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発明の名称 吸着剤及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−46867(P2001−46867A)
公開日 平成13年2月20日(2001.2.20)
出願番号 特願平11−222578
出願日 平成11年8月5日(1999.8.5)
代理人 【識別番号】100095821
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 斌 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4D002
4D012
4G066
4G072
【Fターム(参考)】
4D002 AA21 AA33 AA34 AB03 AC07 AC10 BA04 DA11 FA01 
4D012 BA01
4G066 AA22B BA09 BA20 BA23 BA25 BA26 BA36 CA04 CA05 CA33 CA51 DA03 FA22 FA34 GA14
4G072 AA28 CC13 GG01 GG03 HH19 MM36 QQ07 RR21 TT01 TT04 TT05 TT08 TT12 UU11
発明者 正岡 弘光 / 鈴木 崇 / 吉成 知博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 シリカを主成分とし、比表面積が150m2 /g以上750m2 /g以下、平均細孔径が1.0nm以上20.0nm以下、粒径が1.0mm以上6.0mm以下、嵩密度が0.3g/ml以上1.2g/ml以下、および水蒸気吸着量が1ml/g以上10ml/g以下の多孔質体として形成され、0.4容量%以上40容量%以下の濃度で存在し、温度20℃における飽和蒸気圧が3mmHg以上で、炭素数が1以上12以下の揮発性有機化合物蒸気を選択的に吸着し、次いで脱着することを特徴とする吸着剤。
【請求項2】 請求項1に記載の吸着剤の製造方法であって、比表面積が200m2 /g以上、平均細孔径が1. 0nm以上20. 0nm以下の粒子状又は粉末状のシリカまたはシリカゲルを1℃/分以上20℃/分以下の昇温速度で550℃以上800℃以下の範囲の所定加熱処理温度に昇温し、次いで2時間以上5時間以下の時間、所定加熱処理温度に保持して、シリカまたはシリカゲルに加熱処理を施す工程を有することを特徴とする吸着剤の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、以下VOCと言う)蒸気の吸着剤およびその製造方法に関し、更に詳細には、圧力変動吸着法(Pressure Swing Adsorption 、以下PSA法と略記する)によりVOCを回収するために用いる最適な吸着剤およびその製造方法に関するものである。特に、本発明のVOC吸着剤によれば、ガソリンスタンド、油槽所、内港タンカー、化学工場等から放出されるVOCをPSA法により回収するための吸着剤として極めて好適である。
【0002】
【従来の技術】ガソリン、塗装用有機溶剤、洗浄用塩素系有機溶剤等の液状有機化合物には、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、VOC)が多量に含まれている。今日では、ガソリン等の揮発油や石油化学原料となるナフサなどの石油業で扱う揮発性有機化合物以外にも、塗装、印刷、洗浄等の様々な分野で、多様な揮発性有機化合物が大量に用いられており、相当量のVOCが日常的に大気中に拡散、放出されている。
【0003】大気中に揮発、拡散したVOCは、紫外線存在下で光化学オキシダント(主にオゾン)を生成する。地表での光化学オキシダントが増加する現象は、光化学スモッグと言われ、深刻な公害の一つと言われている。このように、VOCは、本来の有害性に加え、大気汚染を引き起こす原因にもなるため、欧米を初めとする各国で、VOCの排出規制が行われている。我国においても、各自治体で条例による規制が始まり、今後、規制自治体の増加および規制値の強化が進むものと考えられる。
【0004】ところで、揮発油貯蔵中や溶媒使用中に発生するVOCを効率的に回収する技術として、吸収法、膜分離法、深冷法などが知られているが、回収率が低い、回収コストが高い等の問題を有している。また、活性炭を用いる吸着法による回収例があるが、活性炭は可燃性であるため、発火の可能性があるなど安全性に問題がある。このように、既存技術では、経済性、取扱性、安全性等に数多くの問題を抱えている。
【0005】近年、VOC回収技術の一つとして、PSA法が研究されている。PSA法は運転が容易であること、回収した溶剤等の再利用が出来ることなどの利点を持っているため、環境保全と経済性を両立できる可能を有する技術として注目され始めている。しかし、従来のPSA法の適用範囲は、一部の飽和炭化水素や芳香族に限られ、しかもある濃度範囲のVOC回収に限られているのが現状である。従って、規制対象VOC種の増加、VOC濃度の広範囲化等に充分対応することは出来ないため、PSA法の利用を進めて行く上で、高効率で安全性の良好な吸着剤の開発が強く望まれている。
【0006】吸着剤としては、活性炭が、古くから良く知られている。それは、活性炭が1000m2 /g以上の大きな比表面積を有し、なおかつ相対湿度が50〜60%までは水分を殆ど吸着しないという優れた特性を持つためであり、吸着能だけから見れば、優れた吸着剤である。しかし、活性炭は可燃性物質であるために、安全管理に特別な配慮が必要であって、PSA法に応用することは、VOCの主な排出源は溶剤等の可燃性物質を取扱う工場等であるから、実用化は極めて難しく、仮に吸着剤として用いる場合には、相当の安全対策を講ずる必要があり、そのコストが嵩む。
【0007】そこで、ゼオライト等の無機酸化物系吸着剤が、非可燃性吸着剤として注目され、PSA法とほぼ同じ吸着原理である圧力−温度変動吸着分離法(Pressure and Temperature Swing Adsorption 、以下PTSA法)や温度変動吸着分離法(Temperature Swing Adsorption、以下TSA法)で試用された例がある。高表面積の無機酸化物系吸着剤を用いれば、低濃度のVOCを効率よく吸脱着させることができるように考えられるが、無機酸化物系吸着剤の表面には、極性の高い水酸基(OH)等が多数存在しているため、双極子モーメント(Dipole Moment )の高い水分子のみが選択的に吸着され、VOCの吸着が阻害されやすくなる。これを防ぐために、ゼオライトを酸処理し、脱アルミ処理する技術が知られているが、吸着剤コストが嵩むため、ゼオライトに代わる代替技術開発が待たれている。また、吸着剤によっては、VOC吸着の際に発生する吸着熱等の問題点もある。
【0008】これに応えるため、例えば特願開11−19507号公報で開示されているように、本発明者らは、吸湿剤や乾燥剤として用いられるシリカゲルをある条件で改質することで、疎水化能に優れる吸着剤を開発してきた。しかし、近年、排出規制強化や環境保全への関心の高まりから、回収濃度範囲の拡大や対象VOC種の多様化が進んでおり、これまでに開発した吸着剤技術での対応が困難になってきた。
