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発明の名称 磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−207201(P2001−207201A)
公開日 平成13年7月31日(2001.7.31)
出願番号 特願2000−274359(P2000−274359)
出願日 平成12年9月11日(2000.9.11)
代理人 【識別番号】100083910
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 正緒
【テーマコード(参考)】
4K018
5E040
【Fターム(参考)】
4K018 BA18 BC08 BC09 BC22 BD01 KA46 
5E040 AA03 AA19 BC01 CA01 HB11 HB17 NN01 NN05 NN06 NN13 NN18
発明者 井関 隆士 / 石川 尚 / 川本 淳 / 横沢 公一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 Sm−Fe−N系合金粉末の表面の少なくとも一部が融点150〜500℃の金属で被覆され、飽和磁化が11kG以上であることを特徴とする磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末。
【請求項2】 前記Sm−Fe−N系合金粉末の組成が、Smを必須元素とする少なくとも1種の希土類元素5〜15原子%と、窒素0.5〜25原子%と、残部の鉄又は一部をコバルトで置換した鉄とからなることを特徴とする、請求項1に記載の磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末。
【請求項3】 前記融点150〜500℃の金属の含有量が0.1〜9.1重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末。
【請求項4】 前記Sm−Fe−N系合金粉末の表面を被覆する前記融点150〜500℃の金属の厚みが、平均で10〜5000Åであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末。
【請求項5】前記Sm−Fe−N系合金粉末が還元拡散法で製造されたものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末。
【請求項6】 Sm−Fe−N系合金粉末と融点150〜500℃の金属粉末を混合し、不活性ガス中200〜500℃で熱処理して合金粉末の表面の少なくとも一部を前記融点150〜500℃の金属で被覆した後、得られた被覆凝集粉末の凝集を解くことを特徴とする磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末の製造方法。
【請求項7】 前記Sm−Fe−N系合金粉末に対して前記金属粉末を0.1〜10重量%添加することことを特徴とする、請求項6に記載の磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末の製造方法。
【請求項8】 前記被覆凝集粉末を湿式又は乾式にて粉砕することにより、被覆凝集粉末の凝集を解くことを特徴とする、請求項6又は7に記載の磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末の製造方法。
【請求項9】 前記被覆凝集粉末の表面を被覆している金属の一部を酸又はアルカリの溶液中で溶解することにより、被覆凝集粉末の凝集を解くことを特徴とする、請求項6又は7に記載の磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石用のSm−Fe−N系合金粉末、特に表面の一部が亜鉛などの金属で被覆された磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高性能希土類磁石として、ニュークリエーションタイプの保磁力発生機構を有するSm−Fe−N系磁石が知られている。更に今日では、各種FA用アクチュエーターや回転機用の磁石として、より一層高い磁気特性を有する希土類磁石が要望されている。
【0003】このようなSm−Fe−N系磁石の一つであるSmFe17(原子比)合金粉末では、数ミクロンの単結晶粉末で樹脂ボンデット磁石とすることにより、12MGOe程度の最大エネルギー積(BH)maxと、8kOe程度の保磁力が得られている。しかしながら、Sm−Fe−N系合金粉末の耐熱性及び耐食性は、他の希土類磁石粉末であるSm−Co系合金粉末やNd−Fe−B系合金粉末に比較して劣っている。
