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発明の名称 触媒用担体及びこれを用いた水素化脱硫脱窒素用触媒並びにこれらの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−232202(P2001−232202A)
公開日 平成13年8月28日(2001.8.28)
出願番号 特願2000−52279(P2000−52279)
出願日 平成12年2月24日(2000.2.24)
代理人
発明者 山口 敏男 / 松田 高志 / 横塚 英治 / 金井 勇樹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】シリカとマグネシアから成る水和物にアルミナ水和物を加えて可塑化物を得、該可塑化物を成型して得た成型体を乾燥し、焼成して得た酸化物担体であり、シリカとマグネシアから成る水和物のマグネシアの含有量がMgOとして30〜50重量%の範囲であり、該シリカとマグネシアから成る水和物に加えるアルミナ水和物の加入量がAl23として60〜80重量%の範囲である触媒用担体。
【請求項2】酸化物担体に活性金属成分として、モリブデンを最終製品として得られる触媒重量に対して酸化物換算で17〜28重量%、ニッケル及び/またはコバルトを最終製品として得られる触媒重量に対して酸化物換算で3〜8重量%担持した触媒において、酸化物担体として請求項1記載の触媒用担体を用いたことを特徴とする炭化水素油水素化脱硫脱窒素用触媒。
【請求項3】シリカとマグネシアから成る水和物にアルミナ水和物を加えた可塑化物を得、該可塑化物を成型して得た成型体を乾燥し、焼成して触媒用担体を得る方法において、シリカとマグネシアから成る水和物中のマグネシアの含有量をMgOとして30〜50重量%とし、該シリカとマグネシアから成る水和物に加えるアルミナ水和物の加入量をAl23として60〜80重量%とすることを特徴とする触媒用担体の製造方法。
【請求項4】請求項3記載の方法により得た担体に、活性金属成分として所定量のモリブデンと、ニッケル及び/またはコバルトとを含む溶液を含浸させ、乾燥後焼成するものであり、モリブデンと、ニッケル及び/またはコバルトとの担持量が、それぞれ最終製品として得られる触媒重量に対して酸化物換算で17〜28重量%、3〜8重量%とすることを特徴とする炭化水素油水素化脱硫脱窒素用触媒の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭化水素油中に含まれる硫黄化合物ならびに窒素化合物の両者を効果的に除去するための水素化処理用触媒に関する。さらに詳しくは硫黄化合物、特に窒素化合物を多量に含有する炭化水素油を水素加圧下で処理し、硫化水素とアンモニアに転化させ原料炭化水素油中の硫黄及び窒素の含有量を同時に低減させるために使用される水素化処理触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化水素油中に含まれている硫黄化合物や窒素化合物を除去する方法として、高温高圧反応条件下で水素と炭化水素油を接触させ水素化脱硫、脱窒素処理する方法が知られている。水素化脱硫法に用いる水素化処理用触媒としては多孔性アルミナ担体に周期律表VIa族金属及びVIII族金属を担持させた触媒が一般に使用されている。
【0003】しかし、これらの水素化処理触媒は水素化脱硫反応には高活性を示すが水素化脱窒素反応には十分な活性を示さない。即ち、通常用いられる水素化脱硫条件下においては水素化脱硫活性と比較して水素化脱窒素活性は極めて低いものとなる。従って水素化脱硫触媒を用い、水素化脱窒素反応を十分に行うためには、より高い温度とより高い圧力、或いは小さな空間速度で触媒と炭化水素油とを接触させることが必要となる。そのような条件下で実際に炭化水素油を水素化処理した場合には水素化脱窒素に関し満足する結果が得られても、一方では脱硫反応や水素化反応、更には炭化水素油の軽質化が必要以上に進んでしまう。その結果、水素化脱硫用の触媒を用いて水素化脱窒素まで行おうとすれば、水素消費量が増大して経済的性が損なわれ、実用性が損なわれる。従って炭化水素油を水素化処理して硫黄化合物と窒素化合物を同時に除去するためには、従来から知られている水素化脱硫活性に加えて、C−N結合を開裂させる水素化脱窒素活性を具備した新たな触媒が必要である。
