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発明の名称 耐酸化性に優れた希土類磁石合金粉末およびそれを用いたボンド磁石
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−335803(P2001−335803A)
公開日 平成13年12月4日(2001.12.4)
出願番号 特願2000−156036(P2000−156036)
出願日 平成12年5月26日(2000.5.26)
代理人 【識別番号】100046719
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良輝
【テーマコード(参考)】
4K018
5E040
【Fターム(参考)】
4K018 BA18 BC29 BD01 
5E040 AA03 AA19 BB04 BC05 CA01 HB09 HB11 HB17 NN05
発明者 石坂 和俊
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 R17Nx系磁石合金粉末(ただし、RはSmを必須とする少なくとも1種以上の希土類元素、TはFeを必須とする少なくとも1種以上の金属元素、Nは窒素)において、少なくともその表面の一部にロジンエステルが0.1〜1.5重量%存在することを特徴とする耐酸化性に優れた希土類磁石合金粉末。
【請求項2】 R17Nx系磁石合金粉末(ただし、RはSmを必須とする少なくとも1種以上の希土類元素、TはFeを必須とする少なくとも1種以上の金属元素、Nは窒素)において、少なくともその表面の一部にマレイン酸レジンが0.1〜1.5重量%存在することを特徴とする耐酸化性に優れた希土類磁石合金粉末。
【請求項3】 ロジンエステルまたはマレイン酸レジンが沸点100℃以下の有機溶媒に可溶であることを特徴とする請求項1または2記載の耐酸化性に優れた希土類磁石合金粉末。
【請求項4】 還元拡散法により製造されたR17系合金を窒化処理して製造された請求項1または2記載の耐酸化性に優れた希土類磁石合金粉末。
【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれか1項記載の磁石合金粉末を用いたことを特徴とするボンド磁石。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐酸化性に優れた希土類磁石合金粉末およびそれを用いたボンド磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の希土類気磁石合金粉末にバインダーを用いて成形したボンド磁石は、モーター、スピーカー、マイクロホン、小型発電機などの磁石応用機器に数多く使用されている。また近年の電気、電子機器の小型化、高効率化に対応し、より高い磁気特性を示す磁石合金粉末の開発がなされており、R17Nx系磁石合金粉末、特にSmFe17Nx系合金粉末がその優れた磁気特性から注目を集めている。
【0003】前記SmFe17Nx系合金粉末は、鋳造法、急冷法や還元拡散法などによって得られたThΖn17型の結晶相を主とするSm−Fe系合金を窒化したSmFe17Nx系合金を主原料とし、その粒径が数μmレベルであるものである。これはSmFe17Nx系磁石がニュークリエーションタイプの保磁力機構であり、単磁区粒子径程度の粒径で十分な磁気特性を発現するためである。このようにして製造されたSmFe17Nx系合金粉末は、有機樹脂をバインダーとしたボンド磁石として用いられている。
【0004】しかしこのボンド磁石では、時間の経過とともに磁気特性が劣化するという問題が生じており、その解決が大きな課題となっている。このような経時変化の原因は、SmFe17Nx系合金粉末が酸化し易い希土類を有すること、加えて微粉末であることによる比表面積の大きさにあり、ボンド磁石内に存在あるいは侵入してくる酸素、水分が徐々に合金粉末を酸化することによると考えられている。このため磁気特性の劣化抑制のためには、SmFe17Nx系合金粉末に耐酸化性を付与することが重要となる。
【0005】従来、希土類合金粉末に耐酸化性を付与するために、Sm−Co系やNd−FeB系磁石合金粉末では様々な提案がなされている。例えば、粉末表面にリン酸塩処理、クロム酸塩処理などの化成処理を施す方法(特開平1−14902号公報参照)、亜鉛やアルミニウムを蒸着する方法(特開昭64−15301号公報参照)、高分子皮膜を形成する方法(特開平4−257202号公報参照)、金属めっきを施す方法(特開平7−142246号公報参照)、Zn、Sn、Cu、In、Pbなど、またそれらを含む合金または化合物を粒子表面に形成させる方法(特開平5−190311号公報参照)、無電解メッキなどの方法で粒子の表面に、前記金属の被膜を形成させたりする方法(特開平5−230501号公報、特開平8−143913号公報など参照)などが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記した方法では、耐酸化性を向上させる一方で粉末表面性状が荒れて磁気特性が劣化したり、また被膜として十分な耐酸化性効果を得るために数μm程度の膜厚にする必要があることから、ボンド磁石内での磁石合金粉末の体積分率を低下させてしまい、結果として磁気特性低下につながるという問題があった。またこれらの処理時に微粉末同士の凝集も多く起こることから、異方性磁石としての高い磁気特性が実現できず、製造工程を複雑にさせ、それに見合うような諸特性の改善がはかられないというのが実状である。
【0007】本発明は、R17Nx系合金粉末の粉末表面を安定化させることにより前記した問題点を解決し、高磁気特性を有する耐酸化性に優れた希土類磁石合金粉末およびそれを用いたボンド磁石の提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐酸化性に優れた希土類磁石合金粉末は、R17Nx系磁石合金粉末(ただし、RはSmを必須とする少なくとも1種以上の希土類元素、TはFeを必須とする少なくとも1種以上の金属元素、Nは窒素)において、少なくともその表面の一部にロジンエステルが0.1〜1.5重量%存在することを特徴とし、また前記R17Nx系磁石合金粉末において、少なくともその表面の一部にマレイン酸レジンが0.1〜1.5重量%存在することを特徴とし、さらにロジンエステルまたはマレイン酸レジンが沸点100℃以下の有機溶媒に可溶であること、また還元拡散法により製造されたR17系合金を窒化処理して製造されたものであることを特徴とする。本発明に係るボンド磁石は、これらの磁石合金粉末からなることを特徴とするものである。
