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発明の名称 ヘリコプタダクテッドファン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−97288(P2001−97288A)
公開日 平成13年4月10日(2001.4.10)
出願番号 特願平11−278364
出願日 平成11年9月30日(1999.9.30)
代理人 【識別番号】100069246
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 新 (外1名)
発明者 柳川 祐輝 / 宮城 徳雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 胴体、メインロータ、尾部ブーム、および尾部構造からなるヘリコプタの前記尾部構造を形成するシュラウドを水平に貫通させたダクト内にロータブレードを配設した前記ロータブレードを作動させて、前記胴体方向と直交方向に推力を発生させ、前記メインロータ回転時に生じる前記ヘリコプタのトルク発生を防止するとともに、前記ヘリコプタのホバリング時、若しくは飛行時における偏揺安定性、操作性を維持するヘリコプタダクテッドファンにおいて、前記ロータブレードの翼端を相互に連結し、前記ダクトの内部を回動する円環と、前記ダクトの内周面と前記円環の外周面との間に介装されたベアリングとを設けたことを特徴とするヘリコプタダクテッドファン。
【請求項2】 前記ダクトの中心部に同軸状に配置され、前記メインロータを駆動するエンジンから分岐された駆動力で前記ロータブレードを作動させる動力伝達機構を内蔵したハブと、前記翼端がそれぞれ配設される周方向に対応して、前記円環の径方向に穿設された孔と、前記翼端に設けられ、前記孔内を径方向に移動自在にされて作動時に生じる前記ロータブレードの伸縮を許容して、前記翼端を支持する突起とを設けたことを特徴とする請求項1のヘリコプタダクテッドファン。
【請求項3】 前記翼端が内周面に固着された前記円環の外周面に巻回されて、前記円環を作動させて前記ロータブレードを回動させるベルトと、前記メインロータを駆動するエンジン若しくはバッテリ又は発電機からなる電源から供給される駆動力で前記ベルトを作動させるプーリを駆動するアクチュエータとを設けたことを特徴とする請求項1のヘリコプタダクテッドファン。
【請求項4】 前記ベルトを巻回する外周面が三角形状にされ、前記ダクトの内周面に穿設された凹所内で回動する前記円環と、前記円環の外周面に形成される2辺にそれぞれの側面が配設され、前記ベルトと前記円環との間に平面状の接触面を形成するとともに、前記ベルトに負荷される押圧力で前記円環を押圧し、前記ベルトの作動に応じて前記ロータブレードを回動させる円錐ベアリングとを設けたことを特徴とする請求項3のヘリコプタダクテッドファン。
【請求項5】 前記翼端が内周面に固着された前記円環の外周面を押圧しながら転動し、前記ロータブレードを回動させる駆動用ローラと、前記メインロータを駆動するエンジン若しくは電池から供給される駆動力で前記駆動用ローラを作動させるアクチュエータと、前記円環の外周面に等ピッチにして配設され、前記ロータブレードの回動時に前記駆動用ローラによる前記円環への負荷を均等に分散する固定用ローラとを設けたことを特徴とする請求項1のヘリコプタダクテッドファン。
【請求項6】 前記翼端が内周面に固着された前記円環の外周面から径方向に突出させた突部と、前記突部の内部を周方向に間隔を設けて配置されたコイル巻部に巻回されたコイルと、前記突部の外周面と間隙を設けて包囲して配置された永久磁石とからなり、前記メインロータを駆動するエンジンで作動するゼネレータ、若しくは電池からの電力を前記コイルに供給することにより電磁力を発生させ、前記電磁力で前記ロータブレードを回動させるようにしたことを特徴とする請求項1のヘリコプタダクテッドファン。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリコプタの上方に設けられたメインロータの回転時に、メインロータの回転方向とは逆方向に回転させようとするヘリコプタのトルク発生を防止し、また、ヘリコプタのホバリング時、若しくは飛行時における偏揺安定性、正確な飛行方向を安定的に指向させる方向性等の操作性を維持するためのヘリコプタダクテッドファンに係わり、特に、ロータブレードの翼端とロータブレードを設置するためにヘリコプタの尾部構造を形成するシュラウドに、機体軸と直交する方向に水平に貫通させたダクトの内周面との間隙を小さくし、隙間からの作動流体の流出を少なくして、ロータブレードの作動効率を向上させることが出来るようにしたヘリコプタダクテッドファンに関する。
【0002】また、本発明は、ダクトの中心部に配設され、翼端が相互に連結された円環の作動により回動するロータブレードの基端を支持するハブの直径を小さくでき、ダクトの直径に対するハブの直径の比率を小さくして、ロータブレードの作動空間を大きくでき、シュラウドを水平に貫通させて設けるダクトの直径およびロータブレードの直径を、結果的に小さくできるヘリコプタダクテッドファンに関する。
【0003】
【従来の技術】ヘリコプタの上方に単一のメインロータを設け、この回動により発生する揚力により飛行するようにした、いわゆる、シングルロータヘリコプタにおいては、メインロータの回転時にメインロータの回転方向とは逆方向に、ヘリコプタを回転させようとするトルクが発生するために、この回転の発生を防止する必要がある。さらには、ヘリコプタの特徴である空中の一定位置に静止して飛行するホバリング時、若しくは、ヘリコプタの飛行目的を達成するため目的地に向けて飛行させる飛行時の、ヘリコプタの偏揺安定性、又は正確な方向性を維持して飛行させる飛行安定性を確保するための操作性が求められている。
【0004】このために、図9に示すように、上方にメインロータ07を設けるようにした胴体02を、後方に延長して設けた尾部ブーム03と一体化され、ヘリコプタ01の尾部構造04を形成するシュラウド05に、胴体02の方向(機体軸前方)と直交する方向に、水平に貫通させたダクト06を設けて、このダクト06の中心部に、図10に示すように、ダクト06の内周面から突出させた支柱08により支持して、ダクト06と同軸状にハブ09を配置して、このハブ09内に設置され、後述するようなエンジン013から駆動力が伝達される動力伝達機構016によって、ハブ09の外周でロータブレード010を回転させて、機体軸方向と直交する方向の推力を発生させるようにしている。
【0005】なお、尾部構造04には、上述したシュラウド05の外に、シュラウド05から上方に延長して設けられ、飛行方向の安定性を保持する方向舵011、方向舵011と直交させて固着され、ヘリコプタ01のピッチ面内での安定性を保持するための水平舵012を設けている。
