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発明の名称 炭化水素油の水素化脱硫触媒およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−353444(P2001−353444A)
公開日 平成13年12月25日(2001.12.25)
出願番号 特願2000−177066(P2000−177066)
出願日 平成12年6月13日(2000.6.13)
代理人 【識別番号】100070161
【弁理士】
【氏名又は名称】須賀 総夫
【テーマコード(参考)】
4G069
4H029
【Fターム(参考)】
4G069 AA03 AA08 AA09 AA12 BA01A BA01B BA03A BA03B BA05A BA05B BB02A BB02B BB04A BB05C BB10A BB10B BC51A BC51C BC59A BC59B BC64A BC64B BC67A BC67B BC70A BC70B BC72A BC72B BC75A BC75B CC02 DA06 EA02Y EB14Y EC03Y EC07X EC07Y EC18X EC18Y EC22Y ED03 FA02 FB14 FB19 FB30 FB66 FB67 FB78 FC02 FC07 FC08 
4H029 CA00 DA00
発明者 木村 孝夫 / 大塩 敦保 / 萩原 和彦 / 川上 敬士
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ジルコニウムの酸化物または水酸化物からなる担体に、触媒基準で、アルミナまたはシリカ・アルミナを1〜30質量%、硫酸根をイオウ分にして1〜3質量%、パラジウムを0.05〜10質量%担持させてなり、全細孔容積が0.1ml/g以上であって、そのうちで1.4〜2.1nmの細孔径を有する細孔が占める割合が30〜70%であることを特徴とする炭化水素油の水素化脱硫触媒。
【請求項2】 請求項1に記載の触媒に、さらに白金、レニウム、ルテニウム、コバルトおよびモリブデンから選んだ1種または2種以上を、触媒基準で、0.05〜10質量%担持させたことを特徴とする水素化脱硫触媒。
【請求項3】 請求項1または2に記載の水素化脱硫触媒を製造する方法であって、水酸化ジルコニウム担体を、これに硫酸根を与える処理剤で処理して、硫酸根をイオウ分にして1〜3質量%担持させた後、パラジウム化合物を含浸させてパラジウムを0.05〜10質量%担持させ、550〜800℃の温度で焼成安定化した後、アルミナまたはシリカ・アルミナを、触媒の1〜30質量%を占めるように混合して触媒形状に成形し、550〜800℃の温度に焼成して安定化することからなる製造方法。
【請求項4】 請求項1または2に記載の水素化脱硫触媒を製造する方法であって、水酸化ジルコニウム担体にパラジウム化合物を含浸させてパラジウムを0.05〜10質量%担持させ、ついでこれに硫酸根を与える処理剤で処理して、硫酸根をイオウ分にして1〜3質量%担持させ、550〜800℃の温度で焼成安定化した後、アルミナまたはシリカ・アルミナを、触媒の1〜30質量%を占めるように混合して触媒形状に成形し、550〜800℃の温度に焼成して安定化することからなる製造方法。
【請求項5】 請求項1または2に記載の水素化脱硫触媒を製造する方法であって、水酸化ジルコニウム担体にパラジウム化合物を含浸させてパラジウムを0.05〜10質量%担持させた後、これにアルミナまたはシリカ・アルミナを、触媒の1〜30質量%を占めるように混合して成形し、続いて硫酸根を与える処理剤で処理して、硫酸根をイオウ分にして1〜3質量%担持させ、550〜800℃の温度に焼成して安定化することからなる製造方法。
【請求項6】 請求項1または2に記載の水素化脱硫触媒を製造する方法であって、水酸化ジルコニウム担体を、これに硫酸根を与える処理剤で処理して、硫酸根をイオウ分にして1〜3質量%担持させた後、これにアルミナまたはシリカ・アルミナを、触媒の1〜30質量%を占めるように混合して成形し、続いてパラジウム化合物を含浸させさせてパラジウムを0.05〜10質量%担持させ、550〜800℃の温度に焼成して安定化することからなる製造方法。
【請求項7】 請求項1または2に記載の水素化脱硫触媒を製造する方法であって、水酸化ジルコニウム担体を、これに硫酸根を与える処理剤で処理して、硫酸根をイオウ分にして1〜3質量%担持させるとともに、パラジウム化合物を含浸させさせてパラジウムを0.05〜10質量%担持させ、550〜800℃の温度で焼成安定化した後、アルミナまたはシリカ・アルミナを、触媒の1〜30質量%を占めるように混合して成形し、550〜800℃の温度に焼成して安定化することからなる製造方法。
【請求項8】 請求項1または2に記載の水素化脱硫触媒を製造する方法であって、水酸化ジルコニウム担体に、アルミナまたはシリカ・アルミナを、触媒の1〜30質量%を占めるように混合し、成形した後、これに硫酸根を与える処理剤で処理して、硫酸根をイオウ分にして1〜3質量%担持させ、続いてパラジウム化合物を含浸させさせてパラジウムを0.05〜10質量%担持させ、550〜800℃の温度に焼成して安定化することからなる製造方法。
