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発明の名称 穴あけ工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−341020(P2001−341020A)
公開日 平成13年12月11日(2001.12.11)
出願番号 特願2001−69798(P2001−69798)
出願日 平成13年3月13日(2001.3.13)
代理人
発明者 鬼塚 徳英 / 清水 武則 / 横田 勲
要約 目的
ステンレス鋼の様に比較的延性のある被削材の穴明け加工に際して、より一層のシャープエツジな刃型を適用し、25m以上の高速切削において、外周部の溶着、圧着を防止し、耐久性に優れたツイストドリルを提供することを目的とする。

構成
被覆した超硬質合金製からなるツイストドリルにおいて、ねじれ角を35度〜45度の強ねじれ角とし、該ドリルの先端視で、先端切れ刃をを凸状とし、かつ、該凸状部の最凸部とシンニング刃とを結ぶ仮想線に対して、先端切れ刃を刃径の1〜10%回転方向後方側に設け、該ツイストドリルの有効刃長内の軸直角断面ですくい面を凸状とし、外周との繋ぎに面取り状の面を形成することより構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】被覆した超硬質合金製からなるツイストドリルにおいて、ねじれ角を35度〜45度の強ねじれ角とし、該ドリルの先端視で、先端切れ刃をを凸状とし、かつ、該凸状部の最凸部とシンニング刃とを結ぶ仮想線に対して、先端切れ刃を刃径の1〜10%回転方向後方側に設け、該ツイストドリルの有効刃長内の軸直角断面ですくい面を凸状とし、外周との繋ぎに面取り状の面を形成したことを特徴とする穴明け工具。
【請求項2】請求項1記載の穴あけ工具において、該面取りがC面取りで、角度が10度〜35度、長さがすくい面方向で0.05〜0.5mm、逃げ面方向で0.05〜0.5mmであることを特徴とする穴明け工具。
【請求項3】請求項2記載の穴あけ工具において、該すくい面方向と逃げ面方向の面取り比が5/1〜1/5であることを特徴とする穴明け工具。
【請求項4】請求項1記載の穴あけ工具において、該面取りがR面取りであり、接線角度が10度〜35度、長さがすくい面方向で0.05〜0.5mm、逃げ面方向で0.05〜0.5mmであることを特徴とする穴明け工具。
【請求項5】請求項4記載の穴あけ工具において、該すくい面方向と逃げ面方向の面取り比が5/1〜1/5であることを特徴とする穴明け工具。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、延性のある被削材、例えば、軟鋼、ステンレス鋼等の難削材の穴明け工具に関し、特に高速度工具鋼を用いたステンレス鋼の穴明け工具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、延性のある被削材、特にステンレス鋼の穴あけ工具には多種多様なドリルが提案されている。ステンレス鋼の穴加工においては、図1に示すような、30度前後のねじれ角を有する一般的なツイストドリルでも切削できるが、加工硬化するため削りにくく、切屑が分断されにくいという特性があり、切屑排出性(切削動力)や穴精度(拡大代、特に被削材の入口での拡大代)が悪くなるという欠点がある。しかも、切削点の温度を下げ、工具寿命の延長を図り、切削抵抗を下げるため、切屑排出溝のねじれ角は30度前後と大きく設定されている。これを改良したものに特開平9−11015号公報に記載の穴あけ工具が有る。特開平9−11015号公報には、先端刃のみ、ねじれ角を大きくし、切れ味は良くした例である。