【0006】また、このロータブレード010の作動は、図11に示す概念図で示されるように、胴体02の内部に設置されたエンジン013の出力がメインギヤボックス014に伝達され、メインロータ07を回転軸07aを介して作動させるとともに、駆動力の一部は分岐されて、テイルドライブシャフト015により尾部ブーム03の内部、および支柱08の内部を通って、ハブ09内に設けられた動力伝達機構016に伝達され、動力伝達機構016によってロータブレード010を一定の速度で回転させることによって行うようにしている。
【0007】すなわち、図12に示されるように、ダクト06に配設されたハブ09内にまで延伸されたテイルドライブシャフト015の後端には、動力伝達機構016を構成する傘歯車017が固着されており、この傘歯車017が、テイルギヤボックス09a内でハブ09の軸心まわりに回動自在に支持された駆動傘歯車018に噛合して回動させることにより、駆動傘歯車018と一体化されているハブケーシング019を回動させ、ハブケーシング019に基端部が固定されているロータブレード010を一定の速度で回転させるようにしている。
【0008】さらに、ハブ09内にはピッチ制御装置020が設けられており、一定の速度で回転するようにしたロータブレード010で発生する推力の大きさは、このピッチ制御装置020を構成するサーボ制御装置023に枢着されたレバー022を、操縦室に設置された操縦桿に連結し、操縦桿を前後動させることによって、矢視で示すようにピッチ変更ロッド021を前後動させることにより、レバー022を枢着軸まわりに回動させて、作動させるようにしている。
【0009】すなわち、このレバー022を回動させた回動量に対応して、ハブケーシング019内を貫通させたロッド027を軸心方向に作動させ、このロッド026の一端に連結されたピッチ制御スパイダー024を作動させることにより、タイバー025をピッチ制御スパイダー024の作動に応じて作動させて、操縦操作通りにロータブレード010のピッチ角を変え、ヘリコプタ01の偏揺安定性、又は正確な飛行方向に飛行させるための操作性を維持できる推力を発生させるものにしている。
【0010】このように、ダクト06内を高速で回転するロータブレード010の翼端と、中心部に支持されたハブ09の外周面でロータブレード010を回動させるダクト06内周面との間には、間隙027(クリアランス)を設ける必要があり、しかも、高速回転による遠心力でロータブレード010が径方向に延伸するため、この間隙026は、余裕を持たせた大きなものにする必要がある。通常、1〜1.2mのダクト06内に設けるようにしたロータブレード010の場合で、約5m/mの間隙027を設けるようにしている。
【0011】しかし、この間隙027を通過する空気の流れは、ヘリコプタ01の操作性を維持するための推力で減少させるように働くので、この間隙027を大きなものになると、所定の大きさのロータブレード010で発生させることの出来る推力が小さくなり、例えば、前述した間隙027を、5m/mから3m/mの間隙026にした場合には、ロータブレード010の推力は、5ないし10%向上させることができると言われている程、ロータブレード010の推力発生への影響が大きい。
【0012】しかしながら、大径のロータブレード010を設置するようにした場合、ダクト06の大径化に伴いヘリコプタ01の飛行時の空力特性が劣化するとともに、ロータブレード010の作動に大きな駆動力が必要となり、エンジン013の出力を増大させる必要があり、また、ロータブレード010の大径化もあって重量が増大するという不具合がある。さらに、この不具合を解消するために、間隙026を5m/mから3m/mにすることも考えられるが、単に、間隙026を小さくするだけでは、ダクト06内を高速で回転するロータブレード010が、遠心力で径方向に延伸するため、間隙026は約1m/m程度にまで縮小し、このためにロータブレード010の翼端がダクト06内周面に接触して、破損が生じヘリコプタ01の制御が不能になることがあるという不具合もある。
【0013】また、前述したように、テイルドライブシャフト015により支柱08の内部を通って伝達され、ロータブレード010を一定の速度で回転させる傘歯車017、駆動傘歯車018、テイルロータギヤボックス020に支持されているハブケーシング019からなる動力伝達機構016、および操縦室に設置された操縦桿に連結されたピッチ変更ロッド021を、操縦操作により作動させることによりロータブレード010の迎角を変えて、ロータブレード010で発生する推力を変更させる、サーボ制御装置023、サーボ制御装置023に枢着されたレバー022、ハブケーシング019内を貫通させたロッド、このロッドの一端に連結されたピッチ制御スパイダー024、およびピッチ制御スパイダー024により作動させられ、個々のロータブレード010の迎角を変えるタイバー025からなるピッチ制御装置020をそれぞれ内蔵するようにしているために、ダクト06の中心部に、ダクト06の内周面から突出させた(流線形の)支柱08により、ダクト06と同軸状に配置して、その外周でロータブレード010を回転させ、推力を発生させるようにした円筒状のハブ09の直径が大きくなり、ダクト06の直径に対するハブ09の直径の比率が大きくなることによる不具合もある。
【0014】すなわち、前述した動力伝達機構016およびピッチ制御装置020を内蔵するようにしたハブ09の直径は、50〜60cmにもなり、これを、通常シュラウド05に穿設するようにした1〜1.2mの直径のダクト06内に設けるようにした場合、ハブ09の直径がダクト06の直径に対して大きな比率のものとなる。このために、ダクト06の内周面とハブ09の外周面との間に形成される、ロータブレード010の作動空間が小さくなり、ヘリコプタ01の偏揺安定性、又は正確な飛行方向に飛行させるための操作性を維持できる大きさの推力を発生できるロータブレード010を設置するためには、シュラウド05を水平に貫通させて設けるダクト06の直径を大きくする必要があり、前述したように、ヘリコプタ01の飛行時の空力特性が劣化し、また、重量が増大するという不具合がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のヘリコプタ、特に、シングルロータヘリコプタにおいて生じる上述した不具合を解消するために、ヘリコプタの上方に設けられたメインロータの回転時に、メインロータの回転方向と逆方向にヘリコプタを回転させようとするトルクの発生を防止し、また、ヘリコプタのホバリング時、若しくは飛行時における偏揺安定性、正確な飛行方向性の操作性を維持するため、機体軸と直交する方向に推力を発生させるロータブレードの翼端とロータブレードを設置するダクトの内周面との間隙を小さくし、間隙からの作動流体の流出を少なくして、ロータブレードの作動効率を向上させ、ロータブレードおよびこれを設置するダクトの大きさを小さくすることが出来るとともに、間隙を小さくすることによりロータブレードに生じることのある破損を防止できるヘリコプタダクテッドファンを提供することを課題とする。
