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クロム・ニッケル・モリブデン鋼焼結体の製造方法 - 住友金属鉱山株式会社
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発明の名称 クロム・ニッケル・モリブデン鋼焼結体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−152207(P2001−152207A)
公開日 平成13年6月5日(2001.6.5)
出願番号 特願平11−328927
出願日 平成11年11月19日(1999.11.19)
代理人
発明者 大塚 昭仁
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 Cを0.1〜0.7重量%、Crを0.2〜5.0重量%、Niを0.2〜5.0重量%、Moを0.1〜2.0重量%、Mnを0.1〜2.0重量%、Siを0.1〜2.0重量%、酸素を0.05〜0.7重量%含み、残部が実質的にFeからなる原料粉末に、Cを含むFe粉末を添加し、さらにバインダーを添加してなる組成物を射出成形し、得られた成形体を脱バインダー処理し、該成形体を非酸化性雰囲気で焼結することを特徴とするクロム・ニッケル・モリブデン鋼焼結体の製造方法。
【請求項2】 非酸化性雰囲気が真空、水素あるいはアルゴン、アルゴンパーシャル雰囲気であることを特徴とする請求項1記載のクロム・ニッケル・モリブデン鋼焼結体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶製材と同程度の機械的特性を有するクロム・ニッケル・モリブデン鋼焼結体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】JISに規定されているクロム・ニッケル・モリブデン鋼は、機械構造用炭素鋼材の中でも熱処理特性が優れており、熱処理により機械的特性が向上することから、機械構造用部品として、幅広く使用されている材料である。
【0003】このような部品を製造するためには、一般に溶製材を機械加工する切削加工法や精密鋳造法が知られている。しかし、複雑な形状の製品を製造する場合には、切削加工法では鋳造品を加工した板や塊状品から切り出して、所定形状まで機械加工を行うため、加工コストが上昇する上、歩留まりが悪いという問題があった。
【0004】また、精密鋳造法では、鋭利な部分での寸法精度が得られず、鋳造時に発生する大小の気孔が内部に残留するなどの鋳造欠陥が生じるなどの問題があった。
【0005】したがって、このような欠点を補うために、該当する合金組成を有する合金粉末や配合した混合粉末を用い、粉末冶金法によって製造する試みがなされている。
【0006】しかし、通常の粉末冶金は、原料粉末を金型に装入し、プレスによって圧縮成形を行う方法であるから、複雑な形状品を得ることは困難であった。また、圧縮性の要求から100μm程度の比較的大きな平均粒径を有する原料粉末を用いるため、焼結密度が上昇せず、その結果、高強度に必要な高密度化が難しく、さらに最終製品形状に仕上げるためには、切削加工を行う必要もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記の現状に鑑みなされたものであって、射出成形法を用いて高強度であるとともに、複雑な形状を有する製品も容易に得ることができるクロム・ニッケル・モリブデン鋼焼結体の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明は、Cを0.1〜0.7重量%、Crを0.2〜5.0重量%、Niを0.2〜5.0重量%、Moを0.1〜2.0重量%、Mnを0.1〜2.0重量%、Siを0.1〜2.0重量%、酸素を0.05〜0.7重量%含み、残部が実質的にFeからなる原料粉末にCを含むFe粉末を添加し、バインダーを添加してなる組成物を射出成形し、得られた成形体を脱バインダー処理し、該成形体を非酸化性雰囲気で焼結するクロム・ニッケル・モリブデン鋼焼結体の製造方法であって、前記非酸化性雰囲気が真空、水素あるいはアルゴン、またはアルゴンパーシャル雰囲気であるクロム・ニッケル・モリブデン鋼焼結体の製造方法を特徴とする。
【0009】
【発明の実態の形態】(原料粉末)原料粉末におけるC、Cr、Ni、Mo、Mn、Siの含有量をこのような組成範囲にした理由は、JISの規格をほぼ満足するためである。使用する原料粉末には、0.05〜0.7重量%程度の酸素が含有されており、後工程の焼結の進行が妨げられるが、Cを含むFe粉末を添加することにより、粉末中の酸素とCとが反応してCOガスを生成し、粉末中の酸化物の還元が円滑に進行する。
