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発明の名称 炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−205083(P2001−205083A)
公開日 平成13年7月31日(2001.7.31)
出願番号 特願2000−13163(P2000−13163)
出願日 平成12年1月21日(2000.1.21)
代理人 【識別番号】100046719
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良輝
【テーマコード(参考)】
4G069
4H006
4H029
4H039
【Fターム(参考)】
4G069 AA03 AA08 AA12 BA02A BA02B BA06A BA06B BA20A BA20B BB02A BB02B BC69A BC72B BC75A CC02 DA06 EA02Y EB18Y EC03X EC03Y EC06X EC06Y EC18X EC18Y FA02 FB06 FB07 FB14 FB15 FB30 FB57 FB65 FC08 
4H006 AA02 AC11 BA06 BA33 BA81 BC10 BC11 BC18 BE20
4H029 CA00 DA00
4H039 CA40 CB10
発明者 山口 敏男 / 松田 高志 / 金井 勇樹 / 横塚 英治
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒であって、シリカ−マグネシアからなる酸化物と、活性成分としての周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上とからなり、かつ多孔質に形成されてなることを特徴とする水素化処理用触媒。
【請求項2】 シリカ−マグネシアからなる酸化物中のマグネシアの含有量が酸化物換算で25〜50重量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒。
【請求項3】 シリカ−マグネシアからなる酸化物中には、シリカとマグネシア以外の無機酸化物成分を含まないことを特徴とする請求項1または2記載の炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒。
【請求項4】 水銀圧入法で測定した全細孔容積が0.1〜0.5ミリリットル/gの範囲であり、100nm以上の細孔容積が0.1〜0.25ミリリットル/gの範囲であり、2000nm以上の細孔容積が0.05〜0.2ミリリットル/gの範囲である細孔特性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒。
【請求項5】 窒素ガス吸着BET法で250m/g以上の比表面積を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒。
【請求項6】 シリカ−マグネシアからなる酸化物に対する周期律表第VIII族貴金属の添加量が金属元素に換算して0.1〜2重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒。
【請求項7】 シリカ−マグネシアからなる酸化物触媒担体に、活性成分として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液を担持し、乾燥後焼成することを特徴とする炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒の製造方法。
【請求項8】 マグネシアを酸化物換算で25〜50重量%含むシリカ−マグネシア水和物ゲルに、該ゲルを粉化させたシリカ−マグネシア水和物粉体を加えて、捏和して成型し、乾燥した後焼成して得られるシリカとマグネシア以外の無機酸化物成分を含まないシリカ−マグネシアからなる酸化物触媒担体に、活性成分として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液を担持し、乾燥後焼成することを特徴とする請求項7記載の炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒の製造方法。
【請求項9】 マグネシアを酸化物換算で25〜50重量%含むシリカ−マグネシア水和物ゲルに、該ゲルを粉化させたシリカ−マグネシア水和物粉体を加えて、捏和して成型し、乾燥した後焼成して得られるシリカとマグネシア以外の無機酸化物成分を含まないシリカ−マグネシアからなる酸化物触媒担体に、活性成分として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液を担持し、乾燥後焼成し、その細孔特性を、水銀圧入法で測定した全細孔容積が0.1〜0.5ミリリットル/gの範囲とし、100nm以上の細孔容積が0.1〜0.25ミリリットル/gの範囲とし、2000nm以上の細孔容積が0.05〜0.2ミリリットル/gの範囲とし、かつ窒素ガス吸着BET法で測定した比表面積が250m/g以上としたシリカとマグネシア以外の無機酸化物成分を含まない触媒を調製したことを特徴とする請求項7または8記載の炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒の製造方法。
【請求項10】 シリカ−マグネシアからなる水和物に活性成分として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液を混練し、乾燥後焼成することを特徴とする炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒の製造方法。
【請求項11】 マグネシアの含有量を酸化物換算で25〜50重量%含むシリカ−マグネシア水和物のゲルに、該ゲルを粉化させたシリカ−マグネシアからなる水和物粉体と周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液とを加えて混練し、捏和して成型し、乾燥後焼成することを特徴とする請求項10記載の炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒の製造方法。
