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発明の名称 深度脱硫触媒、その製造方法及びそれを用いた脱硫方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−62297(P2001−62297A)
公開日 平成13年3月13日(2001.3.13)
出願番号 特願平11−242106
出願日 平成11年8月27日(1999.8.27)
代理人 【識別番号】100095599
【弁理士】
【氏名又は名称】折口 信五
【テーマコード(参考)】
4G069
4H029
【Fターム(参考)】
4G069 AA08 AA09 AA12 AA14 AA15 BA01A BA01B BB06A BB06B BC16A BC16B BC35A BC35B BC68A BC68B BD01A BD01B CC02 EC02X EC02Y EC03X EC03Y FB08 FC04 FC07 
4H029 CA00 DA00
発明者 與語 智之 / 鈴木 崇 / 吉成 知博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】ニッケル及び酸化ニッケルのニッケル成分、酸化亜鉛及び酸化アルミニウムからなり、ニッケル成分の酸化ニッケル換算含有量と、酸化亜鉛含有量及び酸化アルミニウム含有量の合計量に対し、ニッケル成分の含有量が酸化ニッケル換算で5〜25重量%、酸化亜鉛の含有量が30〜70重量%であり、360℃で水素還元後、常圧、40℃での一酸化窒素吸着量が標準状態換算で4.0ml/g以上であり、比表面積が10〜300m2/gであることを特徴とする灯油相当鉱油の深度脱硫触媒。
【請求項2】水素存在下、温度が200〜400℃、圧力が常圧〜20kg/cm2,Gの範囲内で活性化処理して得られることを特徴とする請求項1記載の深度脱硫触媒。
【請求項3】水溶性ニッケル金属塩および水溶性亜鉛金属塩の各水溶液又は混合水溶液に、塩基性物質を混合して沈澱物を別個もしくは同時に生成させ、この沈殿物と酸化アルミニウムもしくは酸化アルミニウム前駆体を混合、成型および焼成することにより得られることを特徴とする請求項1記載の深度脱硫触媒の製造方法。
【請求項4】請求項1又は2記載の深度脱硫触媒の存在下、灯油相当鉱油と水素を温度が200〜400℃、圧力が1〜20kg/cm2,G、LHSVが0.1〜5の条件で、接触させることを特徴とする深度脱硫方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、灯油相当鉱油の深度脱硫触媒、その製造方法及びその触媒を用いた深度脱硫方法に関し、特に水蒸気改質反応に共する灯油相当鉱油の前処理行程としての深度脱硫に使用できる深度脱硫触媒、その製造方法及びその触媒を用いた深度脱硫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素製造方法には、古くは水の電気分解が知られ、最近では軽質炭化水素の部分酸化、オートサーマルリフォーミング(ATR)等々の方法が提案されているが、小型水素製造装置や、燃料電池システムに対し、取り扱い性が優れ、比較的安価な水素製造方法として、水蒸気改質法が適している。一般に水蒸気改質触媒は硫黄化合物によって被毒されやすいため、原料炭化水素はあらかじめ脱硫(前処理)する事が必要である。従って、これまでは、硫黄分の含有量が少ない、もしくは脱硫が容易なナフサより軽質な炭化水素が主として用いられてきた。しかしながら、ナフサ等の炭化水素は一般に広く流通しておらず、小型水素製造設備や燃料電池システムの水素発生設備を所有する小口需要家にとっては流通面での問題を有している。また、揮発性に富むなどの取り扱い性に問題があると言われている。
【0003】最近、環境保全の観点から、クリーンなエネルギーに対する期待が高くなり、流通性、取り扱い性、経済性に優れた原燃料からの水素製造技術が待たれている。水蒸気改質触媒は容易に被毒されるため数百ppb以下に脱硫することが求められるが、灯油相当の鉱油には芳香族系の硫黄化合物、いわゆる難脱硫性化合物を含むため深度脱硫を行うことは極めて難しい。とりわけ、小型の水素製造設備や燃料電池システムにおいては、装置の小型化が不可欠であるため、水素精製ユニットを無くす場合もあり得る。従って、脱硫の際に用いる水素の中に二酸化炭素等が含まれるケースも想定した触媒設計が必要になる。二酸化炭素が存在した場合には、脱硫反応の他に、これらのメタン化反応が進行するため反応熱によって温度制御が困難になるなどの問題が生ずる可能性が高くなる恐れが高くなる。また、脱硫率を高めた運転条件で従来の触媒を使用して、灯油相当の鉱油を数百ppbレベルに脱硫できた場合でも、灯油の変質(黄変等)の可能性、触媒の粉化、下流側への硫化水素溢出、反応圧が高い事等の問題を有しており、機器構成の簡略化、長期間安定運転を視野に入れた、さらに高性能な脱硫触媒開発が望まれているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、比較的低圧条件下で、炭酸ガスを含有する水素を用いてもメタン化反応を抑制し、灯油相当鉱油を変質を起こさずに0.1wt.ppm(=100wt.ppb)以下に深度脱硫でき、かつ長期間安定運転のできる活性及び強度を有する深度脱硫触媒、その製造方法並びにそれを用いた深度脱硫方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、水溶性ニッケル金属塩および水溶性亜鉛金属塩を原料とし、塩基溶液中にて沈殿させる行程、酸化アルミニウムもしくは酸化アルミニウム前駆体を混合する工程および焼成工程を経て得られる、特定量のニッケルまたは酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを含有し、360℃で水素還元後、常圧、40℃での一酸化窒素吸着量が特定量であり、特定範囲の比表面積を有する触媒を用いることにより、灯油相当鉱油を硫黄分を0.1ppm以下まで深度脱硫できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、ニッケル及び酸化ニッケルのニッケル成分、酸化亜鉛及び酸化アルミニウムからなり、ニッケル成分の酸化ニッケル換算含有量と、酸化亜鉛含有量及び酸化アルミニウム含有量の合計量に対し、ニッケル成分の含有量が酸化ニッケル換算で5〜25重量%、酸化亜鉛の含有量が30〜70重量%であり、360℃で水素還元後、常圧、40℃での一酸化窒素吸着量が標準状態換算で4.0ml/g以上であり、比表面積が10〜300m2/gであることを特徴とする灯油相当鉱油の深度脱硫触媒を提供するものである。
