米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 村田機械株式会社

発明の名称 プレス装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−347400(P2001−347400A)
公開日 平成13年12月18日(2001.12.18)
出願番号 特願2000−171452(P2000−171452)
出願日 平成12年6月8日(2000.6.8)
代理人 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4E048
4E089
4E090
【Fターム(参考)】
4E048 MA09 MA12 
4E089 EA01 EB02 EB03 EC02 ED10 EE01 EF08 FA02
4E090 AA01 AB01 BA02 BB04 CC03 CD01 HA04
発明者 長江 正行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 駆動モータと、前記駆動モータの回転数を変換して伝達する動力伝達機構と、伝達された回転をラムの直線運動に変換する変換手段とを備え、前記動力伝達機構が、2以上の遊星歯車装置と、前記2以上の遊星歯車装置の一つを選択する選択手段とを有してなり、前記選択手段により選択された伝達比により、板材加工の種類に応じて前記ラム動作を制御するようにしたプレス装置。
【請求項2】 前記2以上の遊星歯車装置は、入力軸に接続される太陽歯車と、この太陽歯車に噛み合う遊星歯車と、前記遊星歯車と噛み合う内歯と、前記遊星歯車又は内歯と接続される出力軸とを備え、前記遊星歯車を伝達比の異なる2列以上にし、前記太陽歯車、前記2列以上の遊星歯車、前記内歯のいずれかを軸方向にスライド自在とし、前記2列以上の遊星歯車のいずれかを選択して噛み合わせるものである請求項1に記載のプレス装置。
【請求項3】 前記出力軸は前記内歯に接続され、遊星歯車が固定されるスター形であって、前記内歯が軸方向にスライド自在である請求項2に記載のプレス装置。
【請求項4】 前記内歯は、第1の遊星歯車列と噛み合う第1変速位置と、第2の遊星歯車列と噛み合う第2変速位置と、第1の遊星歯車列及び第2の遊星歯車列の両方に噛み合うロック位置とを有する請求項3に記載の速比切り替式遊星歯車装置。
【請求項5】 前記駆動モータがサーボモータであり、前記選択手段の伝達比の選択に際して、遊星歯車装置の切り替えられる歯車の位相を合わせる位相合わせ手段が設けられた請求項1〜4のいずれかに記載のプレス装置。
【請求項6】 前記選択手段は、板材加工に必要なプレス力を前記ラムが出せる伝達比を選択するものである請求項1に記載のプレス装置。
【請求項7】 板材加工情報から必要なプレス力を演算する演算手段を設け、前記選択手段は、演算されたプレス力が所定値を越える場合に、前記プレス力を上げる伝達比を選択する請求項6に記載のプレス装置。
【請求項8】 前記選択手段は、通常はプレス力が小さな伝達比を選択し、前記演算手段で演算されたプレス力が所定値を越える場合に、プレス力が大きくなる伝達比を選択する請求項7記載のプレス装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パンチプレス機などのプレス装置に関し、特に動力伝達機構に遊星歯車装置を用いるものに関する。
【0002】
【従来の技術】パンチプレス機では、1ストローク中において、パンチ工具が実際にワークを打ち抜くときの速度を低くし、その他のときはストローク速度を早くする制御が行われる。このような制御が可能なパンチプレス機として、回転数制御を自在にできるサーボモータを用いることにより、1ストローク中での速度変更を行う機械式パンチプレスが提案されている。
