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発明の名称 船舶のバラスト水置換装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−18885(P2001−18885A)
公開日 平成13年1月23日(2001.1.23)
出願番号 特願平11−189060
出願日 平成11年7月2日(1999.7.2)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
発明者 松本 常宣 / 尾崎 友朗
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 左舷バラストタンクおよび右舷バラストタンクを有する船体と;これら左右のバラストタンクのいずれか一方に第1のポンプを介して吸引された船外の水をバラスト水として注入する注入管路と;上記一方のバラストタンクに注入されたバラスト水を他方のバラストタンクに導く導入管路と;上記他方のバラストタンクに注入されたバラスト水を第2のポンプを介して吸い込むとともに、このバラスト水を船外に排出する排出管路と;を備えていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項2】 請求項1の記載において、上記導入管路は、一方のバラストタンク内の上部に開口する取水口と、この取水口よりも低い位置において他方のバラストタンク内に開口する吐出口とを有し、上記取水口に流れ込んだ一方のバラストタンク内のバラスト水を重力により他方のバラストタンクに導くことを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項3】 請求項2の記載において、上記排出管路は、他方のバラストタンク内の上部に導かれたオーバーフローパイプを有し、このオーバーフローパイプの上端に、他方のバラストタンク内のバラスト水が流れ込む排水口が開口されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項4】 請求項2の記載において、上記注入管路は、一方のバラストタンクの底部に開口された注入口を有し、また、上記導入管路の取水口は、上記一方のバラストタンク内において上記注入口から最も遠ざかったタンク上部に位置されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項5】 請求項3の記載において、上記取水口および排水口は、左右のバラストタンクへのバラスト水の注入により上記船体が通常運行吃水まで沈められた時に、上記バラストタンク内のバラスト水の水位に合わせた位置に開口されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項6】 左舷バラストタンクおよび右舷バラストタンクを有する船体と;これら左右のバラストタンクに第1のポンプを介して吸引された船外の水をバラスト水として注入する注入管路と;上記左右のバラストタンクに注入されたバラスト水を第2のポンプを介して吸い込むとともに、このバラスト水を船外に排出する排出管路と;を備えていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項7】 請求項6の記載において、上記注入管路は、左舷バラストタンク内の底部に開口された第1の注入口と、右舷バラストタンクの底部に開口された第2の注入口とを有し、上記排出管路は、左舷バラストタンク内の上部に開口された第1の取水口と、右舷バラストタンク内の上部に開口された第2の取水口とを有し、これら第1および第2の取水口は、左右のバラストタンクへのバラスト水の注入により上記船体が通常運行吃水まで沈められた時に、上記バラストタンク内のバラスト水の水位に合わせた位置に開口されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項8】 請求項6の記載において、上記排出管路は、上記第2のポンプに連なるとともに、上記左右のバラストタンク内を夫々上記船体の前後方向に挿通された一対の還流パイプと、これら還流パイプから上向きに延出され、上端にバラスト水が流れ込む取水口が開口されたオーバーフローパイプとを備え、このオーバーフローパイプの取水口は、左右のバラストタンクへのバラスト水の注入により上記船体が通常運行吃水まで沈められた時に、上記バラストタンク内のバラスト水の水位に合わせた位置に開口されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項9】 請求項8の記載において、上記注入管路は、左右のバラストタンクの底部に開口された注入口を有し、また、上記オーバーフローパイプの取水口は、上記左右のバラストタンク内において夫々上記注入口から最も遠ざかったタンク上部に位置されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項10】 左舷バラストタンクおよび右舷バラストタンクを有する船体と;これら左右のバラストタンクにポンプを介して吸引された船外の水をバラスト水として注入する注入管路と;上記左右のバラストタンクの内部に配置され、これらバラストタンク内の上部に開口する取水口を有するとともに、この取水口に流れ込んだバラスト水を重力により船外に排出する少なくとも一つの排出管路と;を備えていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項11】 請求項10の記載において、上記注入管路は、左右のバラストタンクの底部に開口された注入口を有し、また、上記排出管路の取水口は、上記左右のバラストタンク内において夫々上記注入口から最も遠ざかったタンク上部に位置されているとともに、左右のバラストタンクへのバラスト水の注入により上記船体が通常運行吃水まで沈められた時に、上記バラストタンク内のバラスト水の水位に合わせた位置に開口されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項12】 請求項11の記載において、上記注入口と取水口とは、上記船体の前後方向に互いに離間して配置されており、上記注入管路は、上記注入口よりも上記取水口の方向にずれた位置に左右のバラストタンクに連なる補助注入口を有していることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項13】 請求項12の記載において、上記補助注入口によるバラスト水の注入開始タイミングは、上記注入口を通じてバラストタンクの容量一杯分のバラスト水の注入が完了した後に設定されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項14】 請求項10の記載において、上記船体は、左右のバラストタンクの上部に臨む内側面に、これらバラストタンク内に張り出すサイドロンジを有し、このサイドロンジは、船体の内側面から略水平に張り出す横壁と、この横壁の先端に連なる縦壁とを含み、これら横壁の上面は、上記船体の内側面および縦壁と協働して上記左右のバラストタンクの上部にバラスト水が流れ込む流入通路を形成し、この流入通路は上記船体の前後方向に沿って延びているとともに、この流入通路の底となる上記サイドロンジの横壁に上記排出管路の取水口が開口されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項15】 請求項14の記載において、上記流入通路を構成する縦壁の上縁は、左右のバラストタンクへのバラスト水の注入により上記船体が通常運行吃水まで沈められた時に、上記バラストタンク内のバラスト水の水位に合わせた位置に設定されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項16】 請求項15の記載において、上記排出管路は、左右のバラストタンク毎に一対設置され、これら排出管路は、上記流入通路の長手方向に互いに離間して配置されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
