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発明の名称 ガリウム化合物、砥粒および切削油を含む澱物からのガリウム化合物の濃縮方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−232234(P2001−232234A)
公開日 平成13年8月28日(2001.8.28)
出願番号 特願2000−54347(P2000−54347)
出願日 平成12年2月25日(2000.2.25)
代理人
発明者 柿本 実行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】ガリウム化合物をワイヤーソーで切断した際に発生するガリウム化合物、砥粒および切削油を含む澱物からのガリウム分の濃縮方法において、切削油と相溶しかつガリウム化合物の熱分解温度より低い沸点を有する溶媒に上記澱物内の切削油を溶解させると共に澱物内のガリウム化合物と砥粒を分散させる第一工程と、上記ガリウム化合物と砥粒が分散された溶媒を湿式分級し、ガリウム化合物を主に含む細粉が分散された溶媒と砥粒を主に含む粗粉が分散された溶媒とを得る第二工程と、第二工程で得られた細粉が分散された溶媒から溶媒を分離して細粉を得る第三工程と、第二工程で得られた粗粉が分散された溶媒から必要に応じて溶媒を除去した後、第二工程において細粉として分離された砥粒量と同量以下の砥粒を補充するとともに、粗粉および補充された砥粒に対する切削油の量を調整し、ガリウム化合物をワイヤーソー切断する際のスラリーとする第四工程を具備することを特徴とするガリウム化合物、砥粒および切削油を含む澱物からのガリウム化合物の濃縮方法。
【請求項2】上記第一工程における溶媒が切削油であることを特徴とする請求項1記載のガリウム化合物、砥粒および切削油を含む澱物からのガリウム化合物の濃縮方法。
【請求項3】液体サイクロンを用いて上記第二工程における湿式分級を行うことを特徴とする請求項1または2記載のガリウム化合物、砥粒および切削油を含む澱物からのガリウム化合物の濃縮方法。
【請求項4】第一工程、第二工程および第三工程の少なくとも一つの工程時に、磁石を用いて上記澱物中に含まれる磁性物を除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガリウム化合物、砥粒および切削油を含む澱物からのガリウム化合物の濃縮方法。
【請求項5】第一工程、第二工程および第四工程の少なくとも一つの工程時に、最大砥粒径以上の異物を除去する手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガリウム化合物、砥粒および切削油を含む澱物からのガリウム化合物の濃縮方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン化ガリウム等ガリウムを含む化合物半導体結晶ウエハの製造過程で発生するガリウム化合物、砥粒および切削油を含む澱物からガリウム分を濃縮して回収するためのガリウム化合物の濃縮方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リン化ガリウム等ガリウムを含む化合物半導体結晶ウエハの製造過程で、ガリウムを含む化合物半導体結晶(以下、ガリウム化合物という)を切断する際には、従来、ダイヤモンド内周刃切断装置が用いられていた。この際に切削屑として発生する澱物はガリウム化合物の切削粉がほとんどであり、金属ガリウム回収のための原料として有効利用されていた。
【0003】ところで、近年、切断ロス低減による低コスト化のため、ガリウム化合物の切断方法については、切断しろのより少ないワイヤーソー切断による方法に置き換わってきた。このワイヤーソー切断による方法では砥粒を分散させた切削油(以下、スラリーという)を用いるため、ワイヤーソー切断の際に発生する澱物は、微細な切削粉(細粉)、より粗大な砥粒(粗粉)および切削油を含む混合物として捕集される。そして、ワイヤーソー切断では砥粒の使用量が多いため、上記澱物中のガリウム化合物含有量は10重量%以下となりガリウム濃度は低かった。
【0004】そのため、ワイヤーソー切断の際に発生した上記澱物からガリウム分を回収しようとした場合、ガリウム化合物濃度の低い澱物に対して回収処理を施す必要があることから、回収効率が悪く、経済的に見合わないため、従来、上記澱物は産業廃棄物として処分されていた。
