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発明の名称 溶融金属の射出装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−179417(P2001−179417A)
公開日 平成13年7月3日(2001.7.3)
出願番号 特願平11−367822
出願日 平成11年12月24日(1999.12.24)
代理人 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
発明者 甲田 紀泰 / 宮川 守 / 林 祐司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ノズル部材と連通する先端部内を縮径により所要長さの計量室に形成した加熱筒と、その内部の回転かつ進退自在な射出スクリュとからなり、その射出スクリュの先端部を上記計量室と略同径で摺動クリアランスを確保して、計量室に進退自在に挿入可能なプランジャとなし、そのプランジャと軸部周囲にスクリュフライトを有する供給部との間に、軸部のみによる貯溜部を設けてなることを特徴とする溶融金属の射出装置。
【請求項2】 上記供給部と貯溜部との境界に、供給部から貯溜部へ液相状の金属材料と共に流れ込む粒状の金属材料の大きさを制限し、かつ射出スクリュの前進時に貯溜部の液相状の金属材料の逆流を防止する膨出部を設けてなることを特徴とする請求項1記載の溶融金属の射出装置。
【請求項3】 上記供給部のスクリュフライトを、加熱筒内におけるスクリュ後退限において、スクリュエンドのスクリュ溝が上記供給口の直下に位置し、スクリュ前進限では供給口よりもスクリュエンドが前方に位置して、供給口が軸部の後部により閉鎖されるところまで制限して設け、スクリュ回転による粒状の金属材料の移送をスクリュ後退限にて可能とする請求項1又は2記載の溶融金属の射出装置。
【請求項4】 上記供給部のスクリュフライトを、加熱筒内におけるスクリュ前進限において、スクリュエンドのねじ溝が上記供給口の直下に位置し、スクリュ後退限では供給口より後方に位置して、スクリュ回転による粒状の金属材料の移送をスクリュ前進限にて可能とする請求項1又は2記載の溶融金属の射出装置。
【請求項5】 上記プランジャは、先端部外周に耐熱性のシールリングを備え、そのシールリングを嵌合する環状溝と円錐形のプランジャ先端とにわたる流通孔を内部に有することを特徴とする請求項1記載の溶融金属の射出装置。
【請求項6】 上記加熱筒を、金属材料が液相状で自重により上記貯溜部に流下するように、先端部側を下向きに傾斜設置してなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の溶融金属の射出装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、亜鉛、マグネシウム又はそれら合金等の低融点の非鉄金属を、完全に溶融して液相状態で射出成形する場合に用いられる溶融金属の射出装置に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】低融点の非鉄金属を完全溶融して、液相状態で射出成形することが試みられている。成形方法としてはプラスチック材料の場合と同様に、内部に射出用のスクリュを回転かつ進退自在に備えた加熱筒を採用し、加熱筒の後部から供給された粒状の金属材料を、スクリュ回転により加熱筒の前方へと移送しつつせん断発熱と外部熱とにより完全に溶融し、その溶融金属を加熱筒の先端部内に液相状態で蓄積して計量としたのち、スクリュ前進により加熱筒先端のノズルから金型に射出充填するというものであった。
【0003】このような射出成形を金属材料に採用した場合における課題は、スクリュ回転による材料移送の困難さ、液相状の金属材料の温度維持、計量の不安定さなどにある。プラスチック材料では溶融により高粘度となることから、スクリュ回転による移送は、主として溶融プラスチックとスクリュの境界面における摩擦係数が、溶融プラスチックと加熱筒内壁の境界面における摩擦係数よりも小さく、そこに摩擦係数差があることから生ずる。