【請求項12】 マグネシアを酸化物換算で25〜50重量%含むシリカ−マグネシア水和物のゲルに、該ゲルを粉化させたシリカ−マグネシアからなる水和物粉体と周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液とを加えて混練し、捏和して成型し、乾燥後焼成し、その細孔特性を、水銀圧入法で測定した全細孔容積が0.1〜0.5ミリリットル/gの範囲とし、100nm以上の細孔容積が0.1〜0.25ミリリットル/gの範囲とし、2000nm以上の細孔容積が0.05〜0.2ミリリットル/gの範囲とし、かつ窒素ガス吸着BET法で測定した比表面積が250m/g以上としたシリカとマグネシア以外の無機酸化物成分を含まない触媒を調製したことを特徴とする請求項10または11記載の炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒の製造方法。
【請求項13】 シリカ−マグネシアからなる酸化物に対して周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液を金属元素に換算して0.1〜2重量%添加し、乾燥後焼成することを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項記載の炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒に関し、特に炭化水素油中に含まれている芳香族炭化水素化合物の水素化処理において、水素化分解の割合が低く、かつ硫黄化合物などの耐被毒性に優れ、水素化活性が高い水素化処理用触媒およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来ディーゼルエンジンの燃料油である軽油は、原油の常圧蒸留によって得られる特定の沸点範囲の直留軽油留分を水素化脱硫・脱窒素処理を施して得られた軽油留分からなる軽油を主とし、それに減圧蒸留によって得られる軽油留分をブレンドして調製されている。しかしながら軽油留分は原油中に限られた量しか含まれておらず、原油が年々重質化しているため、原油中の直留軽油留分の量が少なくなる傾向にある。そこで重質油を分解あるいは水素化分解・脱硫して軽油留分に転化することも行われている。また軽油は、ディーゼルエンジンの増加に伴い軽油に対する需要が大きくなるといった要因もあり、近い将来には軽油の供給量が不足することが予想されている。
【0003】原油から得られる直留軽油留分の不足に対処し、軽油の需要の増大に応ずる1つの方法は、直留軽油留分にブレンドするブレンド油の生産量を増やすことである。そこで接触分解装置から得られる特定の沸点範囲の軽質分解軽油が、軽油用の新たなブレンド油の原料油として注目されてきている。しかし軽質分解軽油は多くの芳香族炭化水素成分を含有しているため、そのままの性状で直留軽油留分にブレンドすると、芳香族炭化水素化合物の含有率が増し、ブレンド軽油のセタン価が大きく低下する。またディーゼルエンジンの排ガス中のパティキュレートは芳香族炭化水素化合物の一部が不完全燃焼することによって発生する微細粒子状の大気汚染物質であって、環境保全の立場から問題となり、燃料軽油中の芳香族炭化水素化合物の含有量を現在以上に削減する法律が制定されることが予想される。そこで軽質分解軽油をブレンド油として用いるためには、軽質分解軽油に接触水素化処理を施して、芳香族炭化水素化合物の含有量を低減することが望ましい。
【0004】軽質分解軽油は直留軽油留分に比べて硫黄化合物の含有量は少ないものの、それらが水素化処理されて生成する硫化水素が、芳香族炭化水素化合物の水素化反応を阻害するとともに触媒上の活性点を被毒し、活性劣化を引き起こす原因となることもあり、軽質分解軽油の水素化処理触媒の条件としては、芳香族炭化水素化合物に対する高い水素化活性と耐硫黄性、さらには脱硫性能をも有することが重要である。水素化処理用触媒の中で周期律表第VIII族貴金属をアルミナなどの担体に担持した触媒は、一般に水素化活性が高く有力な触媒ではあるが、炭化水素油中の硫黄化合物などによって被毒を受け、早期に失活してしまうという欠点がある。この欠点を改善するために担体中にゼオライトなどを含む触媒を用いて水素化処理を施す試みが行われている。しかしながらゼオライトは水素化分解反応に対しては高活性な触媒であるが、目的とする軽質分解軽油の水素化処理において水素化分解反応が同時に起こると、軽油留分の収率が減少するためできるだけ水素化分解活性を抑制する必要がある。
【0005】特開昭64−66292号公報には、単位格子の長さが24.20〜24.30オングストローム、シリカ/アルミナ比が少なくとも25のY型ゼオライトに周期律表第VIII族貴金属を担持した触媒を用いて水素化処理を行う方法が開示されている。しかしながらこの方法では原料油中に含まれている硫黄化合物などにより触媒が被毒され、依然として芳香族化合物の水素化活性が不十分であり、水素化分解反応が生じて生成油の収率が低下するという欠点があった。
【0006】また特開平8−283746号公報には、ケイ素、マグネシウムを主成分とする結晶性粘土鉱物からなる担体に周期律表第VIII族金属を担持した触媒および該触媒を用いた水素化処理方法が開示されている。しかしこの方法では水素化分解を抑制し生成油の収率を高める効果は得られているが芳香族化合物の水素化活性は依然として不十分であり、低濃度の硫黄化合物などが含まれる原料油に対しての水素化活性は良好ではあるものの、高濃度の硫黄化合物などが含まれている原料油の芳香族化合物の水素化処理効果については何ら記載されていない。