【0003】この機械式パンチプレスは、サーボモータが減速機を介して例えばトグル機構を駆動し、回転を往復動に変換するものがある。サーボモータの回転数は減速機を介して、例えば1/10程度の回転数に減速させられる。また、サーボモータに大出力で回転数の可変範囲の広いものを使用することにより、ストローク途中の速度制御だけでなく、多数の孔の高速加工から、大負荷となる大径孔の加工までをサーボモータの回転数制御で実現できる。
【0004】しかし、前記のような大出力で回転数の可変範囲が広いサーボモータは、特殊な高級モータになるため、一般のサーボモータを用い、高速加工に適した仕様にすると、大負荷のパンチ加工では打ち抜きトン数が不足して打ち抜くことができなくなり、大負荷の加工が可能な仕様にすると、高速パンチが行えなくなる。
【0005】そこで、サーボモータの回転数を減速機で減速し、この減速機に変速機を直列に接続し、サーボモータの回転数を減速機で例えば1/5に減速し、更に変速機で1/1又は1/2に切り替え可能としたパンチプレス機が提案されている。高速加工時には、変速機を1/1にすることにより、全体の減速率を1/5にし、大負荷加工時には、変速機1/2にすることにより、全体の減速率を1/10にする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、サーボモータに減速機と変速機を接続すると、減速機及び変速機が内蔵する多数の歯車を回転駆動させるため、トグル機構などに駆動を伝達する迄の慣性力が大きくなり、サーボモータによる1ストローク中での速度変更制御の追従性が悪くなるという問題点がある。このような問題は、パンチプレスに限らず、1ストローク中での速度変更制御を行う種々のプレス装置において生じる。
【0007】そこで、本発明の目的は、変速可能な歯車を使う動力伝達機構の慣性力を小さし、高速加工から高負荷加工に対応できるプレス装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1のプレス装置は、駆動モータと、前記駆動モータの回転数を変換して伝達する動力伝達機構と、伝達された回転をラムの直線運動に変換する変換手段とを備え、前記動力伝達機構が、2以上の遊星歯車装置と、前記2以上の遊星歯車装置の一つを選択する選択手段とを有してなり、前記選択手段により選択された伝達比により、板材加工の種類に応じて前記ラム動作を制御するものである。この請求項1によると、駆動モータの回転数が2以上の遊星歯車装置により適正な出力と回転数で変換され、この2以上の遊星歯車装置と一体に設けられた選択手段により、出力と回転数の適正な遊星歯車装置を選択する。この遊星歯車装置は元々慣性力が小さく、更に伝達比を変える選択手段も一体になっているため、動力伝達機構の慣性力が全体として小さくなると共に小型になる。
【0009】請求項2のプレス装置は、請求項1において、前記遊星歯車装置は、入力軸に接続される太陽歯車と、この太陽歯車に噛み合う遊星歯車と、前記遊星歯車と噛み合う内歯と、前記遊星歯車又は内歯と接続される出力軸とを備え、前記遊星歯車を伝達比の異なる2列以上にし、前記太陽歯車、前記2列以上の遊星歯車、前記内歯のいずれかを軸方向にスライド自在とし、前記2列以上の遊星歯車のいずれかを選択して噛み合わせるものである。この請求項2によると、遊星歯車装置の遊星歯車を2列以上にしていずれかを選択して噛み合わせため、伝達比を変える遊星歯車装置の慣性力が十分小さくなり、小型になる。
【0010】請求項3のプレス装置は、請求項2において、前記出力軸は前記内歯に接続され、遊星歯車が固定されるスター形であって、前記内歯が軸方向にスライド自在なものである。この請求項3によると、選択手段が内歯をスライド移動させるという単純な機構により、伝達比が変わる。
【0011】請求項4のプレス装置は、請求項3において、前記内歯は、第1の遊星歯車列と噛み合う第1変速位置と、第2の遊星歯車列と噛み合う第2変速位置と、第1及び第2の遊星歯車列の両方に噛み合うロック位置とを有するものである。この請求項4によると、選択手段によりロック位置に設定すると、プレス装置の作動を停止状態にして固定できる。