【0004】また、脱硫反応と脱窒素反応とを同時に行えば、炭化水素油の精製工程を簡略化することが可能であることは明らかである。こうした観点より水素化脱硫、脱窒素の両活性を具えた新たな触媒の研究が種々行われており、いくつかの提案もなされている。
【0005】例えば米国特許第3,446,730号公報には1.2〜2.6の水和水を含有する水酸化アルミニウムを焼成して作られたアルミナ担体にニッケルまたは第VI族金属またはそれら金属の酸化物または硫化物を担持し、さらに0.1〜2.0wt%のリン、珪素またはバリウムからなる促進剤を添加した触媒が提案されており、該触媒は処理油に関して残渣油を含めたいかなる溜分にも適用可能であるとしている。しかし、実際はその記載内容より溜出油を対象とするものと解される。
【0006】米国特許第3,954,670号,特開昭51−100,983号公報には周期律表VIa族金属及びVIII族金属とアルミナ及びボリアから成る触媒が水素化脱窒素反応に有効であることを述べている。しかし、組成については十分検討されておらず水素化脱硫触媒としての効果については何ら記載されていない。
【0007】また特開昭58−210847号公報にはアルミナーチタニアに第三成分としてシリカまたはマグネシアが添加された形態の三元系複合酸化物上に、水素化活性金属成分を担持させた重質油の水素化処理触媒が提案されている。しかし、該公報中で記載されているように、該触媒は、脱金属活性の改良を目的としたものであり、重質油中の重金属類の除去に対し優れた効果を示すものの、脱硫活性、脱窒素活性に関して必ずしも満足できるものでない。
【0008】上記のように水素化処理触媒用担体としてはアルミナを主成分とし、第二、第三成分を添加して触媒特性を改良したものが多用されている。しかしながら、前述の文献に示されているように、こうした担体を用いて調整されている触媒は、いずれも水素化処理反応における脱硫と脱窒素の両活性を十分に具備したものとはなっていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記したような従来の触媒の持つ問題点を解消し、炭化水素油の水素化脱硫並びに脱窒素の両活性を十分に具備した触媒に適した担体とこれを用いた触媒、およびこれらの製造方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は触媒担体としてシリカとマグネシアとアルミナから成る組成物に着目し、改良を行ったところ、特定範囲の比率のシリカとマグネシアから成る水和物にアルミナ水和物を特定範囲の比率で加えることで得られる酸化物担体に、従来から水素化活性金属として提案されているモリブデンと、ニッケル及び/またはコバルトを担持した触媒を用いることで、水素化脱硫および水素化脱窒素の両活性が向上することを見出して本発明に到達した。
【0011】すなわち、上記課題を達成するため本発明の担体は、シリカとマグネシアから成る水和物にアルミナ水和物を加えて可塑化物を得、該可塑化物を成型して得た成型体を乾燥し、焼成して得た酸化物担体であり、シリカとマグネシアから成る水和物のマグネシアの含有量がMgOとして30〜50重量%の範囲であり、該シリカとマグネシアから成る水和物に加えるアルミナ水和物の加入量がAl23として60〜80重量%の範囲であるものである。