【請求項9】 請求項2に記載の水素化脱硫触媒を製造する方法であって、請求項3ないし8のいずれかに記載の製造方法において、白金、レニウム、ルテニウム、コバルトおよびモリブデンから選んだ1種または2種以上を、触媒基準で0.05〜10質量%担持させる工程を、焼成安定化に先立ついずれかの工程と同時に、または工程の間に実施することを包含する製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素油の水素化脱硫処理に使用し、有機イオウ化合物を含有する軽質炭化水素油のイオウ分を低減させる触媒に関する。詳しくは、固体超強酸触媒を用いる水素化脱硫処理に当たって、従来の脱硫触媒では反応前処理として必要であった予備硫化処理の必要がなく、しかも炭化水素油中のイオウ分を低減する活性が、比較的低い反応温度においても高く得られる触媒に関する。本発明はまた、そのような触媒の製造方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】原油の蒸留や分解によって得られる各種の炭化水素留分は、多かれ少なかれイオウ化合物を含み、これらの油を燃料として使用する場合には、それに起因するイオウ酸化物が放出されて大気を汚染する。近年は、自動車および航空機エンジンの燃料として使用されるガソリンや軽油にも、環境汚染の問題からいっそうの低イオウ化が要求されている。
【0003】現在、ガソリン基材として使用されているライトナフサのような軽質炭化水素油は、有機イオウ化合物を、通常は400〜700ppm程度含有しているため、マーロックス処理によりイオウ分を70〜150ppmに低減したり、Co−Mo系、Ni−Mo系等の水素化脱硫触媒を用いて処理することにより、イオウ分の低減を図っている。軽油等の中間留分にはイオウ分が約1〜2%含有されているため、ナフサの脱硫と同様に、水素化脱硫触媒で処理してイオウ分を500ppm以下に低減しているが、環境規制の強化により、今後さらにイオウ分を低減することが要求されている。
【0004】しかし、これまで使用されている水素化脱硫触媒では、今後の規制に応えてイオウ分を十分に低減するに足りるほど高い脱硫活性を示すものではなく、従来品よりさらに活性がすぐれた脱硫触媒の出現が要望されている。それに加えて、従来のCo−Mo系やNi−Mo系等の脱硫触媒では、水素化脱硫反応の前処理として予備硫化を必要とし、工程が煩雑であるばかりでなく、経済的にも不利であった。
【0005】この問題に対するひとつの解決策として、最近、硫酸化ジルコニアをベースとする酸性触媒が開示された(特開平11−197510号)。この触媒は、硫酸化ジルコニアと白金のような水素化遷移金属とを含有する固体酸性触媒であって、135m2/g以上の比表面積と、0.16ml/g以上の細孔容積と、2nm以上の平均細孔半径とを有するものである。
【0006】発明者らも、硫酸化ジルコニアに白金族金属を組み合わせた水素化脱硫触媒について研究し、軽質炭化水素の脱硫活性とともに異性化性能が高い触媒を見出して、すでに提案した(特願平11−324242号)。その触媒は、酸化ジルコニウムまたは水酸化ジルコニウムに硫酸根をイオウ分にして1〜3質量%含有させるとともに、パラジウム0.05〜10質量%を(またはさらに白金0.05〜10質量%をも)担持させ、550〜800℃で焼成安定化させてなり、比表面積が50〜150m2/gであることを特徴とするものである。
【0007】さらに研究を進めた発明者らは、特定の固体超強酸触媒が、脱硫反応の前処理として予備硫化を行なわなくても脱硫活性がすぐれ、比較的低い反応温度においても炭化水素油中のイオウ分を効果的に低減できることを見出した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発明者らの得た上記の新知見を活用し、炭化水素油の水素化脱硫に使用する触媒であって、使用に先立つ処理工程である予備硫化を必要とせず、しかも高い水素化脱硫活性を有し、比較的低温で有効な水素化脱硫触媒を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の炭化水素油の水素化脱硫触媒は、ジルコニウムの酸化物または水酸化物からなる担体に、触媒基準で、アルミナまたはシリカ・アルミナを1〜30質量%、硫酸根をイオウ分にして1〜3質量%、パラジウムを0.05〜10質量%担持させてなり、全細孔容積が0.1ml/g以上であって、そのうちで1.4〜2.1nmの細孔径を有する細孔が占める割合が30〜70%であることを特徴とする。
【0010】この触媒には、さらに白金、レニウム、ルテニウム、コバルトおよびモリブデンから選んだ1種または2種以上を、0.05〜10質量%担持させることもできる。
【0011】本発明の触媒を使用した炭化水素油の水素化脱硫方法は、有機イオウ分を含有する炭化水素留分を、水素とともに、水素分圧1〜15MPa、温度50〜350℃、液空間速度0.1〜15hr-1、および水素/オイル比50〜1500NL/Lの条件下で、この触媒に接触させて脱硫反応を行なうことからなる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の触媒の担体は、上記のとおりジルコニウムの酸化物または水酸化物である。水酸化ジルコニウムには、Zr(OH)4、Zr(OH)2、Zr(OH)3などの形態があり、そのいずれでもよいが、一般には酸化ジルコニウムの水和物ZrO2・xH2O(ただし、0<x≦2)で表されるものが好適である。
【0013】ジルコニウムの酸化物または水酸化物からなる担体には、アルミナまたはシリカ・アルミナを含有させることが、触媒強度の観点から好ましい。その含有量は、触媒基準で1〜30質量%、好ましくは3〜25質量%である。含有量が1質量%未満であると、触媒強度が低く工業用触媒として不適切であり、一方で30質量%を超えると、触媒強度は十分であるが、脱硫触媒活性が低くなる。
【0014】本発明の固体超強酸触媒は、SCSすなわち側面破壊強度(Side Crush Strength、触媒の機械的強度を示す値)が0.5kg/mm以上であることが好ましい。SCSが0.5kg/mmに満たないと触媒強度が低く、反応装置に触媒を充填したときに触媒が破壊して粉末化するおそれがある。触媒粒が粉末化すると、装置内の差圧が大きくなって、水素化処理の運転が続行できなくなるおそれがある。
