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発明の名称 水素分離材料及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−170460(P2001−170460A)
公開日 平成13年6月26日(2001.6.26)
出願番号 特願平11−358431
出願日 平成11年12月17日(1999.12.17)
代理人 【識別番号】100084087
【弁理士】
【氏名又は名称】鴨田 朝雄
【テーマコード(参考)】
4D006
4G040
【Fターム(参考)】
4D006 GA41 KE16Q KE16R MA02 MA03 MA06 MA31 MB04 MC02 MC03 NA31 NA62 NA63 NA64 PB66 PC01 PC80 
4G040 FA06 FC01 FE01
発明者 北川 直明 / 岡部 信一 / 塚田 由貴
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 金属粉もしくはセラミック粉を焼結して得た多孔体の表面に、V、Nb、Ta、Vと5〜20wt%Niとの合金、Vと5〜20wt%Coとの合金、Vと5〜20wt%Moとの合金、Nbと5〜20wt%Niとの合金、Nbと5〜20wt%Coとの合金、Nbと5〜20wt%Moとの合金、Taと5〜20wt%Niとの合金、Taと5〜20wt%Coとの合金、およびTaと5〜20wt%Moとの合金からなる群より選ばれた1種からなる膜が形成された水素分離材料。
【請求項2】 前記膜の膜厚が、1〜70μmの範囲内である請求項1に記載の水素分離材料。
【請求項3】 前記膜の上に、パラジウムまたはパラジウム−銀系合金からなる酸化防止膜が形成された請求項1または2に記載の水素分離材料。
【請求項4】 前記酸化防止膜の膜厚が、0.1〜7.0μmの範囲内である請求項3に記載の水素分離材料。
【請求項5】 前記酸化防止膜の膜厚が、0.1〜2.0μmの範囲内である請求項3に記載の水素分離材料。
【請求項6】 金属粉もしくはセラミック粉を円筒形状に焼結して多孔体とし、この多孔体の表面に、カソードアーク式イオンプレーティング法で、V、Nb、Ta、Vと5〜20wt%Niとの合金、Vと5〜20wt%Coとの合金、Vと5〜20wt%Moとの合金、Nbと5〜20wt%Niとの合金、Nbと5〜20wt%Coとの合金、Nbと5〜20wt%Moとの合金、Taと5〜20wt%Niとの合金、Taと5〜20wt%Coとの合金、およびTaと5〜20wt%Moとの合金からなる群より選ばれた1種からなる膜を、膜厚が1〜70μmの範囲内で形成する水素分離材料の製造方法。
【請求項7】 金属粉もしくはセラミック粉を円筒形状に焼結して多孔体とし、この多孔体の表面に、カソードアーク式イオンプレーティング法で、V、Nb、Ta、Vと5〜20wt%Niとの合金、Vと5〜20wt%Coとの合金、Vと5〜20wt%Moとの合金、Nbと5〜20wt%Niとの合金、Nbと5〜20wt%Coとの合金、Nbと5〜20wt%Moとの合金、Taと5〜20wt%Niとの合金、Taと5〜20wt%Coとの合金、およびTaと5〜20wt%Moとの合金からなる群より選ばれた1種からなる膜を、膜厚が1〜70μmの範囲内で形成し、その上に、パラジウムまたはパラジウム−銀系合金からなる酸化防止膜を、イオンプレーティング法または化学メッキ法で、膜厚が0.1〜7.0μmの範囲内で形成する水素分離材料の製造方法。
【請求項8】 前記酸化防止膜の膜厚が、0.1〜2.0μmの範囲内である請求項7に記載の水素分離材料の製造方法。
【請求項9】 前記酸化防止膜を形成する前に、真空中でアルゴンガスによるイオンボンバードを行うことを特徴とする請求項7または8に記載の水素分離材料の製造方法。
【請求項10】 前記膜または前記酸化防止膜の表面に、径40〜200μmの硬質ショット球を、高速で噴射衝突させる請求項7から9のいずれかに記載の水素分離材料の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素を含む混合ガスから水素を分離するときに用いる水素透過性に優れた水素分離材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高純度水素は、薬品の原料、半導体の製造、燃料電池の高効率化などに、多くの用途がある。今後も、燃料電池自動車、家庭用コジェネレーション等に使用され、高純度水素の製造方法にはより高効率化が求められる。