【0012】また、本発明の触媒は、酸化物担体に活性金属成分として、モリブデンを最終製品として得られる触媒重量に対して酸化物換算で17〜28重量%、ニッケル及び/またはコバルトを最終製品として得られる触媒重量に対して酸化物換算で3〜8重量%担持した触媒において、酸化物担体として上記本発明の担体を用いたことを特徴とするものである。
【0013】そして、本発明の担体の製造方法は、シリカとマグネシアから成る水和物にアルミナ水和物を加えた可塑化物を得、該可塑化物を成型して得た成型体を乾燥し、焼成して触媒用担体を得る方法において、シリカとマグネシアから成る水和物中のマグネシアの含有量をMgOとして30〜50重量%とし、該シリカとマグネシアから成る水和物に加えるアルミナ水和物の加入量をAl23として60〜80重量%とするものである。
【0014】さらに、本発明の触媒の製造方法は、上基本発明の担体の製造方法により担体を得、これに、活性金属成分として所定量のモリブデンと、ニッケル及び/またはコバルトとを含む溶液を含浸させ、乾燥後焼成するものであり、モリブデンと、ニッケル及び/またはコバルトとの担持量が、それぞれ最終製品として得られる触媒重量に対して酸化物換算で17〜28重量%、3〜8重量%とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る炭化水素油の水素化脱硫脱窒素用触媒の構成において、担持させる活性金属成分として周期律表VIa族金属はモリブデンを用い、その担持量を酸化物換算で17〜28重量%とすること、また周期律表VIII族金属はニッケルおよび/またはコバルトを用い、その担持量を酸化物換算で3〜8重量%とすることにより水素化活性の高い触媒が得られることはすでに知られている。加えて、活性金属成分としてコバルトおよびモリブデンを共に用いた触媒の水素化脱硫活性が高く、またニッケルおよびモリブデンを共に用いた触媒の水素化脱窒素活性が高いことはすでに公知のことである。
【0016】本発明の骨子とするところのものは、触媒用担体、あるいはこれに所定量の水素化活性金属を含浸させ、乾燥し、焼成して得た触媒において、担体としてシリカ・マグネシアとアルミナとから成る酸化物担体を用いることにある。
【0017】本発明において、シリカ・マグネシアとアルミナとから成る担体を構成するに際し、マグネシアの含有量がMgOとして30〜50重量%の範囲であるシリカ・マグネシア組成物を20〜40重量%、アルミナをAl23として60〜80重量%の組成比とした酸化物担体を用いれば、得られる触媒の脱窒素活性に対する飛躍的な性能の向上が認められる。この活性向上は担体組成が有するシリカ・マグネシアの持つ酸・塩基特性とアルミナの持つ酸特性の相乗効果によるものではないかと考えられる。
【0018】本発明のシリカ・マグネシアとアルミナから成る担体は、例えば、公知の一般的な共沈法、沈着法、ゾルゲル法などの方法でシリカ・マグネシア水和物とアルミナ水和物をそれぞれ製造し、得られたシリカ・マグネシア水和物とアルミナ水和物とを混合することで製造することができる。
【0019】従って、本発明の担体を製造するには、まず例えば珪酸溶液と、酸化物にしたときにマグネシウムがMgOとして30〜50重量%範囲になる量のマグネシウム溶液との混合溶液を加水分解してシリカ・マグネシア水和物スラリーを得、これを濾過洗浄してシリカ・マグネシア水和物を得る。
【0020】また、例えばアルミニウム鉱酸溶液とアルミニウムアルカリ金属塩溶液とを混合して得られるアルミナ水和物スラリーに、アルミニウム鉱酸水溶液を添加し、次いでアルミニウムアルカリ金属塩水溶液添加し、この操作回数によってアルミナ粒子の大きさを調節する方法により得られたアルミナ水和物スラリーを濾過・洗浄し、濾過する方法によって、また、例えば、ヒドロキシカルボン酸の存在下でアルミニウム鉱酸水溶液にアルミニウムアルカリ金属塩水溶液を添加し、生成したアルミナ水和物スラリーにアルミニウム鉱酸水溶液とアルミニウムアルカリ金属塩水溶液とを同時に添加し、その生成するアルミナ水和物の比率を変えることでアルミナ粒子の大きさを調節する方法により得られたアルミナ水和物スラリーを濾過・洗浄し、濾過する方法によってアルミナ水和物を得ることができる。