【0015】担体にパラジウムを担持させるために使用するパラジウム化合物としては、塩化金属酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、テトラアミンパラジウム錯体などが挙げられる。好ましいものは、塩化物、硫酸塩および硝酸塩である。
【0016】パラジウムの含有量は、触媒基準で、0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%とする。パラジウム担持量が0.05質量%未満では脱硫活性が発現せず、10質量%を超えると活性金属であるパラジウムの分散性が低くなり、かえって活性が低下する。
【0017】担体に硫酸根(SO4)を与える処理剤としては、硫酸、硫酸アンモニウム、あるいは硫化水素、亜硫酸ガス等が挙げられる。使いやすいものは、硫酸や硫酸アンモニウムである。硫酸根の量は、イオウ(S)分として1〜3質量%、好ましくは1.5〜2質量%となるようにする。硫酸根の量がイオウとして1質量%未満であると、触媒の酸性度つまり固体超強酸性が弱く、脱硫触媒としての活性が不十分である。また、3質量%を超える多量になると、ジルコニア担体の表面を硫酸根が過剰に覆い、表面に積層して活性点をつぶしてしまうため、かえって活性が低下する。
【0018】触媒中のイオウ分の測定は、試料を酸素気流中で燃焼させ、試料中に含まれているSを酸化させてSO2にし、水分とダストを除去した後、赤外線検出器たとえばソリッド・ステート型の検出器を用いて検出することにより行なう。この分析方法によれば、試料中のイオウ分量を0.001〜99.99%の濃度範囲で求めることができる。
【0019】本発明の水素化脱硫触媒は、所定の温度で焼成安定させた後、全細孔容積が0.1ml/g以上、好ましくは0.1〜0.25ml/gの範囲内であって、そのうちで1.4〜2.1nmの細孔径を有する細孔が占める割合が30〜70%であることを要する。全細孔容積が0.1ml/gに達しないものは、触媒活性が高く得られない。上記の範囲の細孔径をもつ細孔の容積が全細孔容積の30%未満であると、脱硫活性点が少なく、十分な脱硫活性が得られない。70%を超えると、脱硫活性は十分に得ることができるが、触媒強度が低下する。好ましい範囲は、35〜65%である。
【0020】上記の細孔径と細孔容積は、通常の表面積および細孔容積測定装置を用い、窒素吸着法により測定・算出することができる。
【0021】本発明の触媒の好ましい態様は、前記のように、パラジウムを含有する触媒に白金、ルテニウム、レニウム、コバルトおよびモリブデンから選んだ金属を1種または2種以上添加することにより、さらに脱硫活性を高くしたものである。これらの金属の添加量は、0.05〜10質量%、好ましくは、0.05〜5質量%である。0.05質量%未満では脱硫活性の向上効果が認められず、10質量%を超えると活性金属の分散性が低下し、脱硫活性はむしろ低くなる可能性がある。
【0022】本発明の固体超強酸触媒は、焼成安定化処理を行なった後の物性として、担体の酸化ジルコニウム(ZrO2)の結晶構造における単斜晶構造と正方晶構造との存在比率が、単斜晶/正方晶=20/80〜0/100の範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は、10/90〜0/100である。これは、触媒担体としては正方晶構造の方が高活性であり、単斜晶構造の割合が高いと、それにしたがって触媒活性が低くなるためである。酸化ジルコニウム中の単斜晶構造と正方晶構造の存在比は、触媒のX線回折ピークを測定し、CuKα線による2θ=28.2(単斜晶構造の主ピーク)のピークと、2θ=30.2(正方晶構造の主ピーク)とのX線回折ピーク積分強度比をもって算出することができる。
【0023】さらに、本発明の固体超強酸触媒は、所定の焼成安定化処理を行なった後、比表面積が50〜200m2/gの範囲にあることが好ましい。より好ましくは、50〜150m2/gの範囲である。比表面積が50m2/g未満では、担持金属の分散性が低く、水素化脱硫のための活性点も少なくなる。比表面積が低いものは、ジルコニウム酸化物の結晶構造も、単斜晶と正方晶の比率が20/80より大きくなる傾向があり、この観点からも好ましくない。比表面積が低ければ、触媒中の硫酸根の含有量も、イオウ分で1質量%以上を確保することが困難になり、固体超強酸性が発現しない。一方、比表面積が200m2/gを超えるものは、ジルコニウム酸化物の結晶化が進行せず、その中の酸化ジルコニウム正方晶構造の割合が低いレベルであるため、やはり水素化脱硫活性が低い値に止まり、好ましくない。上記の比表面積は、BET法により測定した値を用いる。
【0024】本発明の触媒を製造する方法には特段の限定はなく、硫酸根を与え、またパラジウムを担持させる方法も、順序も任意であるが、好適な具体例を挙げれば次の諸方法であり、そのいずれの方法を用いてもよい。