【0007】さらに特表平8−509999号公報には、1.3nmより大きい直径を有する孔を持つ結晶性非層状アルミノシリケートに周期律表第VIII族金属を担持した触媒および該触媒を用いた水素化処理方法が開示されている。しかしこの方法では硫黄化合物などが著しく低い原料油に対しては生成油の収率と芳香族化合物の水素化活性は高める効果は得られているものの、高濃度の硫黄化合物などが含まれている原料油の芳香族化合物の水素化処理効果については何ら記載されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、硫黄化合物などを含んだ炭化水素油、特に軽油留分を水素化処理して芳香族化合物の含有率を低減させるのに適する硫黄化合物などに対する耐性が高く、水素化活性が高く、かつ生成油の収率が高い性能を具備し、さらに触媒の製造工程を簡略化することができる炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒およびその製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決して前記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、シリカ−マグネシアからなる酸化物を主成分とする触媒を用いることにより、炭化水素油中の芳香族化合物の含有率を低減させるのに適した水素化反応活性が高く、硫黄化合物などに対する耐性が高く、かつ生成油の収率が高い触媒およびその製造方法を見出し本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明の第1の実施態様に係る炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒は、シリカ−マグネシアからなる酸化物と、活性成分としての周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上とからなり、かつ多孔質に形成されてなることを特徴とするものであり、前記シリカ−マグネシアからなる酸化物中のマグネシアの含有量が酸化物換算で25〜50重量%の範囲であり、また前記シリカ−マグネシアからなる酸化物中には、シリカとマグネシア以外の無機酸化物成分を含まず、さらに水銀圧入法で測定した全細孔容積が0.1〜0.5ミリリットル/gの範囲であり、100nm以上の細孔容積が0.1〜0.25ミリリットル/gの範囲であり、2000nm以上の細孔容積が0.05〜0.2ミリリットル/gの範囲である細孔特性を有するとともに、窒素ガス吸着BET法で250m/g以上の比表面積を有するものであり、さらにまた前記シリカ−マグネシアからなる酸化物に対する周期律表第VIII族貴金属の添加量が金属元素に換算して0.1〜2重量%であることを特徴とする。
【0011】また本発明の第2実施態様に係る炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒の製造方法は、シリカ−マグネシアからなる酸化物触媒担体に、活性成分として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液を担持し、乾燥後焼成することを特徴とするものであり、また前記マグネシアを酸化物換算で25〜50重量%含むシリカ−マグネシア水和物ゲルに、該ゲルを粉化させたシリカ−マグネシア水和物粉体を加えて、捏和して成型し、乾燥した後焼成して得られるシリカとマグネシア以外の無機酸化物成分を含まないシリカ−マグネシアからなる酸化物触媒担体に、活性成分として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液を担持し、乾燥後焼成し、さらにはその細孔特性を、水銀圧入法で測定した全細孔容積が0.1〜0.5ミリリットル/gの範囲とし、100nm以上の細孔容積が0.1〜0.25ミリリットル/gの範囲とし、2000nm以上の細孔容積が0.05〜0.2ミリリットル/gの範囲とし、かつ窒素ガス吸着BET法で測定した比表面積が250m/g以上としたシリカとマグネシア以外の無機酸化物成分を含まない触媒を調製したことを特徴とする。
【0012】さらに本発明の第3の実施態様に係る炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理用触媒の製造方法は、シリカ−マグネシアからなる水和物に活性成分として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液を混練し、乾燥後焼成することを特徴とするものであり、また前記マグネシアを酸化物換算で25〜50重量%含むシリカ−マグネシア水和物のゲルに、該ゲルを粉化させたシリカ−マグネシアからなる水和物粉体と周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液とを加えて混練し、捏和して成型し、乾燥後焼成し、さらにはその細孔特性を、水銀圧入法で測定した全細孔容積が0.1〜0.5ミリリットル/gの範囲とし、100nm以上の細孔容積が0.1〜0.25ミリリットル/gの範囲とし、2000nm以上の細孔容積が0.05〜0.2ミリリットル/gの範囲とし、かつ窒素ガス吸着BET法で測定した比表面積が250m/g以上としたシリカとマグネシア以外の無機酸化物成分を含まない触媒を調製したことを特徴とする。
【0013】そして本発明の第2および第3の実施態様において、シリカ−マグネシアからなる酸化物に対して周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液を金属元素に換算して0.1〜2重量%添加し、乾燥後焼成することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係るシリカ−マグネシアからなる酸化物と、活性成分としての周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上とからなり、かつ多孔質に形成されてなる水素化処理用触媒は、要約すると以下の2つの工程により製造される。すなわち、■シリカ−マグネシアからなる酸化物触媒担体を用いるものであって、マグネシアの含有量が酸化物換算で25〜50重量%の範囲であるシリカ−マグネシア水和物ゲルに該ゲルを粉化させたシリカ−マグネシア水和物粉体を加えて、捏和して成型し、乾燥した後焼成して得られたシリカとマグネシア以外の無機酸化物成分を含まないシリカ−マグネシアからなる酸化物触媒担体に、活性成分として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液を担持し、乾燥後焼成するものである。
