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発明の名称 合金ろう材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−205476(P2001−205476A)
公開日 平成13年7月31日(2001.7.31)
出願番号 特願2000−23277(P2000−23277)
出願日 平成12年1月27日(2000.1.27)
代理人
発明者 森本 圭
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】Snを主体とし、必要に応じてAgを重量濃度で0.05〜3.5%を含有した合金ろう材をベースとし、Snの融点よりも分解温度の高い元素を0.1%〜2.0%含有し、かつ存在する金属間化合物の最大粒径が5〜80μmの範囲内であることを特徴とする合金ろう材。
【請求項2】Snの融点よりも分解温度の高い元素としてAu、Cr、Co、Cu、Ni、Pd、Pt、Rh、Se、Teの内の何れか一種を用いることを特徴とする請求項1記載の合金ろう材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料または表面に金属層を形成した金属あるいは非金属材料を接合するために使用する、Snが主元素である合金ろう材であって、接合した後のろう材層の厚みを制御することが望まれるような接合に使用される合金ろう材に関する。
【0002】
【従来の技術】トランジスタやICのような半導体装置の組み立てにおいては、図1に示したように、裏面にAuやAgの薄膜を形成したシリコンチップをCuあるいはCuにNi,Agめっきをほどこした基板上にSnを主体とした合金ろう材を用いて接合する場合がある。
【0003】このとき、ろう材層は、半導体チップの断続動作に伴い発生する熱によるシリコンチップと基板の熱膨張係数の差に起因して発生する応力を緩和し、それと同時に発生する熱を速やかに基板側へ伝え放散するという重要な役割を担っている。この接合後のろう材層が薄すぎると熱応力を緩和することができなくなり、また逆に厚すぎると熱放散性が低下するため、ろう材層の厚みは10μmから100μmの間とすることが望まれている。
【0004】ろう材層をこのような厚さに調整する手段として、たとえば特開平6−155081号記載の方法がある。すなわち、シリカなどの所定粒径の耐熱性微小粒子を二層の半田の中間に挟み込むことにより、ダイボンディング時に半田層の厚さを安定させるものである。
【0005】しかしこの場合、いったん圧延加工により成形した半田のフープ材を2つ準備し、片方の半田に微小粒子を塗布しながらもう一方の半田をその上に重ね合わせて圧延機を通して一体化させた半田を用いることが必要となる。
【0006】しかし、通常の半導体装置組立て用合金ろう材は、溶解鋳造によりインゴットを作成した後、押し出し加工・圧延加工・せん断加工などをを経て所望の形状に成型される。
【0007】このため、耐熱性微小粒子が挟み込まれたようなろう材は、圧延加工の後に微小粒子を挟み込む前記工程が必要となるので、製造工程が多くなってしまうために従来のろう材に比べて高価なものにならざるを得ないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから、本発明は、接合後のろう材層の厚みを安定化できる機能を有する合金ろう材を、加工工程を増やすことなく、したがって従来と変わらないコストで提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明は、Snを主体とし、必要に応じてAgを重量濃度で0.05〜3.5%を含有した合金ろう材をベースとし、Snの融点よりも分解温度の高い元素を0.1%〜2.0%含有し、かつ存在する金属間化合物の最大粒径が5〜80μmの範囲内であることを特徴とする合金ろう材である。
【0010】また、Snの融点よりも分解温度の高い元素としては、同時にSnよりも酸素との親和力が弱い元素であることが好ましく、例えばAu、Cr、Co、Cu、Ni、Pd、Pt、Rh、Se、Teがある。こうした中でも取り扱いの簡便さでTeが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の合金ろう材は、Snを主体とし、必要に応じてAgを0.05〜3.5%以下の範囲で含有した合金ろう材をベースとし、Snよりも分解温度の高い金属間化合物を形成する元素を0.1%から2.0%添加し、かつ加工工程で生成した金属間化合物の最大粒径が5〜80μmの範囲内のものである。
【0012】本発明のろう材を得るには、所定組成に組成調合し、溶融してインゴットを得た後、該インゴットを押し出し加工や圧延加工・せん断加工などして所望の形状の合金ろう材とする。この過程で生成した金属間化合物は、部材の接合時にろう材を溶融させても固体状態で存在するために、図2に示したようにその大きさでもって接合後のろう材層の板厚が制御される。