【請求項17】 請求項15又は16の記載において、上記排出管路は、船外に開口する排水口を有し、この排水口は、上記船体の通常運行吃水の上側に位置されていることを特徴とする船舶のバラスト水置換装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、国際航路へ従事する船舶において、航海中にバラストタンクに搭載されたバラスト水を置換えるための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石油や液化天然ガス等の液体を運搬するタンカーは、海水をバラスト水として積載するバラストタンクを装備している。バラスト水は、タンカーが石油等の液体を積載していない時に、船体を通常運行吃水(N,B,D,C :Normal Ballast Draft Condition)まで沈めるためのものであり、このバラスト水は、積荷港で石油等の液体を積載する際に船外に排出されるようになっている。
【0003】ところで、近年の研究結果によると、バラストタンクに積載されるバラスト水やこのバラスト水中に含まれる様々なバクテリア、植物および生物類は、数ヶ月に及ぶ航海の後も生息していることが明らかとなってきた。このバクテリア類を含むバラスト水を積荷港にそのまま排出することは、その地域における生来の生態系や港湾環境に多大な悪影響を及ぼす恐れがあり、それ故、バラスト水による港湾汚染を防ぐ何らかの対策が必要となってきている。
【0004】このバラスト水による生物学的な港湾汚染を防ぐために、最近、船舶の航海中にバラストタンクに積載されたバラスト水をクリーンな海水と置換えることが提唱されている。このバラスト水の置換方式としては、現在のところ完全置換方式と希釈置換方式との二通りがあり、両置換方式共に陸地より200海里以上離れた公海上で行うことが奨励されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】完全置換方式とは、バラストタンク内のバラスト水を一度全て排出した後、新たにクリーンな海水をバラストタンクに注水する方式であり、この方式によると、バラストタンク内のバラスト水を残すことなく完全に置換えることができる。
【0006】しかしながら、この完全置換方式によると、石油等の液体を積載していない状態でバラスト水が完全に排出されてしまうので、船体が軽くなって船舶が航行を続ける上で必要な吃水が浅くなる。このため、航行中の船体の姿勢が不安定となったり、船体の縦強度を再検討する必要があり得るとともに、操船上の見透しに悪影響を及ぼす恐れがある。そのため、現実的な面から見ても非常に不利な方式であるということができ、タンカーや貨物船のような多岐に亘る船舶に適用することは困難とされている。
【0007】これに対し希釈置換方式は、バラストタンク内にクリーンな海水を注入しつつ、タンク内の汚染されたバラスト水を船外に排出するので、バラストタンク内のバラスト水の水位が一定に保たれ、船体の通常運行吃水が変動することはない。そのため、航行中の船体の姿勢が安定するとともに、船体の縦強度等を考慮する必要はなく、船の種類を問わず適用が可能であると考えられる。
【0008】ところが、現状では上記希釈置換方式を適用した船舶については前例がなく、この希釈置換方式を実現するための具体的な構成が要望されている。
【0009】本発明は、このような事情にもとづいてなされたもので、航行中の船体の姿勢、縦強度、操船上の見透しに何等悪影響を与えることなくバラスト水を効率良く置換えることができる船舶のバラスト水置換装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明に係る船舶のバラスト水置換装置は、左舷バラストタンクおよび右舷バラストタンクを有する船体と;これら左右のバラストタンクのいずれか一方に第1のポンプを介して吸引された船外の水をバラスト水として注入する注入管路と;上記一方のバラストタンクに注入されたバラスト水を他方のバラストタンクに導く導入管路と;上記他方のバラストタンクに注入されたバラスト水を第2のポンプを介して吸い込むとともに、このバラスト水を船外に排出する排出管路と;を備えていることを特徴としている。
【0011】上記目的を達成するため、本発明に係る船舶のバラスト水置換装置は、左舷バラストタンクおよび右舷バラストタンクを有する船体と;これら左右のバラストタンクに第1のポンプを介して吸引された船外の水をバラスト水として注入する注入管路と;上記左右のバラストタンクに注入されたバラスト水を第2のポンプを介して吸い込むとともに、このバラスト水を船外に排出する排出管路と;を備えていることを特徴としている。
【0012】また、上記目的を達成するため、本発明に係る船舶のバラスト水置換装置は、左舷バラストタンクおよび右舷バラストタンクを有する船体と;これら左右のバラストタンクにポンプを介して吸引された船外の水をバラスト水として注入する注入管路と;上記左右のバラストタンクの内部に配置され、これらバラストタンク内の上部に開口する排水口を有するとともに、この排水口に流れ込んだバラスト水を重力により船外に排出する少なくとも一つの排出管路と;を備えていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の第1の実施の形態を、石油運搬用タンカーに適用した図1ないし図4にもとづいて説明する。
【0014】図1は、船舶としての石油運搬用タンカー1(VLCC :Very Large Crude oil Carrier)を開示している。タンカー1の船体2は、図3や図4に見られるように、外殻3と内殻4との二重構造をなしている。外殻3は、左舷外側板3a、右舷外側板3bおよび外底板3cとを有している。内殻4は、同じく左舷内側板4a、右舷内側板4bおよび内底板4cとを有している。これら外殻3と内殻4の上端は、甲板5によって閉塞されている。
【0015】内殻4と甲板5とで囲まれる空間部分は、石油を搭載するためのカーゴタンク6を構成している。カーゴタンク6は、船体2の船首から船尾に亘って配置されている。
【0016】また、外殻3と内殻4との間には、左舷バラストタンク10、右舷バラストタンク11および船首バラストタンク12が形成されている。これらバラストタンク10〜12は、カーゴタンク6が空の状態で航行する際に、船体2を通常運行吃水(N,B,D,C :Normal Ballast Draft Condition)まで沈めるバラスト水を注水するためのものであり、カーゴタンク6の周囲を連続して取り囲んでいる。そして、カーゴタンク6とバラストタンク10〜12との容量の関係上、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cまで沈められた時の各バラストタンク10〜12内のバラスト水の水位W Lは、通常運行吃水N,B,D,Cよりも上方に位置されている。
【0017】左舷バラストタンク10と右舷バラストタンク11とは、船体2の幅方向に沿う中央において第1の仕切り壁13を介して互いに仕切られている。船首バラストタンク12と左舷バラストタンク10および右舷バラストタンク11とは、船体2の船首部分において第2の仕切り壁14を介して互いに仕切られている。