【0004】それに対し、液相状態にまで完全に溶融した金属材料では、プラスチック材料とは比較にならぬほど粘度が小さいため、上記2つの境界面における摩擦係数差が殆どないに等しく、これにより溶融プラスチックの場合のようなスクリュ回転による移送力が生じ難い。
【0005】金属材料でも、固体移送力と溶融過程における半溶融状態での高粘度域においては移送力が生じるので、その領域まではスクリュ回転により材料移送は行い得るが、金属材料では溶融により液相率が高まるに伴って粘度が低下し、スクリュフライト間のねじ溝による移送力が減衰するので、スクリュ回転による加熱筒先端部への安定供給が不安定となり易い。
【0006】またプラスチック材料では、溶融により高粘度となることから、スクリュ回転により先端部内の蓄積量が増加するに従い、その反力としてスクリュを後方へ押し戻す材料圧が発生するので、この材料圧によるスクリュ後退を制御することによって、溶融プラスチックの密度を一定化し、計量を毎回一定量とすることができる。
【0007】しかし、金属材料が低粘度の液相状態では、スクリュを後方へ押し戻す程の圧力上昇は生じないので、材料圧によるスクリュ後退が起こり難く、スクリュ回転のみでは先端部内への蓄積量も異なって計量毎にバラツキが生ずる。
【0008】また金属材料は比重がプラスチック材料よりも著しく大きく、液相状態では低粘度で流動性を有することから、水平に設置した加熱筒内では、スクリュ回転を停止して静止すると、液相状態の金属材料がスクリュフライトと加熱筒とのクリアランスから、後方の半溶融領域に漏出するようになり、これに伴って先端部内に計量した金属材料も開弁状態にあるリングバルブからスクリュの前部周囲へと逆流して減量するようになる。
【0009】この計量の減少に伴って加熱筒の先端部内では液相面も下がることから、そこに蓄積量を不安定となす気相(隙間)が生じ、また漏出した液相状の金属材料は半溶融領域にて温度低下して高粘度化するか、または半溶融領域の加熱状態によっては固化してスクリュ溝内に堰を形成し、その後方の供給口からの粒状材料のスクリュ回転による移送に支障を来す、という課題をも有する。
【0010】この発明は、金属材料を液相状態にて射出成形する場合の上記課題を解決するために考えられたものであって、その目的は、射出スクリュに液相状の金属材料の貯溜部を採用することによって、金属材料の移送と外部熱による溶融及び計量、脱気などを常に円滑に行い得る新たな溶融金属の射出装置と射出成形方法とを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的によるこの発明は、ノズル部材と連通する先端部内を縮径により所要長さの計量室に形成した加熱筒と、その内部の回転かつ進退自在な射出スクリュとからなり、その射出スクリュの先端部を上記計量室と略同径で摺動クリアランスを確保して、計量室に進退自在に挿入可能なプランジャとなし、そのプランジャと軸部周囲にスクリュフライトを有する供給部との間に、軸部のみによる貯溜部を設けてなるというものであり、上記供給部と貯溜部との境界に、供給部から貯溜部へ液相状の金属材料と共に流れ込む粒状の金属材料の大きさを制限し、かつ射出スクリュの前進時に貯溜部の液相状の金属材料の逆流を防止する膨出部を設けてなるというものでもある。
【0012】またこの発明は、上記供給部のスクリュフライトを、加熱筒内におけるスクリュ後退限において、スクリュエンドのスクリュ溝が上記供給口の直下に位置し、スクリュ前進限では供給口よりもスクリュエンドが前方に位置して、供給口が軸部の後部により閉鎖されるところまで制限して設け、スクリュ回転による粒状の金属材料の移送をスクリュ後退限にて可能とする、というものである。
【0013】またこの発明は、上記供給部のスクリュフライトを、加熱筒内におけるスクリュ前進限において、スクリュエンドのねじ溝が上記供給口の直下に位置し、スクリュ後退限では供給口より後方に位置して、スクリュ回転による粒状の金属材料の移送をスクリュ前進限にて可能とする、というものである。
