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異方性磁石の製造方法と製造用金型 - 住友金属鉱山株式会社
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発明の名称 異方性磁石の製造方法と製造用金型
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−62873(P2001−62873A)
公開日 平成13年3月13日(2001.3.13)
出願番号 特願平11−237223
出願日 平成11年8月24日(1999.8.24)
代理人 【識別番号】100095223
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 章三
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202 AA29 AB16 AH33 CA11 CB01 CK42 
4F206 AA29 AB16 AH33 JA07 JQ81
発明者 川本 淳
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】キャビティ内に収容された磁性材料に対しキャビティ外部から磁場を印加して磁場配向する異方性磁石の製造方法において、上記キャビティの極部分にN極側およびS極側の各矩形状面が対向しかつ各矩形状面の縁部からキャビティとは反対側方向に伸びる4面を有する2個以上のN極用およびS極用の永久磁石を隙間部を介し交互に並べて配置し、かつ、上記極部分にN極側が対向したN極用永久磁石の上記隙間部に面した2面にそのN極側が接すると共に上記極部分にS極側が対向したS極用永久磁石の上記隙間部に面した2面にそのS極側が接するように補助用永久磁石を介在させ、N極用永久磁石およびS極用永久磁石の各矩形状面以外からの漏洩磁場を各隙間部に配置した補助用永久磁石の反発磁場により抑制して上記キャビティ内の磁場を増大させたことを特徴とする異方性磁石の製造方法。
【請求項2】上記N極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのN極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けると共に、上記S極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのS極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けたことを特徴とする請求項1記載の異方性磁石の製造方法。
【請求項3】上記キャビティが円筒形の空間若しくは径寸法を異にする2つの断面円弧形状の壁面で形成される空間を有しており、このキャビティにおける内周側の極部分にN極側およびS極側の各矩形状面が対向するようにN極用およびS極用の永久磁石を隙間部を介し交互に並べて配置したことを特徴とする請求項1若しくは2記載の異方性磁石の製造方法。
【請求項4】キャビティ内に収容された磁性材料に対しキャビティ外部から磁場を印加して磁場配向する異方性磁石の製造用金型において、上記キャビティの極部分にN極側およびS極側の各矩形状面が対向しかつ各矩形状面の縁部からキャビティとは反対側方向に伸びる4面を有する2個以上のN極用およびS極用の永久磁石を隙間部を介し交互に並べて配置し、かつ、上記極部分にN極側が対向したN極用永久磁石の隙間部に面した2面にそのN極側が接すると共に上記極部分にS極側が対向したS極用永久磁石の隙間部に面した2面にそのS極側が接するように補助用永久磁石を上記隙間部に介在させたことを特徴とする異方性磁石の製造用金型。
【請求項5】上記N極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのN極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けると共に、上記S極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのS極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けたことを特徴とする請求項4記載の異方性磁石の製造用金型。