【0003】更に、ステンレス鋼を切削する際のチゼル部の形状は、該と同じ理由により、シャープな形状であるX型シンニングが用いられるが、切削抵抗の軽減や求心性の向上を目的にX型シンニングを改良してその段差を無くし、スムーズな切屑排出が行えるようにした特開平11−267912号の例が有る。また、先端刃も凹状として、切り屑処理性を高めている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、ステンレス鋼等の穴あけ加工では切削速度が速くなると極端に短寿命となりやすく、例えば、図1のようなドリルでは低速高送りである10m前後の切削速度では100〜150穴程度の加工が行えるが、30m前後の切削速度では1穴も加工できずに折損する。同様に、特開平9−11015号公報、特開平11−267912号の様な例でも、切削速度の影響を受ける外周側は寿命が短くなり、特に特開平11−267912号では、外周側との繋ぎ部が尖っている分、強度が低下するため、チッピング等を生じやすく、能率を高めることが難しいのが現状である。また、、強ねじれを採用すると、先端切れ刃とねじれ刃の交差する部分が鋭利となり、強度の高い高速度鋼で有っても交差部にチッピング等が生じやすくなる。交差部は、穴あけ加工時においても、損傷を受けやすい箇所であり、交差部では膜の剥離やチッピング等を生じやすくなるという問題があった。
【0005】上記課題を解決するために、本願発明では、ステンレス鋼の様に比較的延性のある被削材の穴明け加工に際して、より一層のシャープエツジな刃型を適用し、25m以上の高速切削において、外周部の溶着、圧着を防止し、耐久性に優れたツイストドリルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による穴明け工具は、被覆した超硬質合金製からなるツイストドリルにおいて、ねじれ角を35度〜45度の強ねじれ角とし、該ドリルの先端視で、先端切れ刃をを凸状とし、かつ、該凸状部の最凸部とシンニング刃とを結ぶ仮想線に対して、先端切れ刃を刃径の1〜10%回転方向後方側に設け、該ツイストドリルの有効刃長内の軸直角断面ですくい面を凸状とし、外周との繋ぎに面取り状の面を形成したことを特徴とする穴明け工具である。更に、凸形、面取り状の面を先端切れ刃から有効刃長にわたり設けることにより、加わる負荷を分散、軽減するものである。
【0007】図3〜図5を参照して説明する。先ず、軸方向すくい角であるねじれ角は、大きく採れば切れ味をよくできるが、その反面、強度が低下する。ねじれ角が35度未満だと切削抵抗が大きく拡大代が大きくなり、穴精度が低下し、ねじれ角が45度を超えると、切り屑排出の妨げになるため35度〜45度の範囲とした。また、その強度の低下を径方向すくい角である先端刃との繋ぎかたで、図4に示すように、ドリル先端視から、該先端切れ刃と外周切れ刃の交差する箇所に鈍角をなす面取り状の面を形成し、強度低下を補い、十分な刃先強度を得られるようにし、更には、強度をより確実なものとするため、超硬合金製のツイストドリルで行われているようなホーニング処理を行ってものである。また、有効刃長内の軸直角断面で面取り状の面を設けたのは、再研磨等の際に先端から研磨除去しても、新品時と同様な刃形を製作することができ、再研磨に際して特別な刃先加工を要しないようにしたものである。
【0008】次に、凸部からシンニング切れ刃迄の先端切れ刃は、切削抵抗の分散、軽減や切り屑の拘束に影響するため、該凸状部の最凸部とシンニング刃とを結ぶ仮想線に対して、先端切れ刃を刃径の1〜10%回転方向後方側に設ける。先端切れ刃を刃径の1〜10%回転方向後方側としたのは、刃径の1%未満では、直線状切れ刃と同様、切り屑の生成に関して効果がなく、また、刃径の10%を超えると、相対的にランド幅の肉厚が薄くなり、強度的に劣るため、刃径の1〜10%の範囲とした。また、生成された切り屑は凸状部により拘束されて切り屑排出溝の軸方向に強制的に移動され、排出される。特に、凸状部は、図5に示す先端視における、最凸部の径方向の位置、凸部差により制御することができる。更に、最凸部の形状は緩やかな曲線状に設けると良い。最凸部の位置は、径の98%〜シンニング刃の端部の間の任意の位置でよいか、好ましくは、径の70〜98%である。98%を超えると、外周端との繋ぎ部に十分な余裕がとれず、曲面状につなぐことが難しくなる。また、70%未満では、シンニング刃との繋ぎが滑らかに行えないためである。更に、最凸部の形状は緩やかな曲線状に設けると良い。この際、図5に示すようにその差を定義する。該凸状部の最凸部と外周刃との差は、刃径の0.5%未満では、実質的な作用が少なく、また径の20%を超えると、凸部が出過ぎるため、径の0.5〜20%とした。この凸部の位置、差により切り屑の移動する方向を軸方向により拘束することができる。