【0009】その理由の一つに、PSA法では吸着工程と脱着工程を交互に行う必要から、所定時間内で脱着を完了させる必要があり、VOC種の多様化により、吸着よりもむしろ脱着が難しいケースの増加を挙げることが出来る。脱着性が現行レベルの吸着剤で対応するためには、脱着時の加熱が必要であり、また、加熱しない場合には、脱着過程での真空度の向上や多量のパージガスの導入等が避けられない。つまり、どの方策を講ずるにしても、建設コスト、および運転コストの高騰はもとより、運転自体が煩雑化し、簡単な運転操作による固定費削減効果等のPSA法の持つ長所を失いかねない。
【0010】さらに、回収VOC濃度範囲の拡大や対象VOC種の多様化による、吸着剤の吸着能不足の結果、吸着塔内の濃度分布長が長くなるケースなども見受けられるようになった。これを現行の吸着剤で対応するには、吸着塔を高くすること等が避けられず、装置の大型化や塔内差圧が生じる等の理由による付帯機器の大型化など、技術的な問題点も指摘され始めている。
【0011】そこで、環境保全の推進を進める観点から、低廉かつ運転保安の容易な吸着装置の技術開発が、産業、環境両面から強く望まれており、これに応えるには十分な吸着能および脱着能を有する新しい吸着剤の開発が必要になっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決しようとする課題は、疎水性が高く、広範囲の濃度域にわたり多種類のVOCを選択的に吸着し、かつ円滑に脱離できる吸着剤を提供することであって、本発明は、これらの課題の解決によって、小型で高性能かつ運転保安の容易なPSA用吸着剤を提供し、環境保全に貢献しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために、実験を重ねた結果、シリカを主成分とし、比表面積、細孔容積、平均細孔径、嵩密度等の多孔質物性について特定の物性を有する多孔質成形体からなる吸着剤が、広範囲の濃度にわたり多種類のVOCについて、優れた疎水化能とVOC吸着能及びVOC脱着能を有することを見い出し、本発明を完成する到った。また、特定条件下の加熱処理により、そのような吸着剤を製造できることを見い出し、本発明の製造方法を完成するに到った。
【0014】上記目的を達成するために、本発明に係る吸着剤は、シリカを主成分とし、比表面積が150m2 /g以上750m2 /g以下、平均細孔径が1.0nm以上20.0nm以下、粒径が1.0mm以上6.0mm以下、嵩密度が0.3g/ml以上1.2g/ml以下、および水蒸気吸着量が1ml/g以上10ml/g以下の多孔質体として形成され、0.4容量%以上40容量%以下の濃度で存在し、温度20℃における飽和蒸気圧が3mmHg以上で、炭素数が1以上12以下の揮発性有機化合物蒸気を選択的に吸着し、次いで脱着することを特徴としている。
【0015】また、本発明に係る吸着剤の製造方法は、上記本発明に係る吸着剤の製造方法であって、比表面積が200m2 /g以上、平均細孔径が1. 0nm以上20.0nm以下の粒子状又は粉末状のシリカまたはシリカゲルを1℃/分以上20℃/分以下の昇温速度で550℃以上800℃以下の範囲の所定加熱処理温度に昇温し、次いで2時間以上5時間以下の時間、所定加熱処理温度に保持して、シリカまたはシリカゲルに加熱処理を施す工程を有することを特徴としている。
【0016】以下に、本発明の構成を詳細に説明する。
吸着剤の原料本発明の吸着剤の原料として、窒素分子をプローブとしてBET法で測定した比表面積が200m2 /g以上、好ましくは400m2 /g以上、細孔容積が0.1以上2.0cm3 /g以下、平均細孔径が1.0nm以上20.0nm以下、好ましくは2.0nm以上13.0nm以下の範囲のシリカ又はシリカゲルを好適に使用できる。ここで、シリカとは水分を含有しないものを意味し、シリカゲルとは水分を含有するものを意味する。また、本発明の目的を達成する限り、吸着剤原料及び吸着剤にはシリカ又はシリカゲル以外の無機成分を含んでいても良い。なお、工業化レベルでの規模で入手可能なシリカゲル素材の比表面積の実質的上限は、現在のところ900m2 /g程度であるが、比表面積は大きい程、吸着能は増加する。
【0017】原料の平均細孔径細孔径が小さい多孔質の場合には、毛管凝縮が起こりやすく、従って吸着は起こりやすくなる。逆に、細孔径が大きい場合には、毛管凝縮に関しては不利になるものの、細孔内拡散抵抗が低減されるため、脱着が容易になり、更には、対象ガスが、多層吸着が起こりやすい比較的高濃度のVOCもしくは、蒸気圧の低いVOCである場合には有利になることがある。すなわち、吸着、次いで脱着を所定のスイングサイクルで行うPSA法では、吸着と脱着をバランス良く行う必要があるため、細孔径に関し好適な範囲が存在するのであって、原料の平均細孔径は1.0nm以上20.0nm以下が好ましく、更に2.0nm以上15.0nm以下がより好ましく、2.0nm以上10.0nm以下が最も好ましい。
【0018】原料及び吸着剤のペレット形状、粒径及び嵩密度原料の形状は、球状、円柱状、錠剤状、粉末状など各種形状のものを好ましく用いることができる。球状、円柱状、錠剤状など、粉末状以外の各種形状を用いた場合には、粒径1.0mm以上6.0mm以下が好ましく、1.5mm以上5.0mm以下がより好ましく、1.5mm以上4.0mm以下が最も好ましい。また、嵩密度は、0.3g/cm3 以上1.2g/cm3 以下が好ましく、更には0.3g/cm3以上0.9g/cm3 以下が好ましく、0.4g/cm3 以上0.7g/cm3以下が最も好ましい。一方、粉末状の原料を用いた場合には、疎水化処理の前に、上述の粒径、及び嵩密度となるように成形するか、または、以下に述べる疎水化処理の後に、以下に述べる最終製品の吸着剤の粒径、嵩密度となるように成形することが必要である。成形法としては、圧縮成形、押出し成形、射出成形など一般的な成形法を好ましく用いることができる。なお成形を容易にするために、バインダーの添加を適宜行っても良い。
【0019】原料の細孔容積細孔径及び比表面積が所望範囲にあるならば、細孔容積は大きい程、吸着能は大きいと考えられるものの、一般的に、細孔径、比表面積および細孔容積は相互に関連し合うため、一般的な原料シリカ及び原料シリカゲルの細孔容積は、0.1cm3 /g以上2.0cm3 /g以下の範囲に入るものが多く、本発明に関しては、一般的な原料シリカゲルを好ましく使用することが出来る。
【0020】疎水化処理上述の比表面積、平均細孔径、及び細孔容積等の物性を示すシリカゲル原料、又はシリカ原料に所定の疎水化処理を施すことにより、本発明の吸着剤を得ることができる。疎水化処理では、本発明で特定した範囲の昇温速度で、特定した範囲の所定加熱処理温度に昇温し、所定加熱処理温度で所定時間保持する。所定加熱処理温度は、所定時間中一定である必要はなく、特定した所定加熱処理温度範囲内で変動しても差し支えない。
【0021】昇温速度所定加熱処理温度までの昇温速度は、1℃/分以上20℃/分以下が好ましく、更に好ましくは5℃/分以上15℃/分以下である。昇温速度が20℃/分より速いと、原料粒子の表面と内部の温度差が大きくなりすぎるために、亀裂や、割れを生じる可能性が高くなる。従って、機械強度が低下し、吸脱着時の温度変動等によって吸着剤が粉化する恐れがある。この範囲を超えた昇温速度では、温度のオーバーシューティングが起こり、所定温度範囲を超過する可能性が高いため好ましくない。逆に、昇温速度が遅い場合には、技術的な問題は無いものの、生産性が著しく低下するという理由から、1℃/分が実質的な下限と考えられる。