【0003】高純度水素を作り出す方法として、吸収法、深冷分離法、吸着法、拡散法がある。最も高純度の水素を得られるのは、膜を使用する拡散法である。拡散法は、膜表面で水素原子に解離し、膜中を拡散して高純度の水素を得る方法である。現在、この拡散法で実用化されている膜として、パラジウムと銀の合金膜がある。
【0004】パラジウムと銀の合金膜を形成する方法として、特開昭63−294925号公報には、多数の小孔を有する耐熱性多孔体の表面にパラジウム薄膜を、該パラジウム薄膜上に銅薄膜を、それぞれ化学メッキ法によって形成させ、次いで熱処理温度300〜540℃、好ましくは400〜500℃、処理時間5〜40時間、望ましくは12〜16時間の条件下で、熱処理を行うことにより得られる水素分離用膜が開示されている。
【0005】また、特開平1−164419号公報には、多数の小孔を有する耐熱性多孔体の表面にパラジウム薄膜を、該パラジウム薄膜上に銀薄膜を、それぞれ化学メッキ法によって形成させ、次いで熱処理温度450〜600℃、処理時間8〜16時間の条件下で、熱処理を行うことにより得られる水素分離用膜が開示されている。
【0006】また、特開平3−146122号公報には、耐熱性多孔質体の表面にパラジウム薄膜を、該パラジウム薄膜上に銀薄膜を、それぞれ化学メッキ法により形成し、次いで熱処理温度800〜1300℃、処理時間3〜16時間の条件下で、熱処理を行うことにより得られる水素分離膜が開示されている。
【0007】また、特開平5−123548号公報には、金属多孔体を基材とし、この基材表面に、第一層として電気Niメッキ、第二層として電気パラジウムメッキを行った後、金属多孔体の裏面から真空吸引しながら無電解パラジウムメッキを行うことにより得られる水素分離膜が開示されている。
【0008】また、特開平11−104471号公報には、基板にパラジウム−銀合金を主成分とし、GdおよびYを3%以上含有させ、その上にパラジウム−銀を電気メッキで形成して得られる水素分離膜が開示されている。
【0009】水素分離用膜に要求されるのは、水素透過度が大きいことと、他のガスと反応して酸化物、窒化物、炭化物等を生成しないことと、水素透過性を低下させる材料を含まないことが重要である。さらに、基材が水素脆化を起こさないことが必要である。また、広い温度範囲で高い水素透過性を有することが必要である。
【0010】上記の特開昭63−294925号公報、特開平1−164419号公報、特開平3−146122号公報では、膜としてパラジウムを化学メッキで形成し、該パラジウムの上にさらに銅、銀をめっきした後、合金化するために長時間の熱処理を行っている。しかし、パラジウムおよびパラジウム合金の水素透過性は、Nb、V、およびTaより低く、特に、温度が473K以下ではさらに低下するという欠点がある。さらに、使用する材料が貴金属で高価であり、また、合金にするため高温で長時間の熱処理を行うので製作費が高価になる。
【0011】上記の特開平5−123548号公報では、一層目としてNiメッキ、二層目としてパラジウムメッキを行いており、パラジウムを用いることによる欠点を解消していない。無電解メッキや電気メッキで、パラジウムもしくはパラジウム合金を形成すると、メッキ液の不純物が膜中に取り込まれ、これが水素透過性を低下させる一因にもなっている。さらに、メッキ特有の廃水処理の問題があり、環境性に劣る処理である。
【0012】上記の特開平11−104471号公報には、基材にもパラジウム合金を使用し、膜にもパラジウム合金を用いることで、高温強度に優れた膜を得ているが、パラジウムを使用する限り、水素透過性に限界があり、全体に厚さが増し、水素透過性が劣化する。さらに、コストが上がり、広く使用されない可能性がある。