【請求項6】上記キャビティが円筒形の空間若しくは径寸法を異にする2つの断面円弧形状の壁面で形成される空間を有しており、このキャビティにおける内周側の極部分にN極側およびS極側の各矩形状面が対向するようにN極用およびS極用の永久磁石を隙間部を介し交互に並べて配置したことを特徴とする請求項4若しくは5記載の異方性磁石の製造用金型。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は異方性磁石の製造方法と製造用金型に係り、特に、金型キャビティ内の磁場を増大させて磁気特性が向上した異方性磁石の製造方法と製造用金型の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8(C)に示す円筒外周面多極、図8(D)に示す円筒内周面多極および図9に示す角形多極等の多極着磁用磁石としては、従来、等方性のものと異方性のものがあり、上記異方性磁石としてラジアル異方性磁石(図8B参照)と極異方性磁石(図8CとD参照)が知られている。そして、ラジアル異方性や極異方性等の異方性磁石は等方性の磁石に較べて原理的に大きな表面磁界が得られるが、特開昭56−69805号公報や特開昭60−47409号公報等に記載された従来の製造方法では磁場配向時における金型キャビティ内の磁場が十分得られないため、実際のところ満足する磁気特性は得られていない。特に、異方化に大きな磁界が必要となる希土類異方性磁石ではこの傾向が顕著であった。
【0003】例えば、上記特開昭56−69805号公報に記載された異方性磁石の製造方法では、図10(A)に示すように磁性材料が収容されたキャビティ1の内周側極部分にN極側およびS極側が対向するようにN極用永久磁石2およびS極用永久磁石3を交互に並べて配置し、キャビティ1外部から磁場を印加して上記磁性材料に対し磁場配向を行っており、また、特開昭60−47409号公報に記載された異方性磁石の製造方法では、図10(B)に示すように磁性材料が収容されたキャビティ1の内周側極部分にヨーク4を設け、かつ、各ヨーク4の後方側に起磁力発生用の永久磁石5を配置すると共に、相隣るヨーク4間に上記永久磁石5との間に反発磁気回路を形成させる永久磁石6を設け、キャビティ1外部から磁場を印加して上記磁性材料に対し磁場配向を行っている。
【0004】しかし、いずれの製造方法も、上述したように磁場配向時における金型キャビティ内の磁場が十分得られないため、得られた製品の磁気特性は満足できるものではなかった。
【0005】尚、図10(B)においてヨーク4の両側に配置された永久磁石6に加えて上記ヨーク4の上下両面にも上記永久磁石5との間に反発磁気回路を形成させる永久磁石(図示せず)を設けることで上記特開昭60−47409号公報に記載の製造方法を改良した方法も提案(特公平5−62807号公報参照)されているが、未だ十分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、金型キャビティ内の磁場を増大させて磁気特性が向上した異方性磁石の製造方法と製造用金型を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係る発明は、キャビティ内に収容された磁性材料に対しキャビティ外部から磁場を印加して磁場配向する異方性磁石の製造方法を前提とし、上記キャビティの極部分にN極側およびS極側の各矩形状面が対向しかつ各矩形状面の縁部からキャビティとは反対側方向に伸びる4面を有する2個以上のN極用およびS極用の永久磁石を隙間部を介し交互に並べて配置し、かつ、上記極部分にN極側が対向したN極用永久磁石の上記隙間部に面した2面にそのN極側が接すると共に上記極部分にS極側が対向したS極用永久磁石の上記隙間部に面した2面にそのS極側が接するように補助用永久磁石を介在させ、N極用永久磁石およびS極用永久磁石の各矩形状面以外からの漏洩磁場を各隙間部に配置した補助用永久磁石の反発磁場により抑制して上記キャビティ内の磁場を増大させたことを特徴とするものである。
【0008】そして、この請求項1記載の発明に係る異方性磁石の製造方法によれば、キャビティ内の磁場形成手段としてN極用永久磁石およびS極用永久磁石を適用し、かつ、N極用永久磁石およびS極用永久磁石の各矩形状面以外からの漏洩磁場を各隙間部に配置した補助用永久磁石の反発磁場により抑制しているため、漏洩磁場の低減を図らない特開昭56−69805号公報記載の方法およびヨークを用いた特開昭60−47409号公報や特公平5−62807号公報記載の方法に較べて上記キャビティ内の磁場を増大させることが可能となる。
