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発明の名称 希土類金属−遷移金属合金粉末及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−181713(P2001−181713A)
公開日 平成13年7月3日(2001.7.3)
出願番号 特願平11−359315
出願日 平成11年12月17日(1999.12.17)
代理人 【識別番号】100084087
【弁理士】
【氏名又は名称】鴨田 朝雄
【テーマコード(参考)】
4K017
4K018
5E040
【Fターム(参考)】
4K017 AA04 BA05 BA06 BA08 BB12 CA01 DA02 DA09 EA03 EH01 EH18 FB06 FB10 
4K018 BA05 BA18 BB01 BC09 BD01 BD07
5E040 AA03 AA19 CA01 HB09 HB11 HB15 HB17 NN06 NN17 NN18
発明者 加瀬 克也 / 武谷 要
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末とを混合粉砕する第1工程と、第1工程で得られた粉末を水素雰囲気中で加熱して前記遷移金属酸化物を還元する第2工程と、第2工程で得られた粉末に、アルカリ土類金属及びアルカリ土類金属水素化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を配合し、不活性雰囲気中において直接還元拡散反応を行わせる第3工程と、第3工程で得られた反応生成物を水中崩壊させる第4工程とからなる希土類金属−遷移金属合金粉末の製造方法。
【請求項2】 希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末とを混合粉砕する第1工程と、第1工程で得られた粉末を水素雰囲気中で加熱して前記遷移金属酸化物を還元する第2工程と、第2工程で得られた粉末に、アルカリ土類金属及びアルカリ土類金属水素化物からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属塩化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を配合し、不活性雰囲気中において直接還元拡散反応を行わせる第3工程と、第3工程で得られた反応生成物を水中崩壊させる第4工程とからなる希土類金属−遷移金属合金粉末の製造方法。
【請求項3】 目的粒子径をn(μm)(ただし、1≦n≦5)としたとき、第1工程において、混合した粉末を、n/10〜n(μm)の粒度分布に粉砕することを特徴とする請求項1または2に記載の希土類金属−遷移金属合金粉末の製造方法。
【請求項4】 第1工程において、混合粉砕の前に、希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末との混合粉末の総重量の0.5〜10倍量のアルカリ土類金属酸化物を添加することを特徴とする請求項1または2に記載の希土類金属−遷移金属合金粉末の製造方法。
【請求項5】 第2工程において、400℃〜600℃で水素還元を行わせ、さらに、非酸化性雰囲気下で600℃〜1200℃で加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の希土類金属−遷移金属合金粉末の製造方法。
【請求項6】 前記希土類金属として主にSmを用い、前記遷移金属として、Fe、またはFe及びCoを主に用いることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の希土類金属−遷移金属合金粉末の製造方法。
【請求項7】 希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末とを混合粉砕する第1工程と、第1工程で得られた粉末を水素雰囲気中で加熱して前記遷移金属酸化物を還元する第2工程と、第2工程で得られた粉末に、アルカリ土類金属及びアルカリ土類金属水素化物からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属塩化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を配合し、不活性雰囲気中において直接還元拡散反応を行わせる第3工程と、第3工程で得られた反応生成物を水中崩壊させる第4工程とにより製造され、主として粒子径が1〜5μmの球状粒子からなることを特徴とする希土類金属−遷移金属合金粉末。