【0022】加熱処理温度及び保持時間所定加熱加熱処理(焼成)温度の範囲は、550℃以上800℃以下が好ましく、更に好ましくは600℃以上700℃以下、最も好ましくは620℃以上700℃以下である。保持時間、即ち焼成時間は、2時間から5時間が好ましく、より好ましくは3時間から5時間である。2時間未満では疎水化処理が充分行われない可能性がある。5時間を超過しても、さらに疎水化能向上は期待できないため、延長する技術的意義が乏しい。所定加熱処理温度に昇温した後、2時間から5時間の間、所定加熱処理温度を特定した温度範囲内に保持して原料粒子を焼成する。焼成中は、この温度域から逸脱しないよう温度管理を行うことが肝要である。
【0023】吸着剤の物性値上述の工程を実施することにより、所定の比表面積を有する吸着剤を得ることができる。吸着剤の比表面積は、150m2 /g以上750m2 /g以下が好ましく、更に好ましくは300m2 /g以上700m2 /g以下、380m2 /g以上600m2 /g以下が最も好ましい。最も基本的な物性である比表面積は大きいものほど好ましいが、疎水化処理後であれば、750m2 /gが実質的な上限といえる。150m2 /g未満では吸着能が不足し、特に0.4容量%付近の希薄VOCベーパを回収することが難しくなる。
【0024】平均細孔径は、1. 0nm以上20nm以下が好ましく、更に好ましくは2nm以上15nm以下、2nm以上10nm以下が最も好ましい。平均細孔径が、1. 0nm以上20nm以下の範囲を外れた場合には、脱着能もしくは吸着能が損なわれ、その結果、多様なVOC、多様な濃度に対応しきれなくなる可能性が高くなるため好ましくない。
【0025】吸着剤の粒径粒径1.0mm以上6.0mm以下が好ましく、更に好ましくは1.5mm以上5mm以下、1.5mm以上4mm以下が最も好ましい。平衡吸着において、成形体の大きさは、吸着能に影響しないが、非定常吸着では、吸着室の吸着剤内部拡散、吸着塔の塔内拡散等の影響を受けやすくなる。したがって、粒子サイズは小さいほど吸着効率が高くなり、充填する吸着剤量を低減できる。一方、粒子サイズが小さすぎて粉末状であると、PSA装置内での圧損が大きくなり脱着効率が低下する。すなわち、粒径が上記範囲を外れた場合には、脱着性能や吸着性能が低下する。この他にも、プロセス運転上で、吸着剤強度の低下、差圧の上昇、粒子間拡散等の支障を来す可能性が考えられるため、好ましくない。
【0026】吸着剤の嵩密度嵩密度は0.3g/cm3 以上1.2g/cm3 以下が好ましく、更に0.3g/cm3 以上0.9g/cm3 以下が好ましく、0.4g/cm3 以上0.7g/cm3 以下が最も好ましい。嵩密度が0.3g/cm未満であると、吸着剤が飛散して、適正な吸脱着ができないことのほかに、吸着塔の所要塔高さが高くなることにより、脱着工程における塔内差圧が増加し、装置コストが増える。また、塔高さあたりの理論段数が低くなる傾向が見られ、吸着効率が極端に低くなるような場合には、非定常吸着において吸着しきれないVOCの一部が出口から流出する可能性も否定できない。逆に、嵩密度が1.2g/cm3 を超えると、吸着剤単位体積あたりの吸着熱が大きくなるため、吸着時の発熱が著しくなり、吸着量の減少も起こりやすく、除熱に伴うユーティリティーコストが高む可能性がある。また、塔高さ当たりの理論段数が大きくなるが、粒子間隙を通過するVOCがある場合、又は粒子間の拡散が生じる場合には、VOCの一部がそのまま出口から流出するという問題も懸念される。
【0027】水蒸気吸着量は、1ml/g以上10ml/g以下が好ましく、更に1ml/g以上8ml/gが好ましく、1ml/g以上6ml/g以下が最も好ましい。水蒸気吸着量は少ないほど好ましいが、物理吸着を完全に無くすことは不可能で、実質的な下限値は1ml/gと考えられる。水蒸気吸着量が1ml/g以上10ml/gの範囲を外れるということは、疎水化処理が不完全であるということであって、VOC吸着の阻害、水の凝縮、吸着剤の亀裂などPSA法による吸着装置の運転に支障が生ずる。
【0028】VOCの種類と濃度範囲これまで述べてきた本発明の吸着剤によれば、炭素数が1から12の揮発性有機化合物(VOC)ベーパを効率良く吸脱着できる。即ち、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、芳香族炭化水素、含酸素炭化水素、ハロゲン化炭化水素等を好ましく吸着し、次いで脱着することが出来る。VOCの濃度範囲は、20℃、1気圧における飽和蒸気圧が320mmHg以上のVOCに対しては、0.4容量%以上40容量%以下が好ましく、0.5容量%以上40容量%以下が更に好ましく、1容量%以上40容量%以下が最も好ましい。20℃、1気圧における飽和蒸気圧が3mmHg以上320mmHg未満のVOCに対しては、0.4容量%以上40容量%以下が好ましく、0.4容量%以上30容量%以下が更に好ましく、0.4容量%以上10容量%以下が最も好ましい。
【0029】20℃における飽和蒸気圧が320mmHg以上のVOCの例としては、イソペンタン、1−ペンテン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン等の飽和炭化水素、不飽和炭化水素、含酸素炭化水素、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。20℃における飽和蒸気圧が3mmHg以上320mmHg未満のVOCの例としては、イソヘキサン、1−ヘプテン、酢酸エチル、ベンゼン、1, 2- ジクロロエタン等の飽和炭化水素、不飽和炭化水素、含酸素炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。0.4容量%未満では吸着効率が低下し、充分VOCを回収することが出来ない。また、40容量%を超えるような場合には、吸着時の発熱が大きくなり、除熱の必要が生じ、運転コストが増加する。尚、VOCの上記例示は、本発明を説明するためのものであり、VOCの種類を限定するものではない。
【0030】吸着性能指標(飽和度)VOCを回収し、再利用するPSA装置では、VOCの大気放出を抑制するために、吸着塔出口のVOCベーパのリークを極力抑制することが望まれる。PSA装置でのVOCベーパの吸着は、流れを持った非定常状態にあり、吸着塔内部および外部拡散や吸着分配などが生ずる。従って、吸着塔入口から出口にかけて濃度勾配が生ずる。濃度勾配が緩やかな場合には、VOCベーパ吸着層の先端が容易に出口に到達し、VOCベーパの排出抑制を妨げ、回収率低下を招く可能性が高い。これを防止するには、吸着塔高さを高くすることになるが、装置の大型化、吸着剤充填量の増加など、コストの増加、運転の煩雑さに繋がるため、好ましくない。
【0031】PSAスイングサイクルにおける吸着剤の吸着能力は、吸着層の先端が出口に到達するまでの吸着量と吸着塔の入口濃度と出口濃度が等しくなるまでの吸着量の比、すなわち次の式に示す飽和度で表すことが出来き、大きな値ほど吸着量が多く好ましい。
飽和度(%)
=(破過時間までの吸着量/終末時間までの吸着量)×100 (1)
飽和度が高いほど、非定常吸着での吸着効率は高くなるため、飽和度は高いほど好ましい。濃度が0.4容量%以上40容量%以下、吸着塔の塔高さが10cm、VOCの線速度が8cm/s以上25cm/s以下では、飽和度が60%以上を示す吸着剤が好ましく、70%以上が更に好ましい。60%以下の飽和度は、吸着効率の低下により、VOC処理量が低下するため好ましくない。