【0009】次に、請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明に係る異方性磁石の製造方法を前提とし、上記N極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのN極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けると共に、上記S極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのS極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けたことを特徴とするものである。
【0010】そして、請求項2記載の発明に係る異方性磁石の製造方法によれば、N極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのN極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けると共に上記S極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのS極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けていることから、請求項1記載の発明に係る異方性磁石の製造方法に較べて補助用永久磁石による反発磁界が強まり、N極用永久磁石およびS極用永久磁石の各矩形状面以外からの漏洩磁場がより抑制されるため上記キャビティ内の磁場を更に増大させることが可能となる。
【0011】尚、リング状磁石である図8(C)の円筒外周面多極磁石と図8(D)の円筒内周面多極磁石を比較した場合、図8(D)に示す円筒内周面多極磁石の製造は困難性を有する。これは、円筒内周面多極磁石における磁場配向の際、磁性材料が収容されたキャビティの内側に磁場形成手段を配置して上記磁場配向を行うことを要するからである。すなわち、キャビティの外側に較べその内側はスペースが小さいことから、キャビティの内側に容積の大きい磁場形成手段を配置することができず、その分、上記円筒外周面多極磁石の場合に較べて磁場配向のための磁場を強くすることが難しいからである。但し、本発明の製造方法においては、従来法に較べ容積の小さい磁場形成手段を用いた場合でもキャビティ内に十分な磁場を形成できるため図8(D)に示す円筒内周面多極磁石の製造法に適している。請求項3に係る発明はこのような理由からなされている。
【0012】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項1若しくは2記載の発明に係る異方性磁石の製造方法を前提とし、上記キャビティが円筒形の空間若しくは径寸法を異にする2つの断面円弧形状の壁面で形成される空間を有しており、このキャビティにおける内周側の極部分にN極側およびS極側の各矩形状面が対向するようにN極用およびS極用の永久磁石を隙間部を介し交互に並べて配置したことを特徴とするものである。
【0013】次に、請求項4〜6に係る発明は、それぞれ請求項1〜3に係る発明に対応した異方性磁石製造用金型の構成を特定した発明に関する。
【0014】すなわち、請求項4に係る発明は、キャビティ内に収容された磁性材料に対しキャビティ外部から磁場を印加して磁場配向する異方性磁石の製造用金型を前提とし、上記キャビティの極部分にN極側およびS極側の各矩形状面が対向しかつ各矩形状面の縁部からキャビティとは反対側方向に伸びる4面を有する2個以上のN極用およびS極用の永久磁石を隙間部を介し交互に並べて配置し、かつ、上記極部分にN極側が対向したN極用永久磁石の隙間部に面した2面にそのN極側が接すると共に上記極部分にS極側が対向したS極用永久磁石の隙間部に面した2面にそのS極側が接するように補助用永久磁石を上記隙間部に介在させたことを特徴とし、請求項5に係る発明は、請求項4記載の発明に係る異方性磁石の製造用金型を前提とし、上記N極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのN極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けると共に、上記S極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのS極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けたことを特徴とし、また、請求項6に係る発明は、請求項4若しくは5記載の発明に係る異方性磁石の製造用金型を前提とし、上記キャビティが円筒形の空間若しくは径寸法を異にする2つの断面円弧形状の壁面で形成される空間を有しており、このキャビティにおける内周側の極部分にN極側およびS極側の各矩形状面が対向するようにN極用およびS極用の永久磁石を隙間部を介し交互に並べて配置したことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】まず、図1(A)は図9に示した角形多極に係る異方性磁石の製造用金型の概略説明図、図1(B)はこの金型の一部を構成する磁場形成手段としての磁石群の概略斜視図を示している。