【0015】■シリカ−マグネシアからなる水和物のマグネシアの含有量が酸化物換算で25〜50重量%の範囲であるシリカ−マグネシア水和物のゲルに、該ゲルを粉化させたシリカ−マグネシアからなる水和物粉体と周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液とを加えて加熱ジャケット付きニーダーなどにより混練し、捏和して成型し、乾燥後焼成するものである。前記した2つの工程において、マグネシアの含有量が酸化物換算で25〜50重量%の範囲であるシリカ−マグネシア水和物ゲルおよびシリカ−マグネシア水和物粉体を製造する方法としては、一般的な共沈法、沈着法、ゾル−ゲル法などの方法で製造し得るもので、例えば珪酸ナトリウム水溶液と、酸化物にした時にMgOとして25〜50重量%の範囲になる量の塩化マグネシウム水溶液とを混合し、加水分解し、生成したシリカ−マグネシア水和物スラリーを濾過・洗浄し、濾過する方法によってシリカ−マグネシア水和物ゲルを製造することができる。また該シリカ−マグネシア水和物ゲルに水を加えてペースト化した後、噴霧乾燥、凍結乾燥、あるいはシリカ−マグネシア水和物ゲルを乾燥し、粉砕することにより平均粒径が5〜20μmの範囲のシリカ−マグネシア水和物粉体を製造することができる。
【0016】そしてシリカ−マグネシア水和物ゲルを製造する際に使用するシリカ原料としては、1号珪酸ナトリウム溶液、2号珪酸ナトリウム溶液、3号珪酸ナトリウム溶液、四塩化珪素溶液などの水可溶性塩類が挙げられ、またマグネシア原料としては、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウムなどの水可溶性塩類が挙げられる。さらに前記■における触媒担体の調製のための乾燥温度および■の混練後の乾燥温度は、得られる触媒担体または触媒が均等に乾燥される限り特に問題はなく、効率性や簡便性の点から80〜120℃の範囲の温度で乾燥すればよく、また同じく焼成温度は400〜600℃の範囲とすることがよく、その理由は400℃未満では酸化物状態にならず、一方600℃を超える温度で焼成すると得られる触媒の比表面積が著しく減少してしまうからである。そして本発明においてシリカとマグネシア以外の無機酸化物成分を含まないシリカ−マグネシアからなる酸化物とは、シリカとマグネシア水和物を製造する際に用いる原料中に含まれている微量の無機物質以外のことを定義するものであり、マトリックスとしてアルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ−アルミナ、ゼオライト、粘土鉱物などの無機酸化物成分を含まないものであり、これらの無機酸化物を含むと、脱芳香族活性および脱硫・脱窒素活性が低下してしまうからである。
【0017】つぎに前記■と■の工程について詳述すると、まず前記■の工程により水素化処理用触媒を製造するに際しては、シリカ−マグネシア水和物ゲルに前記シリカ−マグネシア水和物粉体を加えて、捏和して得られた可塑化物を所望の形状に成型し、乾燥して400〜600℃で通常2時間焼成してシリカ−マグネシアからなる酸化物触媒担体を調製する。ここでシリカ−マグネシア水和物ゲルにシリカ−マグネシア水和物粉体を加える理由は、一次粒子で網目構造に形成されているシリカ−マグネシア水和物ゲルに、一次粒子が凝集、集合により形成される二次粒子以上のシリカ−マグネシア水和物粉体を添加することにより、100nm以上の細孔を有する多孔質に形成させることが可能となり、得られた触媒の後述する細孔特性の範囲を満足させることができるからである。ついで前記のように調製された触媒担体に活性成分として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上を触媒重量当り金属元素に換算して0.1〜2重量%になるように担持し、乾燥した後焼成する。
【0018】そして前記■において用いられる周期律表第VIII族貴金属の金属塩溶液としては、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、アンミン錯体などの水可溶性のものであれば如何なる塩でもよく、また活性金属の担持方法としてはイオン交換法、含浸法、気相法などの公知の触媒調製法の中で代表的な含浸法により担持することが簡便であり、担持後は活性成分を触媒担体に固定化するために乾燥、焼成処理を施す。この際の乾燥温度は得られる触媒が均等に乾燥される限り特に問題はなく、効率性や簡便性の点から前記と同様に80〜120℃範囲の温度で乾燥すればよい。また焼成温度は担持された活性成分が凝集したり、相変化を起こしたりして、変化を生じることがあるので、通常350〜600℃、好ましくは400〜500℃の温度範囲とすることが好ましい。
【0019】一方前記■の工程により水素化処理用触媒を製造するに際しては、シリカ−マグネシア水和物ゲルに、前記シリカ−マグネシア水和物粉体と、金属元素に換算して0.1〜2重量%含有するように活性成分として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上の金属塩溶液とを加えて、捏和して得られた可塑化物を所望の形状に成型し、乾燥して400〜600℃で通常2時間焼成する。ここでシリカ−マグネシア水和物ゲルにシリカ−マグネシア水和物粉体を加える理由は、前記■と同様に一次粒子で網目構造に形成されているシリカ−マグネシア水和物ゲルに、一次粒子が凝集、集合により形成される二次粒子以上のシリカ−マグネシア水和物粉体を添加することによって、100nm以上の細孔を有する多孔質に形成させることが可能となり、得られた触媒の後述する細孔特性の範囲を満足させることができるからである。
