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油汚染土壌の修復方法 - 住友金属鉱山株式会社
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発明の名称 油汚染土壌の修復方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−212552(P2001−212552A)
公開日 平成13年8月7日(2001.8.7)
出願番号 特願2000−26375(P2000−26375)
出願日 平成12年2月3日(2000.2.3)
代理人 【識別番号】100046719
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良輝
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004 AA41 AB02 CA19 CC11 DA02 DA03 DA10 DA20 
発明者 北川 明子 / 牛尾 亮三
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 芳香族炭化水素と飽和脂肪族炭化水素をともに含む物質により汚染された土壌に窒素源とリン源を水溶液として添加した後、その供給を一旦停止し、土壌中の窒素濃度が乾燥土壌1kg当たり0.01g以下まで減少した後に、前記窒素源とリン源の供給を再開することを特徴とする油汚染土壌の修復方法。
【請求項2】 前記窒素源とリン源の供給を再開する時を、土壌中の窒素濃度が乾燥土壌1kg当たり0.01g以下まで減少した後とするとともに、かつ土壌中の好気性従属細菌数が乾燥土壌換算で土壌1g当たり初期値の10倍以下にまで減少した後とすることを特徴とする請求項1記載の油汚染土壌の修復方法。
【請求項3】 前記窒素源とリン源の供給を再開する前に、乾燥土壌換算で土壌1g中の好気性従属栄養細菌数を、一旦初期値の10倍以上に増加させたことを特徴とする請求項1または2記載の油汚染土壌の修復方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油汚染土壌の修復する方法、特に微生物を利用した方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油類を扱う事業所や工場は全国に多数存在しているが、その内には取扱設備からのこぼれ汚染、パイプラインの破損などによる漏洩などによって土壌に石油が浸透して汚染している場合が少なくない。そしてこのような汚染に関しては、現在、国としての法規制の整備が進められているとともに、地方自治体レベルでも独自の条例で規制や浄化指導を定めている都市が増加してきているため、その汚染土壌の修復方法が必要とされている。
【0003】従来の汚染土壌の処理法には、焼却法や洗浄法などの方法があるが、これらの方法には以下のような問題がある。まず焼却法には大掛かりな設備が必要であり、コストがかかる上、排出される燃焼ガスにより二次的な大気汚染を招く場合がある。また洗浄法はコストがかかる上、有害物質を液層に転換するのみで根本的に無害化する方法でないため、さらに後処理が必要になる。またこれらのいずれの方法も高濃度で局部的な汚染の場合には有効となることもあるが、汚染が低濃度で広範囲である時には処理速度やコストの問題から十分な効果が期待できないという問題もあった。
【0004】これらの問題を解決する方法として、広範囲で低濃度の汚染でも処理が可能であり、二次汚染の心配のないバイオレメディエーション、すなわち生物学的な処理を用いた環境修復方法の開発が進められてきている。炭化水素化合物に汚染された土壌のバイオレメディエーションを利用した処理法として、土壌中の微生物を人為的な手法を用いて周期的に減少させ、その後分解能を持つ外来の微生物を注入させて処理する方法が、特開平9−267084号公報に開示されている。しかしこの方法だと微生物数を減少させる行程で殺菌操作が入るため再び菌が増殖するまでに時間がかかり処理効率が悪く、また土壌に対して外来の微生物を投入するために人体や生態系へ及ぼす影響の安全性が明確に確認されておらず、現実的な処理とはいえなかった。