【0012】請求項5のプレス装置は、請求項1〜4において、前記駆動モータがサーボモータであり、前記選択手段の伝達比の選択に際して、遊星歯車装置の切り替えられる歯車の位相を合わせる位相合わせ手段が設けられたものである。この請求項5によると、選択手段により遊星歯車装置の伝達比を変える場合に、位相合わせ手段で噛み合わされる歯の位相が合っているため、歯車の噛み合わせが確実且つ簡単にできる。
【0013】請求項6のプレス装置は、請求項1において、前記選択手段は、板材加工に必要なプレス力を前記ラムが出せる伝達比を選択するものである。この請求項6によると、板材加工の種類に応じた高速加工又は高負荷加工に対応できる。
【0014】請求項7のプレス装置は、請求項6において、板材加工情報から必要なプレス力を演算する演算手段を設け、前記選択手段は、演算されたプレス力が所定値を越える場合に、前記プレス力を上げる伝達比を選択するものである。この請求項7によると、演算手段が板材加工の種類を的確に捉えて、適切な加工ができる。
【0015】請求項8のプレス装置は、請求項7において、前記選択手段は、通常はプレス力が小さな伝達比を選択し、前記演算手段で演算されたプレス力が所定値を越える場合に、プレス力が大きくなる伝達比を選択するものである。この請求項8によると、通常はプレス力が小さい高速加工に対応し、必要な場合だけプレス力を大きくして高負荷加工に対応する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、プレス装置の側面の要部断面図であり、図2は、プレス装置の制御系の機器ブロック図である。
【0017】まず、プレス装置1の要部の構造を図1により説明する。プレス装置1は、プレス金型2に対してパンチ金型3を上下動させる基本構造を有し、駆動モータであるサーボモータ11と、このサーボモータ11の回転数を所定伝達比で変換して伝達する動力伝達機構12と、この動力伝達機構12の回転運動を直線運動に変換し、パンチ金型3を保持するラム4を上下動させる変換手段13とを備えて成る。
【0018】プレス金型2の多数を保持する下タレット5aは、下フレーム10aに割り出し回転可能に取り付けられている。パンチ金型3の多数を保持する上タレット5bは、上フレーム10bに割り出し回転可能に取り付けられている。上フレーム10bに立設された門型フレーム10cに、下向きに開口する箱型フレーム14がスライド自在に取り付けられている。サーボモータ11と動力伝達機構12と変換手段13は、下向きに開放された箱形フレーム14に一体と取り付けられている。
【0019】箱型フレーム14の側面14aに、サーボモータ11と動力伝達機構12の直列接続体がボルト等で固定されている。変換手段13は、箱型フレーム14内に配置される偏心カム機構であって、偏心カム15、クランク17、スライド体20などで構成される。偏心カム15の両端の軸15a,15bが軸受16を介して箱型フレーム14に回転自在に支持されている。偏心カム15は、クランクアーム17の上端の穴に図示されない軸受を介して回転自在に嵌合している。クランクアーム17の下端には、ピン18で連結された連結バー19を介してスライド体20が接続されている。スライド体20は、箱型フレーム14内に固定されたスライドガイド21の案内を受けて上下にスライド移動する。このスライド体20にラム切換装置22が取り付けられ、ラム切換装置22にラム4が選択可能に支持されている。
【0020】動力伝達機構12は、2以上の遊星歯車装置を一体に形成し、2以上の伝達比で切り替え可能な遊星歯車装置50と、前記伝達比を切り替える選択手段59とを一体に有して構成されている。
【0021】遊星歯車装置50は、ケーシング51と、ケーシング51の中心に位置し、サーボモータ11の回転軸と一体に嵌入された入力軸52と、入力軸52に嵌入された第1太陽歯車53及び第2太陽歯車54と、この第1太陽歯車53及び第2太陽歯車54に噛み合い、ケーシング51から突出する軸に軸支された第1遊星歯車55及び第2遊星歯車56と、第1遊星歯車55又は第2遊星歯車56の何れかに噛み合う軸方向にスライド自在な内歯57と、この内歯57の内面のスプライン穴57aに嵌入されたスプライン軸58aから突設され、偏心カム15の軸15cに一体に嵌入される出力軸58とを備えて成る。