【0032】脱着性能指標(VOC脱着率)PSA装置では、吸着工程と脱着工程が繰り返されるため、吸着能と脱着能の双方が優れていることが望ましい。VOCの脱着が容易になれば、減圧脱着時に使用する真空ポンプなどの付帯機器を小型化できるため、建設コスト、及び運転コストを低減することができる。脱着率は、次の式(2)に示すように、PSA運転条件での脱着量と吸着量の百分率で定義されるもので、吸脱着諸条件に依って異なるが、脱着率が高いほど脱着性能が高い吸着剤であって、好ましい。
脱着率(%) =(脱着量/吸着量)×100 (2)
【0033】実質的には、VOC濃度が、0.4容量%以上40容量%以下、塔内線速度8cm/s以上25cm/s以下、パージ係数1.2の運転条件では、脱着率20%以上を示す吸着剤が好ましく、25%以上がより好ましい。脱着率が20%未満では、脱着が困難になり、吸着塔数の増加、真空ポンプ等の付帯機器の大型化、電力コストが嵩む等の問題が生ずる。
【0034】PSA装置の運転条件(吸着工程)本発明の疎水化吸着剤によれば、VOCベーパの塔内線速度は1cm/s以上40cm/s以下が好ましく、更には5cm/s以上30cm/s以下が好ましく、8cm/s以上25cm/s以下がより好ましい。塔内線速度が40cm/sより速い場合には、吸着されないVOCベーパが吸着塔出口より流出する可能性が高くなる。下限値は特に限定されないが、処理能力が小さくなりすぎるため実用的な意味は無くなる。従って実質的な下限値は1cm/sと考えて良い。
【0035】PSA装置の運転条件(脱着工程)PSA装置での脱着は、主として真空ポンプ等による減圧脱着再生法により行われるが、脱着をより効果的に行うために、減圧脱着再生時に空気、窒素、スチームなどの吸着質(VOC)以外の気体を導入し、吸着質の分圧を低下させる操作を行う。系外から空気等の導入(パージ)量の指標は、次式(3)で定義されるパージ係数(α)で表示され、対象VOC含有ガスの導入線速度とパージガスの塔内線速度比で定義されるものである。
パージ係数(α)
= パージガス線速度/VOC含有ガスチャージ線速度 (3)
【0036】パージ係数は、小さいほど真空ポンプの負荷が少なく、風量も少なくなるため装置が小型化できる。したがって下限値は、特に限定されるものではない。現実的な数字として0. 3から2. 0が好ましい範囲である。しかし、対象ガスや濃度、処理規模などによって2. 0以上になることもあり得る。
【0037】吸着剤の使用態様実際にPSAシステムで吸着剤を使用する場合には、吸着塔の容積及び塔数、入口ガス中のVOC濃度、操作温度等の運転条件に応じて、適宜、吸着剤の充填量、充填高さなどを決める。また、本発明の吸着剤は、ハイシリカゼオライト、アルミナ等の公知の吸着剤、又は特開平11ー19507号公報に示された製法により製造された吸着剤等と組み合わせたり、混合しても問題はない。ただし、ハイシリカゼオライト、アルミナ等の公知吸着剤に関する価格は本吸着剤よりもかなり高価であるから、公知吸着剤の混合量や組合わせ量が極端に多いと、経済的な利点は消失する。
【0038】本発明の吸着剤の使用に先立ち、活性化処理を行う必要はない。但し、湿度が極めて高い状態で永く保存されていた場合などには、常温から350℃の範囲の温度下で減圧乾燥処理を、適宜、実施すれば良い。減圧乾燥時間は、PSA装置によって一概に決まらないが、1から24時間が現実的な時間である。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。実施例及び比較例の試料吸着剤の諸物性、疎水化能、VOC吸着能、脱着能、飽和度等の測定、算出に関しては、以下の測定方法によった。
比表面積、平均細孔径、及び細孔容積等の測定方法吸着剤原料の多孔質物性(以下、原料物性) 及び疎水化処理により得た吸着剤の多孔質物性(以下、吸着剤物性)は、高純度窒素(高千穂化学、Reseach Grade )をプローブ分子(Prove Molecule)に用いて、自動表面積、細孔径、細孔容積測定装置(Belsorp 28、ベルジャパン社製)により測定した。多孔質物性の測定では、比表面積、細孔径、及び細孔容積の測定に先立ち、まず前処理として、試料吸着剤、及び吸着剤原料の減圧加熱処理を行い、所望の物性を測定した。
【0040】試料の測定に当たっては、先ず、次の要領で試料の減圧加熱処理を行う。即ち、約200mgの試料を硝子製試料管に入れて、10-1から10-2mmHgの減圧状態を維持しながら、6℃/分の昇温速度で室温から350℃まで昇温し、同温度で3時間保持した。その後、高純度ヘリウムガスによって常圧+5mmHgに保持しつつ、5℃/分の降温速度で室温まで冷却し、測定用の試料を得た。得た試料重量を正確に秤量し、多孔質物性の測定に供した。多孔質物性の測定では、液化窒素温度(―196℃)に保持し、死容積(DeadVolume )を高純度ヘリウムにて3回以上測定し、次いで減圧排気した後、プローブ分子(窒素)を導入して試料への吸着、脱着測定を行い、その測定結果を基に多孔質物性を算出した。
【0041】比表面積は、BET(Brunauer-Emmett-Teller)法に従って算出した。BET法は、プローブ分子の1層目と2層目以上で吸着エネルギーが異なることを利用して算出する方法である。平均細孔径及び細孔容積は、t−プロット法、及びD−H(Dollimore & Heal)法により算出を行った。t−プロット法は、マイクロポア( 細孔径0. 5nmから2. 0nm前後) を持つ場合に用いられ、プローブ分子の吸着量が相対圧の変化(吸着層の変化) により、異なることを利用して、理論的に算出する方法である。また、D−H法は、メソポア( 細孔径2nmから50nm前後) を持つ場合に用いられ、吸着工程と脱着工程で生じるヒステリシスがメソポアに依存することを利用して理論的に算出する方法である。
【0042】嵩密度の測定方法嵩密度の測定には、内径30mm、高さ30cmの容器を用いた。この容器に吸着剤を30cmの高さまで充填し、充填された吸着剤の重量を測定し、容器容積を基に以下の式で嵩密度を算出した。吸着剤は均一球形でなくばらつきが生じるため、数回測定し、その平均値を求めた。
嵩密度=吸着剤重量(g)/容器容積(cm3
【0043】VOC吸着能の測定方法揮発性有機化合物が入ったガラス製洗気瓶を低温恒温槽に浸し、所定流量の窒素ガスを通気させ、VOCベーパ模擬ガス(以下模擬ガス)を調製した。ガス濃度はFID−GC(島津製作所製GC7AG)を用いて求めた。予め、吸着剤を充填した塔高さ10cmの吸着塔に模擬ガスを線速度12cm/sで導入し続け、吸着塔出口濃度と入り口濃度(=模擬ガス濃度)が等しくなるまでの破過曲線(break through curve) を測定した。得られた破過曲線から、出口濃度が入り口濃度の5%に達するまでの吸着量(A)、及びそれが5%から100% (終末点)までの吸着量(B)を求め、飽和度=(A)/[(A)+(B)]×100を求めた。
【0044】吸着剤のVOC脱着能の評価方法模擬ガス導入後の出口濃度が入口濃度の15%に至るまでの時間(15%破過時間)が約25分になるようにした塔高さの吸着塔に、吸着剤を充填した後、線速度12cm/sで模擬ガスを導入した。出口濃度が入口濃度の15%に至らしめた(=15%破過)後、パージ係数1.2の条件で5分間、減圧再生を行い、再び模擬ガスを導入し、15%破過するまで吸着を行った。新品吸着剤の15%破過までの吸着量と、5分間減圧再生した吸着剤の15%破過までの吸着量の百分率を、次の式に示すように、脱着率と定義し、脱着能の指標とした。