【請求項8】 希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末とを混合粉砕する第1工程と、第1工程で得られた粉末を水素雰囲気中で加熱して前記遷移金属酸化物を還元する第2工程と、第2工程で得られた粉末に、アルカリ土類金属及びアルカリ土類金属水素化物からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属塩化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を配合し、不活性雰囲気中において直接還元拡散反応を行わせる第3工程と、第3工程で得られた反応生成物を水中崩壊させる第4工程とにより製造され、粒子径1μm以上の全合金粉末に対し、粒子径5μm以上の合金粉末の含有率が、個数基準で2.5%以下であることを特徴とする希土類金属−遷移金属合金粉末。
【請求項9】 希土類金属として主にSmを用い、遷移金属として、Fe、またはFe及びCoを主に用いることを特徴とする請求項7または8に記載の希土類金属−遷移金属合金粉末の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類金属−遷移金属の合金粉末及びその製造方法に関し、特に、Sm−Fe−N系磁石用に好適なSm−Fe系合金粉末及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、希土類金属−遷移金属の金属間化合物は、磁性材料、水素吸蔵合金などの機能性材料として、急速に開発利用が進んでいる。
【0003】中でも、Sm−Fe−N系磁石用合金粉末は、従来の磁石用合金粉末に比して、大きな保磁力を有し、ボンド磁石用合金粉末としての開発が進められている。Sm−Fe−N系合金の磁石特性発現の中心となるのは、Sm2Fe17X(x=2〜3)相であるが、通常、Sm2Fe17X(x=2〜3)は、Sm2Fe17金属間化合物を窒化処理して得られる。
【0004】Sm2Fe17金属間化合物の工業的製造方法としては、大きく分けて溶解鋳造法と直接還元拡散法がある。
【0005】溶解鋳造法では、構成成分となる金属または母合金を目的組成に合わせて配合溶解し、鋳造して鋳塊を得て、これを粗粉砕する。
【0006】直接還元拡散法では、希土類金属酸化物粉末、Fe等の遷移金属粉末に、アルカリ土類金属などの還元剤を混合して加熱し、原料酸化物を還元して拡散反応によって合金化し、さらに、得られた反応物を水で洗浄処理して不要成分を除去し、合金粉末を得る。直接還元拡散法には、(1)原料に安価な希土類金属酸化物を使用できる、(2)粒子レベルの局所反応により合金化するため、均一な組織の合金が得られる、(3)合金は粉末として得られるので、磁石化工程中の粉砕工程での負荷が少ない、などの特徴がある。
【0007】Sm2Fe17金属間化合物の工業的製造方法では、前記のいずれかの方法により得られた合金粉末に、水素を少量含む窒素、アンモニアなどで窒化処理を行い、Sm2Fe17X(x=2〜3)を生成させた後、ボンド磁石用合金粉末に適した粒子径に微粉砕する。この合金粉末に、金属、樹脂などをバインダーとして配合し、成形、着磁して、ボンド磁石とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】保磁力及び角形性の良好な高性能のSm−Fe−N系磁石用合金粉末の性状としては、以下のような点が要求される。
【0009】第1に、原料となるSm−Fe合金粉末は、そのほとんどがSm2Fe17金属間化合物からなり、α−Fe相、高Sm相など、Sm2Fe17以外の金属間化合物の相を極力含まないことが重要である。
【0010】第2に、合金粉末の形状としては、表面に凹凸のない球状であることが望ましい。これは、Sm2Fe17X(x=2〜3)合金粉末の表面の逆磁区生成部位を極力減らすことが、保磁力向上のために有効であり、また、ボンド磁石製造時に良好な充填性、成形性を得るために必要だからである。
【0011】第3に、合金粉末の粒度としては、粒子径が1〜5μm程度で、粒度分布がシャープであることが望ましい。これは、Sm2Fe17X(x=2〜3)の単磁区粒子の臨界径は2〜3μm程度であり、磁石化工程中でのSm2Fe17X(x=2〜3)粒子の配向度を向上させるためには、粒子径として1〜5μm程度が適しているからである。