(1)水酸化ジルコニウム担体にまず硫酸根を含有させ、これを乾燥後、パラジウム金属を含浸担持させ、乾燥・焼成を行ない、続いてアルミナゾル等の無機酸化物を混合して、成形・乾燥・焼成を行なう工程(2)水酸化ジルコニウム担体に、活性金属を先に含浸担持させ、これを乾燥後、硫酸根を含有させ、乾燥・焼成を行ない、つぎにアルミナゾル等の無機酸化物を混合して、成形・乾燥・焼成を行なう工程(3)水酸化ジルコニウム担体にまずパラジウム金属を含浸担持させ、これにアルミナゾル等の無機酸化物を混合し、成形・乾燥・焼成後、硫酸根を含有させて、乾燥・焼成する工程(4)水酸化ジルコニウム担体にまず硫酸根を含有させ、これにアルミナゾル等の無機酸化物を混合し、成形・乾燥・焼成した後、パラジウム金属を含浸担持させて、乾燥・焼成する工程(5)水酸化ジルコニウム担体に硫酸根とパラジウム金属とを同時に担持させ、それを乾燥・焼成後、アルミナゾル等の無機酸化物を混合して、成形・乾燥・焼成する工程(6)水酸化ジルコニウム担体に初めにアルミナゾル等の無機酸化物を混合し、これを成形・乾燥した後、硫酸根を含有させて再度乾燥を行ない、ついでパラジウム金属を含浸担持させてから、乾燥・焼成を行なう工程【0025】パラジウムに加えて第二の金属成分である白金、ルテニウム、レニウム、コバルトまたはモリブデンを使用する場合、その担持は、パラジウムの担持と同様な方法を用いて行なうことができ、焼成安定化処理前であれば、どの段階でこれら金属を導入してもよい。もちろん、パラジウムと同時に導入してもよい。
【0026】以下、上記(1)の製造工程を例にとって、本発明の触媒の製造方法を具体的に説明する。
【0027】まず、ジルコニウムの水酸化物または酸化物からなる担体の素材に対して、硫酸根処理を行なう。この硫酸根処理は、ジルコニウムの水酸化物または酸化物に、水に溶かした硫酸塩を添加して、濾過、乾燥することにより実施する。硫酸根を与える処理剤としては、0.1〜5Nの硫酸、0.1〜10モル濃度の硫酸アンモニウム、硫化水素や亜硫酸ガス等が挙げられるが、好ましいのは、前記のように硫酸や硫酸アンモニウムである。
【0028】硫酸根処理の方法には、含浸法や混練法がある。含浸法は、液体である処理剤を触媒担体に対して1〜10倍当量含浸させ、濾過、乾燥する方法である。乾燥は、たとえば110℃に、1〜24時間加熱する。混練法は、硫酸根処理剤として固体の状態にあるものを、担体と混練して含有させる方法である。混練の手段としては、一般に触媒製造に用いられる混練機であれば、どのようなものを用いてもかまわない。混練の際には、粘度調整剤として液体を加えることもできる。添加する液体としては、水、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤が挙げられる。この場合、硫酸根処理剤と溶媒の添加順序にはとくに制限はなく、混練の温度および時間は、その条件で本発明の触媒が期待される物性をそなえる限り、限定されない。
【0029】次に、硫酸根含有ジルコニアに、パラジウム金属を担持させる。パラジウムは、その塩化金属酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、テトラアミンパラジウム錯体等の水溶液に、担体を浸漬して引き上げ、乾燥することにより含有させることができる。乾燥は、たとえば温度110℃で1〜24時間行なう。別法として、上述の硫酸根処理剤との混練時に、パラジウム金属の塩化物、硫酸物、硝酸物等も混合して、混練によって、金属と硫酸根とを同時に担持させるという手法を選ぶこともできる。
【0030】硫酸根およびパラジウム金属が担持された担体には、焼成安定化処理を施す。焼成安定化処理は、酸化性の雰囲気下、温度が550〜800℃の範囲、好ましくは600〜750℃の範囲で、0.5〜10時間にわたり加熱することにより行なう処理である。焼成温度が550℃未満では、ジルコニウム化合物中に含まれる水酸化ジルコニウムの割合が多くなり、ジルコニウム酸化物中の正方晶の占める割合が少なくなるため、固体酸の性質が発現せず、触媒の水素化脱硫活性が低い。これに対し、800℃を超える高温で加熱処理すると、水酸化物の割合は減少するが、単斜晶の酸化ジルコニウムの占める割合が多くなって、水素化脱硫活性が低くなる。それだけでなく、硫酸根も触媒上から脱離し、触媒中のイオウ分量が1質量%未満になり、固体酸強度が低下してしまう。さらに、パラジウム等の担持金属のシンタリングも起こり、水素化脱硫の活性点が減少する。
【0031】触媒の焼成安定化処理を酸化性雰囲気下で行なう理由は、もし還元性雰囲気下で行なうと、パラジウムなどの金属または金属化合物と硫酸根の結合状態が変化したり、還元分解に起因すると思われる硫酸根の減少によって、触媒活性が低下するからである。
【0032】上述の焼成安定化処理は、パラジウム等の金属を担持する前に行なっても、後に行なってもかまわない。金属を担持する前に行なう場合でも、焼成安定化は、結晶状態が正方晶構造の酸化ジルコニウムが得られる温度である550〜800℃の範囲、さらに好ましくは600〜750℃の範囲で実施し、焼成時間は0.5〜10時間の範囲が好ましい。焼成安定化を先に行なった場合は、つぎにパラジウム等の金属を含浸担持させ、その後、さらに300〜700℃の温度で焼成する安定化処理を行ない、触媒を活性化することもできる。
【0033】このようにして得たパラジウム担持硫酸根含有ジルコニアは、次にバインダーとなるアルミナやシリカ・アルミナと混合して、触媒に成形する。アルミナ原料としては、種々の形態のものが使用できるが、水酸化アルミニウム、ベーマイト、または擬ベーマイトの形態のものが好ましい。シリカ原料としては、シリカゾルが好適である。触媒の製造は、パラジウム担持硫酸根含有ジルコニアと、たとえばアルミナゾルとを混合し、成形、乾燥後、焼成安定化処理を行なうことからなる。あるいは、パラジウム含有硫酸根ジルコニアとベーマイト粉末とを混合し、水その他の媒体を添加して流動性を与えた後、成形処理を行ない、乾燥、焼成によって本発明の触媒を得ることもできる。
【0034】バインダーとしてアルミナを使用する場合は、上記の触媒製造法(1)〜(6)で述べたように、水酸化ジルコニウムにアルミナを混合してから、硫酸根、パラジウム金属等を与える処理を行ない、その後、成形、乾燥、焼成する手順によってもよい。
【0035】触媒の形状にはとくに限定はなく、通常この種の触媒がとり得る種々の形状、たとえば打錠成型や押出成型により得られる円柱状、四葉型等を採用することができる。