【0016】また、本発明は、ダクトの中心部に配設され、動力伝達機構を内蔵するようにし、エンジンからメインギヤボックスを介してテイルドライブシャフトにより伝達機構に伝達される駆動力により、回転軸を一定の速度でロータブレードを回転させるために生じるハブの大径化に伴い、生じていた不具合を解消するため、ロータブレードを基端側で駆動せず、翼端側を駆動することによってロータブレードを作動させるとともに、推力の大きさはロータブレードのピッチ制御により行うことなく、ロータブレードの回転数の変化により変化させるようにして、動力伝達機構およびピッチ制御装置の内蔵が不要になり、ハブの直径を小さくでき、ダクトの直径に対するハブの直径に比率を小さくして、ロータブレードの作動空間を大きくでき、結果的にはダクトの直径を小さくできるヘリコプタダクテッドファンを提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このため、第1番目の本発明のヘリコプタダクテッドファンは、次の手段とした。
【0018】(1)ヘリコプタの尾部構造を形成するシュラウドを水平に貫通させたダクト内に配設され、ダクト内で回動して機体軸と直交する方向の推力を発生させて、メインロータ回転時に生じるヘリコプタのトルク発生を防止するとともに、ヘリコプタのホバリング時、若しくは飛行時における偏揺安定性、操作性を維持するロータブレードの翼端を相互に連結し、ロータブレードの回動とともにダクトの内部で回動する円環を設けた。
【0019】(2)ダクトの内周面と円環の外周面との間に介装され、ロータブレードの回転時に、ロータブレードの翼端とダクトの内周面との間隙を小さくし、しかも翼端が内周面に衝突して破損するのを防止して、ダクト内でロータブレードを高速回転させることができるようにしたベアリングを設けた。
【0020】(a)これにより、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、上記(1),(2)の手段により、翼端とダクト内周面との接触による破損は確実に防止され、ダクトの内周面と円環の外周面との間に生じる間隙を小さくし、ロータブレードを高速回転させることができるために、間隙から流出する空気の流量を少なくすることができて、ロータブレードの作動効率を向上させて推力を大きくでき、メインロータの回転方向とは逆方向に発生するヘリコプタを回転させるトルク発生を防止し、また、ヘリコプタのホバリング時、若しくは飛行時における偏揺安定性、正確な飛行方向を指向させる操作性を維持するために必要な推力を発生させるロータブレード、およびこれを設置するダクトの大きさを小さくすることができ、ヘリコプタの飛行時の空力特性を劣化することなく、また、重量を逓減させることができ、ヘリコプタの飛行性能を向上させることができる。
【0021】また、第2番目の本発明のヘリコプタダクテッドファンは、上記(1),(2)の手段に加え、次の手段とした。
【0022】(3)ダクトの中心部に同軸状に配設され、メインエンジンを駆動するエンジンから分岐された駆動力がテイルドライブシャフトを介してロータブレードの基端部に伝達され、ロータブレードを作動させる動力伝達機構を内蔵するハブを設けた。なお、ハブ内には従来通り動力伝達機構を内蔵させるだけでなく、ピッチ制御装置を内蔵させるようにしても良いものである。
【0023】(4)ロータブレードの翼端を相互に連結する円環に、それぞれ配設される翼端の周方向位置に対応して、円環の径方向に穿設した孔を設けた。
【0024】(5)円環の径方向に穿設した孔内を径方向に移動自在にされて、ロータブレードの作動時に径方向に生じる、ロータブレードの径方向の伸縮を自在にして、翼端支持する突起をロータブレードの翼端に設けた。なお、孔内を移動する突起は、ロータブレードの最大伸展時に円環の外周面から突出せず、また、最小縮少時においても孔内から抜け出さない長さにすることが好ましい。
【0025】(b)これにより、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、上記(a)に加え、上記(3)〜(5)の手段により、高速回転時のロータブレードが最も伸張するときにおいても、接触による破損を防止して、ロータブレードを高速回転させることができるとともに、ダクトの内周面と円環の外周面との間に生じる間隙を極端に小さくすることができ、間隙から流出する空気の流量を少なくすることができ、ロータブレードの作動効率を向上させて推力を大きくできる。
【0026】また、第3番目の本発明のヘリコプタダクテッドファンは、上記(1)、(2)の手段を加え、次の手段とした。
【0027】(6)翼端が内周面に固着され、ダクトの内周面に穿設された凹所内を回動する円環の外周面に巻回されて、その移動により円環の外周面を作動させて、ロータブレードを回動させ推力を発生させるようにしたベルトを設けた。
【0028】(7)メインロータを駆動するエンジンから直接供給される駆動力、若しくはエンジンからの駆動力で作動するゼネレータ若しくは電池から供給される駆動力で駆動されるプーリでベルトを作動させるアクチュエータを設けた。なお、ベルトは、弾力性のある硬質ゴム等の素材で形成されるとともに、ベルトの外周面とベルトが通過するダクトの内周面に穿設された凹所との間には、ベルトを外周面から押圧するようにした押さえローラ等を設けるようにすることが好ましい。
【0029】(c)これにより、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、上記(a)に加え、上記(6)〜(7)の手段により、ダクトの中心部に配設され、動力伝達機構、ピッチ制御装置等を内蔵するようにし、エンジンからメインギヤボックスを介してテイルドライブシャフトによりハブ内の動力伝達機構に伝達される駆動力により、ロータブレードを回転させ、また、ピッチ制御装置によりロータブレードの迎角を変角して、推力の大きさを変化させるようにした、ダクテッドファンと異なり、翼端に設けた円環の外周面に巻回された駆動用ベルトによって、円環を介してロータブレードを作動させるようにしたので、ロータブレードはエンジンからの駆動力、若しくはエンジンで駆動されるゼネレータ、若しくはゼネレータで充電される電池からの電力で作動するモータにより速度を制御して駆動させることが容易になる。