【0004】そこで、Sm−Fe−N系合金粉末の耐熱性及び耐食性を向上させるため、種々の研究が盛んに行われている。その中でも、特開平4−338603号公報には、SmFe17合金粉末にZnなどの金属コーティングを行うことにより、耐熱性と耐食性を改善すると同時に、高い保磁力が得られることが記載され、例えば熱CVD法によってZnコーティングされた合金粉末の保磁力は12kOeとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、Znなどの金属コーティングを施したSm−Fe−N系合金粉末は、耐熱性及び耐食性が改善され且つ高い保磁力が得られるものの、飽和磁化は約10kG以下であり、コーティング前のSm−Fe−N系合金粉末よりも大幅に低下してしまう。これは、金属コーティングによって、保磁力を下げる突起などが平滑化されるため保磁力は高くなるが、粉末同士がコーティングされた金属により相互に接合されて凝集したため、粉末の配向ができずに飽和磁化が低下したものと考えられる。
【0006】このため、Sm−Fe−N系合金粉末にZnなどの金属をコーティングする際に、粉末の凝集を起こすことなく、高い保磁力を得ると共に、飽和磁化の低下を出来るだけ抑制して、磁気特性の優れた磁石粉末を得るための研究が盛んに行なわれているが、未だに実用的な方法は確立されていない。
【0007】本発明は、このような従来の事情に鑑み、Sm−Fe−N系合金粉末の耐熱性及び耐食性を改善すると同時に、保磁力及び飽和磁化ともに優れた磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、Sm−Fe−N系合金粉末の表面の少なくとも一部が融点150〜500℃の金属で被覆され、飽和磁化が11kG以上であることを特徴とする磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末を提供する。
【0009】また、上記磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末の製造方法は、Sm−Fe−N系合金粉末と融点150〜500℃の金属粉末を混合し、不活性ガス中200〜500℃で熱処理して合金粉末の表面の少なくとも一部を金属で被覆した後、得られた被覆凝集粉末の凝集を解くことを特徴とする。
【0010】この磁石用Sm−Fe−N系被覆合金粉末の製造方法において、被覆凝集粉末の凝集を解く方法としては、被覆凝集粉末を湿式又は乾式にて粉砕する方法、あるいは被覆凝集粉末の表面を被覆している金属の一部を酸又はアルカリの溶液中で溶解する方法がある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、Sm−Fe−N系合金粉末と融点150〜500℃の金属粉末を不活性ガス中で熱処理することにより、合金粉末の表面を上記低融点の金属で簡単に被覆することができる。上記低融点の金属で被覆された被覆凝集粉末は、粉末同士が互いに接合し凝集した状態となるので、粉末配向時に塊のままで一つずつの粒子にならず、従って磁気特性が低下してしまう。そこで、上記金属の被覆により互いに凝集した被覆凝集粉末の凝集状態を、実質的に個々の粒子が配合できる状態にまで解くことによって、優れた磁気特性が得られる。
【0012】即ち、Sm−Fe−N系合金粉末の粒子は、金属被覆の成形によって突起などの表面欠陥が平滑化されるうえ、逆磁区発生の核が被覆金属と拡散反応することにより減少するため、高い保磁力が得られるものと考えられる。一方、金属被覆によって各粒子が凝集するため磁気特性が落ちるが、粉砕などの方法で粉末の凝集を解くことにより高い磁気特性が得られ、特に飽和磁化の低下を有効に抑制することができる。
【0013】Sm−Fe−N系合金粉末を被覆する金属としては、熱処理により粒子表面の被覆が可能であり、且つ突起などの表面欠陥を平滑に修復できるものであって、被覆金属と合金粉末との間に拡散層が形成されること、更には被覆金属による凝集を解きやすい材料が好ましい。このような被覆金属としては、融点が150〜500℃の低融点金属、例えば亜鉛(Zn)、錫(Sn)、インジウム(In)、鉛(Pb)などが挙げられる。特にZnは、420℃以上の温度でFe及びSmと合金を作りやすいので好ましい。
【0014】Sm−Fe−N系被覆合金粉末中における融点150〜500℃の被覆金属の含有量は、0.1〜9.1重量%の範囲が好ましい。この被覆合金の含有量が0.1重量%未満ではSm−Fe−N系合金粉末を被覆するのに不足し、iHc(保磁力)が上がらず、逆に9.1重量%を越えると飽和磁化が11kG未満になる。また、Sm−Fe−N系合金粉末の表面を被覆している融点150〜500℃の金属の厚みは、一般的に平均で10〜5000Åの範囲である。例えば、粒径5μmのSm−Fe−N系合金粉末に5重量%のZn粉末を添加した場合、Zn被覆の厚みは約440Åとなる。