【0005】しかし、不足しがちなガリウム資源を有効に利用するという観点から、ワイヤーソー切断の際に発生した澱物から経済的にガリウム分を回収する方法が強く要望されていた。
【0006】この様な技術的背景の下、本出願人は、ガリウム化合物、砥粒および切削油を含む澱物からのガリウム分を簡便に、かつ、著しく濃縮して回収する方法を既に提案している(特願平11−76884号明細書参照)。
【0007】すなわち、出願人が提案した上記方法は、ガリウム化合物、砥粒および切削油を含む澱物からのガリウム分の濃縮方法であって、切削油と相溶しかつガリウム化合物の熱分解温度より低い沸点を有する溶媒に上記澱物内の切削油を溶解させると共に澱物内のガリウム化合物と砥粒を分散させる第一工程と、上記ガリウム化合物と砥粒が分散された溶媒から砥粒を除去するためにガリウム分を主に含む細粉と砥粒を主に含む粗粉に湿式分級して上記細粉が分散された溶媒を得る第二工程と、上記細粉が分散された溶媒から溶媒を分離して細粉を得る第三工程と、得られた上記細粉をガリウム化合物の熱分解温度未満の温度で加熱して残留する上記溶媒を細粉から除去する第四工程を具備することを特徴とするものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記方法によれば、第二工程において澱物中のガリウム化合物の約90%が細粉として回収できるものの、主として砥粒からなる粗粉にも、まだ約10%のガリウム化合物が含まれていた。ところが、この粗粉は産業廃棄物として処分されているため、回収されず、ガリウム化合物の回収率は約90%が上限となっていた。
【0009】本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、ガリウム化合物の回収率の更なる向上と、産業廃棄物の減量にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係る発明は、ガリウム化合物をワイヤーソーで切断した際に発生するガリウム化合物、砥粒および切削油を含む澱物からのガリウム分の濃縮方法において、切削油と相溶しかつガリウム化合物の熱分解温度より低い沸点を有する溶媒に上記澱物内の切削油を溶解させると共に澱物内のガリウム化合物と砥粒を分散させる第一工程と、上記ガリウム化合物と砥粒が分散された溶媒を湿式分級し、ガリウム化合物を主に含む細粉が分散された溶媒と砥粒を主に含む粗粉が分散された溶媒とに分離する第二工程と、第二工程で得られた細粉が分散された溶媒から溶媒を分離して細粉を得る第三工程と、第二工程で得られた粗粉が分散された溶媒から必要に応じて溶媒を除去した後、第二工程において細粉として分離された砥粒量と同量以下の砥粒を補充するとともに、粗粉および補充された砥粒に対する切削油の量を調整し、ガリウム化合物をワイヤーソー切断する際のスラリーとする第四工程を具備することを特徴とするものである。
【0011】そして、請求項1記載の発明に係るガリウム化合物の濃縮方法によれば、第二工程において粗粉として分離されたガリウム分も、粗粉を砥粒として繰り返し再使用することにより、最終的には全て細粉として分離、回収することができる。また、粗粉を砥粒として再使用することにより、新規に使用される砥粒量が抑制されるため、最終的に処分される産業廃棄物の量も減ずることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】まず、本発明に係るガリウム化合物の濃縮方法は、以下の第一工程から第四工程を具備することを特徴とするものである。
【0014】(1)第一工程この方法の第一工程では、切削油と相溶しかつガリウム化合物の熱分解温度より低い沸点を有する溶媒に上記澱物内の切削油を溶解させると共に澱物内のガリウム化合物と砥粒を分散させる。
【0015】ここで、澱物内のガリウム化合物と砥粒を上記溶媒に分散させるのは以下の理由による。すなわち、ワイヤーソー切断時における砥粒は、通常、切削油に高濃度に分散されていることから上記澱物が高粘度であるため、澱物内のガリウム化合物と砥粒を溶媒に分散させないと、第二工程における湿式分級による砥粒の除去が不十分になる場合があるからである。
