度を中断前の速度状態に容易に変速できるなど楽に変速操作できる。低速走行する場合、無段変速装置を適切な速度状態に設定したり、無段変速装置の設定速度状態を微調節し、走行速度を適切な速度状態に設定したり微調節して仕上がりのよい作業ができる。
【0012】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0013】〔構成〕請求項1又は2による発明の構成において、前記無段変速装置が静油圧式無段変速装置である。
【0014】〔作用〕静油圧式無段変速装置の場合、油のリークを伴いながら駆動され、このリークの割合は、高速走行の場合よりも低速走行の場合の方が大になる。また、走行負荷が大になるほどリークの量が大になるとともに、走行負荷が大きい場合には低速走行される。このため、低速走行の場合、速度変化が発生しやすくなるが、無段変速装置の速度保持を無段階に行わせ、走行速度を作業に応じた適切な速度になるように微調節しながら走行できる。
【0015】〔効果〕無段変速装置として前進側にも後進側にも変速しやすいように静油圧式無段変速装置を採用しながら、かつ、高速走行の場合には、変速レバーをこれに作用する強い復元力に抗して係止式位置保持手段によって所定の操作位置に確実に保持して走行できながら、低速走行しながら作業する場合、走行速度を作業に応じた適切なものに設定したり調節しながら走行して仕上がりのよい作業ができる。
【0016】請求項4による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0017】〔構成〕請求項3による発明の構成において、前記無段変速域は、無段変速装置がこれの前後進両側の低速域で変速するものであり、前記有段変速域は、無段変速装置がこれの前後進両側の変速域で変速するものである。
【0018】〔作用〕前進走行する場合も後進走行する場合も、変速レバーを無段変速域で操作すると、無段変速装置が無段階の変速状態で保持されて無段階に走行変速でき、変速レバーを有段変速域で操作すると、無段変速装置が有段階の変速状態で保持されて有段階に走行変速できる。
【0019】〔効果〕したがって、前後進側いずれに走行する場合にも、走行速度を作業や走行に応じたものに容易に再設定したり、微調節して所望の速度を容易に出したり維持して走行できる。
【0020】請求項5による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0021】〔構成〕請求項1〜4のいずれか1項による発明の構成において、前記変速レバーが無段変速装置の操作部に連動され、前記有段変速域で変速レバーを有段階の操作位置に位置保持する位置保持手段と、前記無段変速域で変速レバーを無段階の操作位置に位置保持する位置保持手段とを備えている。
【0022】〔作用〕変速レバーを操作し、その操作力を無段変速装置の操作部に伝達して無段変速装置を操作する。そして、変速レバーを有段変速域で操作すると、変速レバーが位置保持手段によって有段階の操作位置で位置保持されることによって無段変速装置を有段の速度状態で保持でき、変速レバーを無段変速域で操作すると、変速レバーが位置保持手段によって無段階の操作位置で位置保持されることによって無段変速装置を無段の速度状態で保持できるものである。無段変速装置を変速レバーに加える操作力で変速しながら有段や無段の速度状態で保持できるものである。
【0023】〔効果〕無段変速装置を変速レバーに加える操作力で変速させる構造簡単な操作機構で操作できるように、しかも、速度状態によって有段変速と無段変速できるように経済面で有利に得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1に示すように、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1,1、左右一対の駆動自在な後車輪2,2、エンジン3やエンジン冷却用のラジエータ4などが備えられている原動部、この原動部の後方に位置するステアリングハンドル5や運転座席6などが備えられている運転部を有する車体の後部を形成しているミッションケース7の後部に、ロータリ耕耘装置などの各種作業装置を昇降操作自在に連結するリフトアーム8、及び、連結した作業装置にエンジン3からの回動力を伝達する動力取り出し軸9を設けて、作業車の一例としての農用トラクターを構成してある。
