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発明の名称 吊下式注湯装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−25861(P2001−25861A)
公開日 平成13年1月30日(2001.1.30)
出願番号 特願平11−196077
出願日 平成11年7月9日(1999.7.9)
代理人 【識別番号】100083910
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 正緒
【テーマコード(参考)】
4E014
【Fターム(参考)】
4E014 CA03 
発明者 杉野 圭司 / 勝見 良太
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 重心から離れた湯口近くに両側外方に突出した回転軸棒を有する取鍋と、該取鍋の回転軸棒を着脱可能に支持して天井クレーン等から吊り下げる吊り具と、該吊り具に固定され、前記取鍋を回転軸棒を中心に傾転させる電動機とを備えることを特徴とする吊下式注湯装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天井クレーン等から吊り下げた取鍋を用いて、溶融金属を遠心鋳造等の型に注湯する吊下式注湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、各種金属製品の鋳造においては、取鍋に溶融金属を入れ、人手によって型に注湯する作業が行われている。例えば、鋼製の水道管やガス管、耐熱鋼管等を製作する場合、回転している円筒形の型の内部に、天井クレーン等に吊り下げた取鍋から溶融金属を流し込む遠心鋳造法によって行われる。
【0003】具体的には、吊り具に取り付けた取鍋を天井クレーン等に吊り下げ、溶解炉で溶解させた溶融金属を取鍋に傾注する。その後、溶融金属が入った取鍋を天井クレーン等により型の前方の所定位置に移動させ、人手によるか又は機械的に取鍋を傾転させることにより、取鍋から溶融金属を型に注湯する。
【0004】この遠心鋳造法等での取鍋を用いた注湯作業は、注湯量別に以下の3種類に大別される。即ち、注湯量が概ね50kg以下の場合は、バランサーに取付けた取鍋を作業者一人で傾転させて注湯している。この場合、溶融金属を入れた取鍋の重量が小さいため、作業者一人でも比較的容易に且つ速やかに取鍋を傾転させることができる。
【0005】また、注湯量が概ね200kg以上の場合には、取鍋に回転ハンドルを回転させることによりギヤ等の働きで取鍋が傾転する機構を取り付け、作業者が回転ハンドルを操作することで機械的に取鍋を傾転させ、型に注湯している。この回転ハンドルによる注湯操作では、重い取鍋でも機械的に傾転できるが、取鍋の傾転速度が遅いため注湯速度も遅くなる。
【0006】これに対して注湯量が概ね50〜200kgの場合、前記のバランサーに取付けた取鍋では、作業者一人で傾転させるには注湯重量が大き過ぎるため、取鍋の傾転が困難である。また、上記の回転ハンドルを取り付けた取鍋を用いたのでは傾転速度が遅く、50〜200kgの注湯量に見合った適切な注湯速度が得られない。このため、取鍋の両側にそれぞれ作業者を配置し、少なくとも2名の作業者が共同して取鍋を傾転させ、注湯している現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来の遠心鋳造法等で取鍋を介して溶融金属を型に注湯する際には、注湯量が概ね50kg以下の場合は人手によって取鍋を傾転させる注湯作業が行われ、また概ね200kg以上の注湯量になると人手による取鍋の傾転が出来ないので、回転ハンドルによる傾転機構を備えた取鍋を用いて、機械的に傾転させて注湯している。
【0008】しかし、いずれの場合にも、取鍋を傾転させるために、作業者は取鍋に極めて接近して回転ハンドル等を操作しなければならず、高熱や溶融金属の飛散など、作業に危険が伴うことが多かった。また、注湯量が200kg以上の場合には、回転ハンドルにより取鍋を傾転させているため、その機構上傾転速度が遅いという問題があった。