【0016】溶媒は、切削油と相溶しかつガリウム化合物の熱分解温度より低い沸点を有するものであれば特に制限はないが、切削油が好ましい(請求項2)。
【0017】第二工程における湿式分級の分離効率の点からは、切削油よりも低粘度の溶媒、例えば灯油の方が溶媒として適している。しかし、第二工程で分離される粗粉は、第四工程においてワイヤーソー切断用のスラリーとして再生されることになるが、その際、切削油より低粘度の溶媒が残存していると、スラリーの粘度を適切な値に調整することが困難となる。その点、溶媒が切削油であれば、溶媒の量を調整する必要があったとしても、除去する必要はなくなる。
【0018】尚、切削油や灯油の沸点には温度範囲が通常あるが、温度範囲のある沸点の高低をいう場合に用いる沸点は『沸点の上限』を本明細書では意味する。
【0019】(2)第二工程第二工程では、ガリウム化合物と砥粒が分散された溶媒から砥粒を除去するためにガリウム分を主に含む細粉と砥粒を主に含む粗粉に湿式分級して上記細粉が分散された溶媒を得る。
【0020】ここで、湿式分級としては、自然沈降法、上記細粉よりも大きな開口径を有するフィルタを用いた濾過法も適用できるが、連続処理が可能で経済的な液体サイクロンを用いた方法(請求項3)が適している。尚、液体サイクロンにおける分級点の設定に関しては、以下のような設定方法が例示される。すなわち、上記澱物の一部を試料として採取し、かつ、採取した澱物を乾燥させた後、この乾燥させた澱物を、ガリウム化合物を溶解するエッチング液、例えば王水等で処理し、処理前後の澱物の各粒度分布の比較(すなわち、ガリウム化合物と砥粒が含まれた処理前の澱物の粒度分布と、ガリウム化合物が除去された処理後の澱物の粒度分布の比較)から澱物内に含まれるガリウム化合物の粒度分布を事前に測定し、ガリウム化合物の最大粒径程度に設定するとよい。
【0021】(3)第三工程第三工程では、細粉が分散された溶媒から溶媒を分離してガリウム分を主に含む上記細粉を得る。
【0022】ここで、細粉が分散された溶媒から溶媒を分離する手段としては、自然沈降法、上記細粉よりも小さな開口径を有するフィルタを用いた濾過法も適用できるが、連続処理が可能で経済的なデカンタ型遠心分離装置を用いた方法が適している。より経済的な観点から、デカンタ型遠心分離装置により分離された溶媒については、第一工程の溶媒として再利用することが好ましい。
【0023】尚、第三工程で得られた細粉からは、細粉を酸に溶解した後中和して、ガリウム分を一旦水酸化ガリウムとし、その後、水酸化ガリウムをアルカリ性溶液に溶解し、電解することで金属ガリウムが回収できる。
【0024】(4)第四工程第四工程では、第二工程で得られた粗粉が分散された溶媒から必要に応じて溶媒を除去した後、第二工程において細粉として分離された砥粒量と同量の砥粒を補充するとともに、粗粉および補充された砥粒に対する切削油の量を調整し、ガリウム化合物をワイヤーソー切断する際のスラリーとする。
【0025】ここで、必要に応じてというのは、第一工程で添加した溶媒が切削油以外の低粘度の溶媒である場合は、切削特性に悪影響を与えない程度まで粗粉から溶媒を除去する必要があるが、溶媒が切削油の場合は必ずしも除去する必要がないからである。
【0026】また、本工程では細粉とともに分離された砥粒量と同量以下の砥粒を補充する。粗粉量が十分で有れば必ずしも新品の砥粒を補充する必要はないが、細粉とともに分離された砥粒量と同量補充する場合も厳密に同量である必要はない。湿式分級によって細粉として分離される固形分の分析値から、事前に細粉として分離されてしまう砥粒量を計算しておき、計算された値分、砥粒を補充してもよい。
【0027】また、上記澱物中にワイヤーソーのワイヤー片など磁性物が含まれている場合には、この磁性物を除去することが好ましい。具体的には、第一工程、第二工程および第三工程の少なくとも一つの工程時に、溶媒内に含まれるワイヤー片などの磁性物を磁石を用いて除去する(請求項4)。この除去処理により、第三工程で得られた細粉を原料として金属ガリウムを得る際に、金属ガリウムの不純物濃度を下げるための繁雑な脱Fe処理を省略することが可能となる。
【0028】さらに、第二工程で分離された粗粉には異物が混入することがあるが、砥粒径よりも大きな異物がスラリー中に混入すると切削特性に悪影響を及ぼすので、このような異物は除去することが好ましい。具体的には、第一工程、第二工程および第四工程の少なくとも一つの工程時において、固形分をフィルターでろ過する(請求項5)。