【0018】左舷バラストタンク10の内部は、隔壁15によって第1ないし第5のバラスト室10a〜10eに区画されている。これらバラスト室10a〜10eは、船体2の前後方向に沿って一列に並べられている。同様に、右舷バラストタンク11の内部は、隔壁16によって第1ないし第5のバラスト室11a〜11eに区画されている。これらバラスト室11a〜11eは、船体2の前後方向に沿って一列に並べられている。そのため、左舷バラストタンク10のバラスト室10a〜10eと、右舷バラストタンク11のバラスト室11a〜11eとは、船体2の幅方向に互いに向かい合って配置されている。
【0019】図4に示すように、左舷バラストタンク10の各バラスト室10a〜10eおよび右舷バラストタンク11の各バラスト室11a〜11eは、カーゴタンク6の下方に位置する第1の部分16と、カーゴタンク6の側方に位置する第2の部分17とを有し、全体としてL字状をなしている。
【0020】図2に示すように、船体2の内部には、各バラストタンク10〜12に連なるバラスト配管20が配置されている。バラスト配管20は、第1のポンプ21を有する注入管路22と、第2のポンプ23を有する排出管路24とを備えている。
【0021】注入管路22は、第1のポンプ21の吸入口に連なる吸入パイプ25と、第1のポンプ21の吐出口に連なる左舷メインパイプ26とを有している。吸入パイプ25の下流端は、第1のシーチェスト27に連なっており、この第1のシーチェスト27に付設された船外弁28は、開状態に保持されている。
【0022】吸入パイプ25は、第1のポンプ21を迂回するバイパスパイプ29を介して左舷メインパイプ26に連なっている。バイパスパイプ29と吸入パイプ25との接続部は、船外弁28の下流側に位置し、このバイパスパイプ29上に設置された遠隔操作弁30は閉状態に保持されている。
【0023】また、左舷メインパイプ26の上流端には、遠隔操作弁31が設置されている。遠隔操作弁31は、バイパスパイプ29と左舷メインパイプ26との接続部よりも上流側に位置されているとともに、開状態に保持されている。
【0024】左舷メインパイプ26は、左舷バラストタンク10のバラスト室10a〜10eを貫通して配置されている。左舷メインパイプ26は、バラスト室10a〜10eの第1の部分16に位置されており、この左舷メインパイプ26の下流端は、船首バラストタンク12に導入されている。
【0025】左舷メインパイプ26から分岐された複数の注入パイプ33は、各バラスト室10a〜10eおよび船首バラストタンク12内に向けて延びている。注入パイプ33上に設置された第4の遠隔操作弁34は、開状態に保持されている。そして、これら注入パイプ33の下流端に各バラスト室10a〜10eの底部や船首バラストタンク12の底部に連なる複数の注入口35が開口されている。各バラスト室10a〜10eに連なる注入口35は、各バラスト室10a〜10eの船尾側に位置されている。
【0026】上記排出管路24は、第2のポンプ23の吸入口に連なる右舷メインパイプ36と、第2のポンプ23の吐出口に連なる排水パイプ37と、上記右舷メインパイプ36に連なる複数のオーバーフローパイプ38とを備えている。
【0027】右舷メインパイプ36の下流端に直列に設置された一対の遠隔操作弁39,40は、開状態に保持されている。この右舷メインパイプ36は、遠隔操作弁39,40の間から分岐された分岐管41を有している。分岐管41は、第2のシーチェスト42に連なっており、この第2のシーチェスト42に付設された船外弁43は、閉位置に保持されている。
【0028】排出管路24の右舷メインパイプ36は、右舷バラストタンク11のバラスト室11a〜11eを貫通して配置されており、この右舷メインパイプ36は、バラスト室11a〜11eの第1の部分16に位置されている。
【0029】右舷メインパイプ36から分岐された複数の注入パイプ44は、各バラスト室11a〜11eに向けて延びている。注入パイプ44上に設置された遠隔操作弁45は、閉状態に保持されており、これら注入パイプ44の下流端に各バラスト室11a〜11eの底部に連なる注入口46が開口されている。注入口46は、各バラスト室11a〜11eの船尾側に位置されている。そして、これら注入口46は、遠隔操作弁45が閉じられているため、右舷メインパイプ36に対し遮断されている。
【0030】排水パイプ37の上流端は、遠隔操作弁47を介して第2のポンプ23の吐出口に連なっている。遠隔操作弁47は、開状態に保たれている。排水パイプ37の下流端は、船体2の左舷外側板3a又は右舷外側板3bに開口された排水口48に連なっている。この排水口48は、上記船体2の通常運行吃水N,B,D,Cの上方に位置されている。
【0031】また、排水パイプ37は、連通パイプ49を介して左舷メインパイプ26の上流端に接続されている。連通パイプ49と左舷メインパイプ26との接続部は、上記遠隔操作弁31の上流に位置し、この連通パイプ49の途中に設置された遠隔操作弁50は、閉位置に保持されている。そのため、排水パイプ37と左舷メインパイプ26とは、互いに連通することなく遮断されている。
【0032】上記オーバーフローパイプ38は、右舷バラストタンク11の各バラスト室11a〜11eおよび船首バラストタンク12に配置されている。図3や図4に示すように、オーバーフローパイプ38は、右舷メインパイプ36から上向きに延びており、このオーバーフローパイプ38の途中に設置された遠隔操作弁51は、開状態に保持されている。
【0033】オーバーフローパイプ38は、その上端に各バラスト室11a〜11eの上部および船首バラストタンク12の上部に開口する排水口52を有している。排水口52は、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cまで沈められた時のバラスト水の水位WLに合わせた位置に開口されている。この排水口52は、バラスト水が流入し易いように上方に進むに従い口径が拡開された漏斗のような形状をなしている。
【0034】図2ないし図4に示すように、左舷バラストタンク10の各バラスト室10a〜10eと右舷バラストタンク11の各バラスト室11a〜11eとは、夫々導入管路53を介して互いに連通されている。導入管路53は、バラスト室10a〜10eの第2の部分17から第1の部分16を経由して各バラスト室11a〜11eの第1の部分16に向けて延びている。この導入管路51の途中に設置された遠隔操作弁54は、開状態に保持されている。
【0035】導入管路53は、各バラスト室10a〜10eの上部に開口された取水口55と、各バラスト室11a〜11eの底部に開口された吐出口56とを有している。取水口55は、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cまで沈められた時のバラスト水の水位W Lに合わせた位置に開口されており、上記吐出口56よりも上方に位置されている。そして、取水口55は、バラスト水が流入し易いように上方に進むに従い口径が拡開された漏斗のような形状をなしており、注入口35から最も遠ざかった各バラスト室10a〜10eの上部に位置されている。
【0036】このような構成のタンカー1において、カーゴタンク6が空の状態で航行する際に、船体2の各バラストタンク10〜12には、船体2を通常運行吃水N,B,D,Cに保持するバラスト水が注入されている。このバラスト水は、タンカー1が積荷港に入港するまでの航行中に陸地から200海里以遠の公海上でクリーンな海水と置換えられる。このバラスト水の置換えは、各バラストタンク10〜12の容量の3倍の海水を各バラストタンク10〜12に強制的に注入するとともに、各バラストタンク10〜12内の汚れた初期のバラスト水を船外に希釈しながら排出することで行われるようになっている。
【0037】このバラスト水の置換えに当っては、まず第1および第2のポンプ21,23を同時に駆動する。すると、第1のシーチェスト27を介して船外の海水が吸入パイプ25に吸い込まれ、この海水はクリーンなバラスト水として左舷メインパイプ26に導かれる。このバラスト水は、注入パイプ33の注入口35を通じて左舷バラストタンク10の各バラスト室10a〜10eの底部および船首バラスト室12の底部に注入される。