【0036】本発明の好ましい態様である、パラジウムに加えて白金、ルテニウム、レニウム、コバルトまたはモリブデンを担持させた触媒の製造は、パラジウムを担持させる方法と同様の手法で実施することができる。すなわち、パラジウムと同時に、または別個に、これらの金属の塩化金属酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、テトラアミン錯体等の水溶液を担体に含浸させ、乾燥することである。前記の硫酸根処理剤との混練時に、これらの金属の塩化物、硫酸物、硝酸物等を混練することにより、硫酸根を与えると同時に、金属を担持させる方法も採用することができる。
【0037】本発明の固体超強酸触媒を用いて水素化脱硫を行なう原料油としては、原油の常圧蒸留装置から留出したライトナフサ、ヘビーナフサ、灯油、軽油等の有機イオウを含有する炭化水素油が適切である。とくに好適な原料油は、ASTM蒸留温度が25〜130℃、好ましくは25〜110℃のライトナフサである。ライトナフサの有機イオウの含有量についていえば、700質量ppm以下、好ましくは10〜500質量ppm程度のものが効果的に脱硫処理できる。
【0038】本発明の触媒を用いた炭化水素油の水素化脱硫反応の条件は、下記のとおりである。
反応温度:50〜350℃、好ましくは100〜280℃水素分圧:1.0〜15MPa、好ましくは1.4〜5MPaLHSV:0.1〜15hr-1、好ましくは1.0〜8hr-1水素/オイル比:50〜1500NL/L、好ましくは100〜1000NL/L【0039】反応温度が50℃より低いと、触媒の活性が低すぎ、一方、350℃以上では炭化水素油の分解が進んで、生成油の収率が低下する。後記する実施例に見るように、100〜200℃の、比較的低い温度で高い脱硫活性を示すことが、この触媒の利点である。そのほかの条件すなわち水素分圧、液空間速度および水素/オイル比は、従来実施されている炭化水素油の脱硫反応の条件と、ほぼ同様である。
【0040】本発明の固体超強酸触媒は、従来の脱硫触媒に対し反応前処理として行なっている予備硫化は必要ないが、それに代えて、触媒活性の安定化、すなわち担持されている金属化合物の金属への還元と強酸点の活性化のために、還元処理を施すことが好ましい。この還元処理は、触媒を水素または不活性ガスの雰囲気下、100〜500℃の温度で1〜24時間乾燥し、次いで、水素ガス雰囲気下で100〜400℃の温度で還元することにより実施することが好ましい。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例1〜17(触媒A〜J,NおよびP〜Tの製造)および比較例1〜5(触媒K*,L*およびO*の製造と、市販触媒U*およびV*)を挙げ、それら触媒を使用した水素化脱硫反応の例を示して、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。(*印は、比較例であることを示す。)
【0042】[実施例1] 触媒A(1)Zr(OH)4の調製市販のオキシ塩化ジルコニウムZrOCl2・8H2Oの1000gを4Lの蒸留水に溶かし、攪拌しながら、そこへ25%アンモニア水NH3aq.を滴下して、水酸化ジルコニウムZr(OH)4を沈殿させた。水溶液のpHが9.0になるように調製し、沈殿した水酸化ジルコニウムを濾過して分離した。濾過後、蒸留水でよく洗浄し、110℃で一昼夜乾燥させ、水酸化ジルコニウム490gを得た。
(2)SO4/Zr(OH)4の調製上記のようにしてオキシ塩化ジルコニウムから調製した水酸化ジルコニウムの400gを1N−硫酸4000gに入れ、30分間攪拌した。攪拌後、濾過して固体分を110℃で一昼夜乾燥し、硫酸根を含有する水酸化ジルコニウムSO4/Zr(OH)4452gを得た。
(3)Pd/SO4/ZrO2の調製塩化パラジウムPdCl21.8gを塩酸に溶かした溶液に、硫酸根を与えた水酸化ジルコニウム190gを入れ、Pd塩を含浸させた。その後、110℃で一昼夜乾燥し、マッフル炉を用いて600℃で3時間焼成することにより、Pd担持硫酸根含有ジルコニア触媒原料(Pd/SO4/ZrO2)135gを得た。
(4)Pd/SO4/ZrO2−Al23上記の操作で得られた触媒原料100gとアルミナゾル60gとを十分混合し、押出成形機を通して直径1.6mmの円柱状に成形し、110℃で一昼夜乾燥した。これを再度600℃に焼成して安定化することにより、触媒Aを109g得た。
【0043】[実施例2] 触媒B実施例1において、塩化パラジウムの代わりに硫酸パラジウム1.9gを用い、硫酸根含有水酸化ジルコニウムを200g用いたほかは、実施例1と同じ条件で含浸、乾燥、成形および焼成を行ない、触媒Bを151g得た。
【0044】[実施例3] 触媒C実施例1において、塩化パラジウムの代わりに硝酸パラジウム1.8gを用い、硫酸根含有水酸化ジルコニウムを166g用いたほかは、実施例1と同じ条件で含浸、乾燥、成形および焼成を行ない、触媒Cを175g得た。
【0045】[実施例4] 触媒D実施例1において、塩化パラジウムの代わりにテトラアミンパラジウムクロライドモノハイドレート2.0gを用い、硫酸根含有水酸化ジルコニウムを139g用いたほかは、実施例1と同じ条件で含浸、乾燥、成形および焼成を行ない、触媒Dを149g得た。
【0046】[実施例5] 触媒E実施例1において、アルミナゾルを30g用いたほかは、実施例1と同じ条件で含浸および乾燥を行ない、打錠成形機を用いて直径3mmのペレットを製造し、これを焼成して触媒Eを得た。
【0047】[実施例6] 触媒F実施例1において、アルミナゾルを90g用いたほかは、実施例1と同じ条件で含浸、乾燥、成形および焼成を行ない、触媒Fを得た。
