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発明の名称 連続イオン交換装置およびイオン交換樹脂の洗浄方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−121004(P2001−121004A)
公開日 平成13年5月8日(2001.5.8)
出願番号 特願平11−304541
出願日 平成11年10月26日(1999.10.26)
代理人 【識別番号】100084087
【弁理士】
【氏名又は名称】鴨田 朝雄
【テーマコード(参考)】
4D025
【Fターム(参考)】
4D025 AA09 AB23 AB26 AB33 BA07 BA17 BB02 BB03 BB07 BB17 BB18 CA05 DA10 
発明者 安藤 孝治 / 古味 廣志
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 下端面が通液性で、イオン交換樹脂を充填した開放型カラムの上方から、吸着液、溶離液、および/または洗浄液を散布することを特徴とする連続イオン交換装置。
【請求項2】 スプレーノズルに給液して散布するか、あるいは一定速度で回転する下向きのブラシに給液して散布することを特徴とする請求項1に記載の連続イオン交換装置。
【請求項3】 イオン交換樹脂層の上部あるいは層の間に、粒層、多孔板、あるいは濾布を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の連続イオン交換装置。
【請求項4】 イオン交換樹脂の下端側に、吸引手段を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の連続イオン交換装置。
【請求項5】 吸着液および/または溶離液を通液した後に、掛け水し、イオン交換樹脂を充填した開放型カラムの下端に設けた吸引手段により、前記掛け水を吸引することを特徴とする連続イオン交換装置におけるイオン交換樹脂の洗浄方法。
【請求項6】 吸着液および/または溶離液を通液した後に、イオン交換樹脂を充填した開放型カラムの下端に設けた吸引手段により吸引することを特徴とする連続イオン交換装置におけるイオン交換樹脂の洗浄方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属イオンを含む水溶液から、金属イオンを回収する連続イオン交換装置、および洗浄効率を改善したイオン交換樹脂の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属の精製工程や、排水処理工程などで、金属イオンを含む水溶液から、目的とする金属イオンを分離しようとする場合に、イオン交換樹脂を使用することがしばしば行われる。イオン交換樹脂を利用する方法は、溶媒抽出などの他の方法に比較して、選択性に優れ、自動化が容易であり、揮発性の有機剤を使用しないことにより火災発生の恐れがないなど、多くの利点がある。
【0003】従来のイオン交換カラムの断面図を、図3に示した。従来のイオン交換カラム10は、細長い円筒形の容器に、イオン交換樹脂2を充填した密閉型である。ポンプ5および配管6により、一方から液を注入し、イオン交換樹脂2の間は液で満たされるようにして、他方から液を排出する。実操業では、イオン交換カラムに金属イオンを含む吸着液を通液する吸着工程、イオン交換樹脂から金属イオンを溶離させる溶離液を通液する溶離工程を繰り返し行う。
【0004】しかし一方で、イオン交換樹脂を利用する方法では、次工程へ液がコンタミしないように、吸着工程、溶離工程の間に、イオン交換樹脂を水などで洗浄する工程が必要となる。しかし一般に、吸着工程後に通液した洗浄液に含まれる吸着液の濃度は、吸着工程で通液した吸着液に比べて薄く、溶離工程後に通液した洗浄液に含まれる溶離液の濃度は、溶離工程で通液した溶離液に比べて薄く、それぞれ発生量も多い。このため、通液した洗浄液をそれぞれの前工程にそのまま取り込むことには限界がある場合が多い。従って、排水工程などで洗浄液を処理することが必要となり、手間とコストを要する問題となっていた。