【0022】選択手段59は、前記内歯57を軸方向の所定位置にスライド移動させる機構であり、内歯57の円周溝57bに嵌まるローラ60と、ローラ60を回転自在に支持するアーム62を揺動自在とする軸61と、軸61を所定角度で回動させるためアーム63を介して連結されたシリンダ64とからなる。
【0023】選択手段59による内歯57の軸方向の位置は、第1遊星歯車55と内歯57が噛み合う第1変速位置、第1遊星歯車55と第2遊星歯車56の両方と内歯57が噛み合うロック位置、第2遊星歯車56と内歯57が噛み合う第2変速位置とがある。
【0024】第1遊星歯車55と第1太陽歯車53とが第1列Aの遊星歯車列を形成し、第2遊星歯車56と第1太陽歯車54とが第2列Bの遊星歯車列を形成している。この第1列Aと第2列Bは、入力軸52に所定間隔を隔てて平行に配設されている。内歯57をサーボモータ11の側にスライド移動させると、第1遊星歯車55と内歯57が噛み合う第1変速位置になる。内歯57を反サーボモータ11の側にスライド移動させると、第2遊星歯車55と内歯57が噛み合う第2変速位置になる。第1列Aで例えば1/aに減速され、第2列Bで例えば1/2aに減速されると、第1列Aを選択する第1変速位置の場合と、第2列Bを選択する第2変速位置の場合とで、1対2の変速率が得られることになる。
【0025】つぎに図2により、上述したプレス装置の制御系の構成を説明する。図2において、制御装置33はパンチプレスの全体を制御する手段であり、コンピュータ式の数値制御部34およびプログラマブルコントローラ部(図示せず)を備える。数値制御部34は、加工プログラム38を実行してパンチ駆動用のサーボモータ11や、上下タレット5a,5bなどの各軸のモータに軸送り指令を出力すると共に、加工プログラム38におけるシーケンス指令をプログラマブルコントローラ部へ転送する手段である。数値制御部34から出力されたパンチ駆動の指令は、サーボコントローラ35を介してサーボモータ11に入力される。制御装置33には、加工プログラム38以外の加工に必要な各種のデータを記憶させておくパラメータ設定部39が設けてあり、加工プログラム38とパラメータ設定部39とで加工データ設定手段37が構成される。
【0026】このような基本構成の制御装置33において、この実施例では演算手段36が設けてある。この演算手段36は、加工の種類に応じて遊星歯車装置50の伝達比を選択手段59を介して切り替える手段であり、具体的には所定の伝達比を選ぶ切換指令sを選択手段59へ出力する。速比切り替え操作のための選択手段59は、この指令sに応答して遊星歯車装置50の遊星歯車列を第1列A又は第2列Bに切り替える。この選択手段59の切り替えに際して、内歯57と切り替え対象の太陽歯車55,56の歯の位相の位置を演算しておき、位相が合った位置で遊星歯車装置50を停止させる位相合わせ手段40が、加工種類対応切り替え制御手段36に対応するように数値制御部34に接続されている。
【0027】演算手段36は、パンチ加工の負荷に大きく影響する因子となる所定の加工種類データ、例えば板厚、材質、および工具種類等のデータを設定してあり、加工プログラム38に記述された板厚や材質のデータ38a、および工具指令38bにおける工具種類を前記の所定加工種類データとの比較に基づいて、加工に必要な打ち抜きトン数又はプレス力を演算する。この打ち抜きトン数又はプレス力が、所定のしきい値を越える場合に、選択手段59により遊星歯車装置50の遊星歯車例を切り替え、高速から低速に切り替える制御を行う。従って、通常は、高速で加工しており、必要な時に低速に切り替える。