【0017】すなわち、この製造用金型10は、アルミニウム、非磁性ステンレス等の非磁性材料で形成されかつ異方性SmCo系等の磁性粉単体若しくは磁性粉とバインダー等から成る磁性材料(図示せず)が収容された直線状のキャビティ11と、このキャビティ11の極部分にN極側およびS極側の各矩形状面が対向しかつ隙間部を介し交互に並べて配置された直方体形状を有する複数のN極用永久磁石12並びにS極用永久磁石13と、各隙間部に配置されかつN極用永久磁石12の上記隙間部に面した2面にそのN極側が接すると共に上記S極用永久磁石13の隙間部に面した2面にそのS極側が接する補助用永久磁石14とでその主要部が構成され、かつ、この金型10の周囲には上記非磁性材料から成る装置部材(図示せず)が配置されている。
【0018】そして、この製造用金型10においては、キャビティ11近傍に配置されたN極用永久磁石12およびS極用永久磁石13におけるN極側およびS極側の各矩形状面以外からの漏洩磁場が各隙間部に配置された補助用永久磁石14の反発磁場により抑制されるため、漏洩磁場の低減を図らない特開昭56−69805号公報記載の方法およびヨークを用いた特開昭60−47409号公報や特公平5−62807号公報記載の方法に較べて上記キャビティ11内の磁場を増大させる(すなわち、各N極用永久磁石12のN極側矩形状面側からキャビティ11方向へ向かう磁界およびキャビティ11側から各S極用永久磁石13のS極側矩形状面方向へ向かう磁界を強める)ことが可能となる。
【0019】従って、上記キャビティ11内に収容された磁性材料の磁場配向時における磁場が十分得られるため、上述した従来法に較べて表面磁界(磁気特性)が向上した異方性磁石を製造することができる。
【0020】また、図2に示すように上記N極用永久磁石12におけるN極側矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのN極側が接する一対の第二補助用永久磁石15、16を設けると共に、上記S極用永久磁石13におけるS極側矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのS極側が接する一対の第二補助用永久磁石17、18を設けてもよい。
【0021】そして、このような構造にすることにより上記補助用永久磁石14と第二補助用永久磁石15、16、17、18による反発磁界が強まるため、図1(B)に示した金型に較べてN極用永久磁石12およびS極用永久磁石13におけるN極側およびS極側の各矩形状面以外からの漏洩磁場が更に抑制される。
【0022】従って、上記キャビティ11内の磁場を更に増大させる(すなわち、各N極用永久磁石12のN極側矩形状面側からキャビティ11方向へ向かう磁界およびキャビティ11側から各S極用永久磁石13のS極側矩形状面方向へ向かう磁界を更に強める)ことが可能になるため、表面磁界(磁気特性)がより向上した異方性磁石を製造することができる。
【0023】次に、図3は、図8(C)に示した円筒外周面多極に係る異方性磁石の製造用金型の概略説明図である。
【0024】すなわち、この製造用金型20は、上記非磁性材料で形成されかつ異方性SmCo系等の磁性粉単体若しくは磁性粉とバインダー等から成る磁性材料(図示せず)が収容された円筒形状のキャビティ21と、このキャビティ21の外極部分(すなわち、キャビティ21外周側の極部分)にN極側およびS極側の各矩形状面が対向しかつ隙間部を介し交互に並べて配置された略直方体形状を有する複数のN極用永久磁石22並びにS極用永久磁石23と、各隙間部に配置されかつN極用永久磁石22の上記隙間部に面した2面にそのN極側が接すると共に上記S極用永久磁石23の隙間部に面した2面にそのS極側が接する補助用永久磁石24とでその主要部が構成され、かつ、この金型20の周囲には非磁性材料から成る図示外の装置部材が配置されている。
【0025】そして、この製造用金型20においても、キャビティ21近傍に配置されたN極用永久磁石22およびS極用永久磁石23におけるN極側およびS極側の各矩形状面以外からの漏洩磁場が各隙間部に配置された補助用永久磁石24の反発磁場により抑制されるため、上記キャビティ21内の磁場を増大させる(すなわち、各N極用永久磁石22のN極側矩形状面側からキャビティ21方向へ向かう磁界およびキャビティ21側から各S極用永久磁石23のS極側矩形状面方向へ向かう磁界を強める)ことが可能となる。