【0021】前記のシリカ・マグネシア水和物を製造する際に使用するシリカ原料としては、珪酸ナトリウム,四塩化珪素などの水可溶性塩類が挙げられ、マグネシア原料としては、塩化マグネシウム,硫酸マグネシウム,硝酸マグネシウム,酢酸マグネシウムなどの水可溶性塩類が挙げられる。また、アルミナ水和物を製造する際に使用するアルミナ原料としては、硝酸アルミニウム,硫酸アルミニウム,塩化アルミニウム,アルミン酸ナトリウムなどの水可溶性塩類が挙げられる。
【0022】上記したような方法で製造されたシリカ・マグネシア水和物に、Al23として60〜80重量%の範囲になるような量のアルミナ水和物を加え、成型可能な水分になるまで加温・捏和して十分可塑化させた後、円筒状,球状,三つ葉型,四つ葉型など一般的な触媒担体として所望の形状に成型した後、乾燥し、ついで焼成して本発明のシリカ・マグネシアとアルミナから成る担体を製造することができる。
【0023】本発明の触媒は、このようにして得られたシリカ・マグネシアとアルミナから成る担体に活性成分を担持させて作製するが、そのためには、例えば、所望濃度となるように三酸化モリブデンと、炭酸ニッケル及び/または炭酸コバルトを水に懸濁させたスラリーにクエン酸、酒石酸等の有機酸を添加し、加熱溶解して含浸用溶液を作製し、この溶液中に上記酸化物担体を浸漬して含浸用溶液を吸収させて所望量の活性金属成分を担持するか、あるいは所望量の三酸化モリブデンと、炭酸ニッケル及び/または炭酸コバルトを水に懸濁させたスラリーにクエン酸、酒石酸等の有機酸を添加し、加熱溶解して含浸用溶液を作製し、この溶液全量を上記酸化物担体に吸着させて所望量の活性金属を担持させる。その後、これを乾燥し焼成すれば本発明の触媒を得ることができる。
【0024】本発明の触媒は、炭化水素油の水素化脱硫・脱窒素反応において、従来技術によって得られた触媒より、優れた活性を示す。その理由は、従来の触媒を構成するアルミナ担体やシリカ・アルミナ担体等より本発明のシリカ・マグネシアとアルミナから成る担体の方が保有する酸量が多く、且つ塩基をも有しているためではないかと推測している。
【0025】本発明において、シリカ・マグネシアとアルミナとの組成範囲は、該組成の担体を用いて触媒を調整したときに良好な脱硫能力と脱窒素能力が得られる範囲としている。
【0026】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものでない。また、シリカ・マグネシアとアルミナから成る酸化物担体組成と活性金属担持量ならびに活性評価結果について表1にまとめて併記した。
【0027】(実施例1)
(1)シリカ・マグネシア水和物の調製:内容積100リットルの攪拌機付きステンレス製反応槽に、水25リットルを反応槽内に入れ、60℃まで加温して保持し、攪拌しながらMgOとして5.3重量%濃度の塩化マグネシウム溶液17547gと、SiO2として9.2重量%濃度の珪酸ナトリウム溶液15090gとをほぼ同時に全量滴下した。その後、さらに20重量%濃度の水酸化ナトリウム溶液を6460g加えてpHを10.8とし、シリカ・マグネシア水和物スラリーを得た。該スラリーを30分間熟成した後、Na2Oとして0.1重量%以下になるまで濾過・洗浄を繰り返してMgOとして40重量%含むシリカ・マグネシア水和物ゲルを得た。