【0038】このバラスト水の注入により、左舷バラストタンク10および船首バラストタンク12内のバラスト水の水位W Lが上昇する。すると、左舷バラストタンク10にあっては、バラスト水の水位W Lが導入管路53の取水口55を上回った時点でこの取水口55にバラスト水が流れ込む。このバラスト水は、重力により導入管路53を通じて右舷バラストタンク11の各バラスト室11a〜11eに向けて導かれるとともに、吐出口56から各バラスト室11a〜11eの底部に吐出される。
【0039】このバラスト水の吐出により、右舷バラストタンク11内のバラスト水の水位W Lが上昇し、このバラスト水の水位W Lがオーバーフローパイプ38の排水口52を上回った時点でこの排水口52にバラスト水が流れ込む。同様に船首バラストタンク12においても、バラスト水の水位W Lの上昇に伴ってこのバラスト水がオーバーフローパイプ38の上端の排水口52に流れ込む。このバラスト水は、夫々オーバーフローパイプ38を介して右舷メインパイプ36に導かれる。そして、右舷メインパイプ36に戻されたバラスト水は、第2のポンプ23に強制的に吸い込まれた後に排水パイプ37に吐出され、ここから船体2の排水口48を通じて船外に排出される。
【0040】この種のバラスト水の置換え作業は、各バラストタンク10〜12の容量の3倍に亘る量のクリーンバラストである海水を注入することで実施されるので、時間的にはバラストポンプの容量にもよるが数日間に及ぶバラストポンプの連続運転が必要となる。そのため、バラスト水の置換え作業を実施するに当っては、コンピュータを利用して各弁の開閉操作や第1および第2のポンプ21、23の操作およびバラストタンク10〜12の切り換え等が自動的に実行され、このことにより、作業者の負担を軽減しつつ安全かつ確実にバラスト水の置換え作業を行えるようになっている。
【0041】このような本発明の第1の実施の形態によれば、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cを保持し得るように各バラストタンク10〜12にバラスト水が積載された状態において、左舷バラストタンク10および船首バラストタンク12にクリーンな海水をバラスト水として強制的に注入し、左舷バラストタンク10の内部でオーバフローしたバラスト水を重力を利用して右舷バラストタンク11に導くとともに、この右舷バラストタンク11および船首バラストタンク12でオーバフローしたバラスト水を強制的に船外に排出する構成を採用している。
【0042】このため、バラスト水の置換え中においても各バラストタンク10〜12内のバラスト水の水位W Lが一定に保たれ、船体2の通常運行吃水N,B,D,Cが維持されるので、航行中の船体2の姿勢や船体2の縦強度および操船の見透しに何等悪影響を及ぼすことはなく、船の種類を問わずにバラスト水の希釈置換方式の適用が可能となる。
【0043】しかも、上記構成によると、左舷バラストタンク10のバラスト室10a〜10eと右舷バラストタンク11のバラスト室11a〜11eとが導入管路53を介して直列に接続されるので、これら左右のバラストタンク10,11を実質的に一つのタンクと見なしてバラスト水の置換え作業を実施することができる。よって、基本的なバラスト配管20を変えることなく、単にオーバーフローパイプ38と導入管路53を追加することで対応でき、余分な配管経路を極力抑えてコストの低減が可能となる。
【0044】また、左舷バラストタンク10内のバラスト水を排出するための取水口55は、バラスト水注入用の注入口35から最も遠ざかったバラスト室10a〜10eの上部に位置するので、バラスト室10a〜10eに流入するクリーンなバラスト水の多くがバラスト室10a〜10e内の初期バラスト希釈に貢献することなくそのまま取水口55に導かれるといった不具合を解消できる。このため、左舷バラストタンク10内でのバラスト水の置換えを効率良く行うことができる。
【0045】さらに、船体2に新たに海水を取り入れたり、排水するための経路を付加する必要はないので、船体2の外殻3と同様に高品質が要求される新たな船外弁が不要となり、この点でもコストの低減に寄与することになる。
【0046】なお、本発明は上記第1の実施の形態に特定されるものではなく、図5ないし図7に本発明の第2の実施の形態を示す。
【0047】この第2の実施の形態は、左右のバラストタンク10,11に夫々バラスト水を注入するとともに、個々のバラストタンクからバラスト水を排出する点が上記第1の実施の形態と相違しており、それ以外のバラスト配管20の基本的な構成は第1の実施の形態と同様である。このため、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0048】図5ないし図7に示すように、左舷メインパイプ26および右舷メインパイプ36は、左右のバラストタンク10,11の各バラスト室10a〜10e、11a〜11eに対応する位置に注入パイプ61を有している。注入パイプ61は、各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの底部に導入されている。左舷バラストタンク10側の注入パイプ61に設置された遠隔操作弁34は、開位置に保持されているのに対し、右舷バラストタンク11側の注入パイプ61に設置された遠隔操作弁34は、閉位置に保持されている。注入パイプ61の先端には、各バラスト室10a〜10e、11a〜11eに開口する注入口62が形成されており、この注入口62は船尾側に位置されている。
【0049】船体2の幅方向に向かい合う各バラスト室10aと11a、10bと11b、10cと11c、10dと11d、10eと11eとの間には、夫々連通パイプ63が架け渡されている。連通パイプ63は、上記第1の仕切り壁13を液密に貫通して配置されており、船体2の幅方向に延びている。この連通パイプ63の両端部は、注入パイプ61に接続されており、この接続部は遠隔操作弁34と注入口62との間に位置されている。そして、連通パイプ63の途中に設置された遠隔操作弁64は、開位置に保持されている。
【0050】そのため、左舷メインパイプ26から左舷バラストタンク10の注入パイプ61に導かれたクリーンなバラスト水は、連通パイプ63を介して右舷バラストタンク11の注入パイプ61に分配されるようになっている。
【0051】また、図5に示すように、左舷メインパイプ26と右舷メインパイプ36とは、第1の連通パイプ66を介して互いに連通されている。第1の連通パイプ66は、船体2の船首側に位置されている。この第1の連通パイプ66の途中に設置された遠隔操作弁67は、閉状態に保持されている。
【0052】左舷バラストタンク10の各バラスト室10a〜10eと、右舷バラストタンク11の各バラスト室11a〜11eとは、夫々排出パイプ69を介して互いに連通されている。排出パイプ69は、左舷の各バラスト室10a〜10eの第1の部分16と右舷の各バラスト室11a〜11eの第1の部分16とに亘る横パイプ70と、この横パイプ70の両端から上向きに延びる一対の縦パイプ71a,71bとを有している。
【0053】横パイプ70は、上記第1の仕切り壁13を液密に貫通して配置されており、船体2の幅方向に沿って水平に延びている。この横パイプ70の途中に設置された遠隔操作弁72は、開位置に保持されている。一方の縦パイプ71aは、左舷の各バラスト室10a〜10eの第2の部分17に位置され、他方の縦パイプ71bは、右舷の各バラスト室11a〜11eの第2の部分17に位置されている。そのため、排出パイプ69は、左右のバラストタンク10,11の断面形状に沿うように曲げられている。