【0006】また、本発明は、上記深度脱硫触媒において、水素存在下、温度が200〜400℃、圧力が常圧〜20kg/cm2,Gの範囲内で活性化処理して得られることを特徴とする深度脱硫触媒を提供するものである。また、本発明は、水溶性ニッケル金属塩および水溶性亜鉛金属塩の各水溶液又は混合水溶液に、塩基性物質を混合して沈澱物を別個もしくは同時に生成させ、この沈殿物と酸化アルミニウムもしくは酸化アルミニウム前駆体を混合、成型および焼成することにより得られることを特徴とする上記の深度脱硫触媒の製造方法を提供するものである。さらに、本発明は、上記の深度脱硫触媒の存在下、灯油相当鉱油と水素を温度が200〜400℃、圧力が1〜20kg/cm2,G、LHSVが0.1〜5の条件で、接触させることを特徴とする深度脱硫方法を提供するものである。以下に、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】<触媒組成>本発明の深度脱硫触媒はニッケルおよび酸化ニッケルのニッケル成分と、酸化亜鉛および酸化アルミニウムの3成分から構成される。ニッケル成分の含有量は、ニッケル成分の酸化ニッケル換算含有量と、酸化亜鉛含有量及び酸化アルミニウム含有量の合計量に対し、酸化ニッケル換算で5〜25重量%の範囲であり、5〜20重量%の範囲が好ましく、10〜18重量%の範囲が特に好ましい。ニッケル成分は、灯油相当鉱油(以下灯油と略記)に含まれる硫黄化合物と水素を反応させ硫化水素に変換させる役割を果たすもので、5重量%未満では脱硫性能が劣る、また25重量%を超えるとニッケル成分の分散性が低下し、触媒性能が充分発揮されなくなる可能性が高くなる。酸化亜鉛の含有量は、ニッケル成分の酸化ニッケル換算含有量と、酸化亜鉛含有量及び酸化アルミニウム含有量の合計量に対し、30〜70重量%の範囲であり、40〜70重量%の範囲が好ましく、50〜70重量%の範囲が特に好ましい。酸化亜鉛は、ニッケルの酸化状態を程良く維持しかつ、発生する硫化水素を捕捉する役割を持っている。従って、30重量%未満ではこれらの性能が充分発揮できず、メタン化の抑制や、硫化水素の溢出の抑制が不充分となる恐れがある。また、70重量%を超えた場合には、ニッケル成分および後述のアルミニウム成分量との兼ね合いから、触媒性能が充分発揮されない。
【0008】酸化アルミニウムは、比表面積を高め、触媒(活性点)と灯油および水素との接触を円滑にする(触媒有効係数の向上)作用と、強度を維持する作用を持つ。酸化アルミニウムの含有量は、ニッケル成分の酸化ニッケル換算含有量と、酸化亜鉛含有量及び酸化アルミニウム含有量の合計量に対し、5〜65重量%の範囲が好ましく、10〜65重量%の範囲がより好ましく、20〜50重量%の範囲が最も好ましい。5重量%未満では、充分な強度や触媒有効係数が得られなくなる恐れが高く、65重量%を超えるとニッケル成分や酸化亜鉛の含量が少なくなりすぎ、触媒性能が充分発揮されない。また、本発明の深度脱硫触媒では、触媒50〜500mgに水素を通気しながら360℃で2時間水素還元した触媒の40℃における一酸化窒素吸着量が標準状態換算(standard temperature and pressure, stp)で4ml/g以上であり、4.0〜7.0ml/gが好ましく、5.0〜6.7ml/gが特に好ましい。4ml/g未満では充分な脱硫活性は得難い。一酸化窒素吸着量は脱硫触媒の活性点量を示すものと考えて良い。触媒作用状態が金属状態(metallic state)であるならば、一酸化炭素をプローブ(prove molecule)に選択するのが理にかなっているが、本発明の触媒のように、酸化状態の特定が困難なものについては、比較的酸化状態の高い活性点に対しても吸着能を有する一酸化窒素をプローブに選択する方が、より実際的である(たとえば、鈴木、吉澤ら、日本エネルギー学会誌74巻、806頁、1995年)。比表面積は、10〜300m2/gの範囲であり、30〜250m2/gの範囲がより好ましく、40〜200m2/gの範囲が最も好ましい。
【0009】<触媒の調製方法>触媒調製方法は含浸法、沈殿法、共沈法、混練法など各種方法を採用できるが、本触媒の性能を充分発揮しやすい方法として沈殿法や共沈法が最も好ましい。好適な触媒の調整方法としては、水溶性ニッケル金属塩および水溶性亜鉛金属塩の各水溶液又は混合水溶液に、塩基性物質を混合して沈澱物を別個もしくは同時に生成させ、この沈殿物と酸化アルミニウムもしくは酸化アルミニウム前駆体を混合、成型および焼成することにより得られることを特徴とする上記の深度脱硫触媒の製造方法が挙げられる。好適な触媒の調整方法の態様としては、たとえば水溶性亜鉛塩、水溶性ニッケル塩の混合水溶液を調製し、これに塩基性物質としてアルカリ性水を滴下し、得られた沈殿物を充分均一に混合し、これに酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム前駆体を混合し、成型および焼成する方法がある。