【0009】更に、図5、図6に示すように、軸直角断面の外周端を上記説明した凸部の一端より面取り状に繋ぐ。面取り状に繋ぐことにより、切れ刃の耐欠損性を高めることができる。また、該面取りをC面取りとした場合の長さを0.05〜0.5mmとしたのは、0.05mm未満では面取りを設けた効果、すなわち、膜の剥離やチッピングの防止に対して効果が少なく、0.5mmを越えるとすくい面長さに比して長くなりすぎるため、0.05〜0.5mmの範囲とした。更に、角度を10度〜35度としたのは、10度未満では実質的に効果が無く、また35度を超えると摩耗量に影響し、工具寿命に影響してくるため10度〜35度の範囲とした。更に、該C面取りの両端部をRで繋ぐことにより、より強度を安定させたものとすることができる。次に、図7、図8に示すように、R面取り状に繋いでも良い。R面取りとした場合の長さを0.05〜0.5mmとしたのは、0.05mm未満では面取りを設けた効果、すなわち、膜の剥離やチッピングの防止に対して効果が少なく、0.5mmを越えると切れ刃長さに比して長くなりすぎるため、0.05〜0.5mmの範囲とした。ドリルの芯厚は、0.10D〜0.25Dの範囲で、0.10D未満では工具剛性が不足して、穴加工時の被削材入口の拡大代の精度が悪くなり、0.25Dを越えると溝自体のスペースを狭くなりすぎるため、内壁との接触が増え、切削抵抗が大きくなると共に切屑排出性が悪くなり、切屑詰まりを起し易くなるためである。更に、溝幅比は(断面図における、切屑排出溝の溝幅を工具外周長さで除し、百分率で表す。)55〜70%とした。ここで、溝幅比55%未満では、強ねじれと相まって溝幅が狭くなり切屑詰まりを引き起こすことになり、70%を超えると、溝幅が広い分、切屑処理が不安定となり、特に切り屑が伸び勝手となり、制御しずらく、切削動力が不安定になるため、溝幅比は55〜70%の範囲とした。更に、大きな溝幅比は、溝のヒール部の形状により調整することもできる。ヒール部の先端を円弧状に形成することにより、溝幅比を大きくとり、前述のような切り屑の内壁との接触を少なめることができる。
【0010】本発明のツイストドリルは、高速度鋼を用いて説明してきたが、より好ましくは粉末ハイスである。通常の溶製ハイスに比して炭化物の粒度が細かいため、ねじれ角が強い本発明のドリルには好都合である。また、溶製ハイスでもねじれを生かし、ホーニングの大小により適用することができる。更に、ステンレス鋼等の延性に富む材料には被覆が必須なものであり、本発明においても公知な被膜、例えば、TiNやTiAlN等の物理蒸着法を用いて行われる膜が適している。特に、切り屑の溶着や圧着を生じやすい先端切れ刃のチゼル近傍には、潤滑性にとむCr窒化物、DLC及び2硫化モリブデン等の固体潤滑剤の被膜も有効である。
【0011】35〜45度のねじれ角を採用することにより、切れ味がよく高い穴精度が得られる。更に、穴精度をより高めるため、シンニング形状をより求心性の高い形状とする。図5の先端視の様に、シンニング角度を大きく採り、図4に示すように、軸方向のすくい角を−5度以上の負角とし、刃溝まで十分な距離を、滑らかに結ぶように設けることにより、切り屑のつまりを防止し、上記先端刃の凸状の作用と相まって、軸方向後方に排出される。以下、実施例に基づき、本発明を具体的に説明する。
【0012】
【実施例】図3は、本発明の実施例によるドリルの正面図、図4は、図3に示すドリルの90度回転させた上面図、図5は、図3の先端視である。本発明例によるツイストドリル1は、高速度鋼(粉末ハイス)製、刃径6mm、2枚刃、ねじれ角2は40度で、TiAlNを被覆した。図5に示すように、軸線Oの周りの先端刃3には凸部4が設けられ、最凸部5との差6は径の3%である。また、先端刃3の外周端7は面取りにより滑らかに繋ぎ、切屑排出溝8が形成されている。先端刃のシンニングは、X型とした。