【0029】このように本発明に係る濃縮方法によれば、粗粉をスラリーとして再使用するため、粗粉として分離されたガリウム化合物は、再度ガリウム化合物の濃縮工程に回され、産業廃棄物として処分されることなく、最終的には細粉として回収できるようになる。また、産業廃棄物として処分されるのは、細粉として分離された砥粒に限られるため、産業廃棄物の量も減ずることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
【0031】リン化ガリウム単結晶(熱分解温度:680℃)18本をワイヤーソーで切断した際に切削屑として発生した澱物を以下のように処理した。尚、この澱物は、リン化ガリウムの切削粉、SiCが主成分の砥粒、および切削油(沸点:200〜400℃)を含む。この澱物を分析した結果を以下の表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】また、この澱物の一部を資料として採取し、かつ、採取した澱物を乾燥させた後、この乾燥させた澱物を王水で処理し、王水エッチング処理前後の澱物の粒度分布を図1に示す。そして、図1に示されたリン化ガリウムと砥粒が含まれたエッチング前の粒度分布と、リン化ガリウムが除去されたエッチング後の粒度分布との比較から、澱物内に含まれるリン化ガリウムは5μm以下の粒径であると推察される。
【0034】まず、上記澱物56.1kg(ガリウム化合物含有量5122g)を切削油375リットル内に投入し、攪拌・分散後、永久磁石を入れ磁石に吸着されたものを除去して分散液を得た。
【0035】次に、得られた分散液を、100μmフィルタでろ過し、粗大粒子を除去後、液体サイクロンにより5μmを境として分級し、ガリウム分を主に含む上流分散液(細粉が含まれる)約355リットルと、砥粒を主に含む下流分散液(粗粉が含まれる)約39リットルを得た。
【0036】この分級処理で得られた細粉を含む上流分散液約355リットルを、デカンタ型遠心分離装置を用いて遠心加速度3200G、滞留時間60秒の条件で遠心分離し、12.8kg(ガリウム化合物含有量4595g)の固形分を得た。また、粗粉を含む下流分散液約39リットルを静置し、固形分を自然沈降させ、上澄みの切削油を除去して45.5kg(ガリウム化合物含有量514g)の固形分を得た。
【0037】上流分散液固形分および下流分散液固形分を分析した結果を以下の表2に示す。
【0038】
【表2】

【0039】次に、下流分散液固形分に上流分散液固形分中の砥粒重量、すなわち細粉として分離された砥粒重量と同じ重量の新品砥粒を6.78kg補充後、切削油を添加して比重調整を行い、再びワイヤーソー切断のスラリーとしてリン化ガリウム単結晶18本の切断に使用した。なお、切断特性は新品の砥粒から調合したスラリー使用時と差は見られなかった。
【0040】切断後の澱物を放置し、固形分を自然沈降させた後、上澄みの切削油を除去して得た2回目の澱物の分析結果を表3に示す。
【0041】
【表3】

【0042】上記澱物57.1kg(ガリウム化合物含有量5636g)を1回目の澱物処理と同様の方法で処理し、13.0kg(ガリウム化合物含有量5122g)の上流分散液固形分と45.9kg(ガリウム化合物含有量505g)の下流分散液固形分を得た。上流分散液固形分と下流分散液固形分の分析結果を表4に示す。
【0043】
【表4】

【0044】表2と表4の下流分散液固形分の含有率の比較から分かるように、粗粉をスラリーとして再使用しても、粗粉中にガリウム化合物が濃縮されることはなく、再使用を繰り返せば、ガリウム化合物は最終的に細粉として回収されることがわかる。
【0045】
【発明の効果】このように本発明に係る澱物からのガリウム化合物の濃縮方法によれば、湿式分級後の粗粉をスラリーとして再使用することによって、粗粉として分離されるガリウム化合物も、最終的には細粉として回収できるようになる。また、産業廃棄物として処分されるのは、細粉として分離された砥粒に限られるため、産業廃棄物の量も減ずることができる。




 

 


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