【0005】さらにバイオレメディエーション処理によると、石油類の中でも軽質油は比較的容易に分解するが、重質油は難分解性でこれらを効果的に分解できる方法が未だ見出されておらず、特に難分解性物質の中で多環芳香族炭化水素などは、発癌性物質である疑いを持たれているのでこの多環系芳香族炭化水素を分解できる技術が待望されているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】汚染された土壌、地下水、河川や海洋などには一般に微生物が存在しているが、微生物が有害有機物を分解するための環境は十分に整っているとはいえない。したがって汚染土壌などに無機栄養素(窒素、リンなど)や酸素を添加したり、また水分を調整したりして有機化合物の分解を促進し、最終的には水と二酸化炭素にまで分解する。しかしながら栄養素の添加や水分の調整をしてもある程度分解が進むと有害物質を分解する速度は徐々に低下してしまう。この原因は有害物質の中でも多環系芳香族化合物やレジン、アスファルテンなどが微生物の分解を受けづらいためである。
【0007】本発明は、低コストで広範囲、低濃度の処理が可能であるバイオレメディエーションを汚染土壌の土着菌を活性化することによって実施し、かつ環境状態に併せて起こる微生物の組成の変化を促進させて、難分解性である多環系芳香族炭化水素も分解させることができる油汚染土壌の修復方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、石油系化合物により汚染された土壌の微生物による処理方法について鋭意検討を重ねた結果、汚染土壌中の窒素濃度を制御することによって、石油系化合物のうち特に難分解性の芳香族化合物の分解効率を飛躍的に向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】したがって前記目的を達成するため本発明に係る油汚染土壌の修復方法は、芳香族炭化水素と飽和脂肪族炭化水素をともに含む物質により汚染された土壌に窒素源とリン源を水溶液として添加した後、その供給を一旦停止し、土壌中の窒素濃度が乾燥土壌1kg当たり0.01g以下まで減少した後に、前記窒素源とリン源の供給を再開することを特徴とするものであり、また前記窒素源とリン源の供給を再開する時を、土壌中の窒素濃度が乾燥土壌1kg当たり0.01g以下まで減少した後で、かつ土壌中の好気性従属細菌数が乾燥土壌換算で土壌1g当たり初期値の10倍以下にまで減少した後とし、さらに前記窒素源とリン源の供給を一旦停止している間に、乾燥土壌換算で土壌1g中の好気性従属栄養細菌数を、一旦初期値の10倍以上に増加させたことを特徴とする。
【0010】このように本発明では、石油系化合物に汚染された土壌を微生物の力を用いて修復する方法において、窒素源とリン源を前記汚染土壌に添加し、該土壌中の微生物の活動を促進させアルカンなどの易分解成分を分解させる。そして易分解成分が減少していくに伴い、土壌中の好気性従属栄養細菌数・窒素濃度が減少した後に、新たに窒素源とリン源を添加することにより汚染土壌中に芳香族化合物を分解する微生物を増殖させ、石油中の全ての成分を分解する汚染土壌の処理方法である。
【0011】
【発明実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。殆どの土壌において油などの炭化水素分解能を有する土壌微生物が存在しており、したがって新たな微生物を加えることなく微生物分解を利用した石油汚染土壌の修復は可能なはずである。しかし農地などは例外として、一般の土壌ではこの土壌修復に必要な窒素とリンを主とする無機栄養素が不足している。そのため無機栄養素を土壌に加えることにより土壌中の炭化水素分解微生物が活性化し、炭化水素化合物の分解が促進される。また無機栄養素の土壌への混和を、これを溶解した水溶液体で実施した場合に顕著な分解除去が可能となる。これは土壌間隙水の無機栄養素濃度を均一な状態にできるからであり、もしこの無機栄養素を固体や粉体のまま混和すると、土壌間隙内の微細部では無機栄養素濃度に大きな差を生じてしまい、土壌全体としては石油分解速度はそれほど上がらなくなるからである。