【0013】また、Nb、Ta、Vの金属膜は、化学メッキが不可能もしくは大変形成困難であり、Nb、Ta、Vを基とする合金膜は、脆く、箔にしずらく、圧延などの一般的な手法では薄膜が得られなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の問題を解決し、パラジウム合金より優れた水素透過性を有し、安価に製造できる水素透過膜を、多孔体基材の表面に備えた水素分離材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の水素分離材料は、金属粉もしくはセラミック粉を焼結して得た多孔体の表面に、V、Nb、Ta、Vと5〜20wt%Niとの合金、Vと5〜20wt%Coとの合金、Vと5〜20wt%Moとの合金、Nbと5〜20wt%Niとの合金、Nbと5〜20wt%Coとの合金、Nbと5〜20wt%Moとの合金、Taと5〜20wt%Niとの合金、Taと5〜20wt%Coとの合金、およびTaと5〜20wt%Moとの合金からなる群より選ばれた1種からなる膜が形成される。
【0016】前記膜の膜厚は、1〜70μmの範囲内であることが望ましい。
【0017】また、前記膜の上に、パラジウムまたはパラジウム−銀系合金からなる酸化防止膜が形成されることが望ましい。
【0018】上記酸化防止膜の膜厚は、0.1〜7.0μm範囲内であることが望ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0μmの範囲内であることが望ましい。
【0019】また、本発明の水素分離材料の製造方法は、金属粉もしくはセラミック粉を円筒形状に焼結して多孔体とし、この多孔体の表面に、カソードアーク式イオンプレーティング法で、V、Nb、Ta、Vと5〜20wt%Niとの合金、Vと5〜20wt%Coとの合金、Vと5〜20wt%Moとの合金、Nbと5〜20wt%Niとの合金、Nbと5〜20wt%Coとの合金、Nbと5〜20wt%Moとの合金、Taと5〜20wt%Niとの合金、Taと5〜20wt%Coとの合金、およびTaと5〜20wt%Moとの合金からなる群より選ばれた1種からなる膜を、膜厚が1〜70μmの範囲内で形成する。
【0020】さらに、その上に、パラジウムまたはパラジウム−銀系合金からなる酸化防止膜を、イオンプレーティング法または化学メッキ法で、膜厚が0.1〜7.0μmの範囲内で形成するのが望ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0μmの範囲内で形成するのが望ましい。
【0021】前記酸化防止膜を形成する前に、洗浄のために、真空中でアルゴンガスによるイオンボンバードを行うのが望ましい。また、前記膜または前記酸化防止膜の表面に、平滑化のために、径40〜200μmの硬質ショット球を高速で噴射衝突させるのが望ましい。
【0022】前記合金の膜の形成は、合金組成の金属を溶解し、焼結法で作製したターゲットを用いることができる。例えば、NbとMoの2種類のターゲットを、真空装置に設けることで作製できる。
【0023】前記のように、V、Nb、Ta等の金属の膜、及び、それらにNi、Co、Moを添加した合金の膜の膜厚を、1〜70μmの範囲内とするのは、ピンポールの数や膜応力の増大を考慮するからである。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の基材には、耐熱性と耐食性に優れたステンレス基材やアルミナのようなセラミックスが適している。ガスから膜を通して水素を分離するため、多孔体を使用する。孔径が大きいと、イオンプレーティング膜が不連続になり、ピンホールを生じる可能性があるので、1〜10μm程度の孔径が望ましい。それらの基材の上に、パラジウムやパラジウム合金より水素拡散速度が速く、水素の固溶度も大きいV、Nb、Ta等の金属や合金の膜を、カソードアーク式イオンプレーティング法で形成する。
【0025】このカソードアーク式イオンプレーティング法は、真空容器を正、金属ターゲットおよび基板を負に印加し、金属ターゲット表面でアーク放電を起こさせる。そのアーク放電によって直接、金属を瞬時に蒸気化し、それをプラズマ化して、イオン化する方法である。よって、単一成分のターゲットを用いて成膜しても、合金成分のターゲットを用いて成膜しても、ターゲット組成に近い組成の膜が形成される。このとき、イオン化率は80%以上に達し、イオン化された蒸発粒子は、負に印加された基板に引き付けられ、緻密で良質な膜が形成される。
