米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 住友金属鉱山株式会社

発明の名称 湿式研磨による金属粉の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−214208(P2001−214208A)
公開日 平成13年8月7日(2001.8.7)
出願番号 特願2000−27339(P2000−27339)
出願日 平成12年1月31日(2000.1.31)
代理人
発明者 安藤 孝治
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 溶液中に金属粉を懸濁させ、空気を供給しつつ、溶液のpH調整により前記金属粉の水酸化物、あるいは水酸化物を含む複塩を析出生成させ、攪拌することによって、金属粉を前記水酸化物または複塩で研磨した後、再度pHを調整することによって、前記水酸化物あるいは複塩を溶液中に再溶解させ、微細な金属粉を回収することを特徴とする湿式研磨による金属粉の製造方法。
【請求項2】 金属粉が銅粉である請求項1記載の湿式研磨による金属粉の製造方法。
【請求項3】 pH1以下の硫酸銅溶液中に銅粉を懸濁させ、空気を吹き込みながら攪拌し、溶液のpHが3以上となった後は、空気の供給を停止し、さらに加熱しながら攪拌することによって、過剰の水酸化銅の生成を抑制しつつ銅粉を研磨することを特徴とする請求項2に記載の湿式研磨による金属粉の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿式研磨により、微細な金属粉を製造する方法に関し、特に電解によって得られた銅粉を湿式研磨により微細化する金属粉の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銅などからなる微細な金属粉を製造する場合には、化学反応や高温下において、ガスを用いて還元する方法などがある。しかし、これらの方法によって得られる金属粉は、一般に微細な粒子を得ることが出来る反面、大量の生産が困難で、製造コストが高くなる欠点がある。
【0003】これに対して電解によって金属粉を得ることもできる。この場合は、硫酸塩などの溶液と電極、簡単な電源装置のみで容易にかつ大量に金属粉を得ることが可能で、コスト的にも有利である。しかし、電解によって得られる金属粉は一般に樹枝状の成長をするなど必ずしも微細な粒子とはならないことが多い。
【0004】電解によって微細な粒子を直接得ることを目的として、電解液の組成や通電方法を変更し、特殊な電解方法を用いることも行なわれている。しかし、このような方法を用いても、酸溶液からなる電解では、生成した微細な粒子が、反応容器内で再溶解するなどして収率が低下する等の問題があった。
【0005】そこで、一度電解などで粗大な金属結晶を得、これを研磨によって、微細化するという方法もある。すなわち、電解で得た金属粉を別途機械的方法等で研磨することで樹枝状、あるいは針状等に析出した電解粉の不規則な形状を、球状に近い望ましい形に変形しようとするものである。
【0006】しかし、ミル等を使用した機械的な破砕では、接触時の摩擦熱による影響を受けることが心配される。とりわけ銅のように再結晶を生じやすい金属では、接触時の摩擦熱によって、かえって粗大な粒子に成長してしまうこともある。また、破砕するために鉄球・セラミックボールなどを使用することにより、破砕時にコンタミが生じる可能性もある。
【0007】したがって、金属粉を摩擦によって研磨する時は、冷却効果があり、しかも粒子間の接触の機会を多くとることが可能な水溶液内での湿式研磨が有利な方法となる。しかし、金属粉は一般に水溶液よりも比重が大きいため、攪拌・混合状態を高度に制御し、水溶液中での金属粉の懸濁状態を維持する必要があり、この制御が不十分であると、固形分がすぐに沈降し、槽底で固結するような現象が起こり、効果的な研磨が行いにくいという欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点を解決するため、湿式での研磨によって金属粉を製造する場合に、攪拌槽内での金属の沈降から生じる攪拌効率の低下を防止し、効果的に湿式研磨を行う金属粉末の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、溶液中に金属粉を懸濁させ、溶液のpH調整により前記金属粉の水酸化物、あるいは水酸化物を含む複塩を析出生成させ、攪拌することによって、金属粉を前記水酸化物または複塩で研磨した後、再度pHを調整することによって、前記水酸化物あるいは複塩を溶液中に再溶解させ、微細な金属粉を回収することを特徴とする湿式研磨による金属粉の製造方法である。