【0010】また、粉末を混合して目的組成とするため、焼結の進行が進みやすくなり、焼結体の密度は向上する。したがってC添加量は、CO生成反応によって消費される分を見込み、組成範囲の量となる様、過剰に添加する。
【0011】Cを添加する方法としては、C粉末を添加して目的組成となるように調整する方法が考えれるが、C粉末は微粉末でありかつ凝集しやすいため、均一に分散することが難しく、密度の向上が困難となる。また、目的組成の合金粉末を使用する方法においては、焼結の進行が遅くなる結晶構造となっているため、同様に密度の向上が難しい。
【0012】また、出発材料の各種の金属粉末は、平均粒径で45μm以下が好ましい。平均粒径が45μmを超える金属粉末では、上記した特定量に配合してなる原料粉末とバインダーからなる組成物の流動性が低下したり、焼結体の密度が上昇しにくくなる。なお金属粉末の平均粒径は小さい程好ましいが、現状の技術水準では、平均粒径を1μm以下とすることができないため、この2〜3μm程度が平均粒径の下限となる。
【0013】(バインダー)バインダーとしては、射出成形粉末冶金用として公知のポリエチレン、ポリプロピレン、天然ワックスなどを使用することができる。また配合原料粉末に対するバインダーの配合量は、配合後の組成物において25〜60容量%の範囲が好ましい。
【0014】前記した原料粉末とバインダーからなる組成物を射出成形した後、得られた成形体からバインダーを除去する方法としては、使用するバインダーの種類によって、加熱脱脂、溶媒脱脂、その他の公知の方法が使用できるが、加熱脱脂装置は他の方法と比較して簡便であるために、量産時には窒素または水素雰囲気あるいは真空中で行う加熱脱脂が好ましい。
【0015】(焼結処理)次に脱バインダーした成形体を焼結する場合には、非酸化性雰囲気として真空、水素あるいはアルゴン、またはアルゴンパーシャル(アルゴン雰囲気で減圧)雰囲気などで焼結することが必要である。
【0016】
【実施例】(実施例1)原料粉末として、平均粒径10μmのFe粉末:26重量%と、Crを5.0重量%、Niを9.0重量%、Moを1.3重量%、Mnを4.0重量%、Siを1.3重量%、残部がFeからなる合金粉末:20重量%と、Cを0.9重量%含有するFe粉末:54重量%とを混合した。原料の配合組成を表1に示す。
【0017】これにワックス系バインダーを45容量%となるように加え150℃で混練後、ペレット状に造粒した。このペレットを射出成形機を用いて射出圧800kg/cm2の条件で金型に射出成形した。得られた成形体(JIS14B号に準じた引張試験片;厚み4.0mm、標点距離32mm、平行部幅8mm、平行部長さ40.5mm、肩部の半径30R、つかみ部幅12mm)を300℃まで加熱し60分間保持してワックス系バインダーの除去を行った。その後、1320℃で2時間真空中で焼結を行い、さらに焼結体の熱処理を行った。このようにして得られた熱処理品のC量、焼結密度および機械的特性である引張強度、伸びを調べた。この際、焼結密度は比重計で測定し、引張強度、伸びについては、JISZ2201による金属材料引張試験により、引張強度、伸びを求めた。この結果を表2に示す。
【0018】(実施例2)原料粉末として実施例1と同様のCrNiMoMnSiFe合金粉末:20重量%と、Cを0.60重量%含有しているFe粉末:80重量%を用いた以外は、実施例1と同様の手順で熱処理品を製造した。配合組成を表1に示す。また、実施例1と同様に評価した特性を表2に示す。
【0019】(実施例3)焼結雰囲気としてアルゴンパーシャルで行った以外は、実施例1と同様の手順で熱処理品を製造し、特性を実施例1と同様にして評価した。この試験結果を表1、2に示す。
【0020】(比較例1)原料粉末として、平均粒径10μmのFe粉末:79.5重量%と、実施例1と同様のCrNiMoMnSiFe合金粉末:20重量%と、C源として、平均粒径1μmのC粉末:0.5重量%を混合した。原料の配合組成を表1に示す。実施例1と同様の手順で熱処理品を製造して評価を行った。これらの結果を表2に示すが、密度が低く、引張強度、伸びが劣っていた。
【0021】(比較例2)原料粉末としてCを0.5重量%、Crを1.0重量%、Niを1.7重量%、Moを0.25重量%、Mnを0.70重量%、Siを0.23重量%、残部がFeからなる合金粉末を単独で用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。これらの結果を表2に示すが、密度が低く、引張強度、伸びが劣っていた。
【0022】

【0023】
【発明の効果】本発明による方法によれば、射出成形法を用い、高強度であるとともに、複雑な形状を有するクロム・ニッケル・モリブデン鋼焼結体が経済的に製造できる。




 

 


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