脱着率(%)=(5分間再生した吸着剤の15%破過までの吸着量)/(新品吸着剤の15%破過までの吸着量)×100【0045】吸着剤の疎水化能の評価方法吸着剤の疎水化能を評価するために、温度20℃、圧力2mmHg下で水蒸気の平衡吸着量を測定した。即ち、約100mgの試料をガラス製試料管に入れて、10-1mmHgから10-2mmHgの圧力に減圧しながら昇温速度6℃/分で室温から350℃まで昇温し、同温度で1時間保持した。次いで、降温速度5℃/分で室温まで冷却して、試料吸着剤を得た。得た試料吸着剤の重量を正確に計り、測定の試料に供した。水蒸気源として用いる水は、硝子製液溜にイオン交換水を50ml入れ、これを減圧ラインでバブリング(Bubbling)した後、ドライアイス−メタノール冷媒で、液溜底部を注意深く冷却して凍結させつつ、10-2mmHg程度で真空排気を行いながら溶存気体を放出させた。続いて、加温して解氷した。溶存気体の放出が無くなるまで、この処理を繰り返して、精製水を得た。
【0046】平衡吸着量の測定では、高精度蒸気吸着量測定装置(Belsorp 18、ベルジャパン社製)を用いた。空気恒温槽内で精製水の液溜を50℃±1℃に保持しながら、液溜から発生する飽和水蒸気を50℃±1℃に維持した硝子製リザーバー(Reservoir 、容積150ml)に導入し、更に、試料吸着剤を収容した部分のみを20℃±0.5℃に保った硝子製吸着管にリザーバーから自動流量調節バルブを介して徐々に水蒸気を導入し、2mmHgの平衡圧になるまで導入し続けた。2mmHgの平衡圧に到達した時点、即ち10分間の圧力変動が0.1mmHg以内になった時点で、キャパシタンスマノメータで測定した圧力と、系内容積から水導入量を求め、それを平衡吸着量とし、更に、前処理後の試料重量を基に吸着剤重量当たりの平衡吸着量を計算した。
【0047】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1比表面積260m2 /g、細孔径19nm、細孔容積1. 24cm3 /g、および長辺の差し渡し(粒径)1. 2mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から800℃まで毎分20℃で昇温し、同温度で2時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Aを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Aの物性は、比表面積150m2 /g、細孔容積0. 75cm3 /g、細孔径20nm、粒子径1mm、及び嵩密度1. 2g/cm3 であった。
【0048】5容量%のメチルエチルケトン(Methyl Ethyl Ketone 、MEKと略記する)ベーパを用いた吸着剤Aの吸着性能は、20℃、760mmHgでの吸着量28ml/g(STP:標準状態換算(Standard Temperature and Pressure))、25℃、760mmHgでの飽和度81. 5%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は、吸着圧力760mmHg及び脱着圧力25mmHgとしたときの脱着率が24. 4%であった。疎水化の指標となる20℃、760mmHgでの水蒸気吸着量は、10ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。実施例1の原料物性、吸着剤物性、疎水化処理条件、水蒸気吸着量、吸着性能及び脱着性能等は、表1に纏めて記載されている。後述する実施例2から実施例9についても同様に表1又は表2ある。また、吸着量、飽和度、及び水蒸気吸着量の測定条件、並びに脱着率算出の吸着圧力条件及び脱着圧力条件は、実施例2以下の実施例及び比較例1以下の比較例も同様である。
【表1】

【表2】

【0049】実施例2比表面積530m2 /g、細孔径13nm、細孔容積1. 72cm3 /g、および粒子径1. 6mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から700℃まで毎分15℃で昇温し、同温度で2時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Bを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Bの物性は、比表面積300m2 /g、細孔容積1. 13cm3 /g、細孔径15nm、粒子径1. 5mm、及び嵩密度1. 2g/cm3 であった。5容量%の酢酸エチル(酢エチと表記)ベーパを用いた吸着剤Bの吸着性能は、吸着量60ml/g(STP) 、飽和度80. 4%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は、脱着率が24. 5%であった。水蒸気吸着量は8ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0050】実施例3比表面積470m2 /g、細孔径10nm、細孔容積1. 18cm3 /g、および粒子径5. 1mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から620℃まで毎分10℃で昇温し、同温度で3時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Cを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Cの物性は比表面積380m2 /g、細孔容積0. 95cm3 /g、細孔径10nm、粒子径5mm、及び嵩密度1g/cm3 であった。5容量%のベンゼンベーパを用いた吸着剤Cの吸着性能は、吸着量60.5ml/g(STP) 、飽和度70%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率23. 7%であった。水蒸気吸着量は1ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0051】実施例4比表面積580m2 /g、細孔径1nm、細孔容積0. 15cm3 /g、および粒子径1. 6mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から650℃まで毎分5℃で昇温し、同温度で3時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Dを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Dの物性は、比表面積450m2 /g、細孔容積0. 11cm3 /g、細孔径1nm、粒子径1. 5mm、及び嵩密度0. 7g/cm3 であった。40容量%のイソペンタンベーパを用いた吸着剤Dの吸着性能は、吸着量36ml/g(STP) 、飽和度79. 7%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率20. 1%であった。水蒸気吸着量は5ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0052】実施例5比表面積560m2 /g、細孔径1. 9nm、細孔容積0. 27cm3 /g、および粒子径4. 2mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から650℃まで毎分5℃で昇温し、同温度で5時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Eを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Eの物性は、比表面積450m2 /g、細孔容積0. 23cm3 /g、細孔径2nm、粒子径4mm、及び嵩密度0. 7g/cm3 であった。35容量%のジクロロメタンベーパを用いた吸着剤Eの吸着性能は、吸着量31ml/g(STP) 、飽和度60. 3%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率20. 6%であった。水蒸気吸着量は5ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0053】実施例6比表面積750m2 /g、細孔径3. 9nm、細孔容積0. 73cm3 /g、および粒子径2. 3mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から600℃まで毎分5℃で昇温し、同温度で5時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Fを得た。なお、昇温途中に吸着剤への亀裂や割れの発生は全く無かった。吸着剤Fの物性は、比表面積600m2 /g、細孔容積0. 60cm3 /g、細孔径4nm、粒子径2mm、及び嵩密度0. 5g/cm3 であった。0. 5容量%のMEKベーパを用いた吸着剤Fの吸着性能は、吸着量22ml/g(STP) 、飽和度75. 8%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率20. 9%であった。水蒸気吸着量は5ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0054】実施例7比表面積760m2 /g、細孔径5nm、細孔容積0. 95cm3 /g、および粒子径2. 1mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から550℃まで毎分1℃で昇温し、同温度で5時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Gを得た。なお、昇温途中に吸着剤への亀裂や割れの発生は全く無かった。吸着剤Gの物性は比表面積700m2 /g、細孔容積0. 88cm3 /g、細孔径5nm、粒子径2mm、及び嵩密度0. 4g/cm3 であった。0. 4容量%の酢酸エチルベーパを用いた吸着剤Gの吸着性能は、吸着量21ml/g(STP) 、飽和度73.4%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率22. 7%であった。水蒸気吸着量は5ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0055】実施例8比表面積830m2 /g、細孔径5nm、細孔容積1. 04cm3 /g、および粒子径2. 1mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から550℃まで毎分1℃で昇温し、同温度で5時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Hを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Hの物性は、比表面積750m2 /g、細孔容積0. 94cm3 /g、細孔径5nm、粒子径2mm、及び嵩密度0. 3g/cm3 であった。0. 4容量%のトルエンベーパを用いた吸着剤Hの吸着性能は、吸着量23ml/g(STP) 、飽和度7 4. 1%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率22. 9%であった。水蒸気吸着量は8ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0056】実施例9比表面積550m2 /g、細孔径6nm、細孔容積0. 74cm3 /g、および粒子径4. 1mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から600℃まで毎分10℃で昇温し、同温度で5時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Iを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Iの物性は:比表面積460m2 /g、細孔容積0. 71cm3 /g、細孔径6nm、粒子径4mm、及び嵩密度0. 4g/cm3 であった。10容量%のアセトンベーパを用いた吸着剤Iの吸着性能は、吸着量67ml/g(STP) 、飽和度6 4. 3%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率23. 5 %であった。水蒸気吸着量は6ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0057】比較例1比表面積240m2 /g、細孔径19nm、細孔容積1. 14cm3 /g、および粒子径1. 2mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から700℃まで毎分20℃で昇温し、同温度で2時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Jを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Jの物性は、比表面積120m2 /g、細孔容積0. 60cm3 /g、細孔径20nm、粒子径1mm、及び嵩密度1. 2g/cm3 であった。5容量%のMEKベーパを用いた吸着剤Jの吸着性能は、吸着量12ml/g(STP) 、飽和度80. 9%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率25%であった。水蒸気吸着量は8ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。なお、比較例1の原料物性、吸着剤物性、疎水化処理条件、水蒸気吸着量、吸着性能及び脱着性能等は、表3に纏めて記載されている。後述する比較例2から比較例12についても同様に表3又は表4に示してある。
【表3】

【表4】