【0014】この発明の上記プランジャは、先端部外周に耐熱性のシールリングを備え、そのシールリングの嵌合用の環状溝と円錐形のプランジャ先端とにわたる流通孔を内部に有するというものである。
【0015】さらにこの発明は、上記加熱筒を金属材料が液相状で自重により上記貯溜部に流下するように、先端部側を下向きに傾斜設置してなるというものである。
【0016】上記構成では、先端部のプランジャと供給部との間を、液相状の金属材料の貯溜部とし、その貯溜部に一次的に溜め置いた金属材料を、射出スクリュの後退により上記計量室に蓄積することを可能とすることから、金属材料の溶融を外部熱によるものであつても、貯溜部に蓄えられている間に次回分の金属材料の完全溶融と温度維持とが行われ、これにより金属材料の温度を常に一定に保つことが可能となる。
【0017】またせん断発熱のための圧縮部が不要となるので、スクリュフライト間のねじ溝の深さを一定にして材料移送を円滑に行うことができ、これにより金属材料と加熱筒内面との接触も均等に行えるので温度むらが生じ難く、貯溜部との境界の膨出部に達する間に金属材料の殆どが溶融して液相化し、また溶融状態が未完で大きな粒子は膨出部により貯溜部への流入が阻止されることから、貯溜部の金属材料は全て完全溶融した液相状態にあって、計量室への蓄積も常に確実に行われる。
【0018】また上記構成ではスクリュ前進にともない供給口が軸部により閉鎖されてゆくので、射出が開始しされると材料供給が自動的に制限されて、スクリュ後部におけるスクリュ溝内の金属材料の過密度が防止されるようになる。このためスクリュに対する回転及び摺動抵抗が低減して、金属材料の溶融及び射出が安定化し、成形品の品質も向上するようになる。
【0019】さらに加熱筒を下向きに傾斜して、加熱筒の先端部内の軸部周囲の貯溜スペースに溶融金属が溜るようにしたので、金属材料が低粘度の液相状であっても逆流による貯溜量の変動がなく、加えてその後のスクリュ回転により、液相状態での補給が行えるので、液相状態で金属材料を射出成形するものであっても、成形状態が安定した金属製品を得ることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】図はこの発明に係わる射出装置の1実施形態を示すもので、1は加熱筒、2は加熱筒1の内部の射出スクリュである。上記加熱筒1は、ノズル部材11を先端面にねじ着した先端部材12を備え、後部に粒状の金属材料の供給口13を有する。またノズル部材11及び先端部材12から供給口13にわたる外周囲には、バンドヒータ14が一定間隔ごとに取付けてある。
【0021】上記先端部材12は、後端周囲に一体形成したフランジ15を、加熱筒1の端部周囲に一体形成したフランジ16に当接し、ボルト17により止着して加熱筒1の先端部として設けられており、上記ノズル部材11と連通する内部は、上記射出スクリュ2を挿通した加熱筒1の内径よりも8〜15%ほど小径に縮径されて、加熱筒1の先端部内の所要長さの計量室18となっている。この計量室18の開口部には、図5に拡大して示すように、複数の流通溝21aが等間隔に凹設してある。
【0022】上記射出スクリュ2の先端部はプランジャ21に形成されている。このプランジャ21は摺動用のクリアランスを確保して、計量室18に進退自在に挿入可能な外径からなり、先端面は計量室18の漏斗状の先端面と適合する円錐面に形成されている。また外周囲には射出時に摺動クリアランスからの逆流を防止するシールリング21bが施してある。このシールリング21bは特殊鋼などによる耐熱性のピストンリングをそのまま採用したものからなる。
【0023】図2に示すように、上記プランジャ21と、軸部22の周囲にスクリュフライト23を有する供給部Aとの間は、軸部24のみによる貯溜部Bとなっている。スクリュフライト23の外径は加熱筒1の内径と略等しく、射出スクリュ2の後退限位置において、スクリュエンドのねじ溝23aが上記供給口13の直下に位置する個所から、貯溜部Bとの境界に形成した膨出部25のところまで、同一ピッチにて軸部22の周囲に一体に形成してある。