【0009】一方、両者の中間的な50〜200kgの注湯量の場合には、複数の作業者が人手により取鍋を傾転させて、注湯作業を行うことが一般的である。即ち、図2に示すように、取鍋1の両側に固定ハンドル2を設けると共に、吊り具3を回転可能に取り付けた取鍋1を使用する。吊り具3で取鍋1を天井クレーン等に吊り下げ、注湯の際には少なくとも2人の作業者が固定ハンドル2を持って取鍋1を傾転させるのである。
【0010】しかしながら、図2に示すような取鍋では、注湯量が大きくなると傾転作業に大きな力を必要とするため、複数の作業者でも取鍋の傾転作業が困難となる。上記回転ハンドル付きの取鍋を用いることも考えられるが、回転ハンドルによる操作では取鍋の傾転速度が遅いため、注湯量に見合った適切な注湯速度が得られないという欠点があった。
【0011】また、従来の取鍋では、傾転動作を容易にするため、図3に示すように、取鍋1の回転中心軸(図中の+印)は取鍋1の重心(図中の○印)付近に設けられている。特に注湯量が50kgを越える場合には、取鍋1の重心に回転中心軸を設けなければ、傾転による注湯そのものができなかった。
【0012】しかし、回転中心軸を重心付近に設定した取鍋1では、湯口1aが回転中心軸から離れているため、図3に示すように、注湯の際の傾転に伴って湯口1aが上下に大きく移動する。このため、注湯中に天井クレーン等の補助動作により湯口1aの位置を調整する必要があるが、この補助動作のタイミングが難しいなど、天井クレーン等の作業に熟練を要するという問題があった。
【0013】更に、特に遠心鋳造法では、型への注湯速度が製品の品質に大きく影響することから、安定した品質を得るためには安定した傾転動作を必要とする。しかし、人手により安定した傾転動作を行うには熟練を要するため、作業者の熟練度の差により品質にばらつきが生じやすいという問題もあった。
【0014】本発明は、このような従来の事情に鑑み、遠心鋳造を含め鋳造設備の大幅な改造を行う必要がなく、作業者一人で且つその熟練度に拘らず、容易に取鍋を傾転させることができ、しかも注湯量に見合った適切な注湯速度で、安全に取鍋から溶融金属を型に注湯することができる、吊下式注湯装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明が提供する吊下式注湯装置は、重心から離れた湯口近くに両側外方に突出した回転軸棒を有する取鍋と、該取鍋の回転軸棒を着脱可能に支持して天井クレーン等から吊り下げる吊り具と、該吊り具に固定され、前記取鍋を回転軸棒を中心に傾転させる電動機とを備えることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の吊下式注湯装置では、溶融金属を入れる取鍋と吊り具とを別体とし、取鍋は吊り具から取り外して交換できるようになっている。従って、注湯量に応じて適切な大きさの取鍋を使用することができ、取鍋を傾転駆動する電動機にもよるが、注湯量が50kg以下と少ない場合から200kgを越える場合まで、取鍋を交換するだけで対応することができる。
【0017】また、取鍋の傾転駆動手段として電動機を吊り具に設置し、取鍋の回転軸棒をギア等を介して回転駆動することにより、取鍋を傾転できるようになっている。電動機は小型軽量であって、速度を安定に保つ機能を付加したものが望ましい。しかも、回転速度を任意に設定できる電動機を用いることにより、注湯量の多少に応じて適切な注湯速度となるように、取鍋の傾転速度を任意に調整することができる。更に、電動機の操作は取鍋から離れて行うことができるので、作業者は安全に注湯作業を行うことが可能である。
【0018】更に、本発明で用いる取鍋は、上記のごとく回転軸棒を回転軸中心として傾転するが、図4に示すように、この回転軸棒による回転軸中心(図中の+印)を取鍋10の重心(図中の○印)から離し、湯口10a付近に移動させてある。これにより、湯口10aの上下動を最小限に抑えることができるため、従来の重心と回転軸中心をほぼ一致させた取鍋の場合に必要であった補助作業、即ち前述した湯口の大きな上下移動に伴う天井クレーン等による補助動作が不要となり、作業者の熟練度によらず簡単に注湯作業を行うことが可能となった。
【0019】尚、取鍋の回転軸中心を湯口付近に移すことにより取鍋の傾転に要する力が大きくなるが、傾転駆動手段として電動機を用いるので、何ら支障なく取鍋を傾転させることができる。