【0028】(2)アルミナ水和物の調製:内容積100リットルの攪拌機付きステンレス製反応槽に、水54リットルと濃度50%のグルコン酸溶液50gと、Al23として8.1重量%濃度の硫酸アルミニウム水溶液5180gとを反応槽内に入れ、70℃まで加温し保持し、攪拌しながらAl23として18.4重量%濃度のアルミン酸ナトリウム水溶液3760gを5分間で全量滴下し、30分間そのまま攪拌し熟成してpHを9.5とし、アルミナ水和物スラリーを得た。次ぎに該スラリーに、前記グルコン酸溶液50gを加えた前記硫酸アルミニウム水溶液5180gと、Al23として18.4重量%濃度のアルミン酸ナトリウム水溶液3760gとをpH8.2〜8.8の範囲を保持しながら5分間でほぼ同時に滴下し、次いで30分間そのまま攪拌して熟成した後、Na2Oとして0.1重量%以下、SO4として0.5重量%以下になるまで濾過・洗浄を繰り返してアルミナ水和物ゲルを得た。
【0029】(3)担体の調製:前記シリカ・マグネシア水和物ゲル987g(SiO2・MgOとして150g)と、前記アルミナ水和物ゲル1944g(Al23として350g)とを加熱ジャケット付きニーダー中で十分可塑化するまで混練し、次いで、この可塑化物を押出し成型機で成型し、得た成型物を110℃の温度で15時間乾燥し、電気炉で600℃にて2時間焼成してシリカ・マグネシアとアルミナから成る酸化物担体aを得た。
【0030】(4)触媒の調製:三酸化モリブデン23.4g、炭酸ニッケル11.9gを水50gに懸濁し、クエン酸16.1gを添加し、加熱溶解した後冷却し、担体の吸水量に見合う液量になるように水を加えて液量調節し、得た含浸液を上記(3)で得たシリカ・マグネシアとアルミナから成る酸化物担体a100gに含浸させ、2時間放置後110℃で16時間乾燥し、500℃で2時間焼成して触媒Aを得た。
【0031】(5)触媒の性能評価:得られた触媒Aを、触媒充填量15mlの固定床流通反応装置に充填し、炭化水素油の水素化脱硫、脱窒素反応活性を調査した。触媒の硫化条件はジメチルジサルファイドを2.5重量%添加した軽油で水素/油供給比200Nl/l,LHSV=2.0h-1,圧力3MPaの条件下、100℃から315℃まで7時間かけて昇温し、315℃に保持して16時間予備硫化を行った。
【0032】次いで、硫黄分1.15重量%,窒素分68重量ppm含むクエート常圧軽油を用い反応条件は圧力3MPa,LHSV=2.0h-1,水素/油供給比300Nl/l,反応温度350℃で行い、反応開始から50時間後の処理油中の硫黄分及び窒素含有量を分析して脱硫活性、脱窒素活性を求めた。結果を第1表に併記した。尚、硫黄分の分析は(株)堀場製作所製SLFA−920型を用い、窒素分の分析は三菱化成(株)製TN−05型を用いて行った。
【0033】第1表に示す脱硫活性は触媒Mを100とした時の反応速度定数の相対活性値で示すこととし、速度次数は脱硫反応速度が原料油の硫黄濃度の1.75乗に比例するものとしてKm=LHSV・(1/n−1)・{(1/Sn-1)−(1/Son-1)}の式を用いて求めた。nは速度次数1.75,LHSVは液空間速度(h−1),Sは処理油中の硫黄濃度(%),Soは原料油中の硫黄濃度(%)である。
【0034】また脱窒素活性は触媒Mを100とした時の反応速度定数の相対活性値で示すこととし、速度次数は脱窒素反応速度が原料油の窒素濃度の1.0乗に比例するものとしてKm=LHSV・1n(No/N)の式を用いて求めた。LHSVは液空間速度(h-1),Noは処理油中の窒素濃度(%),Nは原料油中の窒素濃度(%)である。
【0035】(実施例2,3)
(1)担体の調製:実施例1−(1)で得たシリカ・マグネシア水和物ゲルに加える実施例1−(2)で得たアルミナ水和物ゲルの添加量をAl23として60重量%、80重量%と変えたこと以外は実施例1−(3)と同様の方法でシリカ・マグネシアとアルミナから成る酸化物担体b,cを得た。
(2)触媒の調製:上記(1)で得たシリカ−マグネシアとアルミナから成る酸化物担体b,cを使用したこと以外実施例1−(4)と同様の方法で触媒B(実施例2),C(実施例3)を得た。
(3)触媒の性能評価:実施例1−(5)と同様の方法で触媒B,Cの性能評価を行い、結果を表1に示した。