【0054】一方の縦パイプ71aは、その上端に左舷の各バラスト室10a〜10eの上部に開口する第1の排水口73aを有している。同様に他方の縦パイプ71bは、右舷の各バラスト室11a〜11eの上部に開口する第2の排水口73bを有している。第1および第2の排水口73a,73bは、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cまで沈められた時のバラスト水の水位W Lに合わせた位置に開口されている。これら第1および第2の排水口73a,73bは、夫々バラスト水が流入し易いように上方に進むに従い口径が拡開された漏斗のような形状をなしており、上記注入口62から最も遠ざかった各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの上部に位置されている。
【0055】図5および図6に示すように、横パイプ70の左舷側端部と左舷メインパイプ26とは、第1の接続パイプ74aを介して接続されている。この第1の接続パイプ74aの途中に設置された遠隔操作弁75は、閉状態に保持されている。同様に横パイプ70の右舷側端部と右舷メインパイプ36とは、第2の接続パイプ74bを介して接続されている。この第2の接続パイプ74bの途中に設置された遠隔操作弁76は、開位置に保持されている。そのため、排出パイプ69の横パイプ70は、第2の接続パイプ74bを介して右舷メインパイプ36に連なっている。
【0056】船首バラストタンク12には、排出パイプ78が配置されている。排出パイプ78は、上記左舷メインパイプ26の下流端に接続されている。この排出パイプ78は、船首バラストタンク12の上部に開口された排水口79を有している。この排水口79は、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cまで沈められた時のバラスト水の水位W Lに合わせた位置に開口されているとともに、バラスト水が流入し易いように上方に進むに従い口径が拡開された漏斗のような形状をなしている。
【0057】排出パイプ78上には、一対の遠隔操作弁81,82が配置されている。左舷メインパイプ26と排出パイプ78との接続部に近い一方の遠隔操作弁81は、閉位置に保持されている。排水口79に近い他方の操作弁82は、開位置に保持されている。排出パイプ78は、第2の連通パイプ83を介して上記第1の連通パイプ66に接続されている。この第2の連通パイプ83と排出パイプ78との接続部は、他方の遠隔操作弁82の下流に位置されているとともに、第2の連通パイプ83と第1の連通パイプ66との接続部は、遠隔操作弁67の下流に位置されている。そして、第2の連通パイプ83上に設置された遠隔操作弁84は、開位置に保持されている。そのため、排出パイプ78の排水口79は、第2の連通パイプ83を介して右舷メインパイプ36に連なっている。
【0058】このような構成において、第1のシーチェスト27から第1のポンプ21に吸い込まれた海水は、クリーンなバラスト水として左舷メインパイプ26に導かれる。このバラスト水は、注入パイプ61の注入口62を通じて左舷バラストタンク10の各バラスト室10a〜10eの底部に注入されるとともに、注入パイプ33の注入口35を通じて船首バラストタンク12の底部に注入される。また、注入パイプ61に導かれたバラスト水の一部は、連通パイプ63を介して右舷側の注入パイプ61に分配され、この注入パイプ61の注入口62を通じて右舷バラストタンク11の各バラスト室11a〜11eの底部に注入される。
【0059】このバラスト水の注入により、左右のバラストタンク10,11および船首バラストタンク12内のバラスト水の水位W Lが上昇する。すると、左右のバラストタンク10,11にあっては、バラスト水の水位W Lが縦パイプ71a,71bの第1および第2の排水口73a,73bを上回った時点でこれら第1および第2の排水口73a,73bにバラスト水が流れ込む。このバラスト水は、縦パイプ71a,71bから横パイプ70に導かれた後、この横パイプ70から第2の接続パイプ74bを介して排出管路24の右舷メインパイプ36に導かれる。
【0060】また、船首バラストタンク12にあっては、バラスト水の水位W Lの上昇に伴って排水口79にバラスト水が流れ込み、このバラスト水は、排出パイプ78、第2の連通パイプ83および第1の連通パイプ66を介して右舷メインパイプ36に導かれる。
【0061】そして、各バラストタンク10〜12からの右舷メインパイプ36に導かれたバラスト水は、上記第2のポンプ23に強制的に吸い込まれた後に排水パイプ37に吐出され、ここから船体2の排水口48を通じて船外に排出される。
【0062】このような本発明の第2の実施の形態によれば、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cを保持し得るように各バラストタンク10〜12にバラスト水が積載された状態において、各バラストタンク10〜12にクリーンな海水をバラスト水として個々に強制的に注入し、これら各バラストタンク10〜12内でオーバフローしたバラスト水を強制的に船外に排出する構成を採用している。
【0063】このため、バラスト水の置換え中においても各バラストタンク10〜12内のバラスト水の水位が一定に保たれ、船体2の通常運行吃水N,B,D,Cが維持される。よって、上記第1の実施の形態と同様に、航行中の船体2の姿勢や船体2の縦強度および操船の見透しに何等悪影響を及ぼすことはなく、船の種類を問わずにバラスト水の希釈置換方式の適用が可能となる。
【0064】また、左右のバラストタンク10,11内のバラスト水を排出する第1および第2の排水口73a,73bは、バラスト水注入用の注入口62から最も遠ざかったバラスト室10a〜10eおよび11a〜11eの上部に位置するので、バラスト室10a〜10e、11a〜11eに流入するバラスト水が初期バラスト水との希釈置換に貢献することなくそのまま第1および第2の排水口73a,73bに導かれるといった不具合を解消できる。このため、左右のバラストタンク10,11内でのバラスト水の置換えを効率良く行うことができる。
【0065】さらに、船体2に新たに海水を取り入れたり、排水するための経路を付加する必要はないので、船体3の外殻3と同様に高品質が要求される新たな船外弁が不要となり、コストの軽減が可能となるといった利点がある。
【0066】図8ないし図10は、本発明の第3の実施の形態を開示している。
【0067】この第3の実施の形態は、主に各バラストタンク10〜12からのバラスト水の排水経路に関する点が上記第1の実施の形態と相違しており、それ以外のバラスト配管20の基本的な構成は第1の実施の形態と同様である。このため、第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0068】図8に示すように、左舷メインパイプ26は、流入パイプ90を介して右舷メインパイプ36と連通されている。流入パイプ90は、左右のバラストタンク10,11よりも第1および第2のポンプ21,23に近い位置にあり、この流入パイプ90の途中に設置された遠隔操作弁91は、開状態に保持されている。
【0069】左舷バラストタンク10および右舷バラストタンク11の内部には、夫々還流パイプ92,93が配置されている。還流パイプ92,93は、船体2の船首から船尾に亘って水平に配管されており、左舷バラストタンク10の各バラスト室10a〜10eおよび右舷バラストタンク11の各バラスト室11a〜11eを貫通している。これら還流パイプ92,93は、各バラスト室10a〜10eおよび11a〜11e内において、船体2の通常航行吃水N,B,D,Cよりも高い位置に配置されている。そして、還流パイプ92,93の下流端は、合流パイプ94を介して互いに接続されている。