【0012】しかし、溶解鋳造法によるSm2Fe17合金では、冷却時にFe相などが初晶として析出するため、Sm2Fe17単相を得ることは非常に困難であり、また解砕過程で、Sm相や高Smの金属間化合物の微粉が生成する。これに対して、直接還元拡散法では、先に述べたように、均質なSm2Fe17金属間化合物を得ることは容易である。しかし、これらのSm2Fe17合金を窒化後に微粉砕すると、粒子径が100〜数十μm程度の粗粒子や、サブミクロンの微粒子も生成し、上記のような表面に凹凸のない球状で、1〜5μm程度にそろった粒度の合金粉末を得ることは困難である。
【0013】そこで、窒化前のSm2Fe17合金の段階で、構成相のほとんどがSm2Fe17単相からなり、形状がほぼ球状で粒子径が1〜5μm程度の合金が得られると、窒化後に微粉砕工程を経ることなく、あるいは解砕する程度の弱い粉砕で、上記のような高性能なSm−Fe−N系磁石用合金粉末を製造することが可能となる。
【0014】そこで、本発明の目的は、構成相のほとんどがSm2Fe17単相からなり、形状がほぼ球状で、粒子径が1〜5μm程度のシャープな粒度分布の合金粉末を、容易に低コストで製造可能な磁石原料の希土類金属−遷移金属合金粉末及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、希土類金属酸化物と遷移金属酸化物の混合物を水素還元することで、前記遷移金属酸化物を、目的とする粒子径及び、形状の遷移金属粒子に還元し、その後、アルカリ土類金属及び/またはアルカリ土類金属水酸化物により前記希土類金属酸化物を熱還元し、生成した希土類金属と遷移金属を拡散反応により合金化することで、目的とする粒子径と形状の希土類金属−遷移金属合金粉末を得ることができることを見いだし、本発明に至った。
【0016】本発明において、希土類金属はYを含む。
【0017】本発明の希土類金属−遷移金属合金粉末の製造方法は、希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末とを混合粉砕する第1工程と、第1工程で得られた粉末を水素雰囲気中で加熱して前記遷移金属酸化物を還元する第2工程と、第2工程で得られた粉末に、アルカリ土類金属及び/またはアルカリ土類金属水素化物、さらにアルカリ土類金属酸化物及び/またはアルカリ土類金属塩化物を配合し、不活性雰囲気中において直接還元拡散反応を行わせる第3工程と、第3工程で得られた反応生成物を水中崩壊させる第4工程とからなる。
【0018】目的粒子径をn(μm)(ただし、1≦n≦5)としたとき、第1工程において、混合した粉末を、n/10〜n(μm)の粒度分布に粉砕するとよい。
【0019】第1工程において、混合粉砕の前に、希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末との混合粉末の総重量の0.5〜10倍量のアルカリ土類金属酸化物を添加するとよい。
【0020】第2工程において、400℃〜600℃で水素還元を行わせ、さらに、非酸化性雰囲気下で600℃〜1200℃で加熱するとよい。
【0021】また、前記製造方法で得られた本発明の希土類金属−遷移金属合金粉末は、粒子のほとんどが概ね球状であり、その粒子径が1〜5μmであることを特徴とする。さらに具体的には、粒子径1μm以上の全合金粉末に対し、粒子径5μm以上の合金粉末の含有率が、個数基準で2.5%以下である。
【0022】希土類金属として主にSmを用い、遷移金属として、Fe、またはFe及びCoを主に用いることが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の方法の各工程について、以下に詳述する。
【0024】第1工程:希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末とを混合する第1工程において、基本的には、希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末の混合比は、含有される希土類金属成分及び遷移金属成分の組成が、目的とする希土類金属−遷移金属合金粉末の組成となるように定めればよい。
【0025】ただし、第3工程の直接還元拡散反応では、希土類金属と遷移金属が拡散反応を起こして合金化するため、希土類金属をやや多めに加えておく必要があり、希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末の混合比も、希土類金属酸化物粉末の配合比を目的組成よりも高めに設定しておくことが望ましい。
【0026】第2工程:第2工程の水素還元は、希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末の混合物中において、遷移金属酸化物を遷移金属に還元すると共に、加熱によって金属粒子同士を融着させて、目的粒度の遷移金属粉末を得るために行う。