【0026】前記膜の耐水素脆化性を向上させるために、V、Nb、Ta等に対し、Ni、Co、Moを5〜20wt%添加した合金が適している。この場合は、カソードアーク式イオンプレーティング装置に合金組成を形成するターゲットを設置するか、2種類のターゲットを配置してコーティングすることで、任意の比率の合金膜が作製できる。Ni、Co、Moを適当量添加すると水素化物が生成し難くなり、耐水素脆化性を向上させることができる。しかし、添加元素を入れすぎると、水素透過度と拡散係数が低下してくるので、添加量は5〜20wt%が適量である。
【0027】前記膜の膜厚は1〜70μmの範囲内が良い。1μm以下ではピンホールが多くなり、水素以外のガスが混入してくる。また70μm以上では膜の応力が大きくなりすぎ、基材と膜で剥離する可能性がある。
【0028】これらの膜は実製品になり、高温で長期間使用されると酸化する可能性がある。酸化した膜は水素透過性を低下させる。そのため、高温大気中で膜表面が酸化されないように、高温酸化特性に優れるパラジウム膜、すなわち、パラジウムやパラジウム−銀系合金の膜を形成させる。このパラジウム膜は、カソードアーク式イオンプレーティング法で、前記膜を形成した後、同じ装置でパラジウムターゲットを用いて成膜する。
【0029】また、前記膜を、カソードアーク式イオンプレーティング装置で形成し、大気中に取り出し、別のイオンプレーティング装置でパラジウム膜を形成することも可能である。その時は、アルゴンイオンをバイアス電圧で加速させ、膜の表面の酸化膜を除去し、当該膜とパラジウム膜との密着力を向上させる。パラジウム膜は、膜厚が0.1〜2.0μmの範囲内で作製する。0.1μmより膜厚が薄いと、酸化防止膜としての機能が低下する。2.0μmより厚くすると、水素透過性が低下し、また、製造コストが上昇する。
【0030】長時間、大気雰囲気の高温下で使用される場合は、さらに化学メッキでパラジウム膜を、膜厚が1〜5μmの範囲内で形成する。1μmより膜厚が薄いと、長時間の酸化防止膜としての機能が低下し、5μmより厚いと、水素透過性が低下し、また、製造コストが上昇する。化学メッキを施すことにより、イオンプレーティング装置で形成したパラジウム膜の微少な凹凸、欠陥などが無くなるか、もしくは減少する。
【0031】
【実施例】(実施例1)SUS316の微粉末を用いて、圧力1t、焼結温度1000℃、1時間で焼結して得た相対密度66%の多孔体を、基材として用いた。基材をエタノールで超音波洗浄し、乾燥させた。膜形成には、マルチアーク社製カソードアーク式イオンプレーティング装置を用いた。この装置のターゲットとしてのカソードに、Nbを取り付けた。基材を真空チャンバーにセットし、チャンバー内を2×10-5Torr以下まで排気した。
【0032】次に、アルゴンガスを3mTorr導入し、基材に−1000Vのバイアス電圧を印加し、180Aのカソード電流を流し、Nb金属ボンバードを2分間、行った。この処理は、基材表面を洗浄し、基材温度を500℃付近まで上げるために行われる。
【0033】次に、バイアス電圧を−50V、カソード電流180A、アルゴンガス圧30mTorrで、150分間、成膜して、膜厚が30μmのNb膜を形成することによって、水素透過膜を作製した。
【0034】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大し観察したが、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0035】(実施例2)実施例1で形成したNb膜に、350メッシュアンダー、粒径40〜74μmのハイスピード鋼ビーズのショットを、基材から15cm離して、4kgf/cm2のエアー圧力で照射した。
【0036】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察したが、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0037】(実施例3)実施例1と同様の基材に、同様の処理を行い、膜厚が30μmのNb膜を形成した。この基材を真空装置から取り出し、電子ビーム方式のイオンプレーティング装置に取り付け、2×10-5Torrまで排気した。