【0010】また、水溶性亜鉛塩と水溶性ニッケル塩の各水溶液にそれぞれ塩基性物質としてアルカリ性水を滴下し、得られた沈殿物を、充分均一に混合し、これに酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム前駆体を混合し、成型および焼成すればよい。なお、ニッケル沈殿物、亜鉛沈殿物と同等な組成物が入手可能であればそれらと酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム前駆体を充分混合し、成型および焼成することによっても同等の性能が得られる。水溶性ニッケル塩としては、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケルなど、入手容易なものを使用すればよい。水溶性亜鉛塩としては、硝酸亜鉛、硼酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等の無機亜鉛、や有機亜鉛を適宜使用できる。酸化アルミニウムとしては、γ−アルミナが最も好ましく、比表面積は100〜350m2/gが好ましく、150〜300m2/gがより好ましく、180〜250m2/gが最も好適である。粒子サイズは100meshの篩を通過するものが好ましく、150meshの篩を通過するものがより好ましく、180〜200meshの篩を通過するものが最も取り扱いやすい。
【0011】酸化アルミニウム前駆体は、焼成することにより酸化アルミニウムになるものであればよく、具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシドなどが挙げられる。なお、アルミニウムイソプロポキシドは、エチレングリコール等の溶媒に溶解し、酸もしくは塩基を触媒として、加水分解および重縮合させ、さらに焼成することにより、酸化アルミニウムにすることができる(アルコキシド法)。酸化アルミニウム前駆体としては、水酸化アルミニウムを好ましく使用できる。粒子サイズは100meshの篩を通過するものが好ましく、150meshの篩を通過するものがより好ましく、180〜200meshの篩を通過するものが最も取り扱いやすい。成型方法は押し出し成型(extruding)、 打錠成型、プレス成形など公知の方法を好ましく選択できる。形状は円柱状、ラシヒリング状、中空状、球状など反応器や操作条件に相応しい形状を選択することが可能である。打錠成型時に、バインダーとしての有機物、無機化合物を添加することが可能である。
【0012】塩基性物質としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属などの塩化物、硫酸塩、炭酸塩など、アンモニア、有機アミンなどが挙げられ、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどの塩基性炭酸塩や、アンモニアなどが好ましく、炭酸アンモニウムおよびアンモニアがより好ましく、炭酸アンモニウムおよびアンモニアの併用が特に好ましい。炭酸アンモニウムおよびアンモニアを併用する場合、それらの使用割合は、1:9〜9:1の範囲が好ましく、2:8〜8:2の範囲が特に好ましい。塩基性物質は、水溶性ニッケル金属塩および水溶性亜鉛金属塩の各水溶液又は混合水溶液にそのまま添加してもよいし、塩基性物質を水溶液にして添加してもよいが、塩基性物質を水溶液にして添加することが好ましい。沈殿物は、酸化アルミニウム又は酸化アルミニウム前駆体と混合する前に、乾燥したほうが好ましい。乾燥方法は、特に制限なく、種々の乾燥方法が適用できる。乾燥温度も特に制限ないが、80〜140℃の範囲が好ましい。乾燥時間は1〜24時間が好ましい。焼成温度は、320〜520℃が好ましく、320〜400℃がより好ましく350〜400℃が最も好ましい。焼成温度がこれ未満では強度が不足する傾向が見られ、焼成温度が高すぎた場合には、焼結等の悪影響が著しくなる傾向が懸念される。焼成時間は、特に制限ないが、通常0.1〜24時間であればよい。
【0013】<脱硫方法>本発明の触媒は、固定床(fixed bed)反応器に充填し、温度200〜400℃、好ましくは220〜350℃、最も好ましくは240〜330℃、LHSV(liquid hourly space velocity)0.1〜5 vol/vol h-1, 好ましくは0.5〜4vol/vol h-1、より好ましくは0.5〜3vol/vol h-1、圧力1〜20kg/cm2,G、好ましくは1〜15kg/cm2,G、より好ましくは1〜10kg/cm2,Gである。水素/灯油の標準状態換算値での容積比は30〜300、好ましくは40〜200、最も好ましくは50〜150である。上述の条件で灯油を脱硫することにより、変質を伴わず0.1ppm以下に深度脱硫できる。なお、水素には炭酸ガスを含有していても灯油相当鉱油を脱硫することができる。炭酸ガスの許容濃度は30vol%以下であり、25vol%以下がより好ましく、15vol%以下がさらに好ましい。炭酸ガス含有量がこの範囲を超えた場合には、相対的に水素分圧が低下するため脱硫率が低下する傾向が見られる。
【0014】実際に本発明の触媒及び脱硫方法によって得られる深脱灯油は無色透明である。反応温度がこれ未満では所定の脱硫性能が得られなくなる。また範囲を超過した場合には灯油の変質、副生成物を生ずる恐れがあり好ましくない。LHSVの下限は特に無いが、上記範囲未満では、時間あたりの脱硫効率が低くなり経済的な意味を失う可能性から好ましくなく、これを超過した場合には、脱硫性能が低下する。圧力に関しては、上限の制限はないが、建設、製造コストなどから20kg/cm2,Gが実質的な上限である。下限値未満では、水素分圧が低くなりすぎるため、所望の脱硫性能が発揮できない。水素/灯油容積比が下限値未満では時間あたりの通油量が制限される可能性が高くなり、これを超過させた場合には未反応水素が多くなり過ぎたり、機器が大型化するため技術的な優位性が無くなる可能性がある。本発明の触媒は、水素雰囲気下に置かれれば、所定性能を示すが、脱硫処理に先だって還元処理を行うことがより望ましい。あらかじめ還元処理を行うことで、脱硫反応の初期から安定した触媒活性を得ることが出来る。