【0030】このことは、一定のピッチ角にしたロータブレードの回転数制御が容易になり、機械的機構によりロータブレードの推力変更を行うピッチ制御装置を不要にできる。また、エンジンからの駆動力で直接ロータブレードを作動させるようにした場合においても、ダクト外にロータブレードの回転数、すなわち推力の大きさを変える変速機構は、ダクト内、特にハブ内に設ける必要がなくなりダクト外に設置することができる。
【0031】このように、ロータブレードは駆動用ベルトで作動され、ハブは回動するロータブレードの基端部を支持するだけのものにできるので、ハブの直径を小さくでき、ダクトの直径に対するロータブレードの作動空間を大きくできるので、ロータブレードおよびダクトの直径を小さくでき、ヘリコプタのホバリング時、若しくは飛行時における偏揺安定性、正確な飛行方向を指向させる操作性を維持するために必要なロータブレード、およびこれを設置するためのダクトの大きさを小さくすることができ、ヘリコプタの飛行時の空力特性が劣化することなく、また、重量を逓減させることができ、ヘリコプタの飛行性能を向上させることができる。
【0032】また、第4番目の本発明のヘリコプタダクテッドファンは、上記(6),(7)の手段を加え、次の手段とした。
【0033】(8)ベルトを巻回する外周面が三角形状にされ、ダクトの内周面に穿設された凹所内で回動させるようにした円環を設けた。
【0034】(9)円環の外周面に形成される2辺に、それぞれの側面が配設され、ベルトと円環との間に平面状の接触面を形成するとともに、ベルトに負荷される押圧力で円環を押圧して、ベルトの作動に応じてロータブレードを回動させる円錐ベアリングとを設けた。
【0035】(d)これにより、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、上記(a),(c)に加え、ロータブレードの推力発生により生じるスラスト力は、円錐ベアリングで吸収することができ、スラスト受け等の装置が不要になる。さらに、円錐ベアリングを介して円環をベルトで押圧するようにしたので、ベルトによる押圧力が円環に均等に負荷され大きくなり、ロータブレードの回動をロータブレードに要求される推力に応じて作動させるベルトの作動に応じて確実にすることができる。
【0036】また、第5番目の本発明のヘリコプタダクテッドファンは、上記(1),(2)の手段に加え、次の手段とした。
【0037】(10)翼端が内周面に固着された円環の外周面を、その外周面で押圧しながら転動し、円環を介してロータブレードを回動させる駆動用ローラを設けた。なお、駆動用ローラは、円環の幅と略同等の長さを持つものを1個設けるようにしても、円環の幅の約1/2の長さのものを2個設けるようにしても良い。
【0038】(11)メインロータを駆動するエンジンからの駆動力、若しくはエンジンで駆動されるゼネレータ、若しくは電池から供給される電力で駆動用ローラを作動させるアクチュエータを設けた。
【0039】(12)駆動用ローラを設けた位置以外の円環の外周面に等ピッチにして複数配設され、ロータブレードの回動時に駆動用ローラによる円環への負荷を均等にする固定用ローラを設けた。
【0040】(e)これにより、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、上記(a)に加え、上記(c)と同様の作用、効果が得られるとともに、上記(6)〜(9)の手段にしたベルトを敷設するスペースを必要とする第3番目、第4番目の発明に比較して、駆動ローラを設置するためのスペースが小さくて済み、ダクト周辺を切り欠き、ロータブレードを駆動するために設ける必要のあるスペースが小さくすることができる。
【0041】また、第6番目の本発明のヘリコプタダクテッドファンは、上記(1),(2)の手段に加え、次の手段とした。
【0042】(13)翼端が内周面に固着された円環の外周面から径方向に突出させ、内部に周方向に間隔を設けてコイル巻部を配置した突部を設けた。なお、突部は円環の幅方向中央部から1個だけ突出させるようにしても、幅方向に離隔させて2個突出させるようにしたものでも良い。
【0043】(14)突部に設けたコイル巻部に巻回され、メインロータを駆動するエンジンで作動するゼネレータ、若しくは電池からの電力を、回動するロータブレードの基端部を支持するセンタハブの軸心部、ロータブレードの内部および円環の径方向に穿設された孔に挿入された電力線で供給されるコイルを設けた。
【0044】(15)コイル巻部を設けコイルを巻回した突部の外周と間隙を設けて、突部を包囲するようにして配置され、コイルに供給される電力(電流)によりロータブレードを回動させる電磁力を発生させるようにした永久磁石を設けた。
【0045】(f)これにより、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、上記(a)に加え、上記(c)と同様の作用効果が得られるとともに、コイルに流れる電流と永久磁石で発生する磁界とで発生する電磁力でロータブレードを回動させることができるため、ロータブレードの駆動装置としては、可動部を有しないものにでき、スペース上の制約がなくなるとともに、駆動装置の故障のない信頼性の高いものにすることができる。また、コイルに供給する電流の大きさを変化させることにより、ロータブレードに要求される推力を発生できる回転数で回動させることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明のヘリコプタダクテッドファンの実施の一形態を図面に基づき説明する。なお、図において図a〜図dに示した部材と同一、もしくは類似の部材には同一符号を付して、説明は極力省略する。図1は、本発明のヘリコプタダクテッドファンの実施の第1形態を示す図で、図1(a)は内部にロータブレード010が配置される近傍のダクト06を一部破断面で示す斜視図、図1(b)は図1(a)に示すA部の省略を示すためのロータブレード010およびハブ08の正面図である。
【0047】図に示すように、ダクト06の内周面から突出させた(流線形状の)支柱08により支持して、ダクト06と同軸状にハブを配置して、このハブ09内に設置された、図11に示すエンジン013から駆動力が伝達される動力伝達機構016によって、ハブ09の外周で8〜10枚からなるロータブレード010を回転させ、機体軸方向と直交する方向、すなわち、ダクト06の軸心方向に推力を発生させるようにしている。すなわち、この実施の形態におけるロータブレード010の作動は、従来のヘリコプタダクテッドファンと同様に、図11に示す概念図で示される胴体02の内部に設置されたエンジン013の駆動力の一部が分岐されて、ハブ09内に設けられた動力伝達機構016に伝達され、動力伝達機構016によってロータブレード010を一定の速度で回転させるようにしている。