【0025】前記ミッションケース7の前部に走行用の無段変速装置10を取り付けてある。この無段変速装置10は、エンジン3の回転出力をクラッチ11および回転伝動軸12を介して入力するプランジャ形の可変吐出ポンプと、このポンプからの圧油によって駆動される油圧モータとで成る静油圧式の無段変速装置に構成してある。前記油圧モータは、これの回転出力をミッションケース7の内部に設けてあるギヤ式の走行用ミッションの入力部に伝達する。これにより、無段変速装置10は、エンジン3からの回転動力を前進側や後進側の回動力として、かつ、前進側においても後進側においても無段階に変速して走行用ミッションを介して前後輪1,2に伝達したり、この動力伝達を停止したりする。
【0026】つまり、無段変速装置10を運転座席6の横側に位置する変速レバー13が備えられている走行変速操作装置によって変速操作することにより、トラクターの前後進切り換えと走行停止操作、前進側及び後進側での走行変速を行うようにしある。
【0027】図2に示すように、走行変速操作装置は、無段変速装置10の操作部10aに連動機構20によって連動している前記変速レバー13、後輪フェンダー14に変速レバー13の操作ガイドを行うように設けたガイド溝15、変速レバー13にこれの位置保持を行うように作用する係止式位置保持手段30と摩擦式位置保持手段50を備えており、詳しくは次の如く構成してある。
【0028】すなわち、図2、図7などに示すように、変速レバー13は、前記ミッションケース7の横側壁部によって支持される支軸16に基端部13aが回動自在に連結している帯板部材で成る基端レバー部13bと、この基端レバー部13bの先端部に基端部が固着されている丸棒材で成る中間レバー部13cと、この中間レバー部13cの先端部に基端部13dが連結ピン17によって回動自在に連結している丸棒材で成る先端レバー部13eとの各レバー部によって構成してあるとともに、先端レバー部13eの先端側に樹脂製のグリップ部材を取り付けて形成してある握り部13fと、前記先端レバー部13eを前記連結ピン17の軸芯まわりで中間レバー部13cに対して車体横外側に揺動する側に揺動付勢しているスプリング18とを備えており、前記握り部13fにより、図7、図8の如き前記ガイド溝15に沿わせて前記支軸16の車体横向きの軸芯16aまわりで車体前後方向に揺動操作するようにしてある。
【0029】図2、図3、図4 などに示すように、無段変速装置10の前記操作部10aは、無段変速装置10の前記油圧ポンプの斜板角を変更する回転操作軸10bの角軸部に角部が一体回動自在に連結している板状部材によって作成してある。これにより、操作部10aは、回転操作軸10bの軸芯まわりで揺動操作されることにより、回転操作軸10bを回転操作して油圧ポンプの斜板角を変更する。
【0030】連動機構20は、前記操作部10aに一端側が連結し、他端側が車体の中間部を形成しているセンターフレーム19の貫通孔19aから車体外側に突出している連結軸21と、前記センターフレーム19の横側壁部の外面側に支持されている支軸22に基端側が回動自在に連結し、中間部が緩衝ゴム23を介して前記連結軸21に連結している揺動リンク24と、この揺動リンク24の遊端部に一端側が回動自在に連結し、他端側が変速レバー13の前記基端レバー部13bの中間部に回動自在に連結していることによって、揺動リンク24と変速レバー13とを連動して揺動するように連結している連動ロッド25とによって構成してある。すなわち、変速レバー13を揺動操作すると、この操作力を連動ロッド25、揺動リンク24、緩衝ゴム23、連結軸21を介して操作部10aに伝達し、この操作部10aを回転操作軸10bの軸芯まわりで揺動させる。このとき、緩衝ゴム23は、操作部10aの振動を吸収して変速レバー13に伝わりにくくする。