【0012】そこで本発明に係る修復方法では、無機栄養源を含んだ水溶液と石油汚染土壌を撹拌するものであり、その水溶液には窒素源とリン源が含まれる。窒素源としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムなどが挙げられ、またリン源としてはリン酸水素二カリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに水溶液には窒素源とリン源の他にも微量元素としてFe、Mg、Ca、Zn、Naなどを含ませることもできる。上記のような成分を含んだ水溶液を汚染土壌に散布しながら土壌と混和撹拌するか、あるいは均一に土壌表面から浸透させることによって混和する。また前記成分の濃度は乾燥土壌1kg当たり窒素濃度が100mg以上、リン濃度が20mg以上とすることが好ましい。
【0013】石油汚染土壌に生息している微生物は多量の無機栄養素を必要としているが、このような混和作業によって適量の無機栄養素が土壌に供給され、そのため土壌中の微生物の数が増加し、石油分解速度を著しく上げることができる。さらに上記のような無機栄養素を含む水溶液を混和した土壌内に単数本または複数本の有孔管を埋設することが好ましい。この有孔管を用いて空気を通気して新鮮な空気を補給することによって汚染土壌の通気性を保ち、かつ土壌微生物の働きを活発にして、土壌中の石油類を効率的に分解除去することができる。その際、インピンジャーなどを用いて予め水を通した空気を通気することにより汚染土壌中に湿潤な空気を送り込んで、汚染土壌が乾燥するのを防ぐことが好ましい。
【0014】土壌環境内には、多種多様な微生物が共存して生態系を構成していることは広く知られており、これらの微生物種の組成比や個体数は、環境の物理的、化学的条件の変化や、微生物間の競合や共生などの働きに大きく依存している。油汚染土壌の処理に窒素源とリン源を添加した当初は、油成分の中でもアルカンなどの易分解成分を分解する微生物が増殖する。それに伴い好気性従属栄養細菌数が増加し、土壌中の窒素濃度と油分濃度の減少が起きる。
【0015】しかしながら窒素源とリン源の添加を継続していると、次第に油分減少速度が下がり、窒素濃度が乾燥土壌1kg当たり0.01g以下まで減少する頃には好気性従属栄養細菌数も減少し始る。この現象は、油成分中のアルカンなどの易分解成分が減少したため、アルカンを分解する微生物の新規増殖が止まり死滅する分、該微生物の数が減ったことから起きるのである。
【0016】ついで汚染土壌中の窒素濃度が乾燥土壌1kg当たり0.01g以下まで減少した後に、窒素源とリン源の供給を再開する必要がある。なお、土壌中の窒素濃度が乾燥土壌1kg当たり0.01g以下になる前に窒素源とリン源の供給を再開すると、油成分中のアルカンなどの易分解成分を分解する微生物が減少しない。窒素源とリン源の再開は2回目の微生物活性を計る上で、余剰なアルカン分解微生物の存在は新たな微生物種への交代を阻害するため、好気性従属栄養細菌数が初期値の10倍以下に減少した時期に実施することが好ましい。この時、土壌中の炭化水素は難分解成分である芳香族炭化水素やレジンなどの割合が増加しており、この時期に微生物の発育を活性化させることにより、アルカンを分解する微生物に代わって芳香族炭化水素を分解する微生物が増殖し、その結果再び油の分解速度を上げることができるからである。
【0017】
【実施例】つぎに本発明を実施例と比較例によって具体的に説明する。
[実施例1]石油汚染土壌(A重油汚染、初期炭化水素濃度4.5g/kg乾燥土)10kgに、硝酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウムを溶解させた水溶液を混合・撹拌した。この時の栄養素の添加濃度は、乾燥土壌1kgに対し窒素濃度が100mg、リン濃度が20mgとなるようにした。この混合土を盛土するとともに空気供給のため土壌内に必要な有孔管を配置し、この有孔管をブロアー装置などに接続して空気を送風することによって土壌中への通気を計った。通気を行っている期間中に適宜、任意の場所において4箇所以上のサンプリングを行い、テトラヒドロフラン(THF)抽出−重量法によるA重油濃度、TLC/GC−FID(イアトロスキャン:(株)ヤトロン製:商品名)による飽和脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素の比、水溶出窒素濃度の分析、平板希釈法による好気性従属栄養細菌数の測定を行った。