【0015】Sm−Fe−N系合金粉末を金属で被覆する方法は、Sm−Fe−N系合金の粗粉末又は微粉末を上記Znなどの低融点の金属粉末と混合し、NガスやArガスなどの不活性ガス中において200〜500℃で熱処理する。熱処理温度が200℃未満では金属粉末とSm−Fe−N系合金粉末の反応が進まず、逆に500℃を超えるとSm−Fe−N系合金粉末が分解する。尚、Sm−Fe−N系合金粉末への金属粉末の添加量は、上述したように被覆金属の含有量が被覆合金粉末の0.1〜9.1重量%となるように、一般的にはSm−Fe−N系合金粉末に対して0.1〜10重量%の金属粉末を添加することが好ましい。
【0016】この熱処理によりSm−Fe−N系合金粉末の表面の少なくとも一部に金属が被覆されるが、この被覆金属によって合金粉末同士が凝集しているので、その凝集した被覆凝集粉末を解く必要がある。被覆凝集粉末の凝集を解く方法には特に制限はなく、凝集の程度や被覆金属の材質に応じて適宜選択すればよい。
【0017】凝集を解くための好ましい方法の一つとして、凝集した被覆凝集粉末を湿式又は乾式にて解砕する方法がある。例えば、アトライターにより溶媒中で150〜300rpm、5分〜3時間粉砕することにより、被覆合金粉末の凝集を解くことができる。また、被覆凝集粉末の凝集と解く別の方法としては、酸又はアルカリの溶液を用いて被覆金属を溶かし出すことにより、被覆凝集粉末の凝集を解くことができる。
【0018】尚、Sm−Fe−N系合金粉末については、特に制限はないが、磁石用として一般的に使用されている合金組成、具体的には、Smを必須元素とする少なくとも1種の希土類元素5〜15原子%と、窒素0.5〜25原子%と、残部の鉄又は一部をコバルトで置換した鉄とからなる合金組成であってよい。また、かかるSm−Fe−N系合金粉末の製造法も特に限定されず、例えば、Sm−Fe合金粉末を溶解合金法若しくは特公平3−62764号公報に記載されているような還元拡散法により製造し、その後このSm−Fe合金粉末を窒化して製造することができる。更に、特開平5−148517号公報に記載されているような還元拡散法の応用、即ち還元拡散反応で得られた焼結体を窒化後に湿式処理して製造することもできる。これらの方法の中では、製造コストの点で還元拡散法の適用が特に優れている。
【0019】このようにして得られる本発明のSm−Fe−N系被覆合金粉末は、Znなどの金属被覆の形成によって優れた耐熱性及び耐食性を備えると同時に、高い保磁力が得られ、しかも粉末の凝集が解かれて実質的に個々の粒子が配向できる状態に独立しているため、11kGを超える高い飽和磁化を有している。
【0020】
【実施例】実施例1還元拡散法により25重量%のSmを含むSm−Fe合金粉末を製造した。即ち、純度99.9重量%、粒度150メッシュ(タイラー標準、以下同じ)以下の電解Fe粉と、純度99重量%、平均粒度325メッシュの酸化Sm粉末と、純度99重量%の粒状金属Caとを、Vブレンダーを用いて混合した。得られた混合物をステンレス容器に入れ、Ar雰囲気中にて1150℃で8時間加熱して還元拡散反応させた。次いで、この反応生成物を冷却し、水中に投入して崩壊させた。得られたスラリーを水洗し、更に酢酸を用いて酸洗浄して未反応Caと副生したCaOを除去した後、濾過してエタノールで置換し、真空乾燥して粒径150μm以下の25重量%Sm−Fe合金粉末を得た。
【0021】このSm−Fe合金粉末を100μm以下に篩い分けし、水素−アンモニア混合ガス中において480℃で270分保持することにより窒化した後、冷却して取り出した。得られたSm−Fe−N合金粉末の組成は、Smが24.1重量%、Feが72.4重量%、Nが3.5重量%であった。
【0022】このSm−Fe−N合金粉末1kgに対して下記表1に示す添加量のZn粉末を混合し、更にアトライターで200rpm、60分混合を兼ねて粉砕した。その後、Arガスを1リットル/minで流しながら、430℃で10時間熱処理し、室温まで冷却した後取り出した。得られた被覆凝集粉末は表面がZnで被覆され且つ凝集しているので、更にアトライターで溶媒中にて200rpm、20分粉砕した後、乾燥してSm−Fe−N系被覆合金粉末を得た。熱処理直後の被覆凝集粉末と、粉砕後のSm−Fe−N系被覆合金粉末について、それぞれVSMにより磁気特性を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0023】
【表1】