【0031】これにより、変速レバー13を前記ガイド溝15によって形成される操作域Aで車体前後方向に揺動操作すると、この操作力のために操作部10aが回転操作軸10bの軸芯まわりで揺動する。そして、変速レバー13を操作域Aの前後方向での中間部に位置する中立位置Nに操作すると、操作部10aが中立位置になってモータの斜板角を中立用の角度にする。変速レバー13を操作域Aのうちの前記中立位置Nよりも車体前方側に位置する前進操作域Fに操作すると、操作部10aが前進位置になってモータの斜板角を前進用の角度にする。このとき、変速レバー13を前進操作域Fの前方側に移動させていくに伴い、操作部10aの前進側への揺動ストロークが増大し、斜板の前進側への作動角が増大していく。変速レバー13を操作域Aのうちの前記中立位置Nよりも車体後方側に位置する後進操作域Rに操作すると、操作部10aが後進位置になってモータの斜板角を後進用の角度にする。このとき、変速レバー13を後進操作域Rの後方側に移動させていくに伴い、操作部10aの後進側への揺動ストロークが増大し、斜板の後進側への作動角が増大していく。
【0032】図2、図5などに示すように、係止式位置保持手段30は、ミッションケース7によって支持されるブラケット31に一端部が連結ピン32によって回動自在に連結している板体で成ることによって、前記連結ピン32の車体横向きの軸芯であって、変速レバー13の揺動軸芯16aに平行な軸芯32aのまわりで揺動自在に車体に支持されている位置決め部材33と、変速レバー13の前記基端レバー部13bに取り付けたローラで成る係止体34と、この係止体34を位置決め部材33が備えている位置決め凹部35,36に入り込むように摺動付勢している係止ばね37とによって構成してある。
【0033】位置決め部材33は、係止体34が移動自在に入り込んでいる係止体用長孔38と、この係止体用長孔38の前端側部分の上側に係止体用長孔38に連通して位置しているとともに変速レバー13の移動方向に並んでいる前記複数個の位置決め凹部35と、係止体用長孔38の後端側部分の上側に係止体用長孔38に連通して位置しているとともに変速レバー13の移動方向に並んでいる前記複数個の位置決め凹部36とを備えている。
【0034】図5、図6などに示すように、係止体34を支持する支持ピン39の一端側が基端レバー部13bのガイド長孔40に摺動自在に入り込み、前記支持ピン39の他端側を下端側で支持している支持体41の上端側に連結している取付けピン42が基端レバー部13bのガイド切欠き43に摺動自在に入り込んでいる。前記係止ばね37は、基端レバー部13bのばね受け部13gと、前記支持体41の上端部との間に介装されていて、支持体41を前記ガイド長孔40とガイド切欠き43とに沿って位置決め部材33から離れる側に摺動付勢している。これにより、係止体34は、位置決め凹部35,36に係脱する方向に摺動自在な状態で変速レバー13に支持されているとともに位置決め凹部35,36に入り込むように係止ばね37によって摺動付勢されている。
【0035】したがって、変速レバー13を操作して係止体34が複数個の位置決め凹部35,36のいずれかに対応すると、係止体34はその位置決め凹部35,36に自ずと入り込み、この入り込みのために位置決め部材33に係止して支持され、変速レバー13を中立位置Nに復元しないようにその操作位置に保持する。すなわち、無段変速装置10は中立状態に自ずと復帰する自己復元力を備えている。また、図3に示すように、無段変速装置10のケースに揺動自在に支持されている位置決めリンク61と、この位置決めリンク61を揺動付勢する位置決めばね62と、前記操作部10aが備えるカム面63とで成り、位置決めリンク61が備えているローラ64を位置決めばね62によって前記操作部10aのカム面63に押し付け付勢することによって操作部10aを中立位置に位置決めする位置決め機構60を、操作部10aに作用させてある。この位置決め機構60と、無段変速装置10の自己復元力とのために変速レバー13が中立位置Nに自己復帰する復元力を備えるが、係止体34の位置決め凹部35,36への入り込みによる係止体34と位置決め部材33との係止が、変速レバー13をこれの復元力に抗して操作位置に保持する。係止体34が位置決め凹部35,36に入り込んでいる状態では、係止体34と位置決め部材33の係止力と、摩擦式位置保持手段50による摩擦力とによって決まる設定力以上の操作力を変速レバー13に加えることにより、この操作力と、位置決め凹部35,36の前後側の傾斜内面によるカム作用とによって係止体34が位置決め凹部35,36から離脱し、変速レバー13の操作が可能になる。