【0048】このために、ロータブレード010で発生する推力の大きさは、ハブ09内に図12で示すものと同様のピッチ制御装置020を設けて、このピッチ制御装置020をパイロットの操縦桿操作により作動させることにより、ロータブレード010の迎角を変え、ヘリコプタ01の偏揺安定性、又は正確な飛行方向に飛行させるための操作性を維持できる推力を発生させるようにしている。
【0049】さらに、ハブ09の外周を回転する8〜10枚からなるロータブレード010の翼端には、翼端を相互に連結し、ダクト06の周面に設けたフェアリング1の内周面に沿ってロータブレード010の回動とともに回動する円環2を設けた。このロータブレード010の翼端を相互に連結する円環2には、それぞれ配設される翼端の周方向位置に対応して、径方向に穿設され、回動時又は静止時にロータブレード010に生じる伸縮量を吸収できる深さにされた孔5が設けられている。また、図12に示すように、従来のヘリコプタダクテッドファンと同様にハブ09内に設けられた動力伝達機構016により、一定回転数で回転するロータブレード010は、同様にハブ09内に設けられたピッチ制御装置020より、ピッチ角が制御され推力の大きさを変えるようにしている。
【0050】このロータブレード010の翼端には、上述した円環2に径方向に穿設された孔5内を径方向に移動自在にされて、ロータブレード010の作動時に径方向に生じるロータブレード010の径方向の伸縮を自在にして、ロータブレード010の最大伸展時においても円環2の外周面から突出することなく、また、ロータブレード010の縮退時においても孔5内から抜け出るようなことがなく、翼端を支持できるようにした突起4を設けている。
【0051】さらに、フェアリング1の内周面と円環2の外周面との間には、ベアリング3が介装されており、円環2のフェアリング1の内周面での周方向の移動を滑らかにしている。
【0052】実施の第1形態のヘリコプタダクテッドファンは、上述のように構成されているので、ダクト06の内周面、すなわちフェアリング1の内周面と翼端との間に生じる間隙6を小さくし、しかも、翼端とフェアリング1内周面との接触を確実に防止することができ、接触による破損を確実に防止することができる。
【0053】また、間隙6を小さくすることにより、この間隙6から流出する空気の流量を少なくすることができて、ロータブレード010の作動効率を向上させて推力を大きくでき、メインロータ07の回転方向で発生するヘリコプタ01を回転させるトルク発生を防止し、また、ヘリコプタ01のホバリング時、若しくは飛行時における偏揺安定性、正確な飛行方向を指向させる操作性を維持するために必要な推力を発生させる、ロータブレード011およびこれを設置するダクト06の大きさを小さくすることができ、ヘリコプタ01の飛行時の空力特性が劣化することなく、また重量を逓減させることができ、ヘリコプタ01の飛行性能を向上させることができる。
【0054】また、ハブ09内にピッチ制御装置020を設けて、操縦桿の操作によりロータブレード010の迎角を変角し推力の大きさを変えることができるようにしたので、ピッチ制御装置20、設置スペースが必要となるために、ハブ09の直径が大きくなることによる不具合は生じるものの、動力伝達機構016には、ロータブレード010の変速機構の設置が不要となり、ロータブレード010は従来のものと同様に一定速度で回転させるものにでき、従来のヘリコプタダクテッドファンに直ちに適用することができる。
【0055】次に、図2は、本発明のヘリコプタダクテッドファンの実施の第2形態を示す図で、図2(a)は一体化されたロータブレード、円環およひハブからなるファンを示す正面図、図2(b)に図2(a)に示すハブとロータブレードの結合状態を示す部分斜視図、図2(c)は図2(a)に示すロータブレードと円環の結合状態を示す部分斜視図、図3(a)はロータブレードと駆動機構を示す正面図、図3(b)は図3(a)に矢視A−Aにおける円環の断面を示す斜視図、図3(c)は図3(a)に示すアクチュエータの制御装置を示すブロック図、図3(d)は図3(b)の円環の外周面にベルトを巻回した状態を示す断面図、図3(e)は図(d)に示す円錐ベアリングの斜視図である。
【0056】図2に示すように、本実施の形態のヘリコプタダクテッドファンは、図2(b)に示すように、ロータブレード6の基端部は、前述したダクト06の軸心部に軸心に沿って架設され、両端部がダクト06を横断して設けられた図示省略した支持材に枢着されたセンタハブ(回転軸)7の外周面に固着されるとともに、ロータブレード6の翼端部は円環8の内周面に固着されて、図2(a)に示すように一体化されたロータブレード6、センタハブ7および円環8からなるファン12を形成するようにしている。
【0057】このセンタハブ7と円環8との間に配設されるロータブレード6は、一定の回転数で回転するときに、所定の推力を発生できるように翼型で形成されており、また、センタハブ7および円環8への取付角度も回転方向Rに回転するロータブレード6の回転面に対して所定の迎角になるようにして取り付けられている。また、ロータハブ7の翼端が固着される円環8は、図3(b)に示すように翼端が固着される内周面が平坦にされ、外周面が2等辺三角形状をなす断面形状にされている。
【0058】この円環8の外周面には、図3(a)に示すように一定の強度を有し、弾性力のある素材で形成されたベルト9が部分的に巻回されており、さらに、このベルト9はバッテリ若しくはエンジン013で駆動されるアクチュエータ10で作動させられるプーリ11に巻回され、アクチュエータ10によって図2(a)に示すファン12を回動させるようにしている。ファン12の回転数、換言すればロータブレード6で発生させる推力の大きさは、図3(c)に示すようにパイロットの操作する操縦装置13の操作信号(MS)、若しくはヘリコプタ01に取り付けられているレートジャイロからフィードバック信号(FS)が入力される自動演算装置14(AFCS)で演算された演算信号(CS)が、アクチュエータ10に入力されて、アクチュエータ10からの制御された回転力をプーリ11を伝達することにより、プーリ11の回転数を変えるようにしている。
【0059】また、円環8の周方向を部分的に巻回するベルト9と円環8とは、ダクト06内周面に嵌装されたフェアリング1に設けられた凹部内に配置され、ベルト9と円環8との間には、図3(e)に示すように、軸心を貫通して設けられた回転軸16のまわりに回転するようにした截頭円錐状にされた円錐ベアリング15の三角形状の側面を円環8の外周面を形成する2辺に当接させて設けるようにしている。