これを省略すると活性が定常域に達するまで時間を要す場合がある。活性化処理(水素還元処理)条件としては、温度200〜400℃、好ましくは300〜400℃、最も好ましくは330〜380℃である。これ未満では充分な活性化が行われないため、前処理する意味が無くなる。これを超過すると、触媒の焼結(sintering)や還元超過によるメタン化の誘発が考えられるため好ましくない。圧力は常圧〜20kg/cm2,G、好ましくは常圧〜15kg/cm2,G、最も好ましくは常圧〜10kg/cm2,Gである。通常は、脱硫時と同じ圧力で行えば問題ない。水素通気量は特に限定されないGHSV(gas hourlyspace velocity)で100〜9000vol/vol h-1の範囲で適宜行えばよい。還元時間は触媒量、反応器の形などにより一概には決まらないが、1〜24時間である。本発明の触媒より深度脱硫できる灯油相当鉱油は、灯油に相当する鉱油であれば特に制限ないが、灯油相当鉱油の性状としては、引火点は40℃以下が好ましく、蒸留性状は95%留出温度が270℃以下が好ましく、硫黄分は0.008重量%以下が好ましく、芳香族分は20vol%以下が好ましい。
【0015】
【実施例】本発明を実施例により、さらに詳細に述べ、具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例によって限定されるものではない。実施例を示す前に、物性等の機器分析手法をまとめて示す。
<一酸化窒素吸着量の測定>一酸化窒素吸着量の測定には大倉理研社製自動ガス吸着装置(R6015型)を用いた。試料50〜500mgを精秤し、これを石英製もしくは硼珪酸ガラス(通称パイレックスガラス)製のU字型試料管に入れ、高純度ヘリウムを通気させて空気をパージした後、水素を通気させながら室温から360℃まで、約1時間かけて昇温させた。360℃に到達後2時間水素気流下で保持し、その後再び高純度ヘリウムガスを通気しながら、40℃まで1時間〜2時間かけて冷却した。同温度で高純度一酸化窒素(高千穂化学製、Research Grade)の一定量(0.1ml)を試料上に通気させ、未吸着の一酸化窒素量を熱伝導度型検出器(Thermal Conductivity Detector, TCD)で定量し、40℃の吸着量を標準状態(standard temperatureand pressure, STP)換算して算出した。
【0016】<触媒の比表面積測定>BET比表面積(Braunauer-Emmett-Tailor specific surface area)の測定には、ベルジャパン社製表面積測定装置(Belsorp 28SA)を用いた。試料500〜1000mgを精秤し、これを石英製の試料管に充填し、10−1〜10−3mmHg台に減圧しながら室温から300℃まで1時間かけて昇温し、減圧下、同温度で2時間保持して脱気処理を行った。その後、減圧しながら室温まで降温させ、高純度ヘリウムガスで置換し、脱気後の試料重量を精秤した。この後、液化窒素温度(-196℃)で窒素吸着を行い、比表面積を測定した。
<硫黄分測定>製品中の硫黄分測定はラネーニッケル法(検出下限値0.1wt.ppm)により、下流側への硫化水素の溢出しの有無の確認には、北川式検知管によった(下限値0.1wt.ppm)。
【0017】<実施例1>硝酸ニッケル6水和物5.8gと酢酸亜鉛2水和物24.3gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、この溶液に10wt%の炭酸アンモニウムと15wt%アンモニア水を加えて、亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得た。この沈殿物を濾過および水洗後、120℃で12時間乾燥させた。得られた沈殿物にγ−アルミナ粉末19.5gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、510℃で24時間焼成して酸化ニッケル5wt%、酸化亜鉛30wt%、酸化アルミニウム65wt.%の触媒Aを得た。触媒Aの比表面積は248m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)4.0ml/gだった。触媒A10gを精秤し、温度400℃、圧力1kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度400℃、圧力1kg/cm2,G、LHSV0.1 vol/vol h−1 で市販白灯油(コスモ石油製、1号灯油、硫黄分50wt.ppm)を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は300とした。なお、脱硫時には炭酸ガス15vol%を含む水素を用いた。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.1wt.ppm以下、また深度脱硫灯油は無色透明であった。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出は認められず、また、メタンの発生は殆ど無かった。反応終了後に触媒を取り出した結果ひび割れは認められなかった。