【0010】本発明による方法は、金属粉が銅粉である場合に特に有効であり、pH1以下の硫酸銅溶液中に銅粉を懸濁させ、空気を吹き込みながら攪拌し、溶液のpHが3以上となった後は、空気の供給を停止し、さらに加熱しながら攪拌することによって、過剰の水酸化銅の生成を抑制しつつ銅粉を研磨する。一定時間研磨後pHを2以下まで低下させることによって、生成した銅水酸化物あるいは複塩を硫酸銅として再溶解させ、銅粉を回収することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者は、湿式研磨法による微細な金属粉末の製造方法において、粒子間の衝突の機会を確保し、あわせて熱による影響を防止するために、原料となる金属粉を部分的に溶解させ、溶解した金属成分から生成する物質により金属粉を研磨することに着目した。
【0012】本発明では、金属を部分的に酸化溶解することで水酸化物、あるいは水酸化物を含む複塩を生成させ、これら生成した物質の比重が重いことを利用して金属粉の溶液中への分散性を向上させ、同時に複塩との衝突により研磨効果を高める方法を用いる。
【0013】すなわち、銅粉の製造を例に取ると、銅粉を硫酸溶液内で空気を吹き込みながらpH3〜5の範囲内で70〜100℃に加温することにより銅の一部が溶解し、硫酸銅と水酸化銅からなる複塩が生成することを見出した。
【0014】この複塩の結晶は微細かつ針状を成しており、研磨効果を高めるのに効果的である。また、比重も銅粉の8.9に対して3.9〜4程度であり、水に比較してはるかに大きく、銅粉と複塩の懸濁状態を維持し、これら溶液中の固形物の槽底への沈降を抑制することが可能である。
【0015】また、この複塩は硫酸を加えてpHを2以下にすると直ちに硫酸銅溶液として再溶解するため、研磨後は容易に金属銅だけを分離回収することが可能であり、コンタミの心配がまったく無い。さらに、溶解した硫酸銅溶液は次回の銅粉研磨時の始液として、再び使用することが可能であり、効果的な方法である。
【0016】しかし、この方法を用いる場合、複塩を生成させるために吹き込む空気量が多すぎると、銅粉が多量あるいは大部分が水酸化銅に変化してしまい、得られる銅粉の収率が悪化する問題がある。これを防止するためには、空気の吹き込み量を制御して、複塩すなわち水酸化銅の生成を抑制する必要があり、水酸化銅の生成を抑制する時点を決定する必要がある。
【0017】電解銅粉を硫酸溶液中で空気を吹き込みながら加熱すると、加水分解により水酸化銅と硫酸銅からなる複塩が生成する。この生成した複塩を使用して銅粉の研磨を行う場合では、水酸化物と銅粉との存在の割合が研磨効果に大きく影響すると考えられる。この研磨効果を種々の条件において比較実験の結果、概ね銅粉の10〜20%程度の複塩量が確保されていれば、それ以上複塩の量を増加させても研磨効果に大きく影響することはないことを見出した。
【0018】この銅粉を硫酸銅を経由して複塩を生成させる反応では、銅粉を硫酸銅として溶解させるために使用された硫酸の75%が、複塩の生成によって、再び硫酸として再生されることとなる。この再生された硫酸は、再び銅粉を溶解させることとなる。したがって、空気を連続供給することによって、当初予定した複塩生成のための硫酸銅の量の4倍の銅が溶解することとなり、複塩の生成が増加すれば、銅粉の溶解量が必要以上に増加し、収率が大幅に低下することとなる。
【0019】このため、添加する硫酸量は、複塩生成のための硫酸銅を生成する量の25%相当量とする必要がある。しかしながら、硫酸の添加量を必要最低限とした場合には、反応終点付近での反応速度が低下したり、また、複塩生成後の研磨時においても遊離酸が残留している方が効果的な場合があるので、硫酸添加量は適宜操業の状態に合せ調整すれば良い。
