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発明の名称 被覆工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−179533(P2001−179533A)
公開日 平成13年7月3日(2001.7.3)
出願番号 特願平11−363924
出願日 平成11年12月22日(1999.12.22)
代理人
発明者 堀江 仁
要約 目的
高速度鋼及び超硬合金を基体としてなる工具の耐凝着性又は耐圧着性を向上させた被覆工具を提供することを目的とする。

構成
切削速度が20m/min以下の切削速度で使用される高速度鋼及び超硬合金を基体としてなる被覆工具において、工具の切れ刃部を含む刃の一部ないし全部に、0.05μm〜5.0μmのZrN、HfN、NbN、TaN、MoN、WNからなる固体潤滑被膜の1種以上を被覆し、更に、0.5μm〜10.0μmの硬質皮膜と上記潤滑皮膜とを組合わせることにより構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】切削速度が20m/min以下の切削速度で使用される高速度鋼及び超硬合金を基体としてなる被覆工具において、工具の切れ刃部を含む刃の一部ないし全部に、0.05μm〜2.0μmのZrN、HfN、NbN、TaN、MoN、WNからなる固体潤滑被膜の1種以上を被覆したことを特徴とする被覆工具。
【請求項2】切削速度が20m/min以下の切削速度で使用される高速度鋼及び超硬合金を基体としてなる被覆工具において、工具の切れ刃部を含む刃の一部ないし全部に、0.5μm〜10.0μmの硬質皮膜と0.05μm〜2.0μmのZrN、HfN、NbN、TaN、MoN、WNからなる固体潤滑被膜、0.05μm〜5.0μmの固体潤滑被膜の1種以上を被覆したことを特徴とする被覆工具。
【請求項3】 請求項1乃至2記載の被覆工具において、前記被覆工具がブローチ工具であることを特徴とする特徴とする被覆工具。
【請求項4】請求項2記載の被覆工具において、前記硬質皮膜は周期率表第4a、5a、6a族遷移金属の炭化物、窒化物、酸化物、硼化物、および炭化硼素、硬質窒化硼素、硬質炭素さらにこれらの固溶体または混合体からなる群の内から選ばれた1種または2種以上の硬質物質を1層または2層以上の多層で被覆したことを特徴とする被覆工具。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低速切削域、特に切削速度20m/min以下で用いられるブローチ等の切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】硬質被膜を有する工具についてはイオンプレーティングを主として一般化しており、金色を呈するTiNコ−ティングが施された高速度工具を初めとしてTiCN等のコ−ティングが施された高速度鋼製又は超硬合金製の工具に適用されている。これらは主として耐摩耗性やより高速切削における耐熱性が重視されて開発が進められている。しかし、低速切削域における皮膜はほとんど検討されていないのが現状である。例えば、TiAlN皮膜の例として、特開平11−300518号公報がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】低速切削域で用いる工具として、代表的なものはブローチ工具であり、回転を用いる旋削加工やフライス加工に比較して著しく低速であり、数メートル程度が実用され、高速ブローチ盤においても十数メートルの速度にすぎない。低速における切削では工具材料の耐摩耗性や耐熱性といった摩耗や熱に関する基本的なものは問題とならず、凝着や圧着という現象を伴うのが一般的である。切削は工具刃先の受ける力が摩擦を伴い、被削材の分断あるいは切粉の生成過程でこの摩擦現象が重要な役割を演じる。低速では、摩擦現象において凝着又は圧着し易く、凝着物又は圧着物が成長し易いという課題がある。このような摩擦低減により、低速域で用いられる用途でもTiNやTiAlN等の被覆が用いられ、被削材に対応してダイヤ被覆も行われている。本発明の課題は、高速度鋼及び超硬合金を基体としてなる工具の耐凝着性又は耐圧着性を向上させた被覆工具を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そのため本発明では、切削速度が20m/min以下の切削速度で使用される高速度鋼及び超硬合金を基体としてなる被覆工具において、工具の切れ刃部を含む刃の一部ないし全部に、0.05μm〜2.0μmのZrN、HfN、NbN、TaN、MoN、WNからなる固体潤滑被膜を1種以上を被覆したことを特徴とする被覆工具を提供することによって上述した従来技術の課題を解決した。更に、0.5μm〜10.0μmの硬質皮膜と上記固体潤滑皮膜とを組合わせることにより解決したものである。