【0028】板厚,材質のデータ38aは、一般に加工プログラム38毎に記述されるが、工具指令38bは加工プログラム38中に多数記述されるので、演算手段36は、工具指令38bを数値制御部34で読み取る毎に前記の演算および伝達比の選択を行わせるようにする。板厚,材質のデータ38aは、加工プログラム38に記述せずにパラメータ設定部39に設定しておいても良い。工具指令38bは、プレス金型2の種類を選択する指令であり、タレット5a,5bの回転角度を割出す指令となる。プレス金型2の種類は、打ち抜き孔の大きさに影響し、この大きさ、特に周長がパンチ負荷に大きく影響するため、演算手段36による演算要素として設定しておく。
【0029】上記構成のプレス装置1の動作を説明する。図1において、サーボモータ11の回転は、動力伝達機構12を介して伝達され、更に変換手段13を介してラム4の上下動に変換される。偏心カム15が一回転すると、クランク17を介してスライド体20が1往復の進退動作をする。この1往復動作で、パンチ金型3によるパンチ動作が1回行われる。このパンチ加工につき、サーボモータ11を駆動源とするので、パンチ金型3の昇降速度をストローク途中で変える制御も行える。例えば、パンチ金型3が実際に板材を打ち抜くときの速度を低くし、その他のときはストローク速度を速くする制御も行える。そのため、騒音を抑制して高速パンチが行える。
【0030】サーボモータ11の回転は、減速比が大きく取れる遊星歯車装置50で変速させるため、駆動源を小型のサーボモータ11としてもパンチに必要なプレス力が得られる。また、遊星歯車装置と50は小型で慣性力が小さいため、サーボモータ11による1ストローク途中の速度変化の追従性が損なわれることもない。さらに、小型の遊星歯車装置と50であるため、遊星歯車装置50にサーボモータ11を直に取り付け、遊星歯車装置50を偏心カム12に取り付けるという省スペースの構造になる。
【0031】このパンチ加工に際して、多数の小孔を加工する場合や、板厚の薄い板材を加工する場合等、パンチ負荷の小さな加工を行う場合は、遊星歯車装置50の遊星歯車の列を第1列Aにして、例えば伝達比を1/aにして、プレス力は小さいが高速に対応できるようにしておく。これにより高速のパンチ加工が行われる。この場合が通常の加工である。厚板の加工や大径孔の加工を行う場合は、遊星歯車装置50の遊星歯車の列を第2列Bにして、例えば伝達比を1/2aにして、これにより、パンチ動作は低速となるが、大きな加圧力をラム6に与えることができ、サーボモータ11が小出力のものであっても、大径孔の打ち抜きが可能となる。このように、サーボモータ11に小出力のものを使用していても、遊星歯車装置50の太陽歯車列を選択手段59で切り替えることより、高速で低負荷の加工と、低速で大負荷の加工との両方を行うことができる。サーボモータ11の出力の特性は、回転数によって変化し、サーボモータ11の回転数制御だけでは高速加工と大負荷加工との切り替えが難しいが、このようにサーボモータ11と太陽歯車列を簡単且つ確実に切り替えられる遊星歯車装置50を組み合わせることで、効率の良い制御が行える。
【0032】遊星歯車装置50の遊星歯車列の切り替えに際して、一旦プレス装置1を停止状態にする。このとき、図2の位相合わせ手段40が、サーボモータ11の回転数制御を行い、図1の内歯57が切り替え対象の遊星歯車55,56と歯の位相が合う位置で遊星歯車装置50を停止状態にする。次に、選択手段59を作動させて、遊星歯車装置50の遊星歯車列の切り替えを行う。これにより、遊星歯車装置50の遊星歯車列の切り替えが迅速且つ確実に行われる。また、プレス装置1を停止状態にしたまま保持する場合、図1の内歯57が遊星歯車55,56の両方に噛み合うロック位置にすると、機械的にロックされた状態になり、停止中に機械が動くことがない。
【0033】演算手段36は、前記のようなパンチ負荷に応じた選択手段59の切り替えのための演算を、加工プログラム38の実行に従って、工具指令38bが読み出される都度行い、必要な場合に切り替え指令sを出力する。そのため、オペレータが切り替えの判断をする必要がなく、操作が容易であり、また自動運転で前記の切り替えが実現できる。なお、演算手段36は、加工プログラム38に設定しておいた所定の指令に従って切り替え指令sを出力するものとしても良い。