【0013】さらに、この金属間化合物粒子は通常の合金ろう材製造工程の中の溶解鋳造工程において生成させるものであるため、加工工程が増えることがなく、したがって従来と変わらないコストでろう材を供給することができる。
【0014】金属間化合物をろう材中に生成させ、その粒径を制御するために、熔解鋳造時の熔湯温度を制御する。すなわち、いったんすべての原料元素を坩堝内で完全に溶解させたのち、徐々に温度を下げていくと溶融温度の高い金属間化合物が溶湯から晶出してくる。さらに温度を下げていくにしたがって晶出した金属間化合物粒子は成長し粗大化する。
【0015】したがって、晶出した金属間化合物粒子が所望の粒径となる温度に熔湯を保持した上で鋳型に流し込み、あるいは連続鋳造して急冷し、該粒子の成長を停止しすれば、合金内に目的とする大きさの金属間化合物粒子が分散したインゴットを作製することができる。その後押し出し加工や圧延加工・せん断加工などを経て所望の形状の合金ろう材とするが、これらの加工工程ではろう材は再熔融されないので、インゴット作製時に生成した金属間化合物がそのままの大きさを保って提供されることになる。
【0016】このようにして作製した合金ろう材は、マトリックス成分はその融点で熔解するが、この融点より高い融点を持つ金属間化合物は溶解しない。よって、接合時に金属間化合物粒子が固体状態で存在することになるため、その粒径によって接合後のろう材層の厚みが確保され、かつそのばらつきも小さい安定した接合をおこなうことができる。
【0017】本発明の合金ろう材では、必ずしもAgを含有する必要はないが、Agはろう材の濡れ広がり性を改善したり、ろう材の機械的強度を高めるという効果があるため、含有させても良い。ただし、Agもまた3.5%を超える添加量とするとSnと結びついて金属間化合物を生成するため第3の元素を添加して金属間化合物の粒径を制御したとしても、SnとAgが結びついた化合物がせっかくの効果を邪魔してしまうことになるので、Agを添加する場合には3.5%以下とする必要がある。
【0018】添加する第3の元素は、基本的にはSnの融点よりも分解温度の高い金属間化合物を形成する元素であれば何でも良い。たとえばSnと金属間化合物を形成する元素としては、Au、Ba、Ca、Ce、Co、Cu、Fe、La、Li、Mg、Mn、Ni、Pr、Pt、Rh、Se、Sr、Te、Ti、Zrなどがある。ただし、望ましくはSnよりも酸素との親和力の弱い、すなわちSnよりも酸化しにくい元素を添加した方がよい。これは、Snよりも酸化しやすい元素を添加した場合には、合金ろう材の製造工程途上や使用に際して、その元素が優先的に酸化して合金ろう材の表面に出てきて酸化皮膜を形成してしまい、添加元素の目的を果たさないからである。
【0019】また、合金ろう材を使用した接合は、接合部材の金属と合金ろう材中のSnが結びついて合金化することによってなされるが、他の元素の酸化皮膜が合金ろう材表面に存在すると、この合金化反応に支障が出てしまう可能性があり、とくに半導体装置の組立においてはフラックスのような活性剤を使用せずに接合をおこなうため、濡れ広がり性が悪化したり、接合不良が出てしまう要因になりやすい。
【0020】上記元素のうちSnよりも酸化しにくい元素としては、Au、Cr、Co、Cu、Ni、Pd、Pt、Rh、Se、Teがあげられる。なかでもTeは単体での融点が比較的低く、またSnに添加して溶解したときに2相分離することもなく合金化が容易な元素であるので添加元素として好適である。
【0021】ただし、この第3元素を添加する場合には、その添加量が0.1%未満では、鋳造時の温度を種々変化させても金属間化合物が晶出せず所望の効果が得られず、また2.0%を越えると、鋳造時の温度を制御することで晶出する金属間化合物の最大粒径を5μmから80μmの範囲に保つことが困難になるので、0.1%から2.0%の範囲内にしておく必要がある。
【0022】また、生成する金属間化合物の最大粒径が5μmよりも小さいと、接合後のろう材層の厚さが10μmに満たない場合が発生し、熱応力を緩和するのに不十分な厚さとなり、逆に80μmを越えると接合後のろう材層の厚さが100μmを越えてしまう場合があり、シリコンチップで発生する熱を効率よく基板側へ放散することが困難になってしまう。このため、最大粒径は5μmから80μmの範囲にすることが必要である。
【0023】
【実施例】次に実施例を用いて本発明をさらに説明する。
(実施例1〜11)Sn、Ag、テルルを、表1の1〜11(実施例1〜11)に示した合金組成に配合して黒鉛坩堝に入れ、高周波誘導溶解炉にて大気中で溶解し、第1表の鋳造温度で水冷鋳型に鋳込み鋳塊としたのち、押し出し加工・圧延加工により厚さを100μmとし、さらに1辺の長さが3mmの正方形に打ち抜き加工をおこなった。