【0009】本発明のR17Nx系磁石合金粉末において、その表面の一部にロジンエステルまたはマレイン酸レジンを0.1〜1.5重量%存在させることとしたのは、0.1重量%未満では、充分な耐酸化性が発現しないためである。他方、1.5重量%を超えると、耐酸化性は向上するが粉末どうしの凝集が避けられず、磁気特性の顕著な低下が生じてしまうためである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では主相となるR17Nx相は、RとしてSmを、TとしてFeを必須成分とする。この主相は主としてSmFe17Nxを対象とするが、種々の添加元素を加えて組成を変えたものも対象とする。またSmの一部をY、La、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの少なくとも1種以上の元素で置換してもよい。ただし、磁気特性の低下を避けるためその置換量は50原子%以下であることが好ましい。またFeの一部をCo、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、Ga、Alの少なくとも1種以上の元素で置換してもよい。ただし、磁気特性の低下を避けるため、その置換量は50原子%以下であることが好ましい。またNの含有量はx=2.8〜3.2とすることが好ましい。
【0011】母合金は鋳造法、急冷法、還元拡散法、メカニカルアロイング法、HDDR法などによって製造される。また得られた母合金の主相を成長させる目的で、真空中あるいは不活性ガス中で熱処理を施す場合もある。効率的に窒化処理を行うためには母合金を粉体にすることが好ましい。そしてこの粉体の粒径範囲は150μm以下、より望ましくは20〜63μmに調整することが好ましい。母合金の粉砕には粉砕機の形式や方法は問われないが、母合金粉の酸化を防ぐために不活性雰囲気で粉砕できるものが求められる。
【0012】窒化では母合金粉にアンモニアガス、窒素ガスなどで窒素を導入し、窒化効率向上のために、前記ガスに水素ガスを併用する場合がある。その際300〜500℃の範囲で加熱するのが効果的である。
【0013】また窒化では、それに付随して合金粒子表面の吸着ガスの除去、水素ガス処理による粉砕、窒素を希土類合金粉内部に均質に拡散させるための熱処理を併用する場合がある。窒化後の母合金粉を微粉化する場合には、有機溶媒を用いた湿式粉砕あるいは微量酸素雰囲気下での乾式粉砕を行う。乾式粉砕機としては様々なものが存在するが、粉砕形式には特に制限されない。湿式粉砕を行う場合は、その後に溶媒の除去を目的とした乾燥、大気中でハンドリングを可能にするための徐酸化処理を行うことがある。
【0014】本発明では粉末表面にロジンエステルあるいはマレイン酸レジンを定着させるために、それらの溶液を調製し、その溶液を粉末と混合・撹拌し、その後乾燥させることを行う。またこれらの処理で磁石特性を損なうことなく、かつ効率よく行うために、本発明ではイソプロパノール、シクロヘキサンなどの沸点が100℃以下の有機溶媒を用いる。粉末の混合・撹拌機は特に限定するものではない。またロジンエステルあるいはマレイン酸レジンには様々なものが存在するが、ボンド磁石の用途を考慮すれば軟化点として80℃以上のものが望ましい。このロジンエステルあるいはマレイン酸レジンの添加量は多いほど耐酸化性が向上するが、粉末どうしの凝集も多くなる傾向があることから、前記したごとく粉末に対し0.1〜1.5重量%とした。
【0015】本発明のボンド磁石に用いる樹脂バインダーは特に限定されることはなく、各種熱可塑性樹脂単体またはそれら複合物、あるいは各種熱硬化性樹脂単体あるいはそれら複合物であり、それぞれの物性、性状なども所望の特性が得られる範囲で特に限定されることはない。
【0016】また、ボンド磁石組成物の加熱流動性などを向上させるために、各種カップリング剤や滑剤や安定剤を添加剤として用いる場合がある。磁石合金粉末と樹脂バインダーなどの混合、混練には各種ミキサーやニーダーあるいは押出機を用いることができ、射出成形法、押出成形法、熱間圧縮成形法などで本発明のボンド磁石を製造することか可能である。また成形時に磁場を印可することで異方性のボンド磁石を製造することができる。
【0017】
【実施例】実施例1還元拡散法により作製したSm−Fe(25重量%Sm)母合金粉を、35vol%アンモニアガス−水素ガス雰囲気で480℃、6時間の熱処理を行った。その後、炉内をアルゴンガス雰囲気に置換して480℃、2時間の熱処理を行った。このように熱処理して得られたSm−Fe−N合金粗粉を2−プロパノールを溶媒として用いた媒体撹拌ミルで粉砕した。その後に乾燥、徐酸化を行い、大気中でハンドリング可能な、粒径5μm以下の粒子が全体積の96.2%を占める微粉末を作製した。この微粉末に対し1.5重量%に相当するエステルガムAAL(ロジンエステル;荒川化学工業株式会社製)を同重量のキシレンにて溶解し、その溶液と微粉末を混合し5分間撹拌した。その後、減圧乾燥し微粉末を得た。
【0018】実施例2エステルガムAALを0.1重量%として実施例1と同様な方法で微粉末を作製した。
【0019】実施例3エステルガムAALを0.1重量%として実施例1と同様な方法で微粉末を作製した。
【0020】実施例4エステルガムHP(ロジンエステル;荒川化学工業株式会社製)を用い、実施例1と同様な方法で微粉末を作製した。
【0021】実施例5マルキードNo.1(マレイン酸レジン;荒川化学工業株式会社製)を用い、実施例1と同様な方法で微粉末を作製した。
【0022】実施例6マルキードNo.2(マレイン酸レジン;荒川化学工業株式会社製)を用い、実施例1と同様な方法で微粉末を作製した。
【0023】実施例7マルキードNo.5(マレイン酸レジン;荒川化学工業株式会社製)を用い、実施例1と同様な方法で微粉末を作製した。
【0024】実施例8マルキードNo.6(マレイン酸レジン;荒川化学工業株式会社製)を用い、実施例1と同様な方法で微粉末を作製した。
【0025】実施例9マルキードNo.8(マレイン酸レジン;荒川化学工業株式会社製)を用い、実施例1と同様な方法で微粉末を作製した。
【0026】比較例1還元拡散法により作製したSm−Fe(25重量%Sm)母合金粉を、35vol%アンモニアガス−水素ガス雰囲気で480℃、6時間の熱処理を行った。その後、炉内をアルゴンガス雰囲気に置換して480℃、2時間の熱処理を行った。このように熱処理して得られたSm−Fe−N合金粗粉を2−プロパノールを溶媒として用いた媒体撹拌ミルで粉砕した。その後に乾燥、徐酸化を行い、大気中でハンドリング可能な微粉末を作製した。
【0027】比較例2エステルガムAALを2.0重量%として実施例1と同様な方法で微粉末を作製した。
【0028】実施例1〜9と比較例1、2の微粉末について、60℃、90%RHの恒温槽で24時間放置し、放置前後の磁気特性を測定し、その結果を表1に示す。磁気特性は、微粉末をパラフィンと混合して成形したボンド磁石をVSM(振動試料型磁束計)測定した結果であり、また反磁界補正はしていない。表1の結果より明らかなごとく、本発明の微粉末はいずれも良好な磁気特性を示した。
【0029】
【表1】