【0070】左舷側の還流パイプ92の下流端と左舷メインパイプ26とは、第1の接続パイプ96aを介して接続されている。この第1の接続パイプ96aの途中に設置された遠隔操作弁97は、閉状態に保持されている。また、右舷側の還流パイプ93の下流端と右舷メインパイプ36とは、第2の接続パイプ96bを介して接続されている。この第2の接続パイプ96bの途中に設置された遠隔操作弁98は、開状態に保持されている。このため、還流パイプ92,93に連なる合流パイプ94は、第2の接続パイプ96bを介して右舷メインパイプ36に連なっている。
【0071】図8に示すように、左舷メインパイプ26上には、流入パイプ90の接続部と第1の接続パイプ96aの接続部との間に位置して遠隔操作弁100が設置されている。この遠隔操作弁100は、開状態に保持されている。同様に右舷メインパイプ36上には、流入パイプ90の接続部と第2の接続パイプ96bの接続部との間に位置して遠隔操作弁101が設置されている。この遠隔操作弁101は、閉状態に保持されている。
【0072】このため、右舷メインパイプ36は、遠隔操作弁101の位置で注水部分36aと排水部分36bとに遮断されており、この注水部分36aの下流端に上記流入パイプ90が接続されているとともに、排水部分36bの上流端に上記第2の接続パイプ96bが接続されている。
【0073】左舷の還流パイプ92から分岐された複数のオーバーフローパイプ103は、左舷バラストタンク10の各バラスト室10a〜10eおよび船首バラストタンク12に導入されている。オーバーフローパイプ103は、還流パイプ92から上向きに延びており、このオーバーフローパイプ103の上端には、各バラスト室10a〜10eの上部および船首バラストタンク12の上部に開口する排水口104が形成されている。また、各オーバーフローパイプ103の途中には、船外弁105が設置されている。この船外弁105は、開状態に保持されているとともに、船体2の通常航行吃水N,B,D,Cよりも高い位置に配置されている。
【0074】右舷の還流パイプ93から分岐された複数のオーバーフローパイプ106は、右舷バラストタンク11の各バラスト室11a〜11eに導入されている。オーバーフローパイプ106は、還流パイプ93から上向きに延びており、このオーバーフローパイプ106の上端には、各バラスト室11a〜11eの上部に開口する排水口107が形成されている。また、各オーバーフローパイプ106の途中には、船外弁108が設置されている。この船外弁108は、開状態に保持されているとともに、船体2の通常航行吃水N,B,D,Cよりも高い位置に配置されている。
【0075】オーバーフローパイプ103,106の上端の排水口104,107は、夫々船体2が通常運行吃水N,B,D,Cまで沈められた時のバラスト水の水位W Lに合わせた位置に開口されている。そして、これら排水口104,107は、バラスト水が流入し易いように上方に進むに従い口径が拡開された漏斗のような形状をなしている。
【0076】このような構成において、第1のシーチェスト27から第1のポンプ21に吸い込まれた海水は、クリーンなバラスト水として左舷メインパイプ26に導かれる。このバラスト水は、注入パイプ33の注入口35を通じて左舷バラストタンク10の各バラスト室10a〜10eの底部および船首バラストタンク12の底部に注入される。
【0077】また、左舷メインパイプ26を流れるクリーンなバラスト水の一部は、流入パイプ90を介して右舷メインパイプ36の注入部分36aに導かれた後、注入パイプ44の注入口46を通じて右舷バラストタンク11の各バラスト室11a〜11eの底部に注入される。
【0078】このバラスト水の注入により、各バラストタンク10〜12内のバラスト水の水位W Lが上昇する。このバラスト水の水位W Lがバラストタンク10〜12内の排水口104,107の開口位置を上回ると、これら排水口104,107にバラスト水が流れ込む。
【0079】この際、左舷バラストタンク10および船首バラストタンク12の各排水口104に流れ込んだバラスト水は、オーバーフローパイプ103から還流パイプ92を経て合流パイプ94に導かれるとともに、ここから第2の接続パイプ96bを介して右舷メインパイプ36の排水部分36bに導かれる。また、右舷バラストタンク11の各排水口107に流れ込んだバラスト水は、オーバーフローパイプ106から還流パイプ93に流れ込んだ後、第2の接続パイプ96bを介して右舷メインパイプ36の排水部分36bに導かれる。
【0080】各バラストタンク10〜12からの右舷メインパイプ36の排水部分36bに導かれたバラスト水は、上記第2のポンプ23に強制的に吸い込まれた後に排水パイプ37に吐出され、ここから船体2の排水口48を通じて船外に排出される。
【0081】このような本発明の第3の実施の形態によれば、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cを保持し得るように各バラストタンク10〜12にバラスト水が積載された状態において、各バラストタンク10〜12にクリーンな海水をバラスト水として個々に強制的に注入し、これら各バラストタンク10〜12内でオーバフローしたバラスト水を強制的に船外に排出する構成を採用している。
【0082】このため、バラスト水の置換え中においても各バラストタンク10〜12内のバラスト水の水位が一定に保たれ、船体2の通常運行吃水N,B,D,Cが維持される。よって、上記第1の実施の形態と同様に、航行中の船体2の姿勢や船体2の縦強度および操船の見透しに何等悪影響を及ぼすことはなく、船の種類を問わずにバラスト水の希釈置換方式の適用が可能となる。
【0083】また、上記構成によると、船体2に新たに海水を取り入れたり、排水するための経路を付加する必要はないので、船外弁105,108は、各バラストタンク10〜12内のオーバーフローパイプ103,106にのみ設置すれば良い。このため、船体2の外殻3と同様に高品質が要求される船外弁105,108の増大を抑えることができ、コスト的な面でも有利となる。
【0084】図11ないし図13は、本発明の第4の実施の形態を開示している。
【0085】この第4の実施の形態は、主に第2のポンプ23をバラスト水の注水用として利用する点と、各バラストタンク10〜12に注入されたバラスト水を重力により直接船外に排出する点が上記第3の実施の形態と相違しており、それ以外のバラスト配管20の基本的な構成は第3の実施の形態と同様である。このため、第4の実施の形態において、第3の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0086】図11に示すように、右舷メインパイプ36は、第2のポンプ23の吐出口に連なっている。右舷メインパイプ36の上流端には、遠隔操作弁111が配置されており、この遠隔操作弁111は開状態に保持されている。第2のポンプ23の吸入口は、吸入パイプ112を介して第2のシーチェスト42に連なっている。この第2のシーチェスト42に付設された船外弁113は、開状態に保持されている。
【0087】吸入パイプ112は、第2のポンプ23を迂回するバイパスパイプ114を介して右舷メインパイプ36に連なっている。バイパスパイプ114と吸入パイプ112との接続部は、船外弁113の下流側に位置し、このバイパスパイプ114上に設置された遠隔操作弁115は、閉状態に保持されている。また、排水管37は、遠隔操作弁47を介して右舷メインパイプ36の下流端に接続されている。この遠隔操作弁47は、閉状態に保持されている。そのため、第2のポンプ23が駆動されると、船外の海水が第2のシーチェスト42を介して吸入パイプ112に吸入され、この海水はクリーンなバラスト水として右舷メインパイプ36に供給されるようになっている。