【0048】[実施例7] 触媒G実施例1において、アルミナゾルを120g用いたほかは、実施例1と同じ条件で、含浸、乾燥、成形および焼成を行ない、触媒Gを得た。
【0049】[実施例8] 触媒H実施例1において、アルミナゾルを54gとし、さらにシリカゾルを6g追加した以外は実施例1と同じ条件で、含浸、乾燥、成形および焼成を行ない、触媒Hを得た。
【0050】[実施例9] 触媒I実施例1において、アルミナゾルを36g、シリカゾルを24g追加し、押出成形機の代わりに打錠成形機を用いた以外は、実施例1と同じ条件で、含浸、乾燥、焼成を行ない、触媒Iを得た。
【0051】[実施例10] 触媒J実施例1において、アルミナゾルを108gとし、さらにシリカゾルを12g追加した以外は、実施例1と同じ条件で、含浸、乾燥、成形および焼成を行ない、触媒Jを得た。
【0052】[比較例1] 触媒K*実施例1において、アルミナの混合をせず、かつ打錠成形機を用いた以外は実施例1と同じ条件で、含浸、乾燥、成形および焼成を行ない、触媒Kを得た。
【0053】[比較例2] 触媒L*実施例1において、塩化パラジウムの代わりに塩化白金1.9gを用い、硫酸根含有水酸化ジルコニウム200gを用いたほかは実施例1と同じ条件で、含浸、乾燥、成形および焼成を行ない、触媒L*を得た。
【0054】上記触媒A〜Lの製造条件と物性とを、表1にまとめて示す。
表 1 触媒の製造条件および物性(その1)
触媒A 触媒B 触媒C 触媒D 担持物質 PdCl2 PdSO4 Pd(N03)2 Pd(NH3)4Cl2焼成条件 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h比表面積(m2/g) 134 133 138.4 132.4イオウ分(質量%) 1.74 1.53 1.81 1.56金属元素分析値(質量%) Pd 0.51 0.45 0.58 0.70ZrO2結晶構造比 単斜晶/正方晶 3.5/96.5 3.7/96.3 4.1/95.9 4.3/95.7無機金属酸化物 アルミナ アルミナ アルミナ アルミナ含有量(質量%) 10 10 10 10触媒形状 1.6mmφ円柱 1.6mmφ円柱 1.6mmφ円柱 1.6mmφ円柱SCS(kg/mm) 0.6 0.5 0.6 0.6細孔容積(ml/g) 0.154 0.151 0.157 0.1531.4〜2.1nmの細孔容積 が占める割合(%) 45.7 44.6 44.7 46.1 【0055】
表 1 触媒の製造条件および物性(その2)
触媒E 触媒F 触媒G 触媒H 担持物質 PdCl2 PdCl2 PdCl2 PdCl2焼成条件 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h比表面積(m2/g) 116.1 146.1 161.0 141.7イオウ分(質量%) 1.83 1.64 1.54 1.63金属元素分析値(質量%) Pd 0.53 0.48 0.44 0.49ZrO2結晶構造比 単斜晶/正方晶 3.5/96.5 3.7/96.3 4.1/95.9 4.3/95.7無機酸化物 アルミナ アルミナ アルミナ シリカアルミナ(10:90)含有量(質量%) 5 15 20 10触媒形状 3mmφヘ゜レット 1.6mmφ円柱 1.6mmφ円柱 1.6mmφ円柱SCS(kg/mm) 0.8 0.6 0.8 0.7細孔容積(ml/g) 0.130 0.178 0.202 0.1701.4〜2.1nmの細孔容 積が占める割合(%) 60.3 36.2 31.0 35.4 【0056】
表 1 触媒の製造条件および物性(その3)
触媒I 触媒J 触媒K* 触媒L* 担持物質 PdCl2 PdCl2 PdCl2 H2PtCl6焼成条件 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h比表面積(m2/g) 119.1 137.2 101.1 132.4イオウ分(質量%) 1.75 1.50 1.92 1.90金属元素分析値(質量%) Pd 0.52 0.46 0.55 − Pt − − − 0.60ZrO2結晶構造比 単斜晶/正方晶 3.5/96.5 3.7/96.3 3.5/96.5 4.3/95.7無機金属酸化物 シリカ・アルミナ(40:60) シリカ・アルミナ(10:90) − アルミナ含有量(質量%) 10 20 0 10触媒形状 3mmφヘ゜レット 1.6mmφ円柱 3mmφヘ゜レット 1.6mmφ円柱SCS(kg/mm) 0.9 0.8 <0.1 0.6細孔容積(ml/g) 0.134 0.160 0.107 0.1581.4〜2.1nmの細孔容 積が占める割合(%) 57.5 40.1 76.8 45.9 比表面積の測定には、日本ベル(株)製の高精度全自動ガス吸着装置「BELSORP 28」を使用した。イオウ分の量は、LECO社のSC−132硫黄分分析計を用いて測定した。
【0057】[実施例11] 触媒M塩化パラジウムPdCl2の1.5gを水20gに入れ、濃塩酸を30cc滴下し超音波を10分間かけて溶解させて第一の溶液を得た。別に、塩化白金酸六水和物H2PtCl6・6H2Oの1.6gを水10gに溶かして、第二の溶液を得た。第一および第二の溶液を混合した液に、実施例1で製造した硫酸根含有水酸化ジルコニウム172.9gを入れ、Pd塩およびPt塩を含浸、担持させた。以下は実施例1の工程(4)と同様にしてアルミナゾルを混合し、成形、乾燥および焼成を行ない、Pd/Pt/SO4/ZrO2−Al23を得た。