【0027】そのため、原料酸化物粉末の粒子径によっては、第1工程での希土類金属酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末の混合と同時に、目的とする粒子径以下への粉砕が必要となる。具体的には、第3工程前の遷移金属粉末の粒子径は、目的とする合金粉末の粒子径とほぼ同じか、もしくはそれよりもやや小さいことが必要であり、第2工程前の遷移金属酸化物粉末の粒子径は、第3工程前の遷移金属粉末の粒子径とほぼ同じかもしくはそれよりも小さいことが必要である。
【0028】よって、希土類金属−遷移金属合金粉末の目的粒子径をn(μm)(ただし、1≦n≦5)とするならば、第2工程前の希土類金属酸化物粉末及び遷移金属酸化物粉末は、n/10〜n(μm)の粒度分布まで粉砕しておく必要がある。また、原料酸化物粉末の粒度分布がn(μm)以下の場合でも、反応を均一に進めるために、原料酸化物粉末の混合は、十分な強度を持った粉砕と同時に行うことが望ましい。混合と粉砕とを同時に行う装置としては、ボールミル、サンドミル、アトライター等の一般的粉砕装置を用いることができる。
【0029】第2工程の水素還元では、混合酸化物粉末中の遷移金属酸化物を遷移金属に還元するとともに、目的とする粒子径まで焼結により粒成長させる必要がある。この時、希土類金属酸化物と遷移金属酸化物の混合物を高温に加熱すると、フェライト複合酸化物を生成することがある。例えば、Sm23とFe23はSmFeO3フェライトを生成する。フェライト複合酸化物を生成すると、水素還元が進みにくく、また、第3工程の直接還元拡散法も進みにくくなるため、混合酸化物の水素還元は、フェライト複合酸化物を生成させないような加熱方法で行う必要がある。
【0030】そこで、遷移金属酸化物の水素還元は、400℃以上で進行するのに対して、フェライト複合酸化物の生成は、600℃以下では進みにくいことから、混合酸化物粉末中の遷移金属酸化物の水素還元を400℃〜600℃で完了させ、その後、600℃〜1200℃で粒成長を行わせれば、フェライト複合酸化物の生成を防ぎつつ、遷移金属酸化物の還元を進めることができる。還元により生成した遷移金属の粒成長を行わせる温度としては、600℃〜1200℃であればよいが、反応時間を短くするためには、900℃〜1200℃で粒成長を行わせるのが望ましい。
【0031】この時、遷移金属粒子同士が融着して数珠状になるのを防ぐために、遷移金属粒子同士の接触を抑えることが必要となる。通常は、配合した希土類金属酸化物が、この役割を果たす。しかし、融着しやすい遷移金属を使用する場合には、加熱中に希土類金属酸化物、遷移金属酸化物もしくは金属粉末と反応せず、後工程で容易に除去される物質の添加が有効である。アルカリ土類金属酸化物は、希土類金属酸化物、遷移金属酸化物もしくは金属粉末と反応せず、後の湿式処理工程で副生成物と共に除去されるので、この添加物として適している。
【0032】アルカリ土類金属酸化物の添加量を、混合した希土類金属酸化物粉末及び遷移金属酸化物粉末の総重量の0.5〜10倍量とするのは、添加量がそれ以下では、遷移金属粒子同士が数珠状に融着するのを防げず、それ以上では、目的とする遷移金属粒子の粒成長の妨げとなるためである。
【0033】第3工程:第3工程では、希土類金属酸化物を還元する。
【0034】第3工程の直接還元拡散反応で用いる還元剤としては、アルカリ土類金属またはアルカリ土類金属水素化物もしくはそれらの混合物を用いる。還元剤は、粒状または粉末状で使用されるが、安全性とコスト面から粒状の金属カルシウムが適している。還元剤の添加量は、第2工程反応物に含まれる希土類金属酸化物の還元に必要な化学量論量の1.1〜2.0倍量が望ましい。
【0035】また、直接還元拡散反応時に、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属塩化物を配合するのは、還元拡散反応によって得られる反応生成物中で合金粉末同士の融着、粗粒化を防ぎ、また後の湿式工程における水中崩壊性性を向上させるためである。具体的には、加熱時に揮発がほとんど無く、安価な無水塩化カルシウム粉末が適している。
【0036】アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属塩化物の添加量は、希土類金属酸化物に対して、5〜50重量%の範囲内が望ましい。5重量%以下では、目的とする融着、粗粒化の防止、水中崩壊性の向上が見られず、50重量%以上では、還元拡散反応中の希土類金属と遷移金属の反応性が悪くなる。