【0088】図11ないし図13に示すように、各バラストタンク10〜12の内部には、排出管路としてのオーバーフローパイプ117が配置されている。オーバーフローパイプ117は、上下方向に沿って縦置きに配置されており、このオーバーフローパイプ117の上端に取水口118が開口されている。取水口118は、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cまで沈められた時のバラスト水の水位W Lに合わせた位置に開口されている。取水口118は、注入口35,46から最も遠ざかった各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの船首側の上部に位置されているとともに、夫々バラスト水が流入し易いように上方に進むに従い口径が拡開された漏斗のような形状をなしている。
【0089】オーバーフローパイプ117の下端は、船体2の左外側板3aおよび右外側板3bに開口された複数の排水口119に連なっている。これら排水口119は、船体2の通常運行吃水N,B,D,Cよりも上方、具体的には船体2の通常運行吃水N,B,D,Cの1m上方に位置されている。
【0090】オーバーフローパイプ117の途中には、夫々船外弁120が設置されている。これら船外弁120はバラスト水の置換え時に開操作されるようになっており、夫々船体2の通常運行吃水N,B,D,Cの上方に位置されている。
【0091】このような構成において、バラスト水の置換えを実施するに当っては、第1および第2のポンプ21,23を同時に駆動し、第1および第2のシーチェスト27,42を介して海水を吸入パイプ25,112に取り入れる。この海水は、クリーンなバラスト水として左舷メインパイプ26および右舷メインパイプ36に供給され、ここから注入パイプ33,44の注入口35,46を介して各バラストタンク10〜12の底部に注入される。
【0092】このバラスト水の注入により、各バラストタンク10〜12内のバラスト水の水位W Lが上昇し、このバラスト水の水位W Lがバラストタンク10〜12内の取水口118の開口位置を上回った時点で、これら取水口118にバラスト水が流れ込む。このバラスト水は、重力によりオーバーフローパイプ117内を下向きに流れ、排水口119を通じて船体2の外方に自然に排出される。
【0093】このような本発明の第4の実施の形態によれば、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cを保持し得るように各バラストタンク10〜12にバラスト水が積載された状態において、各バラストタンク10〜12にクリーンな海水をバラスト水として個々に強制的に注入し、これら各バラストタンク10〜12内でオーバフローしたバラスト水を重力により自然に船外に排出する構成を採用している。
【0094】このため、バラスト水の置換え中においても各バラストタンク10〜12内のバラスト水の水位が一定に保たれ、船体2の通常運行吃水N,B,D,Cが維持される。よって、上記各実施の形態と同様に、航行中の船体2の姿勢や船体2の縦強度および操船の見透しに何等悪影響を及ぼすことはなく、船の種類を問わずにバラスト水の希釈置換方式の適用が可能となる。
【0095】しかも、上記構成によると、第1および第2のポンプ21,23の双方をバラスト水の注水用として活用できるので、各バラストタンク10〜12へのバラスト水の注水を効率良く行うことができ、バラスト水の置換えに要する時間を短縮できる。また、第1及び第2のポンプ21、23のどちらか一方のみでもバラスト水の置換は可能である。
【0096】また、各バラストタンク10〜12内のバラスト水を排水するオーバーフローパイプ117は、左舷メインパイプ26や右舷メインパイプ36に接続されることなく船体2の排水口119に直接連なっている。このため、船体2の内部でのバラスト水の排出経路が簡略化され、希釈置換方式を実現する上でのコストを軽減することができる。
【0097】加えて、各バラストタンク10〜12内のバラスト水は、重力により自然に船外に排出されるので、ポンプを利用して強制的に排出する方式に比べてバラスト水の排出操作を容易に行うことができるといった利点がある。
【0098】図14ないし図17は、本発明の第5の実施の形態を開示している。
【0099】この第5の実施の形態は、主に左右のバラストタンク10,11からのバラスト水の排出経路が上記第4の実施の形態と相違しており、それ以外のバラスト配管20の基本的な構成は第4の実施の形態と同様である。このため、第5の実施の形態において、第4の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0100】図14や図15に示すように、左舷バラストタンク10に臨む左外側板3aの内面および右舷バラストタンク11に臨む右外側板3bの内面には、夫々左右のバラストタンク10,11内に向けて張り出す多数のサイドロンジ(船側縦通肋骨)130が形成されている。この種のサイドロンジ130は、船体2の前後方向に延びるとともに、縦方向に間隔を存して互いに平行に配置されているものであるが、図面上においては左右のバラストタンク10の上部の一つのみを代表して示している。
【0101】これらサイドロンジ130は、図16に左舷バラストタンク10側を代表して示すように、船体2の左外側板3aから左舷バラストタンク10内に向けて略水平に張り出す横壁131と、この横壁131の先端に連なる縦壁132とで構成されている。縦壁132は、横壁131を挟んで左外側板3aの内面と向かい合っている。
【0102】そして、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cまで沈められた時のバラスト水の水位WLの付近に位置するサイドロンジ130においては、その横壁131の上面が左外側板3aの内面および縦壁132と協働してバラスト水の流入通路133を構成しており、この流入通路133は、左舷バラストタンク10の各バラスト室10a〜10eの上部において、船体2の前後方向に沿って延びている。この際、流入通路133の上端となる縦壁132の上縁は、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cを保持し得るバラスト水の水位W Lに合わせた位置に設置されている。
【0103】図14に左舷バラストタンク10を代表して示すように、左右のバラストタンク10,11の各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの内部には、排出管路としての第1および第2のオーバーフローパイプ135a,135bが配置されている。
【0104】第1のオーバーフローパイプ135aは、各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの船首側において、上下方向に沿って縦置きに配置されている。第2のオーバーフローパイプ135bは、各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの船尾側において、上下方向に沿って縦置きに配置されている。第1および第2のオーバーフローパイプ135a,135bの上端には、夫々取水口136が形成されている。取水口136は、流入通路133の底となるサイドロンジ130の横壁131に開口されており、夫々バラスト水が流入し易いように上方に進むに従い口径が拡開された漏斗のような形状をなしている。
【0105】オーバーフローパイプ135a,135bの下端は、船体2の複数の排水口119に個々に連なっており、各オーバーフローパイプ135a,135bの途中に船外弁120が設置されている。
【0106】このような構成において、各バラストタンク10〜12内のバラスト水の水位W Lが上昇すると、このバラスト水の水位W Lがサイドロンジ130の縦壁132の上縁を上回った時点で、流入通路133にバラスト水が流れ込む。このバラスト水は、流入通路133に開口するオーバーフローパイプ135a,135bの取水口136に流れ込んだ後、これらオーバーフローパイプ135a,135b内を下向きに流れ、排水口119を通じて船体2の外方に自然に排出される。