【0020】そして前記■において用いられる周期律表第VIII族貴金属の金属塩溶液としても、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、アンミン錯体などの水可溶性のものであれば如何なる塩でもよい。なおいずれの場合においてもシリカ−マグネシア水和物粉体の添加量についてはシリカ−マグネシア水和物粉体を製造する方法によって異なるが、例えばシリカ−マグネシア水和物ゲルを乾燥し、粉砕したシリカ−マグネシア水和物粉体を用いるのであれば酸化物換算で20〜70重量%の範囲で加えることが好ましい。また活性成分として周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれた1種または2種以上を金属元素に換算して0.1〜2重量%になるよう担持もしくは含有するように添加する理由は、活性金属の添加量が0.1重量%未満では活性金属に起因する効果を発現させるには不十分であり、一方2重量%を超えて添加してもさらなる触媒活性の向上を得ることができないからである。
【0021】そして本発明の水素化処理触媒の形状は円筒状、三つ葉状、四葉状、球状など所望の形状を適宜選択することができる。このようにして得られた本発明に係る水素化処理用の触媒の細孔特性は、水銀圧入法で測定した全細孔容積が0.1〜0.5ミリリットル/gの範囲であり、100nm以上の細孔容積が0.1〜0.25ミリリットル/gの範囲であり、2000nm以上の細孔容積が0.05〜0.2ミリリットル/gであり、好ましくは全細孔容積が0.15〜0.3ミリリットル/gの範囲であり、100nm以上の細孔容積が0.1〜0.2ミリリットル/gの範囲であり、2000nm以上の細孔容積が0.05〜0.15ミリリットル/gであって、さらに窒素ガス吸着BET法で測定した比表面積は250m/g以上である。
【0022】前記触媒の細孔特性が前記範囲下限値未満のときは反応物質がシリカ−マグネシアの微細細孔まで侵入できずに、ひいては触媒の水素化活性の効果が得られず、逆に上限値を超えると触媒の機械的強度が著しく低下し工業触媒としての特性が失われるからである。なお工業触媒の機械的強度としては、触媒の大きさ、形状にもよるが、一般的には1.5mmの円筒状のもので1.0kg/mm程度以上は必要である。また窒素ガス吸着BET法で測定した比表面積を250m/g以上とする理由は、触媒の有効比表面積が250m/g未満であると細孔の内表面積が減少し、ひいては後述する活性金属の分散度が低下して触媒反応が効率よく進行しなくなるからである。
【0023】そして本発明において用いられた活性成分は周期律表第VIII族貴金属の中から選ばれるルテニウム、ロジウム、パラジウム、プラチナであり、好ましくはパラジウム、プラチナである。これらの貴金属は単独でもよいが混合して用いてもよく、特にパラジウム、プラチナを混合して用いることが好適である。なお本発明においてシリカ−マグネシアからなる酸化物においてマグネシアの含有量を酸化物換算で25〜50重量%の範囲とする理由は、この範囲外においてはシリカ−マグネシアの持つ固体酸量が減少および/または固体塩基量が増大することになり、本発明の目的である水素化処理用触媒として十分な機能が発現できないためではないかと推測している。
【0024】このようにして得られた本発明に係る水素化処理用触媒は炭化水素油中に含まれている芳香族炭化水素化合物の水素化活性が高く、かつ硫黄化合物などの被毒性に優れている。かかる効果は本発明による触媒が特定の細孔構造と高い比表面積を有しているため、目的の反応が効率よく促進するためではないかと推定される。
【0025】
【実施例】以下本発明の具体的な例を実施例および比較例とともに詳細に説明する。但し、本発明は実施例の範囲に限定されるものでない。
[実施例1]
(触媒担体の調製)内容積100リットルの撹拌機付きステンレス製反応槽に、水25リットルとMgOとして5.3重量%濃度の塩化マグネシウム溶液16450ミリリットルとを反応槽内に入れ、60℃まで加温して保持し、撹拌しながらSiOとして9.2重量%濃度の珪酸ナトリウム溶液17500ミリリットルを全量滴下した後、さらに20重量%濃度の水酸化ナトリウム溶液を7200ミリリットル加えて、pH10.8のシリカ−マグネシア水和物スラリーを得た。
【0026】つぎに該スラリーを30分間熟成した後、NaOとして0.2重量%以下になるまで濾過・洗浄してMgOとして35.1重量%含むシリカ−マグネシア水和物ゲルを得た。つぎに該シリカ−マグネシア水和物ゲルの一部を110℃の温度で15時間乾燥後、粉砕し平均粒径10μmのシリカ−マグネシア水和物粉体を得た。そして前記シリカ−マグネシア水和物ゲル1184g(SiO−MgOとして180g)とシリカ−マグネシア水和物粉体208g(SiO−MgOとして180g)とを加熱ジャケット付きニーダー中で十分可塑化するまで混練し、ついでこの可塑化物を押出し成型機で成型し、110℃の温度で15時間乾燥後、電気炉で600℃にて2時間焼成して直径1.2mmのシリカ−マグネシア触媒担体1′を調製した。
【0027】(触媒の調製)Ptとして5.5重量%含むテトラアンミン硝酸白金溶液を5.51gとPdとして4.7重量%含むテトラアンミン硝酸パラジウム溶液15.04gとを十分かぎ混ぜて混合し、触媒担体の吸水量に見合う液量になるように水で液量を調節した含浸液を、100gの前記シリカ−マグネシア触媒担体1′に含浸させ、熟成後110℃の温度で15時間乾燥後、電気炉で500℃にて2時間焼成して触媒1(実施例1)を得た。なお得られた触媒1における活性金属の担持量はPtとして0.3重量%、Pdとして0.7重量%であった。得られた触媒1について、水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET法により求めた比表面積および触媒1の組成について下記する表1に示す。
【0028】(触媒の性能評価)また得られた実施例1の触媒1について、触媒充填量15ミリリットルの固定床流通反応装置を用い、硫黄濃度519ppm、窒素濃度:101ppm、全芳香族:30.3重量%、多環芳香族:6.1重量%の性状の直留軽油を用い、反応条件は反応圧力:5.0Mpa、水素/オイル比:600Nl/l、液空間速度(LHSV):2.0hr−1、反応温度:320℃で行い、反応開始から50時間後の処理油中の脱芳香族率、ナフサ留分量および脱硫・脱窒素反応活性を求め、その結果を下記する表2に示す。
【0029】[実施例2、3]
(触媒担体の調製)実施例1の触媒担体の調製において、シリカ−マグネシア水和物ゲルに加えるシリカ−マグネシア水和物粉体の添加量を酸化物換算でそれぞれ25重量%、60重量%と代えたこと以外は実施例1の触媒担体の調製と同様な手順により触媒担体2′、触媒担体3′を調製した。