【0030】実施例10実施例1で作製した微粉末100重量分に対して12−ポリアミド樹脂8重量部を混合し、ラボプラストミルにて混練した。混練温度は200〜240℃、混練槽内は窒素ガスパージし、混練後に取り出した組成物の冷却は空冷とした。得られた組成物をプラスチック粉砕機で粉砕して成形用ペレットとし、該ペレットからφ20×13mmの円柱状成形体を13mm方向に20kOeの配向磁界をかけながら射出成形して製造した。本実施例におけるシリンダー温度は190〜200℃、金型温度は100〜110℃、射出成形機の原料ホッパー・シリンダー内は窒素ガスパージ、金型キャビティー付近の雰囲気は大気、取り出した成形品の冷却方法は空冷とした。
【0031】比較例3比較例1で製造した微粉末を用いること以外、実施例10と同様な製造方法で成形体を作製した。
【0032】実施例10、比較例3で作製した成形体を、それぞれ60℃、90%RHの恒温槽内で300時間放置し、放置前後の磁気特性を測定し、その結果を表2に示す。磁気特性は、成形体の配向方向に50kOeで着磁した後、自記磁束計で磁気特性を測定した値である。表2の結果より明らかなごとく、本発明の微粉末を用いた成形体は60℃、90%RHの恒温槽内で300時間の長時間放置しても優れた磁気特性を示した。
【0033】
【表2】

【0034】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係る希土類磁石合金粉末は耐酸化性を有する高磁気特性のR17Nx系磁石合金粉末であり、このような磁石合金粉末を用いたボンド磁石は、高い磁気特性を有するとともに、経時変化を抑制した優れた磁石である。




 

 


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