Zn添加量 熱処理直後の被覆凝集粉末 粉砕後の被覆凝集粉末 試料 (wt%) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe)1* 0 14.3 7.2 12.9 8.8 2* 0.05 14.3 7.2 13.0 8.7 3 1 10.6 9.3 12.8 10.5 4 2 10.2 9.6 12.5 11.0 5 3 9.2 10.4 11.8 11.7 6 4 8.9 11.0 11.5 12.4 7 7 8.4 12.4 11.3 14.5 8 10 7.9 15.1 11.1 17.8 9* 12 7.5 17.1 10.7 18.9 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0024】上記表1の結果から分かるように、Znを添加しない試料1及びZn添加量の少ない試料2と比較して、本発明の試料3〜8は、熱処理直後の被覆凝集粉末では保磁力は2〜8kOe程度高くなっているものの、凝集のため飽和磁化は最大6.4kG低くなっている。しかし、粉砕後の凝集が解かれた試料3〜8の被覆合金粉末では、11.1〜12.8kGと高い飽和磁化が得られた。また、Znの添加量が多い試料9は飽和磁化が11kG未満である。
【0025】実施例2上記実施例1と同様にしてSm−Fe−N系合金粉末にZnを被覆した被覆凝集粉末を作製し、この被覆凝集粉末10gを純水で100倍に薄めた酢酸水溶液200ml中に投入して3分撹拌した後、乾燥して凝集の解かれたSm−Fe−N系被覆合金粉末を得た。上記被覆凝集粉末の飽和磁化は10.2kGであったが、凝集が解かれた被覆合金粉末の飽和磁化は12.8kGまで高められた。
【0026】実施例3上記実施例1で最終的に得られた各試料のSm−Fe−N系被覆合金粉末の耐熱性を確認するため、各試料10gをオーブンに入れ、真空中にて230℃で1時間保持した。その後、耐熱性試験後の被覆合金粉末について実施例1と同様に磁気特性を測定し、その結果を下記表2に示した。
【0027】
【表2】
Zn添加量 粉砕後の被覆凝集粉末 耐熱試験後の被覆合金粉末 試料 (wt%) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe)1* 0 12.9 8.8 12.4 6.1 2* 0.05 13.0 8.7 12.4 6.2 3 1 12.8 10.5 12.5 9.2 4 2 12.5 11.0 12.2 9.8 5 3 11.8 11.7 11.5 10.3 6 4 11.5 12.4 11.3 11.0 7 7 11.3 14.5 11.2 13.4 8 10 11.1 17.8 11.1 16.7 9* 12 10.7 18.9 10.7 18.7 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0028】上記表2の結果より、本発明の試料3〜8は、Zn被覆により耐熱性が向上していることが分かる。即ち、Zn被覆を施していない試料1及びZn添加量の少ない試料2では、耐熱試験後の保磁力が6.1〜6.2kOeまで低下しているのに対して、Zn被覆を行った本発明の試料3〜8では9kOe以上の保磁力が保たれている。
【0029】更に、上記実施例1で最終的に得られた各試料のSm−Fe−N系被覆合金粉末の耐食性を確認するため、各試料10gを70℃、湿度80%の恒温恒湿槽に入れ、10時間保持した。その後、耐食性試験後の被覆合金粉末について実施例1と同様に磁気特性を測定し、その結果を下記表3に示した。
【0030】
【表3】
Zn添加量 粉砕後の被覆凝集粉末 耐食試験後の被覆合金粉末 試料 (wt%) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe)1* 0 12.9 8.8 12.1 5.8 2* 0.05 13.0 8.7 12.1 5.9 3 1 12.8 10.5 12.2 8.2 4 2 12.5 11.0 12.0 9.0 5 3 11.8 11.7 11.4 9.5 6 4 11.5 12.4 11.1 10.2 7 7 11.3 14.5 11.1 12.1 8 10 11.1 17.8 11.0 14.9 9* 12 10.7 18.9 10.5 16.9 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0031】上記表3の結果より、本発明の試料3〜8はZn被覆により耐食性の向上が明らかである。即ち、Znを被覆していない試料1及びZn添加量の少ない試料2では、耐食性験後の保磁力が5.8〜5.9kOeまで低下しているのに対し、Zn被覆を行った本発明の試料3〜8では耐食性試験後も8kOe以上の保磁力が保たれている。