【0038】次に、40mTorrまでアルゴンガスを導入し、バイアス電圧−800Vで10分間、Nb膜にアルゴンイオンを打ち付けた。この処理により、Nb膜表面の酸化膜除去と基材温度を上昇させた。
【0039】次に、電子ビーム出力10kV、電流300mAを流し、10分間、成膜し、膜厚が1.0μmのパラジウム膜を形成することによって、水素透過膜を作製した。
【0040】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察しても、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0041】(実施例4)実施例3で形成したNb膜に、350メッシュアンダー、粒径40〜74μmのハイスピード鋼ビーズのショットを、基材から15cm離して、4kgf/cm2のエアー圧力で照射した。
【0042】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察したが、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0043】(実施例5)実施例1と同様の基材を、エタノールで超音波洗浄し、乾燥させた。実施例1と同じ装置の、ターゲットとしてのカソードに、Taを取り付けた。この基材を真空チャンバーにセットし、チャンバー内を2×10-5Torr以下まで排気した。
【0044】次に、アルゴンガスを3mTorr導入し、基材に−1000Vのバイアス電圧を印加し、180Aのカソード電流を流し、Ta金属ボンバードを2分間、行った。この処理は、基材表面を洗浄し、基材温度を500℃付近まで上げるために行われる。
【0045】次に、バイアス電圧を−50V、カソード電流200A、アルゴンガス圧30mTorrで、150分間、成膜して、膜厚が30μmのTa膜を形成した。この基材を真空装置から取り出し、電子ビーム方式のイオンプレーティング装置に取り付け、2×10-5Torrまで排気した。
【0046】次に、40mTorrまでアルゴンガスを導入し、バイアス電圧−800Vで10分間、Ta膜にアルゴンイオンを打ち付けた。この処理により、Ta膜表面の酸化膜除去と基材温度を上昇させた。
【0047】次に、電子ビーム出力10kV、電流300mAを流し、10分間、成膜し、膜厚が1.0μmのパラジウム膜を剥離なく形成することにより、水素透過膜が作製できた。
【0048】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察しても、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0049】(実施例6)実施例5で形成したパラジウム膜に、350メッシュアンダー、粒径40〜74μmのハイスピード鋼ビーズのショットを、基材から15cm離して、4kgf/cm2のエアー圧力で照射した。
【0050】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察したが、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0051】(実施例7)実施例1と同様の基材を、エタノールで超音波洗浄し、乾燥させた。実施例1と同じ装置の、ターゲットとしてのカソードに、NbとMoの焼結ターゲットを取り付けた。Moは全体量の10wt%である。この基材を真空チャンバーにセットし、チャンバー内を2×10-5Torr以下まで排気した。
【0052】次に、アルゴンガスを3mTorr導入し、基材に−1000Vのバイアス電圧を印加し、180Aのカソード電流を流し、Nb−Mo(10wt%)金属ボンバードを2分間、行った。この処理は、基材表面を洗浄し、基材温度を500℃付近まで上げるために行われる。
【0053】次に、バイアス電圧を−50V、カソード電流180A、アルゴンガス圧30mTorrで130分間、成膜して、膜厚が30μmのNb−Mo(10wt%)膜を形成した。この基材を真空装置から取り出し、電子ビーム方式のイオンプレーティング装置に取り付け、2×10-5Torrまで排気した。
【0054】次に、40mTorrまでアルゴンガスを導入し、バイアス電圧−800Vで10分間、Nb−Mo(10wt%)膜にアルゴンイオンを打ち付けた。この処理により、Nb−Mo(10wt%)膜表面の酸化膜除去と基材温度の上昇を行った。
