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発明の名称 管状多孔質体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−129370(P2001−129370A)
公開日 平成13年5月15日(2001.5.15)
出願番号 特願平11−314668
出願日 平成11年11月5日(1999.11.5)
代理人 【識別番号】100084087
【弁理士】
【氏名又は名称】鴨田 朝雄
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006 GA41 MA02 MA09 MA24 MC02X MC03 NA39 NA50 NA61 NA62 PB66 
発明者 大迫 敏行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 金属、セラミックスまたはそれらを混合した原料粉と、有機物との混合物を、射出成形法または押し出し成形法により管状に成形し、得られた成形体から有機物を除去した後、加熱焼結することを特徴とする管状多孔質体の製造方法。
【請求項2】 前記原料粉の平均粒径が、20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の管状多孔質体の製造方法。
【請求項3】 多孔質体の気孔率が20%以上、60%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の管状多孔質体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管状多孔質体を製造する方法に関し、特に、混合ガス中の水素などを分離、濃縮するための分離膜の基材に用いられる管状多孔質体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素含有気体から水素を分離する方法として、Pd合金膜や、その他の水素透過能をもつ合金膜を用いる方法が知られている。これらの合金膜は薄膜であるので、これを支持し、機械的な強度を確保するために、多孔質体の上に前記合金膜を形成する場合が多い。このような気体の分離用途に用いられる合金膜を支持する多孔質体は、管状で用いられる場合が多い。
【0003】多孔質体を管状に成形するには各種の方法があり、シート状の多孔質隔膜を円管状に加工して端面を溶接等で接合する方法も一般的であるが、この方法では、小径の管状多孔質体を得るのが困難であり、特に、塑性変形能のないセラミックスでは不可能である。
【0004】また、粉末を円筒形に圧粉成形して、管状多孔質体を作製する場合、管長が長くなると圧力損失が大きく、内部の圧粉体の密度が不均一になってしまう。肉厚が薄い形状では、特に成形が困難である。さらに、圧粉成形では金型構造上、微細な粉末を用いることができず、平均粒径が数10μm以上の粉末を用いるので、数10μm以上の粗大な細孔が生じてしまう。このような大きさの細孔があると、表面に薄膜を形成するときに、ピンホールを生じる恐れがあるので、必要以上に薄膜を厚くしなければならなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の方法では、管状多孔質体を製造するにあたって、上記のような従来技術の問題点を解決し、微細貫通孔が均一に分散した管状多孔質体であって、気体分離膜などの支持体として好適な基材を製造する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の管状多孔質体の製造方法では、金属、セラミックスまたはそれらを混合した原料粉と、有機物との混合物を、射出成形法または押し出し成形法により管状に成形し、得られた成形体から有機物を除去した後、加熱焼結する。前記原料粉の平均粒径が、20μm以下であることが望ましい。多孔質体の気孔率が20%以上、60%以下であるとよい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の管状多孔質体の製造方法では、金属、セラミックスまたはそれらを混合した原料粉と、有機物との混合物を、射出成形または押し出し成形することで、管状に成形する。
【0008】射出成形または押し出し成形では、圧粉成形と異なり、静水圧的に圧力が加わるので、粉末の分布が均一になるとともに、粉末に大きな圧力が加わらないので、粉末同士の接触を抑制し、大きな空隙率を確保することができ、且つ気体の圧力損失を小さくすることができる。また、混合した原料粉の流動性が高いので、0.2mm程度の薄肉管も問題なく成形でき、形状の自由度が高い。
【0009】また、微細な細孔を得るためには微細粉末を用いることが望ましいが、本発明の管状多孔質体の製造方法では、平均粒径が数μm程度以下の微細な粉末を使用できる。
【0010】得られた管状の成形体は、加熱によって、あるいは、放置することによって、有機物を除去したのち、粉末同士の拡散が生じる温度域まで加熱し、焼結することで、機械的強度を付与する。以下に詳述する。
【0011】有機物は、粉末に流動性を与えるために添加したもので、成形後はこれを除去する必要がある。このためには、有機物の分解温度以上に加熱する方法や、有機溶媒を用いる方法などが用いられる。成形体の変形を防ぐためには、粉末、有機物の特性にあった条件で、有機物の除去を行う必要がある。射出成形法には、通常の熱可塑性樹脂用横型射出成形機を用いることができる。また、押し出し成形法には、例えば熱可塑性樹脂用のチューブ押出成形機を用いることができる。
【0012】その後、粉末の拡散が生じる温度まで加熱し、粉末同士を焼結するが、高い温度で焼結すると、焼結の進行に伴い気孔率が減少する。それに従って、機械的強度は上昇するが、圧力損失も大きくなるので好ましくない。特に、気孔率が20%以下になると、圧力損失が急激に大きくなるので、気孔率は20%以上とすることが望ましい。尚、気孔率は、用いる粉末の粒径、形状、および成形条件によって大きく変わるが、60%を超えると得られる多孔質体の機械的強度が著しく低下するので、60%以下がよい。
【0013】一方、粉末同士の拡散結合が不十分であると、十分な機械的強度が得られない。ネックの生成が、粉末によっても異なるが、焼結収縮の起きない温度で焼結するのが望ましい。気孔率の調節は、焼結温度、焼結時間により行うが、粉末の種類によって焼結挙動は異なるので、表面に形成する合金膜が、ピンホールの生じない程度の密度となるように、粉末に応じて焼結条件を決める必要がある。
【0014】また、本発明の方法において、用いる粉末は平均粒径が20μm以下であることが好適である。これよりも大きな平均粒径の粉末を用いると、得られた多孔質体の気孔率が大きくなり、ピンホールのない健全な合金膜の形成が困難である。
【0015】(実施例)以下、実施例によりさらに詳しく本発明の管状多孔質体の製造方法を説明する。
【0016】(実施例1)平均粒径10μmのSUS316Lステンレス鋼水噴霧粉に、パラフィンワックス、ポリエチレン、ステアリン酸を60:38:2の重量比で混合したバインダを加え、加熱混練して粉末/樹脂混合体を得た。このとき、有機物の添加量は重量で8%、体積比で粉末:有機物=52:48であった。これを用いて、射出成形機(日本製鋼所製、型式J−25SSII)を用いて、外径11mm、内径10mm(肉厚0.5mm)、管長40mmの管状に成形した。得られた成形体に窒素気流中、350℃、4時間の加熱を行い、有機物を除去した後、10-3Torrの真空下で1000℃、1時間の焼結を行った。
【0017】得られた焼結体の寸法及び重量測定から気孔率を測定し、電子顕微鏡により気孔径を測定した。また、通気能を調べるため、室温で空気を流し、単位板厚あたりの圧力損失を測定した。
【0018】(比較例1〜4)比較のため、同じステンレス鋼粉を用いて圧粉成形(粉末機械工業製、型式FK−1)を試みたが、同じ0.5mmの肉厚で、管長9mm以上の形状には成形不可能であったので(比較例1)、同じ0.5mmの肉厚で、板状試料を作製した(比較例2〜4)。
【0019】比較例2〜4の板状試料は、成形圧力により、圧粉密度を変化させたが、成形圧力が低い比較例2では、十分な成形体強度が得られなかったので、板状試料を管状に形成する後行程を断念した。
【0020】得られた成形体については、実施例1と同じ条件で焼結を行い、実施例1と同様の測定を行った。
【0021】結果を表1に示す。
【0022】
【表1】