【0013】次に、本発明例によるドリル、図1に示すねじれ角30度の従来ドリル1、図2に示す従来ドリル2とについて、各種被削材の切削性能に関する試験を行った。尚、従来ドリルは、同一径でTiAlN被覆を行った。切削試験にあたっては、被削材として、SUS304を用い、穴加工深さ3Dとし、切削油剤は水溶性のエマルジョンタイプを用い、切削速度30m/min、送り量0.15mm/revで行い、切れ刃のチッピング状態、摩耗量・摩耗状態を一定数ごとに確認し、穴あけを継続した。また、1穴目の加工で拡大代を測定し、更に、定常摩耗域で測定した。先ず、1穴目で、本発明例のドリルは、切り屑形態としては処理性の良いカールされた切り屑が得られ、1穴目の拡大代は、入り口、中央とも0.02mmと良好であり、チッピングもなく正常な摩耗を示したが、従来例1では切削速度が速すぎるため、1穴も加工できずに寿命となった。従来例2のドリルも、外周側部にチッピングを生じた。そのため拡大代は、0.08mmと大きくなった。更に、穴あけ試験を継続した結果、100穴目で、本発明例のドリルは、1穴目の状態が継続し、逃げ面最大摩耗もVBmaxで0.08mm、正常な摩耗であつたが、従来例2のドリルでは、外周端のチッピングが大きくなり、試験を止めた。100穴加工における拡大代は、本発明例0.02mmに対し、従来例2は0.08mmであった。
【0014】更に、試験を継続し、200穴、400穴、600穴で、徐々に溶着がみられるようになり、800穴加工でその一部が脱落したため、逃げ面最大摩耗量が0.3mmを越えたため、切削試験を止めた。800穴加工での拡大代も0.02mmと良好であった。
【0015】次に、先の実施例で用いた本発明例のねじれ角、凸部形状、面取り量等を変化させて、同様に切削試験を行った。先ず、ねじれ角を、35度、38度、40度、45度、比較例1として50度のものを製作した。切削試験の結果、1穴目で、正常な摩耗は、ねじれ角35度のみで、他の38度〜50度のドリルはチッピングを生じた。そのため、38度〜50度の本発明例、比較例にC面取り、C面取り+R面取り、R面取りのみの処理を実施した。その処理量は、ねじれ角に対応して変化させた。それらを同様に切削試験を行った。1穴目でのチッピング等の防止は、ねじれ角38度の本発明例〜比較例まで、C・R面取りを行うことにより防止でき、その処理量としては0.05〜0.5mm程度の面取りで十分な効果が確認できた。更に、試験を継続し、更に100、200穴と増やしていくに従い、大きな面取り量のものでは摩耗量が大きく拡大代が大きな数値となった。
【0016】次に、最凸部の位置50%の試料を用いて、差6を径の0.5%、2%、3%、4%、5%、10%の試料を製作し、同様に切削試験を行った。その結果、1穴目で欠損を生じたのは、差6、10%を設けた試料のみで他は正常な摩耗を示した。凸部が出っ張りすぎているために欠損した。更に試験を継続し、100穴加工では、差6が5%の試料で凸部の摩耗が大きくなり、溶着が認められた。他の試料は正常な摩耗を示した。更に、500穴まで試験を継続すると、差6が0.5%の試料で、切り屑形態が変化し、連続する切り屑が排出されるようになった。他の試料は正常な摩耗を示した。
【0017】尚、上述の実施例においては高速度鋼を用いて説明したが、これに限定されることなく、超硬ソリッドタイプやスローアウェイタイプのドリル等であっても、同様に本発明を適用できる。
【0018】
【発明の効果】上記のように、本発明に係る穴明け工具を用いることにより、切削抵抗が小さく、穴精度(拡大代)の良い加工が行え、また、面取りグ処理との組み合わせにより摩耗が安定し、優れた工具寿命を発揮する。




 

 


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