【0055】次に、電子ビーム出力10kV、電流300mAを流し、10分間、成膜して、膜厚が1.0μmのパラジウム膜を形成することによって、水素透過膜が形成できた。
【0056】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察しても、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0057】(実施例8)実施例7で形成したパラジウム膜に、350メッシュアンダー、粒径40〜74μmのハイスピード鋼ビーズのショットを、基材から15cm離して、4kgf/cm2のエアー圧力で照射した。
【0058】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察したが、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0059】(実施例9)実施例1と同様の基材を、エタノールで超音波洗浄し、乾燥させた。実施例1と同じ装置の、ターゲットとしてのカソードに、TaとMoの焼結ターゲットを取り付けた。Moは全体量の5wt%である。さらに、パラジウムターゲットを取り付けた。この基材を真空チャンバーにセットし、チャンバー内を2×10-5Torr以下まで排気した。
【0060】次に、アルゴンガスを3mTorr導入し、基材に−1000Vのバイアス電圧を印加し、180Aのカソード電流を流し、Ta−Mo(5wt%)金属ボンバードを2分間、行った。この処理は、基材表面を洗浄し、基材温度を500℃付近まで上げるために行われる。
【0061】次に、バイアス電圧を−50V、カソード電流180A、アルゴンガス圧30mTorrで130分間、成膜し、膜厚が25μmのTa−Mo(5wt%)膜を形成した。
【0062】次に、30mTorrまでアルゴンガスを導入し、バイアス電圧−50V、カソード電流90Aで20分間、成膜して、Ta−Mo(5wt%)膜に2.0μmのパラジウム膜を成膜することによって、水素脆化しない水素透過膜が形成できた。
【0063】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察しても、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0064】(実施例10)実施例1と同様の基材を、エタノールで超音波洗浄し、乾燥させた。実施例1と同じ装置の、ターゲットとしてのカソードに、TaとMoの焼結ターゲットを取り付けた。Moは全体量の5wt%である。さらに、パラジウムターゲットを取り付けた。この基材を真空チャンバーにセットし、チャンバー内を2×10-5Torr以下まで排気した。
【0065】次に、アルゴンガスを3mTorr導入し、基材に−1000Vのバイアス電圧を印加し、180Aのカソード電流を流し、Ta−Mo(5wt%)金属ボンバードを2分間、行った。この処理は、基材表面を洗浄し、基材温度を500℃付近まで上げるために行われた。
【0066】次に、バイアス電圧を−50V、カソード電流180A、アルゴンガス圧30mTorrで130分間、成膜することによって、膜厚が25μmのTa−Mo(5wt%)膜を形成した。さらに、「Pd(NH34」Cl2・H2O,EDTA・2Na,NH3,H2NNH2・H2Oよりなるメッキ液に、温度50℃にて5時間浸漬して、膜厚が2μmの酸化防止膜を得た。
【0067】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察しても、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0068】(実施例11)実施例10で形成したパラジウム膜に、350メッシュアンダー、粒径40〜74μmのハイスピード鋼ビーズのショットを、基材から15cm離して、4kgf/cm2のエアー圧力で照射した。