【0036】前進側の位置決め凹部35どうしの間、後進側の位置決め凹部36どうしの間では、その部分における位置決め部材33の山形やスペースのために係止体34を位置させにくいことと、係止体34が位置決め部材33に係止しないこととにより、さらに、無段変速装置10が高速側になるほどその中立状態への復元力が強くなることにより、変速レバー13は、係止体34が位置決め凹部35,36どうしの間に位置する操作位置には保持しにくくなっている。
【0037】これにより、係止式位置保持手段30は、前進操作域Fの中立位置Nに近い低速域部分FLと、後進操作域Rの中立位置Nに近い低速域部分RLとに操作した変速レバー13には位置決め作用せず、前進操作域Fの前記低速域部分FL以外の高速域部分FHと、後進操作域Rの前記低速域部分RL以外の高速域部分RHとに操作した変速レバー13に位置決め作用する。そして、この位置決め作用を行うに当たり、係止式位置保持手段30は、変速レバー13が位置決め凹部35,36に対応する操作位置に位置すると変速レバー13をその操作位置に中立位置Nに戻らないように保持するが、位置決め凹部35,36どうしの間の操作位置では変速レバー13の位置保持を行わない。したがって、係止式位置保持手段30は、前進操作域Fの高速域部分FHと、後進操作域Rの高速域部分RHとを、変速レバー13を有段階の操作位置に位置保持して無段変速装置10を有段階の速度状態に保持する無段変速域に形成している。
【0038】図5、図6などに示すように、摩擦式位置保持手段50は、前記位置決め部材33と、この位置決め部材33の両横側に位置する摩擦部材51と、位置決め部材33の一側面側に位置する摩擦ばね52とによって構成してある。
【0039】前記両摩擦部材51と摩擦ばね52は、位置決め部材33が備えている変速レバー13の移動方向に長い支軸孔53を移動自在に挿通する状態で変速レバー13の基端レバー部13bに取り付けた支軸54に支持させてある。摩擦ばね52は、一対の摩擦部材51が位置決め部材33を挟むように両摩擦部材51を位置決め部材33に押し付け付勢している。これにより、両摩擦部材51は、位置決め部材33に圧接されながら支軸孔53に沿って変速レバー13と共に位置決め部材33に対して相対移動し、変速レバー13が操作域Aのいかなる操作位置に操作された場合にも、位置決め部材33との摩擦によって変速レバー13に摩擦抵抗を与える。
【0040】これにより、摩擦式位置保持手段50は、前進操作域Fの前記低速域部分FLと、後進操作域Rの前記低速域部分RLとに操作して前記係止式位置保持手段30による位置保持が行われない変速レバー13を、摩擦部材51と位置決め部材33とによる摩擦によって中立位置Nに戻らないように位置保持し、両低速域部分FL,RLを、変速レバー13を無段階の操作位置に位置保持して無段変速装置10を無段階の速度状態に保持する無段変速域に形成している。
【0041】変速レバー13を前進操作域Fの前記高速域部分FHと、後進操作域Rの前記高速域部分RHに操作して前記係止式位置保持手段30によって位置保持される際、係止体34と位置決め部材33との間にガタ付きが発生しても、これによる変速レバー13の揺れ動きや振動が発生しにくいように、摩擦式位置保持手段30は、摩擦部材51と位置決め部材33とによる摩擦によって変速レバー13に保持作用する。
【0042】つまり、変速レバー13をガイド溝15に沿わせて車体前後方向に揺動操作し、レバー操作域Aの前後方向での中間部の中立位置Nに操作すると、無段変速装置10が中立状態になって前後輪1,2に対する動力伝達を停止する。このとき、変速レバー13の先端レバー部13eがスプリング18による揺動操作のために、ガイド溝15に連通している切欠き15Aに入り込み、後輪フェンダー14の内面側に取り付けてある検出スイッチ70の操作片70aに当接する。すると、検出スイッチ70は、無段変速装置10が中立状態に操作されたと検出し、エンジン始動牽制手段に始動牽制を解除させるべき信号を出力し、エンジン3の始動が可能になる。