【0058】比較例2比表面積270m2 /g、細孔径27nm、細孔容積1. 82cm3 /g、および粒子径1. 7mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から700℃まで毎分20℃で昇温し、同温度で2時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Kを得た。なお、昇温途中に吸着剤への亀裂や割れの発生は全く無かった。吸着剤Kの物性は、比表面積160m2 /g、細孔容積1. 2cm3 /g、細孔径30nm、粒子径1. 5mm、及び嵩密度1. 2g/cm3 であった。5容量%のMEKベーパを用いた吸着剤Kの吸着性能は、吸着量13ml/g(STP) 、飽和度80%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率26%であった。水蒸気吸着量は9ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0059】比較例3比表面積720m2 /g、細孔径1. 0nm、細孔容積0. 2cm3 /g、および粒子径1. 6mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から700℃まで毎分10℃で昇温し、同温度で3時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Lを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Lの物性は、比表面積450m2 /g、細孔容積0. 11cm3 /g、細孔径0. 8nm、粒子径1. 5mm、及び嵩密度0. 8g/cm3 であった。0. 4容量%のトルエンベーパを用いた吸着剤Lの吸着性能は、吸着量20.0ml/g(STP) 、飽和度72. 7%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率16. 1%であった。水蒸気吸着量は5ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0060】比較例4比表面積560m2 /g、細孔径1. 9nm、細孔容積0. 27cm3 /g、および粒子径0. 5mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から6 50℃まで毎分5℃で昇温し、同温度で3時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Mを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Mの物性は、比表面積450m2 /g、細孔容積0. 23cm3 /g、細孔径2nm、粒子径0. 5mm、及び嵩密度1. 2g/cm3 であった。35容量%のイソペンタンベーパを用いた吸着剤Mの吸着性能は、吸着量35. 7ml/g(STP) 、飽和度83. 5%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率15. 5%であった。水蒸気吸着量は5ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0061】比較例5比表面積560m2 /g、細孔径1. 9nm、細孔容積0. 27cm3 /g、および粒子径7. 3mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から650℃まで毎分5℃で昇温し、同温度で3時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Nを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Nの物性は、比表面積450m2 /g、細孔容積0. 23cm3 /g、細孔径2nm、粒子径7mm、及び嵩密度0. 7g/cm3 であった。35容量%のイソペンタンベーパを用いた吸着剤Nの吸着性能は、吸着量35. 5ml/g(STP) 、飽和度45. 1%、および吸着の妨げとなる発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率23. 8%であった。水蒸気吸着量は5ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0062】比較例6比表面積510m2 /g、細孔径2nm、細孔容積0. 26cm3 /g、および粒子径4. 1mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から650℃まで毎分5℃で昇温し、同温度で3時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Oを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Oの物性は、比表面積430m2 /g、細孔容積0. 22cm3 /g、細孔径2nm、粒子径4mm、及び嵩密度1. 5g/cm3 であった。40容量%のイソペンタンベーパを用いた吸着剤Oの吸着性能は、吸着量19. 5ml/g(STP) 、飽和度48. 5%、吸着時の発熱が認められた。一方、25℃での脱着性能は脱着率22.5%であった。水蒸気吸着量は4ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0063】比較例7比表面積520m2 /g、細孔径1. 9nm、細孔容積0. 25cm3 /g、および粒子径1mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から550℃まで毎分5℃で昇温し、同温度で3時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Pを得た。なお、昇温途中及び加熱時に、亀裂や割れは吸着剤に全く発生しなかった。吸着剤Pの物性は、比表面積450m2 /g、細孔容積0. 23cm3 /g、細孔径2nm、粒子径1mm、及び嵩密度0. 1g/cm3 であった。35容量%のジクロロメタンベーパを用いた吸着剤Pの吸着性能は、吸着量27. 5ml/g(STP) 、飽和度53%、吸着時の発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率18%であった。水蒸気吸着量は9ml/g(STP) で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は全く見られなかった。
【0064】比較例8比表面積760m2 /g、細孔径5nm、細孔容積0. 95cm3 /g、および粒子径2mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から550℃まで毎分30℃で昇温し、同温度で5時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Qを得た。なお、昇温途中に吸着剤への亀裂や割れが発生した。吸着剤Qの物性は、比表面積700m2 /g、細孔容積0. 16cm3 /g、細孔径5nm、粒子径2mm、及び嵩密度1. 2g/cm3 であった。0. 4容量%の酢酸エチルベーパを用いた吸着剤Qの吸着性能は、吸着量20. 5ml/g(STP) 、飽和度7 4%、吸着時の発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率22. 8%であった。水蒸気吸着量は9ml/g(STP) で、水浸漬時に亀裂および粉化が発生した。