【0032】実施例4前記実施例1と同様にしてSm−Fe−N系被覆合金粉末を製造したが、添加混合する金属粉末はZn粉末、In粉末又はSn粉末を使用し、且つその添加量を3重量%とした。得られた各被覆合金粉末について、実施例1と同様に磁気特性を測定し、その結果を下記表4に示した。
【0033】
【表4】
熱処理直後の被覆凝集粉末 粉砕後の被覆凝集粉末 試料 添加金属 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe)10* 無し 14.3 7.2 12.9 8.8 11 Zn 9.2 10.4 11.8 11.7 12 In 9.8 8.2 12.3 9.9 13 Sn 9.3 7.8 12.0 9.5 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0034】上記表4の結果から分かるように、低融点の金属粉末を添加しない試料10と比較して、本発明の試料11〜13は、熱処理直後の被覆凝集粉末では保磁力は1〜3kOe程度高くなっているものの、凝集のため飽和磁化は最大5kG低くなっている。しかし、粉砕後の凝集が解かれた試料11〜13の被覆合金粉末では、11.8〜12.3kGの高い飽和磁化が得られた。
【0035】上記で得られた各試料のSm−Fe−N系被覆合金粉末の耐熱性を確認するため、前記実施例3と同様に、各試料10gをオーブンに入れ、真空中にて230℃で1時間保持した。その後、耐熱性試験後の被覆合金粉末について、上記実施例1と同様に磁気特性を測定し、その結果を下記表5に示した。
【0036】
【表5】
粉砕後の被覆凝集粉末 耐熱試験後の被覆合金粉末試料 添加金属 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe)10* 無し 12.9 8.8 12.4 6.1 11 Zn 11.8 11.7 11.5 10.3 12 In 12.3 9.9 12.1 8.8 13 Sn 12.0 9.5 11.9 8.5 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0037】上記表5の結果より、本発明の各試料はZn、In、Snの被覆により耐熱性が向上したことが明らかである。即ち、被覆を施していない試料10に比較し、Zn、In、Snを被覆した本発明の試料11〜13では、耐熱試験後の保磁力が2.4〜4kOe程度高くなっている。
【0038】更に、上記で得られた各試料のSm−Fe−N系被覆合金粉末の耐食性を確認するため、前記実施例3と同様に、各試料10gを70℃、湿度80%の恒温恒湿槽に入れ、10時間保持した。その後、耐食性試験後の被覆合金粉末について実施例1と同様に磁気特性を測定し、その結果を下記表6に示した。
【0039】
【表6】
粉砕後の被覆凝集粉末 耐食試験後の被覆合金粉末試料 添加金属 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe) 飽和磁化(kG) 保磁力(kOe)10* 無し 12.9 8.8 12.1 5.8 11 Zn 11.8 11.7 11.4 9.5 12 In 12.3 9.9 12.1 9.1 13 Sn 12.0 9.5 11.9 8.8 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0040】上記表6の結果より、本発明の各試料はZn、In、Snの被覆により耐食性の向上が明らかである。即ち、被覆を施していない試料10に比較し、Zn、In、Snを被覆した本発明の試料11〜13では、耐食試験後の保磁力が3〜3.5kOe程度高くなっている。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ニュークリエーションタイプの保磁力発生機構を有するSm−Fe−N系合金粉末の表面に、簡単にZnなどの金属被覆を形成でき、更に金属被覆された被覆凝集粉末の凝集を粉砕などにより解くことによって、耐熱性及び耐食性に優れると同時に、8kOe以上の高い保磁力が得られ、且つ11kGを超える高い飽和磁化を有するSm−Fe−N系被覆合金粉末を安価に提供することができる。従って、この被覆合金粉末は、ニュークリエーションタイプの保磁力発生機構を有する磁気特性に優れたSm−Fe−N系の磁石粉末であり、各種FA用アクチュエーターや回転機用の磁石用として有望である。




 

 


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