【0023】実施例1では、気孔率が40%と高く、気孔径も4μmと小さい。
【0024】それに対し、比較例1では、前述のような管状の成形体が得られなかった。
【0025】また、成形圧力の小さい比較例2では、十分な成形体強度が得られない。
【0026】成形圧力を500kgf/cm2 とした比較例3、成形圧力を1000kgf/cm2 とした比較例4では、健全な成形体、焼結体が得られたが、実施例1と比べて、気孔率が小さい。これは、成形時の圧力により、すでに粉末の密度が上がってしまうためである。従って、成形圧力が高いほど、焼結体の気孔率が低くなっている。
【0027】また、表面の気孔径は実施例1のほうが、同じか小さい。これは、多孔質体表面に金属・合金膜を形成するときに、ピンホールを生じにくいためで、好適である。一方、圧力損失を見てみると、実施例1では表面の気孔径が同じか小さいにも関わらず、圧力損失は比較例3、4に比べて著しく小さい。圧粉成形では、成形時に粒が扁平に変形し、連絡する気孔の経路に対して傷害となるためと考えられる。
【0028】以上のように、本発明の方法による管状多孔質体は、大きな気孔率、小さな表面気孔径を持ち、気流の圧力損失が著しく小さいという特徴を有し、気体分離膜の支持体として好適な基材であることが分かる。
【0029】(実施例2)焼結温度を1100℃とした以外は、実施例1と同様にして焼結体を得て、同様の測定を行った。
【0030】(比較例5)次に、焼結温度を1200℃とした以外は、実施例1と同様にして焼結体を得て、同様の測定を行った。
【0031】(比較例6)さらに、平均粒径が30μmの粉末を用いた以外は、実施例1と同様にして焼結体を得て、同様の測定を行った。
【0032】結果を表2に示す。
【0033】
【表2】

【0034】1100℃で焼結した実施例2では、実施例1と同様に低い圧力損失が得られた。
【0035】1200℃で焼結した比較例5では、気孔率が19%であるが、この場合、急激に圧力損失が大きくなってしまう。焼結の進行に伴い、気孔の形状、連続性が変化するためと考えられる。
【0036】また、平均粒径が30μmの粉末を用いた比較例6では、高い気孔率と小さい圧力損失が得られたが、表面の気孔径が大きく、ピンホールのない合金膜を形成するのは困難であった。
【0037】(実施例3)平均粒径が3μmのアルミナ粉に、実施例1と同様に、パラフィンワックス、ポリエチレン、ステアリン酸を60:38:2の重量比で混合したバインダを加え、加熱混練して粉末/樹脂混合体を得た。粉末とバインダの体積比は51:49であった。得られた混合物を用いて、外径11mm、内径10mm(肉厚0.5mm)、管長40mmの管状に射出成形(日本製鋼所製、型式J−25SSII)した。これを350℃、4時間の加熱脱脂後、大気中1300℃、1時間の焼結を行って、多孔質体としての特性を測定した。
【0038】(比較例7)焼結温度を1700℃とした以外は、実施例3と同様にして焼結体を得て、同様の測定を行った。
【0039】(比較例8)さらに、平均粒径が30μmのアルミナ粉を用いた以外は、実施例3と同様にして焼結体を得て、同様の測定を行った。
【0040】結果を表3に示す。
【0041】
【表3】

【0042】ステンレス鋼粉の場合と同様に、アルミナ粉を1300℃で焼結した実施例3では、小さな気孔径を持ちながら、低い圧力損失が得られた。
【0043】気孔率14%の比較例7では、圧力損失が大きかった。
【0044】また、平均粒径30μmのアルミナ粉を用いた比較例8では、高い気孔率と小さな圧力損失が得られたが、表面の気孔径が大きくなった。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法により、均一微細な貫通孔を多数有する管状多孔質体が得られ、気体分離膜などの支持体として好適な基材が得られる。




 

 


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