【0107】このような本発明の第5の実施の形態によれば、船体2が通常運行吃水N,B,D,Cを保持し得るように各バラストタンク10〜12にバラスト水が積載された状態において、各バラストタンク10〜12にクリーンな海水をバラスト水として個々に強制的に注入し、これら各バラストタンク10〜12内でオーバフローしたバラスト水を重力により自然に船外に排出する構成を採用している。
【0108】このため、バラスト水の置換え中においても各バラストタンク10〜12内のバラスト水の水位W Lが一定に保たれ、船体2の通常運行吃水N,B,D,Cが維持される。よって、上記各実施の形態と同様に、航行中の船体2の姿勢や船体2の縦強度および操船の見透しに何等悪影響を及ぼすことはなく、船の種類を問わずにバラスト水の希釈置換方式の適用が可能となる。
【0109】しかも、上記構成によると、左舷バラストタンク10の上部および右舷バラストタンク11の上部に位置するサイドロンジ130を利用して流入通路133を形成し、このサイドロンジ130の縦壁132を乗り越えて流入通路133に流れ込むバラスト水を第1および第2のオーバーフローパイプ135a,135bを介して船外に排出しているので、バラスト水の水位W Lが傾いた場合でも、バラスト水を確実に排出できる。
【0110】すなわち、図17に示すように、第1および第2のオーバーフローパイプ135a,135bの取水口136は、船首側と船尾側の二箇所において流入通路133に開口されているので、例えば航行中に船尾が船首よりも下方に位置するような姿勢に船体2が傾斜した場合は、各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの船尾側においてバラスト水の水位W Lがサイドロンジ130の縦壁132の上縁よりも上側に位置する。このため、各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの船尾側において、バラスト水が縦壁132を乗り越えて流入通路133にオーバーフローし、船尾側の第2のオーバーフローパイプ135bを介して船外に排出される。
【0111】また、航行中に船首が船尾よりも下方に位置するような姿勢に船体2が傾斜した場合は、上記とは逆に各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの船首側において、バラスト水が縦壁132を乗り越えて流入通路133にオーバーフローし、船首側の第1のオーバーフローパイプ135aを介して船外に排出される。
【0112】このことから、航行中の船体2の姿勢に左右されることなく左右のバラストタンク10,11内のバラスト水を船外に排出することができ、バラスト水の置換を効率良く確実に行うことができる。
【0113】図18は、本発明の第6の実施の形態を開示している。
【0114】この第6の実施の形態は、上記第4の実施の形態をさらに発展させたものであり、バラスト配管20の基本的な構成は、第4の実施の形態と同様である。
【0115】図18に左舷バラストタンク10を代表して示すように、左舷メインパイプ26は、各バラスト室10a〜10eに対応した位置に複数の複数の補助注入パイプ140を有している。補助注入パイプ140は、左舷メインパイプ26から各バラスト室10a〜10eに向けて分岐されており、これら補助注入パイプ140の下流端に各バラスト室10a〜10eの底部に連なる補助注入口141が開口されている。補助注入口141は、注入口35よりも船首側に位置しており、オーバーフローパイプ117の排水口118の略真横に設置されている。
【0116】補助注入パイプ140上には、遠隔操作弁143が設置されている。この遠隔操作弁143は、注水口36から左舷バラストタンク10の容量一杯分に相当する分のクリーンなバラスト水が左舷バラストタンク10に注入された後に開操作されるようになっている。
【0117】なお、上記補助注入パイプ140は、右舷メインパイプ36にも設置されており、この補助注入パイプ140の補助注入口141は、右舷バラストタンク11の各バラスト室11a〜11eの底部に開口されている。
【0118】このような構成において、クリーンなバラスト水は、各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの船尾側の注水口35,46を通じて各バラスト室10a〜10e、11a〜11eに導入されるので、この注水口35,46から遠ざかった各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの船首側の部分に、図18に破線で示すようにバラスト水の置換が悪い、いわゆる淀み域Rが生じることがあり得る。
【0119】しかるに、上記構成によると、各バラスト室10a〜10e、11a〜11eの船首側の部分には、補助注入口141を介してクリーンなバラスト水が強制的に注入されるので、この船首側の淀み域部分においてバラスト水が攪拌され、バラスト水の淀みが解消される。
【0120】その上、補助注入口141からのクリーンなバラスト水の注入タイミングは、注入口35,46を介して左右のバラストタンク10,11の容量一杯分のバラスト水の注入が完了した後に設定されているので、船首側の部分に確実に淀みが生じた時点でこの淀みの部分にクリーンなバラスト水を注入できる。そのため、補助注入口141からのクリーンなバラスト水が淀みを攪拌することなくオーバーフローパイプ117の排水口118に至るといった不具合を解消することができ、左右のバラストタンク10,11内のバラスト水の置換効果を高めることができる。
【0121】なお、本発明に係るバラスト水置換装置は、石油運搬用タンカー(VLCC)に特定されるものではなく、例えば天然ガス運搬用の船舶(LNGC:Liquefied Natural Gas Carrier)にも同様に適用することができる。
【0122】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、船体が通常運行吃水を保持し得るように左右のバラストタンクにバラスト水が積載された状態において、これらバラストタンクに船外のクリーンなバラスト水をポンプを介して強制的に注入するとともに、このバラストタンク内でオーバフローしたバラスト水をポンプによって強制的に船外に排出するか、あるいは重力を利用してバラストタンクから直接船外に排出するようにしたので、バラスト水の置換え中においても左右のバラストタンク内のバラスト水の水位が一定に保たれ、船体の通常運行吃水が維持される。このため、航行中の船体の姿勢や船体の縦強度および操船の見透しに何等悪影響を及ぼすことはなく、船の種類を問わずにバラスト水の希釈置換方式の実現が可能となる。
【0123】この際、左右いずれか一方のバラストタンク内でオーバーフローしたバラスト水を重力を利用して他方のバラストタンクに導入し、この他方のバラストタンク内でオーバーフローしたバラスト水を船外に排出する構成を採用すれば、左右のバラストタンクを実施的に一つのタンクと見なしてバラスト水の置換え作業を行える。このため、基本的なバラスト水の注排水に関する配管を大幅に変更する必要はなく、余分な配管を極力抑えることができるとともに、高品質を要求される新たな船外弁を付加する必要もなく、その分、希釈置換方式を実現する上でのコストを低減できる。
【0124】また、バラストタンク内のバラスト水を重力を利用して直接船外に排出する構成を採用すれば、船体の内部でのバラスト水の排出経路を簡略化することができ、希釈置換方式を実現する上でのコストを軽減できる。それとともに、ポンプを利用して強制的に排出する方式に比べてバラスト水の排出操作を容易に行えるといった利点がある。




 

 


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