【0037】第4工程:還元拡散反応終了後、反応生成物を水中に投入すると、未反応のアルカリ土類金属またはアルカリ土類金属水素化物は、水と速やかに反応し、水素を発生して水酸化物となる。また、アルカリ土類金属塩化物は、容易に水に溶けるため、反応生成物は速やかに崩壊し、スラリーとなる。
【0038】このスラリー中の不溶性物であるアルカリ土類金属酸化物及び未反応原料は、生成した希土類金属−遷移金属合金粉末に比べ軽いために、デカンテーションを繰り返すことで、その大部分を除去できる。この湿式処理の後、希酸による表面洗浄を行うことで、微量に残留した水酸化物や合金粉末表面の酸化物皮膜を除去できる。次いで、必要によりアルコール等の有機溶媒での洗浄が行われた後、真空乾燥を行い、最終的な希土類金属−遷移金属合金粉末を得る。
【0039】粒子径:本発明において、希土類金属−遷移金属合金粉末の粒子径は、次のように評価・定義される。
【0040】合金粉末を樹脂に埋め込んで、その断面を研磨し、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などで、ひとつの試料につき1視野以上の写真を撮影する。得られた写真の上に、同一の合金粉末に重ならないように、平行な複数本の直線を引く。この時、1個の合金粉末の輪郭と、直線との交点間距離をもって、その合金粉末の粒子径と定義する。
【0041】粒度分布の評価にあたっては、100個以上、好ましくは200個以上の合金粉末について粒子径を測定する。得られたデータから、粒子径が1μm未満の合金粉末を除き、粒子径が1μm以上の合金粉末について、粒子径の対数に対する個数基準の粒度分布を算出し、粒子径が5μm以上の合金粉末の含有率を求める。なお、合金粉末中で二次凝集しているものは、別の粉末として扱うものとする。
【0042】本発明のSm2Fe17合金は、従来に比べて粒度が細かいため、窒化工程において窒素が拡散するために必要な時間が短縮され、生産性が向上する。また、窒化後の微粉砕工程が不要かまたは簡略化できる。
【0043】本発明の利点及び技術的進歩を、以下の実施例で具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は、以下の実施例によって制限されるものではない。
【0044】
【実施例】(実施例1)Sm23粉末(純度99%)162.3g、Fe23粉末(純度99%)536.5gを混合し、真空濾過、真空乾燥した後、100メッシュJIS標準篩で篩別してから、0.4mmφZrOボールのサンドミルで湿式混合粉砕を行った。粉砕後の混合酸化物をSEM(明石製作所製、型式MSM−9)観察したところ、全量が5μm以下の粒子径に粉砕されているのが確認された。混合酸化物70gを石英ボートに取り、水素+窒素気流(各1リットル/min)の管状加熱炉中で500℃で2時間、加熱還元した。第1の加熱還元後、1000℃まで昇温し、1000℃で1時間の加熱を行った。その後、雰囲気を窒素に切り替え、窒素気流中で室温まで放置冷却した。得られた還元物をSEM観察したところ、還元物は粒子径が1〜5μm程度の粒子であり、またXRD(リガク製、型式RINT1400)の結果、Sm23及びFeの回折ピークが認められた。
【0045】得られた還元物に、金属Ca顆粒(純度99%以上)8.4gと、無水CaCl2粉末(純度99%)3.3gを加えて、乾燥窒素雰囲気下で混合した。これら原料混合物を鉄製ルツボ中に充填し、さらにステンレス反応容器中に装入し、Ar気流中にて、900℃で4.5時間加熱し、還元拡散反応を終了させた。容器中にて冷却後、反応物を取り出し、水中崩壊させ、水洗して不用なCaCl2分及びCa分を除去した。得られた粉末スラリーをアルコール等で水置換後、真空乾燥して合金粉末を得た。
【0046】得られた合金粉末は、Sm24.6wt%、残部Feからなる合金粉末であった。合金粉末をSEM観察したところ、粒子径が1〜5μm程度の球状粒子が認められた。また、該合金粉末を樹脂に埋め込み、端面を研磨した後、SEMで2000倍の写真を3視野ずつ撮影した。次に、6μm間隔で、複数本の直線を写真上に引き、先に述べた方法で合金粉末の粒子径を測定した。得られたデータから粒子径が1μm以上を抽出し、その粒子径の対数に対する個数基準粒度分布を求めた。抽出した合金粉末粒子数は、200個以上である。このデータから、5μm以上の粒子径を持つ合金粉末の含有率を調べたところ、2.3%であった。一方、XRDの結果、Sm2Fe17金属間化合物の回折ピークが認められ、EDX(堀場製作所製、X線アナライザーEMAX−2200)による粒子表面の組成分布では、合金粉末の成分分析結果とほぼ同様の結果が得られ、ほぼ全量がSm2Fe17金属間化合物からなる均質な組成の球状粉末であることが確認された。