【0060】これにより、円環8の外周面を三角形状にしたにも拘わらず、ベルト9の巻回される円環8の外周面には、平坦な面が形成できるとともに、ロータブレード6により発生する推力により、ダクト06の軸心方向に移動しようとするファン12の移動は、この円錐ベアリング15のクサビ効果により規制することができ、ダクト06の軸方向の所定位置に配置されたフェアリング1の中心部を維持してファン12を回動させることができる。
【0061】さらに、図3(e)においては、その軸心まわりローラ15を回動させるようにした回転軸16の後端部が、ファアリング1の内部で回動するものを示したが、回転軸16の後端部をフェアリング1の内部に固定して、そのまわりにローラ15を回動させるようにしても良い。また、円環8に巻回されるベルト9の外周面とフェアリング1の凹部の底面との間には、円柱状ローラ17が配設され、ファン12の駆動時におけるベルト9のバタつきを防止するようにしている。
【0062】実施の第2形態のヘリコプタダクテッドファンは、上述のように構成されているので、ロータブレード6は、エンジン013で駆動されるゼネレータ、若しくはゼネレータで充電される電池からの電力で作動するモータ等のアクチュエータ10により駆動させることが容易になり、一定のピッチ角にしたロータブレード6の回転数制御による推力変更が電気的に行えるようになり、機械的機構によりロータブレードの推力変更を行うピッチ制御装置を不要にでき、重量を軽減することができるとともに、構造を簡略化することができる。
【0063】また、ロータブレード6は駆動用ベルト9で作動され、ハブ7は動力伝達機構、ピッチ制御装置を内蔵する必要がなくロータブレード6の基端部を支持するだけのものにでき、直径を小さくでき、ダクト06の直径に対するロータブレード6の作動空間を大きくできるので、結果的にロータブレード6およびダクト06の直径を小さくでき、ヘリコプタのホバリング時、若しくは飛行時における偏揺安定性、正確な飛行方向を指向させる操作性を維持するために必要な、ロータブレード6およびこれを設置するダクト06の大きさを小さくすることができ、ヘリコプタ01の飛行時の空力特性が劣化することなく、また、重量を逓減させることができ、ヘリコプタ01の飛行性能を向上させることができる。
【0064】次に、図4は本発明のヘリコプタダクテッドファンの実施の第3形態を示す断面図で、構成は図2、および図3に示す実施の第2形態と略同じであるが、本実施の形態においては、実施の第2形態における外周面が三角形状にされた円環8に代えて、内、外周面ともに平板状にされた、いわゆる、円筒状円環18を使用するとともに、円錐ベアリング15に代えて球状のボールベアリング19を使用するようにした。
【0065】これにより、前述した実施の第2形態と同様の作用、効果を奏するものとすることができる。但し、実施の第2形態における円環8、円錐ベアリング15を使用するようにしてないために、ロータブレード6により発生する推力がボールベアリング19に負荷されるようになり、円筒状円環18およびボールベアリング19の強度要求が厳しくなるものの、図3(d)との比較から判るように構造が簡単になり、組立、保守点検が容易になる利点を有するものとすることができる。
【0066】次に、図5は、本発明のヘリコプタダクテッドファンの実施の第4形態を示す図で、図5(a)は、一体化されたロータブレード、突起付円環およびハブからなるファンおよび駆動機構を示す正面図、図5(b)は図5(a)に示す矢視C−Cにおける突起付円環の断面を示す斜視図、図5(c)は図5(a)に示す矢視D−Dにおける断面図、図5(d)は図5(c)に示す固定用ローラを示す斜視図である。
【0067】図に示すように、本実施の形態のヘリコプタダクテッドファンは、実施の第2形態と同様に、ロータブレード6の基端部は、前述したダクト06の軸心部に軸心に沿って架設されたセンタハブ(回転軸)7の外周面に固着されるとともに、ロータブレード6の翼端部は、突起付円環20の内周面に固着されて、図5(a)に示すように一体化されたロータブレード6、センタハブ7および突起付円環20からなるファン21を形成するようにしている。
【0068】このセンタハブ7と円環8との間に配設されるロータブレード6は、一定の回転数で回転すると共に、所定の推力を発生できるように翼型で形成されており、また、センタハブ7および突起付円環20への取付角度も、回転方向Rに回転するロータブレード6の回転面に対して所定の迎角になるようにして取り付けられている。また、ロータブレード6の翼端が固着される突起付円環20は、図5(b)に示すように翼端が固着される内周面が平坦にされるとともに、外周面の中央に周方向に突起22を設けた凸形状の断面形状にされている。
【0069】この突起付円環20の外周面には、図5(a)に示すように、等ピッチに3個以上の固定用ローラ23が突起22の両側に配置されるとともに、図3(a)に示すアクチュエータ10と同様にバッテリ若しくはエンジン013で駆動されるゼネレータからの電力で作動するアクチュエータ24で駆動させられる2分割された駆動用ローラ25が、突起22の左右に一対配設され、この駆動用ローラ25によって、図5(a)に示す矢視で示す回転方向に、ファン21を回動させるようにしている。
【0070】ファン21の回転数、換言すればロータブレード6で発生させる推力の大きさは、実施の第2形態と同様に、パイロットの操作する操縦装置13の操作信号(MS)、若しくはヘリコプタ01に取り付けられているレートジャイロからフィードバック信号(FS)が入力される自動演算装置14(AFCS)で演算された演算信号(CS)がアクチュエータ10に入力されて、駆動ローラ25の回転数を変えることによって行われる。この駆動用ローラ25は、突起22の左右に一対配設するようにしているので、ロータブレードの回動でファン21に推力が発生しても、この推力は駆動用ローラ25と突起22との接触により、受けることができ、実施の第2形態と同様にスラスト受けを特別に設置する必要がない。
【0071】また、固定用ローラ23は、前述したように突起付円環20の外周に3個所以上に配置され、図示省略したフェアリングに両端が固定された回転軸26まわりに回動して、突起付円環20の回動をスムーズにするベアリングとしての機能を果すとともに、固定用ローラ23で押圧される押圧力が突起付円環20に均等に負荷されるようにしている。
【0072】実施の第4形態のヘリコプタダクテッドファンは、上述のように構成されているので、ロータブレード6は、エンジン013で駆動されるゼネレータ、若しくはゼネレータで充電される電池からの電力で作動するモータ等のアクチュエータ24により駆動させることが容易になり、一定のピッチ角にしたロータブレード6の回転数制御による推力変更が電気的に行えるようになり、機械的機構によりロータブレード6の推力変更を行うピッチ制御装置を不要にでき、重量を軽減することができるとともに、構造を簡略化することができる。