【0030】(触媒の調製)このようにして得られた触媒担体2′、3′を使用したこと以外は実施例1の触媒の調製と同様な手順により触媒2(実施例2)、触媒3(実施例3)を得た。得られた触媒2と3について水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒の組成について下記する表1に併せて示す。
【0031】(触媒の性能評価)実施例1の触媒の性能評価と同様にして触媒2、触媒3の各評価を行い、その結果を下記する表2に併せて示す。
【0032】[実施例4、5]
(触媒担体の調製)実施例1の触媒担体の調製において、反応槽に滴下するSiOとして9.2重量%濃度の珪酸ナトリウム溶液の滴下量をSiOとして75重量%、50重量%生成するように代えたこと以外は実施例1の触媒担体の調製と同様な手順により触媒担体4′、触媒担体5′を調製した。
【0033】(触媒の調製)このようにして得られた触媒担体4′、5′を使用したこと以外は実施例1の触媒の調製と同様な手順により触媒4(実施例4)、触媒5(実施例5)を得た。得られた触媒4と5について水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒の組成について下記する表1に併せて示す。
【0034】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして触媒4、触媒5の各評価を行い、その結果を下記する表2に併せて示す。
【0035】[実施例6]
(触媒の調製)実施例1の触媒の調製において、触媒担体として実施例1の触媒担体1′を使用し、かつ活性成分の金属塩溶液の種類をへキサクロロ白金酸と硝酸パラジウムに代えたこと以外は実施例1の触媒の調製と同様な手順により触媒6(実施例6)を得た。得られた触媒6について水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒の組成について下記する表1に併せて示す。
【0036】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして触媒6の各評価を行い、その結果を下記する表2に併せて示す。
【0037】[実施例7]
(触媒担体の調製)実施例1の触媒担体の調製において、シリカ−マグネシア水和物ゲルの一部に水を加えスラリー化した後、噴霧乾燥して得られたシリカ−マグネシア水和物粉体を使用したこと以外は実施例1の触媒担体の調製と同様な手順により触媒担体7′を調製した。
【0038】(触媒の調製)このようにして得られた触媒担体7′を使用したこと以外は実施例1の触媒の調製と同様な手順により触媒7(実施例7)を得た。得られた触媒7について水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒の組成について下記する表1に併せて示す。
【0039】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして触媒7の各評価を行い、その結果を下記する表2に併せて示す。
【0040】[実施例8、9]
(触媒の調製)実施例1の触媒の調製において、触媒担体として実施例3の触媒担体3′を使用し、かつ活性金属の担持量がそれぞれPtとして0.15重量%およびPdとして0.35重量%、Ptとして0.6重量%およびPdとして1.40重量%となるように代えたこと以外は実施例1の触媒の調製と同様な手順により触媒8(実施例8)、触媒9(実施例9)を得た。得られた触媒8および9について水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒の組成について下記する表1に併せて示す。
【0041】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして触媒8、9の各評価を行い、その結果を下記する表2に併せて示す。
【0042】[比較例1、2]
(触媒担体の調製)実施例1の触媒担体の調製において、シリカ−マグネシア水和物ゲルに加えるシリカ−マグネシア水和物粉体の添加量を酸化物換算でそれぞれ10重量%、80重量%と代えたこと以外は実施例1の触媒担体の調製と同様にして触媒担体10′、触媒担体11′を調製した。
【0043】(触媒の調製)このようにして得られた触媒担体10′、11′を使用したこと以外は実施例1の触媒の調製と同様な手順により触媒10(比較例1)、触媒11(比較例2)を得た。得られた触媒10、11について水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒の組成について下記する表1に併せて示す。
【0044】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして触媒10、11の各評価を行い、その結果を下記する表2に併せて示す。
【0045】[比較例3]
(触媒担体の調製)実施例1の触媒担体の調製において、焼成温度を750℃とした以外は実施例1の触媒担体の調製と同様の手順により触媒担体12′を調製した。
【0046】(触媒の調製)得られた触媒担体12′を使用したこと以外は実施例1の触媒の調製と同様な手順により触媒12(比較例3)を得た。得られた触媒12について水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒の組成について下記する表1に併せて示す。
【0047】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表2に併せて示す。
【0048】[比較例4、5]
(触媒担体の調製)実施例1の触媒担体の調製において、反応槽に滴下するSiOとして9.2重量%濃度の珪酸ナトリウム溶液の滴下量をそれぞれSiOとして85重量%、40重量%生成するように代えたこと以外は実施例1の触媒担体の調製と同様な手順により触媒担体13′、触媒担体14′を調製した。
【0049】(触媒の調製)得られた触媒担体13′、14′を使用したこと以外は実施例1の触媒の調製と同様な手順により触媒13(比較例4)、触媒14(比較例5)を得た。得られた触媒13、14について水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒の組成について下記する表1に併せて示す。