【0005】この問題を解決するために、連続イオン交換装置が使用される。連続イオン交換装置では、多数の前記イオン交換カラムを使用して、配管を順次切り替え、溶離液、洗浄液を繰り返して使用することで、溶離工程で得られる溶離液の金属濃度の上昇、洗浄液量の削減などの効果が得られる。
【0006】しかし、従来の連続イオン交換装置では、例えば特公昭60−32482号公報に示されているように、吸着液、溶離液、洗浄液の流れを制御するために、多数の切替え弁を必要とする(図示せず)。これらの切替え弁は、自動制御しないと実用できないために、高価な電磁弁を使用することとなり、設備全体のコストを大幅に引き上げる原因となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、連続イオン交換装置において、コストの増加を抑え、洗浄効果を高めて、洗浄液量の削減を行おうとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の連続イオン交換装置では、下端面が通液性で、イオン交換樹脂を充填した開放型カラムの上方から、吸着液、溶離液、および/または洗浄液を散布する。
【0009】スプレーノズルに給液して散布するか、あるいは一定速度で回転する下向きのブラシに給液して散布することが望ましい。
【0010】イオン交換樹脂層の上部あるいは層の間に、粒層、多孔板、あるいは濾布を設けることが望ましい。
【0011】イオン交換樹脂の下端側に、吸引手段を設けることが望ましい。
【0012】本発明の連続イオン交換装置におけるイオン交換樹脂の洗浄方法では、吸着液および/または溶離液を通液した後に、掛け水し、イオン交換樹脂を充填した開放型カラムの下端に設けた吸引手段により、前記掛け水を吸引する。
【0013】あるいは、吸着液および/または溶離液を通液した後に、イオン交換樹脂を充填した開放型カラムの下端に設けた吸引手段により吸引する。
【0014】
【発明の実施の形態】連続イオン交換装置において、イオン交換樹脂の洗浄効率を高めるとは、すなわち、イオン交換樹脂に付着する前工程の残液を、少なくし、効果的に除去することである。このために、洗浄液の流量を減少させて、洗浄することが行われる。しかし、あまりにも低流速な洗浄液の通液は、イオン交換樹脂を充填したイオン交換カラム内での偏流を招き、イオン交換樹脂層内で片寄って流れ、洗浄が不完全になる恐れが大きいので、一定以上の流量で通液せざるを得なかった。
【0015】このため、吸着工程の後に、少量の洗浄液をイオン交換樹脂層内にまんべんなく分布させ、前工程で残留した吸着液を効果的に除去することができれば、溶離工程で高濃度な通液後の溶離液を得ることができ、かつ洗浄液量を削減できたことになる。
【0016】これに対して、本発明者らは、イオン交換樹脂が浸漬されない構造の開放型カラムを使用し、かつ洗浄液を断続的かつ細かく散布することにより、イオン交換樹脂層内での偏流を生ずることなく、イオン交換樹脂の洗浄効率を高めるという目的を達することができることを見いだした。
【0017】従って、本発明の連続イオン交換装置では、図1に一実施例を示すように、下端面が濾布3からなり、イオン交換樹脂2を充填した開放型のイオン交換カラム1の上方から、スプレーノズル12に給液して散布する。前記イオン交換カラム1のイオン交換樹脂層2の層の間に、粒層9を設ける。イオン交換カラム1は回転棒7により回転する。
【0018】散布は、吸着液、洗浄液、溶離液、洗浄液の順に行われ、イオン交換カラム1の回転により、ポンプ5および配管6から給液されたスプレーノズル12から、イオン交換樹脂2の上面に均等に散布される。イオン交換カラム1の下端に、受け皿を配置し、該受け皿の排出口に真空ポンプ15を接続し、吸引手段とする。
【0019】散布手段は、図2に示すように、一定速度で回転する下向きのブラシ4bに、散布皿4の底面に設けた孔4aから給液して散布してもよい。
【0020】イオン交換樹脂層の間に設けた前記粒層9は、多孔板や濾布でもよい(図示せず)し、イオン交換樹脂層の上面に設けてもよい。