【0036】(実施例4,5)
(1)シリカ−マグネシア水和物の調製:塩化マグネシウム溶液の滴下量をMgOとして30重量%,50重量%と変化させたこと以外実施例1−(1)と同様の方法でMgOとして30重量%含むシリカ・マグネシア水和物ゲルとMgOとして50重量%含むシリカ・マグネシア水和物ゲルを得た。
(2)担体の調製:上記(1)で得たMgOとして30重量%含むシリカ・マグネシア水和物ゲルとMgOとして50重量%含むシリカ・マグネシア水和物ゲルを使用したこと以外は実施例1−(3)と同様の方法でシリカ・マグネシアとアルミナから成る酸化物担体d,eを得た。
(3)触媒の調製:上記(2)で得たシリカ・マグネシアとアルミナから成る酸化物担体d,eを使用したこと以外実施例1−(4)と同様の方法で触媒D(実施例4),E(実施例5)を得た。
(4)触媒の性能評価:実施例1−(5)と同様の方法で触媒D,Eの性能評価を行い、結果を表1に示した。
【0037】(実施例6,7,8)
(1)触媒の調製:実施例1−(3)で得たシリカ・マグネシアとアルミナから成る酸化物担体aを使用し、三酸化モリブデン23.4g,炭酸コバルト10.8gと三酸化モリブデン39.7g,炭酸ニッケル13.4gと三酸化モリブデン24.0g,炭酸ニッケル17.0gと変化させたこと以外実施例1−(4)と同様の方法で触媒F(実施例6),G(実施例7),H(実施例8)を得た。
(2)触媒の性能評価:実施例1−(5)と同様の方法で触媒F,G,Hの性能評価を行い、結果を表1に示した。
【0038】(比較例1,2)
(1)担体の調製:実施例1−(1)で得たシリカ・マグネシア水和物ゲルに加える実施例1−(2)で得たアルミナ水和物ゲルの添加量をAl23として50重量%、90重量%と変えたこと以外は実施例1−(3)と同様の方法でシリカ・マグネシアとアルミナから成る酸化物担体f,gを得た。
(2)触媒の調製:上記(1)で得たシリカ・マグネシアとアルミナから成る酸化物担体f,gを使用したこと以外実施例1−(4)と同様の方法で触媒I(比較例1),J(比較例2)を得た。
(3)触媒の性能評価:実施例1−(5)と同様の方法で触媒I,Jの性能評価を行い、結果を表1に示した。
【0039】(比較例3,4)
(1)シリカ−マグネシア水和物の調製:塩化マグネシウム溶液の滴下量をMgOとして20重量%,60重量%と変化させたこと以外実施例1−(1)と同様の方法でMgOとして20重量%含むシリカ・マグネシア水和物ゲルとMgOとして60重量%含むシリカ・マグネシア水和物ゲルを得た。
(2)担体の調製:上記(1)で得たMgOとして20重量%含むシリカ・マグネシア水和物ゲルとMgOとして60重量%含むシリカ・マグネシア水和物ゲルを使用したこと以外は実施例1−(3)と同様の方法でシリカ・マグネシアとアルミナから成る酸化物担体h,iを得た。
(3)触媒の調製:上記(2)で得たシリカ・マグネシアとアルミナから成る酸化物担体h,iを使用したこと以外実施例1−(4)と同様の方法で触媒K(比較例3),L(比較例4)を得た。
(4)触媒の性能評価:実施例1−(5)と同様の方法で触媒K,Lの性能評価を行い、結果を表1に示した。
【0040】(比較例5)
(1)担体の調製:実施例1−(2)で得たアルミナ水和物ゲルだけを使用したこと以外実施例1−(3)と同様の方法でアルミナ酸化物担体jを得た。
(2)触媒の調製:三酸化モリブデン24.7g、炭酸ニッケル12.5gを水50gに懸濁し、リン酸8.9gを添加して加熱下で溶解した後冷却し、担体の吸水量に見合う液量に水で液量調節した含浸液を上記(1)で得たアルミナ酸化物担体j100gに含浸させ、2時間放置後110℃で16時間乾燥し、500℃で2時間焼成して触媒M(比較例5)を得た。
(3)触媒の性能評価:実施例1−(5)と同様の方法で触媒Mの性能評価を行い、結果を表1に示した。
【0041】
表 1.