【0050】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表2に併せて示す。
【0051】[比較例6]
(触媒担体の調製)比較例1の触媒担体の調製において、シリカ−マグネシァ水和物ゲルに、それぞれシリカ−マグネシア水和物粉体を酸化物換算で50重量%とコンディア社製アルミナ水和物粉体を酸化物換算で5重量%加えたこと以外は、実施例1の触媒担体の調製と同様にして触媒担体15′を調製した。
【0052】(触媒の調製)得られた触媒担体15′を使用したこと以外は実施例1の触媒の調製と同様な手順により触媒15(比較例6)を得た。得られた触媒15について水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒の組成について下記する表1に併せて示す。
【0053】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表2に併せて示す。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

上記表1および表2から分る通り、実施例1〜9の触媒1〜9は触媒のシリカ−マグネシア組成および触媒の細孔特性ならびに比表面積や活性金属担持量に関して、いずれも本発明の範囲を満足するものであり、高い脱芳香族活性と高い脱硫・脱窒素活性を示すことが認められた。
【0056】これに対して比較例1と2の触媒10と11は触媒のシリカ−マグネシア組成および触媒の比表面積や活性金属の担持量は本発明の範囲に入るものの、触媒の細孔特性である全細孔容積、100nm、2000nmの細孔容積が小さいかあるいは大きい触媒であり、脱芳香族活性および脱硫・脱窒素活性が低い値を示していた。
【0057】つぎに比較例3の触媒12は触媒のシリカ−マグネシア組成および触媒の細孔特性や活性金属の担持量は本発明の範囲に入るものの、触媒の比表面積が小さい触媒であり、脱芳香族活性および脱硫・脱窒素活性が低い値を示していた。そしてさらに比較例4、5の触媒13、14は、触媒の細孔特性および比表面積や活性金属の担持量は本発明の範囲に入るものの、触媒のシリカ−マグネシア組成が本発明の範囲外の触媒であり、脱芳香族活性および脱硫・脱窒素活性が低い値を示していた。
【0058】またさらに比較例6の触媒15は、触媒の細孔特性および比表面積や活性金属の担持量は本発明の範囲に入るものの、触媒中にアルミナが含まれる触媒であり、脱芳香族活性および脱硫・脱窒素活性が低い値を示していた。また本発明のシリカ−マグネシア加水分解方法で製造したシリカ−マグネシアを原料として用いることで処理油中のナフサ留分量が少ないことから水素化分解を抑制していることも明らかであった。
【0059】[実施例10]
(触媒の調製)実施例1と同様の手順でシリカ−マグネシア水和物ゲルとシリカ−マグネシア水和物粉体とを得た。そして得られたシリカ−マグネシア水和物ゲル1184g(SiO−MgOとして180g)と、シリカ−マグネシア水和物粉体208g(SiO−MgOとして180g)と、Ptとして5.5重量%含むテトラアンミン硝酸白金溶液を19.84gおよびPdとして4.7重量%含むテトラアンミン硝酸パラジウムを54.14gとを加熱ジャケット付きニーダー中で十分可塑化するまで混練し、ついでこの可塑化物を押出し成型機で成型し、110℃の温度で15時間乾燥後、電気炉で500℃にて2時間焼成して直径1.2mmのシリカ−マグネシア触媒16(実施例10)を得た。得られた触媒16について、実施例1と同様に水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒組成について下記する表3に示す。
【0060】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表4に示す。
【0061】[実施例11、12]
(触媒の調製)実施例10の触媒の調製において、シリカ−マグネシア水和物ゲルに加えるシリカ−マグネシア水和物粉体の添加量を酸化物換算でそれぞれ30重量%、60重量%と代えたこと以外は、実施例10の触媒の調製と同様な手順により触媒17(実施例11)、触媒18(実施例12)を調製した。得られた触媒17、18について、水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒組成について下記する表3に併せて示す。
【0062】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表4に併せて示す。
【0063】[実施例13、14]
(触媒の調製)実施例10の触媒の調製において、反応槽に滴下するSiOとして9.2重量%濃度の珪酸ナトリウム溶液の滴下量をそれぞれSiOとして75重量%、50重量%生成するように代えたこと以外は実施例10の触媒の調製と同様な手順により触媒19(実施例13)、触媒20(実施例14)を得た。得られた触媒19および20について、水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒組成について下記する表3に併せて示す。
【0064】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表4に併せて示す。
【0065】[実施例15]
(触媒の調製)実施例10の触媒の調製において、シリカ−マグネシア水和物ゲルとシリカ−マグネシア水和物粉体を加える活性成分の金属塩溶液の種類をへキサクロロ白金酸と硝酸パラジウムに代えたこと以外は実施例10の触媒の調製と同様な手順により触媒21(実施例15)を調製した。得られた触媒21について、水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒組成について下記する表3に併せて示す。
【0066】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表4に併せて示す。
【0067】[実施例16]