【0024】上記膨出部25の外径はスクリュフライト23と同径で、側面には供給部Aから貯溜部Bへ流通する金属粒子を、2mm以下の大きさに制限する複数の流通スリット26が等間隔に軸方向に切設してある。この流通スリット26により、液相状の金属材料と一緒に供給部Aから貯溜部Bへ流れ込む半溶融状態の金属粒子は、細かなものに制限され、貯溜部Bにて外部熱により完全溶融するようになる。また膨出部25は射出スクリュ2の前進時に、貯溜部Bの液相状の金属材料が供給部Aに逆流して半溶融状態となるのを防止する。なお、金属粒子の流入制限は、図では省略したが、膨出部25に一定間隔ごとに貫設した1mm程度の内径の貫通孔でもよいし、また膨出部25の外径を加熱筒内径よりも若干小径に形成することによって生ずる流通間隙であってもよい。
【0025】上記貯溜部Bの軸部24は、上記プランジャ21の直径よりも小径に形成されて、加熱筒内壁との間に供給部Aにおけるスクリュフライト間のねじ溝よりも深い貯溜スペース27が確保され、これにより貯溜部Bの長さ範囲において、少なくとも次回射出分の金属材料が液相状態で貯溜できるようにしてある。なお28は攪拌翼を兼ねる軸部24の支持部材である。
【0026】上記構成の射出装置は、上記供給口13を上側にして、加熱筒1の内部の液相状態の金属材料が、自重により貯溜スペース27へ流下し、成形ごとに上記計量室18に蓄積されるように、ノズル11側を下向きにして傾斜設置して使用される。
【0027】この傾斜設置には、ノズル部材11と金型31のスプル32とが同一直線上に位置して屈曲することなくノズルタッチするように、例えば図4に示すように、射出装置10と型締装置30の両方を、機台40の上に同一角度(3〜10度)にて設置する場合と、図は省略したが、射出装置のみを機台上に傾斜設置する場合の何れをも採用することができる。
【0028】上記射出装置10では、射出スクリュ2が供給部A、貯溜部B、プランジャ21の3部構成からなり、主なる溶融をせん断発熱により行う通常の射出スクリュが有する圧縮部がないことから、金属材料の溶融は専ら加熱筒1の外周囲のバンドヒータ14から供給される外部からの加熱(例えばマグネシウムでは610℃以上)による。
【0029】この外部熱による金属材料の溶融及び計量は、ノズル部材11の先端を金型31にノズルタッチしたまま行われる。ノズルタッチによりノズル部材11の先端内は、前回の射出によりノズル部材11に残留した金属材料が金型側からの冷却により固形物となって、ノズル先端を閉塞している。
【0030】射出充填後の射出スクリュ2は、図3に示すように、クッションとして液相状の所要量の金属材料を残すところまで前進して停止していることから、これを強制的に設定距離だけ後退移動させると、計量室18は負圧状態(減圧又は真空状態)となる。しかし、プランジャ21が設定位置まで後退して、流通溝21aにより計量室18が貯溜部Bと連通すると、殆ど同時に貯溜部Bに液相状態で一次的に蓄えた次回分の金属材料が、流通溝21aから計量室18に吸引されて、計量室18を満たす。
【0031】また供給部Aでは、射出スクリュ2の行動に関係なく、スクリュフライト23の間のねじ溝に溜った金属材料の外部熱による溶融と、完全溶融により液相状態となった金属材料の貯溜部Bへの流動が継続して行われ、さらに射出スクリュ2の後退によって、スクリュエンドのねじ溝23aが供給口13の直下に位置するようになり、射出スクリュ2の前進によって軸後部22aにより塞がれていた供給口13が開口する。
【0032】この後退停止位置にて射出スクリュ2の回転を行うと、供給口13の粒状の金属材料が、スクリュフライト23の回転により新たな材料として加熱筒前方へと順次ねじリードされて移送され、その途中で加熱筒1からの外部熱により溶融して固相と液相とが混在した半溶融状態となる。