【0065】比較例9比表面積760m2 /g、細孔径5nm、細孔容積0. 95cm3 /g、および粒子径2mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から850℃まで毎分5℃で昇温し、同温度で5時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Rを得た。なお、昇温途中に吸着剤への亀裂や割れが発生した。吸着剤Rの物性は、比表面積550m2 /g、細孔容積0. 18cm3 /g、細孔径5. 5nm、粒子径2mm、及び嵩密度1. 2g/cm3 であった。5容量%のベンゼンベーパを用いた吸着剤Rの吸着性能は、吸着量65ml/g(STP) 、飽和度72%、吸着時の発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率23%であった。水蒸気吸着量は3ml/g(STP) で、水浸漬時に亀裂および粉化が発生した。
【0066】比較例10比表面積760m2 /g、細孔径5nm、細孔容積0. 95cm3 /g、および粒子径2mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から450℃まで毎分5℃で昇温し、同温度で5時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Sを得た。なお、昇温途中に吸着剤への亀裂や割れは見られなかった。吸着剤Sの物性は、比表面積710m2 /g、細孔容積0. 8cm3 /g、細孔径4. 5nm、粒子径2mm、及び嵩密度1g/cm3 であった。0. 4容量%の酢酸エチルベーパを用いた吸着剤Sの吸着性能は、吸着量22. 5ml/g(STP) 、飽和度72%、吸着時の発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率22. 4%であった。水蒸気吸着量は16ml/g(STP) で、水浸漬時に亀裂および粉化が発生した。
【0067】比較例11比表面積560m2 /g、細孔径1. 9nm、細孔容積0. 28cm3 /g、および粒子径2mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から550℃まで毎分5℃で昇温し、同温度で1時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Tを得た。なお、昇温途中に吸着剤への亀裂や割れは見られなかった。吸着剤Tの物性は、比表面積470m2 /g、細孔容積0. 24cm3 /g、細孔径2nm、粒子径2mm、及び嵩密度0. 7g/cm3 であった。5容量%のベンゼンベーパを用いた吸着剤Tの吸着性能は、吸着量53. 3ml/g(STP) 、飽和度70. 3%、吸着時の発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率17. 1%であった。水蒸気吸着量は12ml/g(STP) で、水浸漬時に亀裂および粉化が発生した。
【0068】比較例12比表面積730m2 /g、細孔径2.8nm、細孔容積0.51cm3/g、および粒子径2.1mmのシリカゲル30gを磁性坩堝にとり、マッフル炉内で室温から600℃まで毎分20℃で昇温し、同温度で3時間保持した後、室温まで冷却して、吸着剤Uを得た。なお、昇温途中に吸着剤への亀裂や割れの発生は全く無かった。吸着剤Uの物性は、比表面積590m2 /g、細孔容積0.48m3 /g、細孔径3nm、粒子径2mm、及び嵩密度0.7g/cm3だった。0.2容量%のトルエンべーパを用いた吸着剤Uの吸着性能は、吸着量16m1/g(STP)、飽和度58%、吸着時の発熱は認められなかった。一方、25℃での脱着性能は脱着率20.3%であった。水蒸気吸着量は7m1/g(STP)で、水浸漬時の亀裂および粉化の発生は見られなかった。
【0069】実施例1から9から判る通り、本発明で特定した範囲の比表面積、平均細孔径、粒径及び嵩密度を有し、水蒸気吸着量が本発明で特定した範囲にある吸着剤は、吸着量が20ml/g(STP )以上であり、飽和度が60%以上、脱着率が20%以上を示し、良好な性状の吸着剤であると評価できる。
【0070】比較例1は、吸着剤の比表面積が、本発明で特定した下限150m2 /gより小さい120m2 /gであって、吸着量が実施例より著しく小さく、12ml/g(STP)である。比較例2は、吸着剤の細孔径が、本発明で特定した上限20nmより大きい30nmであって、吸着量が実施例より著しく小さく、13ml/g(STP)である。比較例3は、吸着剤の細孔径が、本発明で特定した下限1.0nmより小さい0.8nmであって、脱着率が実施例の最小値20.1%より著しく小さく、16.1%である。比較例4は、吸着剤の粒子径が、本発明で特定した下限1.0mmより小さい0.5mmであって、脱着率が実施例の最小値20.1%より著しく小さく、15.5%である。
【0071】比較例5は、吸着剤の粒子径が、本発明で特定した上限6.0mmより大きい7mmであって、飽和度が実施例の最小値60.3%より著しく小さく、45.1%である。比較例6は、吸着剤の嵩密度が、本発明で特定した上限1.2g/mlより大きい1.5g/mlであって、飽和度が実施例の最小値60.3%より著しく小さく、48.5%であって、しかも吸着時の発熱があった。比較例7は、吸着剤の嵩密度が、本発明で特定した下限0.3g/mlより小さい0.1g/mlであって、飽和度が実施例の最小値60.3%より小さく、53%であって、しかも脱着率が実施例の最小値20.1%より小さく、18%である。
【0072】比較例8から11は、本発明方法の実施例7又は5に対する比較例である。比較例8は、実施例7と同じ原料を使用しているものの、所定加熱処理温度までの昇温速度が本発明方法で特定した上限20℃/分より速い30℃/分であるために、水浸漬時及び疎水化処理時に亀裂が生じた。比較例9は、実施例7と同じ原料を使用しているものの、所定加熱処理温度が本発明方法で特定した上限温度800℃より高い850℃であるために、水浸漬時及び疎水化処理時に亀裂が生じた。比較例10は、実施例7と同じ原料を使用しているものの、所定加熱処理温度が本発明方法で特定した下限温度550℃より低い450℃であるから、水蒸気吸着量が実施例の最大値10ml/gより著しく大きく、16ml/gであって、そのために、水浸漬時に亀裂が生じた。比較例11は、実施例5とほぼ同じ原料を使用しているものの、所定加熱処理温度が本発明方法で特定した下限温度であるにもかかわらず処理時間が実施例5の5時間に比べて著しく短く、1時間であるために、水蒸気吸着量が実施例の最大値10ml/gより大きい12ml/gになり、水浸漬時に亀裂が生じた。
【0073】比較例12は、本発明で特定した吸着剤の性状を備えているものの、吸着するVOC、即ちトルエンベーパの濃度が0.2容量%と本発明で特定したVOCの濃度より低いために、吸着量が実施例に比べて著しく低い。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、シリカを主成分とし、比表面積、平均細孔径、粒径及び嵩密度が特定の範囲にあって、かつ水蒸気吸着量が特定の範囲の多孔質体として形成することにより、温度20℃における飽和蒸気圧が3mmHg以上で、かつ炭素数が1〜12の揮発性有機化合物蒸気を濃度が0.4容量%以上40容量%以下で選択的に効率的に吸着し、次いで脱着することができる。本発明によれば、比表面積及び平均細孔径を有する粉末状又は粒子状のシリカ又はシリカゲルを所定範囲の昇温速度で、所定加熱処理温度で加熱処理することにより、上述の本発明に係る吸着剤を製造することができる。




 

 


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