【0043】変速レバー13を前進操作域Fに操作すると、無段変速装置10が前進側の駆動状態に切り換わって前後輪1,2に前進駆動力を伝達する。このとき、変速レバー13を前方側に操作していくほど、無段変速装置10が増速側に変速していく。変速レバー13を後進操作域Rに操作すると、無段変速装置10が後進側の駆動状態に切り換わって前後輪1,2に後進駆動力を伝達する。このとき、変速レバー13を後方側に操作していくほど、無段変速装置10が増速側に変速していく。この前進走行の際も、後進走行の際も、変速レバー13を低速部分FL,RLで操作して無段変速装置10を低速域で変速操作する場合、変速レバー13が摩擦式位置保持手段50によって位置保持され、無段変速装置10が無段階の速度状態で保持されて前後輪1,2の駆動速度を無段階に変更する。そして、変速レバー13を高速部分FH,RHで操作して無段変速装置10を高速域で変速操作する際、変速レバー13が係止式位置保持手段30によって位置保持され、無段変速装置10が係止式位置保持手段30の位置決め凹部35,36の配置によって決まるピッチの有段階の速度状態で保持されて前後輪1,2の駆動速度を有段階に変更する。このとき、変速レバー13を位置決め凹部35,36と係止体34との間にガタ付きが出にくいように摩擦式位置保持手段50によって保持される。
【0044】前記複数個の位置決め凹部35,36を変速レバー13の揺動軸芯16aに沿う方向視で変速レバー13の揺動軸芯16aを中心とする円弧状に並ぶように配置し、位置決め部材33の前記支軸孔53を変速レバー13の揺動軸芯16aに沿う方向視で変速レバー13の揺動軸芯16aを中心とする円弧形状に形成してある。これにより、係止体34及び支軸54が位置決め部材33に対して相対移動する際、位置決め部材33との間にこじれが発生しにくい状態で相対移動する。
【0045】図5に示すように、位置決め部材33の係止体用長孔38の長手方向での中央部に位置する部分に、位置合わせ凹部71を設けてある。すなわち、組み立て作業を行う際、無段変速装置10の操作部10aを中立位置に位置させ、変速レバー13の係止体34が位置合わせ凹部71に入り込むように、連動ロッド25の長さを調節ねじ25aによって調節する。すると、変速レバー13の操作位置と、この操作位置に対応する無段変速装置10の速度状態とが合致する組付け状態を得られる。
【0046】〔別実施形態〕図10は、別の実施形態を備える走行操作装置を示し、この操作装置は、位置決め部材33の支軸孔53に沿わせて位置決め部材33に設けた凹凸部72を備えてあるとともに、位置決め部材33の遊端側に連結したスプリング73によって位置決め部材33を揺動付勢することによって前記凹凸部72を前記支軸54に押し付け付勢してある。これにより、無段変速装置10の変速操作を行う際、支軸54が凹凸部72にこすれながら位置決め部材33に対して相対移動し、このこすれによって変速レバー13の移動音が発生したり、こすれによって発生する振動が変速レバー13を操作する手に伝わり、この感覚によって変速レバー13の操作ストロークや操作位置を容易に認識しながら変速操作できる。殊に、係止式位置保持手段30の位置決め凹部35,36が無い操作域部分FL,RLでの変速操作を行う際、係止体34は静かに移動するが、凹凸部72が作用することによって、変速操作しやすくなる。
【0047】上記実施形態では、位置決め凹部35,36の前後側の傾斜内面が形成する角度や、位置決め凹部35,36の深さがいずれの操作位置においても同一であるように位置決め凹部35,36を形成してあるが、図9に示すように、傾斜内面35a,36aの角度や、位置決め凹部35,36の深さが高速側に至るほど急角度になったり、深くなるように位置決め凹部35,36を形成し、変速レバー13が高速側に至るほど強い係止力が発揮されて強固に位置保持されるように構成して支持してもよい。また、位置決め凹部35,36の前後側での傾斜面の角度が相違するように位置決め凹部35,36を形成し、変速レバー13を移動操作する際、係止体34が位置決め凹部35,36から離脱することによって発生する操作抵抗が、変速レバー13を増速側に移動操作する場合と、減速側に移動操作する場合とによって異なって、変速方向を容易に認識しながら変速操作できるように構成して実施してもよい。
【0048】車輪1,2に替え、クローラベルトを備える作業車の場合にも本発明は適用できる。したがって、車輪1,2、クローラベルトなどを総称して走行装置1,2と呼称する。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013