【0058】[実施例12] 触媒N塩化パラジウムPdCl2の1.5gを水20gに入れ、濃塩酸を30cc滴下し超音波を10分間かけて溶解させて第一の溶液を得た。別に、塩化白金酸六水和物H2PtCl6・6H2Oの1.6gを水10gに溶かして、第二の溶液を得た。これらの溶液を混合した液に、上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム174.2gを入れ、Pd塩およびPt塩を含浸、担持させた。以下は実施例1の工程(4)と同様にしてアルミナゾルを混合し、成形、乾燥および焼成を行なって、Pd/Pt/SO4/ZrO2−Al23を得た。
【0059】[比較例3] 触媒O*塩化パラジウムPdCl22.2gを水20gに入れ、濃塩酸を30cc滴下し超音波を10分間かけて溶解させて第一の溶液を得た。別に、塩化白金酸六水和物H2tCl6・6H2Oの2.5gを水10gに溶かして第二の溶液を得た。これらの溶液を混合した液に、実施例1で製造した硫酸根含有水酸化ジルコニウム170gを入れて、Pd塩およびPt塩を含浸させた。以下は実施例1と同様に乾燥および焼成を行なって、Pd/Pt担持硫酸根含有ジルコニアPd/Pt/SO4/ZrO2を得た。得られたPd/Pt担持硫酸根含有ジルコニア100gにアルミナゾル210gを混合し、押出成形後、110℃で一昼夜乾燥を行ない、次に600℃で3時間焼成して、Pd/Pt/SO4/ZrO2−Al23を得た。
【0060】[実施例13] 触媒P塩化パラジウムPdCl21.5gを水20gに入れ、濃塩酸を30cc滴下し超音波を10分間かけて溶解させて第一の溶液を得た。別に、酸化レニウムRe271.2gを水10gに溶かして、第二の溶液を得た。これらの溶液を混合して得た液に、上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム170.0gを入れ、Pd塩およびRe塩を含浸させた。以下は実施例1の工程(4)と同様にしてアルミナを混合し、成形、乾燥および焼成を行なって、Pd/Re/SO4/ZrO2−Al23を得た。
【0061】[実施例14] 触媒Q塩化パラジウムPdCl21.5gを水20gに入れ、濃塩酸を30cc滴下し超音波を10分間かけて溶解させ、第一の溶液を得た。別に、塩化ルテニウムRuCl31.9gを水10gに溶かして、第二の溶液を得た。これらの溶液を混合した液に上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム171.1gを入れ、Pd塩およびRu塩を含浸させた。以下は実施例1の工程(4)と同様にして成形、乾燥および焼成を行なって、Pd/Ru/SO4/ZrO2−Al23を得た。
【0062】[実施例15] 触媒R塩化パラジウムPdCl21.5gを水20gに入れ、濃塩酸を30cc滴下し超音波を10分間かけて溶解させ、第一の溶液を得た。別に、塩化ルテニウムRuCl32.2gを水10gに溶かして、第二の溶液を得た。これらの溶液を混合した液に上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム169.5gを入れ、Pd塩およびRu塩を含浸させた。以下は実施例1の工程(4)と同様にして成形、乾燥および焼成を行なって、Pd/Ru/SO4/ZrO2−Al23を得た。
【0063】[実施例16] 触媒S塩化パラジウムPdCl21.5gを水20gに入れ、濃塩酸を30cc滴下し超音波を10分間かけて溶解させて、第一の溶液を得た。これと別に、硝酸コバルト6水和物Co(NO3)2・6H2Oの4.5gを水10gに溶かした、第二の溶液を用意した。二つの溶液を混合した液に、上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム170.9gを入れ、Pd塩およびCo塩を含浸させた。以下は実施例1の工程(4)と同様にして成形、乾燥および焼成を行なって、Pd/Co/SO4/ZrO2−Al23を得た。
【0064】[実施例17] 触媒T塩化パラジウムPdCl21.5gを水20gに入れ、濃塩酸を30cc滴下し超音波を10分間かけて溶解させ、第一の溶液を得た。別に、パラモリブデン酸アンモニウム(NH46Mo724・4H2Oの1.7gを水10gに溶かして、第二の溶液を得た。二つの溶液を混合した液に、上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム170.4gを入れ、Pd塩およびMo塩を含浸させた。以下は実施例1の工程(4)と同様にして成形、乾燥および焼成を行なって、Pd/Mo/SO4/ZrO2−Al23を得た。
【0065】[比較例4]アルミナを担体とするCo−Mo系の、市販脱硫触媒U*を用いた。
【0066】[比較例5]アルミナを担体とするCo−Mo系の、市販脱硫触媒V*を用いた。
【0067】実施例11〜17および比較例3の触媒の製造条件および物性を、表2にまとめて示す。
表 2 触媒の製造条件および物性(その4)
触媒M 触媒N 触媒O* 触媒P担持物質 PdCl2/H2PtCl6 PdCl2/H2PtCl6 PdCl2/H2PtCl6 PdCl2/Re2O3焼成条件 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h比表面積(m2/g) 149 144.9 191.1 143.5イオウ分(質量%) 1.96 1.90 1.64 1.84金属元素分析値(質量%) Pd 0.47 0.98 0.52 0.48 Pt 0.43 0.49 0.49 − Re − − − 0.48ZrO2結晶構造比 単斜晶/正方晶 4.0/96.0 3.5/96.5 3.5/96.5 3.6/96.4無機酸化物 アルミナ アルミナ アルミナ アルミナ含有量(質量%) 10 10 35 10触媒形状 1.6mmφ円柱 1.6mmφ円柱 1.6mmφ円柱 1.6mmφ円柱SCS(kg/mm) 0.6 0.6 1.0 0.6細孔容積(ml/g) 0.156 0.160 0.245 0.1531.4〜2.1nmの細孔容 45.5 44.4 22.7 46.7 積が占める割合(%) 【0068】