【0033】この場合、スクリュフライト間のねじ溝に未溶融の金属材料が満杯になるとスクリュ回転トルクが上昇し、スクリュ回転が不安定となることがあるので、そのような現象を防止するため供給制限を行う。また供給制御によりねじ溝内を飢餓状態となすことでせん断が加えられなくなる。また酸化し易い金属材料の場合には、供給口13に接続した供給装置内から加熱筒内にアルゴンガス等の不活性ガスを供給し、不活性ガス雰囲気で溶融をを行うのが好ましい。
【0034】このスクリュ回転は、開始から或る一定の回転数を、通常の成形機が使用している回転計(センサ)によりカウントして計測し、スクリュ回転数×回転時間から回転回数を算出して設定回数に制御して行うのが好ましく、また回転中のスクリュ後退防止として或る程度の背圧力をかけて行うのが好ましい。
【0035】供給部Aを移送された金属材料の殆どは、上記膨出部25の近傍に至る間に液相状の金属材料となる。加熱筒内で液相率が高まると、湯のように粘度が低い液相状の金属材料は、水平な加熱筒では自重によりスクリュ下側に溜り易くなるが、加熱筒1が射出スクリュ2と共に下向きに傾斜しているため、スクリュ回転によるねじ効果と相俟って、液相状の金属材料は膨出部25の流通スリット26から貯蓄部Bに流入するようになる。また溶融状態が未完で流通スリット26を通過できない半溶融状態の粒子は、供給部Aに止まってさらに加熱され、完全溶融しないまでも流通スリット26を通過した細かな金属材料は、貯溜部Bに流入した後に外部からの加熱と液相状の金属材料との熱交換の両方によって完全溶融するようになる。
【0036】貯溜部Bに流入した液相状の金属材料は、既に計量室18には前回の射出時に一次的に貯蓄されていた金属材料が充満していることから、そのまま貯溜部Bに次回分の金属材料として、回転中の軸部24により攪拌されながら溜め置かれる。しかし計量室18に不足があるような場合には、先にその不足分を補ってから貯溜されることになる。
【0037】また貯溜部Bの金属材料の液面aは水平で、加熱筒1に対し斜めに位置することから、気相は水平な液面aより上部に生じて計量室18にまで及ぶことはなく、さらに射出スクリュ2の強制後退により、貯溜部Bの金属材料が計量室18に吸引される際に、気体を巻き込むようなことがあっても、比重の差から脱気が自然に行われるので、加熱筒1を水平設置した場合に必要とされた射出時のガス抜きが不要となる。このようなことから計量の不安定さが改善される。
【0038】次に計量は、貯溜部Bに設定量の金属材料が貯蓄されたところでスクリュ回転を停止し、その後に射出スクリュ2を前進して行う。この計量前進は上記プランジャ21が計量室18に押し込まれて流通溝21aによる流入路が遮断されたのち、または流通溝21aを不要とする場合には、先端面と計量室18との間に生じた流通間隙がプランジャ21により塞がれたのちに、計量室内の材料圧が予め定めたスクリュの前進距離内で設定圧力に達した所までとなる。
【0039】何れにしても、その計量過程で液相状の金属材料がプランジャ21により圧迫されて、設定圧力に達する間に余剰の金属材料が貯溜部Bの貯溜スペース27にオーバーフローすると共に再度の脱気も行われ、計量室18における金属材料の定量化が行われることになる。またスクリュ前進により貯溜部Bも前方へ移動することになるが、軸部周囲の貯溜スペース27の容積には変動はないので、貯溜部Bの金属材料が供給部Aに逆流するようなことがなく、過剰の貯溜により逆流が生ずるようなことがあっても、それは上記膨出部25により少量に制限されて、液相状態で逆流した金属材料が、供給部Aで半溶融状態に戻ることにより生ずる移送障害となるほどのものではない。
【0040】計量前進の停止後、工程は射出充填に移行するのであるが、上記計量前進の開始から射出前進及び射出充填完了に至る全工程は、プロセス制御をもって行われる。射出スクリュ2の射出前進により計量室18の液相状の金属材料はプランジャ21に押圧され、その圧力によりノズル先端内を閉塞していた固形物がスプル3に押し出されて、金属材料が液相状態で金型31へ射出充填される。