【0021】また、図3に示したような、イオン交換樹脂2が浸漬される通常のイオン交換装置では、イオン交換樹脂2の間で、イオン交換樹脂2の表面から離れた場所にも液が存在するが、図1に示したような、開放型カラム1を使用した本発明の連続イオン交換装置では、イオン交換樹脂2の表面にのみ液が存在する。金属イオンの吸脱着反応や、イオン交換樹脂の洗浄は、イオン交換樹脂表面でしか起きないので、その分の液量が削減できる。このことから、イオン交換樹脂表面に付着した液を、機械的に限界まで除去できれば、さらに洗浄効果が向上するものと考えられる。
【0022】このためには、イオン交換樹脂を、例えば遠心分離装置などを使用して機械的に脱水することも考えられる。しかし、むやみに脱水しても、イオン交換樹脂表面の液が濃縮された場合には、イオン交換樹脂表面に膜を形成して固着され、脱水できずに逆効果となることが予想される。
【0023】これに対して、本発明者らは、予め少量の水で洗浄した後、イオン交換樹脂の下端から洗浄液を吸引することで、洗浄効率を高めることができることを見い出した。すなわち、イオン交換樹脂表面での液濃縮を防止すると同時に、吸引することでイオン交換樹脂表面に付着した液を、すばやく除去しようとするものである。
【0024】従って、本発明の連続イオン交換装置におけるイオン交換樹脂の洗浄方法では、吸着液を通液後、および溶離液を通液後に、掛け水した後に、イオン交換樹脂を充填した開放型カラムの下端に設けた吸引手段により、前記掛け水を吸引する。
【0025】図1に示した一実施例では、受け皿8の排出口に真空ポンプ15を接続し、該真空ポンプ15を運転することにより、イオン交換樹脂2に付着した掛け水を吸引する。また、吸着液や溶離液を吸引することでも、液量の削減に効果がある。
【0026】(実施例1)図2を参照して実施例1を説明する。
【0027】イオン交換カラム1として、直径75mm、高さ50mmのPVC製の上方が開口した円筒容器を使用した。この容器の底には濾布3を貼り付け、その上にイオン交換樹脂2としてキレート樹脂C−467(住友化学製)100mlを敷き詰めた。イオン交換樹脂層2の厚さは約20mmになった。
【0028】イオン交換カラム1の上方に液散布装置を取り付けた。液散布装置は、内径60mm、高さ10mmのPVC製の皿4とし、散布皿4の下部には孔4aを設けて、液が滴下されるようにした。なお、本実施例では、散布皿4に、直接孔4aを設けたが、例えば図示したように、ブラシ4bを取り付け、ブラシ4bに沿わせて、液が細かく、均一に散布されるように、先端から滴らせるとよい。
【0029】散布皿4は、回転棒7を通して攪拌機に接続し、毎分10回転の速度でゆっくり回転させた。そして、定量ポンプ5で散布皿4の中に吸着液を供給した。この吸着液は、Cu54g/L、硫酸190g/L、Sb0.5g/L、Bi0.4g/Lの組成とし、液温は60℃とした。この吸着液を50ml/minの流量で8時間滴下した。
【0030】散布終了後、10分間そのまま静置した。その後、40℃の温水を30ml/minで600mlまで(すなわち20分間)通液し、洗浄した。なお、真空ポンプは使用しなかった。イオン交換カラム1を通過した洗浄液は、100mlおきに採取し、Cu濃度を分析した。分析結果を表1に示す。
【0031】その後、イオン交換樹脂2を1リットルの純水に浸漬し、レパルプしてCu濃度を分析し、Cuの残留量を算出した。表1に結果を示す。
【0032】(実施例2)なお、新たに前述と同様の吸着工程を行い、吸着終了直後のイオン交換樹脂2を洗浄せずに、イオン交換カラム1から取り出して、純水中でレパルプし、液のCu濃度を分析し、吸着終了時点でのイオン交換樹脂に残留したCu量を算出したところ、全通液量のCu量の3.30%であった。
【0033】(比較例1)図3を参照して比較例を説明する。
【0034】イオン交換カラム10として、内径25mm、高さ230mmのPVC製パイプを使用した。パイプの上下は液が通る配管6以外は、密栓した。イオン交換カラム10内にキレート樹脂C−467を100ml充填した。
【0035】定量ポンプ5でイオン交換カラム10上部から吸着液を通液した。吸着液は実施例1と同じである。液温は60℃とした。吸着液を50ml/minの流量で8時間通液した。