表 2 触媒の製造条件および物性(その5)
触媒Q 触媒R 触媒S 触媒T 担持物質 PdCl2/RuCl3 PdCl2/RuCl3 PdCl2/Co(NO3) PdCl2/(NH4)6Mo723焼成条件 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h 600℃×3h比表面積(m2/g) 144 141.5 140.0 144.6イオウ分(質量%) 2.11 2.04 1.74 1.64金属元素分析値(質量%) Pd 0.47 0.46 0.49 0.52 Ru 0.49 1.01 − − Co − − 0.49 − Mo − − − 0.49ZrO2結晶構造比 単斜晶/正方晶 5.5/94.5 4.6/95.4 3.6/96.4 3.1/96.9無機酸化物 アルミナ アルミナ アルミナ アルミナ含有量(質量%) 10 10 10 10触媒形状 1.6mmφ円柱 1.6mmφ円柱 1.6mmφ円柱 1.6mmφ円柱SCS(kg/mm) 0.5 0.6 0.6 0.6細孔容積(ml/g) 0.155 0.151 0.158 0.1541.4〜2.1nmの細孔容 46.6 44.3 47.0 45.5 積が占める割合(%) 【0069】[触媒使用例] 炭化水素油の水素化脱硫評価方法触媒充填容量が15mlの固定床流通式反応器に触媒を充填し、原料炭化水素油として未洗ライトナフサを供給して、表3の条件で水素化脱硫反応を行なうことにより、SCSが0.5kg/mm未満の触媒Kを除いた触媒A〜JおよびL〜Tの脱硫活性を評価した。充填に先だって、各触媒は、16〜28meshに粉砕した。比較例4および5の市販脱硫触媒は、前処理としての予備硫化を行なわず、そのまま脱硫反応に使用した。
【0070】
表 3 水素化脱硫反応の条件 反応条件 反応温度 : 160℃ 水素分圧 : 3.0MPa 液空間速度 : 1hr-1 水素/オイル比: 300NL/L 原料 : 未洗ライトナフサ(S量は384質量ppm)
原料油の性状 密度 g/cm3(15℃) 0.6534 蒸留性状 IBP ℃ 29.5 5%留出温度 ℃ 39.5 10%留出温度 ℃ 40.5 50%留出温度 ℃ 49.0 70%留出温度 ℃ 54.5 90%留出温度 ℃ 63.5 95%留出温度 ℃ 66.5 EP ℃ 98.5 イオウ分 質量ppm 384 飽和分 容積% 98.53 不飽和分 容積% 0.07 芳香族分 容積% 1.40 【0071】水素化脱硫反応の結果を、使用触媒とともに表4に示す。
表 4 ライトナフサの水素化脱硫反応の結果 触 媒 組 成 脱硫率(%) 実施例1の触媒A Pd/SO4/ZrO2Al2O3 97.2 実施例2の触媒B Pd/SO4/ZrO2Al2O3 96.8 実施例3の触媒C Pd/SO4/ZrO2Al2O3 96.5 実施例4の触媒D Pd/SO4/ZrO2Al2O3 96.0 実施例5の触媒E Pd/SO4/ZrO2Al2O3 98.5 実施例6の触媒F Pd/SO4/ZrO2Al2O3 97.0 実施例7の触媒G Pd/SO4/ZrO2Al2O3 95.0 実施例8の触媒H Pd/SO4/ZrO2Al2O3SiO2 96.7 実施例9の触媒I Pd/SO4/ZrO2Al2O3SiO2 97.4 実施例10の触媒J Pd/SO4/ZrO2Al2O3SiO2 95.9 実施例11の触媒M Pd/Pt/SO4/ZrO2Al2O3 98.5 実施例12の触媒N Pd/Pt/SO4/ZrO2Al2O3 98.9 実施例13の触媒P Pd/Re/SO4/ZrO2Al2O3 98.7 実施例14の触媒Q Pd/Ru/SO4/ZrO2Al2O3 98.5 実施例15の触媒R Pd/Ru/SO4/ZrO2Al2O3 98.1 実施例16の触媒S Pd/Co/SO4/ZrO2Al2O3 98.5 実施例17の触媒T Pd/Mo/SO4/ZrO2Al2O3 98.8 比較例2の触媒L* Pt/SO4/ZrO2Al2O3 33.3 比較例3の触媒O* Pd/Pt/SO4/ZrO2Al2O3 63.7 比較例4の市販脱硫触媒U* Co−Mo系 50.8 比較例5の市販脱硫触媒V* Co−Mo系 46.0 【0072】以上のデータから、本発明に従う触媒を使用した実施例1〜17においては、いずれも95%以上の高い脱硫率が達成できたことがわかる。本発明の触媒の構成要件である、パラジウムを担持していない比較例2(触媒L*)、および1.4〜2.1nmの細孔径を有する細孔容積の割合が30〜70%、を満たさない比較例3(触媒O*、22.7%)は、脱硫率が63.7%であって、実施例の脱硫率よりも低い。
【0073】市販のCo−Mo系の脱硫触媒を使用した比較例4および5は、反応前処理としての予備硫化をせずに脱硫反応を行なった結果であって、実施例と比較すると、脱硫率はともに約50%と低い。
【0074】
【発明の効果】本発明に従う特定の物性を有する固体酸触媒は、これを使用して炭化水素油の水素化脱硫を行なうことにより、炭化水素油中に含まれているイオウ分を効率よく低減することができる。従来の脱硫触媒では、反応前処理として予備硫化が必須であったのに対して、本発明の触媒では前処理の必要がなく、直接使用しても高い脱硫活性を発揮する。また、本発明の触媒は、上記実施例に挙げた160℃という比較的低い温度でも、高い脱硫活性を示す。このように、本発明の触媒は炭化水素化油の水素化脱硫に適用したとき、工業的に有利に水素化脱硫を実施することを可能にする。




 

 


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