【0034】図3及び図4はこの発明の他の実施形態例を示す。これらの例は、遊星歯車列を切り替える機構が異なるだけで、他の部分は図1と同様である。図1の場合と同様に、高速で低負荷の加工と、低速で大負荷の加工との両方を行うことができ、慣性力も小さいものとすることができる。
【0035】図3において、遊星歯車装置70は、入力軸71と、入力軸71に嵌入された第1太陽歯車72及び第2太陽歯車73と、保持枠74に回転自在に支持され、前記第1太陽歯車72及び第2太陽歯車73に噛み合う第1遊星歯車75及び第2遊星歯車76と、第1遊星歯車75及び第2遊星歯車76と噛み合う固定の内歯77と、保持枠74に対してスプライン又はキー等を介して連結された出力軸78と、保持枠74を軸方向に移動させる選択手段79とを備えてなる。
【0036】第1太陽歯車72と第1遊星歯車75が第1列Aの遊星歯車列を形成し、第2太陽歯車73と第2遊星歯車76が第2列Bの遊星歯車列を形成する。第1遊星歯車75と第2遊星歯車76の間隔はLであるが、第1太陽歯車72と第2太陽歯車73の間隔はL+αである。そのため、保持枠74を軸方向にαだけ移動させると、第1列A又は第2列Bを選択できる。選択手段79は保持枠74に対して相対回転可能に連結され、アクチュエータ等で保持枠74を軸方向の所定位置までスライド移動させることができる。
【0037】図4において、遊星歯車装置80は、入力軸81と、入力軸81に対してスプライン又はキーなどを介して連結された軸81aに嵌入された第1太陽歯車82及び第2太陽歯車83と、保持枠84に回転自在に支持され、前記第1太陽歯車82及び第2太陽歯車83に噛み合う第1遊星歯車85及び第2遊星歯車86と、第1遊星歯車85及び第2遊星歯車86と噛み合う固定の内歯87と、保持枠84に固定された出力軸88と、軸81aを軸方向に移動させる選択手段89とを備えてなる。
【0038】第1太陽歯車82と第1遊星歯車85が第1列Aの遊星歯車列を形成し、第2太陽歯車83と第2遊星歯車86が第2列Bの遊星歯車列を形成する。第1遊星歯車85と第2遊星歯車86の間隔はLであるが、第1太陽歯車82と第2太陽歯車83の間隔はL+αである。そのため、軸81aを軸方向にαだけ移動させると、第1列A又は第2列Bを選択できる。選択手段89は軸81aに対して相対回転可能に連結され、アクチュエータなどで軸81aを軸方向の所定位置までスライド移動させることができる。
【0039】なお、プレス装置1の回転から直線運動への変換手段は、偏心カムとクランクとスライド体を用いるものに限らず、トグル機構を用いるものであってもよい。また、プレス装置1は、パンチプレス装置に限らず、回転を直線運動に変換し、1ストローク中の速度を変更するようなプレス装置であれば、何でもよい。
【0040】また、プレス装置1の遊星歯車装置50,70,80のいずれの場合も、伝達比が2段の場合を説明したが、遊星歯車列を例えば3列以上にし、各列の減速比を順次変えておくと、伝達比が3段以上のものにする事が可能になる。また、遊星歯車装置50,70,80の伝達比が減速である場合を説明したが、伝達比が増速であってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜8のプレス装置によると、遊星歯車装置が本来有する慣性力の小ささを保持しつつ、伝達比を変える選択手段を一体に備えるため、1ストローク中に速度を変更するような場合に、慣性力を小さくして、速度変動に対する追従性を高めることがでる。
【0042】請求項2〜5のプレス装置によると、遊星歯車装置を備えたプレス装置を小型にすると共に、プレス力の伝達比の切り替え性能を優れたものにすることができる。
【0043】請求項6〜8のプレス装置によると、高速低負荷加工時の状態と、低速大負荷加工時の状態とを、加工の状態に応じて自動的に切り替えることができ、オペレータの操作を容易にすることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013