【0073】また、ロータブレード6は駆動用ローラ25で作動され、ハブ7は動力伝達機構、ピッチ制御装置を内蔵する必要がなく、ロータブレード6の基端部を支持するだけのものにでき、直径を小さくでき、ダクト06の直径に対するロータブレード6の作動空間を大きくできるので、結果的にロータブレード6およびダクト06の直径を小さくでき、ヘリコプタ操作性を維持するために必要なロータブレード6およびこれを設置するダクト06の大きさを小さくすることができ、ヘリコプタ01の飛行時の空力特性が劣化することなく、また、重量も逓減させることができ、ヘリコプタ01の飛行性能を向上させることができる。
【0074】さらに、ロータブレード6の駆動を実施の第4形態におけるベルト9から駆動用ローラ25にしたことにより、ダクト06周辺部がコンパクトに纏めることができるようになり、シュラウド05若しくは尾部ブーム03内に大きなスペースを占有することが少なくなる。
【0075】次に、図6は本発明のヘリコプタダクテッドファンの実施の第5形態を示す断面図で、構成は図5に示す実施の第4形態と略同じであるが、本実施の形態においては、実施の第4形態における外周面が突起22を設けた突起付円環20に代えて、内、外周面ともに平板状にされた、いわゆる円筒状円環26を使用するとともに、固定用ローラ23に代えて、球状のボールベアリング27を円筒状円環26の両側部に配置するようにした。
【0076】これにより、前述した実施の第4形態と同様の作用、効果を奏するものとすることができる。但し、実施の第4形態における突起付円環20、突起22の両側に配置される2個から駆動用ローラ25を使用してないために、ロータブレード6により発生する推力がホールベアリング27に支持されるようになり、円筒状円環26およびボールベアリング27の強度要求が厳しくなる反面、図3(d)との比較から判るように構造が簡単になり、組立、保守点検が容易になる利点を有するとともに、円筒状円環26を駆動する駆動ローラ28を長くでき、円筒状円環26との接触面を大きくして、駆動力の大きいものとすることができる。
【0077】次に、図7は本発明のヘリコプタダクテッドファンの実施の第6形態を示す図で、図7(a)はロータブレード、突出部付円環、およびハブからなるファンおよび駆動機構を構成する永久磁石を示す正面図、図7(b)は図7(a)に示す矢視E−Eで切断したときの断面斜視図、図7(c)は矢視E−Eにおける横断面図、図7(d)は図7(c)における外部磁石を取り外したときの突部付円環の部分斜視図、図7(e)はセンタハブ、ロータハブ内への配線状態を示す斜視図である。
【0078】図に示すように、本実施の形態のヘリコプタダクテッドファンは、実施の第2形態〜第5形態と同様に、ロータブレード6aの基端部が前述したダクト06の軸心部に軸心に沿って架設されたセンタハブ7aの外周面に固着されるとともに、ロータブレード6aの翼端部は突部付円環28の内周面に固着されて、図7(a)に示すように一体化されたロータブレード6a、センタハブ7aおよび突部付円環28からなるファン29を形成するようにしている。
【0079】このセンタハブ7aと円環8との間に配設されるロータハブ6aは、一定の回転数で回転すると共に所定の推力を発生できるように翼型にされており、また、センタハブ7aおよび突部付円間28への取付角度も回転方向Rに回転するロータハブ6aの回転面に対して所定の迎角になるようにして取り付けられている。また、ロータハブ6の翼端が固着される突部付円環28は、図7(b)、図7(c)に示すように翼端が固着される内周面が平坦にされるとともに、外周面の周方向に2本の突部30を設けた凸形の断面形状にされている。
【0080】さらに、突部付円環28の側部にはロータブレード6の回転による推力で凸部30が左右に移動し、後述する永久磁石31に衝突するのを防止するとともに、ファン29の回動を円滑にするためのボールベアリング36が設けられている。
【0081】また、この突部付円環28の外周には、断面形状がE形にされた永久磁石31が突部30と間隙を設けて被覆するように配置されている。この永久磁石31は、突部30の間に配設される磁極を、例えばS極にするとともに、突部30の両側部に配設される磁極がN極にして、突部付円環28の外周面周方向に配置するようにしている。また、外周面から径方向に突出させた突部付円環28には、図7(d)に示すように、周方向に5m/m程度の差異を設けて、突部付円環28の幅方向に2個を一対とする貫通孔を周方向に等ピッチに設けるとともに、薄幅にされたコイル巻部32が設けられており、このコイル巻部32にコイル33を巻回するようにしている。
【0082】さらに、本実施の形態において、ロータブレード6aの基端部を固着するようにしたセンタハブ7aは、中空状のパイプで形成されるとともに、ロータブレード6aにもセンタハブ7aの内部と連通して内部を翼幅方向に連通する孔が形成されており、前述した突部付円環28のコイル巻部32に巻回されたコイル33に電力を供給する電力線34が、これらのセンタハブ7a、ロータブレード6aの内部および突部付円環28に穿設された孔を通って、コイル33とセンタハブ7aの両端部等に設けられたブラシ35とを導通するようにしている。
【0083】本実施の形態のヘリコプタダクテッドファンは、このように構成されているので、例えば、実施の第2形態で示した自動演算装置14等により制御された大きさの電流が、ブラシ35、電力線34によりコイル33に供給されて、コイル33に流すようにすると、通常のモータと同様に一体化されたロータブレード6a、センタハブ7aおよび突起部円環28からなるファン29は、モータの回転子と同様に回転し、しかも、コイル33に供給される電流の大きさを変えることによって回転速度を変えることができる。
【0084】すなわち、ファン29を回動させるために、ベルト9、駆動用ローラ25等を特別に設けることなく、実施の第2形態〜第5形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0085】次に、図8は本発明のヘリコプタダクテッドファンの実施の第7形態を示す断面図で、図に示すように本実施の形態は、実施の第6形態と略同じ構造のものにしている。但し、突部付円環28aの外周面の中央から1個のみ突部30aを径方向に突出させて、この突部30aを被覆する永久磁石31aを設けるようにしている。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、シュラウドを水平に貫通させたダクト内に配設され、機体軸と直交する方向に推力を発生させて、メインロータ回転時に生じるヘリコプタのトルク発生を防止し、またヘリコプタのホバリング時、若しくは飛行時における偏揺安定性、操作性を維持するロータブレードの翼端を連結し、ダクト内で回動する円環ダクトの内周面と円環の外周面との間に介装され、ロータブレードの回転時にロータブレードの翼端とダクトの内周面との間隙を小さくして、ロータブレードを高速回転させることができるベアリングを設けるものにした。