【0026】従って、上記キャビティ21内に収容された磁性材料の磁場配向時における磁場が十分得られるため、上述した従来法に較べて表面磁界(磁気特性)が向上した円筒外周面多極に係る異方性磁石を製造することができる。
【0027】尚、図3の金型20においては上記キャビティ21内周側に非磁性材料で構成された装置部材(図示せず)が配置されているが、非磁性の装置部材に代えて鉄、コバルト、ニッケル等強磁性体から成る部材を配置することにより円筒外周面多極に係るラジアル異方性磁石(図8B参照)を製造することが可能となる。また、図3においては円筒形状を有するキャビティ21が適用されているが、このキャビティ21に代え、径寸法を異にする2つの断面円弧形状の非磁性壁面で形成されたキャビティを用いてもよい。この場合、略扇形状の異方性磁石を製造することができる。
【0028】次に、図4(A)は、図8(D)に示した円筒内周面多極に係る異方性磁石の製造装置の概略説明図、図4(B)は、図4(A)のB−B面断面図である。
【0029】すなわち、この製造装置は、上記非磁性材料で形成されかつ異方性SmCo系等の磁性粉単体若しくは磁性粉とバインダー等から成る磁性材料(図示せず)が収容された円筒形状のキャビティ31と、このキャビティ31の内極部分(すなわち、キャビティ31内周側の極部分)にN極側およびS極側の各矩形状面が対向しかつ隙間部を介し交互に並べて配置された略直方体形状を有する複数のN極用永久磁石32並びにS極用永久磁石33と、各隙間部に配置されかつN極用永久磁石32の上記隙間部に面した2面にそのN極側が接すると共に上記S極用永久磁石33の隙間部に面した2面にそのS極側が接する補助用永久磁石34とでその主要部が構成され、かつ、キャビティ31と磁石群とで構成される金型の周囲には非磁性材料から成る装置部材300が配置されている。
【0030】そして、この製造装置においても、キャビティ31近傍に配置されたN極用永久磁石32およびS極用永久磁石33におけるN極側およびS極側の各矩形状面以外からの漏洩磁場が各隙間部に配置された補助用永久磁石34の反発磁場により抑制されるため、上記キャビティ31内の磁場を増大させる(すなわち、各N極用永久磁石32のN極側矩形状面側からキャビティ31方向へ向かう磁界およびキャビティ31側から各S極用永久磁石33のS極側矩形状面方向へ向かう磁界を強める)ことが可能となる。
【0031】従って、上記キャビティ31内に収容された磁性材料の磁場配向時における磁場が十分得られるため、上述した従来法に較べて表面磁界(磁気特性)が向上した円筒内周面多極に係る異方性磁石を製造することができる。
【0032】尚、図4(B)の金型においては上記キャビティ31内周側に非磁性材料で構成された装置部材300が配置されているが、非磁性の装置部材300に代えて鉄、コバルト、ニッケル等強磁性体から成る部材を配置することにより円筒内周面多極に係るラジアル異方性磁石(図8B参照)を製造することが可能となる。また、図4(B)においては円筒形状を有するキャビティ31が適用されているが、このキャビティ31に代え、径寸法を異にする2つの断面円弧形状の非磁性壁面で形成されたキャビティを用いてもよい。この場合、略扇形状の異方性磁石を製造することができる。また、図4(B)においてはキャビティ31の内周面とN極用永久磁石32、S極用永久磁石33および補助用永久磁石34の各先端とが接触した状態で配置されているが、図1(A)および図3に示すように上記内周面と各磁石先端との間に隙間を設けても当然のことながらよく、また、キャビティ31内周面と各磁石先端との間に、WC系あるいはTiC系等非磁性超硬材料から成る磁石保護用の部材を介在させてもよい。
【0033】次に、図4(B)の金型においては略直方体形状のN極用永久磁石32並びにS極用永久磁石33が適用されているが、図5および図6に示すように略三角柱状のN極用永久磁石42並びにS極用永久磁石43を適用しかつその隙間部に補助用永久磁石44を配置する構成に変更してもよい。また、漏洩磁場のより低減を図るため、図7に示すように上記N極用永久磁石42におけるN極側矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのN極側が接する一対の第二補助用永久磁石45、46を設けると共に、上記S極用永久磁石43におけるS極側矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのS極側が接する一対の第二補助用永久磁石47、48を設けてもよい。