【0020】つぎに、空気の供給を停止して酸化反応を抑制する時点を検討した結果、攪拌時の溶液のpHが3を超えて上昇した時点で酸化反応を抑制することが、もっとも効果的であることが実験により判明した。具体的には、遊離酸が存在する状態のpHは通常0〜1程度の値となるが、銅粉が硫酸銅として溶解するにともない次第にpHが上昇する。一方、硫酸銅と水酸化銅から複塩が生成するのは、概ねpHが2から3以上の領域であり、pHが2以下では硫酸銅として再溶解する。すなわち、pHが2から2.5の付近を超えた場合に空気量を抑制し、pHが3を超えた時点で空気の吹き込みを停止することによって、過剰の水酸化物・複塩の生成を停止させることができ、原料である銅粉の過剰な溶解を防止することができる。
【0021】
【実施例】反応容器として、1リットルのビーカーを4個用意し、それぞれA・B・C・Dとした。原料として使用した銅粉は、平均粒径が、50〜100μmの電解銅粉であり、1リットルのビーカーにそれぞれ200gを供給した。
【0022】(実施例1)ビーカーAには、5%濃度の硫酸溶液(pH1)500mlを入れ、毎分100mlの空気を吹き込みながら攪拌羽根で毎分400回転で攪拌した。
【0023】(比較例1)ビーカーBには、5%の硫酸(pH1)500mlを入れ、空気無しで攪拌した。
【0024】(比較例2)ビーカーCには、純水500mlを入れ、毎分100mlの空気を吹き込みながら攪拌した。
【0025】(比較例3)ビーカーDには、純水500mlを入れ、空気無しで攪拌した。
【0026】上記A、B、C、D、をそれぞれ70℃に加温すると、Aには黄緑色の水酸化物が生成したが、その他には変化が無かった。それぞれ16時間の攪拌後、1%濃度の硫酸を500ml加えてpHを概ね2以下に調整して30分間攪拌し、それから濾過して固液分離し、得られた銅粉を純水で洗浄して乾燥した。
【0027】それぞれの銅粉を顕微鏡にて観察し、外観と平均粒径を測定した。その結果、以下のようにAで得られた銅粉がもっとも微細化できており、Bなど空気を併用しないと研磨効果が不充分であることがわかった。また、C・Dなど硫酸を使用しないとこの程度の攪拌では研磨効果はないことが確認された。
【0028】

(実施例2)反応容器として、2リットルのビーカーを用意し、ビーカーEとした。原料として使用した銅粉は、平均粒径が、50〜100μmの電解銅粉であり、ビーカーEに400gを供給した。ビーカーEに5%濃度の硫酸溶液(pH1)1000mlを入れ、70〜80℃に維持しながら、毎分200mlの空気を吹き込みながら攪拌羽根で毎分200回転で攪拌した。
【0029】ビーカーEは、ほぼ12時間を経過したころから遊離硫酸が消費され、pHは2.5から3の間となり、薄緑色の複塩が生成した。pH3以上となった時点で空気の吹き込みを停止し、そのまま加熱と攪拌を継続したところ、pHは、ほぼ3.0〜3.2程度で維持できた。
【0030】加熱と攪拌を34時間まで継続して行い、この間は、溶液中に、複塩と銅粉が懸濁した状態を維持した。34時間経過後、1%の硫酸1000mlを加えたところ、複塩は硫酸銅に変化し再溶解した。その結果ビーカーEでは、銅粉が沈降し、微細な球状の銅粉末が約360g回収できた。
【0031】(比較例4)実施例2と同様に反応容器として、2リットルのビーカーを用意し、ビーカーFとし、実施例2と同様に、銅粉を400gを供給し、5%濃度の硫酸溶液1000mlを入れ、70〜80℃に維持しながら、毎分200mlの空気を吹き込みながら攪拌羽根で毎分200回転で攪拌した。
【0032】ビーカーFは、ほぼ12時間を経過したころから遊離硫酸が消費されpHは2.5から3の間となり、薄緑色の複塩が生成した。pH3以上となった時点以後も、そのまま空気の吹き込みを継続して行ったところ、pHは引き続き上昇し、最終的に4.5となった。
【0033】加熱と攪拌を34時間まで継続して行い、この間は、溶液中に、複塩と銅粉が懸濁した状態を維持した。34時間経過後、1%の硫酸1000mlをそれぞれ加えたところ、複塩は硫酸銅に変化し再溶解した。ビーカーFは、pHが上昇し、銅粉の大部分が最終的に硫酸銅となり溶解しているため、銅粉末は、約250gしか回収できなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明により微細な銅粉を容易に得ることが出来るようになった。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013