【0018】<実施例2>酢酸ニッケル4水和物10.0gと硝酸亜鉛6水和物43.9gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。得られた沈殿物にγ−アルミナ粉末15gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、400℃で24時間焼成して酸化ニッケル10wt%、酸化亜鉛40wt%、酸化アルミニウム50wt.%の触媒Bを得た。触媒Bの比表面積は225m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)4.8ml/gだった。触媒B10gを精秤し、温度380℃、圧力10kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度350℃、圧力10kg/cm2,G、LHSV0.5 vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は200とした。なお、脱硫時には炭酸ガス20vol%を含む水素を用いた。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.1wt.ppm以下、また深度脱硫灯油は無色透明であった。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出は認められず、また、メタンの発生は殆ど無かった。反応終了後に触媒を取り出した結果ひび割れは認められなかった。
【0019】<実施例3>硝酸ニッケル6水和物17.5gと硝酸亜鉛6水和物65.8gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。得られた沈殿物に水酸化アルミニウム粉末11.5gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、370℃で24時間焼成して酸化ニッケル15wt%、酸化亜鉛60wt%、酸化アルミニウム25wt.%の触媒Cを得た。触媒Cの比表面積は188m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)5.8ml/gだった。触媒C10gを精秤し、温度360℃、圧力8kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度330℃、圧力8kg/cm2,G、LHSV2 vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は150とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.1wt.ppm以下、また深度脱硫灯油は無色透明であった。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出は認められず、反応終了後に触媒を取り出した結果ひび割れは認められなかった。
【0020】<実施例4>硝酸ニッケル6水和物21.0gと硝酸亜鉛6水和物18.0gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。得られた沈殿物にγ−アルミニウム粉末6.6gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、330℃で24時間焼成して酸化ニッケル18wt%、酸化亜鉛60wt%、酸化アルミニウム22wt.%の触媒Dを得た。触媒Dの比表面積は183m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)6.3ml/gだった。触媒D10gを精秤し、温度360℃、圧力8kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度330℃、圧力8kg/cm2,G、LHSV2.5vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は100とした。なお、脱硫時には炭酸ガス25vol%を含む水素を用いた。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.1wt.ppm以下、また深度脱硫灯油は無色透明であった。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出は認められず、また、メタンの発生は殆ど無かった。反応終了後に触媒を取り出した結果ひび割れは認められなかった。
【0021】<実施例5>酢酸ニッケル4水和物15.0gと硝酸亜鉛6水和物54.8gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。得られた沈殿物に水酸化アルミニウム粉末16.1gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、350℃で24時間焼成して酸化ニッケル15wt%、酸化亜鉛50wt%、酸化アルミニウム35wt.%の触媒Eを得た。触媒Eの比表面積は203m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)6.1ml/gだった。触媒E10gを精秤し、温度330℃、圧力15kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度240℃、圧力15kg/cm2,G、LHSV3.0vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は100とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.1wt.ppm以下、また深度脱硫灯油は無色透明であった。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出は認められず、反応終了後に触媒を取り出した結果ひび割れは認められなかった。