【0069】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察したが、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0070】(実施例12)材料にAl23の微粉末を用いて、圧力1.5t、焼結温度1200℃、2時間で焼結して得た孔径2μmのアルミナの焼結体を用いた。基材をエタノールで超音波洗浄し、乾燥させた。実施例1と同じ装置の、ターゲットとしてのカソードに、TaとMoの焼結ターゲットを取り付けた。Moは全体量の5wt%である。基材を真空チャンバーにセットし、チャンバー内を2×10-5Torr以下まで排気した。
【0071】次に、アルゴンガスを3mTorr導入し、基材にバイアス電圧を印加せず、180Aのカソード電流を流し、Ta−Mo(5wt%)金属を1分間、成膜した。この処理で、基材に導通をとり、続いて基材に−1000Vのバイアス電圧を印加して、Ta−Mo(5wt%)金属の金属ボンバードを2分間、行った。この処理は、基材表面を洗浄し、基材温度を500℃付近まで上げるために行われた。
【0072】次に、バイアス電圧を−50V、カソード電流180A、アルゴンガス圧30mTorrで130分間、成膜して、膜厚が25μmのTa−Mo(5wt%)膜を形成した。この基材を真空装置から取り出し、電子ビーム方式のイオンプレーティング装置に取り付け、2×10-5Torrまで排気した。
【0073】次に、40mTorrまでアルゴンガスを導入し、バイアス電圧−800Vで10分間、Ta−Mo(5wt%)膜にアルゴンイオンを打ち付けた。この処理により、Ta−Mo(5wt%)膜表面の酸化膜除去と基材温度の上昇を行った。
【0074】次に、電子ビーム出力10kV、電流300mAを流し、10分間、成膜し、膜厚が1.0μmのパラジウム膜を形成することによって、水素透過膜が形成できた。
【0075】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察しても、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0076】(実施例13)実施例1と同様の基材を、エタノールで超音波洗浄し、乾燥させた。実施例1と同じ装置の、ターゲットとしてのカソードに、TaとMoの焼結ターゲットを取り付けた。Moは全体量の5wt%である。さらに、パラジウムターゲットを取り付けた。この基材を真空チャンバーにセットし、チャンバー内を2×10-5Torr以下まで排気した。
【0077】次に、アルゴンガスを3mTorr導入し、基材に−1000Vのバイアス電圧を印加し、180Aのカソード電流を流し、Ta−Mo(5wt%)金属ボンバードを2分間、行った。この処理は、基材表面を洗浄し、基材温度を500℃付近まで上げるために行われる。
【0078】次に、バイアス電圧を−50V、カソード電流180A、アルゴンガス圧30mTorrで130分間、成膜し、膜厚が25μmのTa−Mo(5wt%)膜を形成した。
【0079】次に、30mTorrまでアルゴンガスを導入し、バイアス電圧−50V,カソード電流90Aで20分間、成膜することによって、Ta−Mo(5wt%)膜の上に、2.0μmのパラジウム膜を成膜した。さらに、「Pd(NH34」Cl2・H2O,EDTA・2Na,NH3,H2NNH2・H2Oよりなるメッキ液に、温度50℃にて5時間、浸漬して、膜厚が2μmの酸化防止膜を得た。
【0080】表面と膜断面を走査電子顕微鏡で2000倍まで拡大して観察しても、割れ、クラック、ピンホールは観察されなかった。
【0081】(比較例1)従来のパラジウム合金膜は、温度500℃、膜にかかる圧力差2kg/cm2・Gの条件で、水素ガスの透過試験を行ったところ、水素透過量が30〜70cm3/cm2/minであった。
【0082】実施例1〜13の本発明の水素分離膜の水素透過量は、前記と同一条件で、300〜400cm3/cm2/minの値を得たように、いずれも十分な水素透過性を示した。
【0083】
【発明の効果】従来は、水素透過膜として、パラジウム及びパラジウム合金を化学メッキ法により長時間かけて製造していたが、本発明により、より水素透過性に優れた材料を、安価に良い密着性で基材に成形でき、廃液処理がいらず、無公害で製造できる水素透過膜の製造方法を提供できた。




 

 


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