【0034】尚、本発明において適用できる上記永久磁石としては、フェライト磁石、アルニコ磁石、Fe−Cr−Co磁石、希土類コバルト磁石、Pt−Co磁石、Mn−Al−C磁石、Sm−Fe−N系磁石、Nd−Fe−B系磁石等公知の永久磁石が挙げられる。
【0035】また、本発明に係る製造方法および製造用金型により製造された異方性樹脂磁石若しくは異方性焼結磁石の用途については任意であり、例えば、ステッピングモータ、DCモータ、DCブラシレスモータ、ACモータ等公知のモータ用ロータ若しくはステーター、リニアモータ用ムーバー若しくはステーター、磁気エンコーダ用磁石等が挙げられる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
【0037】[実施例1]図3に示すようにキャビティ21の外周側に、N極用永久磁石22並びにS極用永久磁石23と各隙間部に補助用永久磁石24を円弧状に順次並べて配置し、N6極、S6極の磁場がキャビティ21内に生じるように設定した。
【0038】尚、上記N極用永久磁石22、S極用永久磁石23および補助用永久磁石24としてはNd−Fe−B系焼成磁石[住友特殊金属(株)社製 ネオマックス39SH]を適用し、その大きさは、高さ10mm、内径20mm、外径40mmの扇状で、かつ、これ等扇状磁石22、23、24の広がり角度は等間隔(各15度)とした。また、キャビティ21の大きさは、高さ10mm、内径16.5mm、外径19.5mmとした。
【0039】そして、上記N極用永久磁石22並びにS極用永久磁石23の各N極側並びにS極側先端から0.5mm離れたキャビティ21内の磁場を測定したところ最大9.7kOeであり、配向成形に十分な値であった。
【0040】すなわち、この金型で成形した樹脂磁石の表面磁束密度を測定したところ3200Gで良好な特性が得られた。
【0041】尚、使用した樹脂磁石ペレットは、住友金属鉱山(株)社製 Wellmax-S3A-12(磁性粉:SmFeN、樹脂材料:ナイロン)で、成形条件は、型締め圧:50T、射出温度:260℃、金型温度:60℃であり、また、成形磁石の着磁条件は、外周12極着磁ヨークを1000μF、1600V、最大着磁磁界30kGとした。
【0042】また、上記表面磁束密度は、横川電気(株)社製ガウスメータを用い、プローブを磁石外周側に接触させて測定した。
【0043】[実施例2]図4(B)に示すようにキャビティ31の内周側に、N極用永久磁石32並びにS極用永久磁石33と各隙間部に補助用永久磁石34を円弧状に順次並べて配置し、N6極、S6極の磁場がキャビティ31内に生じるように設定した。
【0044】尚、N極用永久磁石32、S極用永久磁石33および補助用永久磁石34としてはNd−Fe−B系焼成磁石[住友特殊金属(株)社製 ネオマックス39SH]を適用し、その大きさは、高さ10mm、内径5mm、外径20mmの扇状で、かつ、これ等扇状磁石32、33、34の広がり角度は等間隔(各15度)とした。また、キャビティ31の大きさは、高さ10mm、内径20.5mm、外径23mmとした。
【0045】そして、上記N極用永久磁石32並びにS極用永久磁石33の各N極側並びにS極側先端から0.5mm離れたキャビティ31内の磁場を測定したところ最大6.7kOeであり、配向成形に十分な値であった。
【0046】すなわち、この金型で成形した樹脂磁石の表面磁束密度を測定したところ2200Gで良好な特性が得られた。
【0047】尚、使用した樹脂磁石ペレットは、住友金属鉱山(株)社製 Wellmax-S3A-12(磁性粉:SmFeN、樹脂材料:ナイロン)で、成形条件は、型締め圧:50T、射出温度:230℃、金型温度:60℃であり、また、成形磁石の着磁条件は、内周12極着磁ヨークを1000μF、1600V、最大着磁磁界30kGとした。
【0048】また、上記表面磁束密度は、横川電気(株)社製ガウスメータを用い、プローブを磁石外周側に接触させて測定した。
【0049】[比較例1]図10(A)に示すようにキャビティ1の内周側に、N極用永久磁石2並びにS極用永久磁石3を円弧状に順次並べて配置し、N6極、S6極の磁場がキャビティ1内に生じるように設定した。
【0050】尚、N極用永久磁石2並びにS極用永久磁石3としてはNd−Fe−B系焼成磁石[住友特殊金属(株)社製 ネオマックス39SH]を適用し、その大きさは、高さ10mm、内径5mm、外径20mmの扇状で、かつ、これ等扇状磁石2、3の広がり角度は等間隔(各30度)とした。また、キャビティ1の大きさは、高さ10mm、内径20.5mm、外径23mmとした。
【0051】そして、上記N極用永久磁石2並びにS極用永久磁石3の各N極側並びにS極側先端から0.5mm離れたキャビティ1内の磁場を測定したところ最大4.1kOeであり、配向成形には不十分な値であった。