【0022】<実施例6>酢酸ニッケル4水和物20.0gと酢酸亜鉛2水和物56.6gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。得られた沈殿物に水酸化アルミニウム粉末4.6gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、400℃で24時間焼成して酸化ニッケル20wt%、酸化亜鉛70wt%、酸化アルミニウム10wt.%の触媒Fを得た。触媒Fの比表面積は165m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)6.7ml/gだった。触媒F10gを精秤し、温度300℃、圧力20kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度220℃、圧力20kg/cm2,G、LHSV4.0vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は40とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.1wt.ppm以下、また深度脱硫灯油は無色透明であった。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出は認められず、反応終了後に触媒を取り出した結果ひび割れは認められなかった。
【0023】<実施例7>酢酸ニッケル4水和物24.9gと酢酸亜鉛2水和物56.6gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。得られた沈殿物にγ−アルミナ粉末1.5gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、400℃で24時間焼成して酸化ニッケル25wt%、酸化亜鉛70wt%、酸化アルミニウム5wt.%の触媒Gを得た。触媒Gの比表面積は158m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)6.9ml/gだった。触媒G10gを精秤し、温度200℃、圧力20kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度200℃、圧力20kg/cm2,G、LHSV5.0vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は50とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.1wt.ppm以下、また深度脱硫灯油は無色透明であった。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出は認められず、反応終了後に触媒を取り出した結果ひび割れは認められなかった。
【0024】
【表1】

【0025】<比較例1>硝酸ニッケル6水和物3.5gと酢酸亜鉛2水和物56.6gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に、10wt%の炭酸アンモニウムと15wt%アンモニア水を加えて、亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得た。この沈殿物を濾過および水洗後、120℃で12時間乾燥させた。得られた沈殿物にγ−アルミナ粉末8.1gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、510℃で24時間焼成して酸化ニッケル3wt%、酸化亜鉛70wt%、酸化アルミニウム27wt.%の触媒aを得た。触媒aの比表面積は191m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)3.3ml/gだった。触媒a10gを精秤し、温度400℃、圧力1kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度400℃、圧力1kg/cm2,G、LHSV0.1 vol/vol h−1 で市販白灯油(コスモ石油製、1号灯油、硫黄分50wt.ppm)を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は300とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.8wt.ppm、また深度脱硫灯油は無色透明であった。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出は認められず、反応終了後に触媒を取り出した結果ひび割れは認められなかった。
【0026】<比較例2>酢酸ニッケル4水和物20gと硝酸亜鉛6水和物87.7gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。これを充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、400℃で24時間焼成して酸化ニッケル20wt%、酸化亜鉛80wt%の触媒bを得た。触媒bの比表面積は10m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)3.8ml/gだった。触媒b10gを精秤し、温度380℃、圧力10kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度350℃、圧力10kg/cm2,G、LHSV0.5vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は200とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.2wt.ppm以下、また深度脱硫灯油は無色透明であった。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出は認められず、反応終了後に触媒を取り出した結果、ひび割れと若干の粉化が認められた。