(触媒の調製)実施例10の触媒の調製において、シリカ−マグネシア水和物ゲルの一部に水を加えスラリー化した後、噴霧乾燥して得られたシリカ−マグネシア水和物粉体を使用したこと以外は実施例10の触媒の調製と同様な手順により触媒22(実施例16)を調製した。得られた触媒22について、水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒組成について下記する表3に併せて示す。
【0068】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表4に併せて示す。
【0069】[実施例17、18]
(触媒の調製)実施例10の触媒の調製において、シリカ−マグネシア水和物ゲルとシリカ−マグネシア水和物粉体に加える活性金属量をそれぞれPtとして0.15重量%およびPdとして0.35重量%、Ptとして0.6重量%およびPdとして1.40重量%と代えたこと以外は実施例10の触媒の調製と同様な手順により触媒23(実施例17)、触媒24(実施例18)を調製した。得られた触媒23、24について、水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒組成について下記する表3に併せて示す。
【0070】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表4に併せて示す。
【0071】[比較例7、8]
(触媒の調製)実施例10の触媒の調製において、シリカ−マグネシア水和物ゲルに加えるシリカ−マグネシア水和物粉体の添加量を酸化物換算でそれぞれ10重量%、80重量%と代えたこと以外は実施例10の触媒の調製と同様にして触媒25(比較例7)、触媒26(比較例8)を調製した。得られた触媒25および26について、水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒組成について下記する表3に併せて示す。
【0072】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表4に併せて示す。
【0073】[比較例9](触媒の調製)実施例10の触媒の調製において、焼成温度を750℃に代えたこと以外は実施例10の触媒の調製と同様な手順により触媒27(比較例9)を調製した。得られた触媒27について、水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒組成について下記する表3に併せて示す。
【0074】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表4に併せて示す。
【0075】[比較例10、11]
(触媒の調製)実施例10の触媒の調製において、反応槽に滴下するSiOとして9.2重量%濃度の珪酸ナトリウム溶液の滴下量をそれぞれSiOとして85重量%、40重量%生成するように代えたこと以外は実施例10の触媒の調製と同様な手順により触媒28(比較例10)、触媒29(比較例11)を調製した。得られた触媒28および29について、水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒組成について下記する表3に併せて示す。
【0076】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表4に併せて示す。
【0077】[比較例12]
(触媒の調製)比較例7の触媒の調製と同様にして得たシリカ−マグネシア水和物ゲルにシリカ−マグネシア水和物粉体とコンディア社製アルミナ水和物粉体を酸化物換算でそれぞれ5重量%加えたこと以外は、実施例10の触媒の調製と同様にして触媒30(比較例12)を調製した。得られた触媒30について、水銀圧入法により求めた細孔特性と窒素ガス吸着によるBET吸着法により求めた比表面積および触媒組成について下記する表3に併せて示す。
【0078】(触媒の性能評価)また実施例1の触媒の性能評価と同様にして性能評価を行い、その結果を下記する表4に併せて示す。
【0079】
【表3】

【0080】
【表4】

【0081】上記表3および表4から分る通り、実施例10〜18の触媒16〜24はシリカ−マグネシア組成および触媒の細孔特性ならびに比表面積や活性金属の含有量に関して、いずれも本発明の範囲を満足するものであり、高い脱芳香族活性と高い脱硫・脱窒素活性を示すことが認められた。
【0082】これに対して比較例7と8の触媒25と26はシリカ−マグネシア組成および触媒の比表面積や活性金属の含有量は本発明の範囲に入るものの、触媒の細孔特性である全細孔容積、100nm、2000nmの細孔容積が小さいかあるいは大きい触媒であり、脱芳香族活性および脱硫・脱窒素活性が低い値を示していた。つぎに比較例9の触媒27は触媒のシリカ−マグネシア組成および細孔特性や活性金属の含有量は本発明の範囲に入るものの、触媒の比表面積が小さい触媒であり、脱芳香族活性および脱硫・脱窒素活性が低い値を示していた。
【0083】そしてさらに比較例10、11の触媒28、29は、触媒の細孔特性および比表面積や活性金属の担持量は本発明の範囲に入るものの、シリカ−マグネシア組成が範囲外の触媒であり、脱芳香族活性および脱硫・脱窒素活性が低い値を示していた。
【0084】またさらに比較例12の触媒30は、触媒の細孔特性および比表面積や活性金属の含有量は本発明の範囲に入るものの、アルミナが含まれている触媒であり、脱芳香族活性および脱硫・脱窒素活性が低い値を示していた。
【0085】また本発明のシリカ−マグネシア加水分解方法で製造したシリカ−マグネシアを原料として用いることで処理油中のナフサ留分量が少ないことから水素化分解を抑制していることも明らかである。
【0086】
【発明の効果】以上述べた通り本発明による水素化処理用の触媒を用いることにより、硫黄化合物などを含んだ炭化水素油中の芳香族炭化水素化合物を水素化する脱芳香族活性が高く、水素化分解の割合が低く、また硫黄化合物・窒素化合物に対する活性に優れた炭化水素油の水素化処理を行うことができるものである。




 

 


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