【0024】これらの合金ろう材を用いて、下地ニッケル、表面に金の蒸着膜を形成した1辺の長さが5mmの正方形のシリコンチップを、下地ニッケル、表面にAgのメッキが施された銅板に窒素雰囲気中で270℃のヒーターブロック上で接合した。それぞれの合金ろう材に対して10点の接合試料を作製し、断面研磨をおこなって接合後の半田の厚さを調査した。その結果、表2に示したとおり、本発明合金ろう材を使用して接合をおこなうと、半田中に存在する金属間化合物によって半田の厚みが確保され、かつその厚さのばらつきは、Teの添加量が0.1〜2.0%の範囲では小さくなっていることがわかった。なお、本実施例では、TeがSnと結びついてSnTeなる金属間化合物が形成されていることをX線マイクロアナライザーにより確認した。
【0025】(比較例1〜4)Sn、Ag、テルルを、表1の資料番号12〜15に示した合金組成に配合して黒鉛坩堝に入れ、高周波誘導溶解炉にて大気中で溶解し、第1表の鋳造温度で水冷鋳型に鋳込み鋳塊としたのち、押し出し加工・圧延加工により厚さを100μmとし、さらに1辺の長さが3mmの正方形に打ち抜き加工をおこなった。なお、12,13はTeを添加しない、あるいは本発明の範囲より少なくした場合(比較例1,2)、14,15はTeを2%より多く添加した場合(比較例3,4)である。
【0026】これらの合金ろう材を用いて、実施例と同様にシリコンチップを接合した。それぞれの合金ろう材に対して10点の接合試料を作製し、断面研磨をおこなって接合後の半田の厚さを調査した。その結果を第2表の資料番号12〜15に示した。表より、本発明合金ろう材を使用して接合をおこなうと、Teの添加量が0.05以下では十分な厚みが得られず、3.0%以上では厚すぎ、かつばらつきも極めて大きくなることがわかった。なお、本比較例でもSnTeなる金属間化合物の形成を確認した。
【0027】
表1 試料 合金組成 鋳造温度 Sn-Te金属間化合物粒子の粒径 番号 単位:重量% 単位:℃ (任意に20点測定) 単位:μm Ag Te Sn 平均値 最大値 最小値 1 3.0 0.1 残部 600 5.0 15.0 2.0 2 3.0 0.3 残部 600 8.5 20.0 4.0 3 3.0 0.3 残部 700 8.0 17.0 4.0 4 2.0 0.3 残部 600 8.5 18.0 3.5 5 3.0 0.5 残部 600 9.0 25.0 7.5 6 3.0 0.5 残部 700 9.0 20.0 5.0 7 2.0 0.5 残部 600 9.5 22.5 6.0 8 3.0 1.0 残部 600 15.0 32.5 7.5 9 3.0 1.0 残部 700 12.0 32.0 5.0 10 2.0 1.0 残部 600 17.0 35.0 7.5 11 3.0 2.0 残部 600 19.0 55.0 5.0 12 3.0 0 残部 600 存在せず 存在せず 存在せず 13 3.0 0.05 残部 600 1.2 2.0 1.0 14 3.0 3.0 残部 600 25.0 90.0 10.0 15 3.0 4.0 残部 600 30.0 125.0 10.0【0028】
第2表 試料 合金組成 接合後のろう材層の厚さ 番号 単位:重量% (10試料の各中心部分の厚さ平均) 単位:μm Ag Te Sn 平均値 最大値 最小値 ばらつき 1 3.0 0.1 残部 12.0 24.0 10.0 14.0 2 3.0 0.3 残部 20.0 32.5 15.5 17.0 3 3.0 0.3 残部 17.5 25.0 15.0 10.0 4 2.0 0.3 残部 16.0 20.0 8.5 12.0 5 3.0 0.5 残部 30.0 35.0 16.0 19.0 6 3.0 0.5 残部 27.5 32.0 15.0 17.0 7 2.0 0.5 残部 32.0 30.0 17.5 12.5 8 3.0 1.0 残部 37.0 38.0 22.5 15.5 9 3.0 1.0 残部 35.0 35.0 25.0 10.0 10 2.0 1.0 残部 38.0 40.0 24.0 16.0 11 3.0 2.0 残部 45.0 50.0 30.0 20.0 12 3.0 0 残部 5.0 15.0 1.0 14.0 13 3.0 0.05 残部 6.0 15.0 2.0 13.0 14 3.0 3.0 残部 42.5 80.0 27.0 43.0 15 3.0 4.0 残部 52.0 110.0 35.0 75.0 【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の合金ろう材では、金属間化合物粒子を介在させるため、接合後に得られる半田層の厚みのばらつきが小さくなる。また、本発明の合金ろう材は従来の合金ろう材と全く同一の製造工程で作製することができるので、製造コストの上昇を伴わない。よって、半導体装置組立において、その組立歩留りを部材コストを上昇させることなく改善することができる。




 

 


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