【0027】<比較例3>硝酸ニッケル6水和物17.5gと硝酸亜鉛6水和物27.4gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。得られた沈殿物に水酸化アルミニウム粉末27.5gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、370℃で24時間焼成して酸化ニッケル15wt%、酸化亜鉛25wt%、酸化アルミニウム60wt.%の触媒cを得た。触媒cの比表面積は240m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)4.5ml/gだった。触媒c10gを精秤し、温度360℃、圧力8kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度330℃、圧力8kg/cm2,G、LHSV2.0vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は150とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.1wt.ppm以下、また深度脱硫灯油は無色透明であった。しかし、脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出が認められた。反応終了後に触媒を取り出した結果、ひび割れは認められなかった。
【0028】<比較例4>硝酸ニッケル6水和物40.9gと酢酸亜鉛2水和40.5gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。得られた沈殿物に水酸化アルミニウム粉末27.5gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、370℃で24時間焼成して酸化ニッケル35wt%、酸化亜鉛50wt%、酸化アルミニウム15wt.%の触媒d得た。触媒dの比表面積は173m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)3.7ml/gだった。触媒d10gを精秤し、温度330℃、圧力15kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度240℃、圧力15kg/cm2,G、LHSV3.0vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は100とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.2wt.ppm、また深度脱硫灯油は無色透明であった。また、脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出は認められなかった。反応終了後に触媒を取り出した結果、ひび割れは認められなかった。
【0029】<比較例5>酢酸ニッケル4水和物5.0gと硝酸亜鉛6水和物21.9gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。得られた沈殿物にγ−アルミナ粉末22.5gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、400℃で24時間焼成して酸化ニッケル5wt%、酸化亜鉛20wt%、酸化アルミニウム75wt.%の触媒e得た。触媒eの比表面積は263m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)5.0ml/gだった。触媒e10gを精秤し、温度300℃、圧力20kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度220℃、圧力20kg/cm2,G、LHSV4.0vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は50とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.1wt.ppm以下、また深度脱硫灯油は無色透明であった。しかし、脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出が認められた。反応終了後に触媒を取り出した結果、ひび割れは認められなかった。
【0030】<比較例6>硝酸ニッケル6水和物17.5gと硝酸亜鉛6水和物27.4gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。得られた沈殿物にγ−アルミナ粉末18.0gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、370℃で24時間焼成して酸化ニッケル15wt%、酸化亜鉛25wt%、酸化アルミニウム60wt.%の触媒f得た。触媒fの比表面積は240m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)5.8ml/gだった。触媒f10gを精秤し、温度360℃、圧力20kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度480℃、圧力8kg/cm2,G、LHSV2.0vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は150とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.1wt.ppm以下、また深度脱硫灯油は黄変した。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出が認められなかった。反応終了後に触媒を取り出した結果、ひび割れは認められなかった。