【0041】上記固形物の押し出しにはかなりの圧力が必要となり、その圧力は固形物の生成状態により大きく異なる。また圧力のバラツキは射出を不安定となす要因ともなるので、固形物の生成を成形ごとに同一状態となすために、ノズル先端部の温度管理を要することになる。
【0042】射出前進は所要量の金属材料をクッションとして残すところまで行われて充填完了となる。また上記供給口13はスクリュエンド23aの前方移動により後部軸部22aにより図では省略したが閉鎖されて、金属材料の供給を中断する。
【0043】射出充填の完了後、射出スクリュ2は保圧のため、その位置に停止される。保圧完了後に工程は金属材料の計量に切換わり、射出スクリュ2の強制後退が行われるようになる。場合によっては強制後退の前又は後退をさせながら1〜2回転ほどのスクリュ回転を行う。
【0044】これは、加熱筒1とスクリュフライト23及び膨出部25とのクリアランスに液相状態で入り込んだ金属材料が、射出スクリュ2の停止中にスクリュ側に熱が奪われて固相状態で残り、射出スクリュ2の後退抵抗となるので、これをスクリュ回転力により除去して、強制後退を円滑に行えるようにするためである。またこの位置では上記供給口13が軸後部22aにより塞がれているので、スクリュ回転により新たな金属材料の供給は行われない。
【0045】強制後退により射出スクリュ2が設定位置に達すると、工程は溶融及び計量工程に切換えられて射出スクリュ2が停止し、その位置にて上述のようにスクリュ回転が開始されて、少なくとも次回分の金属材料の供給と移送及び溶融、計量が連続して行われる。
【0046】図6に示すプランジャ21は、外周側に切設したシールリング21bの嵌合用の環状溝41と円錐形のプランジャ先端とにわたり流通孔42を穿設し、その流通路42により環状溝41を計量室内と連通させた構造からなる。他の実施形態を示すものである。
【0047】このようなプランジャ21では、射出スクリュ2の前進による射出時に、プランジャ先端により押圧されて生じた樹脂圧が、流通孔42から環状溝41に緩く嵌合したシールリング21bに作用して外方に押圧し、これによりシールリング21bは拡張して、計量室18の内周面に押し付けられるようになる。これにより摺動用のクリアランスからの溶融金属の逆流が防止される。
【0048】また射出スクリュ2の後退時には、プランジャ21の計量室内の後退移動により生ずる負圧によって、拡張されたシールリング21bが元の状態に縮小し、そこに再びクリアランスが生ずるとともに、負圧による吸引作用により貯溜部Bに蓄えられた溶融金属が、プランジャ先端部が上記流通溝21aに達する前から拡張されつつある計量室18に流入するようになる。これにより機密状態の計量室内をプランジャ21が後退するものであっても、射出スクリュ2の強制後退を困難となすほどの大きな負圧が発生せず、射出スクリュ2の後退がスムーズに行えるようになる。
【0049】上記実施形態では、射出スクリュ2の強制後退後にスクリュ回転を行って、金属材料の供給及び溶融を行うものであるが、強制後退の開始と同時にスクリュ回転を行って材料供給を早期に開始することもできる。この場合には、図7に示すように、射出スクリュ2の前進限位置において、スクリュエンドのねじ溝23aが上記供給口13の直下に位置する個所から、貯溜部Bとの境界に形成した膨出部25のところまで、スクリュフライト23を同一ピッチにて軸部22の周囲に一体に形成することで達成することができる。
【0050】このような実施形態でも、スクリュ回転による材料移送及び溶融、スクリュ前進による計量及び射出充填等については、前記実施形態と変わるところはないが、金属材料の溶融及び貯溜部Bへの蓄えが早期に開始され、場合によっては、射出スクリュ2が設定された後退位置に達したときに、直ちに計量及び射出工程に移行することができ、これにより形成サイクルの短縮化が可能となる。




 

 


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