【0020】次に、本発明の吊下式注湯装置の一具体例を図1に基づいて詳しく説明する。取鍋10は、重心から離れた湯口10aの近くに回転軸棒11を両側外方に突出して設けてあり、この回転軸棒11が取鍋10の回転軸中心となる。また、この取鍋10は回転軸棒11によって吊り具13に着脱可能に支持されると共に、吊り具13に固定された電動機12で回転軸棒11を回転駆動することにより、湯口10aが下方に移動するように傾転させることができる。
【0021】吊り具13は、取鍋10を回転可能に支持できればよい。吊り具13には、電動機12と取鍋10を挟んで反対側に、電動機12とのバランスを取るためのバランスウエイト14を取り付け、また電動機12の制御盤15が設置してある。制御盤15は電動機12の回転速度を任意に設定するためのボリウムを備え、電動機12の操作押釦5がケーブルにより制御盤15に接続されている。尚、電動機12と制御盤15の配線は、吊り具13に設けた電気接続口17から電気供給源(図示せず)に接続される。
【0022】また、吊り具13の上端部には天井クレーン等から吊り下げるための吊り手18を備え、取鍋10を支持した状態で、溶解炉と鋳造用の型の間を往復移動できるようになっている。このように取鍋10は吊下式であるため、現状設備の改造を最小限に抑えて設置することができ、取鍋の機械的な傾転装置を床据付け式で設置する場合と比較して、安価な装置化が可能である。
【0023】
【実施例】図1に示す吊下式注湯装置において、吊り具13は鋼製で、上端部に天井クレーンに吊り下げる吊り手18、及び下端部に取鍋10を支持するアーム部19が設けてあり、全体の寸法は高さ3200mm、幅1370mm、奥行770mmとした。この吊り具13には電動機12を設置すると共に、その反対側に電動機12とほぼ同じ重量のバランスウエイト14を取り付けた。
【0024】電動機12の仕様は、減速機と合わせた重量21kg、容量750W、出力軸トルク54kgm、出力軸回転数0.4〜10.4rpmである。この電動機12は制御盤15を介して操作押釦16に接続され、高速運転、低速運転、運転停止、原点復帰などの操作ができるようになっている。また、制御盤15には、電動機12の回転速度を0.4〜10.4rpmの範囲で任意に設定するボリウムが設けてある。
【0025】取鍋10は鋼製であり、内側に耐熱被覆を施してある。取鍋10の湯口10a近く(重心と離れている)には、両側から外方に突出した回転軸棒11を固定してある。この回転軸棒11の先端部は、電動機12の回転軸と着脱可能に係合できるようになっている。また、取鍋10の大きさは、注湯量に応じて50kg以下用、50〜200kg用、及び200kg以上用の3種類を用意した。
【0026】この吊下式注湯装置を用い、注湯量に応じて最適な大きさの取鍋10を選択して、遠心鋳造法により鋼管を作製した。即ち、吊り具13を天井クレーンによって溶解炉前まで移動し、溶解炉の溶融金属を吊り具13に支持した取鍋10に傾注した。次に、溶融金属が入った取鍋10を天井クレーンにより型の前方の所定位置に移動し、電動機12を操作押釦16により駆動させ、取鍋10を予め設定された速度で傾転させることにより、型に溶融金属を注湯した。
【0027】その結果、注湯量の多少に応じた最適な傾転速度と注湯速度により、一人の作業者のみで、安定した注湯作業を行うことができた。しかも、電動機12の駆動は操作押釦16で行うため、作業者は取鍋10から離れて操作することができ、安全な注湯作業が可能であった。また、得られた鋼管は従来のものと全く変わらず、品質的にも十分満足できるものであった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、作業者が一人が、その熟練度に拘らず、容易且つ安全に取鍋を傾転させることができ、取鍋から溶融金属を型に注湯することができる。しかも、注湯量に見合った適切な注湯速度で注湯できるので、あらゆる注湯量に対応することができ、特に、従来から複数の作業者が人手により行っていた、注湯量50〜200kg程度の注湯作業に有効である。
【0029】また、本発明の吊下式注湯装置は、取鍋の傾転動作のみを機械化させ、その他の周辺設備は取鍋駆動用の電動機に電力供給するための改造のみに止まるので、遠心鋳造を含め現状の鋳造設備を大幅に改造する必要がなく、比較的安価に実現することが可能である。




 

 


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