【0052】すなわち、この金型で成形した樹脂磁石の表面磁束密度を測定したところ1500Gであり、実施例2に係る樹脂磁石の2200Gより劣っていた。
【0053】尚、使用した樹脂磁石ペレット、成形条件、成形磁石の着磁条件、および、表面磁束密度の測定条件等は実施例2と同一である。
【0054】[比較例2]図10(B)に示すようにキャビティ1の内周側に、起磁力発生用の永久磁石5が後方側に設けられたヨーク4と各隙間部に永久磁石6を円弧状に順次並べて配置し、N6極、S6極の磁場がキャビティ1内に生じるように設定した。
【0055】尚、各ヨーク4と永久磁石6の大きさは、高さ10mm、内径5mm、外径20mmの扇状で、かつ、これ等扇状磁石4、6の広がり角度は等間隔(各15度)とし、また、永久磁石6としてはNd−Fe−B系焼成磁石[住友特殊金属(株)社製 ネオマックス39SH]を適用した。また、キャビティ1の大きさは、高さ10mm、内径20.5mm、外径23mmとした。
【0056】そして、上記ヨーク4先端から0.5mm離れたキャビティ1内の磁場を測定したところ最大3.3kOeであり、配向成形には不十分な値であった。
【0057】すなわち、この金型で成形した樹脂磁石の表面磁束密度を測定したところ1200Gであり、実施例2に係る樹脂磁石の2200Gより劣っていた。
【0058】尚、使用した樹脂磁石ペレット、成形条件、成形磁石の着磁条件、および、表面磁束密度の測定条件等は実施例2と同一である。
【0059】[比較例3]図10(B)においてヨーク4の両側に配置された永久磁石6に加え上記ヨーク4の上下両面にも永久磁石5との間に反発磁気回路を形成させる永久磁石(図示せず)を設けた点を除き比較例2と同一の条件で金型を構成した。
【0060】そして、上記ヨーク4先端から0.5mm離れたキャビティ1内の磁場を測定したところ最大4.6kOeであり、配向成形には不十分な値であった。
【0061】すなわち、この金型で成形した樹脂磁石の表面磁束密度を測定したところ1600Gであり、実施例2に係る樹脂磁石の2200Gより劣っていた。
【0062】尚、使用した樹脂磁石ペレット、成形条件、成形磁石の着磁条件、および、表面磁束密度の測定条件等は実施例2と同一である。
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係る異方性磁石の製造方法および請求項4記載の発明に係る製造用金型によれば、キャビティ内の磁場形成手段としてN極用永久磁石およびS極用永久磁石を適用し、かつ、N極用永久磁石およびS極用永久磁石の各矩形状面以外からの漏洩磁場を各隙間部に配置した補助用永久磁石の反発磁場により抑制しているため、漏洩磁場の低減を図らない特開昭56−69805号公報記載の方法およびヨークを用いた特開昭60−47409号公報や特公平5−62807号公報記載の方法等に較べて上記キャビティ内の磁場を増大させることが可能となる。
【0064】従って、上記キャビティ内に収容された磁性材料の磁場配向時における磁場が十分得られるため、表面磁界(磁気特性)が向上した異方性磁石を製造できる効果を有する。
【0065】また、請求項2記載の発明に係る異方性磁石の製造方法および請求項5記載の発明に係る製造用金型によれば、N極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのN極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けると共に上記S極用永久磁石における矩形状面の縁部から伸びる残り2面にそのS極側が接する一対の第二補助用永久磁石を設けていることから、請求項1若しくは4記載の発明に較べて補助用永久磁石による反発磁界が強まり、N極用永久磁石およびS極用永久磁石の各矩形状面以外からの漏洩磁場がより抑制されるため上記キャビティ内の磁場を更に増大させることが可能となる。
【0066】従って、表面磁界(磁気特性)が更に向上した異方性磁石を製造できる効果を有する。
【0067】また、請求項3記載の発明に係る異方性磁石の製造方法および請求項6記載の発明に係る製造用金型によれば、上記キャビティが円筒形の空間若しくは径寸法を異にする2つの断面円弧形状の壁面で形成される空間を有しており、このキャビティにおける内周側の極部分にN極側およびS極側の各矩形状面が対向するようにN極用およびS極用の永久磁石を隙間部を介し交互に並べて配置しているため、表面磁界(磁気特性)が向上した円筒内周面多極に係る異方性磁石を製造できる効果を有する。




 

 


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