【0087】これにより、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、翼端とダクト内周面との接触による破損を確実に防止して、ダクトの内周面と円環の外周面との間に生じる間隙を小さくし、ロータブレードを回転させることができ、間隙から流出する空気の流量を少なくして、ロータブレードの作動効率を向上させて推力を大きくでき、メインロータの回転方向とは逆方向に発生するヘリコプタを回転させるトルク発生を防止し、また、ヘリコプタのホバリング時、若しくは飛行時における偏揺安定性、正確な飛行方向を指向させる操作性を維持するために必要な推力を発生させるロータブレードおよびこれを設置するダクトの大きさを小さくすることができ、ヘリコプタの飛行時の空力特性を劣化することなく、また、重量を逓減させることができ、ヘリコプタの飛行性能を向上させることができる。
【0088】また、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、ダクトの中心部に同軸状に配設されメインエンジンを駆動するエンジンから分岐された駆動力をロータブレードの基端部に伝達し、ロータブレードを作動させる動力伝達機構を内蔵するハブ、ロータブレードの翼端を連結する円環の翼端の周方向位置に対応して、円環の径方向に穿設した孔を、ロータブレードの翼端に設けられ、孔内を径方向に移動自在にされて、ロータブレードの作動時に径方向に生じるロータブレードの径方向の伸縮を自在にして、翼端支持する突起を設けた。
【0089】これにより、高速回転時のロータブレードが最も伸張するときにおいても、接触による破損を防止して、ロータブレードを高速回転させることができ、ダクトの内周面と円環の外周面との間に生じる間隙を小さくすることができ、間隙から流出する空気の流量を少なくして、ロータブレードの作動効率を向上させて推力を大きくできる。
【0090】また、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、翼端が内周面に固着された円環の外周面に巻回されて、その移動により円環の外周面を作動させ、ロータブレードを回動させ推力を発生させるベルト、メインロータを駆動するエンジンから供給される駆動力、若しくはゼネレータ若しくは電池から供給される駆動力で駆動されるプーリでベルトを作動させるアクチュエータを設けるものとした。
【0091】これにより、ダクトの中心部に配設され、動力伝達機構、ピッチ制御装置等を内蔵するようにしたハブ内の動力伝達機構に伝達される駆動力でなく、翼端に設けた円環の外周面に巻回された駆動用ベルトによってロータブレードを作動させるようにしたので、ロータブレードはエンジンからの駆動力、若しくはエンジンで駆動されるゼネレータ、若しくはゼネレータで充電される電池からの電力で作動するモータにより速度を制御して駆動させることが容易になる。
【0092】また、エンジンからの駆動力で直接ロータブレードを作動させるようにした場合においても、ダクト外にロータブレードの回転数、すなわち推力の大きさを変える変速機構は、ダクト外に設置することができる。このように、ロータブレードは駆動用ベルトで作動され、ハブはロータブレードの基端部を支持するだけのものにできるので、ハブの直径を小さくでき、ダクトの直径に対するロータブレードの作動空間を大きくでき、ロータブレードおよびダクトの直径を小さくでき、ヘリコプタの偏揺安定性、正確な飛行方向を指向させる操作性を維持するために、必要なロータブレードおよびこれを設置するダクトの大きさを小さくでき、ヘリコプタの飛行時の空力特性が劣化することなく、また、重量を逓減させることができ、ヘリコプタの飛行性能を向上させることができる。
【0093】また、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、ベルトを巻回するようにした外周面が三角形状にされ、ダクトの内周面に穿設された凹所内で回動させるようにした円環の外周面に形成される2辺に側面が配設され、ベルトと円環との間に平面状の接触面を形成するとともに、ベルトに負荷される押圧力で円環を押圧して、ベルトの作動に応じてロータブレードを回動させる円錐ベアリングとを設けるものとした。
【0094】これにより、ロータブレードの推力発生により生じるスラスト力は円錐ベアリングで吸収することができ、スラスト受け等の装置が不要になる。さらに、円錐ベアリングを介して円環をベルトで押圧するようにしたので、ベルトによる押圧力が大きくなり、ロータブレードの回動をロータブレードに要求される推力に応じて作動させるベルトの作動に応じて確実にすることができる。
【0095】また、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、翼端が内周面に固着された円環の外周面を押圧しながら転動し、円環を介してロータブレードを回動させる駆動用ローラ、メインロータを駆動するエンジン、若しくは電池から供給される駆動力で駆動用ローラを作動させるアクチュエータ、円環の外周面に等ピッチにして複数個配設され、ロータブレードの回動時に駆動用ローラによる円環への負荷を均等にする固定用ローラを設けるものとした。
【0096】これにより、ベルトを敷設するスペースを必要とする第3番目の発明に比較して、駆動ローラを設置するためのスペースが小さくて済み、ダクト周辺に、ロータブレードを駆動するために設ける必要のあるスペースが小さくすることができる。
【0097】また、本発明のヘリコプタダクテッドファンは、翼端が内周面に固着された円環の外周面から径方向に突出させ、内部に周方向に間隔を設けてコイル巻部を配置した突部、突部に設けたコイル巻部に巻回され、エンジンで作動するゼネレータ、若しくは電池からの電力が電力線で供給されるコイル、コイルを巻回したコイル巻部を設けた突部の外周と間隙を設けて包囲するようにして配置され、コイルに供給される電力(電流)によりロータブレードを回動させる電磁力を発生させるようにした永久磁石とを設けるものとした。
【0098】これにより、コイルに流れる電流と永久磁石で発生する磁界とで発生する電磁力でロータブレードを回動させることができるため、ロータブレードの駆動装置としては、可動部を有しないものにでき、スペース上の制約がなくなるとともに、駆動装置の故障のない信頼性の高いものにすることができる。




 

 


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