【0005】先ず、ブローチのような低速で用いられる工具切削では上述したような凝着又は圧着といった現象により工具性能に制限が加えられるような場合、凝着又は圧着しにくい材料を工具表面に被覆することが重要となる。そこで各種材料について調査研究を行い、硬さと潤滑性を兼ね備えている固体潤滑剤を用いることにより摩擦が低減され、この現象は単に摩擦を下げる作用として凝着物や圧着物が成長を起こす以前に滑り除去される効果によるものである。このような作用を生み出すためには固体潤滑剤のなかでも硬さの高い潤滑膜を形成する必要があり、ある程度の密着性を得るためにはPVDの場合、HfNを形成するのが良い。このHfN被膜を持つ工具の作用は極めて仕上げ面粗さを向上させることであり、その主な作用は潤滑による凝着又は圧着の防止がその大きな作用となり、切削性能を飛躍的に増大するものとなった。また、工具の切れ刃部を含む有効刃長の一部ないし全部は、ブローチでは工具全体に被覆したり、被覆後研磨によりすくい面の皮膜を除去したりすることがあり、一部乃至全部、とした。
【0006】更に、ZrN、HfN、NbN、TaN、MoN、WNからなる固体潤滑被膜としたのは、2硫化モリブデンの様に低摩擦係数ではあるが柔らかいため切削初期のみは効果があるものの、切屑等の擦過により摩滅または持去られる等を防ぐためで有る。膜厚を0.05μm〜2.0μmとしたのは、0.05μm未満では、皮膜として薄すぎるため、潤滑効果が長く保てず、また、2.0μmを越えると厚くなり、剥離等の脱落を起しやすくなるため0.05μm〜5.0μmの厚さとした。更に好ましくは、0.3μm〜0.8μmである。
【0007】次に、切れ刃の一部が回転中心付近で切削を行うツイストドリル、ボールエンドミルの例で説明する。ドリルのチゼル近傍やボールエンドミルの中心刃近傍では、外周刃を設定して被覆された皮膜では、低速切削故にその性能が発揮されないこともあった。ツイストドリルやボールエンドミル等では、耐摩耗性の強い皮膜、例えばTiCN、TiAlN等の上にHfNを成膜した場合、切削速度が高い外径付近では前記TiCN膜の耐摩耗性が有効となり、低速領域では潤滑性を維持しつつ、凝着等の摩耗が軽減され、長期に亘り優れた性能を得ることができる。また、これらは刃溝においても有効に作用する。特にツイストドリルのように、刃溝を切屑が移動し、外部に排出される工具では、刃溝に被覆された潤滑性皮膜は切屑をスムーズに移動させ、かつ摩擦抵抗を減少させるが、更に、切屑の擦過程度では摩滅したり、剥がれたりすることがなく、その効果は長く保たれる。
【0008】
【実施例】ジョイントのスプライン穴加工用スプラインブローチの例で説明する。その仕様は最大径29.8mm、歯数15、全長660mmであって、41刃の切削刃と10刃の仕上げ刃を備えている。切削刃は順次所定の切り込み量づつ切削して歯形を創成するが、各切削刃の歯形は仕上り歯形と同一の形状をなしている。そのため、輪郭に段差部を生じないメリットがある。更に、前記ブロ−チの刃部全面に厚さ0.7μmのHfN被覆を施してある。また、比較のため、同形状にTiAlNを1μm被覆したものを用いた。
【0009】被加工物は材質がニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM材)、切削長さ24mmであって、切削速度5m/minで切削した。評価はビトウィ−ン径の変化量を測定することにより、寸法の変化で行った。本発明例では、切削長さ200mを越えてもビトウィ−ン径の変化量は20μm以下の安定した切削が可能であった。比較例は、膜質がTiNのためバニシング作用が働き、ビトウィ−ン径の変化量が30〜70μmと大きく、長い工具寿命を得ることができなかった。
【0010】次に、低速切削域を有する、超微粒子超硬合金製のR1mm(刃径2mm)、刃数2枚刃のボ−ルエンドミルを製作し、TiAlN膜上にTaNを0.4μmの厚みで被覆し、本発明例のボールエンドミルを製作した。比較例として、同様の寸法で、TiAlNのみの皮膜を製作した。切削試験は、被削材S50C(HRC23)、肩削りで、エアブローを用いた乾式切削とし、切り込み量は、軸方向、ピック方向とも0.1mm、回転数20000min−1、送り速度1m/minで、各々5本づつ行い、使用初期(10m切削後)の剥離の状態を観察した。本発明例は使用初期において、5本とも正常な摩耗状態で有ったが、比較例では、2本にチッピング、膜の剥離が回転中心付近に観察された。続いて、これらの正常な摩耗状態のものを更に継続して試験を行い、100m切削後でも、本発明例はシャープなエッジを保ち、特に、回転中心付近では、被膜に擦過痕があるもの、溶着等は観察されず、正常な摩耗を示し、切削を継続できる状態であった。比較例は、切削長さを長くなるにつれ、基体が露出し、切り屑の溶着が増加し50m切削において折損した。
【0011】
【発明の効果】以上の結果から、本願発明を適用することにより、ブローチ工具の様に低速で用い、またツイストドリルやボールエンドミルの様に低速域と高速域の両方で用いられる工具では、回転中心付近の凝着や圧着を軽減することができる。




 

 


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