担体 担体組成(重量%) 触媒 活性金属担持量(重量%) 触媒性能 番号 SiO2MgOAl2O3 番号 MoO3 NiO CoO P2O5 脱硫 脱窒素 活性 活性 a 60-40 70 A 18 5 - - 123 122 b 60-40 60 B 18 5 - - 118 120 c 60-40 80 C 18 5 - - 121 121 d 70-30 70 D 18 5 - - 118 119 e 50-50 70 E 18 5 - - 120 121 a 60-40 70 F 18 - 5 - 124 120 a 60-40 70 G 27 5 - - 122 123 a 60-40 70 H 18 7 - - 120 118 f 60-40 50 I 18 5 - - 91 108 g 60-40 90 J 18 5 - - 111 90 h 80-20 70 K 18 5 - - 105 103 I 40-60 70 L 18 5 - - 109 105 J ―― 100 M 18 5 - 4 100 100第1表に示す触媒Mの脱硫・脱窒素活性を100としたのは、この触媒の組成とほぼ同様の触媒が脱硫・脱窒素活性を具備した触媒として市販されているからである。
【0042】第1表の結果から見ると触媒A,B,C,D,Eは酸化物に換算したモリブデン,ニッケルの活性金属含有量が同一であり、酸化物担体のシリカ・マグネシアとアルミナから成る組成比及び活性金属担持量に関して、いずれも本発明の範囲を満足するもので高い脱硫・脱窒素活性を示すことが明らかである。
【0043】触媒Fは酸化物担体のシリカ・マグネシアとアルミナから成る組成比及び活性金属担持量に関していずれも本発明の範囲を満足するもので、活性金属としてモリブデン,コバルトを担持したものである。ニッケルの変わりにコバルトを担持しても、脱硫・脱窒素活性共高いことが明らかである。
【0044】触媒G,Hは酸化物担体のシリカ・マグネシアとアルミナから成る組成比及び活性金属担持量に関していずれも本発明の範囲を満足するもので、酸化物に換算したモリブデン,ニッケルの活性金属含有量を変えたものである。触媒Gは触媒Aに比較しモリブデンを増した触媒で、触媒Hは触媒Aに比較しニッケルを増した触媒であるが本発明の範囲内であり十分に高い脱硫・脱窒素活性を有している。
【0045】触媒I,Jはシリカ・マグネシア組成および活性成分の担持量に関しては本発明の範囲に入るが、シリカ・マグネシアに加えるアルミナの量が本発明の範囲外であるため、触媒Iの脱窒素活性は高いが、脱硫活性が低い値を示しており、触媒Jの脱硫活性は高いが、脱窒素活性が著しく低い値を示している。
【0046】触媒K,Lはシリカ・マグネシアに加えるアルミナの量および活性成分の担持量については本発明の範囲に入るが、シリカ−マグネシアの組成比が本発明の範囲外であり、この触媒K,Lの脱硫・脱窒素活性は触媒Aより低い値を示している。
【0047】
【発明の効果】本発明では、触媒用担体、あるいはこれに所定量の水素化活性金属を含浸させ、乾燥し、焼成して得た触媒において、担体としてシリカ・マグネシアとアルミナとから成る酸化物担体を用いる。この結果、シリカ・マグネシアの持つ酸・塩基特性とアルミナの持つ酸特性の相乗効果により、従来提案されている水素化脱硫・脱窒素触媒に比べ効率良く脱硫・脱窒素を行うことができる。従って、本発明の触媒を従来の水素化脱硫・脱窒素触媒に変えて使用すれば硫黄含有量,窒素含有量の低い燃料油を製造することができる。




 

 


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