【0031】<比較例7>酢酸ニッケル4水和物15.0gと硝酸亜鉛6水和物27.4gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様に亜鉛およびニッケル化合物の沈殿を得たあと、乾燥させた。得られた沈殿物に水酸化アルミニウム粉末27.5gを添加し、充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、370℃で24時間焼成して酸化ニッケル15wt%、酸化亜鉛25wt%、酸化アルミニウム60wt.%の触媒g得た。触媒gの比表面積は240m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)5.8ml/gだった。触媒g10gを精秤し、温度360℃、圧力20kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度150℃、圧力8kg/cm2,G、LHSV2.0vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は150とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.6wt.ppm、深度脱硫灯油は無色透明だった。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出が認められなかった。反応終了後に触媒を取り出した結果、ひび割れは認められなかった。
【0032】<比較例8>酢酸ニッケル4水和物20gを1200mlのイオン交換水に溶解させ、実施例1と同様にニッケル化合物の沈殿を得た後、乾燥させた。得られた沈殿物に酸化アルミニウム粉末24gを添加し、これを充分混練後、押出成型器で外形1.6mmφの柱状に成型し、400℃で24時間焼成して酸化ニッケル20wt%、酸化アルミニウム80wt.%の触媒h得た。触媒hの比表面積は270m2/g、40℃での一酸化窒素吸着量(STP)5.9ml/gだった。触媒h10gを精秤し、温度380℃、圧力10kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引続き、温度350℃、圧力10kg/cm2,G、LHSV 0.5vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。なお水素/灯油比(vol/vol at STP)は200とした。脱硫時には炭酸ガス25vol%を含む水素を用いた。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分0.9wt.ppm、深度脱硫灯油は無色透明だった。脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出が認められた。また、メタンの発生も認められた。反応終了後に触媒を取り出した結果、ひび割れは認められなかった。
【0033】
【表2】

【0034】<参考例>市販脱硫触媒10mlを温度360℃、圧力8kg/cm2,Gで3時間水素還元し、これに引き続き、温度330℃、圧力8kg/cm2,G、LHSV2.0vol/vol h−1 で市販白灯油を通油した。この時の水素/灯油比(vol/vol at STP)は150とした。反応500時間後の深度脱硫灯油性状は、硫黄分1wt.ppm、深度脱硫灯油は黄変した。また脱硫反応中に下流側への硫化水素の溢出が認められた。
【0035】
【表3】

【0036】ニッケル成分は灯油に含まれる硫黄化合物を水素と反応(水素化反応)させ硫化水素に変換させる役割を持つ。従って比較例1に示すように酸化ニッケル換算含有量が規定値以下の場合には、NO吸着量も少なく、触媒の活性が不充分であるために製品中の硫黄分は0.8wt.ppmまでしか脱硫できなかった。逆に、比較例4に示すように、酸化ニッケル換算含有量が多すぎる場合(35wt.%)のNO吸着量は3.7ml/gと少なく、ニッケル成分が多く含まれていても触媒活性に関与する割合が低い、すなわち分散性が低下していることを示している。その結果、製品中の硫黄分は0.2wt.ppmにとどまった。このようにニッケル成分は酸化ニッケル換算で5〜25重量%の範囲が好ましい。水素化活性だけの観点からすれば分散性を損ねない範囲で、ニッケル成分の含有量は高いほど好ましいことになるが、本発明では水素化活性、硫化水素溢出抑制に優れる触媒の提供が目的である。また、実用触媒には粉化防止対策は不可避であるため、他成分の効果を勘案し、酸化ニッケル換算含有量は5〜20重量%がより好ましく、10〜18重量%の範囲が最も好適であると考えられる。
【0037】酸化亜鉛にはニッケル成分(活性点)上で、灯油中の硫黄化合物と水素が反応(水素化反応)して生じた硫化水素を吸収させる効果がある。これと同時にニッケル成分の酸化状態を制御する効果を有する。従って、酸化亜鉛成分が少ない場合(比較例3)では、下流側に硫化水素が溢出する。通常下流側には水蒸気改質器等が設置されるが、硫化水素の溢出によって水蒸気改質触媒が被毒される可能性が高まり、水素製造設備などの装置全体に不具合が生じる。また、酸化亜鉛を全く含まない系に炭酸ガス含有水素ガスを用いた場合には、比較例8に示すように、メタン化が起こりやすくなる。メタン化は金属状態のニッケル(Ni0)上で進行し易いためで、酸化亜鉛を含有させることでニッケル成分の酸化状態を程良く保っていることが分かる。酸化アルミニウムには、比表面積を高め反応物質(灯油と水素)の接触確率を高めるとともに、強度を維持させる効果がある。従って酸化アルミニウムを添加しない場合(比較例2)では比表面積が低すぎるために、製品中の硫黄分は0.2wt.ppmに留まった。また、反応に供した触媒にはひび割れは認められ、長期に渡って使用することは出来ないことが分かる。これらの結果が示すように、ニッケル成分、酸化亜鉛成分および酸化アルミニウム各成分の持つ効果をバランス良く発揮させることが重要である。このように、本発明による触媒を用いることで、灯油相当鉱油を安定して深度脱硫することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明の深度脱硫触媒は、比較的低圧条件下で、炭酸ガスを含有する水素を用いてもメタン化反応を抑制し、灯油相当鉱油を変質を起こさずに0.1wt.ppm以下に深度脱硫でき、かつ長期間安定運転のできる活性及び強度を有する。




 

 


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