【0047】ついで、この合金粉末を管状炉中に装填し、アンモニア分圧0.35のアンモニア−水素混合ガス雰囲気中、465℃で3時間加熱(窒化処理)し、その後、Arガス中、465℃で1時間加熱(アニール処理)し、Sm−Fe−N系合金粉末を得た。この合金粉末をX線解析したところ、菱面体晶系のTh2Zn17型結晶構造の回折線(Sm2Fe173金属間化合物)を示した。また、この合金粉末を微粉砕せずに、そのまま振動試料型磁力計(VSM)で磁気特性の測定をしたところ、保磁力Hc11.3kOe角形性Hk4.0kOeと良好だった。
【0048】(比較例1)実施例1と同様に調製したSm23とFe23の混合酸化物の70gを石英ボートに取り、水素+窒素気流(各1リットル/min)の管状加熱炉中、1000℃で3時間の加熱を行った。その後、雰囲気を窒素に切り替えて、窒素気流中で、室温まで放置冷却した。得られた還元物をSEM観察したところ、還元物は粒子径が1〜5μm程度の粒子であるが、XRDの結果、Fe及びSmFeO3の回折ピークが認められ、Sm23がSmFeO3となったことが確認された。
【0049】(比較例2)金属Sm塊13.5g、金属Fe塊37.5gをジルコニアルツボに装入し、Ar雰囲気下、高周波加熱炉中、1300℃に加熱溶解した。これを水冷用銅製鋳型に鋳込み、冷却して、鋳塊とした後、ジョークラッシャーにて150メッシュアンダーまで粉砕した。得られた合金粉末は、Sm25.1wt%、残部Feからなる合金粉末であった。ついで、この粉末を管状炉内に装填し、アンモニア分圧0.35のアンモニア−水素混合ガス雰囲気中、465℃で6時間加熱(窒化処理)し、その後、Arガス中、465℃で2時間加熱(アニール処理)し、Sm−Fe−N系合金粉末を得た。この合金粉末をX線解析したところ、菱面体晶系のTh2Zn17型結晶構造の回折線(Sm2Fe173金属間化合物)を示した。これを振動ボールミルにて3μm程度に微粉砕した。
【0050】この合金粉末をSEM観察したところ、針状、板状、様々な形状の粒子からなり、また、サブミクロンの微細な高Sm金属間化合物相が多量に存在した。得られた合金粉末の磁気特性を、振動試料型磁力計(VSM)で測定したところ、保磁力Hc8.4kOe角形性Hk2.7kOeと低い値を示した。
【0051】(比較例3)Sm23粉末(純度99%)15.0g、Fe粉末(純度99%)37.5g、無水CaCl2粉末(純度99%)3.0g、金属Ca顆粒(純度99%以上)7.5gを乾燥窒素雰囲気下で混合した。これら原料混合物を鉄製ルツボ中に充填し、さらにステンレス反応容器中に装入し、Ar気流中にて900℃で4.5時間加熱し、還元拡散反応を終了させた。容器中にて冷却後、反応物を取り出し、水中崩壊させ、水洗して不用なCaCl2及びCa分を除去した。得られた粉末スラリーを、アルコール等で水置換後、真空乾燥して合金粉末を得た。
【0052】得られた合金粉末は、Sm24.9wt%、残部Feからなる合金粉末であった。合金粉末をSEM観察したところ、一部に二次凝集を含む粒子径が1〜数百μm程度の多様な形状の粒子が認められた。また、EDXによる粒子表面の組成分析では、合金粉末の成分分析結果とほぼ同様の結果が得られ、均質な組成の球状粉末であることが確認された。また、実施例1と同様の評価方法で、5μm以上の粒子径を持つ合金粉末の含有率を調べたところ、42.8%であった。
【0053】ついで、実施例1と同様にして窒化し、Sm−Fe−N系合金粉末を得た。この合金粉末をX線解析したところ、菱面体晶系のTh2Zn17型結晶構造の回折線(Sm2Fe173金属間化合物)を示した。次に、この合金粉末を旋回型ジェットミルにかけて微粉砕した。得られた合金粉末の磁気特性を、振動試料型磁力計(VSM)で測定したところ、保磁力Hc9.2kOe角形性Hk3.4kOeと低い値を示した。
【0054】
【発明の効果】本発明の方法によれば、粒子のほとんどが概ね球状であり、その粒子径が1〜5μmであることを特徴とする希土類金属−遷移金属合金粉末を容易に低コストで得ることができる。また、この製造方法を使って得られたSm−Fe−N系磁石用合金粉末は、窒化時間が短縮され、微粉砕工程が簡略化されることから工業的価値が高い。




 

 


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