【0018】窒素源とリン源の供給を停止した後2ヶ月経過すると、窒素濃度が乾燥土壌1kgに対し0.01g以下にまでに減少し、さらに窒素源とリン源の供給を停止した後4ケ月経過した時に、好気性従属栄養細菌数が乾燥土壌換算で土壌1g当たりの初期値[2.0×10CFU/g:CFU=コロニー形成単位(Colony−Forming unit)]の10倍以下に減少したため、窒素源とリン源の供給を再開した。好気性従属栄養細菌数は窒素源とリン源の供給停止後2ケ月で初期値の10倍に増殖し、その後減少し続けていたが、窒素源とリン源の供給を再開した後は、増加を再度始めた。この結果、処理期間7ケ月のA重油の減少率は80%で、その油中の芳香族炭化水素の約80%が分解されていた。
【0019】[実施例2]石油汚染土壌10kgに、初期添加した栄養素の濃度を、乾燥土壌1kgに対し窒素濃度が500mg、リン濃度が100mgとなるように水溶液を用いて混合・撹拌を行った。盛土した混合土壌内に空気供給のため必要な有孔管を配置し、通気を行った。窒素源とリン源の供給を停止した後4ヵ月経過すると、窒素濃度が乾燥土壌1kgに対し0.01g以下にまでに減少し、さらに窒素源とリン源の供給を停止した後5ヵ月経過すると、好気性従属栄養細菌数が乾燥土壌換算で土壌1g当たりの初期値が10倍以下に減少したため、窒素源とリン源の供給の停止後5ヵ月経過した時に窒素源とリン源の供給を再開した。好気性従属栄養細菌数は窒素源とリン源の供給の停止後2ケ月経過すると初期値の10倍に増殖したが、その後減少し続けていた。しかし窒素源とリン源の供給を再開すると、好気性従属栄養細菌数は増加を始めた。この結果処理期間7ヵ月のA重油の減少率は79%で、その油中の芳香族炭化水素の約75%が分解されていた。
【0020】[比較例1]石油汚染土壌10kgに、初期添加した栄養素の濃度を、乾燥土壌1kg当たり500mg、リン濃度が100mgとなるように水溶液を用いて混合・撹拌を行った。この土壌を盛土にして有孔管を配置し、通気を行った。ついで窒素源とリン源の供給を停止した後、窒素濃度が乾燥土壌1kgに対して0.01g以下まで、また好気性従属栄養細菌数が10倍以下に減少しても、試験終了時まで窒素源とリン源の供給は再開しなかった。その結果、2ケ月後に最大に増えた(1×10CFU/g)好気性従属栄養細菌数は7ヵ月後にほぼ初期値近くにまで減少し、かつ処理期間7ヵ月でA重油の減少率は51%、芳香族炭化水素の減少率は30%であった。
【0021】[比較例2]石油汚染土壌10kgに、初期添加した栄養素の濃度を、乾燥土壌1kg当たり窒素濃度が100mg、リン濃度が20mgとなるように水溶液を用いて混合・撹拌を行った。この土壌を盛土にして有孔管を配置し、通気を行った。窒素源とリン源の供給を停止した後、窒素濃度が乾燥土壌1kgに対して0.01g以下まで、また好気性従属栄養細菌数が10倍以下に減少しても、試験終了時まで窒素源とリン源の供給は再開しなかった。その結果、処理期間7ケ月でA重油の減少率は55%、芳香族炭化水素の減少率は50%であった。
【0022】[比較例3]石油汚染土壌10kgに窒素源とリン源ともに添加せず、水分のみを20重量%になるように添加し盛土した後有孔管を配置して通気を行った。好気性従属栄養細菌数は通気開始時に10倍の増加は見られたが、窒素源とリン源を添加した系より常に少なく、3ヵ月後には10倍以下にまで減少していた。その結果、処理期間7ヵ月で減少率はA重油で30%、芳香族炭化水素で30%であった。
【0023】[比較例4]石油汚染土壌10kgに、初期添加した栄養素の濃度を、乾燥土壌1kg当たり窒素濃度が500mg、リン濃度が100mgとなるように水溶液を用いて混合・撹拌を行った。この土壌を盛土にして有孔管を配置し、通気を行った。処理は7ヵ月間行い、その期間窒素源とリン源は1週間毎に定期的に供給した。その結果、好気性従属栄養細菌数は常に初期値の10倍以上確認されていたが、A重油の減少率は60%、芳香族炭化水素の減少率は40%であった。
【0024】
【発明の効果】以上述べた通り本発明によると、■石油汚染土壌内で土着微生物が増殖し、まずアルカンなどの易分解成分が減少し、つぎに芳香族炭化水素化合物などの難分解性成分の割合が増え、易分解成分分解菌の数が減少したとき、栄養塩を添加することにより芳香族化合物を分解する微生物が増殖し始めるため、石油類の分解速度が低下せず、石油汚染土壌の修復期間が短くなる。
■汚染土壌中の窒素濃度を制御することにより、土着微生物の炭化水素分解速度を最適化できるため、石油汚染土壌を早期に修復することが可能となる。など極めて優れた油汚染土壌の修復方法を提供することが可能となる。




 

 


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