【0036】その後、10分間静置した後で、40℃の温水を8ml/minで600mlまで(すなわち75分間)通液し、洗浄した。単位時間での樹脂量当たりの吸着液の通液量(SV)は、実施例1と同じく5となる。イオン交換カラム10を通過した洗浄液は、100mlおきに採取し、Cu濃度を分析した。分析結果を表1に示す。
【0037】その後、イオン交換樹脂2を1リットルの純水に浸漬し、レパルプしてCu濃度を分析し、Cuの残留量を算出した。表1に結果を示す。
【0038】
【表1】

【0039】本発明による実施例1の方が、Cu濃度の低下が速く、かつほとんど残留量が比較例1と変わらないことから、洗浄効果の高いことが分かる。
【0040】一例として、洗浄終液のCu濃度を0.1g/lに維持することが必要な場合、表1から、比較例1では約5のBVが必要であるが、実施例1では約3のBVでよく、その分、液量が削減できることになる。
【0041】また、実施例1では洗浄に20分間しか要しておらず、比較例1の75分間に比較してはるかに高速な洗浄処理が可能であることも示されている。
【0042】(実施例3)図1に示したイオン交換カラム1の断面のように、イオン交換樹脂2の量は200mlとし、樹脂層の厚さ40mmの中間部分に直径3mmのポリプロピレン球を約10mmの厚さに敷き詰めた以外は、実施例1と同様にして吸着液の通液を行った。
【0043】実施例1に対して、イオン交換樹脂2の量が増加しているにもかかわらず、吸着終了時点でのイオン交換樹脂に残留したCu量を算出したところ、全通液量の3.35%と実施例1の場合とほとんど変化がなかった。これにより、イオン交換樹脂2の層を厚くしても、層間に仕切りを入れることで、実施例1と同様な液切り効果が得られ、設備効率の向上につながることが確認された。
【0044】(実施例4〜7)図2を参照して実施例4〜7を説明する。
【0045】イオン交換樹脂2を200ml敷き詰めた以外は、実施例1と同じにした。イオン交換樹脂層2の厚さは45mmになる。吸着液は、Cu54g/L、硫酸190g/L、Sb0.5g/Lの組成の液を60℃に維持して、30ml/minの流量で4時間散布した。
【0046】10分間静置した後、表2に示すように、イオン交換樹脂2の量の1.0倍(実施例4)、0.5倍(実施例5)、0.2倍(実施例6)、0.0倍(実施例7)の量の40℃の掛け水を、8ml/minの流量で散布、洗浄した。その後、真空ポンプ15にて1分間吸引した。吸引した後のイオン交換樹脂2を1リットルの純水中にて洗浄し、液を採取してCu濃度を分析し、イオン交換樹脂2の残留Cu量に換算した。測定結果を表2に示す。
【0047】(比較例2)比較例2として掛け水すなわち洗浄をせず、かつ、液の吸引を行わない以外は、実施例4〜7と同様に通液して、残留Cu量を測定した。測定結果を表2に示す。
【0048】(比較例3)比較例3として、従来から行われているように、排液管の途中を、イオン交換樹脂2の上面よりも高くすることにより、イオン交換樹脂2が液で浸漬されるようにして(図示せず)、洗浄をイオン交換樹脂の量の3.0倍の掛け水で洗浄した以外は、実施例4と同様に通液して、かつ液を採取して、残留Cu量を測定した。測定結果を表2に示す。
【0049】
【表2】

【0050】イオン交換樹脂の量の1.0倍の掛け水を行い、吸引した実施例4では、掛け水と吸引の両方を行わなかった場合の比較例2に対して、残留Cu量を6/100にまで減少できることが確認された。
【0051】また、比較例3のように、イオン交換樹脂の量の3倍の水で洗浄しても、残留Cu量が4.8g/lであり、イオン交換樹脂の量の0.5倍の掛け水を使用した実施例5の残留Cu量よりもやや高い。
【0052】従って、実施例5と比較例3を比べて、本発明の洗浄方法により、1/6倍以下の水を使用することで、イオン交換樹脂を洗浄液に浸漬する場合に対して、同等の洗浄効果を得られることが分かる。
【0053】
【発明の効果】本発明により、イオン交換樹脂の洗浄において、効果的に洗浄が行え、洗浄液量の削減が低コストかつ容易に行えるようになった。なお、本発明の洗浄方法を、洗浄工程以外にも吸脱着工程において使用することにより、液濃度の向上による液量削減のために利用できることは容易に想像できる。




 

 


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